小説・文芸 - 小学館文庫作品一覧

  • プリズム色の場所 映画版『そのときは彼によろしく』 プレ・ストーリー
    4.0
    残されたわずかな時間――その一言を彼に伝えたかった。 上京して六年。世界的なコレクションにも参加するようになり、モデルとして順調に成長してきた鈴音。しかしその一方で、彼女の身体に潜む病は、確実に彼女の残された時間を刻んでいた。 人生のカウントダウンが始まったとき、人は残りの時間をどう生きるのだろう?  鈴音はそれまでの人生で、もっとも美しくてやさしい場所へ帰ろうと思った。  市川拓司のベストセラーを映画化した『そのときは彼によろしく』の物語世界につながる“それまでの物語(プレ・ストーリー)”を描いた、オリジナルノベル。

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  • プロメテウスの墓場 ロシア軍と核のゆくえ(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 ソ連邦の崩壊は五十余年にわたる東西緊張に終止符を打った。しかしそれは新たな危機を表面化させるにいたった。現在も絶大なランド・パワーを誇り、世界に影響を与え続けるロシア軍と核の現状に激しく迫る!! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 平家物語 第一巻(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 平安後期の都に、ひとりの男子が誕生した。平清盛。武士社会におけるこの新星が、やがて堂上に上がり、貴族の天下の中で次第に頭角を現していく。そして天皇家を巻き込んだ源平相まみえた骨肉の戦い。また宿敵、源義朝との対決。いわゆる保元・平治の乱を通して、いよいよ清盛の権勢はふくれ上がる。第一巻では、清盛を中心に、平氏一族の野望と時代の人間模様を克明に描く。
  • 兵士に聞け
    4.0
    自衛隊員の生の声に耳を傾けた渾身ルポ。 25万もの兵力を擁し、核兵器以外のあらゆる兵器を有する巨大組織でありながら、軍隊として存在することは許されない自衛隊。戦う相手も見えない中で「日蔭者」として生きることを強いられた隊員たちは、日々何を思い過酷な訓練に従事しているのか。様々な基地を訪ね歩き、訓練にも同行し、彼らの生の声に耳を傾けた渾身のルポ。日本を守る存在ながら、日本人があまりにも知らない自衛隊の実情に深く迫る。‘96年新潮学芸賞受賞作。(2007年発表作品)
  • 兵士に告ぐ
    4.0
    日本の南の砦、最精鋭部隊に初の密着取材! 中国の調査船が頻繁に行き来し、北朝鮮の工作船が監視をかいくぐり海岸線への接近を図る――ここ10年で空気が緊迫した、対馬海峡から東シナ海へと跨る日本の領海。このレッドゾーンに点々と浮かぶ南西諸島の防衛のため、2002年3月、長崎で西部方面普通科連隊が産声を上げた。 全国から精鋭600名を集めた通称「西普連」は、米海兵隊との共同訓練を開始し、イラクへも隊員を派遣する……。 冷戦後の組織改編を象徴する部隊への密着取材を通じ、米軍との際限なき一体化にひた走る自衛隊と、危うい日本の行く末を描き出す本格ノンフィクション。
  • 「兵士」になれなかった三島由紀夫
    3.0
    三島自決の真実に迫る兵士シリーズ最終巻。 1970年11月25日――自衛隊の本拠・市ヶ谷駐屯地で壮絶な最期を遂げるまで、作家・三島由紀夫は毎年のように自衛隊に体験入隊を繰り返していた。<これほどお互ひに敬意と揶揄を忘れぬ、思ひやりにみちた人間集団に、私はかつて属したことがない。>初めての体験入隊後、そう自衛隊を評した三島は、苛酷な訓練にも真摯に臨み、現場の「兵士」=自衛隊員たちとも濃密な交流を重ね、時に「クーデター」への思いも口にしていたという。  そして運命の日、三島は「自衛隊は永遠にアメリカの傭兵として終るだろう」と自衛隊、日本人に告げ、割腹自殺を遂げた。あれから40年――「日米の防衛協力は日米同盟という言葉にとって代わり、いつのまにか『世界の中の日米同盟』に際限なく拡大してしまっている」(本文より)。具現化する三島の“予言”。  三島にとって自衛隊とは何だったのか。そして、長年に渡って封印されてきた「三島自決」までの知られざる道程とは――。
  • 兵士を追え
    4.3
    海自最高機密の塊・潜水艦に長期同乗取材! 働く自衛隊員たちの姿をみつめ、肉声を集める重厚なルポルタージュ、「兵士」シリーズ。第3弾では、急増する領海侵犯に日夜眼を光らせる、海上自衛隊の潜水艦および哨戒機部隊に鋭く迫る。一隻四百五十億円を越す“最高機密の塊”潜水艦に乗り込んでの密着取材。陽の光も空気も届かない深海で、潜水艦乗りたちは何を思うのか―。さらに、空から海の守りにつく哨戒機P3Cにも同乗。「兵士」たちの実情と素顔を浮き彫りにしていく。
  • 兵士を見よ
    4.0
    戦闘機パイロットら空自「兵士」の肉声。 選び抜かれた者だけに動かすことが許される戦闘機。軍隊であってはならない自衛隊において、戦闘機乗りの主な任務は、有事に備えての毎日が死と隣り合わせの訓練である。彼らはなぜ空を飛ぶのか。著者自ら戦闘機F15の体験搭乗を行い、さらに航空自衛隊で働くさまざまな隊員たちの声を集めた「兵士」シリーズ第2弾。戦闘機パイロット、整備員、救難パイロット、救出に命を賭けるメディック……。“空”に生きる兵士たちの姿を追う!
  • 長谷川平蔵人足寄場 平之助事件帖1 憧憬
    3.7
    長谷川平蔵の甥っ子が人足寄場与力に!  人足寄場は、平之助の伯父である長谷川平蔵が立案実施した施設である。罪を犯した者たちに職業修業を施し、社会に復帰させる画期的な仕組みだった。  定掛与力として、阿比留平之助は平蔵とともに勤めることになった。平之助が、人足寄場を歩いてみると、男には大工や左官、屋根葺き、鍛冶、紙漉き、表具など、女には裁縫や機織りなど、さまざまな仕事を訓練させていた。ただ、予算の限りがあり、正すべきところも直せなかった。  その頃、盗賊鬼洗いの鉦七の押し込みがあり、事情も知らないまま逃走用の船の船頭に雇われて捕まった、癸助という男が入ってきた。気がかりなのは、一人残してきた妹のトミのことだった。ある日、人足寄場に入ってきた男たちが癸助と親しくなる。鉦七一味は、自分たちに繋がる証拠を知っているかもしれない癸助を殺そうとしていたのだ。  長谷川平蔵は、自宅で倒れてから、徐々に弱っているようだった。  平之助は、癸助を救うことが出来るのか。鉦七に迫ることが出来るのか。  平之助の活躍を描く、人情味溢れるシリーズ第一作!
  • へこたれない UNBOWED ワンガリ・マータイ自伝
    -
    小池百合子訳。「もったいない」伝道師自伝。 「人生は旅であり葛藤だ。自分でコントロールすることはできない。だが私たちは、どんな状況も、最善を尽くして切り抜けることはできる」(本文より) 日本人が忘れかけていた「もったいない」の心を世界に広め、環境保護と住民の生活向上を図る「グリーンベルト運動」では三〇〇〇万本もの植林を達成。アフリカ人女性として初のノーベル平和賞を受賞した、ケニア人女性政治家ワンガリ・マータイ氏。差別、愛する人の裏切り、失業、不当逮捕、暴力、暗殺の危機。度重なる苦難にも「へこたれない」で「地球の未来」のために戦い続けた、その不屈の人生を綴った感動の自伝。 翻訳を担当するのは環境大臣時代にマータイ氏と交流のあった、小池百合子東京都知事。「地球環境の保全が、平和構築へつながることを証明した彼女の業績に、あらためて敬意を表したい」(訳者あとがきより)
  • ヘビメタ中年!
    4.0
    杏主演原作「オケ老人!」まさかの姉妹作!  梅が岡高校時代にヘヴィメタルバンド・ブラッククローを組んでいたメンバー四人は、三十余年の時を経てバンドを再結成する。当時と比べて、みな外見に変化はあるものの、ヘビメタを愛する気持ちにまったく変わりはないのだ。今は市民病院の医者であるボーカルの江並は、ある日、手術予定の患者・山口から手術を拒まれる。聞けば、ライブハウスで完全ヘビメタ仕様で絶叫する彼のライブ映像を目にしたようだ。代わりに近隣の病院で手術を受けるという山口だったが、その担当医を調べていくうちに、江並はあることに気づく。話は思わぬところまで波及していく――。
  • 部屋住み遠山金四郎 絡繰り心中
    3.3
    金四郎が掴んだ花魁の死の真相と切ない思い。  吉原日本堤の外に広がる田んぼで、稲本屋の花魁・雛菊が刀で斬られて亡くなっていた。見つけたのは、昨夜雛菊と話を交わしていた、18才の遠山金四郎だった。金四郎は、実は旗本家の跡継ぎだったが、複雑な家族関係から遠山家を継ぐことは当分無く、家を出て歌舞伎の森田座で笛方をしていた。  金四郎は、旧知の狂歌師・太田南畝、浮世絵師の歌川国貞とともに、彼女がだれに殺されたのかを探り始める。調べを進めていくと、雛菊があるときから店に来る男たちに心中を持ちかけていたことを知る。  彼女は、なぜ心中を望むようになったのか。  金四郎は、いつしか雛菊の暗い心のうちに踏み込んでいく。そして、彼女に関わっていた男たちも、いろいろなものを抱えて生きていることに気づき、簡単には変えられない世の中の非情さと己の無力さを知るのだった。  雛菊の死を巡る謎は意外な真実が待ち受けており、全編サスペンスに溢れた優れたミステリーにもなっている。  第11回小学館文庫小説賞の受賞作。文庫化にあたり、「恋の手本となりにけり」から題名を変更し、著者が大幅に加筆したものを電子化しました。
  • ヘルガ#1 褐色の装甲(小学館文庫)
    -
    1~3巻660円 (税込)
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 海洋堂フィギュアなどで爆発的な人気を誇るT55戦車は航空機に於けるゼロ戦と並び賞されている。これを主人公に、舞台はアフリカの某小国、革命・クーデター・部族抗争のはざまに技術指導員の日本人青年が燃える。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 偏差値70の野球部 レベル1 難関合格編
    3.4
    1~4巻517~660円 (税込)
    とんでもなく面白い野球小説、できました! 書いたのは超弩級の新人作家! おもしろさ抜群、史上初の“高偏差値”野球エンターテイメントの開幕です!! リトルリーグで全国ベスト4、中学二年で全国大会準優勝まで所属チームを導いたピッチャー・新真之介は、甲子園優勝ののちプロ野球入り、果てはメジャーリーガーになるという未来予想図を描いていた。 ところが甲子園常連校への野球推薦を逃し、一般入試で猛勉強の末に合格したのは、なぜか野球の名門ではなく、東大合格者数全国1位の超進学校だった。 入学早々、三年後に見事な桜が咲くよう精励すべしと熱血な訓示を垂れる担任に呆気にとられ、オリエンテーションでは、学歴の本当の強みは日本で最も優秀な高校での横の繋がりにこそあると豪語する同級生に猛烈な違和感を覚えながら、真之介は野球部を探す。 そしてついに見つけるのだが、そこで出会ったのは、野球部のグラウンドを占拠する映研の女子生徒たちと、ドイツ語教師でサッカーしか知らない外国人の野球部監督だった。 その監督・セバスチャンの策略で、真之介は「2年で甲子園に出る」約束を全校にさせられてしまうのだが‥‥。 シリーズ1冊目は、「レベル1 難関合格編」。 『偏差値70の野球部』の世界を、ここからぜひ楽しんでお読みください!

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  • 偏差値70の野球部 レベル3 守備理論編
    3.3
    1~4巻517~660円 (税込)
    とんでもなく面白い野球小説、できました! 書いたのは超弩級の新人作家!史上初の“高偏差値”野球小説、涙の第3幕が始まります。 天才女子高生・ヒカルさんが率いる映画研究同好会との試合に敗れ、支配下に置かれた野球部。物理学を応用したヒカルさんの大胆な理論に野球部のメンバーはどんどん洗脳されていく。 バッティングマシン「ムラタ3号ヴァージョン3改」を使った打撃練習以外、守備練習をまったくしない野球部に不安を覚える真之介。 するとヒカルさんは、「打球の落下地点が分かる」という超難解な運動方程式を教えてくれるのだが‥‥。 三角関数におびえながらマウンドに立つことを恐れた真之介は、野球部のメンバーに守備の重要性を示そうと、後輩たちがプレーするリトルのチームに試合を申し込む。 ところが試合中、リトルのエース・和田諒が投じたボールにヒカルさんが突然怒り出す。いったい何がヒカルさんの逆鱗に触れたのか? 野球に向かう小さなエースのひたむきな思いが、ヒカルさんの心と響きあう。「レベル3 守備理論編」は、レベル4とともにシリーズの感動編です。ぜひお楽しみください!

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  • 変身
    3.0
    不朽の名作『下妻物語』の爆笑と感動をふたたび! 売れない漫画家の星沢皇児は、彼女いない歴30年の30歳男子。美容整形のプロもさじを投げるほど不細工な彼は、吉祥寺の路上で自作の漫画『エルドラド』を売りながら暮らしていた。 ところが…… ある朝、目醒めると、皇児は恐ろしく男前になっていた。そしてそんな男前の皇児の前に、次々に女の子が現れる―― バイト先の同僚でくりっとした眼とえくぼが可愛い仙台出身の大学生・小林祐菜、日仏ハーフの辣腕編集者で美形マニアの河原木マドレーヌ、黒目がちの瞳と小さな肉厚の唇が魅力的なグラビア出身の人気アイドル・真希野香羽、漫画オタクでコミケ通いが止められない巴投げが特技のシャイで夢見がちなゲロ子(本名不明)などなど。 フランツ・カフカの名作『変身』のパロディから始まる、勘違い男子の、勘違いラブ・ロマンス。あの不朽の名作『下妻物語』の爆笑と感動をふたたび味わえる、嶽本野ばらのスーパー・エンターテインメントです!

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  • ベッドのおとぎばなし
    -
    復刊第三弾は、男女の情事を描く傑作短編集。 女友だちとの会食に向かう途中、にわか雨に降られた美也子は、駅前の本屋に駆け込んだ。軒下で雨宿りをしていると、隣に立つ男から声をかけられ、最初の一瞥で自分の好みの男の範疇に入ると見てとるが……(俄か雨――第一夜)。小学校の同窓会、四十代を目前にした男女が日曜のホテルのティーラウンジに集まった。卒業以来、ずっと断わり続けていた彰子だったが、参加する気になったのにはある特別な理由があった(同窓会――第九夜)。プレゼンテーションの準備を終えた夜、多加子は何度か食事を共にした男友だち・阿久津とみに行くことに。阿久津からの情事の誘いを軽くかわし続ける多加子の目の前に、別居中の夫が若い女性と一緒に現れ……(空車待ち――第十七夜)など全34編を収録。時代を超えてスタイリッシュな男女が織り成す情事、大人の女同士が繰り広げる愛憎劇を、流麗な文体で描いた短編集。
  • ベースボールと陸蒸気日本で初めてカーブを投げた男・平岡ひろし(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 明治4年、一人の悪童が単身アメリカに渡った。彼の名はヒラオカ・ヒロシ。後に一代で巨万の富を築き、鉄道王と呼ばれた男である。また彼は日本にベースボールを輸入し、初の野球チームを作り、カーブを投げて人々を驚かせた「野球殿堂入り第1号」であり、他にもローラースケート初滑り、邦楽家元、リール釣り第1号、日本画・ポンチ絵作者、江戸物コレクター等、広範な趣味で一生を遊び尽くした道楽の天才だった!金は遊ぶために稼ぎ、笑うために使うもの。幕末から昭和の激動期を飄々と生きた道楽大尽の人生とは…。
  • ペダリング・ハイ
    3.7
    走り出す、世界が変わる。人生すらも! ようこそ、ロードバイクの世界へ! 竜二は、大学進学のため上京した。ママチャリを買いに行った深大寺サイクルで、居合わせた客達に囲まれ、ロードバイクを買わされてしまう。そんなおせっかいなおじさん達と練習し、初出場した草レースで入賞した竜二は、ロードレースの楽しさに目覚めていく。そして、ライバルとも言える同い年の圭と出会い、実業団レースに臨む。日本初の自転車山岳レース小説『ヒルクライマー』を上梓し、赤城山ヒルクライムを考案した著者、初の本格ロードレース小説。 「こんな小説が読みたかった! ロードバイクをはじめたい人にも、是非読んでほしい」栗村修氏(ロードレース元プロ選手、解説者)絶賛!!
  • 崩壊(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 著名財界人が正体不明の男たちに拉致された。日本経済を操る地下組織の仕業か、海外マフィアの陰謀か。バブルに踊り疲れた明日なき日本経済の黒い断面を鋭く抉る、企業サスペンス。経済もの小説第一人者の筆が冴える。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 崩壊メインバンク(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 融資、人材派遣、株式持合いの三点セットを武器に産業界を傘下においてきたメインバンク。金融再編成のもとで激しく揺れるメインバンク側の欺瞞と銀行のあり方に鋭く迫る、経済小説。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 抱擁/この世でいちばん冴えたやりかた
    3.0
    ゴシックミステリから奇譚まで極上の物語集。 元版は2002年刊の短篇集『約束よ』と2009年刊の中篇『抱擁』。二冊を合本、二部構成にして初の文庫化。第一部「抱擁」は、二・二六事件の翌年、昭和12年の東京駒場の前田侯爵邸を舞台に展開する。18歳の小間使い(わたし)の検事に向かっての供述で語られる物語。5歳の令嬢・緑子の不可思議な行動、ゴシック建築の洋館で起こる異様な事件、物語は謎をたたえて結末に向かって走り出す。ヘンリー・ジェイムズの傑作『ねじの回転』をパスティーシュした傑作である。 第二部は総タイトルを「この世でいちばん冴えたやりかた」と改め、七篇の名品が並ぶ。日本と中国を舞台にした奇譚の数々。一篇一篇がその文章力と物語の起伏で読む手が止まらない。特筆すべきは著者の代表作である盲目の落語家を主人公にした『遊動亭円木』(谷崎潤一郎賞)の外伝三篇が収録されていること。ファン感涙である。若き日に中国貿易に携わった著者でこそ書ける中国を舞台にした三篇もすごい。時代も唐から現代まで、そのストーリーテリングは凡百の作家の追随を許さない。タイトルに採った「この世でいちばん冴えたやりかた」は天安門事件を背景にした驚くべき現代の奇譚。単行本時の表題作だった「約束よ」には官能の匂いが立ちのぼる。 さらに、作品の中にさりげなく引用されるフロベールの『ボヴァリー夫人』とボルヘスの掌篇、豊潤な作品を詰め込んだ「世界文学」ともいうべき至福の物語集である。
  • 星になれない君の歌
    -
    この涙を、私は一生忘れない。 「このまま死にたくなかったら、俺に協力して。お願い!」 夭折した幼馴染み・拓朗の幽霊に体を乗っ取られた都萌実は、あの世とこの世の境目に連れて来られてしまう。 生前ソングライターを目指していた拓朗は、片思いしていた人へ贈る歌を作っている最中に亡くなってしまい、どうしてもそれを完成させたいらしい。 幽霊という存在に恐怖が拭えない都萌実だったが、姉弟同然に育った拓朗に“お願い”と言われたら断れない。 こうして都萌実は拓朗とひとつ屋根の下、一緒に歌を作ることになり――。 幽霊となった幼馴染みと過ごす最期の日々。ラストは涙、感動の物語!
  • 星に願いを、月に祈りを
    3.8
    「100回泣くこと」作者の新たなる代表作! 小学生のアキオ、大介、麻里は、夏の学童キャンプで、夜、ホタルを見るため、宿を抜け出し、川に向かう。ようやく川にたどり着いた3人は、偶然ラジオから流れる謎の深夜放送を耳にする。その後、中学で野球部に入ったアキオは、一学年先輩の放送部員・里崎さんを好きになるが、告白できないまま、時間が経過する。高校生になったアキオは、夏休みに、かつてのキャンプ場を訪れ、再び謎のラジオ番組を聞き、あることに気づく。そして、さらなる時間が流れ、アキオたちは大人になった。物語は、大きく動き始める――。
  • ホステージ 人質
    3.0
    英ベストセラー作家が放つパニックスリラー。  CAのミナは、5歳の娘ソフィアを別居中の夫アダムに預け、航空会社ワールド・エアラインズにとって歴史的フライトとなるロンドン―シドニー直行便に搭乗した。この大事業に世間の関心が集まる一方で、空港のまわりでは長時間飛行による環境破壊に抗議する人々がデモを行っている。物々しい雰囲気のなか、353名の乗客を乗せ無事に離陸したボーイング777だが、間もなく小さな異変が起こり始め、やがてミナの手元に何者かからの手紙が届く。そこにはこう書かれていた。「従わなければ、娘は死ぬ」。一方ロンドンの自宅にいるアダムと、ミナの愛するソフィアには魔の手が忍び寄っていた。乗っ取られた直行便、着陸まで20時間、選択を迫られるミナ――。  ニューヨークタイムズ、ガーディアン等主要メディアとカリン・スローターら人気作家からの賛辞の嵐。恐怖と緊張、そして最後の1行まで絶対に読み落とせない展開。英国サスペンスの新女王が放つ、衝撃の航空パニックスリラー!
  • ほっこりおうちごはん 「どうぞ飯あがれ」
    3.0
    心がほっこり温まる「おいしい」食エッセイ。 人気マンガ家として超多忙な日々を送りながらも、「子どもの朝食・お弁当・晩ご飯はほかの人にゆだねず、自分でつくろう」そう決心し、30年以上も実践し続けた柴門ふみさん。仕事を5時に切り上げ、猛スピードで帰宅してつくった日々のレシピと、レシピにまつわる思い出やエピソードが綴られます。  学生時代、自炊を始めたころの思い出を綴った「キャベツと貧乏暮らし(キャベツとソーセージのスープ煮)」、子どもたちから大絶賛された料理が実はテレビの料理番組からヒントを得た超簡単レシピだったという「料理番組に教えられて(カレーケチャップ味のドリア)」、苦手な圧力鍋を克服した「圧力鍋格闘記(筑前煮風豚の角煮)」など、どのエピソードからも柴門さんの料理へのこだわりと家族の笑顔が見えてきます。  巻末の「柴門流おうちごはんレシピ」では、家族と食べたい一品が見つかること間違いなし。おいしくてあったかい、家族の存在、おうちごはんの魅力を再確認させてくれるハートフルエッセイ集です。  心もおなかも満たされる大満足の一冊です。
  • ほどなく、お別れです
    3.9
    1~2巻726~792円 (税込)
    この葬儀場では、奇蹟が起きる。  夫の五年にわたる闘病生活を支え、死別から二年の歳月をかけて書き上げた「3+1回泣ける」お葬式小説。 大学生の清水美空は、東京スカイツリーの近くにある葬儀場「坂東会館」でアルバイトをしている。坂東会館には、僧侶の里見と組んで、訳ありの葬儀ばかり担当する漆原という男性スタッフがいた。漆原は、美空に里見と同様の“ある能力”があることに目を付け、自分の担当する葬儀を手伝うよう命じる。漆原は美空をはじめとするスタッフには毒舌だが、亡くなった人と、遺族の思いを繋ごうと心を尽くす葬祭ディレクターだった。   「決して希望のない仕事ではないのです。大切なご家族を失くし、大変な状況に置かれたご遺族が、初めに接するのが我々です。一緒になってそのお気持ちを受け止め、区切りとなる儀式を行って、一歩先へと進むお手伝いをする、やりがいのある仕事でもあるのです」--本文より ※この作品は単行本版『ほどなく、お別れです』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 火床より出でて
    3.8
    鬼才が放つ恐るべきハードボイルドミステリ! 誘拐されて殺された目も鼻もない子供。彼は黒い山肌を這い登ってゆく。誰も待つことのない賽の河原をさまよいつづける――。 男は大きな夢を持っていた。それは、殺人事件の加害者の心の暗部に直接働きかけるケア・センターづくり。しかし、その慈愛に満ちた男はいったいどこに消えてしまったのか。 彼との再会を願う殺人犯の娘のため、探偵は過去の闇へと分け入る。そして、すでに解決したと思われた事件は、探偵の前に驚くべき異なった貌を現わす。 コミック界の鬼才が、ミステリに挑戦して大きな反響を呼んだ傑作、待望の文庫版を電子化! 『追憶の夜』を改題のうえ、加筆改稿して新たに世の中に問う問題作。 著者プロフィール 山上たつひこ(やまがみたつひこ) 1947年徳島県生まれ。70年、ポリティカルフィクション「光る風」。72年、ギャグ作品の「喜劇新思想体系」。74年、「がきデカ」。87年、初の短篇小説「カボチャ通り」を発表。

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  • 骨を弔う
    3.7
    30年前、本当は何を埋めたんだろう。  謎の骨格標本が発掘されたことを報じる地元紙の小さな記事を見つけた家具職人・豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。  しかし、それは記事の発掘場所とは明らかに異なっていた。同時に、ある確かな手触りから「あれは本当に標本だったのか」との思いを抱いた豊は、今は都内で広告代理店に勤務する哲平に会いに行く。最初は訝しがっていた哲平も、次第に彼の話に首肯し、記憶の底に淀んでいたあることを口にする。リーダー的存在だった骨格標本埋葬の発案者・真実子の消息がわからないなか、事態は思いも寄らぬ方向に傾斜していく。 ※この作品は過去に単行本版として配信した『骨を弔う』の文庫版です。
  • 骨ん中
    3.0
    「ちょんまげぷりん」作者デビュー作を電子化! バブル崩壊後の94年、日本海に面する東北の地方都市・岩館で大きな影響力を誇る川戸建設会長・川戸英太郎は、ゴルフ場開発に伴う暴力団系企業への多額の不正な債務保証での特別背任容疑の渦中にいた。さらに、逮捕直前には、息子で社長の英介が自殺するという最悪の事態を迎えたが、英太郎は表情を変えることなく、嫌疑をすべて認め、裁判は淡々と進んでいった。 有罪判決が下り、すべてを失ってなお、心に平明を宿しているようにみえた英太郎は、やがて静かに朽ちていった。しかし――。すべてが結末を迎えたに見えた8年後の02年冬、この事件を静かに追い続けていた東日新聞社社会部記者・宮浦弘樹は、英太郎の死亡記事を地方紙の片隅に偶然見つけたことから、物語は大きな転調を迎え、重厚な三代にわたる一族の“血の物語”を呼びさます。

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  • 炎凍る 樋口一葉の恋(小学館文庫)
    4.7
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 24歳で近代文学の名作を残して夭逝した天才作家・樋口一葉。恋も実らず、結婚もせず、貧困のうちに病に倒れたといわれてきたその生涯とは? 一葉の人生の軌跡を丹念に追いながら、明治という時代をしたたかに生きたひとりの女性としての一葉を描き出し、その創作の秘密に迫る。
  • 炎の条件(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 公称百万人の信者を擁すると豪語する新興教団「お告げの天使」。その実態は、教主・神居法泉の専横の下、信者の誘拐、統一結婚式の強要、教団被害者の殺人も辞さぬ邪教集団であった。教団の非道に愛する者を奪われ阿修羅と化した男・朝倉の凄絶な復讐戦を描く、とびきりのエンターテインメント作品。
  • 惚れたが悪いか(小学館文庫)
    3.7
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 『曾根崎心中』で徳兵衛と心中したはずの遊女おはつは生きていた?『八百屋お七』の事件とそっくりの火付けをした娘がいた?唐人お吉は異人の妾ではなかった?稀代の妖婦・阿部定には娘がいた――?江戸から昭和にかけて、情念の事件と関わりをもった“伝説”の女たちの物語を下敷に、著者一流の筆致で構築した“異聞”短篇集。可愛くも逞しく、業が深くも切ない女たちの心模様が描き出される。『八百屋お七異聞』『東海道四谷怪談異聞』『曾根崎心中異聞』『女殺油地獄異聞』ほか全七篇収録。
  • 香港の甘い豆腐
    3.6
    初めて訪れた香港で知る、私の出生の秘密。 学校に行っていないことが母親に発覚し、厳しく詰問されていた女子高生の彩。その母親との諍いの最中に、うっかり口にした、「どうせ父親も知らないから」という言葉がきっかけで、母親は突然、半ば強引に彩を香港へと連れ出す。どうやら彩の父親はいま香港にいるらしい。生まれてからこのかた彩には父親という存在の影すらなかった。自分がうまくいかないことの全ては、そのせいではないかと思っていた。頭が悪いのも、溌剌としていないのも、夢がないのも、希望がないのも、全部。とはいえ父親に会いたいとは一度も思ったことがなかった。そんな彩の気持ちも知らない母親が、彩に唐突に訊く。「懐かしい感じ、する?」「するわけないじゃん、香港になんか来たことないのに」。すると母親は「遺伝子には町の記憶は入ってないのね」と思いもかけないことを口にした。もしかして、私の父親は日本人ではないのだろうか、香港の人? そう疑問に感じ動揺する彩だったが、熱気と活気に溢れる香港の街、そして力強い響きを持つ広東語に惹かれるうちに、少しずつ気持ちがほどけていく。

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  • ほんとうに誰もセックスしなかった夜
    3.0
    至純の愛を描く心ふるえる恋愛小説。 物語は、十年前の展覧会場から始まる。画家の卵である主人公は、そこで初めて「わたしだけの神様」に出会う。二十歳以上年上の彼は額縁職人だった。すぐに〈わたしたち〉は愛しあう。でも、恋は一年しかつづかなかった。そして十年後の再会。〈わたし〉は高校の美術教師になっている。三十八歳。再会はホテルの一室だった。そこでの優しくて官能的な性描写は、ため息が出るほど美しく、嘆賞に価する。 〈わたし〉が唯一気に入っている自作の絵は「夜の街なみ」を描いた風景画だ。「夜の風景は、いかなる光を浴びせられても夜のままなので安定しているし、すべての色を使うには昼よりも夜のほうが描ききれると、わたしは考えている」。その絵を見た高校生の教え子たちはこう感想を述べる――「誰も愛しあわなかった夜みたい」「愛しあうって、どういうこと?」「セックスだろう」「誰もセックスしなかった夜みたい」 物語は、〈わたしだけの神様〉の死、感動的な終結に向かって静かに穏やかにながれていく。
  • 本能寺異聞 信長と本因坊
    3.0
    戦国武将は歴史を動かす碁石に過ぎぬのか? 囲碁名人・本因坊算砂の息が止まりかけた。 「信長公の首級は何処にある」 大御所・徳川家康のたった一言で、「炎の記憶」を呼び覚まされた算砂は沈黙せざるを得なくなった。 大坂の陣が勃発する七年ほど前、慶長十二年師走、駿府城で対局中の出来事だった。 日海と名乗っていた若かりし頃の算砂は、戦国の時流に弄ばれ、本能寺の変の渦中に放り込まれていたのだ。 行方知れずの織田信長の亡骸、底知れぬ明智光秀の本意、茶会や連歌の会、安土築城などの不気味な闇。 武将の松永久秀・荒木村重・佐久間信盛・斎藤利三ら、五摂家筆頭・近衛前久、連歌師・里村紹巴、堺商人・小西隆佐、雑賀衆・鈴木孫一と善住房、薬師・曲直瀬道三、神主・吉田兼和、宣教師・オルガンティーノたちは、天下布武という棋譜の碁石に過ぎないのか? 若き法華僧の名棋士が、戦国人の傍らで見た歴史を描く、刮目の長編歴史小説。 本能寺の変の真相を読み解く! ※この作品は単行本版『絶局 本能寺異聞』として配信されていた作品を改題した文庫本版です。
  • ホープ・ネバー・ダイ
    -
    新旧米大統領が主役を張るバディ・ミステリ。  トランプ政権下のアメリカ。ホワイトハウスを離れても常に注目の的のオバマ前大統領に対し、バイデン元副大統領は地味で単調な日々を送っていた。かつてはあれほど固い絆で結ばれた「チーム」だったのに、いまや便りのひとつも寄こさずセレブたちと華麗な交流を謳歌するオバマに、不満と嫉妬、そして寂しさを抱くバイデン。そんな彼の前に突如オバマが姿を現す。彼がバイデンの元を訪れたのは、バイデンの親友であり、かつて彼が通勤に利用していた列車の車掌の事故死を知らせるだった。自殺とされたこの死に疑念を抱いたバイデンは独自に調査を始め、やがてオバマとともに、老体に鞭を打ちながらホームズ&ワトソンよろしく真相を追うことに――!  2018年にアメリカで刊行されるや、AmazonUSの月間ベスト、NYタイムズベストセラーリスト入り、さらにgoodreadsの2018年choice awardファイナリストになったスマッシュ・ヒット小説。まさかの新旧大統領が主役を張ってしまった、前代未聞の超痛快バディ・ミステリ!  解説は「解説といえばこの方」、池上彰さん。 (底本 2021年10月発行作品)
  • ホームレス日記「人生すっとんとん」(小学館文庫)
    3.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 福沢安夫には二人の娘がいる。故郷には兄弟もいる。準大手の証券会社で課長を務めてもいた。しかし、株で借金をつくってから坂を転がるようにして、1999年8月から上野のホームレスに。上野公園のテントの中でひとり家族と暮らした日々を思い出すこともある。落伍感だって抱いてる。でも、一人ぽっちになってみてわかったことも沢山あった。すべてを失いながらも、ホームレス仲間や訪ねてきてくれる人達の人情に触れ、画家としても第二の人生を目指した男の、楽しくもほろ苦い人生物語。
  • ホーリー・カウ
    -
    『Xファイル』主演俳優、衝撃の小説処女作。  主人公はなんと、お年頃の雌牛!農場で平和に暮らしていた彼女が、やがて訪れる自分の運命を知り、意気投合した豚・七面鳥とともにそれぞれの楽園を目指して国外脱出へ。果たして彼らは理想郷へとたどり着けるのか!?  一見お気楽&荒唐無稽、実は社会への風刺と皮肉がたっぷり。2016年にはアメリカで新シリーズの放映が開始した超人気SFドラマ『Xファイル』のモルダー捜査官の、意外すぎる小説家デビュー作!
  • 冒険の日々(小学館文庫)
    3.7
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 昭和40年代、子供たちにとって遊ぶことがすべてだった時代の胸躍る冒険の日々―こっそり忍び込んだ空き家で見つけた藁人形が騒動を引き起こす「座敷童子の夏」。河童を生け捕りにしようと底なし沼にボートを漕ぎ出す「河童沼」。廃坑になった洞窟を探検しているうちに不気味な寒村に迷い込んでしまった「山姥の里」ほか、自然の中で生きる人間の逞しさを描いて直木賞を受賞した著者の原点ともいえる郷愁あふれる連作集。
  • ぼくたちと駐在さんの700日戦争 ベスト版 闘争の巻
    4.0
    超人気シリーズの面白さを一冊に! 時は1970年代。ヤンチャでムチャな高校生たちと大人げない駐在さんが繰り広げる、抱腹絶倒のいたずら合戦の中から名作だけを収録したベスト版を刊行!第一弾は、「闘争の巻」。ママチャリたちと駐在さんの仁義なき闘争の歴史を一冊に収めました。 まずは、これから「ぼくちゅう」をはじめよう!
  • 僕の彼女はサイボーグ
    3.7
    映画『僕の彼女はサイボーグ』は 2008年5月31日(土)全国拡大ロードショー!!『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』のクァク・ジェヨン監督が贈る大ヒット「彼女」シリーズ第3弾、映画『僕の彼女はサイボーグ』(主演:綾瀬はるか、小出恵介)を完全ノベライズ! ある日、さえない大学生の「僕」、北村ジローのもとに突然やってきた可愛い「彼女」は、大胆で大食いな「サイボーグ」だった。彼女は、21歳の僕を救うために、未来の僕が送ってきたものだという。感情を一切もたない彼女に僕の思いはなかなか伝わらず、僕は彼女に一方的に別れを告げるが――。 時空を超えて紡がれる、最高にキュートでコミカルなラブストーリーです。

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  • 僕は妹に恋をする
    3.5
    「神様。本当にいるなら、僕に、世界でたったひとりの大切な女の子を、僕にください」二卵性双生児として生まれ育った兄妹、頼と郁。「いくはぼくのおよめさん」と誓い合った幼少時代はやがて過ぎ、出来のいい頼と、ドジな郁との距離は成長とともに離れていく。頼に嫌われたと落ち込む郁だったが、頼は、妹である郁を人知れず愛し始めていた……。頼の気持ちを知り、戸惑いながらもそれを受け入れる郁。禁忌を犯した兄妹を待ち受ける衝撃の結末とは!? 累計600万部の大ベストセラーコミック『僕は妹に恋をする』と、その映画版を元にしたオリジナルノベライズ。

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  • 僕は人を殺したかもしれないが、それでも君のために描く
    5.0
    「4マリ」の奇跡、再び。 昨日、僕は人を殺してしまったかもしれない―― 「強迫性障害」を抱える島津圭司は、毎晩恐怖に襲われ目を覚ます。今日も気づかないうちに、自分が誰かの「死」の原因を作ってしまったのではないか……。日常生活も人付き合いも苦手な圭司にできることはただ一つ、絵を描くこと。だから、生きている限り、今日も漫画を描くしかない。  あるとき、事故に巻き込まれ搬送された病院の裏庭で、圭司は透き通るような肌の青年・藤堂星矢に出会う。社会や人との接触を忌み嫌ってきた圭司だったが、「僕がファン第1号になる」という星矢の言葉に背中を押され、漫画家としてのキャリアと向き合うようになる。初めての連載、自宅で雇う初めてのアシスタント、助けてくれた救急救命士の女性への、初めての恋。自身の障害のせいで、圭司は行く先々で壁にぶつかってしまう。一つずつ挑んでいった先に、圭司を待ち受けていたものとは。そして、十歳で死んでしまった弟・龍二に最後にかけた言葉を悔やむ圭司が、十五年経った今、見つけた真実とは……。 生きづらさを抱えて生きるすべての人へ。大切なものを喪っても、生きている限り春はやって来る。涙なしには読めない、感動の人生讃歌!
  • 僕らが愛した手塚治虫 1
    5.0
    手塚漫画に魅入られた作家の自伝的探書記!  幼少の頃に手塚漫画に夢中になり、漫画の神様・手塚治虫の足跡を追ううちに長じてミステリ作家となった著者。その著者が成長とともに奥深い手塚作品の世界に踏み入り、ときに迷宮のような謎に挑みながら、膨大な作品を当時の状況とともに解説していく記録であり、あふれ出る手塚への愛と造詣を綴った偏愛エッセイ。ファンの間では知られる長期連載をまとめた単行本の、文庫化第一弾。「この本では、一人の少年と、彼と同じように手塚マンガを愛した多くのファンやマニアの心象を通して、手塚マンガの魅力に迫ろうとしています。そういう意味では、この本は、これまでの手塚マンガの解説書や評伝とは、少しだけ違っています」「書くにあたっては、自分の持っている収集品をフルに活用し、できるだけ多くの図版をしようと考えました。僕自身、手塚マニアとしての自負もあり、図版を見るだけでも楽しめる本にしたかったのです」(本書まえがきより)。  今回は、単行本未収録の手塚治虫原画をカラーで掲載。
  • 僕等がいた
    4.0
    映画「僕等がいた」ノベライズ本!映画の魅力を余すところなく描いた切ないラブストーリー! 『このずっと続く空の下、あなたは今どこにいますか? 今日は誰と会い、どんな話をして、どこへ行きましたか? 最後に私を思い出したのはいつですか? 今、誰を愛していますか?』 少女漫画界の頂点を極める「僕等がいた」が待望の映画化。北海道・釧路を舞台に、高校時代、互いに惹かれ合い、愛を確認しあった高橋七海と矢野元晴。しかし、運命に翻弄され、引き裂かれ、それでも永遠の恋を信じ、ひたむきに生きてきた6年に渡る二人の人生をドラマチックに描きます。 本書は、映画の脚本を原案にしたノベライズ本。「僕等がいた」ファンはもちろん、コミックスを読んでいない初めて「僕等がいた」に触れる方にも、その魅力を余すところなくお伝えします。初恋の喜び、避けられない運命に引き裂かれる切なさ、そして感動のラスト。恋の現役の方から、忘れられない恋を胸に秘めている方まで、男性にも女性にもぜひぜひお手にとっていただきたい1冊です。

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  • ボニン浄土
    5.0
    島だけが、すべてを見ていた。 1840年、気仙沼から出航した五百石船・観音丸は荒天の果てに、ある島に漂着する。そこには、青い目をした先住者たちがいた。彼らは、その地を「ボニン・アイランド」と告げた。  時を隔てた現在。すべてを失った中年男は、幼少期、祖父が大切にしていた木製の置物をふとしたことで手に入れた。それを契機に記憶が蘇る。  彼は、小笠原行きのフェリーに足を向けた。その船には、チェロケースを抱えた曰くありげな少年も同乗していた。  物語は、ゆっくりと自転を始める。 ※この作品は単行本版『ボニン浄土』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • ぼんちゃん!
    -
    ある日突然ボクシング?超へたれ級青春小説 決めた。俺はロッキーになる――。  大学時代の中途半端な映画サークルの先輩、ぼんちゃんは、ある日突然、「ぼく」のマンションに転がり込んできた。聞けば、7年勤めたテレビ制作会社を辞めたという。そして、「ロッキー」のビデオを見た彼は、あろうことかボクサーになろうと一念発起。雑誌のデザイナーとして忙しい日々を送る後輩の「ぼく」を捕まえて、ボクシングジムでの練習風景からロードの様子まで逐一ハンディカムに録画させ、ひとり悦に入っていたぼんちゃんだったが――。  超へたれ級青春小説。

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  • ボンベイ、マラバー・ヒルの未亡人たち
    3.0
    ♯MeToo時代の傑作歴史ミステリー! 現代以上に女性差別著しい、1921年のインド。パールシーの一族の出身で、ボンベイ唯一の女性弁護士のパーヴィーン・ミストリーは、女性であるが故に法廷に立てず、父親の事務所で事務弁護士として働いていた。結婚の失敗という苦い過去を引きずりながらも、いつか父親のような弁護士になることを目指していた彼女は、ムスリムの実業家の屋敷に暮らす三人の未亡人たちの遺産管理のため、高級住宅街マラバー・ヒルを訪れた。想像以上に閉鎖的な生活を送る彼女たちの役に立とうと決意した矢先、屋敷の中で殺人事件が起こる。パーヴィーンは、自分自身のトラウマと対峙しながらも、事件解決に奔走するが……。 「レイ・シムラ」シリーズの著者による♯MeToo時代の歴史ミステリシリーズ第1弾。アガサ賞歴史小説部門大賞、メアリー・ヒギンズ・クラーク賞など受賞多数、各紙で絶賛の話題作。
  • ポケットに物語を入れて
    3.5
    〈本〉が〈物語〉が、私たちを呼んでいる。 《新刊書店で、あるいは古本屋で、作者も作品名も聞いたことがないのに、興味を引かれる本に出合ったとする。その本は確実に私を呼んでいる。手にとってしまう。レジに持っていってしまう。帰りの電車のなかで読み出して、びっくり仰天する。著者もタイトルも知らなかったことが不思議に思えるほど、自分にぴったんこの本なのだ。》 ネットよりもリアル書店を愛する著者が、心に残る本の数々を紹介する見事な読書案内。 宮沢賢治・太宰治から開高健・池澤夏樹に始まり、佐野洋子・山田太一、そして江國香織・井上荒野まで、「思わず読みたくなる」名エッセイ50篇を収録。
  • 埋蔵金発掘課長
    3.7
    それは愚策か、それとも起死回生の一手か?  早期退職し、故郷に帰ってきた元広告マン。午前中は、道の駅で働き、午後はのんびり海辺で過ごす生活を送っていた。ある日、市長の秘書をつとめる同級生が、市長直々のお願いがあるとやってくる。お願いとは、財政破綻目前の市のために、埋蔵金を発掘してほしい、というとんでもない依頼だった。日給に釣られ、半信半疑で着手することにした俺は、郷土史家を訪ね、小学校の裏山が怪しいという情報を得る。市の職員と二人で発掘をはじめたが、なにせ広大な土地だ。市に懇願して、人員を増やし、巫女の力を借り、なんと古銭の発掘に成功する。勢いに乗った発掘課は、やがて日照市の海軍工廠に眠るお宝の情報にたどりつく。彼らが発掘したお宝とは?  荒唐無稽、なのに感動の室積ワールドは今回も健在! 笑って泣ける最強エンタテインメント、いきなり文庫で登場!!
  • 前田利家(小学館文庫)
    4.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 “組織と人間”を主要テーマに歴史上の武将、参謀などを描き、次々とベストセラーを生んだ著者が、加賀百万石藩祖・前田利家とまつの夫婦愛を描く。秀吉亡き後、秀頼の守役となった利家に迫り来る死の影。徳川家康が覇権を狙う中、いかに利家と妻・まつは北国に絢爛たる武家文化を華咲かせたのか? “不倒翁”といわれる利家は、短気だった若き頃とうって変わり、最期まで、加賀の国を文化国として栄え続けさせたいという夢に身命を捧げたのである。加賀百万石の礎を築いた利家の生涯を描く力作。
  • まぎわのごはん
    4.0
    現役医師が描く圧巻のデビュー作!  修業先の和食店を追い出された赤坂翔太は、あてもなく町をさまよい「まぎわ」という名の料理店にたどり着く。  店の主人が作る出汁のおいしさに感動した翔太は、店で働かせてほしいと頼み込む。念願かない働きはじめた翔太だが、なぜか店にやってくるのは糖尿病や腎炎など、様々な病気を抱える人ばかり。  それもそのはず、「まぎわ」はどんな病気にも対応し、患者に寄り添った食事を提供する、特別な食事処だったのだ。  塩一つまみ気軽には使えない店の正体に戸惑いを隠せない翔太。そんな中、翔太は末期がんをわずらう元モデル・如月咲良のための料理を作ってほしいと主人に依頼され――。  病と向き合う若き料理人の葛藤と成長を現役医師が描く、圧巻の感動作! (底本 2021年6月発行作品)
  • 「神田川」見立て殺人 間暮警部の事件簿
    3.4
    1~3巻660~671円 (税込)
    異色のヒーロー・歌う警部マグレの事件簿! レストラン〈ブルーリップ〉の美人ウェイトレスが全裸死体で発見された。容疑者にはアリバイがあり、被害者には過去があり、目撃者には邪心があった。そこに現れたのが間暮警部。持ち前の美声で昭和の名曲を歌ってから言い放つ―「犯人はこの中にいます」。表題作ほか「別れても好きな人」「四つのお願い」「ざんげの値打ちもない」「さよならをするために」など懐かしいヒット曲の歌詞をなぞるような殺人事件の数々を、間暮警部が鮮やかな推理で解き明かす。

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  • まぐろ土佐船(小学館文庫)
    4.3
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 土佐のマグロ船は、一攫千金を目指し七つの海を駆け巡る。世界の港に立ち寄りながらマグロの大群を追い求めた海での800日には、自然と人間の織り成す壮大なドラマがあった。大漁の喜び、沖での孤独、暴風雨との闘い、濃密になる人間関係、そして常に死と隣り合わせの航海の厳しさ……男たちの熱い物語を、3度の航海を経験したコック長が優しさあふれる視点で描く。第7回小学館ノンフィクション大賞受賞作品。
  • 孫むすめ捕物帳 かざり飴
    4.0
    かわいい孫ふたりが老同心のお手伝い! 沖田柄十郎は南町奉行所の老同心だ。 いつも溜まり部屋でウトウトしているため、人呼んで、廻らず方の窓際同心。 そんな沖田にも、かわいい盛りの孫がふたりいる。「とら」と「くま」で、いとこ同士だ。 とらは、武芸指南役の父を持つ、十二歳のお転婆娘で、剣は滅法強く、子ども相手には負け知らず。 九歳のくまは、天文方に勤める父の才能を継いで抜群に賢く、蘭語にも堪能だ。 ふたりはいつも奉行所まで歩いて来ては合図の鳩笛を吹き、「じいじ様」を呼び出すのだが、これが沖田にとって嬉しくて仕方ない。 なにせ、目に入れても痛くない孫ふたりに懐かれているのだから。 今日もふたりを連れて日本橋まで足を伸ばせば、やはりおやつに飴をねだってくる。 沖田は顔をとろかしつつ、馴染みの飴細工売りに注文すると、最近新参の細工師に客を取られているというではないか。 励まして別れたはいいが、翌朝、飴細工売りが殺されたとの報せが入る……。 ふたりの孫は、日頃厄介者扱いされているじいじ様に手柄を立てさせてやりたいと、なんと岡っ引きを買って出て!?
  • マザー
    2.0
    漫画家・楳図かずお初監督作品のノベライズ。  漫画家・楳図かずおのもとに、出版社から彼の生い立ちを本にしたいという企画が持ち込まれる。上司の編集長に連れられてやってきた担当編集者の若草さくらは、かねてから楳図かずおの大ファンで、この企画は彼女自身が熱望するものでもあった。さくらは取材で楳図から話を聞くうちに、楳図かずおの創作の原点にはすでに亡くなっている彼の母・イチエの存在が大きく影を落としていることに気づく。彼の生まれ故郷を訪ね、さらに詳しく楳図の生い立ちを調べるさくらだったが、彼女のまわりで次々と怪異現象が起こる。そして、楳図の母・イチエの葬式の参列者の写真の中に、イチエ自身の姿が写っていることを発見する。楳図の母にまつわる恐ろしい事実、そして死んだはずの彼女の怨念が底知れない恐怖を巻き起こすのだった……。  恐怖漫画の巨匠・楳図かずお氏が77歳にして初めて監督した話題の映画を完全ノベライズ。主人公は「楳図かずお」自身。彼と彼の母をめぐる物語が、すさまじい戦慄と恐怖を巻き起こしながら、胸に迫るせつない結末へと導いてく。
  • マザー
    4.3
    消された記憶と謎の都市伝説に迫るミステリ 彼はこの世界から消されてしまったのかもしれない――。 メジャーデビューを夢見て高校卒業と同時に上京した佐川夏実は、吉祥寺で毎週木曜日にストリートライブをしている。そんな夏実のバラード〈不在証明〉は、彼女のおぼろげな記憶の中にいる彼氏を歌った曲。彼との思い出が断片的によみがえることもあるし、ツーショット写真も手元にある。だが、写真を見ても夏実にはそれが誰なのか名前さえわからず、写真を撮ったときの記憶もなかった。 これは恐ろしく“都市伝説的”な事態だ――。 吉祥寺の恵晟大学で「都市伝説研究会」というサークルを主宰する伊神雄輝は、世の中に流布する数多の“伝説”の真相を究明していた。最近もっぱらの話題は、「イレイザーヘッド」により記憶を消されるという都市伝説だったが、あるとき雄輝の携帯に奇妙なソフトが届く。そのソフトを使えば、誰でも「理想の人物」を生み出すことができるという。 めくるめく展開と謎解きのスリル、そして予測できない結末が待ち受けるミステリ長編。夏実が歌うおぼろげな記憶と、雄輝が追う謎の都市伝説がシンクロし、やがて二人の人生を大きく揺り動かしてゆくとともに、内包された壮大なテーマが明らかに!

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  • マザー/コンプレックス
    3.8
    地下鉄の“ある事件”を機に母性が暴走する。 蜂須賀恵理子は、悲嘆に暮れている。自慢の息子が痴漢行為を咎められ、逃げようとして地下鉄に轢かれ、死んだのだ。冤罪だと信じる恵理子は、亡き息子のSNSにのめり込み、事件の真相を探ろうと奔走する。 夏川美夏は、激怒している。高校生の娘が電車内で痴漢を捕まえたが、被害には長い間遭っていたというのだ。美しい娘には芸能界で活躍してほしい。週刊誌記者に身辺を嗅ぎ回られ、美夏は苛立つ。 高奈琴絵は、幸せの絶頂から突き落とされる。不妊治療の末、ようやく待望の子供を妊娠した矢先、夫が痴漢をして逮捕されたのだ。琴絵を責める義母に、逆ギレする夫。離婚がちらつくが、一人で子供を育てる自信がなく琴絵は途方に暮れる。 地下鉄で起きたある事件を発端に、歪み、崩壊していく三つの家族。 そして、新たな悲劇が起こる―― 暴走する母性の先に衝撃の結末が待ち受ける、ドメスティック・スリラーの新たなる傑作!
  • 万寿子さんの庭
    3.6
    年齢差を超えた友情を描く、感涙の物語。 「あなたがお隣に引っ越してきてから、わたしの人生はまた乙女時代に戻ったかのような活況を取り戻しました」 竹本京子、20歳。右目の斜視にコンプレックスを抱く彼女が、就職を機に引っ越した先で、変わり者のおばあさん、杉田万寿子(ますこ)に出逢った。 万寿子からさまざまないやがらせを受け、怒り心頭の京子。しかし、このおかしなやりとりを通じて、意外にも2人の間に、友情ともいうべき感情が流れ始めるのだった。 半世紀の年齢差を超えた友情が、互いの人生に影響を与えていく様を温かな筆致で描く感涙の物語。

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  • またたび峠(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 江戸。安政2年。紙卸商の跡取り息子・ジスケは、6歳の時に奇怪な巨大猫・鮒丸が逃げて以降、運気が下がり続けていた。周囲の婦女子の目線を奪う眉目秀麗なる男に成長したものの、終には着の身着のままの夜逃げをする羽目に。橋の袂の川原で死を待つばかりと相成ったジスケだったが、千里眼で名を馳せた塵点寺の謎の和尚に寺男として拾われる。救われた命、仏門に捧げよう、と日々の勤めをまじめに続けていたが、鮒丸と再会。ある晩、猫が枕元で告げる。自分は極楽浄土で普賢大菩薩の孫となる妖怪である。ただちに一緒に旅に出ろ、と-。
  • まだ見ぬホテルへ
    4.0
    魅惑のホテルを舞台にした31編の旅物語。 建築プロデューサーを志す「僕」は、通勤中の交通事故で入院したことをきっかけに、それまで勤めていた設計事務所を辞めることを決意する。将来の夢は「究極の空間」を設計すること。そのためには、若いうちに外国の一流建築を見て回りたい。世界各地の「憧れのホテル」に泊まって、ゲストの心を掴む秘密を知りたい…。 そんな想いを抑えきれず、二十代の後半からしばしば貧乏旅行に出るようになった。相棒は、愛用の一眼レフのカメラ。  ニューヨークでは、フィットネス・センターで大男を激怒させて大ピンチ(「ジョン・ポートマン」)、フェニックスでは、ホテルの駐車場に寝泊まりしてゲストになりすます(「フェニックスの寝床」)。その後も、インドのシュリナガルでは、ボートホテルの料理の秘密を知ってショックを受け(「湖上の選択」)、エジプトのアスワンでは、老婦人が紹介してくれる友人に下心をふくらませる(「ミミ」)。そして、イタリアのサン・ジャミーノで出会った少年が教えてくれた「ブラウニーの伝説」とは……!?(「ブラウニーの棲むところ」)  笑いと歯ぎしりが満載!! 眠るのがモッタイナイ、魅惑のホテルを舞台にした31編の旅物語。 解説はB’zの稲葉浩志さん。 【ご注意】※この作品はカラー写真が含まれます。
  • 街場のマンガ論
    3.8
    日本マンガと日本人を身びいき目線で論じる。 「これほど好きなジャンルは他にない」と語るマンガびいきの著者が、世界に誇る日本マンガについて熱く語る! 『エースをねらえ!』から、男はいかに生きるべきかを学び、『バガボンド』で教育の本質を見いだす。手塚治虫の圧倒的な倫理的指南力に影響を受けた少年時代、今なお、読み続ける愛すべき少女マンガ…。  日本でマンガ文化が突出して発展した理由をユニークな視点で解き明かす。巻末には養老孟司氏との対談を収録。言語としての日本語の特殊性と「マンガ脳」についての理論には瞠目される。マンガは、どれほどビッグビジネスになろうとサブカルチャーに踏みとどまって、その代償として自由を享受してほしい、と願う著者の「愛と敬意」のマンガ論である。
  • 真夏のオリオン(小学館文庫)
    3.7
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 64年の時を越えてアメリカから届けられた1枚の楽譜「真夏のオリオン」。過酷な時代の秘められたドラマがいま甦る。第二次世界大戦末期。米軍の本土上陸を防ぐため出撃した潜水艦イ‐77号の若き艦長・倉本孝行。それを追いつめる駆逐艦パーシバルのスチュワート艦長。甚大な損傷を受けたイ‐77号に残された酸素はあと1時間。「俺たちは死ぬために戦ってるんじゃない。生きるために戦ってるんだ」。倉本と乗組員の知力の限りを尽くした作戦が開始された。『終戦のローレライ』『亡国のイージス』の福井晴敏が4年ぶりにおくるエンターテインメント映画を完全ノベライズ。
  • まやかしうらない処 信じる者は救われる
    3.5
    天下御免のニセ占い師、お江戸の悪を斬る!  本郷菊坂台にある占い処「瑠璃堂」。女主人・千鶴の占いは当たると評判で、少々高い見料だが、客は引きも切らない。ある日、正右衛門という男がやってきた。千鶴はその身なりや癖を子細に観察し、仕事や悩みを言い当てる。実は千鶴に占いの才はない。鋭い観察眼と卓抜した推理力、あとは口八丁で依頼人を丸め込んでいるのだ。相談は、家作を貸している男の行方が分からない、居所を占ってほしいというもの。怪しい借主に金儲けの気配を感じた千鶴は、瑠璃堂の調査役・権次郎と、執事役・梅治とともに調べに乗り出す。  数日後、蔵前の札差・佐倉屋喜兵衛がやってきた。蔵に何者かが侵入した様子だが、盗られたものはない、人ならぬものの仕業では、と悩んでいた。その頃、江戸に贋金が出回っているという噂が流れだす。千鶴が瑠璃堂の売上金を調べると、一枚、贋小判が見つかった。佐倉屋が支払ったものだ。本格的に調べようと動き出した矢先、佐倉屋の一番番頭が何者かに刺されて死亡、間を置かず喜兵衛までもが石段を転げ落ちて死んだ。  札差の事件と、江戸を揺るがす贋金造りの組織の繋がりとは? 一連の真相に迫る千鶴たちに、黒幕からの刺客が忍び寄る!
  • マリコはたいへん!
    3.7
    ある31歳のマリコさんは、アパレルメーカー広報。彼女をとりまく男は全てダメ男だった。平気で浮気を報告してくる「朗らか馬鹿」彼氏や約束事皆無で浮気現場を簡単に目撃されてしまう「ずぼら馬鹿」彼氏。彼らに翻弄されながらも、なぜか尽くす女のエピソード。ある23歳のマリコさんは、ピザ屋店員。あることがきっかけで入院中の男性と文通合戦開始!? 今時では珍しい心温まる純愛エピソード。ある27歳マリコさんは、客室乗務員。モテること保証のこの仕事。でもそのモテた相手が凄かった。某有名スポーツ選手から声を掛けられて、セレブな生活がスタート……?20代~30代、さまざまな職業、恋のシチュエーションに置かれた27人のマリコさんによる27通りの「オンナの生きる道」を描いたショートストーリーズ。

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  • マリーンワン MARINE ONE
    4.5
    事故か暗殺か。大統領死亡を巡る法廷ドラマ。 《ヘリコプターとは六万もの部品が編隊飛行しているようなものだが、実はどの部品もバラバラになりたがっている――》(本文より)  嵐の夜に米大統領を乗せた専用ヘリコプター〈マリーンワン〉が墜落した。フランス製のヘリの欠陥ではないかと全米世論が沸くなか、かつて海兵隊のエリートパイロットだった弁護士マイクは、製造会社の弁護を担当することに。圧倒的に不利な状況の中、何者かに脅され命を狙われながらも真相を求めていくと、そこには驚くべき「機密」があった――。  自身もかつて米国海軍のトップガンとして活躍し、その後弁護士・作家に転身するという異色のベストセラー作家(2016年没)が遺した傑作法廷ドラマが、日本初上陸!
  • 漫画ひりひり
    4.3
    現代のトキワ荘。漫画家青春群像活劇。  手塚治虫に憧れた高校球児・細川歩は、部活引退後、将来の夢を漫画家に定める。平成元年4月、合格を果たした大分にある鳥羽デザイン専門学校漫画コースに無事入学。喜びも束の間、専門学校で研鑽を積んだからと言って必ずしも漫画家になれるわけではないという厳しい現実をつきつけられる。新しい友達はできたはいいが、同時に漫画家を目指すライバルという状況になかなか馴染めないでいる歩だった。  何度も投稿するのにデビューできない者、途中でドロップアウトする者、在学中にデビューを飾り東京へ向かう者・・・。厳しすぎる選別を受ける友人達。果たして歩は夢を実現することができるのか?  30年後の平成31年。再会を果たした同期の仲間たちは、どんな人生を歩んだのか。漫画に人生をかけた少年たちの感涙必至の青春群像活劇。  解説は北上次郎さん ※この作品は単行本版『漫画ひりひり』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 満月の夜、モビイ・ディックが
    3.0
    地方の大学に通う3人が織りなすロード・ムービー風青春恋愛小説! その年は、モーツァルトとバス釣りと家庭崩壊の年だった―。地方の大学生・鯉沼の日々は、同じ学校に通う香澄と出会ってのち、一気に変容する。しかし、その後、彼女との距離感がうまくつかめない鯉沼は、バス釣りの名人で謎の若い絵描き・タケルの運転する水色のフォルクス・ワーゲンに乗って彼女と小旅行に出かけることにするが…。片山恭一が瑞々しい筆致で描く青春恋愛小説。

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  • マンゴスチンの恋人
    3.7
    すべての人に刺さる4つの恋の物語。 幼い頃のトラウマから男子とつきあえず、年上の人妻に恋する女子高生。存在感の薄いチビオタ地味男の身体の悩みを知り、心を寄せていく美少女。援交トラブルを救ってくれた男子クラスメイトの秘密を知ってしまった少女。かつての恋の痛手に苦しみながら、レズビアンであることをカムアウトすべきか悩む生物教師。  十代の後半、人は性への意識が高まり、性自認が確立しはじめる、サナギのような時期。多感な心は揺れ、痛み、傷つきながらも、人を好きにならずにいられないセクシャルマイノリティのそれぞれの恋を描いた、すべての人に刺さる4つの物語。  全国書店員さんはじめ、芸能界やマスコミから絶賛された第12回小学館文庫小説賞受賞作が、待望の電子化。
  • 満天の星と青い空
    4.0
    人気漫画家が描く「あれ」がない世界! 巨大な隕石が地球を襲う--。科学者は滅亡以外の選択肢を予見できなかったが、地球は奇跡的に、難を逃れた、かにみえた。  しかし、それは、かつてないレベルで金属を分解してしまう極小のバクテリアを地球上にもたらしてしまった。  修学旅行で京都を訪れていた沼田高校の生徒たちも、大パニックに巻き込まれる。そんななかで、ひとり、浮いている男がいた。真吾は、何を考えているのかわからない、喧嘩がメチャ強い男だが、一度も自分の心が「ドキドキしない」ことに不思議な気持ちでいた。  それは、未曽有の危機的状況においても、変りはなかったのだ。しかし、同じクラスの小動物のような女子、鈴音になぜか心を動かされてしまう。  みんなで自宅へ帰るべく、生徒たちは東へと進路をとるが、思わぬ出来事が彼らを待ち受けていた。
  • からころも 万葉集歌解き譚
    3.7
    万葉集の歌の数々が味わえる!新シリーズ。  日本橋の伊勢屋で奉公する助松には、父親の大五郎がいた。しかし、一年半前に伊勢屋の仕事で富山に出かけたまま、行方不明になっていた。父は、助松に日記を残していた。このことは決して他人に話さないように言われた。日記には和歌らしきものがいくつも書かれている。  伊勢屋の一人娘しづ子は助松より六歳上で、和歌が好きで賀茂真淵に学んでいた。そして、店の大切な客人である占い師の葛木多陽人も和歌に造詣が深かった。多陽人は京都生まれの京都育ちで、回りがぽかんと見惚れてしまう程の美男子だった。 助松は、二人に事情を知らせずに日記に記された歌の意味を少しずつ、教わっていた。  ある日、体調を崩した大友主税という若い侍を助けたことがきっかけで、しづ子に和歌を学びに主税が訪れるようになった。しかし、主税がしづ子に近づいたのは別の理由があったのだった。  その後、しづ子は密かに姿をくらましてしまう。  大五郎としづ子の失踪には、関連があったのだ。  日記に記された和歌の数々には、どんな意味があったのか。  一連の謎は解き明かされるのか――。  万葉集の和歌が面白さが判る、新シリーズ!
  • みえない雲
    4.1
    原発事故が起こったあと、人はいかに生きるか? 世界の原発史上最悪の事態となったチェルノブイリ爆発事故から20年以上の時が経った2006年12月、1本の映画が公開された。(シネカノン有楽町にて'07年正月第一弾ロードショー)。あるドイツの原発で爆発事故が起き、町はパニックに陥り何の罪もない市民が巻き込まれるというドラマだ。本作品はその原作である。被爆した14歳の少女が見た社会の混乱と肉体的な疾患のリアルな描写は、ドイツの約3倍の原発を持つ我が国にとってあまりに衝撃的な近未来小説である。

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  • 見えないほどの遠くの空を
    -
    2011年5月公開映画の原作小説。 賢は大学で映画研究会に属している。今回は賢が監督で映画を撮ることになった。映画のヒロインには同じく映画研究会に所属する杉崎莉沙が選ばれる。莉沙も実は監督志望、賢が書いた脚本のセリフをめぐって言い争いとなり、賢は莉沙と少し険悪になる。撮影は進むが、莉沙の最後のワンショットを残して、彼女が交通事故に遭い死んでしまい、映画は頓挫する。そんな時、賢は街で莉沙にそっくりな女性を見かける。追いかけて話を聞くと、莉沙の双子の妹の洋子だった。賢は洋子に白羽の矢を立て、彼女を起用して最後のワンショットを撮影し、未完の映画に終止符を打とうとする。大学の映画研究会のメンバーを招集して撮影の再開を告げる賢だったが。集まったメンバーたち、そんな賢の申し出に、何故か戸惑うのだった。「見えないもの。手で触れられないもの。あるってことを証明できないもの。それを信じて欲しいんだ」ひそかに莉沙に思いを寄せていた賢には、深く胸に突き刺さる彼女の言葉だった。2011年5月公開映画の、監督自らが執筆した原作小説。
  • 見えない目撃者
    3.8
    視力を失った、そして事件を“目撃”した。 警察学校の卒業式の夜、自らの過失で交通事故を起こしてしまった浜中なつめ。視力を失うとともに、同乗していた最愛の弟を亡くし、警察官の夢も絶たれて絶望的な日々を過ごしていた。 そんなある日、なつめは車の接触事故に遭遇するが、その後部座席からは助けを求める女性の叫び声が聞こえてきた。なつめが名前を尋ねると女性は「レイサ」と答え、車は走り去る。 誘拐事件であることを直感したなつめは警察へ赴き、自分の“目撃”した情報を提示して訴える。しかし、目の見えない人間の証言として重要視されず、捜査は打ち切られてしまう。  女性を助けようと必死に奔走するなつめは、車に接触したスケートボードに乗っていた少年、春馬を探し出す。“レイサ”の居場所を探すうちに、二人は家出少女の神様である“救様”の存在を知る。そして、四体の惨殺死体が発見されたことから、少女連続殺人事件が浮上。猟奇殺人犯は、真相に近づこうとするなつめにも迫っていく。 韓国映画『ブラインド』を吉岡里帆主演でリメイクした究極のサスペンススリラーをノベライズ。
  • 視える女
    4.0
    英国ミステリの女王が挑む霊脳スリラー!  流し込んだばかりのセメントに小さな5つの足跡を残し、息子が失踪してから4か月。母アナは毎日その足跡が消えないように磨きながら、息子の帰りを待ちわびている。日に日に思い詰め、やがて藁をもつかむ思いで霊能者にすがるようになるアナ。一方、もう一つの子どもの失踪事件を追っていた刑事マーヴェルは、万策尽きて霊能者に協力を頼むが成果は得られなかった。霊能者を疑う刑事と、霊能者にすがる母。それぞれの思いが交錯し、やがて意外な結末へと辿り着く――。  デビュー作でいきなり英国推理作家協会(CWA)ゴールド・ダガー賞を受賞し、長編6作目にして本作ですでに3度目のノミネートを果たした英国ミステリの女王が挑んだ、オカルト・スリラー!
  • ミカドの肖像
    3.6
    20年前に著者が予見した西武・堤義明氏の蹉跌! 第18回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。 昭和末日本を騒然とさせた、あの名著がいま甦る。天皇と日本人、伝統とモダン。近代天皇制に織り込まれた記号を、世界を一周する取材で丹念に読み解いた、渾身の力作。プリンスホテルはなぜ旧皇族の土地を次々と取得し、一大グループをつくり上げることが出来たのか。その謎と西武王国・堤家支配の仕組みも解明。なぜ、いま、コクド(旧・国土計画)による西武鉄道支配が問題になってきたのかが手に取るようにわかる。

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  • 未完の贈り物 「娘には目も鼻もありません」
    4.8
    衝撃の話題作、ついに文庫化! 〈誕生〉 2003年、ニューヨークの産院で生まれた長女・千璃(せり)ちゃんは、いくつもの障害を持っていた。 〈葛藤〉 目、鼻、脳、心臓の相次ぐ検査。先の見えない中、両親は周囲の人々の反応に深く傷つくこともしばしばだった。 〈試練〉 生後10ヶ月で、目の中に義眼を入れるスペースを作る器具を入れる手術を受けて以来、千璃ちゃんは小さな体で8年間に26回の手術を繰り返すことになる。見えない、歩けない、話せない娘を育てながら前向きであり続ける母の、胸を打つ闘いの記録。
  • 右の心臓
    4.0
    少女の目線で戦後を描いた幻の自伝的小説。 「戦争が終ってからずっと父さんは内地の話をしてくれた。あぐらの中にタダシをすっぽり入れて、ヒロシと私は父さんにぐてりと寄りかかって、兄さんは、父さんの前にかしこまって坐って、みんなシーンとして父さんの口を見ていた」――中国からの引き揚げ。父さんの伯父一族が住む山梨の田舎での貧しいがエネルギーに満ちあふれた生活を、あくまで少女の目から描いた自伝的小説。小さな共同体の中の子だくさんの家族、昭和20年代の日本の原風景が丸ごと裸のままで立ち上る。「心臓が右にある」最愛の兄の死の描写は、この作品のハイライトだ。「もう死んだから下着もパンツもはかせないのか。いやだなあ、とわたしは思った。パンツぐらいはかせればいいのに」 * 本作は1987年から88年にかけて「図書新聞」に連載され、88年10月に(今はない出版社)リブロポートから刊行された。絵本作家佐野洋子が初めて書いた長篇小説である。数々のエッセー集で繰り返し描かれてきた「家族」がほぼそのまま登場する自伝的な小説といっていいだろう。この幻の作品が文庫化され再び世に出る意味は大きい。 解説:岩瀬成子(児童文学者) ※没後10周年の企画として、表紙を差し替えました。 この作品は2012年6月より配信している『右の心臓』の内容と同様のものです。
  • 岬バーガー
    -
    世界一うまいハンバーガーは、青春の味。  ぼくたちは、つらい体験をした。それでも、海が好きなんだ。  高校二年生の涼は、親友のケンとサーフィンに明け暮れていた。海岸清掃をきっかけに、同級生の凛がサーフィン仲間に加わった。三人が入るのは、悲しい伝説のせいか人気のない「岬下」ポイントだ。  ある日、その岬下ポイントに不思議な男があらわれて、ハンバーガーショップを開店した。シンプルだけど、ものすごく美味しいハンバーガーは、地元ですぐに評判となり、人気の店となる。高校生三人組も、サーフィンの合間に手伝うことにした。そんな楽しい毎日がいつまでも続くと思っていた……。  海を愛するすべての人に贈る、サーファーだからこそ描き切れた青春小説の新たな波! 忘れられない夏が、今、はじまる。
  • ミシン missin’
    4.1
    発売当時、数多くの読者に衝撃的な感動をもたらし、のちの全嶽本野ばら作品の原点となったベストセラー処女小説集、待望の文庫版!  孤独な青年雑貨店主と、心に病をもつ少女――Vivienne Westwoodの洋服を愛する二人が運命的に出会い、はかない逃避行に旅立つ名作「世界の終わりという名の雑貨店」、そして、MILKの洋服を華麗に着こなすカリスマ・ヴォーカリスト、ミシンに恋する少女の「乙女」としての生きざまを強烈に描いた表題作「ミシン」を収録。

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  • ミシン2/カサコ
    3.8
    名作『ミシン』の待望の続編! 派手なパフォーマンスで人気を集める美少女ヴォーカリスト・ミシンと、ミシンに憧れてギタリストになった鈍臭い私の、友情よりも愛情よりも深い絆の物語。

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  • ミスター・ダブルボギーに神のお恵みを(小学館文庫)
    4.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 ゴルフは紳士のスポーツである-というのは、建前にすぎない。仲間が腕を上げれば心乱れ、OKパットを出す顔も引きつってくる…。そんなゴルファーたちの“本性”を、山際淳司がときに暖かく、ときに辛辣に描くゴルフ短編小説集。あなたのまわりにきっといそうなゴルファーたちが大奮闘。アベレージゴルファー必読! ゴルフ・ウィドーの奥様も思いっきり笑ってください。
  • 未成年だけどコドモじゃない
    -
    大人気コミック「みせコド」映画ノベライズ。 大人気の『今日、恋をはじめます』など大人気少女漫画を世に送り出してきた水波風南が次に生み出した物語は高校生秘密の新婚ラブストーリー。ラブラブ甘々な物語と思いきや、新婚だというのにヒロイン香琳は、夫の尚に片思い。結婚式を終えて一緒に暮らし始めたとたん、尚に「おまえのことは大嫌い」と言われ、いきなり家庭内別居を余儀なくされたのだ。ただただ親元から離れて暮らしたかった尚と、本当に尚のことが好きな香琳。そんな二人の同居生活、香琳の思いは尚に届いてラブラブになれる日は訪れるのか? 出演・中島健人、平祐奈、知念侑希による、この冬一番のラブストーリーが東宝系で全国ロードショー。映画脚本をもとにしたノベライズ。(2017年12月発表作品)
  • 美智子皇后「40年の心模様」(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 近代教育を受けた令嬢・美智子さまが「日本一の旧家」に嫁がれた。多くの困難の中で美智子さまは、その時々のお気持ちを御歌で表現されている。珠玉の御歌からは、麗しき夫婦愛、親子愛、嫁姑愛など知られざるエピソードが垣間見られる。数多くの皇室特番を手がけてきた筆者が、秘話を交えながらその御歌を解説したとき、まさに日本女性の新たな歩みが見えてくる。1999年に発刊された原本を電子化。
  • みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 奥会津三泣き 因習の殺意(小学館文庫)
    3.2
    1~2巻583~627円 (税込)
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 福島県会津地方の田子倉ダム湖畔で、大手ゼネコン鹿田建設の副社長・薗田幸四郎が他殺死体となって発見された。大和新聞会津若松支局に出向中の宮沢賢一郎は、薗田が疲弊する地方ゼネコンの実態を見かね業界の構造改革に着手、守旧派と対立していたことを知る。薗田の事件が解決せぬまま、さらに鹿田建設の経営企画部長・保科護が姿を消した。保科の先祖はかつて会津を治めた名奉行だという。宮沢は、誇り高い会津人の気質と事件が関連していることに気づき調査に乗り出す。歌謡曲と麺を愛する地方記者の活躍を描く新・旅情ミステリー。
  • 道をたずねる
    4.0
    地図の空白地帯を埋めろ! 人はみな「自分の道」をゆく英雄である。 友情、青春、仕事、人生。 俺たちは、ただ前だけを見て歩いてきた――。 地図会社キョーリンの調査員・合志俊介。彼の仕事は日本各地を歩き、家の表札を一軒ずつ書き留めること。 俊介には一平と湯太郎という幼馴染みがいた。三人は十五歳になる年、裏山のクスノキで誓いを立てた。 一つ、友のピンチは助けること。二つ、友の頼みは断らないこと。三つ、友に隠し事はしないこと。 その日から、男たちはそれぞれの“道”を歩き始めた。 地図づくりに生涯を捧げた男たちの熱き物語! ※この作品は単行本版『道をたずねる』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 看取り医 独庵
    3.0
    生きるも死ぬも、江戸市井の人々とともに! 頃は江戸中期。浅草諏訪町で開業する独庵こと壬生玄宗は京と長崎で漢方と西洋医学を修めた、仙台藩の奥医師の息子だ。とうに四十の坂を越えた総髪の大男は、一見こわもてだが、酒は不調法、女人にはついつい腰が引けてしまう質らしい。どうにも煙たい二度目の妻は、元服近い息子とともに仙台藩下屋敷に住んでいる。医術の腕は天下一品、時の老中の病を治したことで評判が江戸市中に広まり、診療所を切り盛りする女中のすず、代診の弟子・市蔵ともども休む間もない。だが、門前市をなす理由はそれだけではなかった。医者の本分はもとより病を治すこと、では、治らぬ病はどうする。独庵が悩んだ末にたどり着いた結論は、患者に希望を与えることだった。人らしい生き方、死に方を望まれれば、看取りも辞さない。そんな独庵に妙な往診依頼があった。知人の材木問屋の主・徳右衛門が、なにかに憑りつかれたように、薪割りを始めたという。独庵の手となり足となって事情を探る絵師・久米吉に調べさせたところ、思いもよらぬ仇討ち話が浮かんできて……。江戸の人々の心に暖かな灯をともす看取り医にして馬庭念流の遣い手・独庵が、一刀のもとに悪を両断する痛快書き下ろし時代小説。
  • 看取りの医者
    4.5
    大竹しのぶ主演でテレビドラマ化決定! 終末期医療の訪問医が見届けた感動実話全9話。数多くの「看取り」を続けてきた医師が問う「人にとって最もふさわしい最期の場所」とは。 真の家族愛を描いたあの感動作がついに電子化。 そしてテレビドラマ化も決定。 著者は地方の開業医。 開業医といっても、この医院を訪ねてくる患者さんはほとんどいない。 なぜならこの医師は訪問専門の医者だから。 患者には末期ガンや脳梗塞を患う人が多く、これまで何百人という患者さんを看取ってきた。 その過程で人間にとって、本当に幸せな最期とは? と、医師は常に考えるようになった。 本書ではその医師が経験してきたさまざまな「看取り」のなかから、せつなくも感動的な最期のカタチを、9編集めている。 どの話にも、私達がいま考えておかなければならないテーマがつまっていて、思わず涙するシーンが待っている。

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  • 看とる
    3.0
    自らの体験を基に、終末医療のあり方を問う 定年退職後、平凡な人生を楽しむ夫に肺癌の診断が下された。看護の現場に長く携わり、多くの病人やその死と向かい合ってきた妻は、突然の身内の発病にうろたえる。誰にもぶつけようもない後悔と悲しみ、不安、怒り……。そして、手術はしないと決断した夫とともに、夫婦二人の「生きる」闘いが始まった。医療小説の第一人者が自らの体験を基に描いた問題作。看護とは、家族とは? さらに、医療従事者や終末医療のあり方をも問う。

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  • 緑と赤
    4.7
    ふたつの国の狭間で揺れる、迷う、恋をする。 二〇一三年の夏、在日韓国人の大学生・知英はパスポートを取得した。表紙の色を見て、改めて自分の国籍を意識する。町ではヘイトスピーチのデモに遭遇し、戸惑う。「なにじん」なのか、居場所はどこにあるのか、友人と分かり合えないのはなぜか。自分に問い続ける知英は少しずつバランスを失っていく。K‐POPファンの梓、新大久保のカフェで働く韓国人留学生のジュンミン、ヘイトスピーチへの抗議活動に目覚める良美、日本に帰化したのち韓国で学ぶことを選んだ龍平、そして知英。ふたつの国で揺れる五人の男女の葛藤と再生を描く。
  • 緑の花と赤い芝生
    4.0
    だれかにはなれない、永遠に。 大学院を修士課程まで修了し、大手飲料メーカーに勤めて独身のままキャリア街道をひた走る今村志穂子。本音を隠してでも夫や姑と「理想の家族」を築いていきたい桜木杏梨。まったく異なる27年間を生きてきた二人が、とあることをきっかけに一つ屋根の下で暮らすことになる。微塵もわかり合えない二人は、うまくいかないことがあるたびに苛立ちを募らせる。自分にとって本当に居心地の良い場所は、自分が素でいられる場所は、いったいどこにあるのだろう。家、職場、友達、恋人……それとも実家? 思い悩むたびにお互いの姿を思い浮かべるようになった彼女たちは、誰のためでもなく自分のための答えに辿り着く。解説は、作家の寺地はるなさんです。
  • 美濃の影軍師
    3.5
    竹中半兵衛と木下藤吉郎を唸らせた遠慮深謀。 時は戦国時代。 不破与三郎は、美濃国主・斎藤龍興に仕える西美濃四人衆のひとり、不破光治の弟だ。ある日、身の覚えのない百姓一家皆殺しの濡れ衣を着せられ、捕縛されてしまう。不破家にとって、貧しい地侍の娘を母に持つ与三郎は家督相続に邪魔な存在なのだ。あやうく斬首されかけられるも、立会人として同座していた菩提山城主・竹中半兵衛の助けを得、真犯人探しを許される。 しかし、与えられた余裕は三日間。 与三郎は身の潔白を証明するため奔走するが、殺しを解く鍵を次々に封じ込められ、ついに八方塞がりに。脱走を図るも絶望する与三郎の前に、謎の男・木下藤吉郎が現れて……。 青雲の志を抱く若武者を描いた、文庫書き下ろし戦国小説。
  • 見果てぬ花
    3.0
    旅と食とユーモア満載の傑作紀行エッセイ! JAL機内誌『スカイワード』連載2017年~2020年分を収録。海外、国内での抱腹絶倒の出来事から身辺に起こる様々な出来事を絶妙の筆致で描く傑作エッセイ集。桜の季節の京都で遭遇した不思議な着物を着た人々を描く『見果てぬ花』、失踪していた老猫が帰るまでの顛末を描く『四日目の奇跡』 ビンテージカーになっても愛車に乗り続ける理由とは『めざせ!二十万キロ』など、全四十一編。 ※この作品は単行本版『見果てぬ花』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • み仏のかんばせ
    4.3
    傷を持つ二人が夫婦になるが…感動人情小説。   貧しい小作の娘だった志乃は、女郎になるのが嫌で江戸に出て行き、首切り浅右衛門のもとで松助という名の「男」として仕えることになった。剣術の腕も磨いていたが、ある日浅右衛門家にとって大切な死人の肝を、強盗に奪われてしまう。責任を取って浅右衛門のもとを去り、名前を戻し針売りの娘として生きはじめた志乃。そこに、志乃が憧れていた壮太があらわれた。「男」として介錯を仕事としてきた志乃はまともな幸せなど考えていなかったが、お互いの気持ちを確かめて、夫婦になった二人。  しかし、壮太にも隠された過去があった――。志乃が奪われた死人の肝を盗んだのが、壮太達だったのだ。そして、仲間の男だった沖次が凶暴になって、江戸の町を震撼させていたのだ。壮太は、沖次と決着を付けようと出かけていく。それを追って、刀を持った志乃が追いかけていく。果たして決着は!?(第一部 「月明かりの面影」)  第二部では、夫婦のその後と沖次の子供が絡んでいく。(「裏庭の陽だまり」)  ささやかな幸せを願う市井の女性が懸命に生きる姿を描いた人情小説。
  • 宮本武蔵 最強伝説の真実
    3.5
    宮本武蔵ほど謎に包まれた剣豪はいない。出生地を主張する名所も二つ。あの佐々木小次郎ですらその正体が分からない。それだからこそ、吉川英治からマンガ家・井上雄彦まで、多くの作家を刺激してきた。『逆説の日本史』で知られる井沢元彦は、様々な伝説、捏造資料を精査し、真の武蔵像に迫った。井沢史観による画期的「最強剣豪伝」の誕生だ。

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  • 未来は、ぼくたちの未来。
    -
    今年いちばん心があったまる育児小説! 独居老人の孤独死でますます若い人が居着かなくなり、住まうのは「ワケアリ」の住人ばかりになったオンボロアパート「オアシス荘」。夫や子どもに先立たれた孤独な「おばあ」と「おかみさん」、経営していたレストランチェーンが倒産し借金取りに追われるようになった「シャチョー」、ささいな事故がきっかけでホームレスに転落した元サラリーマンの「空き缶拾い」、そして妻に逃げられても夢を捨てられず生活保護受給者となった自称作家の「ブンガク」。人生失敗だらけの大人たちが鬱屈を抱える日々を送るなか、アパートの一室に生後間もない女の赤ちゃんが置き去りにされた。突然の出来事に右往左往しながらも、彼らは力を合わせて親探しと育児をはじめる。見捨てられた小さな命を生かそうとそれぞれが知恵と力を出し合うなかで、彼らの人生が少しずつ変わりはじめる……。
  • ミライヲウム
    -
    新二度読みミステリー、待望の文庫化! 凜太郎は、中学と高校時代に、つきあっていた女性に触れた瞬間、未来を見てしまった。しかもバッドエンディングばかり。そんな体質だから、恋愛とは無縁の大学生活を貫いていた。大学二年の大晦日の夜、花火を見に出かけた同級生にキスされた瞬間、凜太郎はとんでもない未来を見てしまう。その結末を変えるべく、凜太郎は奔走するのだが……。 「やられました」「とにかく読んで」「面白さ、保証します」などなど、単行本刊行時に話題となった一気読み必至、新・二度読みミステリーが待望の文庫化です! 驚きのあとにやってくる感動を、是非とも体験してください!! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『ミライヲウム』 の文庫版となります。
  • 民警
    5.0
    警察も自衛隊もしのぐ50万人警備員の真実。 1962年、日本初の民間警備会社・日本警備保障(現セコム)を企業した二人の若者は、1964年の東京五輪で選手村の警備を受注した。彼らに警備を発注した警察官僚が、のちに綜合警備保障(アルソック)を設立する。出自を異にする二つの警備保障会社はテロ、外国人流入、コンビニATMの爆発的増加などを背景に巨大化する。しかし、ますます複雑化する国際関係やテロの脅威、加えて新型コロナウイルスの猖獗の渦中にあって、2021年東京五輪を守れるのか。他の誰によっても成しえなかった、昭和、平成、令和を貫通する「鮮烈な視点」を提示してみせた画期的作品。(2020年6月発行作品)
  • 民暴の帝王
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    関東最大の暴力団・稲森会理事長、石毛晋は不動産業も経営する経済ヤクザで、民事介入暴力(民暴)に辣腕を振るい、銀行合併、ゴルフ場開発にも手を染める闇のフィクサーだ。一方、関西の巨大暴力団・山内組は関東進出を密かに目論み、石毛の周辺に手を伸ばしていた。石毛はこれを察知し、知能と暴力で先制攻撃をかけていく…。日本の裏社会を知り尽くした硬派ジャーナリスト、溝口敦だけが描ける迫真の暗黒小説が電子版初登場!

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