歴史・時代作品一覧

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  • 大正野球娘。1
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    男子に野球で挑む、名門女子校のモガ9人! 時は、大正十四年七月――。 東邦星華高等女学院に通う鈴川小梅は、洋食屋《すず川》の一人娘で、十四歳。 ある日突然、級友の小笠原晶子に、「一緒に野球をしていただきたいの!」と誘われた!? 親が貿易を営む御令嬢の威厳に圧され、思わず頷いてしまう小梅……。 野球がどんなものかをまったく知らないのに! どうやら、小笠原家のパーティーに出席していた、朝香中学の岩崎荘介に関係している模様。 しかも、晶子と荘介は、なにやら因縁があるらしく――。 なんとか、英語のアンナ先生から野球を教えてもらえることにはなったが、思わぬ壁が立ちはだかって。 大正モガが、野球にグルメにと、ハイカラな時代を奔り回る、シリーズ第一弾!
  • 早烏 裏十手からくり草紙
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    妖怪・鳥居耀蔵に見込まれ、太十は支配なしの十手片手に天保の闇を走る! ――市川真間(まま)の座頭であった父親らを不審火で殺され、天涯孤独の身となった太十は、賭場の喧嘩がきっかけで、江戸の口入屋・おもんの家に転がりこんだ。老中・水野忠邦の下で、天保の世情を騒がす鳥居耀蔵に見込まれた太十は、支配なしの十手片手に、夜まだ明けやらぬ街に目を光らせる「早烏(さがらす)」となる……。〈文庫書下ろし〉
  • 女性兵士
    3.7
    話題作『戦場のハローワーク』の著者が贈る、「戦いに魅せられた女」たちとの濃密で壮絶な日々の記録――16歳のニカラグア女性高射砲部隊リーダー、元ミス・クロアチア、セルビアの狙撃兵姉妹……彼女たちはなぜ兵士になったのか? 軍事好きが高じて戦場ジャーナリストとなり、紛争地域を渡り歩いてきた著者が、戦いに魅せられた女たちとの日々をつづる。濃密な戦場描写と冷静な観察眼が光るルポ。 <本書に登場する女性兵士たち> ●元ミス・クロアチアで愛国心にあふれるドブラフカ(クロアチア) ●女性高射砲部隊のリーダーで16歳のエスメラルダ軍曹(ニカラグア) ●ロシア包囲下で決死の戦いに身を投じた3人の美女(チェチェン) ●抜群のチームワークを誇る狙撃兵姉妹(セルビア) ほか
  • 馬琴の嫁
    3.5
    舅は人気戯作者、曲亭馬琴。家風の違いすぎる婚家、癇性な夫。苦労の絶えない結婚生活を明るく強く乗り切っていく女性の一代記――人気戯作者・瀧澤馬琴の一人息子に嫁入りした、てつ。結婚早々、みちと改名させられ、病弱な夫と癇性持ちの姑、そして何事にも厳格な舅・馬琴に苦労させられながらも、持ち前の明るさと芯の強さで、次第に瀧澤家になくてはならない存在になっていく。のちに「八犬伝」の代筆を務めるまでになる、馬琴の嫁の奮闘記。
  • 御聞番 会津藩・最後の隠密
    3.0
    敵陣に入りこみ、死をもって味方に利をもたらす間者を、死間という。その死間となり、幕末の京都で活躍する、会津藩御聞番・大庭恭平。しかし時代の大きな流れは、会津藩も恭平も呑みこんで翻弄する。風雲急を告げる京都で、隠密の恭平が見たものは。維新をはさみ動乱の渦中を生きた一人の男の、波乱の生涯を描く歴史小説!
  • 新今川記・外伝 花倉悲歌
    -
    時は戦国乱世。名門今川家の若き太守氏輝亡き後の家督争いに引きずり出されるふたりの弟――玄広恵探と栴岳承芳(後の今川義元)。彼等を推し立てる福島越前・九英承菊ら野心家たち、さらには女傑と呼ばれた承芳の母寿桂尼など、さまざまな人物の思惑に翻弄され、悲劇的な戦いに身を投じていく兄弟の運命の物語。
  • 闇の葬列 広沢参議暗殺犯人捜査始末
    -
    元神奈川奉行所の同心・朝倉新次郎は、維新政府を震撼させた広沢真臣参議暗殺事件の密偵を命じられ、犯人を追って久留米に乗り込んだが、あと一歩で取り逃してしまう。新次郎は、その後6年間犯人を追い続け、西南戦争中に真犯人を捕縛するが、その背後に強大な力の存在を知る。歴史の闇に隠された、明治維新混乱期の実相を抉り出す。
  • メリケンざむらい
    -
    米田桂次郎は、万延元年(1860年)に16歳で、日米修好通商条約批准交換のための幕府遣米使節団に、通訳見習いとして随行した。アメリカ人にトミーと呼ばれる人気者で、当時の通詞の中では抜群に英語がうまくなった。帰国後はハリスに仕え、戊辰戦争で敗走。激動の時代を大正初期まで生きぬいた、米田桂次郎の波瀾の生涯。
  • 倭王の末裔 ―小説・騎馬民族征服説―
    3.5
    日本国家は、いかにして誕生したか? 古代史の謎に、SF作家・豊田有恒が、該博な知識とSFの手法を駆使して挑戦した、雄大な歴史ロマン。その迫真性と実在感は、ノンフィクションとも見まがう力で読者を衝つ。――第一章・女王卑弥呼/第二章・神功皇后/第三章・太の安麻呂。
  • モンゴルの残光
    5.0
    あの強大をほこったモンゴル帝国。もし、日本や西欧への進出が成功裡に終わっていたなら……。物語は、元が世界を支配する、ジンギスカン紀元811年に始まる。虐げられた白人の怒りは、激しい抵抗運動となり、主人公・シグルトは、白人支配の世界を創るべく、タイムマシンで時を駆ける。彼の眼前を滔々と流れる巨大な歴史の姿を、若々しい筆致で描く、著者の処女長篇。
  • 銭形平次捕物控 傑作集 : 1 陰謀・仇討篇
    -
    野村胡堂の不朽の名作『銭形平次捕物控』。数多ある作品群の中から、テーマ毎に六篇を選定し収録した傑作選第一弾。神田明神下に住む凄腕の岡っ引・銭形平次は、投げ銭と卓越した推理力で、江戸で起こる様々な難事件に挑んでいく!
  • 平成のさぶらい
    -
    若様侍・奥山右京之介、登場! 青羽二重(はぶたえ)の袖を翻し、江戸の町で始めたよろず用心棒、悪党払いの裏稼業。弱い奴には滅法強く、強い敵にはなりふり構わず策略を練る。平成の世の記憶を瞳に浮かべ、奇策を弄して悪を絶つ、痛快無比の時代活劇。永年の想いをこめて、著者が初めて描く、時代小説のニューヒーロー。
  • 鈴姫異変
    3.0
    澄みきった秋空のお鷹野、将軍・家光にピタリと照準があてられた……。父の無念をはらさんとする、美しい鈴姫の危機一髪をみたび救う、眉目秀麗、着流しの浪人者。はたして、鈴姫の冒険の結末はいかに? という表題作のほかに、「初冬物語」「抜打ち侍」「金四郎日和」「鼠小僧次郎吉」を収録。とりわけ心躍る、傑作痛快時代小説集。
  • 流離の譜
    -
    皮肉な運命に翻弄された最後の老中を描破! 本当は勤王の志を抱きながら、幕府の要職につかされたために朝敵となり、会津、函館に逃げ、数奇な生涯を送った、最後の老中・小笠原長行――徳川幕府の弱体化がすすんだ幕末、唐津藩主の座に、心ならずも就いた小笠原長行は、すでに36歳だった。藩中の反対勢力を制し、江戸城に伺候した長行は、時代改革の必要を次々と具申、若年寄をへて老中職を仰せつかる。しかし時勢は、あまりにも急旋回しようとしていた。長行の数奇な運命とは? 最後の老中の生涯を精緻に描いた出色長編小説。
  • 蒙古襲来 海から見た歴史
    -
    13世紀の日本に迫る世界帝国の嵐――元の大軍勢はなぜ敗れ去ったのか?  海洋歴史小説の第一人者にして、戦いの舞台・福岡在住の著者が、クビライの海洋帝国構想、玄界灘の北西季節風の影響、軍船の構造と建造日程など、海からの視点と大胆な推論で、「蒙古襲来」の真相を解明する。13世紀の「日本」と「世界」の激突を、臨場感豊かに描く、歴史読物。
  • 毒婦四千年
    4.0
    末喜(ばっき)、妲己(だっき)、褒ジ(ほうじ)、驪姫(りき)……。絶世の艶容、その性(さが)、残忍にして陰険。ケタはずれの中国後宮の毒婦、とりわけ武后――疑心暗鬼のままに幾千人を殺し、なお清々しい眸子と水々しさを保つ武后を、その眉をつくり化粧を施し続けた男の目を通して描く「皇后狂笑」。ほかに、西太后などを描いた7編を収録。ケタ外れのおもしろさ! 柴錬得意の中国物の世界。
  • 戦国を斬る
    4.5
    多々良一学は、慶長・元和の戦国豪傑の気風を残す、武辺者だった。しかし、戦国の気風が色あせた寛永の今、この男は、周囲に、はなはだ迷惑な男であった。強姦同然で妻とされたおくにの苦労も、人一倍。そんな一学が、今度は主君のあとを追って、切腹! 「武士道友情」の悲哀と奇妙さを描き出す、絶品の表題作ほか、7編の秀作を収録。
  • 小説 海舟独言
    3.0
    迫る官軍、備える幕府。明日にも江戸突入かという騒然たる中、相対する勝海舟と西郷隆盛。江戸焦土作戦との取引説もある、江戸城無血明け渡し。これは海舟の最大の功績とも言われる。反面、幕府を売った――とも。海舟はなぜ江戸城を無血で明け渡したのか? この真相を解現代日本のポスト・リストラの道筋を明らかにする長編小説。
  • 首斬り浅右衛門 あるいは憑かれた人々の物語
    3.0
    身悶えし命乞いをする女を、美しいと思った。初めて己れの生業を、嫌悪した。泰平の世に人を斬る業を、極め続けなければならない、山田浅右衛門。その家系も、6代目に至り、烈しい気象が息んだ。ただ一首、斬り損じた女の怨霊に翻弄される、浅右衛門の最後を描く、という表題作。ほかに「殺生関白」「座頭国市」など、エロティシズム溢れる、異形の8編。
  • 柴錬 大岡政談
    -
    八代将軍・吉宗の治世、陰陽易占が隆盛をきわめ、妖怪変化が跳梁するという江戸市中、さらに胆を潰す面妖な事件が、次々と起こる。天狗か怪盗・闇法師の仕業か? 大岡忠相の懐刀、八の字眉に眇眼、おまけに獅子鼻の与力・石子伴作と、白面の素浪人・蝋燭ざむらいの推理合戦!! 奇想天外、一味も二味も違う大岡政談。
  • 赤い珊瑚玉~日暮左近事件帖~
    4.0
    公事宿「巴屋」に、常陸の百姓が年季証文を持ち込んだ。百姓の女房が料理屋「松葉屋」での奉公を終えているはずが、まだ明けていないといわれたのだという。「巴屋」出入物吟味人の日暮左近が「松葉屋」の周りを調べ始めると、次々に不審な点が見つかり、背後にある藩の影が浮かんできた――。左近の無明斬刃剣が、弱き者を狙う悪を斬る! 迫力と充実のシリーズ第七弾。
  • おんな舟 十時半睡事件帖
    3.5
    黒田藩江戸総目付役となり、早や2年。半睡の見事な裁きで幾多の難事珍事は解決し、藩邸内に再び平安な日々が訪れた。「そろそろ邸内を離れ、江戸の市中で暮らしてみるか」――そう思い立った半睡は、周囲の反対をよそに、深川の町家で借家住まいを始めた。江戸庶民と半睡の心温まる交流を描いた、珠玉の連作時代小説。江戸隠居の半睡が出会う7つの事件!
  • 出世長屋 十時半睡事件帖
    3.0
    息子の不始末から福岡・黒田藩の総目付を辞職し、隠居生活を楽しんでいた半睡。だが、同藩江戸藩邸の風紀の乱れが甚しくなると、その取り締まりのため、白羽の矢が立った。江戸に移り住んだ半睡が、次々と起こる難問を見事に裁く。所変われど、そのキレ具合は衰え知らず。おなじみの十時半睡シリーズ第5弾。NHKでドラマ化もされた名シリーズ!
  • 犬を飼う武士 十時半睡事件帖
    4.0
    松林に捨てられた子犬が縁で、めぐり合った若い侍と武家の娘。犬好きの二人は、やがてほのかな愛を互いに抱くのだが、現実には二人とも意に添わない縁談に縛られ、苦悩していた。やがて二人は、武家社会の掟破りに挑む。福岡・黒田藩の総目付・十時半睡が、泰平の世に起きる武家社会の難問を裁く、シリーズの第4集。NHKでドラマ化もされた名シリーズ!
  • 明治一代男
    -
    これからは、力より金や! 金がもの云う世の中や。……幕末から明治、間引きされそこなった貧農の子・捨吉は、ふしぎな愛嬌と図太い度胸で、権威にこびず旧弊を捨てて、ひたすらに金と女に執着、ついに天下一百貨店を開業して……。自分の力で儲け掴みとる人生、底辺からのし上ってゆく男の、痛快サクセスストーリー。おのれの才覚と度胸でのしあがった男の痛快一代記!
  • 異説幕末伝 柴錬立川文庫・日本男子物語
    -
    徳川300年で最大のロマンチストの、間宮林蔵。天狗に脳天を一撃され、天狗党を起こした藤田小四郎。上野彰義隊の渋沢成一郎。人斬り半次郎と怖れられた桐野利秋……。動乱の幕末、己の意志を貫いた反骨たちの、爽快な「覚悟の人生」を、奇想天外な着想で描く。時を忘れるほどの面白さ、柴錬巷談。<「日本男子物語」改題作品>
  • 源氏九郎颯爽記
    -
    純白の羽二重の着流しで、紋は真紅の水おもだか、帯も純白なら、刀も脇差も白柄白鞘の、孤影の剣士・源氏九郎は、源義経の後裔……。義経が鞍馬山の化生者から授けられたという火焔水煙の雌雄剣に秘められた家康の財宝をめぐって、火焔は水をよび、水煙は火をもとめ、源氏九郎の秘剣揚羽蝶が華麗に舞う、長篇時代小説。
  • 観音妖女 十時半睡事件帖
    3.0
    泰平の世では、武士の生活もたるみ勝ち。そこで、隠居した老人たちが結集して、息子や嫁に活を入れる相談をすることにした。だが、その寄合いの中味は、老人の愚痴と嘆声ばかり。ところが、ひとりだけ型破りな老人が現われて……。黒田藩の総目付、十時半睡が珍事難事を巧みに裁く、連作シリーズ第2集。NHKでドラマ化もされた名作。武士の悩みは、サラリーマンの悩みと変わらない!
  • おれは侍だ
    -
    影武者の役はすんだ。だがおれは侍……。と、関ヶ原の戦場を後にする、着流し姿の修理之介。気品ある眉宇に、ある決意をひめて……。あと二人、金の亡者・新蔵と好色漢の兵馬。宇喜多秀家の軍用金を狙い、朝鮮使節襲撃の陰謀に加担し、時に女をめぐり、騒乱の世に、三人三様、それぞれの青春を生きる、アウトローたちの愛と冒険。金に執着する者、女に入れ揚げる者……騒乱の世を生きる浪人たちの生きざまを描く時代ロマン!
  • 江戸は廻灯籠
    3.7
    伜のためにと、50両を盗んだ、腕利きの屋根職人。それを知った親方がとった、思いがけぬ行動は? さすらいの銀細工師に寄せた茶屋女の恋心、足を洗いそこねた密偵(いぬ)の哀しみ、など、懸命に生きる庶民の意地と想いが交錯し、物語が物語を紡ぎ出す。7つの短篇のどこから読み始めても、やがてひとつの輪をなす、円熟の連作。親子の情、秘剣の冴え、忍ぶ恋! 八百八町に生きる庶民の哀歓が、時空をこえて鮮やかによみがえる。
  • からたちの記 女剣士道場日誌
    5.0
    雪深い東北の小藩・志津野藩の剣術指南役に嫁いだ女・里絵。江戸育ちの目に映る美しい山河の陰にも、御家騒動の芽はあった。世継ぎ争い、公儀の介入……。家中2派に分かれた抗争の渦中に巻きこまれた夫と舅に仕えつつ、彼女は技を磨く。あたたかい心と確かな眼を得た女剣客の成長を描く清冽なロマン。<「女剣」改題作品>
  • 今朝太郎渡世旅
    -
    奥州の片田舎の上杉藩関村で、水呑百姓として一生を終わるはずだった今朝市は、江戸の商人・信吉のために渡世人・今朝太郎となって、裏街道を歩くことになる。同行するは、デブで醜女だが気立てのよい初体験の相手である飯盛女・おさん、体力も意気地もないイカサマ博奕師の壺振り仙八。奥州街道を江戸へ向って世をはばかる逃避行をする3人の、おもしろおかしい裏街道の道行を描く。奇妙な偶然に翻弄される、快心の異色股旅ユーモア小説。
  • 獄門首(ごくもんくび)
    4.0
    1~2巻660~770円 (税込)
    流れ稼ぎの夫婦盗賊の子に生まれた余助は、強盗団の大金を横取りしようとした父母が潜伏先で殺されたため、4歳で孤児になった。爾来、寺に引き取られ雛僧になったのを皮切りに、次々に生きる場所と名前を変えていく。未知なる世界で様々な知識を授けられた彼は、やがて、江戸入りした後、豪商や公儀を相手に「大仕事」に取りかかった! 痛快無比の大盗賊伝!
  • しあわせ重ね 人情料理わん屋
    3.3
    真造とおみねが切り盛りする料理屋「わん屋」。そこで供される筋のいい料理は、すべて円い器に盛られ、世の中が円くおさまるようにと願いが込められている。新春を迎え、身重のおみねのために真造の妹の真沙がお運びの助っ人としてやって来る。そこへおみねの弟である文佐も料理の修行に来たことで、良縁が生まれ、さらに幸せが重なっていくことに。
  • 出入物吟味人~日暮左近事件帖~
    3.5
    出入物吟味人として日暮左近が働く公事宿巴屋に鍛金師の文吉が銀の香炉の代金を払ってもらえないと公事訴訟の依頼に来た。しかし、文吉は何者かに殺害されてしまう。それでも文吉の依頼を完遂せんと動く左近の前に、謎の忍びが現れ、背後には醜い権力者同士の争いが――。左近の無明刀が欲に塗れた悪を斬る! 藤井邦夫の代表シリーズ、五カ月連続刊行第二弾。(『無明暗殺剣 日暮左近事件帖』改題)
  • 正雪の埋蔵金~日暮左近事件帖~
    3.5
    深手を負って公事宿巴屋の主に助けられた一人の男。過去の記憶を失ったその男は日暮左近と名付けられ、助けられた巴屋で出入物吟味人となった。その巴屋に、店を騙し取られたと公事の訴えが持ち込まれた。裏には、幕府転覆を企てた謀叛人・由井正雪が隠した数万両の軍資金の噂が。はたして埋蔵金の在り処は――。藤井邦夫の代表シリーズ、五カ月連続刊行第一弾。(『陽炎斬刃剣 日暮左近事件帖』改題)
  • 悪道 最後の密命
    -
    伊賀忍者の末裔・流英次郎とその一統は、影将軍に隠密の護衛役として仕え、幕府の危機を幾度も救ってきた。その影将軍が正統の血筋に返すため、後代家宣に将軍職を譲ることを決意する。だが、幕閣、大奥、御三家と思惑と野心が交錯し、すさまじい抗争が勃発する。闇の世界で刺客と刃を交える英次郎一統は、影将軍の治世を護るため、最後の戦いに向かう。そして英次郎を慕うものの、生き方を異にする天才女医おそでとの結末は!?
  • 灰左様なら
    -
    怪談咄を手に入れるためには、人間の奥深さや恐さを知らねばならない。怪談咄の祖・林屋正蔵のそんな気持ちが、「東海道中膝栗毛」の作者・十返舎一九への好奇心をより強いものにさせていった。一九には、想像もできない奥行きと恐さがある、その正体を暴く必要がある……林屋正蔵の執念を描く、時代小説の傑作。
  • おたみ海舟 恋仲
    -
    勝海舟を妻たみの視点で描くシリーズ第1作。  辰巳芸者のおたみは、贔屓にしてくれている函館の豪商渋田利右衛門の席で幼馴染みの勝麟太郎と再会する。麟太郎は、野犬に襲われたおたみを命懸けで助けたことがあった。蘭学を修業中の麟太郎は、おたみに惚れて一緒になろうと言ってくる。無理な話と諦めていたおたみの所に、ある日麟太郎の父小吉がやってきた。小吉には気に入られ姑のお信にはいい顔をされなかったが、二人は祝言を挙げ、溜池のあばら屋に所帯を持った。新婚生活はしばらくすると薪を買う金もなくなり、天井板をはがして使うようになった。  麟太郎は、蘭和辞典「ヅーフ・ハルマ」を1年借り受け、2部写本を作る作業を始めた。1冊を自分の学問用に、1冊は高額で売ることで家計が潤うのだが、毎月500枚を移すという難作業を、おたみも協力することで成し遂げることができた。  一家は3人の子どもに恵まれ、小吉の死後は母親お信と麟太郎の妹お順が同居してきた。  麟太郎は大砲作りを指導したあと、幕府に取り立てられ、海軍伝習所に勤め、さらには咸臨丸に乗船してアメリカに行くことに。麟太郎は、夢に向かって突き進んでいた。
  • 女王卑弥呼
    3.0
    血みどろの戦乱をくぐりぬけ、卑弥呼は邪馬台国の王となる。視覚にハンディを持ちながら気品と美しさを備えた女王に対して、周辺の国は並々ならぬ関心を寄せる。危い女王を全力で補佐する老将・伊支馬の奮闘と異相の愛。そして卑弥呼の決断のときが来た! 謎の王国と女王のありようを新しい視点で描き上げた、問題の秀作。九州・吉野ヶ里の海と山野に展開する古代人の争闘とロマンを大胆に描く!
  • 月影兵庫 放浪帖
    -
    東北から北陸、そして関東へ、兵庫と安の旅は続く。各地で起こる難事件を推理と剣の冴えで切りぬけ、兵庫は江戸へ! そこに待っていたのは例のごとくの“女人禍”であった。剣難と女難! 月影兵庫シリーズ最終巻。
  • 月影兵庫 一殺多生剣
    -
    愛妻桔梗の死……孤独に耐えて数年。旅をつづける兵庫は、古河の城下で、元スリの“合点の安”と出会い、旅の伴とする。一殺多生の剣光が、東北の地で繚乱! 兵庫の強靱な肉体が、女と剣の修羅場をくぐり抜けた!
  • 鬼火~岡っ引き源捕物控(四)~
    4.0
    京極堂の商う白粉(おしろい)で目蓋(まぶた)が腫れたと、常磐津(ときわず)の師匠・お仙が店にねじ込んだ。店主の要請で原因を調べる源次と手下の助三(すけぞう)。その最中、金貸し隠居殺しの嫌疑でお仙がしょっ引かれた。頑(かたく)なに否認し続けるお仙。不審に思った源次が元同心・神子孫七の知恵を借り、聞き込みに奔走するうちに真の下手人の姿が……。だが、お仙にも意外な事実が隠されていた(表題作)。
  • 平成の紫電改局地戦闘機
    -
    昭和20年、B29迎撃に飛び立った紫電改4機が、現代にタイムスリップした。新たな敵は、SVLF(南沙義勇解放軍)だ! アジアの火種・スプラトリー諸島を舞台に描かれる迫真の戦闘シーン! 世界の政治・軍事情勢に精通した著者が、“今”を冷静に分析し、大胆にシミュレート! これは、もはや、フィクションの世界のことだけではない。
  • 尼僧お庭番
    -
    紀州藩の内紛により、若君国松は行方不明。生家の不祥事に心を痛める将軍吉宗。腕利きの忍者・鈴鹿尼は、若君探索の旅へ。くノ一の妖艶な色香を駆使して阿波の国に潜入した彼女は、そこで若君と同じく紀州家の血をひく、少年天一丸に出会った。果たして彼の正体は? のちに、将軍吉宗の座を揺るがした、“天一坊事件”にまつわる秘話。妖美な女忍者を描く痛快巨編(シリーズ第2弾)。
  • 戦国十二刻 終わりのとき
    4.6
    大坂夏の陣。劣勢に立つ豊臣秀頼は、一縷の望みをかけ自ら出陣することを決意する。だが、母の淀殿はそれを頑なに阻むのだった――。衝撃の結末に息を呑む珠玉の傑作「お拾い様」ほか、山本勘助、今川義元、徳川家康ら名高き武将たちが死を迎える最期の二十四時間を、濃密に描く全六編を収録する。斬新な歴史解釈と鮮やかなどんでん返しに彩られた奇跡の作品集。(『戦国24時~さいごの刻~』改題)
  • 幻の戦艦空母「信濃」沖縄突入
    2.0
    米軍が沖縄に大艦船を集結させ、上陸を開始。満身創痍の連合艦隊が乾坤一擲(けんこんいってき)の反攻を、戦艦大和を囮(おとり)として計画。主力は米潜水艦が撃沈したはずの超空母「信濃」。艦上にはミッドウェー以降の海戦で戦死者扱いのベテラン操縦士たちの護国軍神隊が搭乗する「紫電改」。手に汗握る感動のシミュレーション架空戦史。
  • 高杉晋作奔る
    4.0
    幕末の長州に生まれ、先取の気性と果断な行動で尊王攘夷の志士となった高杉晋作。乱世を鮮烈に駆け、明治維新の功労者となった、彼の短かく激しい生涯は、まさに動乱の世を奔るものだった。その晋作のユニークな素顔を、松下村塾時代の師、仲間、奇兵隊結成でバックアップした豪商、あるいは愛人だった芸妓などの視点から、生き生きと捉え鮮やかに描き出した、著者得意の領域の魅力的な連作歴史小説集。若き英雄の素顔を、関係者の眼で描いた傑作!
  • 臨時廻り同心 山本市兵衛
    -
    南町奉行所臨時廻り同心の山本市兵衛は、南町奉行・筒井伊賀守政憲の内与力・坂崎忠右衛門から江戸を騒がす輩について「密命」を受ける。商家のあるじを毒殺した下手人、金で人殺しを請け負う暗殺集団など、江戸の治安を乱す「悪」に、冴えた推理と名刀「石斬丸」で立ち向かう。めっぽう腕が立つが、困っている者には底抜けに優しい爺侍! 期待の新シリーズ第一弾。
  • 炙り鮎 内藤新宿〈夜中屋〉酒肴帖
    -
    江戸時代、内藤新宿で一晩中営業する居酒屋〈夜中屋〉には、さまざまな人々が集う。ヤクザ者、同心、罪人……それを取り巻く女たち。そして店主にも暗い過去があった。実力派が描く、人情時代小説!
  • 悲しき戦記
    4.0
    人間の感情や自由をいっさい剥奪され、戦争遂行の尖端に立たされた兵隊たち。彼らはいかに戦い、いかに生き、そして死んでいったか……。日中・太平洋両戦争に取材し、兵隊たちの死の道程を凝視して、戦争の真実の姿を厳しく捉えた、25編の挿話。戦死者たちの冥福を祈りながら描かれた「悲しき戦記」である。
  • ジョン・マン 1 波濤編
    4.1
    土佐に生まれた作家が渾身の筆で描いた初の歴史大河小説。わずか14歳。寺子屋にも満足に通えなかった貧しい漁師が鎖国日本から身ひとつで漂流。初めて西洋文明(アメリカ)の中で暮らした日本人となり、初めて欧米の高等教育を受けた日本人となり、初めて世界の大洋を巡った日本人となり、ゴールドラッシュのカリフォルニアで金を掘り、唯一、自力で帰国を果たした日本人漂流民となった。帰国から2年後、あのペリー艦隊がやってくる。この男がいなければ、日本は植民地になっていたかもしれない。
  • 獅子の廊下の陰謀
    -
    江戸期、長州7代目藩主となった毛利重就は、藩財政の巨大な赤字に驚く。そして隠棲していた、かつての能吏・坂時存を起用、財政建て直しを命じる。坂時存は奇矯にも、萩城内の本丸の廊下に机を据えて事務室を設置する。考え出した大胆かつ卓抜な秘策の経済計画とは何だったか? 特異な時代の人間像を描いた歴史秀作短篇集。幕末の長州藩を支えた巨富はどう作られたか?
  • 夜叉萬同心 本所の女
    4.7
    夜叉萬と綽名される北町奉行所の隠密廻り方同心・萬七蔵。その御用聞を務める元女掏摸のお甲は、幼い頃に自分を捨てた母・お泉と再会。お泉から、岡場所より消えた武家の内儀を捜してほしいと依頼される。一方、七蔵は本両替商の手代・惣三郎が行方不明となった事件を追うが、二人はやがて、暗い欲望を持つある男の元へ辿り着く――。名手による傑作シリーズ!
  • 小説 東照宮
    5.0
    怪僧南光坊天海。その謎の正体と恐るべき野望とは。「東照宮」に秘められた願いが、今解き明かされる…。圧倒的スケールで描く戦国伝奇ロマン!
  • 無銘刀~御刀番 左京之介(十一)~
    3.0
    小石川傳通院の裏で、五人の沼津藩藩士が斬殺された。背後に、妖刀村正に似た無銘刀を遣う凄腕の剣客の存在が浮かび上がる。汐崎藩御刀番頭の左京之介は、度重なる襲撃に怯える沼津藩藩主・水野忠成の懐刀で、これまで対立していた土方縫殿助から助けを求められる。土方の求めに京之介が下した判断とは――。霞左文字が、権力者たちの謀略を斬る! 感動のシリーズ最終巻。
  • 風の七人
    -
    南国カンボジアの魔城に挑む日本忍者の大活劇。当代一の忍びの手練れ、きりの才蔵とましらの佐助、怪僧にして妖術の総帥・七宝坊主、怪力武者の裏切り陣内、豪剣の名手の群青・緑青の双子の兄弟、豊艶な美女さらの7人が、異国の地で目もさめる疾風怒濤の活躍。卓抜な構成による著者初の異色痛快時代長編。
  • 執念の家譜
    3.7
    三浦光村は元服して初めて、三浦一族と北条氏との40年にわたる暗い宿縁を知る。同じ関東の豪族でありながら三浦氏は、鎌倉将軍家補佐の任を北条氏に奪われ続けたうえに、北条氏は、鎌倉幕府存続のために、地元の豪族・三浦氏を巧妙に利用してきたのだ。だが、三浦氏の北条に対する反撥は、何度かの争いを経て増幅されてゆく……。という表題作のほか、曽我兄弟仇討ちを扱った「裾野」など、精緻な歴史小説の短編6作を収める。
  • 籬の菊
    完結
    3.0
    兵部の君こと源基子は、東宮・尊仁親王の第一王女に仕える女房。ある日乳姉妹の中納言の君から「京極殿(右大臣藤原師実)の子を授かった」との手紙が届く。乱れた世相の中、東宮御所には怪物・鵺が現れ、妊娠した中納言の君はやつれ果て、兵部も御所に「穢れ」を持ち込む。事態は人智を超えて錯綜し、愛憎の糸は複雑に絡み合う。時代を超えて紡ぎ出される平安デウス・エクス・マキナ劇。
  • 淀どの哀楽(上)
    5.0
    江北に名高い豪勇の将・浅井長政と、たぐい稀な美しい妻・お市との長女・茶々は、恐れを知らぬかわいい姫君であった。幼いときに伯父・織田信長によって浅井が滅ぼされ、母の再嫁先・越前北ノ庄もまた、豊臣秀吉の手によって落城した時、何事にも敏い茶々は、託された妹たちをかばって、戦国の女の宿命に従い、敵将・秀吉の側室となった。信長、秀吉の影に生きた淀君の生涯を描いた傑作時代長篇。<全二冊>
  • 人情料理わん屋
    3.8
    江戸の旅籠が立ち並ぶ一角にある「わん屋」。店主の真造、おかみのおみねはともに神職の家系。二人が切り盛りする店で出される料理は、全て円形の器に盛られ、味わった人に平安が訪れるようにと願いが込められている。そんな料理と職人によって丁寧に作られた器が、不思議な出来事を起し、人の縁と幸せを運んでくる。書き下ろし新シリーズ!! 江戸人情物語。
  • 居酒屋宗十郎 剣風録
    3.0
    神田花房町にある居酒屋『福田屋』の離れで寝起きする滝川宗十郎。小身旗本の家を出て福田屋の居候となった宗十郎は、福田屋の仕事を引き受けている。それは、福田屋が表の居酒屋とは別に手掛けている「闇の仕事人」だった。柳生新陰流と一刀流をもとに編み出した神速の剣で、悲劇の道場を救うことができるのか。息を呑む剣戟が溢れる、著者渾身の新シリーズ開幕。
  • 隠密同心
    3.0
    隠密廻り同心のさらに裏で、武家や寺社を極秘に探索する「隠密同心」。父も同役を務めていた市松は奉行から密命を受け、さる大名家のお家騒動を未然に防ごうと捜査を始める……。著者が全身全霊で贈る、新シリーズ!
  • とんちんかん~あやかし同心捕物控~
    4.6
    盗人と疑われ、番屋につきだされてきた青物売りのお駒を放免してやった同心の柏木千太郎。跳ねっ返りで威勢はいいが、早くに両親を亡くし、十一で人買いに売られ苦労して生きてきた娘だ。そんなお駒を陰から見守っているらしき謎の男がいた――。その正体とは?(表題作) 顔はないけど男前。のっぺら同心と仲間たちがあやかし騒ぎ解決に走る、妖怪捕物帖第三弾!
  • 桃太郎姫七変化
    4.0
    桃太郎が女岡っ引に!? 快刀乱麻を断つ捕物帳界の新ヒロイン誕生!大好評!もんなか紋三捕物帳シリーズ! 〈若君〉が町娘に姿を変えて江戸に巣食う鬼を成敗! 讃岐(さぬき)綾歌(あやうた)藩の若君・桃太郎、実は女である。役目の合間を縫って深川の呉服問屋のご隠居の姪っ子・桃(もも)香(か)に早変わり、十手持ちの紋三親分のもとで、事件に足を突っ込んでいる。仇討、島抜け、連続殺人……次々起こる事件の背後に隠れた鬼を成敗せんと、南町奉行・大岡越前や謎の老女〈花咲か婆さん〉も巻き込んでの大立ち回り!? 大好評痛快捕物帳。
  • 睦月童
    3.9
    ある東北の村から日本橋の酒問屋に招かれた、不思議な目を持った少女・イオ。酒問屋の跡取り息子・央介は、その目を見たことで激しい良心の呵責に襲われ、かつて自分が犯した罪を贖おうとする。やがて更生した央介とイオは、彼女の目を使って、江戸で起こる数々の事件を解決していくことになるが……。青年と少女の交流と成長を通して、「罪と向き合う」ことの意味を描いた、感動のファンタジー時代小説。
  • ひょうたん~あやかし同心捕物控~
    5.0
    柏木の旦那は、どうやって飯を食ってるんだ? なんせ、のっぺらぼうで口がないんだから――。その秘密は千太郎が腰に提げた「ひょうたん」にあった。そいつに食わせれば腹に入れたことになるらしい。その大事なひょうたんが盗まれてしまった! 仲間たちは犯人捜しに奔走するが……。心優しきのっぺら同心があやかし騒ぎを解決する、笑えて泣ける妖怪捕物帖第二弾!
  • 砂子のなかより青き草 清少納言と中宮定子
    3.6
    美しいあの方のお傍に、恥じることなくいられるだけの強さが、ほしい―― 平安中期、時の帝の寵愛を受ける中宮(平安時代の皇后)定子に仕えることになったなき子(清少納言)。 当時としては「年増」と呼ばれる年齢になってから才を買われて宮中に入ったなき子だが、定子に瞬く間に魅了される。 華やかな宮廷で卑屈に縮こまっていたなき子の心をほぐしてくれた、眩いほどに美しい年下の主人。 「女が学をつけても良いことは何もない」といわれていた時代、共に息苦しさを感じていた定子と清少納言は強い絆で結ばれていくが、定子の父の死によって栄華を誇った一族は瞬く間に凋落していく……。 定子の兄・伊周との身分違いの恋に苦しむなき子、そして紫式部との因縁。 悲運の時代を描いた哀切にして美しい平安絵巻に仮託した、女性の自立の物語。 「わたくしたちがずっとその心を忘れなければ、女が役に就ける御世がきっと来る。この悔しさを、のちの世の女は味わわなくてすむようになる」
  • 侠盗組鬼退治 天下祭
    -
    神田祭が突然の危機に――祭りを邪魔する鬼は誰だ!? 旗本へのあくどい借財の取り立てをしたとして札差の豊前屋が処刑された。豊前屋と何度も銭相場で渡り合った山師旗本の堀田左近は、その処罰で得をした者が陰謀を仕掛けたと睨み、仲間と調べを始める。一方、江戸の天下祭として知られる神田祭にある異変が――ふたつの出来事には意外なつながりがあった。人情仕事人たちの痛快鬼退治!
  • レギオニス 興隆編
    3.3
    まるで現代の〈企業〉のように、戦国の〈家〉は生き馬の目を抜くがごとく……。織田家の軍団長(レガトゥス・レギオニス)で、最後に生き残るのは誰だ? 尾張国守護代の重臣で、富と力を蓄え織田弾正忠家の名を高めた織田信秀の番頭格・柴田権六勝家は、困惑していた。信秀の後継者である信長が、型破りな男だからだ。このままでは、先代がせっかく大きくした〈家〉を守ることはできない――。 武将たちの友情と裏切り、打算と駆け引きを描き、働く者は共感必至の戦国絵巻、ここに開幕。
  • 定本 吉良の言い分 真説・忠臣蔵(上)
    値引きあり
    -
    1~2巻660円 (税込)
    歴史好きならだれでも知っている松の大廊下での刃傷沙汰は、浅野内匠頭の乱心によるものだった。 吉良上野介は、赤穂勢にうらまれる理由などなかったのである。じつはそこには柳沢吉保の陰謀があった。 そして、温厚で聡明な名君である吉良上野介は、赤穂浪士の手にかかって殺されたのではない。 そのような不名誉を嫌い、周到に準備された秘策によって、みずから生命を絶ったのである。 構想から20年をかけて真相を解いた歴史小説の大作が、今よみがえる。 【上巻目次】 第1章/若き日の懊悩 第2章/大江戸春欄漫 第3章/上杉家の存亡 第4章/吉良荘の赤馬 第5章/混迷する政局 第6章/名君吉良義央 第7章/元禄花乱れ舞 第8章/刃傷松の廊下
  • 七福神殺し 風烈廻り与力・青柳剣一郎[5] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    4.3
    悪名高い豪商だけを狙い、誰も傷つけぬ。盗むのは五百両以内。七福神の面を着けた七人の盗賊は義賊として庶民に歓迎された。風烈廻り与力青柳剣一郎は、御奉行から七福神捕縛の厳命を受けた。そんな折、辻斬りに殺された男が一味の一人と判明。さらに七福神が次々と消されていく。誰が何の目的で? 青痣(あおあざ)与力の人情裁きの剣が冴える、人気シリーズ第5弾!
  • 小夜左文字(さよさもじ)~御刀番 左京之介(十)~
    5.0
    汐崎藩御刀番頭の左京之介は、左家にまつわる名刀「小夜左文字」が盗まれたことを知らされる。一方、汐崎藩主堀田家憲には縁談が舞い込む。藩主から縁談相手の松代藩真田家を探るように命じられ、京之介が調べ始めると、そこに小夜左文字の存在が浮かび上がる。小夜左文字を盗んだ者の思惑とは――。迫力の戦闘シーンと胸に迫る若殿の恋。充実のシリーズ第十弾。
  • 関八州御用狩り
    -
    1~3巻660~770円 (税込)
    江戸の町奉行の手が届かない関八州は、悪党の逃避先。そこに彼らを江戸に引き戻すための賞金稼ぎ――追い首たちがいた。旗本三男の白光新三郎もその一人だが、出世欲にまみれた長男に金を巻き上げられてばかり。それでもめげずに、無愛想で魁偉の大黒主水、追い首の元締めに仕える利吉と共に、関八州を駆け巡る! 個性豊かな三人が繰り広げる痛快無比の時代小説。(『風聲 関八州御用狩り』改題)
  • 恋道行
    4.0
    お前のためなら、誰だって殺すぜ――。 切実に愛し合う男女の逃避行が、嵐を巻き起こす。 著者がどうしても書きたかった人情時代活劇、開幕! 不幸な生い立ちから悪事に手を染めるも、親切な絵草紙屋の主人に拾われ店番として更生した千七。 物語を楽しむささやかな生活を送っていたある時、茶立女のおゆきと出会い、運命的な恋に落ちた! だが直後、おゆきに懸想する御家人崩れの久蔵が、ある裏仕事で入った大金で彼女を落籍してしまった。 救出に向かった千七は、諍いの末に久蔵を殺してしまう……。 追われる身となった二人の逃避行の行方は? 著者新境地の時代恋物語、開幕!
  • 高速潜水艦 呂二百
    3.0
    マリアナ沖の桶狭間! 昭和十八年五月、着々と足場を固め急速に拡大を続ける米海軍と先細りの日本海軍。どう考えても明らかな結末を変える為、小池中佐は一計を案じた。弱小日本に必要なのは桶狭間の大逆転勝利だ。 一年後、満を持してマリアナ諸島に押し寄せた米攻略部隊と圧倒的な力を誇示する大機動部隊。 わずか一年で作り上げた高速潜水艦部隊は日本を勝利に導くことが出来るのか?
  • ふろしき同心御用帳
    -
    1~7巻660~715円 (税込)
    奉行所に出仕するのが大嫌いな定町廻り同心の近藤信吾。代わりに決まって行く先は船宿の「千成」で、瓦版屋の栄吉や医者の八朔、女将のお蔦らに大げさな自慢話を聞かせて過ごす。されど騒ぎが出来すれば、己の義と情をたぎらせて、刀と大法螺で一件落着。広げた風呂敷は必ず畳む! 粋な男の活躍と江戸の町に住む個性豊かな人びとが織りなす痛快無比の時代シリーズ第一弾! 『ふろしき同心御用帳 恋の橋、桜の闇』改題。
  • 鬼の冠 武田惣角伝
    -
    一瞬の技に生涯を捧げた男! 幕末から昭和を生きた大東流合気柔術の達人、闘いと漂泊の日々。武道の神髄は合気にあり。極みを追い続けた生涯。 幕末、会津の神主の子として生まれ、明治維新後、会津藩家老をつとめた西郷頼母より大東流の武術を学んだ武田惣角。若き日に武者修行の旅に全国をめぐるが、折しも鹿児島の西郷隆盛が挙兵したとの報が。惣角は西郷軍に参加する覚悟を決めるが…大東流柔術の中興の祖となり、合気を極めた武術家の熾烈な闘いと、漂泊の生涯を描く傑作歴史長編! 解説/菊池 仁
  • ロンドン狂瀾(上)
    4.0
    1930年1月、日米英など五大海軍国によるロンドン海軍軍縮会議が始まろうとしている。随員を命じられた外務省情報部長・雑賀潤は、首席全権の若槻礼次郎らと日本を旅立った。だが、各国の利害が対立する外交交渉は難航の連続。その上、海軍軍令部は自らの主張に固執し、妥協案に対して拒絶の姿勢を崩さない。熾烈を極める状況の先に、雑賀は光明を見出せるか!?
  • 晦日の月~六尺文治捕物控~
    3.5
    名代の十手持ち辰三が姿を消したのは昨年暮れ。上方の悪党「名なしの幻造」を追ったまま行方がしれない。縄張りの日本橋をあずかる子分の文治だが、切れ者の親分と比べると頼りにならない。辰三の娘お加代が、御用の向きにも口を挟んでくる。心根の優しい大男と跳ねっ返り娘が智恵を寄せ合い、御用の謎を解き明かす。時代小説の新鋭が情感豊かに描く、傑作捕物帖。
  • 信長の傭兵
    -
    鉄砲と天下。戦国を撃て! 鉄砲集団が挑む天下布武の戦い! 天下の覇権を賭けた鉄砲集団の壮絶なる戦い種子島から鉄砲を持ち帰った津田監(けん)物(もつ)は、紀州・根来衆を率い、日本初の鉄砲集団を組織した。諸国の大名から傭兵として重用され、その名は天下に轟く。やがて、最大の新興勢力である尾張の織田信長も根来衆へ加勢を仰ぐ。監物は信長とともに、天下布武の野望に向け戦場を駆け巡った。そしてついに信長最大の敵・本願寺勢との決戦に挑むが……!?
  • 深水出雲
    -
    元文元年(一七三六年)夏、江戸・田町の浪人で寺子屋の師匠をする深水出雲はがちゃがちゃ売りの三太に人捜しを頼まれた。芝浦新町の夫婦者の喧嘩の原因が地紙売りの間男のためかどうかを三太は確かめたがっていた。町で聞きこんでいた出雲は地紙売りを見かけた。壮年の美男で剣術の面ずれがあった。一方、増上寺の横堀には冬の着物姿で只見屋の番頭が死体でうかんでいた。
  • さぶ
    4.0
    小舟町の芳古堂に奉公する栄二とさぶ。才気煥発な栄二と少し鈍いがまっすぐに生きるさぶ。ある日、栄二は身の覚えのない盗みを咎められ、芳古堂から放逐されてしまう。自棄になった栄二は身を持ち崩し人足寄場へ送られるが――。生きることは苦しみか、希望か。市井にあり、人間の本質を見つめ続けた作家の代表作。
  • おっとり聖四郎事件控(一)
    -
    1~8巻660~715円 (税込)
    将軍家御料理番・四条流の流れをくむ備前宝楽流の庖丁人・乾聖四郎。津軽藩と南部藩の婚儀の料理を任された聖四郎は、その席に乱入してきた賊たちを鮮やかな剣で斬り伏せた。否応なしに事件に巻き込まれた聖四郎だが、その裏には幕府の巧妙で非情な謀略が隠されていた……。庖丁と剣の達人“おっとり聖四郎”が、人情の料理で人の心を救い悪を斬る、シリーズ第一弾! 『「飛蝶幻殺剣」』改題。
  • 雪華燃ゆ~上絵師 律の似面絵帖~
    3.7
    上絵師として、初めて着物を手がけることになった律。粋人として名を馳せる雪永が親しい女に贈るものだ。張り切って下描きを仕上げる律だが、なかなか良い返事がもらえない。そんな中、ある女から金を騙し取ったという男の似面絵を引き受けるのだが――。涼太との恋、仕事への矜恃。心を揺らしながらもひたむきに生きる女職人の姿を描く、人気シリーズ第三弾。
  • P+D BOOKS 鞍馬天狗 1 角兵衛獅子
    -
    鶴見俊輔氏が厳選した時代小説「鞍馬天狗」。 角兵衛獅子の少年・杉作を囮に、鞍馬天狗を取り囲んだ新選組。隊長・近藤勇も新手をひきつれそこに駈けつける。 大坂城代あての密書を奪った鞍馬天狗だったが、謀られて地下の水牢に閉じこめられる。恩人を助けようと城へ忍びこんだ杉作少年ももはや袋のねずみ――。 幕末の京を舞台に、入り乱れて闘う勤皇の志士と新選組。時代小説の名作「鞍馬天狗」から、評論家・鶴見俊輔氏が厳選した傑作シリーズの第一弾。解説も鶴見俊輔氏が特別寄稿。 ※この鞍馬天狗シリーズは12月まで5冊、毎月連続で発刊予定です。 なお、この作品は2000年に発刊された小学館文庫を底本とした電子版と同じ内容になっています。
  • 宿場鬼
    3.5
    中山道の霧深き宿場町に降り立った〈鬼〉――何処からともなくやって来た美貌の男は、虚無の眼を湛えすべての記憶を失っていた。恐るべき剣技を操る男は「無名」と呼ばれ、元用心棒の清源が営む道場に寄宿することになった。清源の娘・小夜の献身により徐々に記憶を取り戻す無名。だが、謎の刺客が次々に訪れる。果たして彼は何者なのか? そして彼が通ってきた修羅の道とは?エンターテインメント界の巨匠が挑む初の本格時代活劇!
  • 南沙艦隊殲滅(上)
    5.0
    中国軍が南沙に建設した滑走路が一晩で消滅した。怒る中国はフィリピン軍、その背後に米軍の関与を疑うが、偶然見つかった当時の映像には驚くべきものが映し出されていた。それは、滑走路を攻撃するある戦艦の姿――しかも日本人なら誰もが知る、だが絶対に《存在しない》戦艦だ。調査を命じられた特殊部隊《サイレント・コア》が見たものは?
  • スクランブル 決戦! 日本海上空(上)
    2.8
    「これから〈作戦〉の説明をする」。米軍機F22との模擬格闘訓練を終えたばかりの自衛隊のパイロットに向けて語られるアメリカ空軍からの指令。それは「亜細亜のあけぼの」と自称するテロリスト〈牙〉にまつわるものだった。日本をテロの恐怖に陥れ、ベトナム編隊を全滅させ、護衛のアメリカ空軍を手玉にとった因縁の相手〈牙〉との対決の刻、迫る。大好評スクランブルシリーズ最新刊!
  • ばけたま長屋
    4.0
    浅草の裏長屋に仕事場を構えた指物師の弦次。ところが長屋は空き部屋ばかり。住人たちが次々と引っ越したのは、木戸口から数えて四つ目の閉じられた部屋と関わりがあるらしい。入居日の夜、弦次はその部屋でこの世の者とは思えない女を見てしまう。怖がりだが根が真面目な弦次は、不真面目な先輩住人の三五郎、幽霊画を描くのにどうしても本物を見たい町絵師の朔天とともに、原因究明という名のおばけ退治に乗り出すが……!?
  • 夜叉萬同心 もどり途(みち)
    4.7
    浅草・花川戸で貸元の谷次郎が殺され、前後して唇に艶紅の塗られた若い女の死体が見つかった――。夜叉萬と綽名される北町奉行所の隠密廻り方同心・萬七蔵は、内与力・久米信孝の命により、谷次郎殺しの下手人との差口のあった「あやめの権八」なる男の裏を探り始めるが、事態は急展開をみせる。著者の原点であるシリーズ、待望の書下ろし新作。一寸先の闇を斬れ。
  • やさぐれ同心忠次郎   深川の風
    5.0
    南町奉行所同心、樋口忠次郎は、剣にすぐれ、頭も切れる若侍。上役や同僚からの期待を一身に受け、江戸の平和を守るべく奮闘していたが、公金横領の疑いをかけられた父の死をきっかけに、仕事に対する情熱を失い、やさぐれた日々を送っていた。ある日、忠次郎は、青春をともにした旧友、安兵衛と再会する。親友とはいえ、安兵衛は、深川を縄張りとする侠客集団・やぶれ組のやくざ。警戒心を捨てられない忠次郎であったが、なんと、安兵衛は忠次郎に、やぶれ組の親分になってほしい、と懇願してきたのだ……。ひょんなことから、同心とやくざの親分、ふたつの顔を持った忠次郎が、難事件の数々を、あざやかに解決していく!
  • 夜叉萬同心 藍より出でて
    4.0
    舟運業者らが開いたご禁制の賭場から大金が奪われたとの噂が流れ、次いで勘定奉行所の役人が殺された。萬七蔵は事件の探索を始めるが、そんな中、かつての親友・連太郎が訪ねてくる。七蔵は再会を喜ぶも、友の様子は微妙に変化していた。やがて友に関する重大な事実が明らかになり……。納涼花火の夜陰に紛れ、暗躍する勢力と七蔵が対決する。傑作シリーズ第四弾。
  • はぐれ十左御用帳 女侠
    3.0
    佃新地にある女郎屋の主人からの報せで、偽小判を使った正体不明の男を追っていた北町奉行所の隠密廻り同心・鏑木十左。が、男は殺されてしまった。下手人たちが持っていた提灯に浮かび上がった丸に十文字の紋様から、現将軍の御台所・篤姫の実家である薩摩藩の影が浮かび上がる。それを老中・松平定信に報告するも、意外な返事に十左は……。
  • 女の陥穽~御広敷用人 大奥記録(一)~
    4.0
    八代将軍となった徳川吉宗は幕政改革に乗り出した。手はじめは贅沢三昧をしてきた大奥の粛清。そのため以前、勘定吟味役として利用していた水城聡四郎を御広敷用人として登用した。吉宗の密命を実行せんと調べ始めた聡四郎の前に「影」が立ち塞がる。一放流の達人、聡四郎は密命を成し遂げられるのか。待望の「水城聡四郎」新シリーズが壮大なドラマとともに登場。
  • 夜叉萬同心 親子坂
    5.0
    中越・永生藩の山村から、奇妙な男が江戸に送り込まれた。無垢な心を持ち、鷹のように一瞬に獲物に止めを刺す、森で育った忍びの者、西上幻影。北町奉行所の隠密廻り方同心・萬七蔵は相次ぐ豪商の不審死を調べるうち、ある腹黒い商人と永生藩国家老周辺との癒着に気づく。巻き込まれる誇り高い鷹、幻影の運命に、七蔵はどう立ち向かうか。傑作シリーズ第三弾。
  • 夜叉萬同心 冥途の別れ橋
    4.5
    北町奉行所の隠密廻り方同心・萬七蔵は、「夜叉萬」と恐れられる存在だ。永代橋崩落の大惨事に揺れる江戸で、押しこみ強盗の末に一家を惨殺する卑劣な窃盗団「赤蜥蜴」の探索をすることに。直近の襲撃のみ、一味のやり口が変化していることに七蔵は戸惑うが、そこから導き出されるのは意外な真実だった。人間の業や情愛、運命を鮮やかに描き出す、シリーズ第二弾。
  • 夜叉萬同心 冬かげろう
    4.0
    北町奉行所の隠密廻り方同心、萬七蔵は、目的遂行のためには手段を選ばぬやり方から、「夜叉萬」と呼ばれ密かに恐れられていた。脂粉の香りを残し去ってゆく辻斬りの探索の過程で七蔵が見た卑劣な真実とは――。七蔵のふるう豪剣は、誰を斬り、何を裁くのか? 悪道を歩む人間を見つめ、その因果や定めを鮮やかに描き出す、名手による時代小説、超絶の醍醐味ここにあり。
  • 真之介活殺剣 はぐれ隠密始末帖
    -
    文政十二年、秋──江戸にふらりと現れた、矢車真之介と名乗る謎の浪人……とぼけた風貌と人を食った言動の不思議な侍であるが、実はこの真之介、凄腕で知られる仙台藩の元隠密であった。暗殺、裏切りも辞さぬ殺伐とした隠密業に嫌気がさした真之介は、火的屋の女主人・お紺や生真面目なやくざの友七と出会い、釣り堀の番人として平穏な暮らしを手に入れる。だが、持ち前の好奇心と正義感がわざわいし、薄幸の少女・お栄や謎の賞金稼ぎを巻き込み、お紺の亡夫・庄右衛門に秘められたお宝の秘密を探ることになるのだが……。描き下ろし「外伝 待つおんな」を収録した、超人気シリーズ新装版!
  • 西郷隆盛 新装版
    4.3
    「本書によって西郷のみならず明治維新の革命の真相を理解できたと思う」(解説より)――作家・常盤新平氏 近代日本の夜明け、明治維新に燦として輝きを放つ西郷隆盛。「西郷は真の政治家でありながら、世に横行する政治家ではない。西郷は詩人の魂をもった理想家であり教育家であった。芸術家になっても、すばらしい業績をのこしていたろう。そしてさらに、西郷は軍人でもなかったのである」と著者が言い切った男の半世紀の足どりを克明に追った伝記小説。名匠が描いた維新史としても読みごたえ十分の力作。 ※本電子書籍は、昭和五十四年四月に刊行された『西郷隆盛』(角川文庫)を底本としました。

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