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金四郎が掴んだ花魁の死の真相と切ない思い。
吉原日本堤の外に広がる田んぼで、稲本屋の花魁・雛菊が刀で斬られて亡くなっていた。見つけたのは、昨夜雛菊と話を交わしていた、18才の遠山金四郎だった。金四郎は、実は旗本家の跡継ぎだったが、複雑な家族関係から遠山家を継ぐことは当分無く、家を出て歌舞伎の森田座で笛方をしていた。
金四郎は、旧知の狂歌師・太田南畝、浮世絵師の歌川国貞とともに、彼女がだれに殺されたのかを探り始める。調べを進めていくと、雛菊があるときから店に来る男たちに心中を持ちかけていたことを知る。
彼女は、なぜ心中を望むようになったのか。
金四郎は、いつしか雛菊の暗い心のうちに踏み込んでいく。そして、彼女に関わっていた男たちも、いろいろなものを抱えて生きていることに気づき、簡単には変えられない世の中の非情さと己の無力さを知るのだった。
雛菊の死を巡る謎は意外な真実が待ち受けており、全編サスペンスに溢れた優れたミステリーにもなっている。
第11回小学館文庫小説賞の受賞作。文庫化にあたり、「恋の手本となりにけり」から題名を変更し、著者が大幅に加筆したものを電子化しました。
Posted by ブクログ 2023年01月28日
若き金四郎の放蕩の日々。しかし、町方を悠々自適に暮らすものではなく、自分の境遇を悩み、しかし何もできずにいる葛藤から陰りがついて回る。冒頭で死体の第一発見者になったことから、なりゆきで下手人を探ることになるのだが。この事件を通して成長する金四郎の話、なので、めっちゃかっこいい金四郎様を期待して読んで...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月01日
19歳の遠山金四郎は、旗本遠山家の生まれながら、複雑な家庭の絡みで、家を飛び出し、歌舞伎の森田座の笛方の見習いをしながら、長屋住まいをしている。
狂歌師であり、戯作者であり、役人でもあると言う大田南畝に振り回される毎日を送っていた。
ある日、雛菊という花魁の死体を見つけた金四郎は、その死体にまつわ...続きを読む
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