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64年の時を越えてアメリカから届けられた1枚の楽譜「真夏のオリオン」。過酷な時代の秘められたドラマがいま甦る。第二次世界大戦末期。米軍の本土上陸を防ぐため出撃した潜水艦イ‐77号の若き艦長・倉本孝行。それを追いつめる駆逐艦パーシバルのスチュワート艦長。甚大な損傷を受けたイ‐77号に残された酸素はあと1時間。「俺たちは死ぬために戦ってるんじゃない。生きるために戦ってるんだ」。倉本と乗組員の知力の限りを尽くした作戦が開始された。『終戦のローレライ』『亡国のイージス』の福井晴敏が4年ぶりにおくるエンターテインメント映画を完全ノベライズ。
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Posted by ブクログ
戦争中に使われていた戦闘のための船や飛行機、武器に詳しいわけではない。
けれど、まったく知識のない者にとってもとても読みやすい物語になっていた。
潜水艦という特殊な船艇における戦術、息が詰まるような臨場感。
そして、救助中の敵は攻撃しないという人間性。
すでに生きて戻ることは叶わない有沢との最後の交信は胸に迫る。
必ず気付いてくれると信じ、最後の力を振り絞って敵の情報を残そうとした有沢。
限界の中でもけっして諦めることなく、友の最後の言葉を信じ作戦を練る倉本。
戦争が悪いことだというのはみんな知っている。
武力に頼った解決など、何の意味もないこともわかっている。
たとえそこに信じるべき正義があったとしても。
立ち位置によって正義は変わる。
自分にとっての正義は、相手にとっては理不尽な不条理かもしれないのだ。
でも、実際に戦いに臨み、命のやり取りをするのは紛れもなく生きた人間たち。
ひとりひとりに家族がいる。愛する人もいる。守りたい人もいる。
戦いの中に人間性など求めてどうすると言われるかもしれない。
それでも、どんな極限状態にあろうとも、けっして揺るがない人間性。
それこそが尊いと感じる。
「もう敵を殺す理由はない・・・自分で自分を殺す理由もだ」
倉本の言葉は、戦争でなければ殺し合いなどしなくてすんだ、どこにでもいる普通の人たちが戦場に駆り出された現実を教えてくれる。
ずっと、未来永劫、戦争などなければいい。
世界のどの場所でも、戦争が悲惨なことに変わらないと思うから。
設定や当時の海軍の状況、潜水艦の描写など、詳しい人にとっては「あり得ない!」と言いたくなるような箇所もあるだろう。
撃沈できる機会をわざわざ潰すような指揮官などいない、と言う人もいるだろう。
それはそうかもしれない。リアル感がないと言われればそうなのだろう。
でも、この物語から伝わってくるのは、みんな真剣に生きていた時代だったということ。
必死に戦って、必死に生きようとしていたということ。
彼らの戦いの延長にいまの平和があるのだということ。
忘れてはいけないことだと思う。
Posted by ブクログ
日本史好きの私は第2次世界大戦を題材とする本もいくつか読みまシタが
これはそのどれともチョビっと毛色が違う気がしマス。
殊更に涙を誘おうとか、悲愴感をクローズアップしようとかの
ありがち 且つ 違和感を感じさせることの少ないお話でシタ。
アメリカ側の視点も描かれてたせいかシラ?
この本は映画化に際して書かれたものらしいデス。
骨格となった原作(雷撃深度一九・五 /池上 司)との違いは
楽譜のエピソードらしいデス。
ん~と ね。
これがないと、少なくとも私においては説得力に欠ける気がするデス。
↑不遜かシラね?
でも 音楽は人間にとって特別なものであってほしいので。
Posted by ブクログ
電車の中吊り広告で映画の告知を見て、
すっごい見に行きたかったけど結局行けず、
原作を買ってきてしまいました。
深海という極限状況下な上、
あまりにも過酷で絶望的な戦況に置かれて尚、
どこまでも誇り高く、勇敢な搭乗員たち。
ただひたすら自分の使命を全うしようとする姿が、
眩しくもあり、それ故に痛々しいです。
人は死ぬためじゃなく生きるために戦っている、
人間は兵器じゃない。
主人公のこの台詞。
今ならごくごく当たり前、
ともすれば、当然過ぎて聞き流してしまうかもしれない言葉。
当時、これを口に出来た人がどれだけいるのだろうと思います。
私を含めこれを読んだ人が、
こういうこともあったんだね~と、
ただの記録閲覧として終わってほしくないと、
切に願います。
☆☆☆☆★ ホシ4.5つ
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