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Posted by ブクログ
ルイ16世よ、この人は本当に語る者によって評価が分かれるな。
先に読んだ『死刑執行人サンソン』では、サンソン自身が王を敬愛していたとは言え、それを差し引いても、王を擁護する書き方であった。
対してこちらは、重大な場面一つ一つで、王の判断のまずさが強調される。それに対比させるかのように王妃には好意的だ。
本書を読んだだけの感想で言えば、ルイ16世は驚くべき「無能」、この一言に尽きる。しかし歴史にifがない以上、彼が違う決断をしていたらどうなっていたかなど誰にもわからない。彼には彼なりの論理があった。本書は明らかに無能・優柔不断な王という評価ありきで書かれているため、そのままの印象を持つことには慎重になりたい。
ま、近年、アントワネットへの評価が見直されてる流れを受けて、ルイ16世への見方も変わるのではないかという期待があったため、従来のイメージ通りの暗愚ぶりにちょっと失望した、というのが正直なところだ。
それにしても、境遇としてはチャールズ1世も似たようなものなのに、後世でのこの取りあげられ度の違いは何なんだろう。日本においては「べるばら」があったから、だけでは説明つかないような。
Posted by ブクログ
マリーアントワネットとルイ16世、そして王の一族たちが反王党派たちに追われ、ヴェルサイユ宮殿からチェイルリー宮殿、そして国外へ逃亡を図るもの、ヴァレンヌで見破られ、失敗に終わる。
その運命の24時間を物語仕立てで書かれた一冊。
最近、一気にNetflixで米国のドラマ「ベルサイユ」を観た。(すっかり夢中になってしまったが、シーズン3がまだ入っておらず、続きが気になって仕方ない…)それもあって、最近ルイ14世を始めとしたフランスの歴史に興味津々。
文中にも登場する貴族のフェルゼン始め、多くの愛人を囲い、派手好きで市民たちに嫌われた王妃と、愛人を持たず、一途にアントワネットを想いながらも、ルイ14世のようなカリスマ性も、ルイ15世のような美貌もなく、無能と言われたルイ16世と、その家族たちの逃亡中の束の間のほっこりするやりとりが数少ない癒し。
マリーアントワネットは今のところ個人的に友達にしたくない人だけど、でも気になって、もっと知りたい存在。
中野京子さんが小説調の本を書いていたとは。新鮮だった。中野さんの西洋史への愛情が伝わってくる一冊。
Posted by ブクログ
フランス国王ルイ16世と王妃マリー・アントワネットのパリ脱出劇。これが計画通りに進んでいれば歴史は変わったのだろうか。ヴァレンヌを無事に抜け出せても、その後国王の思い通りになったかどうかはわからない。それだけ民との溝は深かったように思える。
時代背景や社会や人々の様子がわかりやすく解説されていて、当時どんな空気感だったのか想像しやすかった。追われる立場であるはずの国王一家が、のんびりと余裕を持った逃避行をしていて、なぜこんなことになったのだ?と思わずにはいられなかった。決断できない国王に対して苛立ちが募るけれど、最期にアントワネットに遺した言葉が切なくてこれがルイ16世という人だったのかなと、しんみりと読み終えた。
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