歴史・時代 - 講談社文庫作品一覧

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  • 髪追い 古道具屋 皆塵堂
    3.8
    遊び人の茂として、ふらふらしていた茂蔵も、巳之助の弟分におさまり、小間物屋・大黒屋で真面目に働いている。その茂蔵が花見の後、酔った勢いで祠の戸を開けて、紐で固く結ばれていた箱を開けてしまう。箱の中にあったのは女の長い髪。するすると伸びて、茂蔵の足に触れたとたん、大音響が響き渡った。逃げるように立ち去った茂蔵は、翌朝、帳場の観音像が真っ二つに割れているのを見つける。観音像が身代わりになってくれたのか。幽霊が見える太一郎によると、「封じ込めている」ものを茂蔵が開けてしまったらしい。祠の場所には昔、三十年前に焼け落ちた履物問屋備前屋の寮があった。今の主の徳五郎によると、先代はかなり悪辣で、借金漬けにして潰した下田屋から寮を強奪したらしい。下田屋の亭主は行方知れず、一人娘も病で失ったお此という不幸なおかみさんが失意の末に自害して、長い髪を残したというのだ。茂蔵が開けてしまったのは、備前屋が封印したお此の髪だった。この世に怨みを残すお此を太一郎や茂蔵は救えるのか? 人気シリーズ第九弾!
  • 上方与力江戸暦
    -
    大坂から来た豪快侍の痛快捕物! 北町奉行所に大坂から赴任した内与力、淀川新十郎。もっさりした風貌と陽気な語り口だが、捕物は型破りで豪腕。贋金の探索の果て、対峙したのは上方以来の因縁の相手だった。書下ろし時代小説、新シリーズ開始。(講談社文庫)
  • 神々の賭け
    -
    尾張藩主・宗春は、前藩主・継友が紀州藩主・吉宗と熾烈な将軍位争いを演じた過去をふまえて、ことごとく吉宗と対抗する政策をとった。「将軍家の息女を奪え!」という未曽有の密命が、尾張藩土居下同心にくだった。岡崎一平太は単身江戸城に侵入し、息女・桜姫を拉致しようとした。土居下同心と御庭番の息づまる死闘!
  • からくり乱れ蝶
    3.0
    幕末、甲斐の侠客・竹居の吃安の娘お冴えは売り出し中の若親分・黒駒の勝蔵と愛しあうが、吃安が獄死し一家は離散する。女壺振りに身を変えたお冴えは、清水の次郎長と抗争を続ける勝蔵を助けるため次郎長に近づくが、逆に惚れ込まれて後添いに……。二代目お蝶の短くも鮮烈な生き様を描く傑作時代小説。
  • からす組
    4.0
    薩摩・長州・筑前を護衛に従えて、新政権の奥羽鎮撫総督が仙台に派遣され、会津討滅が命じられた。62万石の雄藩は混乱し、親政権派、親会津派に藩論は二分された。士道に生きる仙台藩士として、細谷十太夫は立ち上がったが……。奥羽越列藩同盟と新政権との死闘と、豪気な指導者像を鮮烈に描く、傑作長編。転換期の鮮烈な指導者像。魔風の如く暗夜に馳ける、男の意気を描く!
  • 妻敵討ち 鴉道場日月抄
    -
    江戸・小石川の貧乏剣術道場、柳花館で病に倒れた道場主の代わりを務める師範代・高森弦十郎。門弟とその姉が胡乱な浪人に付け狙われていることを知った弦十郎は二人を匿うが、裏には意外な事情が隠されていた。表題作ほか、世の不条理、時代の波に翻弄される人情の機微を描く、書き下ろし時代小説連作集。
  • からたちの記 女剣士道場日誌
    5.0
    雪深い東北の小藩・志津野藩の剣術指南役に嫁いだ女・里絵。江戸育ちの目に映る美しい山河の陰にも、御家騒動の芽はあった。世継ぎ争い、公儀の介入……。家中2派に分かれた抗争の渦中に巻きこまれた夫と舅に仕えつつ、彼女は技を磨く。あたたかい心と確かな眼を得た女剣客の成長を描く清冽なロマン。<「女剣」改題作品>
  • 空っ風
    3.0
    5尺そこそこの体に3尺余の長脇差。抜群の喧嘩度胸と居合抜の腕で「清水一家の狂犬」と恐れられる小政こと音五郎。すさんだ心の傷を埋めるのは、幼なじみ・てるへの想い。だが、そのために大喧嘩に間に合わなかった小政は、一家の中で孤立してゆく。時代に牙をむく男の生涯を描く、新世代股旅物の傑作。(講談社文庫)
  • 雁金屋草紙
    -
    慕情を胸に異才尾形光琳を見つめる女の心裡。奈津が雁金屋の次男と出会ったのは光琳八歳、奈津十歳のときだった。早くも逸材の片鱗を見せる光琳に奈津は胸をときめかすが、それは果たせぬ恋の始まりだった。(講談社文庫)
  • 彼も人の子 ナポレオン
    3.0
    世界史の上で、最も強烈な光を放った男、ナポレオン。勇敢さと人並み外れた集中力で、仏皇帝の座に就いた彼もまた人の子であった。幼児性を残し、自己正当化の果てに破滅していく生涯。少年兵の体験を持つ著者が、矛盾する大号令を臆面もなくかけ続けた男の素顔に、現地取材して迫る。(講談社文庫)
  • 観音妖女 十時半睡事件帖
    3.0
    泰平の世では、武士の生活もたるみ勝ち。そこで、隠居した老人たちが結集して、息子や嫁に活を入れる相談をすることにした。だが、その寄合いの中味は、老人の愚痴と嘆声ばかり。ところが、ひとりだけ型破りな老人が現われて……。黒田藩の総目付、十時半睡が珍事難事を巧みに裁く、連作シリーズ第2集。NHKでドラマ化もされた名作。武士の悩みは、サラリーマンの悩みと変わらない!
  • 凱歌の後
    3.3
    宿敵・項羽を滅ぼし、戦国の乱世を征して、漢王朝を開いた男、劉邦。天下をとった彼が、真っ先に考えたのは、漢建国に力を尽くした功臣たちを抹殺することだった。謀反を恐れ、血の粛清を行ったのである。劉邦が子を産ませた姫妾たちは、寵愛を得るためしのぎを削る。劉邦と、彼を取り巻く9人の運命を描く(講談社文庫)。
  • 嶽神(上) 白銀渡り
    4.0
    山の者の集団から追放されて<ひとり渡り>をする多十に、滅亡目前の武田唯一の嫡流・若千代の幼い命が託された。莫大な武田の御遺金(ごいきん)のありかを探るべく遣わされた真田、伊賀の忍者集団と、圧倒的な劣勢の中で血みどろの死闘を繰り広げる多十たち。知る人ぞ知る戦国忍者活劇のあの大傑作が、待望の文庫化!
  • 嶽神伝 無坂(上)
    4.3
    実父・信虎を追放した武田信玄が目論む諏訪攻略の前夜。山に暮らす木暮衆の無坂は、のちに勝頼の生母となる幼い姫の命を救う。血で血を洗う乱世の中、流浪を宿命とする山の民も否応なく政争に巻き込まれ、集落同士が生き残りをかけ死闘を繰り広げる。熱狂的ファンを生んだ『嶽神』が甦る!<文庫書下ろし>
  • 嶽神伝 孤猿(上)
    4.3
    深い森の奥に子供を売り買いする「ひと市」が立つ。集落が生き残る術として――。甲斐の虎と越後の龍の一触即発前夜、隠居館で暮らす信虎の息子が攫われた。七歳の太郎の行方を追って、武田・長尾・今川・北条、それぞれの欲と思惑のため忍びが暗躍、無坂ら山の者は義と情のため戦い抜く。<文庫書下ろし>
  • 嶽神列伝 逆渡り
    5.0
    あの山桜の下で妻の墓を守りながら最期の時を迎えよう。構ってやれなかった償いとして――。武田・上杉が熾烈な戦いを繰り広げる上信越。<老渡り>月草は殺戮の山野に独り、妻との約束の地へ向かう。待ち受けるのは思いがけない善意と信じ難い我欲。大人気「嶽神」シリーズ中、屈指の感動作。『逆渡り』改題。
  • 嶽神伝 鬼哭(上)
    4.5
    家臣同士の領地争いに怒った越後の長尾景虎は、出奔し、山の者の許へ身を寄せる。景虎の命を狙い、武田最凶の忍びたち、さらに北条の風魔が動き出す。無坂らは景虎の命を守るべく、死闘に身を投ずる。驚天動地の争いの中、南稜七ツ家が現れる。ファン待望のシリーズ第3弾、開幕!
  • 嶽神伝 血路
    4.3
    武田晴信(後の武田信玄)は芦田氏の龍神岳城を武田の陣営としようと画策していた。甲斐から諏訪に出るには龍神岳城を通らなければならないのであった。山の者「七ツ家」と武田の最凶暗殺殺人集団「かまきり」との死闘をが始まった。
  • 嶽神伝 死地
    5.0
    山の民〈南稜七ツ家〉の二ツは、秀吉軍に敗色濃厚な柴田勝家より、御方様を城より無事助けるよう、依頼を受けた。それは、二ツと秀吉を守る森の民・錣一族及び謎の老婆久米との、長く壮絶な戦いの幕開けであった。「荒唐にして無稽、しかしながら息もつがせぬ興奮の連続、こは山田風太郎奇跡の復活か」と、浅田次郎氏絶賛の、戦国の闇を舞台に縦横無尽にくり拡げられる長篇時代小説の傑作。
  • ガダルカナル戦記(一)
    4.0
    あの戦争において、なぜ日本は敗れたのか。戦闘の実相のみならず、日本軍が抱えた宿命ともいえる精神構造を、生き残った将兵の肉声をもとに解明した傑作戦記。第一巻は、米軍による本格反攻の幕開けとなったガダルカナル島急襲から、奪還のため急派された陸軍の精鋭一木支隊を待ち受けた悲劇までを描く。第2回(1980年)講談社ノンフィクション賞受賞作。
  • 北の黙示録(上)
    -
    伊達政宗が150年前に抱いた、奥州独立の理想と野望。その実現に、伊達を盟主として南部・津軽・上杉・佐竹・二本松の6藩が起った。時は寛政4年、北海道根室にロシアの軍船・エカテリーナ号が寄港した。伊達藩は密かに使者を送り、貿易による経済力の強化、ライフル銃の大量輸入、六藩同盟の確立を急いだ。
  • 鬼弾 鹿王丸、翔ぶ
    3.7
    戦国の争乱で荒廃した京の町に、近江の六角(ろっかく)氏が攻めこんだ。しかし鎮撫(ちんぶ)のため町中を見回る六角勢の馬上の武士が次々と鉄砲で撃ち落とされる。標的を無慈悲に倒していくのは一匹狼の凄腕鉄砲撃ち。困り果てた六角氏は甲賀者・伴与七郎に謎の暗殺者の始末を命じた。見えない敵を探す闘いの火ぶたが切られた。(講談社文庫)
  • キャパになれなかったカメラマン ベトナム戦争の語り部たち<上>
    -
    生き生きと躍動していた仲間の記者、カメラマンたちが、突然骸(むくろ)になる。沢田教一、一ノ瀬泰造、盟友テリー・クー……。戦場という極限状況の中で、出会い、競い、励まし合いながら成長した若者たち。戦争の真の姿を伝えようとした、著者と仲間たちの、血と涙の従軍記。第40回大宅荘一ノンフィクション賞受賞作。 (講談社文庫)
  • 侠骨記 〈新装版〉
    3.0
    直木賞作家の名篇! 中国古代ロマンの香気――。 胸のすく逆転劇の表題作をはじめ、名帝舜の青春や百里奚の激情を描く、全4篇の傑作集。
  • 京都花暦 直参松前八兵衛
    -
    京都町奉行となった松前八兵衛を待ち受けていたのは、与力による懐柔の罠だった。事なかれの怠惰な役人の背後には幕府の威信を失墜させる陰謀が。不可解な金公事と心中事件を探索するうちに見えてきた真相とは? 北条方の間者を率いて、八兵衛は古都に巣くう深い闇をあぶりだして行く。〈文庫書下ろし〉
  • 清正を破った男
    4.0
    戦国時代末期、九州では島津勢が猛威を振るっていた。肥後の一豪族・木山弾正の居城にも島津の大軍が押し寄せる。城を枕に討ち死にか、それとも軍門に下ってしまうか。だが弾正は決意する。選んだ道は、敵の包囲網を突破して、義兄のいる天草へ落ち延びることだった。無事脱出に成功した弾正だが、時代はさらに変転する。弾正は九州の新たな支配者、太閤秀吉の奮う権勢にどう対峙するのか? 傑作戦国時代小説。
  • 戯史三國志 我が糸は誰を操る
    4.0
    董卓(とうたく)に想い人を奪われた若き日の陳宮。己の無力に打ちひしがれていた時「俺の臣になれ」と言う男・曹操が現れ、彼の人生を変えた。名将に重用されながら、呂布(りょふ)に寝返った謀将。その愚行の裏には知られざる熱い友情と真心の物語があった。「小説現代長編新人賞」奨励賞受賞作。(講談社文庫)
  • 銀閣建立
    3.7
    室町末期、応仁の乱で疲弊した京。5年ぶりに都へ呼び戻された番匠・橘三郎右衛門は、公方御大工の父から、足利義政が隠居所として東山に山荘をつくることを聞かされる。同業者たちとの駆け引きや、口うるさい上様の注文をしのぎつつ、棟梁として技の限りを注いだ、三郎右衛門の最上級の建物を造る闘いが始まった。(講談社文庫)
  • 消えた狐丸 公家武者 信平(一)
    4.0
    公家大名として知られる実在の人物・松平信平の物語。公家から武家となった信平が、幕府転覆を目論む強敵を秘剣・狐丸で倒してから三年、愛妻・松姫、愛息・福千代との平穏な生活を送っていた信平だったが、命を狙われた松姫の心の傷は未だ癒えない。しかし、剣客を狙う辻斬りが出没していると聞いた信平の心に正義感が蘇る。封印した愛刀がついに鞘から抜かれるのか? 大人気・公家武者新シリーズ、講談社文庫より見参!
  • 門前仲町 九頭竜覚山 浮世綴(一)
    -
    雲州松江の粋人大名松平治郷の気まぐれで、学問一辺倒だった九頭竜覚山は、花街門前仲町に仮寓することになった。この堅物兵学者に、深川一の売れっ子芸者米吉が惚れたのだから、わからない。料理茶屋万松亭の主長兵衛に、覚山は通りの用心棒をたのまれる。ある夜、料理茶屋青柳でひとりの深川芸者が殺された。定町廻りの喜平次と謎を追うことになった覚山だが!? 剣難、女難、深川人情新シリーズ、開幕!
  • 大店の暖簾 下り酒一番(一)
    3.5
    霊岸島にある酒問屋武蔵屋は、上方からの高級酒下り酒を扱う大店だ。だが商才のあった主の市郎兵衛が亡くなり四年、武蔵屋の商いは火の車になっていた。市郎兵衛の妾腹三男の卯吉は、主にはなれない。そりの合わぬ長兄の市太郎や義母のお丹に冷たく当たられながらも、心通う者たちと店の切り回しに奔走する日々。新酒番船で一番となった銘酒灘桜の新酒が千樽届くことになっていたが、春の嵐に遭ったという報に武蔵屋一同青ざめる。
  • 首一万両
    -
    面子を捨てて利のみを求めて生きる、したたかな商人上りの侍。毒と知りつつ、あえて江戸友禅の秘法に挑む職人。幕府の禁令に抗して、嫌いな家業を継ぐ張形師。若気の至りが、思いがけない人生を招く浮世絵の絵師と彫り師。……意地と工夫で日々の暮しをしのいでいく、江戸の庶民たちを描く、傑作時代小説集。
  • 首斬り浅右衛門 あるいは憑かれた人々の物語
    3.0
    身悶えし命乞いをする女を、美しいと思った。初めて己れの生業を、嫌悪した。泰平の世に人を斬る業を、極め続けなければならない、山田浅右衛門。その家系も、6代目に至り、烈しい気象が息んだ。ただ一首、斬り損じた女の怨霊に翻弄される、浅右衛門の最後を描く、という表題作。ほかに「殺生関白」「座頭国市」など、エロティシズム溢れる、異形の8編。
  • 雲を斬る
    -
    父の仇を江戸の町に追う由比三四郎は、ある日、女郎屋に売られる娘おさとを助けた。しかし人買いの恨みを買い、首に五十両の賞金をかけられてしまう。次々と挑んでくる刺客、盟友の僧・快延、鳥舟で空を飛ぼうとする若者、妙に人なつっこい人買い―-。多彩な人間模様の中から、やがて仇討ち相手が見え隠れし始める。(講談社文庫)
  • 狂い咲き正宗 刀剣商ちょうじ屋光三郎
    3.4
    命をやりとりする刀に魅せられた光三郎。駆け引きたっぷりの裏世界、町人たちの人情、心意気を直木賞作家が描く。幼いころから、刀がもつ摩訶不思議な美しさに憑かれてきた光三郎。将軍家の刀管理を司る御腰物奉行の長男に生まれながら、名刀・正宗を巡って父・勝義と大喧嘩をし、刀剣商に婿入りする。ある日、絶縁したはずの父が弱り果てて訪ねてくるが……。親子、夫婦、師弟の人情をじっくり描く時代小説。(講談社文庫)
  • 軍師 官兵衛(上)
    3.5
    謀将・黒田官兵衛は秀吉に賭けた!! あふれんばかりの知謀を持つ男は、田舎大名の家臣に甘んじはしない。――播磨の田舎大名の家臣にすぎなかった男・黒田官兵衛。天下布武をめざす織田信長の下に伺候(しこう)した彼は、二人の類まれな大名に出会う。一人は誇り高き武人・荒木村重、もう一人は才気あふれる苦労人・羽柴秀吉。官兵衛はみずからの運命を切り拓くべく、秀吉のためにその脳髄を絞りつくす……。<上下巻・『乱世が好き』改題作品>
  • 軍師の挑戦 上田秀人初期作品集
    4.1
    桶狭間、忠臣蔵、桜田門……歴史を変えた事件にひそむ謎を大胆に解き明かしていく。推理する歴史探偵もまた、後世の歴史上の人物がつとめる。興趣あふれる厳選八編。
  • 啓順凶状旅
    3.7
    江戸の町医者の内弟子だった啓順は、師匠にたてつき破門。博奕場に出入りするようになったころ、浄瑠璃語りの娘と男が殺される。殺された男の父親、江戸の顔役・聖天松と悶着があった啓順に殺しの疑いがかかってしまう。聖天松の追っ手から逃れつつ、疑いを晴らすべく、真犯人を探す義理と人情の時代小説。(講談社文庫)
  • 今朝太郎渡世旅
    -
    奥州の片田舎の上杉藩関村で、水呑百姓として一生を終わるはずだった今朝市は、江戸の商人・信吉のために渡世人・今朝太郎となって、裏街道を歩くことになる。同行するは、デブで醜女だが気立てのよい初体験の相手である飯盛女・おさん、体力も意気地もないイカサマ博奕師の壺振り仙八。奥州街道を江戸へ向って世をはばかる逃避行をする3人の、おもしろおかしい裏街道の道行を描く。奇妙な偶然に翻弄される、快心の異色股旅ユーモア小説。
  • 決戦!賤ヶ岳
    3.7
    ますます進化を続ける「決戦!」シリーズ。今回の舞台は豊臣秀吉の天下を決定づけた、もう一つの天下分け目である「賤ヶ岳の戦い」。そして、描かれるのは「賤ヶ岳の七本槍」として名高い、加藤清正、福島正則、片桐且元ら七人の武将。新進気鋭の若手歴史小説家たちが、若武者たちの戦いと、その後の人生を活写する!
  • 決戦!関ヶ原
    3.8
    当代きっての作家たち、ガチンコ競作シリーズ!慶長五年九月十五日、霧立ちこめる地に戦国時代の終焉を告げる運命を背負った男たちが集結した。天下分け目の大戦「関ヶ原の戦い」。徳川家康率いる「東軍」圧勝の理由、石田三成率いる「西軍」敗北の契機、そして両軍の運命を握る男。七人の作家が七人の武将の視点で描く競作長編「決戦!」シリーズ初陣。刊行当初から話題沸騰!業界初の立体的(3D)な競作長編!
  • 決戦!大坂城
    3.6
    慶長二十年五月(1615年6月)。豊臣秀吉が築いた天下の名城・大坂城を舞台に、戦国時代最後の大合戦がはじまろうとしていた。乱世に終止符は打たれるのか、敗北は即ち滅亡……。7人の人気作家が、戦国最終決戦「大坂の陣」に参陣。累計16万部突破の大好評「決戦!」シリーズ第2弾!
  • 決戦!本能寺
    3.8
    天正十年六月二日(1958年6月21日)──戦国時代でいちばん長い夜だった。すなわち本能寺の変。天下人目前の信長を、討った男と守った男。野心と業にまみれた男たちのそれぞれの生きざまとは……。歴史の流れを変えた「瞬間」に、名手7人が集結。累計18万部突破の大好評「決戦!」シリーズ第3弾!
  • 決戦!川中島
    4.0
    永禄四年九月十日(1561年10月18日)──史上最強同士の激突の瞬間に、武田信玄は、上杉謙信は、何を思ったのか。霧立ちこめる北信濃の要衝で、竜虎が激突する。稀に見る上級の駆け引き。従った武将たちの本心は!……戦国最強対決の「瞬間」に、7人の作家が参戦。累計19万部突破の大好評「決戦!シリーズ」第4弾!
  • 決戦!桶狭間
    3.8
    永禄三年五月十九日(1560年6月12日)。「海道一の弓取り」こと今川義元が、天下に号令せんと東進を開始。織田信長の所領・尾張に大軍が侵入したところでそれは起こった。丘陵地帯の地勢と豪雨を味方につけた、乾坤一擲の奇襲。三国の太守が寡兵による一撃で落命したしたのだ。「群雄割拠」から「天下布武」へ。戦国時代の流れを変えたこの変事は、本当に奇跡だったのか、それとも必然か!……戦国最大の逆転劇を、七つの視点で描く。累計21万部突破の大好評「決戦!シリーズ」第5弾!冲方丁(織田信長)砂原浩太朗(前田利家)矢野隆(毛利新介)富樫林太郎(徳川家康)宮本昌孝(今川氏真)木下昌輝(岡部元信)花村萬月(今川義元)
  • 決戦!新選組
    3.7
    葉室麟が、門井慶喜が、土橋章宏が「新選組」を描く! 累計28万部を突破し、ますます進化を続ける「決戦!」シリーズ。 戦国時代の著名な戦場を舞台にすることが多かった「決戦!」シリーズだが、今回の舞台は初の幕末。 「新選組」の活躍と悲哀を、当代きっての人気作家が描き出す。
  • 決戦!忠臣蔵
    4.5
    三百有余年、日本人が愛し涙を流し続けた続けた歴史物語『忠臣蔵』。多くの文学賞を受賞している歴史小説界の至宝とも言うべき作家たちが、日本最大の歴史サーガに挑む。傑作アンソロジーが待望の文庫化。
  • 決闘の辻
    4.3
    死を賭して得た剣名、生を捨てて得た剣技、何人にも負けるわけにはいかない――。宮本武蔵の最後の戦い、神子上典膳の師の後継を争う決闘。柳生但馬守宗矩の野心のための斬り合い。諸岡一羽斎、愛洲移香斎など、歴史に名を残す名剣客の決闘シーンを、剣の一振り、刃光の閃きまでもリアルに描く剣客小説。
  • 喧嘩猿
    3.0
    生きて、死ぬだけ。幕末アウトロー揃い踏み! 時は幕末。十六歳の捨吉は名刀・池田鬼神丸と自分の左眼を奪った「黒駒の勝蔵」を追って故郷を飛び出す。千に一つの島破りを成功させた伝説のやくざ「武居の吃安」と出会った彼は、やがて凄絶なる戦いの渦に巻き込まれてゆく。「森の石松」が次郎長の子分となる前の若き姿を描くアウトロー講談小説登場!※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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  • 剣客瓦版つれづれ日誌
    -
    藩を二分する暗闘に巻き込まれ、斬殺された妻の志保が最後に残した言葉「え……ど」に導かれ、弓削玄之助は江戸をめざした。瓦版屋に身を寄せて事件の原稿を書きながら、妻の死の真相を探る玄之助のもとに、国元から次々と謎の刺客が送り込まれる。秘剣「鍔落(つばおと)し」が冴え渡り、命がけの戦いの果て、玄之助が掴んだ真実とは。
  • 賢帝と逆臣と 康熙帝と三藩の乱
    4.0
    史上最高の名君にして政(まつりごと)の俊才の英知と決断! 北京に都して二十年足らず、後の大清帝国も未だ国定まらずであった時代。聡明な康熙帝は巧みに宮廷を掌握した後、国土南方に独立国家の如く存在する三つの藩廃止を決める。その最大の実力者、呉三桂は叛き大乱が始まる。若き皇帝と年老いた梟雄の心中に去来するものは? 清朝繁栄初期を見事に描く中国歴史小説。
  • 剣法一羽流
    3.0
    諸流派が日本各地に盛名を競った天正年間、常陸の剣客諸岡一羽斎の、剣の理法と謎の秘伝書は、3人の高弟たちを翻弄する。力と技では及ばない、「剣の心」を渇望する剣士たちの死闘を描く表題作他、人斬りに失敗した刺客、秘命に斃(たお)れた隠密、悪名高い復員兵等、男の人生の風雪を鮮烈に描く、初期傑作短編集。
  • 建礼門院右京大夫
    -
    今をときめく平家の若武者・資盛との運命的な出会い。芸術に生きんとする隆信との恋。二人の恋人の間で、女として成長していく右京大夫。しかし時は移り、平家滅亡という無惨な現実が彼女を待ちうけていた。……恋に生き歌に生きた建礼門院右京大夫の生涯を、歴史の巨大な波に翻弄される女の運命として描く、力作長篇。
  • 月下におくる(上) 沖田総司青春録
    4.0
    嘉永六年、父を亡くした沖田宗次郎は、試衛館の内弟子となる。並外れた才で頭角を現した宗次郎が道場破りを一手に引き受けるようになる頃、相次いで少年殺しが横行する。魔の手は宗次郎の知己・藤吉にも及ぶ。道場でいくら強くても、友の仇一つとれない……。葛藤は宗次郎の青春に影をおとす。十九歳になった宗次郎は名を総司と変える。尊王攘夷の思想が時代を動かす中、試衛館の面々は浪士隊として京を目指す転機を迎える。
  • 源氏九郎颯爽記
    -
    純白の羽二重の着流しで、紋は真紅の水おもだか、帯も純白なら、刀も脇差も白柄白鞘の、孤影の剣士・源氏九郎は、源義経の後裔……。義経が鞍馬山の化生者から授けられたという火焔水煙の雌雄剣に秘められた家康の財宝をめぐって、火焔は水をよび、水煙は火をもとめ、源氏九郎の秘剣揚羽蝶が華麗に舞う、長篇時代小説。
  • 元末群像異史 紅嵐記(上)
    -
    フビライ・ハーンの近衛兵を祖父にもつバヤン家のサカルは、騎馬にも狩りにも興味がない。料理人を志して出奔した彼は、荒くれ者だが人を惹きつける青年、張士誠(ちょうしせい)と出会う。その時代、皇帝を凌ぐ権力者バヤンは漢人を徹底的に弾圧し、危うい空気が世を覆っていた……。動乱期の元末を舞台に描く長編歴史小説。
  • 元禄歳時記(上)
    -
    オカラ先生の異名をとる貧乏学者・新井勘解由(白石)は、ふとした縁で姿をやつして江戸市中を微行する甲府宰相・綱豊(後の六代将軍・家宣)と友情を結ぶ。綱豊には、彼を憎む現将軍・綱吉の刺客が差しむけられ、勘解由も事件の渦中へ……。元禄期の世相を背景に、二人の青年の波乱万丈の青春を描いた、長編時代小説。
  • 恋に散りぬ
    -
    軽輩武家の貧しさの中で、幼い後継ぎの養育に辛酸を嘗めた賢夫人が、気立てのよい嫁の離縁を当主に強要する不可解を描いた「紅梅」、家格の低い家から嫁いだ女の、絶え間ない気苦労と夫への不信に揺れる哀切を描く「菖蒲」……など、四季の花の風情に擬えて、命の瀬戸際に愛をつらぬく、凛とした武家の女たちを描く、傑作短編集。
  • 項羽を殺した男
    -
    中国史上屈指の英雄の鮮やかな肖像――帝王ならざるも、司馬遷をして本紀の一に入らしめた一代の英雄である、楚の項羽。秦末漢初を彗星の如く駆け抜けたこの覇王に魅きつけられ、愛し、憎んだ、男と女がいた。鴻門の会、垓下の戦いなど、中国史屈指の名場面を彩る、劉邦、范増、虞美人らと織りなす人間ドラマから、運命に敢然と抗した男の顔が浮かびあがる。
  • 公子曹植の恋
    3.3
    三国志の英傑・曹操の公子曹植が13歳で出会った人は、兄の妻となる人だった。義姉への叶わぬ恋を詠んだ詩篇は都の文壇で噂となる。その妃の死後、兄である皇帝の非情な仕打ちに不遇の時を過ごしながらも詩作に打ちこみ変わらぬ想いを抱いた。秘めねばならぬ愛を貫いた詩人の生涯を清新に描く中国純愛ロマン。
  • 公子風狂 三国志外伝 曹操をめぐる六つの短篇
    3.6
    もうひとつの三国志。曹操はこんな男だ! ──希代の姦雄、魏の曹操。その凄まじいエネルギーは、周囲の男女の人生をいやおうなしに巻きこんだ。父の身代わりとなって悲運の死をとげる長男・曹昂(そうこう)や、夫にけっして心を許さなかった丁夫人、そして父になりかわって漢王朝から帝位を奪った曹丕(そうひ)の心の闇など、英雄に接したがゆえの悲劇をえがく傑作6篇!
  • 皇妃エリザベート
    4.1
    「バイエルンの薔薇」と呼ばれ、ハプスブルク家六百有余年の歴史上最も美しいといわれた皇妃エリザベート。激動の時代、彼女は嫉妬と羨望のなか、皇室の因習に抗い自由奔放に生きた。没後百年を経てもオーストリアの人々の心を捉えてはなさない"シシィ"エリザベートの波瀾万丈の人生をいきいきと描いた決定版!
  • 光武帝(上)
    3.3
    紀元九年、安漢公・王莽が前漢を乗っ取り新帝国を建てる。だが儒教原理主義的な政策は民衆の反発を呼び、「赤眉の乱」が発生。漢帝室の血を引く豪族・南陽劉氏の御曹司劉秀も武張った兄劉演たちとともに否応無く反乱に巻き込まれてゆく。後漢帝国の創始者、光武帝劉秀の活躍を描く、新感覚の中国歴史巨編。
  • 孔明の艦隊(1)
    -
    「余は諸葛孔明である。現代の魏、アメリカを討つため、我が知恵を貸す」ミッドウェー海戦で大敗北を喫した連合艦隊司令長官・山本五十六は、失意の底で幽鬼のごとき声を聞く。別人のごとく変化した長官は全艦反転を命じ、アメリカ太平洋艦隊を叩く! 歴史の熱きロマンを描く究極のシミュレーション戦記。(講談社文庫)
  • 虚空を風が吹く
    -
    江戸、芝居町の雀はおもしろ尽に囁きあった。「妾のたたりだぜ。きっと」……おたふく半四郎、目千両と人気の女形(おやま)四世岩井半四郎の怪死に始まる、大和屋を次々襲う、おぞましくも奇怪な事件……。舞台の花の陰にうごめく女と男の愛憎をミステリアスに捉えた標題作ほか、「かえる役者」「祇園ぎつね」「団十郎の死」「手前味噌」。歌舞伎界の裏を縦横無尽に描いた役者小説集。
  • 孤愁の岸(上)
    3.8
    財政難に喘ぐ薩摩藩に突如濃尾三川治水の幕命が下る。露骨な外様潰しの策謀と知りつつ、平田靭負ら薩摩藩士は遥か濃尾の地に赴いた。利に走る商人、自村のエゴに狂奔する百姓、腐敗しきった公儀役人らを相手に、お手伝い方の勝算なき戦いが始まった……。史上名高い宝暦大治水をグローバルに描く傑作長編。
  • 骨董屋征次郎京暦
    3.7
    京の八坂下、夢見坂の骨董屋「遊壺堂」を営む柚木征次郎。御一新の世の中で移ろう世間の価値観に抗って、日本古来の文物を守ろうと西洋化の波と対峙する。骨董をただの“もの”として西洋に売りさばこうとする輩と文化の価値を信ずるものとの戦いは、自ずと過酷なものとなっていくのだが……。前作品集『骨董屋征次郎手控』につづく、骨董屋シリーズ第二弾にあたる傑作時代短編小説集。(講談社文庫)
  • 骨董屋征次郎手控
    3.5
    幕末動乱の京都で小さな骨董屋を営む征次郎には2つの裏の顔があった。世間に出せないいわくつきの品物を取引する“六道(ろくどう)闇ノ市”の一員であること。長尾流体術、鞍馬楊心流(ようしんりゅう)剣術を修めた武士の身分を捨てたこと。闇の骨董鑑定人・征次郎が、魔道に巣くう贋作(がんさく)師に立ち向かい、時代を揺るがす難事件に挑む!(講談社文庫)
  • 子づれ兵法者
    -
    剛剣が唸り小太刀が舞う、武士の世界。我が子の命を賭け真剣で勝負を挑んだ兵法者と、その男を愛してしまった道場主の娘を描いた表題作をはじめとする7編の時代小説短編集。自らも剣の達人である筆者が洞察力鋭く、緊迫した立ち合いの瞬間を描く。ドゥ・マゴ文学賞に輝いた『黄落』に続く佐江作品の傑作。
  • 殺しの掟
    3.8
    江戸の暗黒街。昼間は実直な職人や清貧の剣客が、夜闇の中では金ずくで人を殺める殺し屋に変貌する。法の裁きの及ばぬ悪を闇から闇へ葬る裏稼業の男たちの非情さと日常に立ち戻った瞬間ふと見せる人間味を、練達の筆致で描く著者十八番の暗黒小説集。人気シリーズ“仕掛人・梅安”の原型をなす傑作9編を収録。
  • 呉越春秋 湖底の城 一
    値引きあり
    3.9
    春秋時代末期の揚子江流域で覇権を争う呉と越。越王勾践に覇を唱えさせた名将・范蠡(はんれい)の類稀な生涯を壮大なスケールで描く。春秋時代後期に覇権を争う、楚、呉、越。楚の人、伍子胥は堂々たる体躯で将来を嘱望される青年。伍子胥は、呉との国境近くの邑・棠を治める兄・伍尚を助けるため船に乗り、江水を往く。「人材こそ国と家の宝だ」伍子胥は、地位や身分を越えてさまざまな人と出会い、歩むべき道を探る。(講談社文庫)
  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)
    4.0
    江戸小伝馬町の牢獄に勤める青年医師・立花登。居候先の叔父の家で口うるさい叔母と驕慢な娘にこき使われている登は、島送りの船を待つ囚人からの頼みに耳を貸したことから、思わぬ危機に陥った――。起倒流柔術の妙技とあざやかな推理で、獄舎に持ちこまれるさまざまな事件を解く。著者の代表的時代連作集。
  • 後家長屋 町之介慕情
    5.0
    故あって武士を捨て、貸本屋となった町之介。なれない商売にとまどう町之介だったが、豪商・鴻池の女中頭を務めるお照や塗物屋の若ご寮人・お糸、薬種問屋の下女・お滝など、奔放に性を謳歌する大坂の女たちとの交わりを重ね、色好みの世界に引き込まれてゆく……。男女の喜びを大胆に描く、異色時代小説。
  • 御三家が斬る!
    3.0
    宝永地震に富士山の噴火。復興に苦しむお伊勢参りの要所・石部宿で、百姓衆の諍いを治めた旅の浪人徳田新之助は、圧政を敷く代官との交渉役を引き受けることになるが……。使い手の男前若侍と、色事好きのお節介な爺さん。ひょんな縁から行き会った三人の正体とは? 痛快世直し道中記開幕!<文庫書下ろし>
  • 裂帛 五坪道場一手指南
    5.0
    「義によって助太刀いたす!」長屋を改装した道場で子どもたちに剣術を教えている日比野左内は、事に応じてどんな者にも一撃必殺の技を授ける。大中小の三刀を神のごとく振るう中条流達人である左内には、自ら果たさねばならない宿命があった。居合道五段の若き俊英が放つ文庫書下ろし新時代小説開幕!
  • 五人女捕物くらべ(上)
    3.0
    朝の神田川に、女が1人釣り糸を垂れていた。「おおい、姐さん、御注進」。猪牙舟(ちょきぶね)が真一文字に近づいて来る。太公望のおせんと綽名(あだな)される売れっ妓は、老岡っ引小平次の手先として、恐るべき連続女殺しに取り組んでいく……。次々と、五人の女岡っ引が小平次と共に難事件に挑む、連作江戸推理作品集。
  • 五五五文字の巡礼 魏志倭人伝トーク 地理篇
    4.0
    『魏志倭人伝』を構成する漢字をひとつひとつ徹底的に解読・分解すると、今まで誰も気がつかなかった秘密が立ち上がる。たとえば(至)と(到)の使い分けから、途中経過地と目的地の違いを知ることができる。魏の使節団の倭人国への航海と陸行の足跡を、全く新しい手法で辿った仰天の異色歴史小説。<文庫書下ろし> (講談社文庫)
  • 西鶴人情橋
    4.0
    俳諧師から草本作家への転身をはかる井原西鶴。亡父ゆずりの豪剣をふるう磯部信十郎。二人の奇妙な友情を軸に織り成される人間模様の数々。米相場を左右する大阪商人たちの葛藤と幕閣中枢の暗闘には、謎の美剣士がからむ。――剣あり、恋あり、友情ありの、浪花元禄時代絵巻。第3回時代小説大賞受賞作。剣と恋がからむ西鶴と青年剣客の熱い友情を描いた、手に汗にぎる活劇ロマン!
  • 雑賀のいくさ姫
    3.8
    イスパニアのイダルゴ(騎士)の家系に生まれたジョアンは、乗り込んだ船での内紛と難破のはてに、紀伊雑賀のいくさ姫、鶴に拾われる。鶴はカラベル船を修復した「戦姫丸」に乗って商いのためにジョアンらと南洋に向かうが、海賊や大名の思惑、そして過去の因縁に巻き込まれていく。雑賀、村上、毛利、大友、島津―戦国の西国大名オールスター水軍が、日本を狙う大海賊と雌雄を決する。戦国の海洋を縦横無尽に駆け巡る、傑作歴史ロマン!
  • 斎藤道三
    -
    蝮と言われ、梟雄と呼ばれる戦国の怪物斎藤道三。彼はまさしく国を盗った。一介の素牢人が油売りから身を立てて、ついには美濃一国の主に成り上がったのだ。その智謀と武略、非情ともいえる自在な権謀術数は、さすがの戦国時代においても群を抜いていたといえよう。この一代の傑物の生涯を克明に描く好著。
  • 道祖土家の猿嫁
    3.7
    失われた故郷への鎮魂歌! 明治の中ごろ、土佐・火振(ひぶり)村の名家、道祖土(さいど)家に嫁いできた蕗。その容貌から“猿嫁”と揶揄されながらも、蕗は天真爛漫な性格で名家に溶け込んでいった。やがて日露戦争や太平洋戦争の戦渦は、道祖土家を巻き込み、各々の人生も翻弄していく。百年の時を通じ、日本人が来た道、行く先を描く壮大な歴史ロマン。
  • 坂本龍馬 幕末風雲の夢
    -
    坂本龍馬――幕末激動の中に多くの夢をのこして、並みはずれた発想と行動力を示しつつ、懸命に、しかも足早に駆けぬけた風雲児。薩長同盟の締結、大政奉還の実現のために活躍した土佐の風雲児・龍馬は、藩という枠を超えて生きた幕末の自由人でもあった。資料をふまえ、龍馬のロマン、心情、人脈、魅力を探る歴史読物。
  • 逆ろうて候
    3.0
    「信長に仕えるくらいなら、浪人したほうがましや」。美濃にその人ありと知られた武将・日根野弘就(ひねのひろなり)は「信長を討つ」という決意のもと、新たな主を求め東国に向かった。が、苦労して仕官した今川家での待遇は、美濃の五千貫文に対してわずか百貫文。弘就の波乱と忍耐の人生が始まった。〈『浪々を選びて候』改題〉(講談社文庫)
  • 佐助と幸村
    3.0
    忍びの者・佐助は、武門の誉れを振りかざす武家を軽侮するが、ただひたすら死に花を咲かさんとする幸村と出会い、その孤高の佇まいに惹かれてゆく。迎えた決戦の時。幸村は己の美学を貫き、佐助は死中に活を求めて乾坤一擲の策を講じた――。史実と伝奇を織り交ぜた真田戦記外伝。《『真説 猿飛佐助』改題》
  • 定吉七番シリーズ 全6冊合本版
    -
    コードネーム"定吉七番(セブン)"――大阪商工会議所秘密会所に所属し、唯一「殺しの許可証」を持つ丁稚。元締である千成屋宗右衛門に呼び出された定吉は、唐桟のお仕着せに前垂れかけて、愛用の包丁「富士見西行」を懐に、関西経済界の破壊を目論む、悪の結社との戦いに挑む。伝説のスパイアクションコメディーシリーズ全6冊が、合本で登場!
  • 薩摩軍法
    5.0
    ひっそり暮らす田舎の老爺与茂作に、突然七十万石の太守島津家久から呼び出し命令がきた。「きっとあのことじゃ」と胸に覚えのある与茂作は腰をぬかしそうになる。40年も前の戦場で起きたあの出来事こそ、薩摩武士の酷薄な掟ゆえ秘匿された与茂作の秘密であった。士道の表裏を鮮烈に描く俊英の代表作品集。
  • 真田幸村の妻
    3.0
    関ケ原の戦いで敗北した真田昌幸・幸村父子は、信州・上田を追われ、高野山に蟄居となる。だが、高野山は女人禁制の地、妻子は高野山口の九度山に居を構える。妻の眼から見た閑居の日々、やがて迎える凄惨な大坂の陣――綿密な取材と膨大な史料をもとに、時代に翻弄された正室・竹林院を活写する、長編歴史小説。
  • 猿ケ辻風聞
    -
    動乱の幕末、尊攘派の公卿姉小路公知は、京都猿ケ辻で刺客に襲われ、非業の死をとげた。刺客の持っていた刀が薩摩の田中新兵衛の差料だったことから彼が容疑をかけられるが、刀は盗まれたものと主張して自決する。複雑な政治状況のもとでの暗殺事件はついに謎のままか? この事件の謎や風聞を巧みにからめた表題作など、歴史秀作10編収録。
  • 山月庵茶会記
    4.3
    かつて政争に敗れた柏木靫負(ゆきえ)が、千利休の流れを汲む高名な茶人となって国に帰ってきた。孤狼の心を胸に秘めた男は、家督を養子に譲り、山裾の庵で隠遁生活を送る。今日も山月庵に客を招く。派閥抗争の最中に喪った、妻の死の真実を知るために。これぞ直木賞作家の真骨頂! 静かなる闘争の記。
  • 三国演義 第一巻
    4.0
    本当の面白さが味わえる決定版「三国演義」!劉備は単なる"仁"と"義"の人ではなかった――。中国人の生活と発想の根底に横たわる、道教の視点を導入し、物語の歪みを糾(ただ)す初の試み。これまでの儒教臭の強い描写を改め、英雄豪傑が等身大の姿で、生き生きと甦える。これぞ痛快無比の三国志の世界。
  • 三国志 英雄ここにあり(上)
    4.0
    後漢・霊帝の皇基衰えて天下は乱れ、劉備玄徳は、関羽、張飛と義を結んで、黄巾賊討滅に起き上がった。都の洛陽で大将軍何進の後を襲うは、曹操か、袁紹か? 河南では大軍を擁する菫卓が、はるか洛陽の空を望んでいた。治乱興亡――国造りの戦国絵巻を雄大なスケールで描く、興趣横溢の長編小説。吉川英治文学賞受賞作品。<全3巻>
  • 三国志 柴錬痛快文庫
    3.0
    正義のために立つ! 後漢末、劉備(りゅうび)は、桃園で誓った竜虎2人、関羽(かんう)と張飛(ちょうひ)を従え、天才・孔明を軍師に、蜀(しょく)の国を興す。広大な大地に、どんな英雄豪傑たちのドラマがあったのか? 張飛と呂布(りょふ)の壮烈な一騎討ち、関羽の千里行、魏(ぎ)の曹操(そうそう)を打ち破る赤壁の戦い……最高に面白く胸躍る名場面を1冊で楽しめる「はじめての三国志」。
  • 三國志人物事典(上)
    -
    友を信じ、明日を誓う、劉備・曹操・孔明・周瑜……2世紀末、中国後漢末期、政治は腐敗し、黄色い頭巾を巻いた黄巾賊が、各地で反乱を起こし、民衆は貧困に喘いでいた。世を救うため、青年・劉備は仲間とともに立ち上がる。英雄、智将、猛将、1800年の時を超えてなお、愛され続ける三國志の登場人物たち。そのすべての生涯を50音順にまとめた「読む人物事典」。<上中下・全3巻>
  • 三国志 曹操伝(上) 落暉の洛陽
    4.4
    幼い皇帝を巡り、宦官(かんがん)と外戚が熾烈(しれつ)な権力争いを繰り広げていた後漢末の中国。後宮では巫蠱(ふこ)という呪術が流行し、民衆の間では新興宗教・太平道がのさばり始めていた。混乱の都・洛陽を掌握したのは、冷酷な将軍・董卓(とうたく)。青年・曹操(そうそう)は、この乱世を虎視眈々と見つめながら、「姦雄」として歩み出そうとしていた。
  • ザビエルとその弟子
    -
    日本に初めてキリスト教を伝道したフランシスコ・ザビエル。中国への布教を熱烈に夢見ながら、目前のサンチャン島で熱病に斃れた彼の最晩年を、3人の弟子を通じて描く。貴族出身で現世的なフェレイラ、日本人のアンジロウ、そして最期を看取ったアントニオ。聖ザビエルの激しい魂が活写された、衝撃作。(講談社文庫)
  • ザンギリ愚連隊
    -
    慶応4年5月の上野彰義隊の闘いは、政権奪取をはかる薩長土に抗して、江戸の侍たちが誇りと意地を貫いた負け戦であった。新政府の下の、江戸っ子たちは変心していった……。元旗本直参で生き残った彰義隊士・奥野左京らは切歯扼腕の毎日を送っていたが、薩長の目にあまる横暴に我慢できず、怒りはついに爆発した。歴史をあざむく権力者たちに挑んだ若者の悲劇を描く、長編時代小説。上野彰義隊の残党が大あばれ!
  • 刺客の花道
    -
    忠臣蔵の死に損ないが江戸の闇を斬る! 吉良家の用心棒であった朽木主膳(くちきしゅぜん)は正念場の赤穂浪士討ち入り当夜、女の家で一夜を過ごし、武士の面目を失った。賭場の主小吉に拾われた主膳には、闇の刺客の道しかなくなった。対するは、娘を庇う手負いの大道武芸者を餌食にする棒術の悪僧、生類憐みの世に人喰い犬を嗾(けしか)ける悪旗本。主膳に死に場所はあるか? (講談社文庫)
  • 信長私記
    4.3
    なぜ織田信長は母を――史上最凶の日本人、その実像。俺は屍を越えてゆく。なぜ瓢箪をぶらさげたのか。なぜ合戦に強かったのか。なぜ道三の娘を愛したのか。なぜ父親の葬儀に遅れたのか。なぜ鉄砲を集められたのか。なぜ秀吉を重用したのか。なぜ弟を殺したのか。なぜ地獄をも怖れなかったのか。全ての点が線になる、花村文学だから成しえた衝撃作。
  • シギラの月
    -
    南海の楽園で展開する壮大な歴史ロマン。太陽の島が知っている――「真に蜜牙古島(みやこじま)の安穏を考えるのであれば、琉球と事を荒立ててはなりません。誇りのために、蜜牙古島を滅ぼしてしまうかもしれないからです」……不思議な自然現象によって海の女神が現れるという伝説を軸に展開する、若者たちの愛と戦いの物語。ベストセラー『宇宙皇子』の著者が放つ、壮大な歴史ロマン大作。
  • 始皇帝
    4.3
    「永遠の命」を除く、この世のすべてを手に入れた狂気の王!戦国七雄が割拠する紀元前3世紀。他国へ遣られた人質の子として生まれながら、大商人・呂不韋(りょふい)の深謀遠慮によって、わずか13歳にして秦王に即位。政敵を倒し、3度の暗殺未遂を乗り越え、権謀術数と軍事力によって全中華を制したファースト・エンペラー。権力をほしいままにした男の49年の生涯を描き切る! (講談社文庫)

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