歴史・時代小説作品一覧

  • 影帳 半次捕物控
    4.0
    相模屋の店先で雪駄が一足盗まれた。上野山下の助五郎親分は、懸命に追い、下手人・仙八を挙げた。そこで相模屋出入りの岡っ引・判次は、穏便に赦免してもらおうと、親分に頼みこんだ。ところが、うまくいかない。単純に見えた事件は意外な展開をみせはじめ、やがて大きな謎が……。直木賞作家の傑作捕物帳。
  • 山県昌景 武田軍団最強の「赤備え」を率いた猛将
    4.0
    戦国最強を誇った「赤備え」の騎馬軍団を率いて、常に武田信玄の先陣を任された山県昌景――。若年より晴信(のちの信玄)の近習として仕え、20歳の時には晴信直属の旗本隊創設に加わり、いきなり足軽150人の隊長に大抜擢された。その後も武勲を重ね「源四郎(昌景)の赴くところ敵なし」とまで謳われる。信玄の子・義信の謀反未遂に、父のような存在だった兄・虎昌が連座し切腹させられると、昌景は涙ながらに兄が率いた「赤備え」の部隊を引き継ぐこととなる。その後の昌景は、「風林火山」の旗印とともに武田の先鋒隊長として戦場を疾駆。“赤い大津波”の如き騎馬軍団の破壊力は、三方ヶ原の戦いで徳川軍を呑み込み、「さても恐ろしきは山県」と家康を畏怖させた。しかし信玄に重用された反面、息子の勝頼には疎んじられ不遇な晩年を迎える。長篠・設楽原合戦では己の誇りをかけて挑み、壮烈な最期を遂げた猛将の生涯を描く。

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  • 華、散りゆけど 真田幸村 連戦記
    4.0
    時は慶長、大坂の陣。眼下には大地を埋め尽くさんばかりに徳川勢の旗幟がはためく。真田幸村は己の造った出丸に立ち、苛烈な戦場を見据えていた。身に纒うは朱一色の戦装束。狙うは家康の首級ただひとつ。武士に生まれし者の宿命、見事に命の華を咲かせ、武名の芳香を遺そうぞ――たったふたつの戦にすべてを賭けた、稀代の智将の壮烈な生きざまを、濃密かつ流麗な筆致で描ききる戦国歴史巨編。
  • P+D BOOKS 山中鹿之助
    4.0
    松本清張、幻の作品が初の電子化!  主君・尼子家の再興を願い、大敵・毛利に果敢に挑み暴れた、山陰の戦国猛将・山中鹿之助の、短くもドラマチックな生涯を生き生きと描く。 没落しつつあった尼子家一筋に全てを捧げ、月山富田城を取り囲む毛利元就の大軍を、その抜群の勇力と才智により何度も跳ね返し、武名を高めた鹿之助だったが、最終的に尼子義久が毛利の軍門に下り、富田城を明け渡すことになった。  その後、牢人をしながらも尼子家再興を使命とし、尼子勝久を擁立し、幾度の苦難を乗り越え、石見国入りし新山城を占拠するも、毛利勢との戦に敗れ富田城へ入城することは叶わなかった。  さらに、10年後、織田信長の毛利攻めに乗じ、再び、尼子軍を再興した鹿之助だが……。  100度打ちのめされ、1000回も挫折を味わう壮絶な鹿之助の人生、しかし、進むことはあっても退くことはなかった、その義勇の名は、天下に鳴り響いた。  弊社雑誌「中学生の友」に1年間連載された、松本清張、幻の作品。著者が代表作「点と線」を執筆した頃に同時に描いた、名作が50余年の時を超えて甦る。
  • さむらい 青雲の剣
    4.0
    「侍らしく、生きよ」藩の内紛に巻き込まれ切腹した父の遺言。若き秋月信介は極貧生活に耐え忍び、剣術の研鑽を積む日々。やがて成人した信介を待ち受けていたのは、あの内紛の再燃だった。己を捨て死地に赴く“もののふ”の極限の姿を描く、凄まじくも清冽な剣豪小説!
  • 吉川元春 毛利を支えた勇将
    4.0
    三万の秀吉軍と相対した五千名の元春軍は、にわかに川の橋板をはずし、船を陸にあげ始めた。「なんと元春め、自ら退路を断つ気か。このような敵と戦っては、味方の被害は計り知れぬ」秀吉はたまらず姫路へと兵を引き揚げた。―父・元就を補佐して中国を平定、弟の小早川隆景とともに「毛利の両川」と称賛された吉川元春。天下取りの愚を避け、毛利の領国を守り抜いた賢明なる武将の生涯。

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  • 大坂誕生
    4.0
    慶長20年、灰燼と化した大坂を再興すべく大御所・徳川家康から大命を受けた松平忠明は、大坂人との確執を知略と胆力で乗り越え、反徳川包囲網の中で次々と大胆な復興計画を練っていく──。第6回朝日時代小説大賞優秀作。
  • 『薬子伝』-誇り高く美しく-
    4.0
    平安時代初期、日本のクレオパトラと呼ばれた藤原薬子の物語。 6年ぶりに宮中へ上がった薬子は、娘に憎悪の眼差しを向けられる。娘にとって母薬子は恋敵なのだ。 第一章では薬子が娘との葛藤を通して、6年前に自分を貶めた相手を突きとめていく。 第二章はその相手と対峙し、決着へと導いていく章。 最後の第三章は皇位を巡る争いに敗れ、都を離れた薬子の最愛の人・平城天皇との苦悩を描く。
  • 昭和十六年 早川元・沖縄県知事日記
    4.0
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第5弾。 著者は石川県金沢市出身でありながら、学生時代に沖縄に魅せられて、本土復帰前の1967年に沖縄の新聞社である琉球新報社に入社し役員まで歴任した野里洋氏。現在は沖縄ケーブルテレビで報道番組も担当している。 本書は著者が記者時代に書かいた処女作である。 早川元氏は第25代沖縄県知事である。昭和16年1月に熊本県総務部長から沖縄県知事に転任し、大分県知事として転出する昭和18年7月まで約2年半にわたってその任にあった。 昭和16年というと、15年戦争の中で対米戦争へと拡大していく年であり、沖縄戦への助走の年であった。その時期の沖縄に関する資料はほとんど焼失しており、早川元の日記は貴重なものである。本書は早川元の子息が保管していた昭和16年の1年分だけの日記を提供してもらい、当時の朝日新聞・沖縄新報の知事関連記事とともにまとめたものである。 「本書は、昭和十六年、太平洋戦争勃発時の第二十五代沖縄県知事・早川元氏の『日記』である。当時の資料は沖縄戦でほとんど消失しており、沖縄の最高責任者が書いた『知事日記』は、資料的に極めて価値が高い。本来なら『沖縄県史』に収められるべきものである。本書には『知事日記』とともに手紙や当時の新聞も併記、戦争前の沖縄の政治、社会情勢を知るうえで、貴重な書である。(1985年当時作品紹介文より)」
  • 闇同心そぼろ
    4.0
    八丁堀同心の猪山主水之介、通称“そぼろ”は、北辰一刀流の凄腕にもかかわらず、閑職に追い込まれ自堕落な日々を過ごしていた。そんな折、同僚の坂木が相対死で発見され、主水之介は切り捨て御免の闇仕置きを行う「五稜組」に転出を命じられる。坂木の死の真相を探る主水之介が暴いたのは、阿片と大奥女中の売春が蠢く江戸の暗部だった――。
  • 落葉の虹 留守居役日々暦
    4.0
    横須賀藩の留守居役・高田兵衛の許に、藩士の中沢が妻女と中間の男を斬ったとの知らせが来た。中沢が婦道の罪で二人を処断したというのだが、兵衛には腑に落ちない点があった──。書き下ろし時代小説。
  • 梟の裂く闇
    値引きあり
    4.0
    十二年前、肥後の村で記憶を喪い、村人に助けられた谷五郎。妻女と子に恵まれ、平穏な一生を送る筈だった。だが、村に兵が押し寄せた時から、彼の運命が、大きく変わりはじめる──。書き下ろし時代長篇。
  • 覇王の贄
    4.0
    「一対一での勝負で此奴を殺せる者を連れて来い」。覇王・織田信長が拾った、最強の剣客。誰にも負けない。殺すまでやめない。その男を、殺せという。秀吉、長秀、勝家、利家、嘉隆、そして光秀。命を受けた信長麾下の名将たちが、次々と刺客を差し向けるが……。圧倒的な強さを持ち、馴れ合うことを拒絶する、血に飢えた化け物。信長が惚れ込んだこの男・新免無二斎に、死角はないように見えた――。ド迫力の格闘時代小説!
  • 幕末銃姫伝 京の風会津の花
    4.0
    戊辰戦争末期、自ら銃を取り大砲を指揮して戦った女性がいた――激動の幕末を生き抜き、自らの手で未来を切り拓いた山本八重の前半生を描く歴史長篇。

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  • 火螢の城
    4.0
    戦国一臆病と呼ばれた男と、戦国一勇猛と呼ばれた男の戦いが始まる!慶長五年、徳川家康と石田三成が最も味方にしたい男がいた。京極高次――妻と妹の「尻の力」によって出世したことから“ほたる大名”と揶揄される武将である。この優柔不断な男が流されるまま、戦国一勇猛とされる立花宗茂を迎え撃つ羽目に。十倍以上の敵を相手に高次は「敗けない」戦をどう挑んだのか……。関ヶ原の戦いの趨勢を左右した大津城の攻防を迫力に満ちた筆致で描く歴史長編。

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  • 四十八人目の忠臣
    4.0
    赤穂浅野家に仕えるきよは浅草小町と謳われる美女。当主内匠頭(たくみのかみ)の寵臣礒貝十郎左衛門と、夫婦の約束をしている。だが、内匠頭が吉良上野介を殿中で斬り付け、お家は断絶。礒貝は、家老大石らとあだ討ちを画策する。きよは恋と忠義のはざまで、討ち入りの日を迎える。本懐後も忠義を貫き、遺族の赦免と浅野家再興を目指し将軍家へ近づいていく……。歴史に名を残した実在の女性を描く全く新しい忠臣蔵誕生!
  • 恋情からくり長屋
    4.0
    「治兵衛さん、しぼり尽させてもらいますえぇ」。島原女郎の請け出しに身代賭けた大店の旦那。菊の香りを懐かしむ消えた恋女房に瓜二つの歌比丘尼。国もとの妻の胸を騒がす不思議な夢が暴く、見てはならないこの世の闇……。浪花で恋に焦がれ、江戸で情けに溺れる女と男。西鶴もかくや、の情念にじむからくり話を自在に操る名うての著者の絶品世話物競演! 『夢からの手紙』改題。
  • あした―慶次郎縁側日記―
    4.0
    泥棒長屋に流れ着いた老婆の悲しみが、出世にとことん無欲だった若き慶次郎の思いと交わる表題作「あした」。無精な夫を捨てた、髪結い妻の思わぬ本音を描く「春惜しむ」。内緒の逢瀬を重ねてはらんだ娘が、未来ある思い人を必死に庇う「むこうみず」など、円熟の筆致が香り立つ江戸の哀歓十景。慶次郎への尽きぬ思いを語る、生前最後の著者談話も収録した、人気シリーズ第13弾!
  • 猫は大泥棒
    4.0
    化け猫まるが難儀するコミカル短編集! 書き下ろし第2弾 近ごろ江戸にはやる「おネエ殺し」。おネエ同心中村は、事件解決に躍起になるが……。化け猫まるとその仲間たちが活躍する短編集。
  • 恋のうき世 新今昔物語
    値引きあり
    4.0
    「今は昔……」 有名な「今昔物語」は、どの話もこの書き出しではじまります。 「今となっては昔のことだが」といった意味あいなのでしょう。  でも私のささやかな「恋のうき世―新今昔物語―」は「今は昔」でなくて、「今も昔も」という感じで読んでいただけたらと思います。 (本文「はじめに」より) 平安から応仁の乱までを舞台に、男女の織り成す恋の綾を 直木賞作家、永井路子が描く珠玉の歴史短編集。 【著者プロフィール】 大正14年東京生まれ。東京女子大学国文科卒業後小学館に入社し、『女学生の友』『マドモアゼル』の編集者を務める。 小学館時代から歴史小説を執筆し始め、昭和39年『炎環』で直木賞を受賞。その他にも吉川英治文学賞を受賞した『雲と風と』等多くの素晴らしい作品を世に送り出している。 男性的目線になりがちな歴史人物や歴史事件を解きほぐし、その陰になりがちな女性にも焦点をあて、歴史上の人物、出来事を鮮やかに浮かび上がらせる作風は、歴史小説に新風を巻き込んだものと評価されている。 また、直木賞受賞作品である『炎環』、『北条政子』などは、NHK大河ドラマ『草燃ゆる』(1979年)の原作として、また『山霧 毛利元就の妻』『元就、そして女たち』などは、同じくNHK大河ドラマ『毛利元就』(1997年)の原作としても知られている。
  • 真田太平記(一~十二) 合本版
    値引きあり
    4.0
    天正10年(1582年)3月、織田・徳川連合軍によって戦国随一の精強さを誇った武田軍団が滅ぼされ、宿将真田昌幸は上・信二州に孤立、試練の時を迎えたところからこの長い物語は始まる。武勇と知謀に長けた昌幸は、天下の帰趨を探るべく手飼いの真田忍びたちを四方に飛ばせ、新しい時代の主・織田信長にいったんは臣従するのだが、その夏、またも驚天動地の時代が待ちうけていた。 ※当電子版は『真田太平記』(一)~(十二)の全十二巻をまとめた合本版です。
  • 覇王の家(上下) 合本版
    4.0
    徳川三百年――戦国時代の騒乱を平らげ、長期政権(覇王の家)の礎を隷属忍従と徹底した模倣のうちに築き上げた徳川家康。三河松平家の後継ぎとして生まれながら、隣国今川家の人質となって幼少時を送り、当主になってからは甲斐、相模の脅威に晒されつつ、卓抜した政治力で地歩を固めて行く。おりしも同盟関係にあった信長は、本能寺の変で急逝。秀吉が天下を取ろうとしていた……。 ※当電子版は『覇王の家』(上)(下)の全二巻をまとめた合本版です。
  • 柳橋の弥平次捕物噺 : 1 影法師
    4.0
    柳橋の船宿『笹舟』の主で南町奉行所定廻りから岡っ引の手札を貰う弥平次は、行方知れずの亭主・清吉を捜しに常陸国水戸から江戸に出てきたおとよと知り合った。清吉の消息を追いはじめた弥平次たちだったが、その探索は難航し……。
  • 悲の剣 介錯人・野晒唐十郎〈十一〉
    4.0
    「そこもとなら蝶も切れたであろう」切腹に望む武士の呟きを耳にとめ、訝しんだ。 改革派と保守派に割れた大藩の内紛。その不可解な言葉は保守派の謎の刺客「影蝶」を指していたのだ。 姿なき刺客を追いつめる唐十郎に、逆風のごとく襲いかかる最大最強の難敵現る!
  • 佃島用心棒日誌 白魚の絆
    値引きあり
    4.0
    謎の浪人立花左京介が佃島にやってきた。武芸十八般を習得する左京介は謎の密命を帯びているが、佃島で人情味溢れる人々や風俗に親しみ、やがてこの島を守ろうと役目を超えた強い使命感を抱くようになる――
  • 応仁秘譚抄
    4.0
    時は室町。足利幕府の体制は、大名家の権力争いで大きく揺らいでいた。8代将軍義政は、弟の義尋を次期将軍に指名するが、義政の妻・富子に長男が誕生し、後継者問題が勃発。有力大名を巻き込み、武力抗争へと発展する。敵と味方が相乱れ、京の町を焼き尽くした「応仁の乱」。11年続いた乱の真相を、義政、富子など、当時の重要人物の視点でスリリングに描く。
  • 若殿八方破れ
    4.0
    寝込みを襲われた。いったい誰が己の命を狙うのか。辛くも凶刃から逃れた信州真田家跡取りの俊介は頭をしぼる。国元で暮らす腹違いの弟力之介の祖父にして、国家老でもある大岡勘解由(かげゆ)の仕業なのか。闇討ちの裏が明らかにならぬまま、今度は忠臣の辰之助が殺された。筑後有馬家に関わる男の所行と分かったが、俊介は思いもせぬ縁談が進んでいることを知り……。御法度である私情の仇討旅に出た若殿一行を待ち受けるのは? 傑作廻国時代活劇!
  • 黄金の糸 幕末甲州金始末
    4.0
    甲州の隠し金で大逆転を狙え! 甲府、江戸、横浜、富岡製糸場……。信玄ゆかりの金貨争奪戦の行方は!? 最後の甲州金、お前らには絶対に渡さぬ! 幕末、甲府勤番士の幕臣・高木東助は、城に眠る数千両の甲州金を、攻め寄せる官軍から守りぬくため、秘密裏に江戸の両替屋へと運び込む。しかし、次々と金を狙う刺客が現れ東助たちに襲いかかる。幕府再興を期して忍従の日々を送るが……時代に翻弄された男が戦いの果てに見出した人生の活路とは!? 「莫大な甲州金を手にした主人公がどのように幕末・維新を乗り超えたのか、彼とともに時空を超えて歩み続けて戴けたなら、著者として望外の喜びである。」――著者「あとがき」より
  • 縮尻鏡三郎 夢に見た娑婆
    4.0
    しくじり御家人・鏡三郎が今日も行く。好評第7弾! 鏡三郎が行きつけの店で楽しむ鳥肉料理。だが鳥問屋をめぐっておかしな動きが……。鏡三郎は飼鳥屋の新三郎のために一肌脱ぐことに。
  • 縮尻鏡三郎 老いらくの恋
    4.0
    縮尻御家人・鏡三郎。人気シリーズ第6弾 米相場で大儲け、大金を隠し持っていると噂されるご隠居が、歳もはばからずに恋をした。金目当ての連中は、あれこれ詮索するが…
  • 縮尻鏡三郎 当たるも八卦の墨色占い
    4.0
    身を誤る女あれば、縁遠い女あり――シリーズ第5弾 故あって勘定方を追われたしくじり御家人拝郷鏡三郎の許へ、日々持ち込まれる厄介事。今回は色事師も顔負けのふしだら女が現れる
  • 清正を破った男
    4.0
    戦国時代末期、九州では島津勢が猛威を振るっていた。肥後の一豪族・木山弾正の居城にも島津の大軍が押し寄せる。城を枕に討ち死にか、それとも軍門に下ってしまうか。だが弾正は決意する。選んだ道は、敵の包囲網を突破して、義兄のいる天草へ落ち延びることだった。無事脱出に成功した弾正だが、時代はさらに変転する。弾正は九州の新たな支配者、太閤秀吉の奮う権勢にどう対峙するのか? 傑作戦国時代小説。
  • 傀儡舞
    4.0
    偽若様裏日記。藩仕えの女忍びの願いで若殿に成りすまし江戸屋敷へ。側仕えの熟女、町娘、大名の姫君と次々と。崖崩れにあった譜代大名花沢藩の行列。病弱だった若殿様は死んでしまい、渡り徒士として潜り込んでいた刀太は藩を救うため、江戸では家臣に顔を知られていない若殿に化けて入れ替わる。秘密を知る女素破、側仕えの女、町娘の美少女と次々関係する夢のような日々が始まった。睦月影郎三昧。時代官能書下ろし。
  • 花宴
    4.0
    江戸から西に一八〇里の嵯浪藩で代々勘定奉行を務める西野家。一人娘で小太刀の名手である紀江は、父の弟子の青年にほのかな想いを寄せる。別の弟子と夫婦になった後も彼のことを忘れられぬ紀江だが、うしろめたさに苦しみながらも少しずつ夫と共に笑い合えるようになっていく。しかしある朝、思いもよらぬ事実が……。著者は『弥勒の月』『東雲の途』や、『燦』シリーズで時代小説家としても高い評価を受けるあさのあつこ。武士の家の娘として強く生きた女性を主人公に、人生のままならなさや真の愛情の意味を、四季や剣のみずみずしい描写とともにしっとりと描く傑作時代小説。
  • 前田利家(小学館文庫)
    4.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 “組織と人間”を主要テーマに歴史上の武将、参謀などを描き、次々とベストセラーを生んだ著者が、加賀百万石藩祖・前田利家とまつの夫婦愛を描く。秀吉亡き後、秀頼の守役となった利家に迫り来る死の影。徳川家康が覇権を狙う中、いかに利家と妻・まつは北国に絢爛たる武家文化を華咲かせたのか? “不倒翁”といわれる利家は、短気だった若き頃とうって変わり、最期まで、加賀の国を文化国として栄え続けさせたいという夢に身命を捧げたのである。加賀百万石の礎を築いた利家の生涯を描く力作。
  • 合本 功名が辻【文春e-Books】
    4.0
    【全四巻合本版】 天下にむかってはなばなしく起ち上った織田信長の家中に、ぼろぼろ伊右衛門とよばれる、うだつの上らない武士がいた。その彼に、賢くて美しい嫁がくるという……。伊右衛門は妻の励ましを受けて、功名をめざして駈けてゆく。戦国時代、夫婦手をとりあってついには土佐一国の大名の地位をえた山内一豊、妻・千代の、痛快なる物語。
  • 合本 義経【文春e-Books】
    4.0
    【上下巻合本版】 みなもとのよしつね――その名はつねに悲劇的な響きで語られる。源氏の棟梁の子に生まれながら、鞍馬山に預けられ、その後、関東奥羽を転々とした暗い少年時代……幾多の輝かしい武功をたて、突如英雄の座に駆け昇りはしたものの兄の頼朝に逐われて非業の最期を迎えてしまう。数奇なその生涯を生々と描き出した傑作長篇小説。
  • 夏草の賦(上)
    4.0
    英雄豪傑が各地に輩出し、互いに覇をきそいあった戦国の世、四国土佐の片田舎に野望に燃えた若者がいた。その名は長曽我部元親。わずか一郡の領主でしかなかった彼が、武力調略ないまぜて土佐一国を制するや、近隣諸国へなだれ込んだ。四国を征服し、あわよくば京へ……。が、そこでは織田信長が隆盛の時を迎えんとしていた。
  • 闇の獄(上)
    4.0
    大坂の街で仲間と共に盗賊稼業を営んでいた男・新之助。彼の役割は、持ち前の器量で女を誑かして得た情報を元に、押し込み強盗の段取りをつけること。だが、ある晩、仲間の裏切りが彼の人生を大きく変えてしまう。顔を裂かれ、光を失い、表社会で生きられない姿となった男に残された道は、按摩師をしながら殺し屋として生きることだけだった!
  • 背負い富士
    4.0
    NHKでドラマ化もされた一力版次郎長! これまで何度も小説や映画の題材になった永遠のアンチヒーロー「清水の次郎長」に、“義理と人情”の山本一力が新たな命を吹き込んだ。実の両親と別れ養子に出された少年・長五郎は、激動の幕末に己の才覚と運で人生を切り開いていく。命がけで次郎長に従う森の石松や、大政、小政ら、おなじみの次郎長一家も大活躍。
  • おくうたま
    4.0
    信長によって小谷城が攻められ、浅井家は滅ぼされた。長政の庶子である喜十郎は京に逃げ落ち、疵医師の田代瑞石に預けられる。お家再興を目指す喜十郎に、織田の捕り手が迫る! 瑞石は、京を出て羽柴の軍勢に医師として加わった。瑞石の弟子として身分を隠す喜十郎だが、その正体に気づかれ……。医師としての修行に耐えながら、喜十郎は宿願を果たせるのか!?
  • 合本 養生所見廻り同心 神代新吾事件覚 全5巻 【文春e-Books】
    4.0
    北町奉行所の小石川養生所見廻り同心、神代新吾。南蛮一品流捕縛術を修業する、若く、未熟だが、熱い心を持つ同心である。新吾が、幼馴染みの養生所医師小川良哲、臨時廻り同心白縫半兵衛、手妻の浅吉らと共に、様々な事件にぶつかり、悩みながらも成長していく姿を描く、大人気の書き下ろし時代小説「神代新吾事件覚」シリーズ全5巻が合本として登場!
  • 精姫様一条 お狂言師歌吉うきよ暦
    4.0
    いまをときめくお狂言師の歌吉は、幕府隠密をひそかに助ける「手駒」も務める。将軍家の姫の嫁ぎ先をめぐり下される密命。お吉でなければ聞き出せないことがある。「どの大名家でも将軍家のご息女を迎えるのを災厄のように恐れておる。迎えれば家格は上がるが、莫大な費(つい)えがのしかかってくるからだ」。町娘お吉の活躍が冴える直木賞作家の人気時代小説シリーズ。
  • 望の夜 髪ゆい猫字屋繁盛記
    4.0
    佐吉とおきぬの恋、鹿一の家族の和解、おたみに初孫誕生……めぐりゆく季節のなかで、猫字屋の面々にも、それぞれ人生の転機がいくつも訪れて……江戸の長屋に息づく情を豊かに謳いあげる書き下ろし第四弾!
  • 幕末 開陽丸 徳川海軍最後の戦い
    4.0
    新政府軍に追い詰められ、江戸城開城を余儀なくされた徳川幕府。しかし、幕府最強の軍艦・開陽丸は屈することなく、新政府軍と抗戦する奥羽越列藩同盟救援のため北へ向かうが……。直木賞作家の隠れた名作! ※本作品は、平成十四年十二月に講談社文庫より刊行された『開陽丸、北へ 徳川海軍の興亡』を改題したものが底本です。
  • 薩摩スチューデント、西へ
    4.0
    坂本龍馬が西郷隆盛と歴史的対面を果たしていた幕末、若き侍たちが荒れ狂う波濤の海を命をかけて渡った。薩摩藩の命で西を目指したのは俊英15人と秘密使節4人の19人。海外列強の前に日本の将来を按じた薩摩藩は、新しい時代を担う者を育てるべく彼らを海外に派遣した。海外渡航禁止の時代、まさにその行為は命がけであった。著者渾身の傑作感動巨編。
  • 冬萌え―橋廻り同心・平七郎控
    4.0
    吾妻橋―忠義のため、惚れた女房を苦界に沈めた男。弁慶橋―殺害現場に居合わせながら、なぜその子はは堅く口を閉ざすのか?蓬莱橋―「二年待って」という約束を胸に、罪を肩代わりしながら懸命に待ち続ける女。人気急上昇、北町奉行所の橋廻り同心の人情裁きの一太刀がきらり冴えわたる!
  • 相棒
    4.0
    時は幕末、京の都――。大政奉還を目前に控え、徳川慶喜暗殺未遂事件が起こった。幕閣から犯人探索の密命を受けたのは、坂本龍馬と新選組副長の土方歳三。しかし二人に与えられた時間は、わずか二日間だった。いがみ合い、衝突しながら捜査を続ける二人が最後に行きついた人物とは?そして龍馬暗殺の真相を知った土方は?幕末維新のオールキャストでおくる、傑作エンタテインメント長篇小説。

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  • 花晒し
    4.0
    元芸者の右京は、亡き夫の後を継いで広小路を仕切る元締となった。ある日、美人で評判の娘が行方知れずになり、数日後に家に戻っても引きこもってしまう、という出来事が続いていることを知り、調べを始めたが……(「花晒し」)。急逝した著者の最後の連作短編のほか、新人賞を受賞した幻のデビュー作を特別収録。
  • 酔って候
    4.0
    幕末の混迷期、なすすべを知らない三百諸侯のなかで、自らの才質をたのみ、また世間の期待を集めた賢侯たちがいた。土佐の山内容堂、薩摩の島津久光、伊予宇和島の伊達宗城、肥前の鍋島閑叟。「藩主なるがゆえに歴史の風当りをもっともはげしく受け、それを受けることによって痛烈な喜劇を演じさせられた」(「あとがき」より)彼らを題材に、著者ならではの視点で幕末を探る短篇連作。
  • うつけの采配(上)
    4.0
    祖父は毛利元就、父は吉川元春、叔父は小早川隆景。恵まれた血統は吉川広家にとっては重圧でしかない。だが第一次朝鮮出兵直後、老いた隆景に呼び出され、毛利百二十万石の未来を託されることに。一方、秀吉亡き後の伏見では、加藤清正ら武闘派と石田三成ら吏僚派らが衝突を繰り返していた。そんな中、徳川家康が不穏な動きを見せ始めるが……。
  • 夜半の春 照降町自身番書役日誌
    4.0
    盗みで二人の女との生活を立てていた男が捕まり打ち首に。残された家族は……江戸の片隅でひっそりと生きる男と女、父と子たち……庶民の心の哀歓をやわらかな筆で描く、大人気時代小説シリーズ、第四巻!
  • 西郷盗撮 剣豪写真師・志村悠之介
    4.0
    元幕臣で北辰一刀流の達人の写真師・志村悠之介は、ある日「西郷隆盛の顔を撮れ」との密命を受ける。鹿児島に潜入し西郷に接近するが、美しい女写真家、人切り半次郎ら、一筋縄ではいかぬ者たちが現れ……。
  • 丁半小僧武吉伝 賽の目返し
    4.0
    江戸は天保年間、八歳の少年武吉は兄・幸次郎の影響で一端の壺振りとなっていた。だが悪童たちとの賭博遊びが露見し、川越の呉服問屋・庄田屋へ奉公に出されてしまう。一方川越では博徒組織・竜神組による庄田屋乗っ取り計画が進んでいた。主家の危機を救うため、勝負の場で武吉が壺を振る――丁半博奕の天才少年武吉の活躍を描く痛快時代小説。
  • 再問役事件帳~江戸の冤罪専門捜査官~
    4.0
    時は徳川10代将軍家治の治世。老中筆頭の田沼意次は、杜撰な犯罪捜査や事件の揉み消しが多発する現状を憂え、新たな役職を設置した。“冤罪”の疑いのある事件を再調査する〈再問役〉である。任に選ばれたのは中堅旗本の隠居・不破源兵衛と、御家人崩れの川野参九郎。町役人の圧力にもめげず、頑固老人と軟弱浪人の二人組が、正義のため事件の裏にある真実を暴く!
  • 烏金
    4.0
    因業な金貸し婆・お吟のもとへ押しかけ、金貸し業の手伝いをする浅吉。新しい発想で次々と借金をきれいにし、貧乏人たちを助ける彼には、実は秘密があった。大金を得るべく浅吉が仕掛ける真の目的はいったい……。日本ファンタジーノベル大賞作家が江戸を舞台に描いた痛快時代エンターテインメント小説!
  • 花ならば花咲かん 会津藩家老・田中玄宰
    4.0
    2013年、会津は大河ドラマ「八重の桜」の影響で、大いに観光客で賑わった。藩祖・保科正之以来の「家訓」を遵守し、壮絶な鶴ヶ城籠城戦に散る悲劇の藩。だが、その精神的・経済的基盤の背景には、江戸中期に「中興の名家老」といわれた改革者の存在があった。田中三郎兵衛玄宰(げんざい)である。おりしも天明の大飢饉も重なり、借金が膨らんで人心が荒廃した会津藩を、五代藩主・松平容頌(かたのぶ)の厚い信頼のもと、殖産興業・藩風刷新の妙手を次々に断行していく。殖産興業においては徹底した実態調査をふまえ、焼物産業、漆器産業、清酒の開発、朝鮮人参栽培などを、会津の土地柄に合った形で導入する。藩風刷新においては、藩校・日新館を創設し、「日新館童子訓」を藩士全戸に配布するなど、あくまで藩祖の訓えへの原点回帰を徹底した。危機に立つ改革者のあるべき姿を渾身の筆で描ききった長編歴史小説。

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  • <毛利元就と戦国時代>知将・元就 版図拡大の軌跡を追う
    4.0
    安芸の国人衆に過ぎなかった毛利元就は、出雲の尼子氏と安芸の大内氏、両氏の争いの中で、しだいにその存在を大きくしていく。元就の初陣有田中井手合戦から、宿敵尼子氏を滅亡させ、中国制覇を成し遂げるまで。元就が、智謀を巡らせた数々の合戦の軌跡を追う。
  • 武田三代
    4.0
    信虎追放、信玄陣没、勝頼自刃――。 天下に名をとどろかせた甲斐の武田家。風林火山を旗印にしたこの強大な騎馬軍団は如何にして生まれ、そして滅んだのか。信虎、信玄、勝頼という武田三代にまつわるさまざまなエピソードから、埋もれた真実が明らかになる! 著者の代表作『武田信玄』の基礎をなしたともいえる七篇を集めた短篇集。
  • 義経と静御前・二人の「その後」 各地に残された生存伝説は何を語るのか
    4.0
    稀代の英雄・源義経と絶世の佳人・静御前の吉野山での悲劇のわかれ――能や歌舞伎にもなり、日本人に広く親しまれてきたこの物語には、後日談ともいうべき伝説が日本各地にある。奥州藤原氏を頼って落ちのびながら、藤原泰衡に居館を急襲されて自刃した義経は、じつは北への逃避行に旅立っていたという。一方の静御前は、吉野山で捕らわれ、鎌倉で尋問を受けた後は、京へ向かったまま消息不明とされていた。しかし彼女にも、義経を追って旅に出たという伝説が各地に存在している。本書は、全国に残る伝説・伝承を検証しながら、二人のその後を大胆に推理した歴史読み物。著者は、数多くの静御前伝説が残る福島県郡山市在住。近畿から北海道まで、義経を追った静御前は、再びめぐり逢うことができたのか。日本史を代表する美男美女の悲恋物語には、いかなるエピローグが描かれるのか。歴史ロマンを堪能できる一冊、増補。

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  • 将軍家の秘宝 献上道中騒動記
    4.0
    山奥に眠る謎のお宝とは!? 若僧、山女、不正探索方が迫る! 舞台は江戸時代の信濃国。修業先から逃げ出した若僧・秀全は、ひょんなことから行商人の平助、若い山女・まつと行動を共にする。読心術の心得がある秀全、藩の密命を受けて不正を探る平助、蛇や野獣を従えるまつ。三人が山中を行くうちに遭遇したのは、山に眠る謎の将軍家献上品をめぐり、跳梁跋扈する人々だった。躍動感溢れる時代活劇エンターテインメント。
  • <上杉謙信と戦国時代>謙信上洛の秘密
    4.0
    地に落ちた“京の権威”と、守護代長尾家を相続し、波に乗る上杉謙信。対照的な二つの権力が、互いを引き寄せた。戦国まっただ中、本国を空にしてまで、上洛する必要がどこにあったのか。主役が目まぐるしく入れ替わる時代、謙信二度の上洛を位置づける。
  • 織田信長の浅井・朝倉殲滅戦
    4.0
    「武」をもって統一を目指す織田信長にとって、旧権力の支配を認めながら自身の支配を拡大していく、浅井・朝倉氏は目障りな存在であった。元亀元年の金ヶ崎の戦いから続く姉川の合戦、一乗谷・小谷城攻略まで、信長対浅井・朝倉氏の全記録。
  • 天下、なんぼや。
    4.0
    摂津国伊丹で酒蔵を営む鴻池新六は、ひょんなことから濁りのない酒「清酒」を発明する。評判を呼ぶ新六の前に現れた謎の男・半一。彼は新六が「ある名将」の忘れ形見であることを知っていた。半一を遣わした“大御所”徳川家康の思惑とは。さらに新六は、茶屋四郎次郎、淀屋善右衛門ら大物商人と出会い、海運業、大名貸へと乗り出していくが――。江戸時代を代表する「鴻池財閥」を築いた“脱武士”商人・鴻池新六の血湧き肉躍る一代記!
  • 遠い花燭
    4.0
    幕府の政争に巻き込まれ職を失った稀代の経世家・工藤平助を父に持つ主人公・真葛。壊れかけた父娘の関係だったが、父の元に集まってくる多くの人との触れ合いを通し、真葛は自らの過去を乗り越え、新たな時代へ踏み出していく。江戸時代後期を生きた女性の姿を描く時代小説。
  • 満つる月の如し 仏師・定朝
    4.0
    藤原氏一族が権勢を誇る平安時代。内供奉(ないぐぶ)に任じられた僧侶隆範(りゅうはん)は、才気溢れた年若き仏師定朝(じょうちょう)の修繕した仏に深く感動し、その後見人となる。道長をはじめとする貴族のみならず、一般庶民も定朝の仏像を心の拠り所としていた。しかし、定朝は煩悶していた。貧困、疫病に苦しむ人々の前で、己の作った仏像にどんな意味があるのか、と。やがて二人は権謀術数の渦中に飲み込まれ……。(第32回新田次郎文学賞受賞作)
  • 洛中洛外画狂伝 狩野永徳 上
    値引きあり
    4.0
    その絵は、誰のために、何のために、描かれたのか? 狩野派の若き天才が挑んだのは、一筆の力で天下を狙う壮大な企てだった――。天才絵師・狩野永徳が「洛中洛外図屏風」完成に至るまでの苦悩と成長を描いた話題作文庫化。下巻に特別描き下ろし短編を収録。
  • 八州廻り浪人奉行 : 1 天命の剣
    4.0
    中西派一刀流宗家の妾腹・小室春斎は、剣の腕を見込まれ、欠員が出ていた関東取締出役(八州廻り)に推挙される。着任早々、薬種問屋で主人から奉公人、同僚まで惨殺される事件が勃発。下手人の手がかりは、肩に彫られた鴉の刺青のみ。亡き父の遺言を胸に、春斎は賊を追って上州路へと旅立つ。
  • 恩讐の彼方に 桶狭間合戦 応仁の乱
    4.0
    青の洞門を掘削した実在の僧を元に創作した作品。感動の「恩讐の彼方に」昔、主人殺しをした市九郎は過去の罪業を悔やみ出家し罪滅ぼしの旅に出る。断崖絶壁に阻まれた山道の難所を掘削して旅人の命を救おうとする。村人からは狂人扱いされながらも18年掘り続け、やっと周囲の協力を得られ工事は進んでいたところへ、親の仇を探し続けた実之助が現れる。やせ衰えた市九郎と親の仇を討たねば、家には帰れない実之助。開通まで仇討ちは日延べするのだが……。「桶狭間合戦」織田信長の天下統一への軌跡はこの一戦にあり。今川義元との戦いで奇跡の勝利。圧倒的な兵力差を跳ね返した信長の胆力。もし敗れていたならば歴史は変わっていた。今川との衝突は必然だが信長の勝利は偶然だったのか。「応仁の乱」戦国時代の幕開け。京都に起こった争乱がやがて全国に波及に日本中が戦場と化した。将軍義政を巡って細川勝元、山名宗全の対立を軸に応仁の乱を捉えた作品。読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 東雲(しののめ)の途(みち)
    4.0
    橋の下で見つかった男の屍体の中から瑠璃が見つかった。探索を始めた定町廻り同心の木暮信次郎は、小間物問屋の遠野屋清之介が何かを握っているとにらむ。そして、清之介は自らの過去と向き合うため、岡っ引きの伊佐治と遠き西の生国へ。そこで彼らを待っていたものは……。著者がシリーズ史上ないほど壮大なスケールで描く「生と死」。超絶の「弥勒」シリーズ第4弾。
  • 公事師 卍屋甲太夫三代目
    4.0
    訴訟の代行をする公事師として名高い二代目卍屋甲太夫。その一人娘・お甲は、父を手伝い、女だてらに公事を取り仕切る切れ者だ。だが、女が後継になることは許されなかった。父が病床に伏した時、婿をとりたくないお甲は、架空の人物・卍屋甲太夫三代目をでっち上げ、家業を継ごうとするが――。波瀾万丈にして痛快! 待望の傑作新シリーズ登場。
  • 夕立ち―橋廻り同心・平七郎控
    4.0
    新大橋――男に裏切られた女を包む涙雨、赤羽橋――水面を舞う初蛍に母の面影が、今川橋――愛するがゆえに姿を消した男の決意…。涙橋、情け橋、面影橋――悲喜こもごもの人生模様が交差する江戸の橋を預かる、北町奉行所橋廻り同心が情をもって剣をふるう。人情裁き、橋づくし物語。
  • 朝の霧
    4.0
    「いまのわたくしは元親の妹ではなく、殿に嫁いだ養甫にござります」 四国統一を目指す長宗我部元親の旗下で勇名を馳せた名将・波川玄蕃。元親の妹・養甫を妻とし、領民からの信望も篤い玄蕃だったが、いつしか元親の暗い嫉妬を買い、次々と失脚の罠を仕掛けられる。やがて襲う悲劇――。戦国乱世における夫婦の情愛、家族の絆、側近たちの活躍をいきいきと描いた、感涙の時代小説。
  • 青嵐を斬る 居眠り同心影御用10
    4.0
    北町奉行所の凄腕同心・蔵間源之助は故あって「居眠り番」と蔑まれる閑職に左遷された。暇をもてあます源之助が春爛漫の墨堤で釣りをしていると、暴れ馬が人々を蹴散らし、馬上には瀕死の武士が騎乗。武士は一通の書状を懐から出し、信濃木曽十万石の名門大名家に届けてほしいと言って息絶えた。源之助は……。
  • 新太閤記(一)
    4.0
    「奇妙な面をしとるわ。猿に似とるわ。チビ猿じゃな」信長は小者志願の若者を見て大笑いした。武士の作法に通じた若者は悪びれず、側用人に答えた。「今川の被官松下嘉兵衛尉が家で士奉公しとりました。父は先代信秀さまが鉄砲足軽しとりました木下弥右衛門と申します」「名は!」「木下藤吉郎秀吉でございます」「なんじゃとォ!」信長はきびしい目で若者を凝視した。若者はこの時23歳。これが、当時どじょう売りの与助と呼ばれていた秀吉と信長の出会いであった。
  • 秋声のうつろい 小伝馬町牢日誌
    4.0
    凡庸な忠義者の助蔵が、剣客として知られる主人を斬り殺した科で入牢してきた。不審に思った大賀弥四郎は、持ち前の人の好さで調査に乗り出す。一筋縄ではいかぬ想いに目をこらす心優しき牢屋同心の事件簿。
  • とんぼさま
    4.0
    織田信長、武田信玄、上杉謙信等、群雄割拠の世にあって「極楽とんぼ」と揶揄されながら、齢70まで生き延びた武将・小笠原長時の、常識はずれの処世術。負け続けた男が最後に得た真実とは。
  • 契り桜~風太郎江戸事件帖~
    4.0
    本所深川へやって来て一年。風魔一族の跡取り・風太郎も、下っ引きの仕事が板についてきた。お互い憎からず思う綾乃という娘もいる。そんなある日、風魔の抜け忍がなじみの飯屋で働き始めたのを知る。近ごろ江戸を騒がせる数々の事件は、奴の仕業なのか? 忍術を封印した風太郎におそろしい罠が迫る――。いくつもの恋が咲き、時に散る、心に沁みる江戸人情捕物帖。
  • 氷輪(上)
    値引きあり
    4.0
    直木賞作家・永井路子氏の作品が遂に電子化! 数々の苦難に遭いながら、十年の歳月を経て、戒和上鑑真とその弟子が渡日。 彼らは、「戒」を伝承するためにやって来たのだが、日本側の仏教に対する温度差に戸惑い、不遇をかこつ。 権謀術数に長け、光明皇太后の信任を得て、権力の中枢にある藤原仲麻呂が牛耳る天平の時代を丹念に史料を読み込み、紡ぎ出した歴史大作。 第21回女流文学賞受賞作。 【上巻 目次】 出  発 時  間 言  葉 儀  式 葬 送 行 演  出 杖  死 優  詔 空  白 遺  構 唐律招堤 【著者プロフィール】 大正14年東京生まれ。東京女子大学国文科卒業後小学館に入社し、『女学生の友』『マドモアゼル』の編集者を務める。 小学館時代から歴史小説を執筆し始め、昭和39年『炎環』で直木賞を受賞。その他にも吉川英治文学賞を受賞した『雲と風と』等多くの素晴らしい作品を世に送り出している。 男性的目線になりがちな歴史人物や歴史事件を解きほぐし、その陰になりがちな女性にも焦点をあて、歴史上の人物、出来事を鮮やかに浮かび上がらせる作風は、歴史小説に新風を巻き込んだものと評価されている。 また、直木賞受賞作品である『炎環』、『北条政子』などは、NHK大河ドラマ『草燃ゆる』(1979年)の原作として、また『山霧 毛利元就の妻』『元就、そして女たち』などは、同じくNHK大河ドラマ『毛利元就』(1997年)の原作としても知られている。
  • とまどい関ヶ原
    4.0
    「あれは内応しておるのではないか」裏切りと内通の噂が飛び交い、大坂方か徳川方か、どちらが勝つか最後までわからなかった関ヶ原合戦。天下分け目のこの戦いは、人生の分かれ目。栄達か、しからずんば死か……。でも実際は、誰もがとまどい、迷っていた。敵中突破しての大坂行き。でも同行者がヘンだ!(「大根を売る武者」)。両軍にいい顔をわが城が東西の境目に(「日本一幸運な城の話」)。手勢わずか六百。なのに勝敗の鍵を握らされた(「草の靡き」)。毛利家の野望と、安国寺恵瓊の野望は相性が悪い?(「百尺竿頭に立つ」)舞台裏で勝敗の帰趨を左右した武将から、脇役を演じた小身の武士まで、野心と謀略が渦巻く関ヶ原合戦に振り回された男たちを温かく(?)描く傑作小説。

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  • それからの武蔵(一)波浪篇
    4.0
    慶長十七年四月、巌流島の決闘は武蔵の一撃の勝利に終った。だが、小次郎の復讐を誓う鴨甚内とおりんは、執拗に武蔵をつけ狙う。折しも九州路はキリシタン弾圧と南蛮人の暗躍で策謀渦巻き、剣風が吹き荒れていた。果てしなく武蔵を襲う剣と短筒。そして彼を慕う美女お孝……仕官の志を棄て、剣一筋の道に己の生きる意味を求める古今無双の剣豪の物語。
  • 涼州賦
    4.0
    【第4回小説すばる新人賞受賞作】中国は唐の時代末、長安の都からはるかに遠い涼州の地に赴任した若き都督・尚参。この辺境の地でひたすら私服をこやす悪人どもをむこうにまわして戦うには少々頼りない存在である。そんな彼を助けるのが謎の賞金稼ぎ・豹狄と酒場の女・小杏――。アップテンポのストーリー展開、アクションありロマンスありの新感覚中国時代活劇。第4回すばる新人賞受賞作。
  • 命の値段 生命保険を創った男たち
    4.0
    貴殿の命は百円なり。生命保険という名の命の絆に賭けた男たちの熱き志を描く! 明治の初め、質屋を営んでいた角田小太郎は、友人の巡査の死や新興商人・安田善次郎との出会いを機に、庶民のための「人命保険」結社を立ち上げた。しかし、「宵越しの金は持たない」江戸っ子たちに生命保険の精神を浸透させるには、多くの災厄と困難に立ち向かわねばならなかった――福沢諭吉が日本に初めて紹介した生命保険の黎明期を描く感動の歴史ドラマ。
  • 新・平家物語(一)
    4.0
    12世紀の初め、藤原政権の退廃は、武門の両統“源平”の擡頭をもたらした。しかし、強者は倶に天を戴かず。その争覇興亡が古典平家の世界である。『新・平家物語』も源平抗争の歴史を描くが、単なる現代訳でなく、古典のふくらんだ虚像を正し、従来無視された庶民の相(すがた)にも力点を置く。――100年の人間世界の興亡、流転、愛憎を主題に、7年の歳月を傾けた、著書鏤骨の超大作。
  • 寒雀 照降町自身番書役日誌
    4.0
    刀を捨て照降町の住人たちとまじわるうちに心が通じ合い、次第に町人の顔つきになってきた喜三次。そんな自分に好意を抱いてくれるおゆきに対して憎からず思うものの、過去の心の傷が二の足を踏ませて……
  • 青雲の大和 上
    4.0
    中大兄皇子を戴き、かつての学友・蘇我入鹿討伐を決意した中臣鎌足の深謀。大化改新を東アジアの視点からとらえ、新国家建設の大業に乗り出した者たちの苦闘。波瀾万丈の古代史エンタテインメント小説。
  • くノ一忍法帖 山田風太郎ベストコレクション
    4.0
    大坂城落城により天下を握ったはずの家康。だが、信濃忍法を駆使した5人のくノ一が秀頼の子を身ごもっていると知り、伊賀忍者を使って千姫の侍女に紛れたくノ一を葬ろうとする。妖艶凄絶な忍法帖。
  • 慶応水滸伝
    4.0
    幼少期、両親を火事で亡くした新門辰五郎は、町火消十番「を」組の頭取・町田仁右衛門に引き取られる。火消や喧嘩の仲裁で男を上げ、遂に「を」組を継承。その名を慕い国定忠治ら名だたる侠客が草鞋を脱ぐ。そんな辰五郎を見込んだ勝海舟は、のちに第十五代将軍となる一橋慶喜に引き合わせるが!? 文庫書き下ろし。〈解説〉細谷正充
  • おっとり若旦那 事件控(一) 大江戸世間知らず
    値引きあり
    4.0
    湯女に入れあげて追い出された呉服屋の若旦那、惣二郎。刀は持てぬが侍には引けを取らぬ。女には甘いが男には手厳しい。習い事に凝ったり、人妻に惚れたり、騒動に巻き込まれる天才の若旦那に降りかかる事件とは!?
  • 九鬼水軍
    4.0
    黒潮にのってまたたくうちに兵を送りこむ九鬼水軍。自らを「海賊大将軍」と名乗った海の勇者・九鬼義隆の半生は、まさしくその「海賊大将軍」にふさわしい生き方であった。信長・秀吉・家康時代を通じて、つねにその計り知れない力を発揮した九鬼水軍の驚異を生き生きと描く長編歴史ロマン。
  • 恋形見
    値引きあり
    4.0
    上総飯野の保科家から、会津松平家に養女として入った照姫は、世子・容保との結婚は叶わず、いったん他家へ輿入れする。しかし、幕末の動乱に容保の身を案じる照姫は、自ら離縁を願い出て再び松平家に戻った。京都守護役として尽力したにもかかわらず、容保はやがて、賊軍として追討される身となり……。恋君の悲恋を描く表題作のほか、「間諜許すまじ」「眉山は哭く」「明治四年黒谷の私闘」など、維新期の時代の波に翻弄された無名の人々を描いた四篇を収める、佳品短篇集。
  • 新・平家物語 完全版
    4.0
    晩年の吉川栄治が執筆に7年もの歳月を費やした超大作の完全版が遂に登場!! 時は12世紀。人々の思惑が渦巻くなか、戦に勝ち進んだ平家は紅蓮の炎のような勢いで栄華を極めその地位を不動のものにするかに見えた。 対する源氏はそんな平家の動向を遠目に見つつ虎視眈々と打倒平家の機会をうかがう。 赤旗の平家と、白旗の源氏。 日本人なら誰もが知っている紅と白の戦いの物語が、いま幕を開ける……。
  • 独活の丙内 密命録 咎斬りの太刀
    4.0
    南町奉行所の同心と火付け盗賊改方の同心が、そろって何者かに惨殺された。前代未聞の凶悪な辻斬り事件に奉行所は殺気立つ。そんな中、普段は「独活の大木」とさげすまれている昼行灯与力の田中丙丙に、幕府の上層部から密命が下った。かつて「鬼」と恐れられ、わけあって無能者の仮面を被っていた丙丙だが、同心殺しと密接に関わる謀略を暴くため、再び鬼となって立ち上がる!冤罪に泣いた町人、謎の黒幕集団、あやかしの如き剣客…立ちはだかる謎と陰謀を、丙丙の無外流剣術が一刀両断!最後まで飽きさせないノンストップ時代小説、 ここに開幕。
  • 悲愁中宮
    4.0
    平安時代、権力をほしいままにした藤原一族の中宮定子は、関白・藤原道隆(道長の兄)の娘で、一条帝の皇后となった。幸せそうに見えた定子の運命は、父の死を境に、道長の老獪な陰謀にかかり、あえなく散った……。政略結婚の悲劇をまざまざと描いた、直木賞作家による長編ロマン。
  • 先生のお庭番
    4.0
    出島に薬草園を造りたい。依頼を受けた長崎の植木商「京屋」の職人たちは、異国の雰囲気に怖じ気づき、十五歳の熊吉を行かせた。依頼主は阿蘭陀から来た医師しぼると先生。医術を日本に伝えるため自前で薬草を用意する先生に魅せられた熊吉は、失敗を繰り返しながらも園丁として成長していく。「草花を母国へ運びたい」先生の意志に熊吉は知恵をしぼるが、思わぬ事件に巻き込まれていく。
  • 船を待つ日 - 古物屋お嬢と江戸湊人買い船
    4.0
    ひどい近眼でどんくさい古物屋の娘・翠。ある日、翠の聡さを見抜く大商人・勘兵衛から南蛮の眼鏡を贈られ、図らずも江戸にはびこる大犯罪の渦中に。海に投げ捨てられた子供の変死事件や贋御紋つきの古物を作る人物を追い、侍の子・森之介と奔走するが、次第に幕府さえ脅かす巨大な黒幕が現れる。舶来の古物から謎を解く古物屋お嬢シリーズ第一弾!
  • 秘戯書争奪
    4.0
    13代将軍の家定は“癇性公方”といわれ、すこぶる虚弱体質のうえに凡愚、最低クラスの将軍だったらしい。31歳にもなるのに世嗣ぎがいないのは「子供のつくり方」を知らなかったというのだ。すわっ、徳川家の一大事、将軍様にお世嗣ぎを! そこで城中奥医師の多紀法印は秘策を練った。古来から宮中に伝わる門外不出の奇書『医心方』を入手することだ。これには、陰萎早漏を治す秘術が網羅されているという。稀代の『奇書』をめぐって、甲賀忍法VS伊賀忍法の死闘が始まった。
  • 赤まんま―慶次郎縁側日記―
    4.0
    不治の病に逝った幼な馴染みの霊前で、誓いを立てた簪を独り見つめる材木問屋の心のうちも、容色盛んな若後家がなお胸に秘める亡くした夫との思い出も、秋風にひっそり揺れる赤まんまの花しか知らない。折檻、密通、盗癖だと町の騒ぎをはやす輩も、心のわるさに弄ばれ道を外した人々の苦い涙に気付かない。ゆえに仏の慶次郎は、苛む心の苦しみと忍ぶ心の悲しみに、今日も静かに耳をすます。
  • 惑いの剣 居眠り同心影御用9
    4.0
    無銭飲食の男の正体は大奥出入りの評判絵師。謎が謎を呼ぶ影御用! 北町奉行所の元筆頭同心で今は「居眠り番」の蔵間源之助と岡っ引の京次が場末の酒場で助けた無銭飲食の男は、なんと大奥出入りの高名な絵師・村上定観だった。なぜ江戸一の絵師が無銭飲食などをしたのか? 翌日、定観から奇妙な影御用が舞い込んだ。同じ頃、日本橋の履物問屋杵屋の長男善太郎から、これまた奇妙な影御用が源之助の許に寄せられて……。謎が謎を呼ぶ影御用。
  • 消えた村
    4.0
    その村に一体何が起こったのか…… 美しさと醜さ、偉大さと愚かさが錯綜する人間の性(さが)を描く 眞海恭子の心に痕跡を刻み込む時代小説四編。

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