ボニン浄土

ボニン浄土

902円 (税込)

4pt

4.1

島だけが、すべてを見ていた。

1840年、気仙沼から出航した五百石船・観音丸は荒天の果てに、ある島に漂着する。そこには、青い目をした先住者たちがいた。彼らは、その地を「ボニン・アイランド」と告げた。
時を隔てた現在。すべてを失った中年男は、幼少期、祖父が大切にしていた木製の置物をふとしたことで手に入れた。それを契機に記憶が蘇る。
彼は、小笠原行きのフェリーに足を向けた。その船には、チェロケースを抱えた曰くありげな少年も同乗していた。
物語は、ゆっくりと自転を始める。

※この作品は単行本版『ボニン浄土』として配信されていた作品の文庫本版です。

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ボニン浄土 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    宇佐美さんは裏切らない、と改めて思いました。
    単なるミステリー作品ではなく,歴史書でもあると感じました。小笠原諸島について、全く知らなかったので、歴史の勉強にもなりました。
    過去と現在が交互に書かれていて,それぞれゆっくりとした進行だし,事件も起きないのですが,筆力がすごいのか,引き込まれてあっとい

    0
    2023年07月23日

    Posted by ブクログ

    面白かったー、これぞTHE宇佐美作品!
    小笠原諸島を舞台に語られる全く異なる3つのお話や様々なエピソードが最後に繋がる時のゾクゾク感。でもその繋がりに気付けるのは読者の特権です。
    小笠原諸島の歴史も学べて一石二鳥。
    なんとなく謎を残したりせずきちんと最後まで書いてくれるのも宇佐美作品のいいとこですよ

    0
    2023年07月18日

    Posted by ブクログ

    小笠原の歴史がわかり面白かった。ニュージーランドに行った時に、マオリの祖先がハワイ近辺から渡ってきたと聞いて驚いたが、小笠原にも来ていたなんて!ちょっとミステリー要素があるのも楽しめた。

    0
    2025年08月12日

    Posted by ブクログ

    みんみんさん、ひま師匠にご紹介頂き購入しました(*´꒳`*)

    ボニン浄土、、、タイトルから外国のお話かしら?何かの宗教かしら?なんて想像しながら読み始めたのですが、時代は過去に遡り、1840年。江戸時代ですかね。

    気仙沼から出港した五百石船が難破し、漂流するところから物語が始まります。

    吉村昭

    0
    2025年06月24日

    Posted by ブクログ

    1840年、五百石の弁才船が難破し、なんとかボニン島(小笠原諸島)に流れついた。そこで水主達が出会ったのは、アメリカ捕鯨船団の補給基地となった島で暮らす西洋人や彼らと共に移ってきた南海諸島の人達だった。そんな小笠原諸島の歴史を背景にしたミステリーです。
    厳格な音楽家一家に生まれ、チェロの才能を持った

    0
    2025年10月13日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    宇佐美まこと氏といえば、土着的なホラーのイメージが個人的に強かったが、それを見事に覆す、まるで壮大な時代小説が始まるかのような導入。
    そして、さらにその予想を裏切り、ページ僅かしか進まぬうちに舞台は時空を飛んで現代へ。
    実に巧い。
    卓越した手腕は全編を通して発揮され、途中までは"余白、遊び

    0
    2024年09月10日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み始めと終わりの気持ちの温度差に驚いた。
    鎖国真っ只中の江戸時代、日本の端の島「ボニン・アイランド」での遭難者の男と異国の女の出会いから始まる、めくるめく人の運命の変遷と血脈の妙にここまで胸が高鳴るとは!
    全く関係ないように見える複数のパートと過去が集約され、気持ちいいほどパタパタとピースが嵌まっ

    0
    2024年07月26日

ボニン浄土 の詳細情報

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