【感想・ネタバレ】名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年01月16日

このシリーズはこれで全部読んだことになるが、あまり真面目に考えたことがなかったヨーロッパの王室について、各王家のつながりも含めて理解するのに最適な本だった。ブルボン王朝がたかだか200年程度の王政で、しかしながら現在のスペイン王家がブルボン家の分派とは全く知らなかった、スペインハプスブルク家が滅びた...続きを読む後にブルボン家がスペインの王家になっていたとは驚きである。また、ルイ16世が決して凡庸な王ではなく、読書が大好きでイギリスのピューリタン革命で散ったチャールズ一世の歴史から打開策を見つけようと考えていたが、フランスの経済危機により結局フランス革命を止めることができなかったというのも同情してしまう。
本シリーズは名画の解説とともに象徴的な歴史をコンパクトにまとめており、大変勉強になる。何年かしたらまたすべてのシリーズを読み返してみたい。

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Posted by ブクログ 2021年11月28日

ブルボン家は
イギリス、フランス、スペイン、オーストリアに密接に関係して子孫を形成していく。
近親婚も多く中には発達障害も見られて王は失望た様がある。

華やかな時代から革命の時代そして共和制へ。
生まれた時から政略結婚が決まっている、人質として差し出される、自分で決められることが少ない人たちの葛藤...続きを読むと歴史は奥深い。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年05月06日

「兄弟かつ華麗な絶対王政の成立と破綻」
フランスの歴史はとてもドラマチックで世界史でも
ひときわ注目されるもの

掲載されている絵画はすべて有名な名画ですが
ひとつひとつを詳しく解説されると新しい発見があります

歴史って人の顔を確認しながら読むと頭に
入りやすいものなんだなと思いました
世界史の授...続きを読む業もこんな感じなら良かったのですが…

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Posted by ブクログ 2011年04月12日

[ 内容 ]
世継ぎの混乱と血みどろの宗教戦争に彩られた王朝の誕生から、十九世紀、ヨーロッパ全土に吹き荒れた革命の嵐による消滅まで、その華麗な一族の歴史を、十二枚の絵画が語りだす。
『名画で読み解くハプスブルク家12の物語』に続く、ヨーロッパの名家を絵画で読み解く第2弾。

[ 目次 ]
ルーベンス...続きを読む『マリーのマルセイユ上陸(『マリー・ド・メディシスの生涯』より)』
ヴァン・ダイク『狩り場のチャールズ一世』
ルーベンス『アンヌ・ドートリッシュ』
リゴー『ルイ十四世』
ベラスケス『マリア・テレサ』
ヴァトー『ジェルサンの看板』
カンタン・ド・ラ・トゥール『ポンパドゥール』
グルーズ『フランクリン』
ユベール・ロベール『廃墟となったルーヴルのグランド・ギャラリー想像図』
ゴヤ『カルロス四世家族像』
ダヴィッド『ナポレオンの戴冠式』
ドラクロワ『民衆を導く自由の女神』

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2024年04月11日

12枚の絵画を通してフランス・ブルボン王朝の歴史を紐解く1冊。
ちょこちょこ小説で読んでいる人物が絡んでくると、急に解像度増す気がするから歩楽しい。
こういう自分の中にある知識の点と点が、読書中に線になって繋がってゆく瞬間がたまらなく気持ちいい。おそらくこの瞬間の気持ちよさのために読書をし続けている...続きを読むのだな、と思います。
その瞬間は、読書中だけではなく、ゲームでも映画でもたわいのない会話中でも同じ。

ふとした瞬間に、繋がる気持ちよさ。知識が繋がるのはとてもいいです。

絵画は12枚だけでなく、各章ごとに補足するためにいくつか追加で紹介されています。知っていたのは「ガブリエル・デストロとその妹」乳首摘んでるやつですね。思春期には印象は強いですこの1枚。「ぶらんこ」スカートの中覗いているやつ。あの貴族に気づいてなんちゅう性癖絵画だと思った記憶。
「ナポレオンの戴冠式」「アルプスを超えるナポレオン」「民衆を導く自由の女神」の有名すぎる3枚。
「メデュース号の筏」極限の暗さ。

世界史というかヨーロッパ史の複雑さは、各時代各国の婚姻関係にあると思います。
これに比べたら、日本史の同じ感じ使用している名前(偏諱のせい)が多くて覚えられない、なんて戯言じゃないかと思うんですけどねぇ。まあ、覚えられないと言っている時点で覚える気持ちを半ば放棄していると思うので、死ぬ気で覚えるしかないのですが。テストなら丸暗記でいいのでしょうが、物語として楽しんでいる身としては、するする覚えたい。

なので、点と点が繋がると気持ちがいいのです。あ、この知識がランクアップしたという感覚。他人にはわかりづらいでしょうが、楽しいのです。

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Posted by ブクログ 2023年10月21日

新婚旅行でパリに行ったため、予習のため読んでいた。

ロマノフ、ハプスブルクも読んできており、やっぱり中野さんの文章は読みやすいしとっつきやすい。

ちょうどパリでルーブル美術館に行く予定があったため、本書が大いに役立った。歴史を学ぶという意味でも、絵画が描かれた背景を知るという意味でも。
ルーブル...続きを読む美術館ではルーベンスの『マリー・ド・メディシスの生涯』を見ることができたし、なぜこの絵が描かれたのかという背景も事前知識として持っていたのが良かった。
また、『ナポレオンの戴冠式』はルーブル美術館にもあるがヴェルサイユ宮殿にもある。なんとどちらも本物のようだ。この細かさと大きさの絵を2枚も描いたということ…。

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Posted by ブクログ 2023年08月20日

ヨーロッパ、特にスペイン、フランス、イギリスの探求が止まりません。
ブルボン家=歴代ルイ(特に14世)による、“これぞ王族”のきらびやかな衣装、宮殿、逸話の数々。
ルーブルにヴェルサイユ、厚みのあるマントを羽織った肖像画。芸術の開花…
そこから生まれた物語「三銃士」「ヴェルサイユのばら」…
末路はと...続きを読むもかく、この足跡たるや!!

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Posted by ブクログ 2023年04月08日

中野京子さんの本を読むようになってから、絵画に描き込まれてる何気ない一つ一つがそれぞれ重要な意味や暗示をしているということに気付かされ、絵画ってこんなにお喋りなのねーと思えるようになった。絵画鑑賞の面白さを教えてくれた作者さん。なので彼女の出す本は大抵面白い。
絵画を深く見ようとすればするほど、歴史...続きを読むや宗教への理解は不可欠なのだが、ヨーロッパの歴史と宗教は非常に複雑で、なかなか覚えられない(覚えたそばから忘れていく笑)。本書もしっかりと巻頭の系譜を見ながら読んでいったけど、いかんせんヨーロッパ王室は同じような名前の人が男女ともに多くてこんがらがる。極端な話、アンリって名前をつけたいなら長男から順につけていけば良いのにそうじゃないし、国まで違うアンリも出てきて「あなたはどちらのアンリ様?」となる(笑)シャルルもそうだし、マリーもわんさか。これはひとえに私の勉強不足に尽きる。が、多少曖昧でも知りたいことをピンポイントに書いてくれるのがこの著者のすごいところ。特に逸話が多いので面白く、歴史上の人物がより身近に思える。そんなわけで今回も終始楽しく読めた。西洋史をちゃんと知ってたらもっと堪能できたかも。勉強しなおそうかな。

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Posted by ブクログ 2023年03月11日

ハプスブルク家、ロマノフ家、に続いて読んだ。相変わらず面白い。

P185
この時の新聞記事の変遷が、情けないやら可笑しいやらで、「怪物、流刑地を脱出」に始まり、「コルシカの狼、カンヌへ上陸」「王位簒奪者、グルノーブルへ入る」「専制皇帝ボナパルト、リヨンを占拠」「ナポレオン、フォンテーヌブローへ接近...続きを読む」、最後は「皇帝陛下、明日パリへご帰還」ときたものだ。

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Posted by ブクログ 2022年09月10日

貴族が自領を離れヴェルサイユへ引っ越すことを参勤交代に例えるなど、解説が分かりやすい。

それにしても、フランス革命時にルイ16世がパリ市民に被せられた帽子が古代ローマ時代の解放奴隷の帽子に由来していたとは。
事件のことも古代ローマの風習も知っていたが、この本でこれらが初めて結び付き「そういうことか...続きを読む!」 と膝を打った。
敵意を持った市民が国王に帽子を被せられるほど接近できるなんて絶体絶命であり、市民はもはや少しも国王を崇敬していないのだな。としか思っていなかった。
しかし市民が解放奴隷の帽子を国王に被せるということは、すなわち王権神授されたとされる国王を平民(市民)の手によりその身分(特権)から解放して(取り上げて)やるぞ。という皮肉が込められていたのではないだろうか。
国王の味わった屈辱感は相当なものだっただろうと新たに思った。

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Posted by ブクログ 2022年04月04日

面白かった。ハプスブルク、ロマノフ、イギリス王家の三冊とともにもう何周かすると理解がずっと深まるのだろう。まだまだだな。

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Posted by ブクログ 2021年10月17日

中野京子さんの語り口が絵画の人物を実在の人物に近づけてくれます。太陽王ルイ14世の肖像画はチャールズ一世の狩場の肖像画と同じ構図だけれども、解説の後に改めて見ると、隅々を意識したルイ14世のポージングが見てとれて、この時代、美脚は男性のものという事実も興味深く、この時代の男性貴族がカツラをつけてバレ...続きを読むエのレッスンを受けてた様を想像し、この人たちもかつて本当に生きて存在していたんだと不思議な実感を伴って絵を見ることができました。ポンパドール夫人が文句なしに美しい。

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Posted by ブクログ 2020年10月06日

ハプスブルク家に次いで、隣り合いいがみ合い、マリー・アントワネットによって繋がったフランス王家、ブルボン。
芸術の国の王家らしく、肖像画も、関わる革命の絵ですらも、残る絵画は美しい。
ハプスブルク家よりも短く、どうしても繋がりのある部分(特にルイ16世からナポレオン)に知っている部分は片寄ってしまっ...続きを読むていたが、かいつまんでではあるものの、他の時代を知れたので良かった。
王家の争いは、どうしてこうも卑しく、ときに愛に溢れ、人間的なのであろうか。

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Posted by ブクログ 2020年08月17日

面白かった!
このシリーズは面白くサクサク読めるのでオススメです。相変わらずの中野節。フランスって革命ばっかやってますね。「ここまでくると「革命」という言葉の濫用とすら思える」(笑)
ブルボン朝がどのように終わったのかは知りませんでした。『名画で読み解く ハプスブルク家12の物語』と両方読めばさらに...続きを読む面白いです。

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Posted by ブクログ 2020年03月05日

ハプスブルク家を読んだら必然的にこちらも読みたくなります。
いやー、複雑複雑。
ハプスブルク家にも出てきた人がこちらにも登場したり、ややこしいことこの上ない。
歴史が面白いのもさることながら、名画で読み解く、とのことで、全然絵のことに詳しくない私は「絵の中にこんなに色んな情報が盛り込まれてるんだ!」...続きを読むとそのことにも驚きました。
こういうの読んでから美術館に本物を見に行ったりすると、面白さが違うだろうな。
そして今、ものすごくベルばらが読みたい……。

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Posted by ブクログ 2020年02月24日

王様 王妃はいつまでも幸せには暮らせない、その暮らしが誰の手による物か、それを忘れてから王家の腐敗と人心との乖離が始まり、最後は滅亡

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Posted by ブクログ 2019年06月29日

はじめに
ブルボン家系図(抄)
前史
第1章 ルーベンス『マリーのマルセイユ上陸』
第2章 ヴァン・ダイク『狩り場のチャールズ一世』
第3章 ルーベンス『アンヌ・ドートリッシュ』
愛4章 リゴー『ルイ十四世』
第5章 ベラスケス『マリア・テレサ』
第6章 ヴァトー『ジェルサンの看板』
...続きを読む第7章 カンタン・ド・ラ・トゥール『ポンパドゥール』
第8章 グルーズ『フランクリン』
第9章 ユベール・ロベール『廃墟となったルーヴルのグランド・ギャラリー想像図』
第10章 ゴヤ『カルロス四世家族像』
第11章 ダヴィット『ナポレオンの戴冠式』
第12章 ドラクロワ『民衆を導く自由の女神』
主要参考文献
あとがき
年表(本書に関連した事項のみ)
画家プロフィール(生年順)

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Posted by ブクログ 2017年01月11日

ハプスブルク家のものと続けて読みました。中世から近代にかけてのヨーロッパ史を学ぶ上でキリスト教についてはある程度把握をしましたが、やはり様々な歴史書をよんで引っかかるのが家柄。今まで面倒くさくてほどほどにしていましたが、ちょっとスイッチが入ったので、ライトな者からでも手を付けていこうと本書を取りまし...続きを読むた。結果よかったです。何よりも文章が素晴らしい。それぞれのエピソードはあまり深くは語られないですが、人と人の関わりを大切にし、単純明快、豊かな日本語で語られています。ブルボンといえばルイ14世とベルサイユ宮殿の華やぎから、フランス革命のギロチンに消えたドラマチックなエピソードで有名ですが、知れば知るほど面白い。絡まり合った西洋の家柄を知っていく上での入門としておすすめです。

また著者の中野京子さんの絵画に対しての造詣が素晴らしく、そちらも好きな自分としては二重に美味しい一冊でした。じっくり読んでも3時間ほどで読み終わります。

17.1.9

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Posted by ブクログ 2014年02月01日

書かれている内容が面白くて素晴らしいのは勿論なんだが、この人の書く文章というか書き方が好きだ。時に辛辣、でも公平で客観的に感じる。歴史に触れるものを書くときにとても大事というか、そういう目で見て書かれたものでないと私は読めない。

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Posted by ブクログ 2013年06月09日

絵画、名画を通してフランスブルボン王朝について語られる本作は、姉妹作のハプスブルク家とは縦糸と横糸のように絡み合いながら結び付いている。
著者自身が書いてるように前作では項目にすらなっているスペインのカルロス4世が、本作では端役であったり、ヨーロッパ大陸の複雑な血縁外交関係が、透かして見える。
また...続きを読む、本作で扱われている絵画の多くはルーブル所蔵だが、同じ作者、ゴヤやルーベンスの作品は前作の作品が所蔵されるプラドでも見れるところも、敵であったり味方であったりしながらも、密接な関係があったことを窺わせてくれる。

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Posted by ブクログ 2012年05月24日

ハプスブルグ家に続く、名画で読み解くシリーズ第二弾。
家系図や年表も付録されており、
西洋史に詳しくなくても面白く読むことができる。

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Posted by ブクログ 2011年12月29日

中野京子さんらしい軽妙なテンポで読み進み、あっという間に読み終わる、軽〜い歴史案内。興味深い絵や写真がふんだんに配されているが、悲しいかな新書の紙面は絵画を鑑賞するには小さ過ぎた。虫眼鏡で細部を確認してしまった。それをしたくなる位の筆力が著者中野京子にはあると思う。
冒頭に示されているブルボン家系図...続きを読むが非常に見にくい。この家系図は12章を通して何度も確かめたくなるページなので、もう少し力を入れて制作して欲しかった。

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Posted by ブクログ 2011年12月15日

 16世紀のアンリ四世から,19世紀のルイ・フィリップ一世まで。フランスブルボン王朝の歴史を,名画とともにたどっていく。とてもテンポの良い文章でさくさく読める。
 ブルボン朝って徳川幕府と同じくらい続いたんだな。タイムラグがあって,ブルボンの方が20年くらい早いけど。ヴァロア朝のアンリ二世に嫁いだカ...続きを読むトリーヌ・ド・メディシスが産んだマルグリットが,フランスブルボン朝の開祖,アンリ四世に嫁いでいる。
 カトリーヌは,三人の息子が次々王位を継ぐのを見,続く王位争いでヴァロア朝の終焉を予感しつつ死ぬ。彼女の死後は娘婿のアンリ(四世)が,息子のアンリ(三世)を暗殺してヴァロア朝断絶。この争いにはもう一人のアンリ(ギョーム公)も参加していた。世に言う三アンリの戦いだ。
 三アンリの戦いは,宗教問題に発していたが,勝ったアンリ四世も,プロテスタントの押しつけは得策でないとしてカトリックに改宗。ナントの勅令を出し,30年続いたユグノー戦争が終結(1598年)。以後,フランスではブルボン朝が安定し,繁栄の礎が築かれた。
 最盛期は何と言ってもルイ十四世。在位期間は72年というからすごい。昭和天皇よりも長い…。でもその代わり,その間に王位継承者の息子と孫を亡くし,曾孫に王位が継承されることに。それがルイ十五世。
 太陽王ルイ十四世は,戦争好きで,あちこちで戦争していた。スペイン王家から嫁いできた妻マリア・テレサの持参金不払いのため,不問の約束だったスペイン王位の継承権を主張し,スペイン継承戦争の末,息子をスペイン王につけている(フェリペ五世)。これがスペインブルボン朝の始まり。
 こうしてスペインハプスブルグ家の断絶により生まれたスペインブルボン朝は,なんと現在まで続いている(フアン・カルロス一世)。ルイ十五世が身体頑健でなかったら,そこでブルボン家もスペインハプスブルグ家のように断絶していたかも知れない。ルイ十四世は幸運だった。
 著者の文章は少々の誇張があるにしても大変読みやすい。ルイ十五世の寵姫ポンパドゥール夫人の肖像を評したくだりを引用すると,「この絵の彼女は、寵姫になって十年ほどたつ三十四、五歳。ふつうなら容色の衰えや、ライバルになりそうな若い愛妾の存在に不安を覚えそうなものだが、王の心を完全に掌握している余裕が、ごく自然なリラックスした態度に表れている。表情は、まさに有能なキャリアウーマンのそれだ。このまま現代高層ビルのオフィスへ連れてきてパソコンの前に座らせても、なんら違和感はないだろう…美貌と才覚でのし上がる女性の典型といえる。」p.117
 フランスブルボン朝の終焉は,大革命で突然来たわけでもなく,共和制とナポレオン帝政の後には王政復古があった。1789年の革命で亡命していたルイ十六世の弟が1815年即位(ルイ十八世)。その死後そのまた弟が即位してシャルル十世に(1824年)。
 1830年の七月革命でシャルル十世は退位させられ,より民主的なルイ・フィリップ一世が即位。しかし彼もまた18年の在位で保守反動化してゆき,二月革命で追放されてようやく王政は終焉を迎える。
 もっともそのあとの共和制で大統領に選ばれたルイ・ナポレオンは,のちにクーデターで皇帝ナポレオン三世になる。ブルボン朝末期からのフランスは,政体が本当にくるくる変わってものすごい…。革命ってなかなかすんなりとはいかないよなあ。

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Posted by ブクログ 2011年05月14日

(No.11-33) 絵画解説本?

中野京子さんの名前は知っていましたが、私はあまり絵画に興味がないので今まで著作を読んだことがありませんでした。
でも面白いと評判が高くて興味がでてきたのでためしに一冊読んでみました。
すご~く、面白かった!
題名どおりブルボン王朝の盛衰を絵画を通してたどったもの...続きを読むです。

歴史の流れとしてはきちんと理解していないものの、断片的には知ってる名前がぞろぞろ出てきました。やっぱりフランスだからか。
絵も、そういえばこれは見たことがあるというのがたくさん。私は、どこで見たんだろうと不思議な気になりました。有名な絵だから、何かの写真で見ることもあったのでしょう。
絵にあまり関心がなくても、ルーベンス、ヴァン・ダイク、ベラスケス、ゴヤ、ドラクロワ、などいつの間にか頭に刷り込まれていたわ。
その絵を、中野さんの解説で改めて見直すと、へぇ~そういう意味がこめられているのか!など驚くことがたくさんありました。
こういう絵はもちろん注文があって描かれたわけで、そのいきさつの説明もあり面白かったです。

ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」にも驚かされました。
これはすごく覚えのある絵で、私は素直に真ん中の人は人間っぽいけど女神様だろうと思っていましたが、解説を読むと微妙に違うことが分かりました。
正確なタイトルは「民衆を導く〈自由〉」。あれ?自由の女神じゃない。彼女は人間っぽいけど実は〈自由〉さんだった。最近日本ではいろいろなものを擬人化したマンガが盛んだけど、すでにフランスでは擬人化〈自由〉さんが絵の中で旗を振っていたのでした。

とても面白かったので、他の本も読んでみようと思います。

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Posted by ブクログ 2011年05月09日

 中野さんの本は、
 絵とともに紡ぐ物語として秀逸。

 でも今回は、絵よりも、時代背景が分かってよかった。

 フランス革命から現代に至るまで。
 決して古すぎる歴史じゃないのだと思わされた。

 王立のアカデミーに反抗したマネに始まり印象主義の時代へ。
 
 その背景にあるフランス革命から普仏戦...続きを読む争、ナポレオンの時代を経てナポレオン3世へ。

 その歴史背景があってこそ、近代絵画に重みが生まれる。

 革新的な絵画技法に迫った先人たちの努力と反骨精神が、
 胸に迫ってきて、この本から見えてきた時代の裏側に感謝したいと思った。

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Posted by ブクログ 2011年04月01日

教養書というよりは、歴史読み物として秀逸。
美術史をかじった人間としては、著者の主観に偏った断定的な記述がしばしば見られるように感じる。そもそも著者は歴史の専門家であって、美術史家ではないので仕方ないのだけれど。
また、美術作品選択がバランス悪かったり、ややこじつけっぽいものが含まれていたりした。

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Posted by ブクログ 2021年09月14日

少し前に中野京子さんの『残酷な王と悲しみの王妃』を読んで、面白かったけど頭の中がこんがらがってしまった。

16世紀、17世紀のヨーロッパは国同士で政略結婚していて、王家と王家が親戚になっている。しかも同じような名前が連なり、ますます混乱する。高校生が世界史を避けたくなるのが、わかるような気がした。...続きを読む

本書はフランス、ブルボン王朝にスポットを当てていたので比較的わかりやすかった。
一つの時代を象徴する一枚の絵から物語を展開させるという掴みどころは良かった。

ルイ14世の時代はルイ14世その人、ルイ15世の時代はポンパドゥール伯爵夫人、そしてルイ16世の時代は当然マリー・アントワネット…と思ったら、意外にベンジャミン・フランクリンでした。

血統を重視しているようで、アントワネットはハプスブルク家のほうに書かれているようです。そうするとハプスブルク家のほうも読まなくちゃ。

ブルボン王朝の流れは概ね把握できたものの、フランス革命後の政局は二転三転する流れは、やはりわかりにくい。もう少し個人にスポットを当てた書物を読んで、しつこく勉強するしかなさそうだ。

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Posted by ブクログ 2021年09月11日

勉強になる

何しろ医者たちがこぞって(水中で毒素が体内に侵入すると主張)、誰が年に数回程度しか風呂に入らない。おまけに下着の洗濯の回数も極端に少なかったので、浴びるほど香水をふりかけねば体臭を消せない

先代からの赤字に加えてアメリカ独立戦争援助などで資金繰りに悩んだルイ16世が、特権階級への課税...続きを読むを目論んで頓挫したのは、貴族達が頑強に反対したためだ。それどころか彼らはこれをきっかけに逆襲し、王権を制限すべく三部会の召集を要請、16世に認めさせた。ところがここから案に相違して、貴族は主導権をブルジョワジーに奪われてしまう。
こうして貴族の反抗から出発した小さな雪だるまが、坂を転がるにつれ大ブルジョワジーに飲み込まれ、そこへ法律家や商人、自由業者といった小ブルジョワジーが加勢し、ついには凶作に飢えた庶民や農民までもが一緒くたになって膨れ上がり、雪崩と化して王政を葬り去ったのだ。

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Posted by ブクログ 2012年04月22日

わかりやすく簡単に書かれていてテンポよく話が展開していくため、読みやすい。
個人的には前作であるハプスブルク家の方が好きだった。

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Posted by ブクログ 2012年02月05日

絵ってすごい。
それぞれの絵に込められた意味がそれぞれ歴史をつくっていて。
まるで、本の挿絵のように思えた。

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