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Posted by ブクログ
読書録「名画で読み解くブルボン王朝
12の物語」5
著者 中野京子
出版 光文社新書
p68より引用
“ 第一難関はクリアした。だからといっ
て思うままに男児を授かるわけではないの
だから、ここでアンヌの、ひいてはフランス
の、強運のほどがわかるというもの。
「奇跡の子」ルイ十四世は、九月に元気な
産声を上げた。”
目次より抜粋引用
“ルーベンス『マリーのマルセイユ上陸』
リゴー『ルイ十四世』
カンタン・ド・ラ・トゥール
『ポンパドゥール』
ダヴィッド『ナポレオンの戴冠式』
ドラクロワ『民衆を導く自由の女神』”
作家でドイツ文学者で、欧州の歴史に造詣
が深い著者による、フランス黄金期を築い
た王家の栄枯盛衰を名画に絡めて記した一冊。
血で血を洗う争いの後の王朝の始まりか
らその血脈が途絶えるまで、フルカラーで
掲載される名画や由来ある地の写真と共に
語られています。
上記の引用は、太陽王ルイ十四世の母・
アンヌ・ドートリシュについて書かれた項
での一節。
世界は、ほんの少しの運不運で大きく変わっ
てしまうものだと、思わざるを得ない出来事
です。しかし、ルイ十四世の出生について
は、どうにも疑わしいところが多いようで
す。面白いと見るか、いい加減と思うか、
今となっては昔の物語として楽しむだけで
すが。DNA鑑定のない時代であればこその、
出来事なのでしょう。
p41辺りには、マリー・ド・メディシスと
息子・ルイ十三世の不仲について書かれて
います。
母はいつまでも、息子を無能と呼び続けて
いたとのこと。そんな風に接していたのな
ら、反乱で追放されるのは自明の理と言え
るのではないでしょうか。
大切に扱わなかった身内に、大切にされる
はずはないのは、当たり前かと。
p54に記される、チャールズ一世の失敗を
みると、厳しい状況にある時は、適当にや
り過ごすというのも手段の一つとして、覚え
て置きたくなる。そんな逸話です。
いい加減とか、テキトーと言うと悪い印象
を受けがちですが、丁度良いという側面を
忘れないようにしたいところです。
ほんの少しの運の差で、何がどうなるの
か分からないのなら、しぶとく粘るという
のはとても大事な事なのでしょう。
それが突然出来なくなることも、もちろん
あるでしょうが、それこそ運不運、致し方
なしです。
欧州中が憧れて真似たきらびやかな文化
だそうですが、先頃執り行われたパリオリ
ンピックのセーヌ川の様子を知った後だと、
先にやるべき大切な事があるとしか思えな
くなります。
今と昔とでは、人口密度が違うのでしょう
けれども。現在は解消されつつあるみたい
ですね。
教科書の副読書として、学校で紹介され
たら、世界史に興味を持って向き合えてた
かもしれない。そんな面白いシリーズです。
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Posted by ブクログ
新書でページ数が限られているのがもったいない、ブルボン王朝の王とそれに関わる人物たちの物語。ルイ14世のソフトパワーは凄まじく、未だにフランスの文化や芸術は世界中の人を魅了する。そしてルイ14世たちが飲んでいたよりも遥かに美味しいワインを現代の庶民は堪能している。
強烈なビジュアルで印象を与える名画により、西洋史が視覚的にイメージされて親近感を与える。王の名前だけ見てもただのカタカナの羅列でしかないが、そこに凄腕の画家が描いた顔があると血の通った人間の営みが見えてくる。時代の趨勢を読めない王たちを残念に思う資格は我々にはきっと無いのだろう。後の時代からすると、現代人の思想も滑稽なものに映るに違いない。
Posted by ブクログ
12枚の絵画を通してフランス・ブルボン王朝の歴史を紐解く1冊。
ちょこちょこ小説で読んでいる人物が絡んでくると、急に解像度増す気がするから歩楽しい。
こういう自分の中にある知識の点と点が、読書中に線になって繋がってゆく瞬間がたまらなく気持ちいい。おそらくこの瞬間の気持ちよさのために読書をし続けているのだな、と思います。
その瞬間は、読書中だけではなく、ゲームでも映画でもたわいのない会話中でも同じ。
ふとした瞬間に、繋がる気持ちよさ。知識が繋がるのはとてもいいです。
絵画は12枚だけでなく、各章ごとに補足するためにいくつか追加で紹介されています。知っていたのは「ガブリエル・デストロとその妹」乳首摘んでるやつですね。思春期には印象は強いですこの1枚。「ぶらんこ」スカートの中覗いているやつ。あの貴族に気づいてなんちゅう性癖絵画だと思った記憶。
「ナポレオンの戴冠式」「アルプスを超えるナポレオン」「民衆を導く自由の女神」の有名すぎる3枚。
「メデュース号の筏」極限の暗さ。
世界史というかヨーロッパ史の複雑さは、各時代各国の婚姻関係にあると思います。
これに比べたら、日本史の同じ感じ使用している名前(偏諱のせい)が多くて覚えられない、なんて戯言じゃないかと思うんですけどねぇ。まあ、覚えられないと言っている時点で覚える気持ちを半ば放棄していると思うので、死ぬ気で覚えるしかないのですが。テストなら丸暗記でいいのでしょうが、物語として楽しんでいる身としては、するする覚えたい。
なので、点と点が繋がると気持ちがいいのです。あ、この知識がランクアップしたという感覚。他人にはわかりづらいでしょうが、楽しいのです。
Posted by ブクログ
新婚旅行でパリに行ったため、予習のため読んでいた。
ロマノフ、ハプスブルクも読んできており、やっぱり中野さんの文章は読みやすいしとっつきやすい。
ちょうどパリでルーブル美術館に行く予定があったため、本書が大いに役立った。歴史を学ぶという意味でも、絵画が描かれた背景を知るという意味でも。
ルーブル美術館ではルーベンスの『マリー・ド・メディシスの生涯』を見ることができたし、なぜこの絵が描かれたのかという背景も事前知識として持っていたのが良かった。
また、『ナポレオンの戴冠式』はルーブル美術館にもあるがヴェルサイユ宮殿にもある。なんとどちらも本物のようだ。この細かさと大きさの絵を2枚も描いたということ…。
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