小説 - 講談社作品一覧

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  • 各務原・名古屋・国立
    -
    老小説家の父親の出生地、岐阜県各務原市での講演という体で小説は書き始められる。その講演では岐阜近辺出身の文人が次々に召喚され、文化的磁場としての岐阜について語られるかと思いきや、認知症が進行していく妻とのやり取りの場面が挿入される。老小説家が関心を持って接してきた遠い過去からごく最近までの文学者たちの言葉と、日常生活を営むことが困難になりつつある妻の言葉が折り重なるように記されつづけたその奥からぼんやりと見えてくるのは、齢八十代半ばに至り健康体とはいえない老小説家が、どうしようもなく疲労しつつも生きて書くことの闘いをやめようとしない姿である。
  • 鏡の城の美女
    3.5
    大手美容チェーンで起こった3D身体データ盗難事件。データを盗まれた女性が次々と通り魔に襲われ、遂に殺人事件まで発生してしまう! 櫻藍女子学院高校ミステリィ研の仁美もデータを盗まれた一人。ターゲットになる可能性は高い。ミリア&ユリと顧問の石崎は、仁美と共にエステグループの総本山・不銹城へ向かう。そこには犯人の最終目標と噂される美女、鏡子がいた。彼女は七枚の堅牢な扉の奥で犯人を迎え撃つと言うのだが!?
  • 書きしごと。
    4.0
    今をときめく人気芸人の皆さんへ。 「Q.面白い小説を書いてみてください。」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 吉住さんへ。 「Q.ゾッとするようなサスペンス小説を書いてください」 ぴろ(キュウ)さんへ。 「Q.心があったまるような日常系小説を書いてください」 ニシダ(ラランド)さんへ。 「Q.内面がえぐられるような小説を書いてください」 石橋遼大(四千頭身)さんへ。 「Q.甘酸っぱい青春小説を書いてください」 上田航平さんへ。 「Q.シュールなSF小説を書いてください」 布川ひろき(トム・ブラウン)さんへ。 「Q.とにかくぶっ飛んだ小説を書いてください!!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー →答えは本書にて!
  • 柿本人麻呂
    -
    1巻814円 (税込)
    学殖ある文芸評論家たる著者の、実証的にして、深い洞察とすぐれた創見にみちた労作!! ――生活伝承に対する卓抜な理解に基づいて、日本詩=短歌の源流たる万葉集に新たな光をあて、短歌的抒情の変革者にして偉大な完成者たる歌聖・柿本人麻呂の芸術を見事に解明した。柿本人麻呂は著者のライフ・ワークの一つであり、文芸評論家であるとともに折口信夫門下でもある著者が、人麻呂と日本の詩の誕生に論究した名著である。
  • 鍵穴ラビリンス
    3.7
    ご存知ですか? 物語は圧縮すると結晶になるのです。ここに収められたのは56の短い物語。一つ一つは小さく、だけど、それぞれがキラキラ輝いています。ほら、鍵穴からそっとのぞくと、そこには目もくらむラビリンスが! 伝説のショートショート作家・星新一氏の遺志を継ぐ、稀代の異才・江坂遊、ノベルスについに登場!!
  • かぎろい頌
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 幻の板画集! 棟方志功・保田與重郎の遺志を継いで集成、刊行! ――日本浪曼派の総帥・保田與重郎が詠んだ和歌を、昭和23年から20余年間も彫り続けた板画家・棟方志功。棟方・保田とも鬼籍に入ったが、50作で纏める計画は遂に「未完成板画集」となった。故人の遺志を継ぎ、改めて全国的規模で調査・収集を敢行し、判明した32柵で編む、初めての作品集。 ◎棟方志功  「かぎろい頌」は、保田氏のつくられた歌を五十くらいつくって、一本にしようではないか、というので、制作にかかりました。―(略)―まだ未完ですが、五十首完成ののち、好きに出来たものを発表しようと思っています。<昭和31年刊『板画の道』より> ◎保田與重郎  棟方さんが私の歌を彫ったのは戦後になってからのことだが、以来、折にふれ長期にわたって、私の歌を板画にしてくれた。―(略)―私の歌にふれた作品は、彼の各時代の手法が現われていて、作品年譜を見るようで、おもしろい。<昭和51年刊『グッドバイ棟方志功』より>
  • 架空列車
    3.4
    1巻1,353円 (税込)
    他者との関係を作ることができず、会社も辞めた「僕」は、ひとり東北の町に逃げる。そこで「僕」は、架空の鉄道路線を妄想の中で造ることに熱中する。緻密な計算と実地見聞を繰りかえし、理想の鉄道が出来上がったとき、思いもよらぬ出来事が町を襲う……。
  • 隠された牙 森林保護官 樋口孝也の事件簿
    4.0
    北海道森林事務局日高支所に勤務する二人の森林保護官。元自衛官で愛想はないが頼れる男・山崎とその部下・樋口孝也。二人は森林事務所に日々持ち込まれる事件と対峙する。林道計画の撤回を求め運動を続ける孤独な男、頻発するエゾシカと車の接触事故、サラブレットの怪死事件……。大自然のほとりに生きる人びとの姿を活写する、ネイチャー・アクション・ノヴェルの誕生。
  • 核の柩
    3.3
    核燃料輸送隊をテロリストが狙っている! 警備を命じられた警視庁SAT(特殊急襲部隊)の原田たちを待ち受けていたのは、時速60キロを切れば爆発する、核燃料輸送車に仕掛けられたテロリストの罠だった。容赦ない攻撃と、放射能汚染の恐怖のなか、首都高速を爆走するノンストップの死闘が幕を開けた。(講談社文庫)
  • 匿われている深い夢
    3.5
    1巻1,562円 (税込)
    甘美な夢が手招く驚愕の結末。身近な人物の底知れぬ悪意。ねじ曲げられた記憶に潜む、衝撃の過去。夢が現実の恐怖へとつながっていく、全10篇の哀しい物語。
  • 神楽坂つきみ茶屋 禁断の盃と絶品江戸レシピ
    3.9
    1~4巻715~726円 (税込)
    ★★★★★講談社文庫、2021年最初の勝負作★★★★★ 突然、事故死した両親に代わって、神楽坂の割烹「つきみ茶屋」を継ごうと決意する剣士。 幼馴染の翔太とワインバーへ改装しようと夢見るが、ある晩、翔太が代々伝わる“禁断の盃”で酒を飲んでしまう。 すると、豹変。 「おいおい、鮪の脂身なんざぁ、生で食ったら死ぬぜ!」 食べかけの大トロを窓から投げ捨て、見たこともない料理を作り出す。 これはまさか…江戸時代の料理!? なんと、翔太に江戸時代の料理人・玄の魂が憑いてしまったらしい! 果たして翔太は元に戻れるのか?そして「つきみ茶屋」の行方は――。 面白さ、天下一品!笑って泣ける絶品グルメ小説第1弾! ※シリーズ第2巻は2021年5月発売予定
  • 書けそうで書けない英単語 Let’s enjoy spelling!
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 イラスト満載。雑学コラム充実。やればやるほど深みにはまる! ――たとえば仕事で書くメールで、よく使う英単語のスペルに迷ったことはありませんか? 知っているはずなのに、実際に書いてみると意外にまちがえるのが、英単語の奥深さ。アメリカの子どもたちが熱狂するスペリングを、ドリル形式で再現し、英語にまつわる雑学も満載。あなたもきっと深みにはまる!
  • 賭の季節
    -
    映画スター・上杉悠子邸の玄関先に倒れていた死体――それは、悠子にそっくりの女であった。熱狂的なファンの「自殺」として片づけられたこの事件に、木島刑事は疑問をもつ。「捜査の邪道かもしれないが……」彼は心に殺人事件を描いてみた。悠子には幼くして別れた双生児の姉・竹村久子がいた。死体は、この久子なのだろうか、あるいは悠子その人なのかもしれぬ。刑事は、付人の西条悌子とマネージャー・藤岡謙にあたった。捜査が、華やかな女優生活の裏にひそむ「影の女」の存在を知った時、事件は意外な終末を迎える。巧妙なトリックを用い、「女の賭」を描く本格推理。
  • 影と踊る日
    値引きあり
    4.0
    1巻962円 (税込)
    「おまえは出来は悪いが、うちの娘だ」 思いつめたら突き進む“跳ねっ返り”女性警察官の真情。 認知症の高齢女性を助けた青年が水死体で発見された。 鈴山澪は事件の背後に悪名高い刑事の存在を探り当てる。 不審な動きを見せる刑事は何を追っているのか? 特殊詐欺の闇を抉り出す渾身の警察小説! 心優しき青年はなぜ殺されなければならなかったのか? 新潟県警に勤務する鈴山澪は地元のテレビ番組で、特殊詐欺対策啓蒙コーナーを担当している。 共演者の麻子は、恋人を詐欺被害で亡くしていた。ある日、麻子は生放送で、未だに捕まらない 犯人への憎しみを口走って炎上する。 一方、澪の友人で、大雪の日に認知症の高齢女性を保護して表彰された青年がいなくなる。 その件に絡んで謹慎となった澪は行方を探し、富山の海岸で変わり果てた姿を目にする。 辿りついた防犯映像には地元暴力団との交際が噂される刑事の姿が……。 警察組織に背を向けて事件を追う澪は、いつしか、封印した自らの過去に踏み込んでいくことに――。 新潟を舞台にした新たなる警察小説
  • 影の凶器
    -
    女――それは男を迷わせるだけではない。会社組織をも狂わせる凶器だ。籠絡した4人の美女を武器に、高度成長の波に乗る電機業界の舞台裏に暗躍する産業スパイ・片桐七郎。俺こそが影の凶器だ、と豪語する非情の男は、アメリカ仕込みの凄腕で、着々と成果を挙げていく……。精力的な取材とダイナミックなストーリー展開で、わが国に企業スパイ小説というすぐれて現代的なジャンルを拓いた著者の代表作。
  • 影の告発
    4.0
    デパートの満員のエレベーターの中で、殺人事件が発生。被害者は、私立高の校長・城崎達也と判明。白昼、しかも衆人環視の中での大胆不敵な犯行の手がかりは、名刺と母娘の古い写真しかない。偶然、事件現場に居合わせた千草検事が、捜査の指揮をとることになった……。本格派の第一人者の代表作。日本推理作家協会賞受賞作品。
  • 影ふかき人
    -
    心ならずも神宮球場のスーパースターの妻となった冴子は、新婚旅行の途次、新郎・信三とともに事故に遭ってしまう。そして、新婚初夜にも関わらず、冴子は建築家の城田と結ばれ、子を孕んでしまうのだった。それでも、意識の定まらない状態になった信三を愛せるようになった冴子だが、奇跡的に元に戻った信三の暴君振りに、今度は家を出てしまう。そこには、独身となった城田に想いをかける3人の女たち。だが、ついに冴子は城田と……。
  • 影丸極道帖(上)
    -
    天保13年9月、江戸を襲った台風の日、怪盗・影丸が脱獄した。江戸城内、大奥にまで侵入した剽盗だけに、奉行所の召喚状をすりかえて脱獄する、前代未聞の牢破りだった。同じ日、名与力・松並白亭の養女・小夜も何者かに誘拐された。そして、白亭と配下の同心・志賀三平は、この2つの怪事件を結ぶ謎に立ち向かう。不敵にも影丸は、「目指す相手は八丁堀!」と、かれらに挑戦してきたのだ。だが、目明し伝六、紋十郎ら悪党の名は浮かんでも、当の影丸は神出鬼没。しかも事件の背後には、将軍家継嗣をめぐる暗闘までも絡んでいる……。著者が秘材を傾けた本格派時代物推理の妙。<上下巻>
  • 翳りゆく夏
    3.9
    「誘拐犯の娘が新聞社の記者に内定」。週刊誌のスクープ記事をきっかけに、大手新聞社が、20年前の新生児誘拐事件の再調査を開始する。社命を受けた窓際社員の梶は、犯人の周辺、被害者、当時の担当刑事や病院関係者への取材を重ね、ついに“封印されていた真実”をつきとめる。第49回江戸川乱歩賞受賞作。(講談社文庫)
  • 蜻蛉日記(上)
    -
    1~3巻550円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 その美貌と、歌才で謳われた藤原道綱の母。受領の娘に生まれ、世を時めく藤原兼家の妻となり、当代の女性として稀にみる強烈なエゴと、豊かな感受性をもって成立した、現代になお新しい告白的自叙伝。従来の、契沖本に依拠し過ぎた研究に対し、それを批判的に摂取しつつも、新規点に立った、50年余の結実。川瀬一馬の校注・現代語訳でお贈りします。<上中下3巻 上巻>
  • 蜻蛉日記をご一緒に
    4.0
    いつの世にも変わらない、女と男の愛の姿。唯一の女として永遠に愛されたい! ――女の夢は、いつの世も変わらない。ただ一人の男に出会って、ただ一人の女として愛されること。蜻蛉は、男らしい実力者の兼家に恋しているが、夫は男の常として、一人の女に満足しない。妻は嘆き、恨み、苦しむ中で、ついに深い人生観照と、不思議な安らぎの世界に入る。女の生き方、女と男のあり方を考える名著。<『田辺聖子と読む蜻蛉日記』改題作品>
  • 影を裁く日
    5.0
    その日、外務省のキャリア組は震え上がった。TOKIOサミットが終了した晩、ホテル・ニューオークラで開かれていたパーティーの会場から、朝倉外務省欧州局長の姿が忽然と消えた。ほどなく、死体が中庭の池に浮かんだ。元外交官の著者が、一見はなやかな外務省内部に秘められた、キャリアとノンキャリアの確執、権力の腐敗を描き、人間性の本質に迫る傑作ミステリー。
  • 影を燃やせ
    -
    恋人のまりが、殺された。いまや、美しい思い出となった、たった一夜の契り。夜の紳士・宝木は、恋人に対する愛と犯人への怒りに燃えて、自力捜査を決意する。彼の危険をおそれぬ追及で、事件の輪郭は、徐々にあらわにされる。悪徳と情欲の渦まく大都会を舞台に、女を縛る謎のフィルムをめぐって展開する、ハードボイルド推理。
  • 火口湖
    -
    甲州に葡萄園と葡萄酒工場をもつ千倉家には、二人の美しい娘がいた。東京の直売所、千倉洋酒店を切り盛りしている姉の一枝と、近郷の雑貨屋に嫁いだ妹のしげ実である。一枝は薬剤師の西竜一と愛し合っていたが、勝気な彼女と消極的な西との間は、一向に進まない。詐欺事件の後始末に大阪へ出向いた一枝は、叔父の自動車販売会社に働く妻子持ちのセールスマン、染谷の行動的な性格に魅かれていく。一方、封建的な婚家を逃げ出したしげ実は、姉の店で暮らすうち西と知り合い……。 あかね色の夕映えに輝く葡萄園、そこに育った姉妹の人生行路を描き感動をよぶ長篇恋愛小説。
  • 過去からの追跡者(ネクロポリス)
    -
    世界各国の重罪人や危険分子が幽閉された、酷寒の監獄島。無法状態の中で、莫大な報酬目当ての少年探しが始まる。娼婦、元将軍、武器商人、テロリスト、女暗殺団など、さまざまなアウトローたちの欲望がからみあう殺戮の果てに……。大恐慌の果てに監獄島と化した近未来の旧サハリンを舞台に展開する、凄絶な新冒険小説。卓抜な構想と強靭な描写力が創り上げた、スリリングなドラマ。(『ネクロポリス』改題作品)
  • 風花
    3.8
    帰る場所のない女と男と……。喪失と再生の物語――恋人から別れを告げられ、落ち込む廉司に、追い打ちをかけるように、会社から突然、リストラの宣告。同僚との送別会で泥酔した廉司だが、なぜか目が覚めた時、隣に寝ていた見知らぬ女=風俗嬢レモンと、一緒に旅することになった。希望を失い、自暴自棄になった男と女が、人生を取り戻していく道程を描く、感動の長篇。
  • 崋山と長英
    -
    幕末に開港論を主張した高野長英と、攘夷の非を鳴らした渡辺崋山が、ともに幕府の忌諱にふれ、鳥居耀蔵の奸計で囚われの身となり非命に死んだ、いわゆる蛮社の獄の経緯を描いた名作。一章「獄中記」は長英の投獄を、二章「檻送記」では崋山の白洲での戦いを、三章「蟄居記」は幽閉された故郷での自害まで。野間文芸奨励賞受賞作品。
  • 火山列島
    -
    大学の医学部教授・仁王慶一郎は、主治医として、国光家に行くことが多かった。彼は、国光夫人・安芸子の、憂いに耐えた姿に、惹かれることがあった。ある日、仁王は、その秘密に、かかわりを持つ。主治医としての立場に、とどまることができなかった彼が、その秘密の糸をたどって行くうちに、戦争の前後に起こった、幾つかの悲しいできごとが甦ってきた。しかも、それらは、彼自身の家庭とも、関係があった。八丈島、熱海、九州・飫肥という3つの火山地帯を結ぶ、愛と憎しみの歴史を描きながら、現代に失われた心の問題を、執拗にさぐった、清冽な美しいロマン!
  • カシオペアの丘で(上)
    4.3
    1~2巻712~792円 (税込)
    肺の腫瘍は、やはり悪性だった――。40歳を目前にして人生の「終わり」を突きつけられたその日、俊介はテレビ画面に、いまは遊園地になったふるさとの丘を見つける。封印していた記憶が突然甦る。僕は何かに導かれているのだろうか……。
  • カシオペアの丘で 上下合本版
    -
    1巻1,353円 (税込)
    丘の上の遊園地は、俺たちの夢だった--。肺の悪性腫瘍を告知された三十九歳の秋、俊介は二度と帰らないと決めていたふるさとへ向かう。そこには、かつて傷つけてしまった友がいる。初恋の人がいる。「王」と呼ばれた祖父がいる。満天の星がまたたくカシオペアの丘で、再会と贖罪の物語が、静かに始まる。苦しみ、傷つき、やがて輝く星になる。壮大な命の物語。上下合本版。
  • 菓子祭・夢の車輪
    値引きあり
    4.0
    単行本『赤い歳月』から2篇、『菓子祭』から13篇、さらに、文庫初収録の名篇『夢の車輪』から全12篇、計27篇の秀作集。現実と夢の壁を、あたかもなきがごとく自在に行きかい、男と女との「関係」などを、鋭く透写する硬質な作家の「眼」が、内から硬質の光を鋭く放つ! 『砂の上の植物群』、『暗室』、『鞄の中身』の達成の上に立つ、短篇の名手・吉行淳之介の、冴えわたる短篇群の「かがやき」。
  • 花芯
    3.8
    「きみという女は、からだじゅうのホックが外れている感じだ」。親の決めた許婚(いいなずけ)と結婚した園子は、ある日突然、恋を知った。相手は、夫の上司。そして……。平凡な若妻が男性遍歴を重ね完璧な娼婦になっていく姿を描き、発表当初「子宮作家」のレッテルを貼られ文壇的沈黙を余儀なくされた表題作他、瀬戸内晴美時代の幻の傑作5編を収録。
  • 火事と密室と、雨男のものがたり
    3.4
    奇跡の男八木剛士(やぎたけし)の周辺で何故か頻発する怪事件。女子高生の首吊り死体が発見され、無差別放火事件が連続する。世の中を恨み続けて生きてきた剛士が、唯一出会った理解者・松浦純菜と事件を調べるうちに、ある1人の男に辿りつく。孤独に徹しきれない剛士の心に芽生える複雑な想いを、青春ミステリの先覚者、浦賀和宏が切なく描く!!
  • 花塵
    -
    洋画壇のなかで、男たちをカンバスにして、自分の人生を描き続けた女がいた。いつも新しい玩具を欲しがる童女のように、次々と男をとりかえ、奔放な暮らしを続けた。世間からは「魔性」と呼ばれる生命の破壊力で、男たちすべてに破滅を与え、その破滅こそが愛の証しと考え、激しく生きた女が遺した、1枚の絵。破滅こそ愛の証し。魔性の愛を描く、長篇恋愛小説。
  • 佳人
    -
    一日中、子供用の肘かけ椅子に行儀よく坐って、紅殻色の出格子にはめこまれた小さなガラス窓から道路をのぞいていた、足なえの童女、その名は圓(つぶら)。薄い皮膚に「いのち」を包んで、それは幻のように美しい童女であった。女にとって、いちばん華やかで夢多い季節になっても、彼女は10歳にも満たぬ躯しかなかった。が、数奇な運命をになう彼女に、結婚の日が訪れる。それは非情な忍従を求める、おそろしい日々の明け暮れだった。清純に死を選んだ彼女が残していった紅絹の匂い袋……。直木賞作家・藤井重夫が哀切な筆でえがいた佳人の生涯。
  • 佳人の奇遇
    3.7
    最後のページを閉じたとき『ドン・ジョヴァンニ』の魔法があなたを美人に変えている。島田雅彦がおくる、問題だらけの大人の恋愛喜劇(ラブストーリー)――超問題児の天才テノール歌手・辻アンドレ、そのにわかマネージャーで元ナンバー2ホステスのまどか、現代最高の指揮者で絶倫のマエストロ、初恋の男性に偶然再会したOL・春香……。今宵コンサートホールに集う人々に、『ドン・ジョヴァンニ』の旋律が幸福の魔法をかける。軽妙な筆致でつづられる、大人の恋愛喜劇!
  • 幽 花腐し
    -
    中華街のバーで、二十年以上前に遇った女の幻影に翻弄される男の一夜を描く、事実上の初小説「シャンチーの宵」、芥川賞候補作「幽」、同受賞作「花腐し」ほか全6篇。知的かつ幻想的で、悲哀と官能を湛えた初期秀作群。社会から外れた男が生きる過去と現在を、類稀な魅力を放つ文体で生々しく再現し、小説の醍醐味が横溢する作品集。
  • 霞町物語
    4.2
    青山と麻布と六本木の台地に挟まれた谷間には、夜が更けるほどにみずみずしい霧が湧く。そこが僕らの故郷、霞町だ。あのころ僕らは大学受験を控えた高校生で、それでも恋に遊びにと、この町で輝かしい人生を精一杯生きていた。浅田次郎が初めて書いた、著者自身の甘くせつなくほろ苦い生活。感動の連作短編集。
  • 霞町物語(『霞町物語』講談社文庫所収)
    -
    フラッシュライトが炸裂し続け、フロアに踊り狂う若者たちが分解写真のようにしか見えない店の中で、どうして明子の姿だけをそうもはっきりと覚えているのだろう――。青山と麻布と六本木の台地に挟まれた霞町で、大学受験を控えた高校生の僕らの青春は、それでも精一杯輝いていた。甘くせつない恋の物語。
  • 風が吹いたり、花が散ったり
    4.2
    『あめつちのうた』の著者が贈る、ブラインドマラソン×青春小説! フリーターの亮磨は、夢が持てない日々を送る。 ある日、視覚障害があるランナーから、伴走者に誘われ―― 大学生から熱い支持! 【第24回島清恋愛文学賞受賞作】 漫然と過ごすフリーターの亮磨。 バイトからの帰り道、視覚障害者の女性にぶつかり転倒させてしまう。 気が動転して無言で立ち去りかけたが、罪悪感から第三者を装って助けに戻る。 その場で、ブラインドマラソンの伴走者に誘われてしまい――。 爽やかな風が吹き抜ける青春小説!
  • 風が吹いたり、花が散ったり
    4.2
    1巻1,408円 (税込)
    汗も涙も笑いも本物だ 本年度青春小説の大本命!視覚障害のある、さちの伴走者となり、盲人マラソンに挑むことになった亮磨。クソみたいな夢も、ブラックバイトの日々も、二人で走ればどうでもよくなってくる――。でも、僕は彼女に嘘をついている。本当は隣を走る資格なんてないんだ。『白球アフロ』でファンを増やす小説現代長編新人賞出身の新鋭が放つ、ド直球の勝負球!
  • 風と樹と空と(1)
    -
    雪国K町の高校を3番で卒業しながら、大学にも進学せず、会社にも就職しないで、お手伝いさんを志望。快活で健康的で人々に愛され、明るい笑いをふりまくお手伝いさん・多喜子を描いた、傑作青春小説、全2巻。青春のさわやかな息吹きが胸を打つ!
  • 風の色
    4.0
    人はなぜ生き、そして愛するのか。流氷の北海道・知床と東京。そこで生きる二組の男女。二つの世界が交錯し、結ばれる愛の先には……。映画「猟奇的な彼女」のクァク監督と気鋭の小説家・出版プロデューサー鬼塚忠がタッグを組組み、人間の存在の本質を、ミステリータッチで描き出した最高のラブストーリー。2016年映画公開「風の色」原作小説。2018年1月、映画「風の色」日本公開決定!
  • 風の絵本
    -
    色のあわい日常生活を、風のように流されていく郁子。ふと郁子は日常をぬけ出して旅に出る。いわば<風の絵本>のヒロインである。彼女の目の前に次々とあらわれるのは、時間のひだにかくされていたいくつかの思い出――。知的女性のゆれる心理を、実験的な手法と新鮮な矜情とで描いた秀作。その他二編収録。
  • 風の王国
    -
    1巻770円 (税込)
    フリーライターの速見卓は、出版社の依頼で奈良の二上山を訪ねる。尾根道で速見は、翔ぶように速く歩く女性を見かける。さらに、仁徳稜の広場で法被を着た「へんろう会」の人々の中に彼女を見出し、強い興味を抱く。へんろう会は山の民の末裔たちの集まりで、翔ぶ女はその流れをくむ天武仁神講の講主・葛城天狼の娘の哀だとわかる。そして、それらの民を国家に組み込もうとした、明治維新後の日本政府の暗部が浮かび上がる……。
  • 風の鍵
    -
    ハマの伝説がいま甦る! ジャズ界から姿を消した女神のピアノ。父の遺志を継いだ娘の祈りは叶うのか? 乱歩賞作家が描く長編小説――天才ピアニストの呼び声が高かった風谷理砂は、新たにユニットに加わった火之倉紅子との確執の末、心身に深傷を負い、ジャズ界から姿を消した。紅子と別れた郡山誠志郎から理砂の音楽を聴かされて育った娘の愛理は、ヴァイオリニストとして成長を遂げ、亡き父の遺志を継いで理砂の復活を願う。
  • 風の系譜
    値引きあり
    -
    遠い先ばかり見つめていた父は、絶望している。堅実な実際家の母は、希望をかけている。父と母の半生を中心に、複雑な一族の系譜を私小説作家が揺るぎなく描ききった長篇小説。新たに発見された、著者の手の入った原稿で野口冨士男の処女作ともいえる作品を七十余年の時を経て、初文庫化。
  • 風のターン・ロード
    -
    み……美恵ちゃん……。娘たちの喉を突き破って、金切声がほとばしった。ふくよかな女の胸には、一本のナイフが突きささっていた。Z2を駆って、芹沢顕二は単身、犯人を捜しに走る。そこへ現われた「青い仔猫」という美貌のライダー。そして盲目のピアニスト・怜子。疾走する青春群像を生き生きと描く、江戸川乱歩賞受賞作。
  • 風の辻
    -
    風が辻を曲がるように、人生の辻をもうひとつ強引に曲がり、刑場へと消えていった男がいた。昭和50年8月23日午前5時過ぎ、台風6号が近づく嵐のとき、大阪・寝屋川の団地で、新婚の夫婦を斧で惨殺。その後、警察の目を逃れて豪遊をつづけていた神山隆は、12月7日、ついに刑事の来訪を受ける……。ほかに中編「風の塵」を収録。凄まじい迫力で殺人者の肖像を描き、殺人者の内部を通して人間の暗黒に迫る、犯罪小説の力作。
  • 風の中の瞳
    -
    中学校は、高校の予備校か!――現代中学生にも共通する、進学・恋愛・友情の悩み、喜び……。東京郊外の、まだ武蔵野のおもかげを残す飛塚中学の生徒たちと、新任の先生との1年間の物語。新制中学3年生が直面した問題を、作者が作者自身の子供という身近な題材をえて鋭く描いた、感動の名品。
  • 風の牧場
    3.0
    両親がものごころつく前に離婚して母の手で育てられた美名子は、父の不在を寂しいと思ったことはなかった。母の表情からすべてを鋭敏に感じ取った幼い日、その話題を自らタブーとしたが、大人になり父がすでに亡くなっていることを偶然知ってから、その存在が大きくなって……。人と人の絆を描いた連作集。
  • 風の魔術師
    -
    姉への、やり場のない想いを抱いて、弘の黒いマシーンは、緑の風のなかを駆けた……。伊豆ツ-リング中のそのとき、ツ-リングクラブTCWGの一人が空缶で転倒……この事故が、復讐劇のプロローグだった。仲間の推理作家が殺され、その嫌疑がバンドリーダーの弘にかけられた。仕掛けたのは誰だ? マシーンとロックのリズムが奏でる、青春の愛と憎しみのドラマ。
  • 風のラヴソング(完全版)
    5.0
    さわやかでほろ苦い感動物語が、完全版として登場! 女の子には、かならず、運命の出会いがある 家族、友情、恋愛……少女・小夜子の一生を通して描かれる、さまざまな「愛」 父と兄と別れて、新しい両親のもとへと引き取られた少女・小夜子を待っていたのは、さまざまな新しい出会いだった。家族・友だち・そして好きな男の子……彼らとのふれあいを通して、小夜子が愛を育んでいく感動物語。第45回文化庁芸術選奨文部大臣新人賞、第27回日本児童文学者協会新人賞ダブル受賞の名作に、今回、未発表の短編1編を加えて、新たにお届けする完全版です。 〈小学上級から すべての漢字にふりがなつき〉
  • 風の旅団
    4.0
    中国奥地への学術調査隊に加わった青年・早見大介が、不審な死を遂げた隊長の「密命」を受けた。早見は任務を遂行すべく、バイクを駆って、雄大な天山山脈、タクラマカン砂漠、さらに秘境の地へ……。彼を襲う謎の男たちとの闘いののちに、彼が探りあてた未踏の地の秘密とは何か? 清新、熱血のバイク冒険小説。
  • 風は思い出をささやいた
    -
    望郷の詩人・おのちゅうこうが、郷里の赤城山麓で過した幼い日の思い出を活写した、土の香り豊かな珠玉の連作集。「母と木イチゴ」「一年ぼうずの先生」「村のおばけ」「もらいぶろ」「イヌと少年」「カモシカの話」「町っ子の冬子」「こぶ吉さん」「おとなのうそ」「きびしい父の目」など16編。ほかに姉妹編の代表作『氏神さま』も収録。野間児童文芸推奨作品賞受賞作。
  • 風は緑に
    5.0
    外国映画会社宣伝部の一雄とTV局報道部勤務の圭助をめぐってる、ファッション・モデルの彩子、アナウンサーの三千代、幼稚園の先生の牧子たちとの恋模様。だが、牧子はアメリカ文学者と不倫し、彩子を狙うスポンサーが現れて……。華やかな都会の第一線で活躍する男女の、恋愛の苦悩と情熱を描いた、青春の感動的ロマン!
  • 風物語
    4.5
    30年ぶりの同窓会で再会した男女の心境は? 人生の哀歓を描く秀作集。連作短編12編。人生をそよがす風の妙。大人の寓話――中学時代、ほのかな恋ごころを燃やした美少女がいた。都会から田舎の中学へ転校し、再び都会に去った少女に対して、少年は一度だけ直接話しかける機会があったが、結局、何も話せない。そしていま、30年ぶりの同窓会で、男は女にそれを語ってみると……。時は風、風は人生。さまざまな人生の哀歓を巧みに描き出す、大人の寓話集。
  • 風よ聞け 雲の巻
    3.0
    幕末の嵐を駆けぬけた名剣士・伊庭八郎の面影――政権を朝廷に返上した徳川幕府が鳥羽伏見の戦いに敗れると、東征軍は江戸へ進撃を開始した。うろたえ騒ぐ人々の中で、江戸侍の見事な典型、心形刀流の名剣士・伊庭八郎は、信念に従って抗戦派に身を投じる。彼を慕う幼馴染の千遠、稲本楼の小稲など、女たちにも押し寄せる維新の激流。書下ろし長編小説。
  • 風よ雲よ(上)
    -
    1~2巻660円 (税込)
    明朝末期のマカオ、美丈夫の野心家・鄭芝竜と、豊臣の遺臣・安福虎之助との運命の出会い。風雲児の生涯を描く壮大なロマン――東に虎視眈々と機を窺う満洲族、西に流賊・李自成軍が迫る明朝末期、中国南部の港町・マカオで、二人の男が運命の出会いをした。美丈夫の野心家、生れながらの統領の器、鄭芝竜と、大坂落城時、脱出して蘇州の大商人の用心棒となった長身の浪人、安福虎之助である。壮絶な乱世に、南海制覇の野望に燃える男と、夢と生き甲斐を大陸に求めた男の人生の軌跡を描く、歴史長編。<上下巻>
  • カゼヲキル(1) 助走
    3.8
    1~3巻1,155円 (税込)
    山根美岬は、タータンのトラックさえ走ったことがない、田舎の中学2年生。しかし、自然に鍛えられた天性のバネを密かに見込んだ男がいた。はたして美岬は、世界と互角にたたかっていける逸材なのか!? 才能豊かな仲間たちとの出会い。初めて芽生えたライバル心。そしてほのかな初恋。いつかきっと追いつきたい! 追い抜きたい!! アスリートとしての自覚と、勝利への執着心を得るまでを描く「助走」編。
  • 風を見た人(一)
    -
    1~5巻660円 (税込)
    強い季節風の吹き下す、新潟県の石曾根で生れた真崎ちよは、幼い頃に父を失い、貧しい娘時代を過す。しかし、不幸な青春の中にあって恋を知り、やがて妊娠する。だが、愛する男は軍隊におり、男の両親はその責任から逃れようとする。「別れ」の人生を送ってきたちよが、誰にも恥じない陽の下道を選んで生きようとする、哀切きわまりない長篇ロマン。<全5巻>
  • 仮装行列
    -
    旧華族との交渉を懸念する父のすすめで、滝沢一郎と婚約した田所真木子。真木子の義父・憲介は、東洋美術館長で、重要文化財審議会の委員をしている。旧華族の東照寺公一は、徳之内元伯爵家の相続人・摂子とブルー・セックスに耽っているが、真木子の婚約を知ると、掌中の珠を失う思いに悩む。二人の結婚に執念を燃やすのは、元伯爵夫人・徳之内津留で、一郎の父・滝沢代議士は、大名華族の元家令である。この政略結婚のかげには、徳之内家所蔵の国宝絵巻屏風をめぐる、母娘の醜い争いが隠されていた……。真木子をめぐる、仮装行列さながらの上流社会の虚偽と性の腐爛を描いた大作。
  • 仮装人物
    値引きあり
    -
    仮装舞踏会で被せられたサンタクロオスの仮面の髯がマッチを摺るとめらめら燃えあがる、象徴的な小説の冒頭。妻を亡くした、著者を思わせる初老の作家稲村庸三は、"自己陶酔に似た"多情な気質の女、梢葉子の出現に心惹かれ、そして執拗な情痴の世界へとのめり込んでゆく。冷やかに己れのその愛欲体験を凝視する"別の自分"の眼。私小説の極致を示した昭和の名作。第1回菊池寛賞。
  • 家族会議
    値引きあり
    -
    東京の兜町で株式売買をする重住高之は、大阪の北浜の株のやり手仁礼文七の娘泰子に心惹かれている。だが、――文七はあくまで高之に熾烈な仕手戦をしかけて止まない。金の絡みと高揚する恋愛の最中、悲劇は連続して起こる。資本が人を動かし個人が脅かされる現代に人間の危機を見、「純粋小説論」を提唱実践した横光利一が、その人間崩壊を東と西の両家の息づまる対立を軸に描いた家庭小説の傑作。
  • 家族が「がん」になったら 誰も教えてくれなかった介護法と心のケア
    4.0
    家族だから悩むこと 家族だからできること――家族は、患者さんのいちばんの味方です。だからといって、すべてを抱え込んで悩んでは、つらいもの。病院の選び方や移り方、衣食住でのちょっとした工夫、病人の気持ちへの寄り添い方、そして、家族自身の心のケア。自らも母親の介護を経験したホスピス医が、病院では教えてくれない、具体的な本音のアドバイスを贈ります。
  • 家族写真
    3.4
    ちっちゃい赤ん坊だった準子が嫁に行くんだぞ――男手一つで育てた娘を嫁がせる「結婚しようよ」。あの主人公が同年代の54歳と知って愕然とする「磯野波平を探して」。もはや見ないふりできない肥満解消のため家族でダイエットに励む「肉村さん一家176kg」他。短編の名手による、笑って泣ける7つの家族の物語。
  • 家族善哉
    -
    1~2巻660円 (税込)
    このオカンに感動! 愛に満ちた笑撃小説――母親がナント、娘と同じ高校の同級生に!?  大阪で暮らす咲子は、高校時代に妊娠、結婚。再び高校に通い始めたが、高2の娘・美佐緒が恋した男子との三角関係に! そして、家には幼子を連れたかつての友達が転がり込んできて……。男気溢れる夫や初恋に揺れる息子も巻き込んだ、ユーモアいっぱいのナニワ人情物。
  • 家族の神話
    -
    野々村英が5歳の時、両親は離婚した。12年後、高3になった英は、スペイン料理店を営むまだ若く美しい母にうっとうしさを覚えている。母と子の微妙な隙間に女子大生・亜紗子が入って来た。英は母に内緒で彼女と同棲する。一方で、記憶の底に潜む幻であり憧れである父との、皮肉な再会が実現するのだが……。家族とは、都会人とは? 文化的で猥雑な時間の洪水のなかで豆粒的に生きる家族を描く。
  • 家族の晩餐
    -
    弓岡愛子、高校2年生。母亜美子、38歳。母娘二人暮し。愛子は毎月第一日曜日に実父(パパ)とデイトする。だがこのデイトは、もはやメルヘンではなく、陰惨さを帯び始めてさえいるのだ――家族という大都会の中のもっとも小さな単位。そこにも葛藤があり事件がある。その日常の模様を、都会の中の母娘の微妙な関係を、愛情こめて描く長編メッセージ小説。テレビドラマ化も。
  • 家族はつらいよ
    3.2
    長年連れ添った妻の誕生日の夜、平田周造は離婚届を突き付けられた。翌朝、犬の散歩に出ようとすれば、次男は結婚したい相手がいると言い出し、家に戻れば長女が亭主と別れたいと泣いている。二世帯住宅で開かれた家族会議は予想もしない展開に!? 「男はつらいよ」から20年、山田洋次監督の待望の喜劇を、「東京バンドワゴン」の小路幸也が小説化!
  • 家族物語(上)
    -
    男と女は、どのような深い縁で夫婦となるのか? ――京都の織物会社の社長・並木啓一郎は、自然の美しい嵯峨に穏やかな家庭をもっているが、取引先の女性・ゆかりに、秘かな愛情を感じていた。しかしゆかりは、婚約者の自殺で、心に深い傷を負っていた。啓一郎の妻・真穂は、夫への不信に苦しみ、脳溢血で倒れてしまう。夫婦の絆は危うく切れそうになるが……。<上下巻>
  • 時限
    値引きあり
    3.5
    1~2巻462~712円 (税込)
    枯山水を望む老舗呉服屋の別邸で、若い女性の首吊り死体が見つかった。京都府警五条署の片岡真子(まこ)は、遺体の首筋に不可解な扼殺痕(やくさつこん)があると知り捜査を始める。遺留品と女性の過去から容疑者が絞られていく中、真子はある“時限(タイムリミット)”に挑まなければならなかった。女性刑事の情熱に絆(ほだ)されるカウントダウン・サスペンス!
  • カタナなでしこ
    3.7
    16歳女子高生が日本刀製作に挑む、青春小説!祖父の形見分けで蔵整理に駆り出された高校生の千鶴。そこで見つけたのは、一振りの刀身だけの日本刀だった。そして夏休み、千鶴は同級生の紗和子、鏡美、音々と一緒に、無くなってしまった「刀の拵え」を創作することになる。好きなことも嫌いなこともバラバラな四人の女子高生が"初めて"に挑戦する青春小説。
  • カタブツ
    3.7
    まじめさゆえに窮地に陥ってしまう愛すべき隣人たち。どこかで身に覚えのある危うい心、共感せずにはいられないミステリー集ーー家庭がありながら運命的な出逢いをしてしまった二人、人の世話ばかり焼いてしまう癖を恋人に咎められる青年、息子が事故に遭遇しても足がすくんで助けられない夢にうなされる母親、隣室の女性がストーカーに殺されたのに何もしなかったと非難される男……。誠実な人々の窮地を描いて共感を呼ぶミステリー集。
  • 片目の蝿 赤かぶ検事奮戦記
    -
    下関郊外の鬼伝説が残る山中で、右目をえぐられた男の全裸死体が発見される。つづいて起きた、アベックを襲う通り魔事件と、老人を騙す土地詐欺。――これらの事件の奇妙な絡みを、赤かぶ検事が1本の糸につなげ、意外な結末に……。という表題作ほか、化粧品販売員ばかりを次々と古式銃で襲う事件など、傑作3編を収録。
  • 片翼だけの天使
    -
    「愛してるんよ。あんたはトクベチュな人よ」――40代半ばの独身中年作家が、ふと遊びに出かけたソープランドで出会った、天使のような明るい韓国人女性。作家は、彼女の舌足らずのしゃべり方や、全身で愛情を表現してためらうことのない一途な性格に魅せられていく。現代では稀有な「純愛」を描いて、熱い共感を呼ぶ大人のための「名昨」恋愛小説。ひたむきで純朴な女性とのめくるめく恋の熱い日々!
  • 語り屋カタリの推理講戯
    3.6
    「君に謎の解き方を教えよう」少女ノゾムが、難病の治療法を見つけるために参加したデスゲーム。条件はひとつ、謎を解いて生き残ること。奇妙な青年カタリは、彼女に"Who"Where"How"などにまつわる、事件を推理するためのレクチャーを始める……!広大な半球密室、水に満たされた立方体、ひしめく監視カメラ、燃え上がる死体。生き残るには、ここで考えるしかない――。
  • 葛藤
    3.0
    愛して、恨んで、それが人。 生まれたばかりの我が子を誘拐され、失意を拭えぬまま夫婦だけの生活を続けてきた三好紗英は、16年後ある女子高生と出会う。少女は誘拐された自分の娘なのではないか? しかし、たとえ我が子だったとしても、今さら名乗り出ては少女を混乱させ心に傷を負わせてしまうかもしれない。 少女の幸せと、喪失を抱え生きてきた自分の希望を天秤にかけ、紗英がとった行動は……。
  • 闊歩する漱石
    3.5
    夏目漱石の『坊っちゃん』は、あだ名づくしで書かれた反・近代小説。『三四郎』は、都市小説のさきがけ。そして『吾輩は猫である』は、価値の逆転、浪費と型やぶりによる言葉のカーニバルーー。漱石の初期3作をモダニズム文学としてとらえ、鑑賞し、分析し、絶賛する。東西の古典を縦横無尽に引いて、斬新明快に語る、最も自由な画期的な漱石論。漱石の楽しさを語ろう!
  • 勝つ極意 生きる極意
    -
    絶対不敗の勇者はいかにしてつくられたか? 趣味尽きない歴史人物エッセイ。人生ここ一番の勝負で勝った男たち――絶対不敗の人間は、いかにしてつくられたか……。宮本武蔵、大石内蔵助、徳川吉宗、山岡鉄舟など、史上稀なる剣客、名将、大器量人の、厳しい自己鍛練。剣の奥義が処世の指針となる道理と、「勇」に尽きる必勝法。剣の実践者の著者にして初めて可能な、合理的で躍動感にみちた語り口の、興趣つきない歴史エッセイ集。
  • 勝つために何をすべきか 新日鉄釜石の「やる気」ラグビー
    -
    常勝集団・新日鉄釜石の、勝利を生み出す知略と統率。ラグビーでは、人間を中心に考えるということが大事である。選手の自発的な気持ち、ゲームや練習に自分から進んで立ち向かう「やる気」が、重要なのである。もっとも人間くさく、男くさいスポーツであるラグビーで、勝ち続けてきた組織の、哲学と実践の記録。
  • 家庭用安心坑夫
    3.6
    1巻1,463円 (税込)
    日本橋三越の柱に、幼いころ実家に貼ったシールがあるのを見つけたところから物語は始まる。狂気と現実世界が互いに浸食し合い、新人らしからぬ圧倒的筆致とスピード感で我々を思わぬところへ運んでいく。 誌上発表後、新聞各紙絶賛、話題沸騰の受賞作を緊急刊行! 第65回群像新人文学賞受賞作(選評より) 語り手、そして読む人の立つ足下が揺るがされる――柴崎友香 絶望的成長小説である――町田康 最も文章の水準、小説技術の水準の高い作品だった――松浦理英子
  • 花伝書(風姿花伝)
    4.1
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 わが国の古典中、もっとも異色である作品で、申楽者・観阿弥が、その実力を養い発揮する方法を、人間の本性を会得した立場で考究した、稀有の体系的芸術論である。その洞察は、また人間論としても、現代に生きている。校注は、世阿弥研究の第一人者・川瀬一馬博士。平易な現代語訳の決定版。
  • 家電の神様
    3.7
    街の電器屋さんvs.大手家電量販店の戦い!大手家電メーカーで働く轟雷太は長引くデフレの影響で入社三年目にして突如リストラされてしまう。転職活動を諦めた彼は実家の母が経営する店を継ぐ決意をする。そこは昔ながらの地域密着型の「街の電器屋さん」。だがそこも近所の大手家電量販店に客を奪われ、経営は風前の灯火だった!<文庫書き下ろし>
  • 蚊トンボ白鬚の冒険(上)
    4.1
    羽音と不思議な声がすべての始まりだった……。陸上競技への夢を断念し、水道職人となった若者・達夫の頭の中に、ある日奇妙な生物が侵入してくる。その名も蚊トンボ・シラヒゲ。超人的能力を得た達夫は、アパートの隣人・黒木を理不尽な暴力から救う。しかし、それは恐るべき闇社会との対決を意味していた。
  • 叶うならば殺してほしい ハイイロノツバサ
    3.9
    1巻2,717円 (税込)
    深夜、吉祥寺で発生した住宅火災。死者3名、重傷者1名。死者のうち1名は片手錠をかけられた女性だった。唯一の生存者でその家に住む17歳の少年・仁科徹は当初完全黙秘。  現場の様子から警察は、男4人による女子高生集団監禁事件と判断し、捜査を開始する。  ほどなく死者3名の身元は判明し、2週間にわたって被害女性に加えられた凄惨な虐待も明らかになるが、瀕死の重傷者は身元不明のまま。  警視庁捜査一課管理官の箱﨑ひかりは、突然供述をはじめた仁科がかけがえのない何かを守るために虚偽を述べていると感じ、被疑者、被害者それぞれの背景を調べ始める。 元警察官僚・古野まほろが描く、胸を穿つ警察ミステリ。
  • 金沢発特急「北陸」殺人連鎖
    -
    走行中に2つの殺人……最もあやしい人物は、列車の起点と終点にいた! ――寝台特急「北陸」の車内で男が毒殺され、同じ車中で、女がナイフで胸を刺され殺された。それぞれの犯行時刻に、第1の事件の容疑者は起点の金沢に、第2の事件の容疑者は終点の東京にいた。ニヒルな調査員、おなじみの鏑木(かぶらぎ)一行が、女を抱きながら事件を見事解決する、ハードボイルドなトラベル・ミステリー。
  • 悲しいだけ 欣求浄土
    4.7
    緊張した透明度の高い硬質な文体。鋭角的に切り抉られた精神の軌跡。人間の底深い生の根源を鋭く問い続ける藤枝静男の名篇「欣求浄土」「一家団欒」を含む『欣求浄土』、藤枝文学の極北と称賛された感動の名作、野間文芸賞受賞の『悲しいだけ』を併録。
  • 愛しき哉
    5.0
    恋に破れた長女、姉の許婚者にひそかな想いを寄せる次女、陰影の濃い男性にプロポーズされた三女、そろって青春の岐路に立った可愛い三人娘に、父親はとまどう。不憫な思いをさせたくない親心とは裏はらに、嫉妬、背信に苦しむ母を知らない娘たち。それを優しく抱く父の心を、あますところなく描いた傑作長編。
  • 哀しき父 椎の若葉
    4.0
    「生活の破産、人間の破産、そこから僕の芸術生活が始まる」と記した葛西善蔵は、大正末期から昭和初年へかけての純文学の象徴であった。文学の為にはすべてを犠牲にする特異無類の生活態度で、哀愁と飄逸を漂わせた凄絶苛烈な作品を描いた。処女作「哀しき父」、出世作「子をつれて」、絶筆「忌明」のほか「馬糞石」「蠢く者」「湖畔手記」など代表作15篇。
  • 哀しみの女
    -
    1巻550円 (税込)
    エゴン・シーレの作品「哀しみの女」という作品が、わたしの心を捉えて離さない。わたしは、五つ年下のイラストレーター、章司と同棲している。ずっと昔、板倉さんという雑誌記者に銀座のクラブを紹介してもらい、上京して出会ったのが章司だった。章司は板倉さんの伝手で挿画を描かせてもらい、他社からも声が掛かるようになった。が、章司の心がわたしから離れていく。シーレのモデルで愛人だったヴァリーの人生と重なるように。
  • 哀しみの北廃止線
    4.0
    幸福駅の災厄に十津川が名推理!! 奇妙な頼みを果たして訪ねた依頼人の部屋には、血が飛び散りかつての仲間十津川警部がいた! ――幸福駅の切符がもたらす災厄を、十津川警部が推理。探偵事務所を開いた元警官に舞い込んだ奇妙な依頼は、廃線となった北海道・幸福駅の切符を買い、駅に絵馬を掛けることだった。約束を果たし訪ねた依頼人の部屋には血痕が飛び散り、かつての仲間・十津川警部たちが居た。4つの難事件に十津川が挑む、傑作短編集。
  • カナスピカ
    3.6
    少女は“地上に落ちてきた星”に恋をした――。そのとき中学生の加奈は空を見上げていた。はるか上空から落下した球体は目の前でみるみる少年に姿を変えた。異星人の地球観測衛星、それって!? 少年をかくまった加奈は、当然のごとくあやしい連中に追われる身に! ライトノベル界の雄が描くピュアな青春小説! (講談社文庫)
  • 彼方の水音
    -
    真昼のしらじらとした明るさの中にこそ闇を見つめる孤高な眼。平穏な日常の中にこそ死の気配を嗅ぎとる存在の痛み。狂暴な破壊への意志を内に秘め生きる女の虚無……。鋭利な感覚で人間存在の毒と、清冽な〈彼方〉への憧れを描き、特異な文学空間を創り上げた著者の処女作品集。「相似形」「囚われ」「渺芒」など5篇を収録。
  • カナリアが囁く街 警察庁が震撼した七日間
    -
    バブル経済が崩壊し国内が混乱すると予言した、極秘のレポートが作成された。それを受け取った内閣情報調査室は、治安強化を求める世論の喚起を目的に、ある組織を使って、各地でテロ事件を頻発させる。それを阻止するため、一人の捜査官が首相官邸に呼ばれ、動き始めた……。危機迫る、情報サスペンス小説。警視庁が震撼した7日間。首相の特命で、極秘捜査官が凶悪テロに挑む!
  • 花の下にて春死なむ 香菜里屋シリーズ1〈新装版〉
    3.9
    1~4巻715~792円 (税込)
    人生に必要なのは、 とびっきりの料理とビール、 それから、ひとつまみの謎。 三軒茶屋の路地裏にたたずむ、ビアバー「香菜里屋」。 この店には今夜も、大切な思いを胸に秘めた人々が訪れる――。 優しく、ほろ苦い。 短編の名手が紡ぐ、連作ミステリー。 不朽の名シリーズ第1弾! 第52回日本推理作家協会賞 短編および連作短編集部門受賞作 解説 瀧井朝世 春先のまだ寒い夜。ひとり息を引き取った、俳人・片岡草魚。 俳句仲間でフリーライターの飯島七緒は、孤独な老人の秘密を解き明かすべく、 彼の故郷を訪れ――(表題作)。 バー「香菜里屋」のマスター工藤が、客が持ち込む謎を解く連作短編ミステリー。
  • 蟹の町
    -
    処女作「雪洞にて」は、山岳カメラマンが朝の光で樹氷を撮ろうと雪の斜面に掘った穴に潜む短い時間の心理と回想を、瑞々しく綴った秀作。「蟹の町」は、詩性にあふれた筆致が不思議な町を浮かび上がらせる快作。他の2篇も、暖かい人々の情景を描かせれば日本一と注目を集める作家の、みごとな出発点となる小説だ。詩的感性あふれる鮮烈なデビュー作。内海文学の原点がここにある!
  • 鐘

    3.6
    諸行無常の理(ことわり)を表わすという鐘の音。浅見家代々の菩提寺、聖林寺の梵鐘から血が滴るという怪事件があってまもなく、顔にその鐘の模様痕をつけた男の変死体が隅田川に浮かんだ。四国高松、越中高岡と、被害者の美しい妹とともに鐘の謎を追いかける浅見光彦の旅が始まる。(講談社文庫)
  • 金を払うから素手で殴らせてくれないか?
    3.9
    1巻1,562円 (税込)
    「おい鈴木、米原正和を捜しに行くぞ」とその米原正和が言った──。失踪した米原正和の行方を、当の米原とともに追う鈴木。会社を休んで、米原の自宅、立ち寄り先を米原をともに捜す。果たして、米原は見つかるのか?
  • 加納大尉夫人
    -
    大阪で指折りのメリヤス問屋の末娘に生まれた安代は、卒直な明るさを持つ娘であった。安代が女学校を卒業した年に、戦争が始まった。ある日、母に見せられた1枚の写真、それが海軍中尉・加納敬作であった。敬作のりりしさにあこがれた安代は、彼の妻になった。少女時代の延長のような稚なさの安代が、帝国軍人の妻らしくなりたいと努力し、緊張するほど、無邪気な失敗がくり返された。そんな妻を、敬作はいとしく思った。戦いは次第に苛烈さを加え、敬作の出征中に、安代は男の子を生んだ。そして半年の後に、敬作の戦死が伝えられた……。ほかに「猫」「山」「二人の女」を収録。

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