歴史・時代小説 - 中公文庫作品一覧

  • 合本版 悪党の裔(上・下) 新装版
    5.0
    播磨の悪党の首魁には大きすぎる夢だった。おのが手で天下を決したい――楠木正成と出会った日から、大望が胸に宿った。軍資金を蓄え兵を鍛えて時を待ち、遂に兵を挙げた。目指すは京。倒幕を掲げた播磨の義軍は一路六波羅へと攻め上る。寡兵を率いて敗北を知らず、建武騒乱の行方を決した赤松円心則村を中心に描く、漢たちの軌跡。 第一章 遠い時 第二章 意 地 第三章 妖霊星 第四章 決 起 第五章 原野の風 第六章 遠き六波羅 第七章 白き旗のもと 第八章 征夷大将軍 第九章 砕けし時 第十章 旗なき者 第十一章 野の花  解説 亀田俊和
  • 落花
    5.0
    平安時代中期。天皇の従兄である仁和寺僧・寛朝は、己の楽音を究めるため、幻の師を追って京から東国へ下った。そこで荒ぶる地の化身のようなもののふに助けられる。のちの謀反人・平将門だった――。豪放磊落でまっすぐな将門は、次第に叛乱の将に祭り上げられていく。戦場に響く喊声、弓矢のうなり……武士の世の胎動を描く傑作長篇。〈解説〉新井弘順
  • 奇貨居くべし(合本)
    5.0
    幼い頃から孤独感にさいなまれてきた少年、呂不韋。商人である父の言いつけで従者とともに旅に出たことから彼の運命は大きく変転する。藺相如との出会い、和氏の璧事件……。合従連衡がほどけては結び直される激動の時代、孟嘗君、孟子ら英傑の薫陶を受け呂不韋は理想の王朝を目指し、商人から政治の世界に身を投じるが……。一商人から大国・秦の宰相にまでのぼりつめた呂不韋の生涯を描く歴史大作。
  • 一路(上下合本)
    5.0
    失火により父が不慮の死を遂げたため、江戸から西美濃・田名部郡に帰参した小野寺一路。齢十九にして初めて訪れた故郷では、小野寺家代々の御役目・参勤道中御供頭を仰せつかる。失火は大罪にして、家督相続は仮の沙汰。差配に不手際があれば、ただちに家名断絶と追い詰められる一路だったが、家伝の「行軍録」を唯一の頼りに、いざ江戸見参の道中へ!
  • 草原の風(上中下合本)
    5.0
    高祖・劉邦の子孫でありながら、鮮明な未来を描くことの出来ぬまま、田を耕す日々を送っていた劉秀。しかし、王莽の圧政に耐えかねて、兄と共に挙兵する。天下に乱立する英傑と鮮やかな戦いを重ね、劉秀はとうとう天子として立つが……。合本で名作一気読み!
  • 恋衣 とはずがたり
    5.0
    鎌倉末期、後深草院の宮廷を舞台に、愛欲と乱倫、嫉妬の渦に翻弄される女官・二条。幼くして生き別れとなった娘・露子が、二条の遺した日記を繙きながら、晩年は尼となり自らの脚で諸国を遍歴するまで、美しく、気高く、そして奔放に生きた実母の人生を辿る。史上最も赤裸々な女流古典「とはずがたり」が700年の時を超え、大胆によみがえる。
  • 御隠居忍法9 刺客百鬼
    5.0
    狸斎の娘・奈々江の舅であり狸斎の親友でもあった新野耕民が急死。耕民は笹野藩の後嗣をめぐる争いに巻き込まれ、黒手組によって暗殺されたのだった。狸斎は耕民の遺志を継ぎ、君主の幼い落胤と守り役の娘を江戸へ送る役目を引き受けるが、道中、神出鬼没の刺客が襲いかかる! シリーズ第九弾。

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  • 江戸悪党改め役 刺客請負人
    5.0
    幕府大老格・柳沢吉保が病葉刑部を亡き者にせんと送り込んだ刺客は、清国からやってきた異形の暗殺団・蛇囚だった。シリーズ第五弾

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  • 闇の陽炎衆 刺客請負人
    5.0
    雄藩のお家騒動に巻き込まれた清楚な菊姫を、刺客の嵐の中、ただ一人守り抜いた松葉刑部。再び謎の暗殺集団陽炎衆に襲われた菊姫を護るため、立ち上がる。決して結ばれぬ主従の愛を一剣に賭けて最凶の敵と向かい合う孤臣の戦いの行方は……。「刺客請負人」シリーズ第四弾!

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  • 総司はひとり
    5.0
    文久二年、春のことだった。眼前に迫るひとりの武士……。沖田総司は初めて人を斬った。苦悩の運命に翻弄される、天才剣士の生涯を渾身の筆で描く。

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  • 惜別の海(上)
    5.0
    天正十三年(一五八五)秀吉が関白に就き、天下統合の速度を増していく中、地侍で石工衆差配の大森六左衛門は、聚楽第(じゅらくてい)御構(おかまえ)の普請に駆り出されていた。娘の於根と通じ合う十蔵、十蔵を妬み出世の野心を抱く以蔵らを従える六左衛門だが、権勢を肥大化させる秀吉の黒い影が迫る……。秀吉の「朝鮮出兵」に巻き込まれる人々を描く渾身の長編小説。

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  • 花輪大八湯守り日記 艶福地獄
    5.0
    義による私闘を咎められ、勘当同然に山深き温泉の湯守となった新庄藩士・花輪大八。その肘折の湯に不思議な女の一群が現れた。率いるのは奇怪な技を使う医師。それを機に、鄙びた湯町を二分し新庄城下をも巻き込む騒動が引き起こされる。一方、大八には見合い話が持ち込まれ……。大八、女に惑う!?

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  • 北条早雲1 青雲飛翔篇
    完結
    4.7
    人気シリーズがついに文庫化! 一代にして伊豆・相模を領する大名にのし上がった風雲児の、 知られざる物語が幕を開ける! 後に「北条早雲」と呼ばれることになる伊勢新九郎。 父の任地・備中荏原郷で過ごした幼少期から、 都で室町幕府の役人となり、 駿河でのある役目に乗り出すまで―― 稀代の悪人に成り上がった男は、 いかにして自らの信念を貫いたのか。 全5巻、連続刊行スタート。
  • 賤ヶ岳の鬼
    4.5
    柴田勝家の甥にして、鬼玄蕃の異名を持つ猛将・佐久間盛政。戦に幾度敗れても折れぬこの男を、信長は「諦めの悪い奴」と称した。柴田側として参戦した賤ヶ岳の緒戦では羽柴軍に大勝するも、やがて秀吉の調略により形勢は逆転。誰もが敗北を覚悟する中、盛政の眼だけはまだ死んでいなかった――。「戦国一諦めの悪い男」の鮮烈なる生き様!
  • 家康の子
    4.5
    偉大な父をいつか超えてみせる――。徳川家康の子の生まれ、11歳で人質として豊臣秀吉の養子となった於義丸は、天下人と父との狭間で、自らの使命を見いだしていく。新田次郎文学賞・中山義秀文学賞受賞作家による、福井藩祖・結城秀康の波瀾万丈の生涯を描く歴史巨編。
  • 幕末 暗殺!
    4.5
    定説は覆されるのか? 真犯人の驚きの動機とは? 幕末の江戸で、京で、多くの命が刺客によって闇に葬られた。暗殺――。彼らはなぜ殺されなければならなかったのか。血塗られた歴史の暗がりに、7人の作家が、想像力と推理と筆で光を当てる。実力派たちが江戸末期の政局の暗部に斬り込んだ、大好評オリジナル競作アンソロジー。   谷津矢車×桜田門外の変◆「竹とんぼの群青」 早見俊×塙忠宝暗殺◆「刺客 伊藤博文」 新美健×清河八郎暗殺◆「欺きの士道」 鈴木英治×佐久間象山暗殺◆「血腥き風」 誉田龍一×坂本龍馬暗殺◆「天が遣わせし男」 秋山香乃×油小路の変◆「裏切り者」 神家正成×孝明天皇毒殺◆「明治の石」
  • 武揚伝 決定版(上)
    4.5
    本書は21世紀に入って刊行された最も優れた歴史小説であり、一人の作家が生涯に一度書けるかどうかというほどの名作である。 ――縄田一男(日本経済新聞書評より) 黒船来航に揺れる幕末。榎本釜次郎(武揚)は、幕府要人の蝦夷地視察に随行した後、新設の海軍伝習所に入所。操船、蒸気機関等の技術や語学を研鑽し、オランダ留学を果たす。欧州の地で近代国家間の戦争を目の当たりにした釜次郎は、日の本と隔絶する列強諸国の有り様に驚愕する――。 新田次郎文学賞受賞作を全面改稿した決定版!
  • 新選組血風録 〈改版〉
    4.5
    近藤勇、土方歳三、沖田総司、斎藤一から妖しい前髪の美剣士や薩摩の間者……。混沌たる状況を切り、斃れていった隊士一人一人の哀歓を冴え冴えと浮彫りにする名作。
  • 郷四郎無言殺剣 柳生一刀石
    4.5
    奈良を探索する音無黙兵衛こと菅郷四郎と伊之助は、幕府の実力者である御側御用取次・水野忠秋が、二十年前の正倉院宝物流出の首謀者であるという決定的証拠を手に入れる。その直後、郷四郎のもとに一通の書状がもたらされる。そこには、「一刀石で待つ」と記されていた。無言殺剣シリーズ完結篇。
  • 比ぶ者なき
    4.4
    彼の名は藤原不比等。自らの野望のために一三〇〇年の間、日本人を欺き続けた男――。ノワール小説の旗手が放つ、衝撃の古代歴史巨編 万世一系、天孫降臨、聖徳太子――すべてはこの男がつくり出した。藤原史(のちの不比等)が胸に秘めた野望、それは「日本書紀」という名の神話を創り上げ、天皇を神にすること。そして自らも神の一族となることで、永遠の繁栄を手にすることであった。古代史に隠された闇を抉り出す会心作。
  • うぽっぽ同心十手綴り 藪雨
    4.3
    おででこでん、おででこでん。女だけで芝居を打つ「緒川佐保之丞」一座は大入り人気で江戸を騒がしていた。愛娘の綾乃が女役者の赤子を取り上げた縁があり、臨時廻り同心の長尾勘兵衛も足を運ぶ。しかし夕刻、大惨事が起こってしまう……。たかが“うぽっぽ”と侮るなかれ、怒らせたら手が付けられぬ鬼と化す――。傑作捕物帳シリーズ第五弾!
  • 江戸の雷神
    4.3
    火付盗賊改役の伊香雷蔵は、常に捕物の先頭に立ち、町人に人気がある。その勇猛さで「江戸の雷神」と呼ばれる一方、斬り捨て御免の火盗改ながら、できるだけ賊を生け捕るのが信条という快男児だ。府内を騒がす辻斬り、押し込みに加え、その鮮やかな手並みで「匠小僧」と呼ばれる盗賊を追う雷蔵だったが――。痛快時代小説シリーズ、開幕!
  • 新装版 奇貨居くべし(一) 春風篇
    4.3
    秦の始皇帝の父ともいわれる呂不韋。一商人から宰相にまでのぼりつめたその波瀾の生涯を描く。十五歳の少年・不韋は、妾腹の子であるため、家にあっても孤独で、確たる未来を描けないまま日々を送っていた。ある日、父の命により従者・鮮乙とともに旅に出ることになったが……。【全五巻】
  • 天の川の太陽(上)
    4.3
    1~2巻1,257~1,485円 (税込)
    大化の改新のあと政権を保持する兄・天智天皇の都で、次第に疎外される皇太弟・大海人(おおしあま)皇子。悲運のなかで大海人の胸にたぎる想いは何か。額田王との灼熱の恋、鬱勃たる野心。古代日本を震撼させた未曾有の大乱の全貌を雄渾な筆致で活写する、小説壬申の乱。吉川英治文学賞受賞作。
  • 浮世女房洒落日記
    4.3
    お江戸は神田の小間物屋、女房・お葛は二十七。お気楽亭主に愛想つかし、家計はいつも火の車。それでも風物たのしんで、美顔の探求余念なし。ひとの恋路にゃやきもきし、今日も泣いたり笑ったり。あっけらかんと可笑しくて、しみじみ愛しい、市井の女房が本音でつづる日々の記録。

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  • 黎明に叛くもの
    4.3
    ペルシャ由来の暗殺法を伝える山で刺客として育てられた美貌の稚児。志を胸に山を下りた少年は、長じて松永久秀と名乗り、京を手中に収める。織田信長より過激、斎藤道三よりしたたか――戦国一婆娑羅な悪党は、妖しの法を自在にあやつり、信玄、謙信、光秀はじめ群雄たちを翻弄する。虚と実の狭間に屹立する異形の戦国史。

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  • 猫大名
    4.3
    新田義貞の末裔・岩松家はわずか百二十石の石高と霊験あらたかな「猫絵」でその名を知られていた。二十一代当主・満次郎俊純が明治維新後に男爵に叙せられるまでの波瀾万丈の日々を、幕末の世相・騒乱とともに描く。『猫男爵』を改題。

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  • ハンニバル戦争
    4.2
    史上最凶の敵から祖国を守れ! 時は紀元前三世紀。広大な版図を誇ったローマ帝国の歴史で、史上最大の敵とされた男がいた。カルタゴの雷神・バルにあやかりつけられた名はハンニバル。戦を究めた稀代の猛将軍・ハンニバルが今、復讐の名の下にアルプスを超えた。予測不可能な強敵を前に、ローマの名家出身の主人公・スキピオは、愛する家族と祖国を守り抜けるのか?
  • 一路 (上)
    4.2
    失火により父が不慮の死を遂げたため、江戸から西美濃・田名部郡に帰参した小野寺一路。齢十九にして初めて訪れた故郷では、小野寺家代々の御役目・参勤道中御供頭を仰せつかる。失火は大罪にして、家督相続は仮の沙汰。差配に不手際があれば、ただちに家名断絶と追い詰められる一路だったが、家伝の「行軍録」を唯一の頼りに、いざ江戸見参の道中へ!
  • 信玄の軍配者(上)
    4.2
    足利学校で共に学んだ仲間たちと別れた山本勘助。軍配者として仕えようと駿河の今川家を訪れるが、過去の因縁から逆に囚われてしまう。以来六年、齢四十を超えて尚、仕える主君と巡り会えずにいた。そんな折、甲斐を追われた武田信虎から実子・晴信暗殺計画を告げられる。死中に活を求めるべく甲斐に向かう勘助は、ついに歴史の表舞台へと歩み出す!

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  • 早雲の軍配者(上)
    4.2
    世は戦国、領民たちから「韮山さま」と慕われている伊勢宗瑞こと、北条早雲。彼に見出された少年・風間小太郎は、伊勢家の未来を担う軍配者となるべく、足利学校に送り込まれた。そこでは兵法・占術・医術・観天望気――戦国大名のブレーンに必要な学問に励む傍ら、生涯のライバルたちにも巡り会う!新時代の戦国青春エンターテインメント。

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  • 草原の風(上)
    4.2
    父の死により、叔父に引き取られ、使用人とともに田で働く劉秀。高祖・劉邦の子孫でありながら、鮮明な未来を描くことができぬ日々を過ごしていたが……。三国時代よりさかのぼること二百年。古代中国の精華・後漢王朝を打ち立てた光武帝・劉秀の若き日々を、中国歴史小説の巨匠が鮮やかに描きだす。

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  • 修理さま 雪は
    4.2
    会津武士の妻としての矜持を胸に自ら命を絶った神保雪子、若松郊外涙橋で果敢に敵兵と白刃を交わし戦死した中野竹子、砲術に優れ会津籠城戦に勇躍、のち新島襄の妻となった山本八重……。会津落城にまつわる七つの悲話を丹念に掘り起こし、美文に昇華した連作短篇集。

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  • 流人道中記(上)
    完結
    4.1
    日本中から感嘆の声、続々。 『壬生義士伝』『一路』の浅田次郎、最高の感動作。 万延元年(1860年)。姦通の罪を犯した旗本・青山玄蕃に奉行所は切腹を言い渡す。だがこの男の答えは一つ。「痛えからいやだ」。玄蕃は蝦夷松前藩へ流罪となり、押送人の見習与力・石川乙次郎とともに奥州街道を北へと歩む。口も態度も悪い玄蕃だが、道中行き会う事情を抱えた人々を、決して見捨てぬ心意気があった。この男、本当に罪人なのか?
  • 雨上がり月霞む夜
    4.1
    堂島で紙油問屋を営んでいた上田秋成は大火によって焼け出され、幼馴染の雨月が結ぶ香具波志庵に転がりこんだ。がさつだが情に篤い秋成と、死者や妖しと交流する力を持つ雨月。二人は言葉を話す兎「遊戯」との出会いをきっかけに、不可思議な出来事の数々に巻き込まれることに――。掛け軸から飛び出す金鯉、哀しい恋物語に、罪の果てに鬼になった男まで。二人と一匹がたどり着く、優しく切ない真実とは。直木賞作家が江戸怪奇譚の傑作『雨月物語』を大胆に解釈した、切なく幻想的な連作短編集。
  • 謙信の軍配者(上)
    4.1
    信濃の守護・小笠原長時との戦で、窮地に陥った武田軍を、自らの軍配で救い、無敵の軍団に変貌させた山本勘助。一方、曾我冬之助は、予測不能な天才・長尾景虎の軍配者となった。だが、景虎と彼に反目する家臣団との対立を目の当たりにしてしまう――。第三の軍配者・冬之助は、好敵手・勘助率いる武田軍と戦場で、相見えることができるのか!?

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  • 堂島物語1 曙光篇
    4.1
    米が銭を生む街、大坂堂島。米問屋である山代屋へ、十六歳と遅れて奉公に入った貧農の倅・吉左には「暖簾分けを許され、店を持つ」という出世の道は閉ざされていた。しかし、刻々と変わる予測不能な米相場を舞台に、相場師としての才能を発揮していく。本格時代経済小説の登場!

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  • うぽっぽ同心終活指南(一)
    4.0
    臨時廻り同心の長尾勘兵衛は、還暦の今も江戸市中を歩きまわっていた。同年配の同心たちはほとんど隠居したが“うぽっぽ”は変わらない。勘兵衛は、十数年前に島送りとなった男の帰りを娘に伝えるか逡巡していた。そのとき偶さか居合わせた若い侍から身の潔白を訴えられて……。傑作捕物帳シリーズ新章、待望の書き下ろし。〈解説〉細谷正充
  • うぽっぽ同心十手綴り 病み蛍
    4.0
    妊婦が大八車に轢かれたという凶事を耳にした長尾勘兵衛。駆けつけた先で、自分に顔も姿も瓜ふたつの同心、占部と知り合う。瓜を買い占め、卸値を吊り上げている悪党どもがいると憤慨し「かならずや証拠をあげてみせる」と息巻く占部を、勘兵衛は応援したくなるが……。この世は理不尽だが“うぽっぽ”がいる! 傑作捕物帳シリーズ第六弾。
  • まんぷく旅籠 朝日屋 とろとろ白玉の三宝づくし
    4.0
    朝日屋に、加賀の若き料理人一平がやってきた。かつての修行仲間矢太郎の弟子だと聞いた慎介は一平を歓迎するが、連日、江戸で芸者遊びできる店に通っているのを知ったちはるは不審を募らせる――(第二話「過去」)。久馬がまたぞろ悪事を始め、火盗改や権八郎一味も動き出し……出汁も香るが事件も匂う待望のシリーズ第五巻!文庫書き下ろし 目次 第一話 命の潮 第二話 過去 第三話 天職 第四話 朝影
  • 剣神 神を斬る 神夢想流林崎甚助1
    完結
    4.0
    天文一六年(一五四七)、出羽国楯岡城下で近習の浅野数馬が闇討ちされた。討手の追跡むなしく、下手人の坂上主膳は行方をくらましてしまう。 六歳にして父を殺された民治丸は、仇討を武神スサノオに誓い、厳しい修行に身を投じる―― 居合の始祖・林崎甚助の生涯を描く大河シリーズ堂々始動!
  • うぽっぽ同心十手綴り 女殺し坂
    4.0
    無骨だが情の深い元同心が辻斬りに遭った。この世に未練をのこした死に顔に、遺された妻女の無念は募る。臨時廻り同心の長尾勘兵衛は、下手人をあげるべく探索を始めるが、その相手は……。十手持ちには越えてはならぬ一線があり、覚悟を決めねばならぬ瞬間がある。正義を貫くため、勘兵衛は巨悪に立ち向かった。傑作捕物帳シリーズ第三弾!
  • うぽっぽ同心十手綴り 恋文ながし
    4.0
    万年橋のたもとに浮かんだ女のほとけ。襟の裏にはいわくありげな葉っぱが一枚縫い込まれていた。妾殺しの下手人としてしょっぴかれたのは、真面目と評判な手代だったが……。「おれはお人好しで役立たずのうぽっぽさ。だがな、黙っちゃいられねえときもある」――。臨時廻り同心、長尾勘兵衛の粋な裁きが胸を打つ。傑作捕物帳シリーズ第二弾!
  • うぽっぽ同心十手綴り
    4.0
    眉間の黒子に、福々しい頬。暢気に歩きまわる姿から“うぽっぽ”とよばれる、臨時廻り同心の長尾勘兵衛。目こぼし料を受けとらず、野心の欠片もないが、人知れぬところで今日も江戸の無理難題を小粋に裁く。「人が悪に染まるにゃ、それなりの理由がある。おれはよ、その理由ってのが知りてえんだ」情けが身に沁みる、傑作捕物帳シリーズ第1弾!
  • まんぷく旅籠 朝日屋 しみしみがんもとお犬道中
    4.0
    朝日屋の店先に現れたのは、お伊勢参り中の……犬!? 居合わせた客に「親切にしてやらなきゃ、罰が当たる」と言われ、おかげ犬の獅子丸の面倒を見ることになったが――(第三話 おかげ参り)。新たな仲居おふさも迎え、今日も珍客万来の朝日屋。そんなある日、下足番の綾人は気になる人影を目撃する。文庫書き下ろし。 目次 第一話 早咲きの梅 第二話 新しい仲間 第三話 おかげ参り 第四話 雨の朝
  • 秀吉と利休
    4.0
    勢威並ぶものなき天下の覇王・秀吉と、自在な境地を閑寂した茶事のなかに現出した美の創造者・利休。愛憎半ばする深い交わりの果てに迎えた宿命的破局――そこにいたる峻烈な人間関係を、綿密重厚な筆で描ききる、絢爛たる巨篇。女流文学賞受賞作。〈解説〉山崎正和
  • 悪党の裔(上) 新装版
    4.0
    播磨の悪党の首魁には大きすぎる夢だった。おのが手で天下を決したい――楠木正成と出会った日から、大望が胸に宿った。軍資金を蓄え兵を鍛えて時を待ち、遂に兵を挙げた。目指すは京。倒幕を掲げた播磨の義軍は一路六波羅へと攻め上る。寡兵を率いて敗北を知らず、建武騒乱の行方を決した赤松円心則村の生涯を通じ人の生き方を問う感動巨篇。 第一章 遠い時 第二章 意 地 第三章 妖霊星 第四章 決 起 第五章 原野の風 第六章 遠き六波羅
  • 達成の人 二宮金次郎早春録
    4.0
    江戸後期、相模国の貧しい農家に生まれた二宮金次郎。相次ぐ両親の死、莫大な借金、洪水……苦難に直面するたび、黒松の苗に十年後の自分を誓う。武家・農村復興に尽力し、学びの姿勢と倹約精神で後世に偉人と称えられた、金次郎(尊徳)の若き日々。新田次郎賞・中山義秀賞受賞作家による傑作歴史長篇。
  • 元禄お犬姫
    4.0
    中野で犬小屋支配を勤める森橋家の娘・知世は、母の療養のため、祖父、弟ともども小石川の剣術稽古場・堀内家の離れに移り住む。彼女は、どんな犬でも手懐けてしまうことから、「お犬姫」と呼ばれている。家族や道場の人々との語らい、仇を追う浪人への恋心、盗賊一味との対決、そして赤穂浪士の討ち入り。知世の周囲で織りなされる、さまざまな人間模様、犬模様を、やわらかに、あたたかく描いた時代小説。〈解説〉安藤優一郞
  • 武商諜人
    4.0
    明智光秀、本能寺にて織田信長を討つ! 明智軍に追われ、絶体絶命の徳川家康を無事、領国へ脱出させ、後の飛躍へと導いた商人・茶屋四郎次郎。その生涯を爽やかに描いた表題作「武商諜人」を始め、特別書き下ろし「幽鬼御所」など、珠玉の十作品を収録。歴史時代伝奇小説の第一人者による、ファン待望の文庫オリジナル作品集。
  • 諸葛孔明(上)
    4.0
    後漢衰微後の群雄争覇の乱世に一人の青年が時を待っていた……。透徹した史眼、雄渾の筆致が捉えた孔明の新しい魅力と「三国志」の壮大な世界。史料の徹底的な吟味によってよみがえる孔明の「志」! 後漢の光和四年(一八一)、琅邪の諸葛家に次男が誕生した。名は亮。四歳のとき、黄巾の乱が起こった。宦官と士大夫が抗争を繰り返した後漢王朝は衰微し、中国は未曾有の動乱期に入ったのである。父を亡くした孔明は叔父にひきとられ、襄陽で青年期を迎えた。覇を競いあった群雄の多くは滅び、袁紹を破った曹操が北方の大勢力となった。万民の幸福を希求し、天下の形成を冷静に分析する「臥竜」孔明の草廬を、荊州の劉表に身を寄せる劉備が訪れる……。透徹した史眼、雄渾の筆致がとらえた諸葛孔明の新しい魅力と壮大な「三国志」の世界。
  • 三人孫市
    4.0
    付言しておきたいのは、信長の最大のライバルは、……やはり大坂本願寺であるということだ。そして、その本願寺の軍事力を支えたのが雑賀衆であり、その頭目が「雑賀孫市」だった。(解説/和田裕弘。中公新書『織田信長の家臣団』『信長公記』著者) ときは戦国、織田・浅井・三好ら大大名がしのぎを削るただ中に、紀州・雑賀庄はあった。彼らに転機をもたらしたのは、八咫鴉を祀る夜に蹌踉と現れたひとりの老人。刀月斎を名のる男は、頭領〈雑賀孫市〉を父にもつ三兄弟それぞれに、奇妙な形をした鉄炮を与えたのであった……。 病身を抱えながら鉄炮兵法を編み出す長男・義方、豪放磊落にして武威赫々たる次男・重秀、入神の域に達した狙撃の腕を持ちながら心を閉ざす三男・重朝。兄弟で〈雑賀孫市〉を襲名した彼らは、異なる道を歩み、異なる志を秘めながら戦乱の世を駆け抜ける! いま最も勢いに乗る歴史作家・谷津矢車が放つ硝煙たなびく合戦絵巻!!
  • 鬼神
    4.0
    平安最強のエリート部隊VS人非ざる者たち。 今、最も熱い歴史小説! 大力の青年・坂田公時は武士になるため都へ上る。初めて知る身分の境に戸惑う彼は、ある日「鬼」の噂を耳にする。一方、神の棲まう山・大江山では食糧たる獣たちが姿を消す。頭目の朱天は仲間たちのため、盗みを働く決断を下す。人と、「鬼」と呼ばれる者たち。二つの魂が交錯する時、歴史を揺るがす戦が巻き起こる!
  • レギオニス 信長の天運
    4.0
    戦国ベンチャー織田家の軍団長(レガトゥス・レギオニス)で、最後に生き残るのは誰だ? 東海の覇者・今川義元、桶狭間に散る――。尾張を半ば手中にした織田信長は、三河の松平元康と誼を通じ、西に境を接する美濃・斎藤義龍との決戦に備えつつあった。戦意高まる家中にあって、柴田権六勝家は、微妙な立場にいた。信長と父の後継を争った弟の傅役だったため信用されず、功名を立てる機会すら与えらないのだ。焦る勝家とその家臣たち。彼らに再び、出世の機会は与えられるのか!? 武将たちの出世争いを描き、働くすべての人が共感必至の大好評戦国絵巻。
  • 今古探偵十話 岡本綺堂読物集五
    4.0
    中国を舞台にした義侠心あふれる女傑のはなしや雪女の怪談、コナン・ドイルばりの怪獣奇譚、そして新聞記事に心をさいなまれてゆく娘の悲劇「慈悲心鳥」など、青蛙堂主人のもとに集う人々がかたりあう、古今東西、探偵趣味の横溢する短篇拾遺集。附録として単行本未収載の短篇二篇を添える。 〈解題〉千葉俊二
  • 三浦老人昔話 岡本綺堂読物集一
    4.0
    死んでもかまわないから背中に刺青を入れてくれと懇願する若者、下屋敷に招じられたまま姿を消した女形、美しい顔に傷をもつ矢場の美女の因縁話など、しみじみとした哀話からぞくりとする怪談まで、岡っ引き半七の友人、三浦老人が語る奇譚十二篇に、附録として短篇二篇を添える。

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  • 志士の峠
    4.0
    文久三年(一八六三)、帝の行幸の先ぶれを命じられた公家・中山忠光は、勤王志士らと大和で挙兵した。五条の代官所を襲撃し新政府樹立を宣言するが、親幕派の公家や薩摩藩などにより一転、朝敵とされ討伐軍を差し向けられる。満身創痍で深き山々を駆ける志士たちの運命は!? 名手が描く、天誅組の志の輝きと四十日間の光跡。
  • 豊臣家の人々
    4.0
    殺生関白秀次、太閤様以上と囁かれた北ノ政所、桂離宮を造営した八条宮、大坂城とともに滅んだ淀殿母子など、ひとひらの幻影のような豊臣家の栄華のあとを、研ぎ澄まされた史眼と躍動する筆で現代によみがえらせ、司馬文学の魅力を満喫させる連作長篇。
  • 幕末銃姫伝 京の風会津の花
    4.0
    戊辰戦争末期、自ら銃を取り大砲を指揮して戦った女性がいた――激動の幕末を生き抜き、自らの手で未来を切り拓いた山本八重の前半生を描く歴史長篇。

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  • 闇の獄(上)
    4.0
    大坂の街で仲間と共に盗賊稼業を営んでいた男・新之助。彼の役割は、持ち前の器量で女を誑かして得た情報を元に、押し込み強盗の段取りをつけること。だが、ある晩、仲間の裏切りが彼の人生を大きく変えてしまう。顔を裂かれ、光を失い、表社会で生きられない姿となった男に残された道は、按摩師をしながら殺し屋として生きることだけだった!
  • うつけの采配(上)
    4.0
    祖父は毛利元就、父は吉川元春、叔父は小早川隆景。恵まれた血統は吉川広家にとっては重圧でしかない。だが第一次朝鮮出兵直後、老いた隆景に呼び出され、毛利百二十万石の未来を託されることに。一方、秀吉亡き後の伏見では、加藤清正ら武闘派と石田三成ら吏僚派らが衝突を繰り返していた。そんな中、徳川家康が不穏な動きを見せ始めるが……。

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  • 慶応水滸伝
    4.0
    幼少期、両親を火事で亡くした新門辰五郎は、町火消十番「を」組の頭取・町田仁右衛門に引き取られる。火消や喧嘩の仲裁で男を上げ、遂に「を」組を継承。その名を慕い国定忠治ら名だたる侠客が草鞋を脱ぐ。そんな辰五郎を見込んだ勝海舟は、のちに第十五代将軍となる一橋慶喜に引き合わせるが!? 文庫書き下ろし。〈解説〉細谷正充

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  • 時平の桜、菅公の梅
    4.0
    凡庸だが人心の機微を知る貴公子・藤原時平。破格の才力で他を圧倒する菅原道真。親の七光りで出世を重ねる時平は、自力で地位を築いた道真を敬慕し、その背中を追って国政に奮闘する。しかし上皇は時平率いる藤氏を疎んじ、道真を偏愛したため朝廷は二つに分裂。時平はかつて志を分かち合った道真と、互いの政治生命をかけて対立することになる!

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  • 駿女
    4.0
    奥州平泉のさらに山奥深い糠部の地に育った馬の巧みな少女由衣は、従弟の八郎丸や兄弟達とささやかながらも、幸せに暮らしていた。しかし従弟だと思っていた八郎丸が実は義経の落胤であったことから、頼朝の奥州平定に藤原勢として身を投じることとなる。苦戦を強いられ転戦する由衣たちが最後にとった驚くべき結末とは!?

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  • 神威の矢(上) - 土方歳三 蝦夷討伐奇譚
    4.0
    時は幕末。元新選組副長・土方歳三ら旧幕府軍は、明治新政府軍に追われるようにして、開陽丸で北へ向かった。だが、同じ船上には、動乱に乗じて日本に神の王国を建国しようと企むフリーメーソンの姿が……。一方、アイヌの青年・タリコナは、和人により登別に囚われている許嫁を救うべく、決死の救出劇を試みるが――。単行本『殺生石』を改題。

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  • 春の戴冠1
    4.0
    1~4巻1,047~1,152円 (税込)
    メディチ家の恩顧のもと、祭りに賑い、楽しげなはずむような気分に覆われた花の盛りのフィオレンツァ。「私」と幼なじみのサンドロ(のちのボッティチェルリ)は、この日々が過ぎゆく人生の春であることに、まだ気が付いていなかった――壮大にして流麗な歴史絵巻。

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  • 手習重兵衛 祝い酒
    4.0
    甲州街道で何者かに狙撃された重兵衛。実家の興津家では、重兵衛の葬儀が行われる。遺体の損傷を理由に、中を改められずに埋葬された棺桶。なぜ、重兵衛は狙われたのか。重兵衛の手習所に住み着いた謎の薬売り・日月斎との関係は?そして、重兵衛の生死は?「手習重兵衛」シリーズ全12作、ついに完結。
  • 折り紙大名
    4.0
    古着屋の娘・きぬの創作折り紙に魅了された佐貫藩主・松平重治は、不治の病にかかった四代将軍・家綱を慰めるための竜神を折らせるべく、きぬに手紙を書く。しかし、幕府の決まりに反したこの行動が、将軍継嗣問題ともからんで重治は窮地に立たされる……。大型新人による書き下ろし時代小説。

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  • 無言殺剣 火縄の寺
    4.0
    関宿城主・久世豊広を惨殺した謎の浪人は、古河のやくざ郡兵衛一家の三男坊・伊之助を伴い江戸へ出る。伊之助は、江戸で兄二人と再会を果たすものの、三兄弟の背後には、浪人を追う何者かの罠がせまる。書き下ろしシリーズ第二弾。
  • 無言殺剣 大名討ち
    4.0
    譜代大名・土井家の城下、古河の町に現れた謎の浪人。剣の腕は無類だが、一言も口をきくことがない。その男のもとに、恐るべき殺しの依頼がもたらされる。殺しの標的は、古河領と境界を接する関宿・久世家の当主。老中の座をめぐって土井家と争う大名だった。旬の時代小説家・鈴木英治が贈る、書き下ろしシリーズ第一弾!
  • 無言殺剣 獣散る刻
    4.0
    伊賀者の襲撃をかいくぐり、美濃郡上の照月寺に入った音無黙兵衛一行。堅固な構えを誇る大寺で、道中に毒矢を受けた初美の介抱がつづく。寺を包囲する伊賀者を退け、門前に姿を現したのは、かつて黙兵衛と死闘を演じた久世家剣術指南役・横山佐十郎だった。書き下ろしシリーズ第六弾。第一部完結。
  • 坊ちゃん忍者幕末見聞録
    4.0
    時は幕末、出羽の国から京に上った坊ちゃん忍者松吉。尊皇攘夷の熱気の中で事件に巻き込まれるが、持ち前の勇気で立ち向かう。奥泉ワールドの新境地。愛と希望の歴史ファンタジー。

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  • 武士くずれ 松本清張歴史短篇選
    4.0
    人心把握に長けた老将・家康に絡めて人間心理の内奥を描く「武将不信」「転変」「二すじの道」。浪人のかなしみを描く「武士くずれ」。歴史小説でデビューを飾った松本清張による、傑作時代短篇四篇。

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  • 廃帝綺譚
    4.0
    遠く異朝をとぶらえば、元の宮廷に隠されたマルコ・ポーロのもう一つの見聞録『驚異の書』とジパングの神の珠。珠の放つ蜜色の光に、元と明の廃帝たちは何を見たのか。近く本朝をうかがうに、配流の後鳥羽院に神の珠が見せたのは、幼くして散ったあの兄宮なのか。『安徳天皇漂海記』につらなり、どこまでも滅びによりそう夢幻の物語。

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  • 波のかたみ 清盛の妻
    4.0
    政争と陰謀の渦中から栄華をきわめた平家一門。やがて東国に興った平氏打倒の嵐に翻弄され、西海の藻屑と消え去るその足跡を、頭領の妻を軸に綴る。公家・乳母(めのと)制度の側面から捉え直す新平家物語。

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  • 鉄の首枷 小西行長伝
    4.0
    堺の名家に生まれ、豊臣秀吉に取り立てられ、関ヶ原合戦で敗れて刑死した、キリシタン大名小西行長にはめられていた“鉄の首枷”とは。無謀な朝鮮侵攻において秀吉を裏切り、同僚加藤清正を落とし入れてまで和平工作を重ねた行長の、面従腹背の生涯の謎に迫る傑作。

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  • 時代小説英雄列伝 若さま侍
    4.0
    五大捕物帖の最後に控えし「若さま侍」は、姓名・身分一切不詳の名探偵。侍らしからぬ伝法口調で、ひとたび立てばどんな難事件もたちどころに解決!

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  • 魂無き刺客 士魂の音色
    4.0
    剣に将来を託し、武市瑞山の命ずるままに暗殺剣を振るい続けた岡田以蔵の末路(「魔剣」)。武士の魂である刀を交換した友に、公卿誤殺の罪を負わせた酒井兵庫の苦悩(「魂無き暗殺者」)。時代に殉じ苛烈に生きた刺客たちの命運を刻む時代短篇集。全八篇。

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  • 郷四郎無言殺剣 妖かしの蜘蛛
    4.0
    美濃郡上で宿敵・横山佐十郎との決戦を制した音無黙兵衛こと菅郷四郎は、伊之助を伴い、東海道を西に向かった。目的地は、京か奈良か。その行く手を総がかりで阻もうとする伊賀者たち。さらに、謎の幻術師の魔手が忍び寄る。はたして危地は乗り越えられるのか。書き下ろしシリーズ、第二部開幕。
  • 郷四郎無言殺剣 百忍斬り
    4.0
    郡上の照月寺に匿われていた初美が出奔した。濤海と休雲が急ぎ後を追う。一方、奈良に向かう“黙兵衛”と伊之助は、伊賀国に入った。背後に得体の知れない気配を感じながら道中は続く。はたして二人は、幻術師・春庵を擁する伊賀者の本国を突破できるのか。「無言殺剣シリーズ第二部」第二弾。書き下ろし。
  • 郷四郎無言殺剣 正倉院の闇
    4.0
    奈良に入った音無黙兵衛こと菅郷四郎と伊之助は、無念の死を遂げた郷四郎の父・郷左衛門の墓を訪れる。二十年前の正倉院宝物流出に絡んで、郷左衛門は無実の罪を着せられ、切腹に追い込まれたのだった。真相を探るべく、奈良を探索する郷四郎と伊之助は、事件の黒幕が今をときめく御側御用取次の水野忠秋であることを知る。書き下ろし。
  • 安徳天皇漂海記
    4.0
    壇ノ浦の合戦で入水した安徳天皇。伝説の幼帝が、鎌倉の若き詩人王・源実朝の前に、神器とともにその姿を現した。空前の繁栄を誇る大元帝国の都で、巡遣使マルコ・ポーロは、ジパングの驚くべき物語をクビライに語り始める。時を超え、海を越えて紡がれる幻想の一大叙事詩。第19回山本周五郎賞受賞作

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  • 四神の旗
    3.9
    謀略に次ぐ謀略! 有力皇族の誅殺、忍び寄る疫病の影――。 藤原家の四子がこの国にもたらしたのは、栄光か、破滅か? 直木賞作家にしてノワール小説の旗手が、古代史上最大の闇に迫る衝撃作。 藤原武智麻呂、房前、宇合、麻呂の四兄弟は、父・不比等の意志を受け継ぎ、この国を掌中に収めるため力を合わせる。だが政の中枢には、不比等が唯一畏れた男、長屋王が君臨していた。 皇族と藤原家。それぞれの野心がぶつかり合い、謀略が交錯するとき、古代史上最大の闇が浮かび上がる――。 〈解説〉木本好信(元龍谷大学教授、奈良時代政治史)
  • 嵯峨野明月記
    3.9
    変転きわまりない戦国の世の対極として、永遠の美を求め〈嵯峨本〉作成にかけた光悦・宗達・素庵の献身と情熱と執念。壮大な歴史長篇。
  • シナン(上)
    3.9
    これは、山ではないか。  シナンは、その巨大な石の建造物の前で、そう思った。  この積みあげられた石の量感は、まさしく山であった。その山の量感が、そこに立った瞬間、シナンに襲いかかってきたのである。  山を、人間が作ることができるのか。  シナンは、感嘆の声を心の中で洩らしている。 一六世紀、壮麗王スレイマン大帝のもとで繁栄を誇るオスマントルコ帝国に、工兵から宮廷建築家へと昇りつめた男がいた……。「石の巨人」と呼ばれ、史上最大のモスクに挑んだ天才建築家シナンの生涯を描く。
  • 夢も定かに
    3.9
    聖武天皇の御世、後宮で働くべく阿波国から上京してきた若子。同室になった姉御肌の笠女、魔性の春世ともども暮らす宮中は、色と権謀の騒動続きで……。仕事に意地をかけ、乙女心に揺れ、人知れぬ野望を育む先に何が待つ? 平城京を蔭で支えた女官たちをいきいき描く宮廷青春小説!
  • 落花は枝に還らずとも(上) 会津藩士・秋月悌次郎
    3.9
    幕末の会津藩に、「日本一の学生」と呼ばれたサムライがいた。公用方として京で活躍する秋月悌次郎は、薩摩と結び長州排除に成功するも、直後、謎の左遷に遭う……。激動の時代を誠実に生きた文官を描く歴史長篇。新田次郎文学賞受賞作。

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  • もののふの国
    3.8
    武士とは、何だったのか? 千年に亘る戦いの系譜を一冊に刻みつけた、驚愕の傑作歴史小説。 〈螺旋プロジェクト〉中世・近世篇。 負け戦の果てに山中の洞窟にたどり着いた一人の武士。死を目前にした男の耳に不思議な声が響く。「そなたの『役割』はじきに終わる」。そして声は語り始める。かつてこの国を支配した誇り高きもののふたちの真実を。源平、南北朝、戦国、幕末。すべての戦は、起こるべくして起こったものだった――。〈巻末付録〉特別書き下ろし短篇 【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みができます】 ※〈螺旋プロジェクト〉とは―― 「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画 〈螺旋〉作品一覧 朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』(本作) 天野純希『もののふの国』 伊坂幸太郎『シーソーモンスター』 乾ルカ『コイコワレ』 大森兄弟『ウナノハテノガタ』 澤田瞳子『月人壮士』 薬丸岳『蒼色の大地』 吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
  • 月人壮士
    3.8
    「全き天皇であること」 ――その何人にも推し量れぬ孤独。 756年、東大寺大仏を建立した首(聖武)太上天皇が崩御。 道祖王を皇太子にとの遺詔が残されるも、 その言に疑いを持つ者がいた。 中臣継麻呂と道鏡は、密かに亡き先帝の真意を探ることになるが、 ゆかりの人々が語り出したのは、 母君との尋常ならざる関係や隔たった夫婦のありよう、 御仏への傾倒など、死してなお謎多きふるまいや 孤独に沈む横顔ばかりで――。 国のおおもとを揺るがす天皇家と藤原家の相克を背景に、 聖武天皇の真実をあぶり出す! 〈螺旋プロジェクト〉の1冊としても話題。 【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みができます】 ※〈螺旋プロジェクト〉とは―― 「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画 〈螺旋〉作品一覧 朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』 天野純希『もののふの国』 伊坂幸太郎『シーソーモンスター』 乾ルカ『コイコワレ』 大森兄弟『ウナノハテノガタ』 澤田瞳子『月人壮士』(本作) 薬丸岳『蒼色の大地』 吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
  • 新装版 孤闘 立花宗茂
    3.8
    知勇にすぐれる戸次道雪の娘誾千代と縁づいたことで、立花宗茂の「戦国九州三国志」が始まった――。大友家臣としての島津家との死闘、豊臣秀吉政権下での朝鮮従軍を経て、関ヶ原へ。誾千代との葛藤の中で奮闘し、天下人に「剛勇鎮西一」と恐れられた稀代の猛将の懊悩を精緻に描いた、第十六回中山義秀文学賞受賞作。 【目次】 第一章 鳳雛の籠 第二章 名門の盾 第三章 生の攻防 第四章 新しき枠 第五章 異国の風 第六章 天下騒擾 終 章 失地回復  新装版あとがき  解説 末國善己
  • 新装版 五郎治殿御始末
    3.8
    あの爺様はの、みなに笑うてほしかったのだ――。 人生に、そして時代に決着をつけた侍たちの「終活」とは? 『一路』『流人道中記』の浅田次郎が贈る、感動の時代小説短篇集。 激動の明治維新期。突如「武士」という職業がなくなり、行き場所をなくした岩井五郎治は、遺された孫のために命も誇りも投げ出す覚悟を決める。やがて訪れる最期の時。町人として明治を生きる孫に、五郎治がのこしたある遺品とは。人生、そして時代に始末をつけた、侍たちの物語。表題作ほか全六篇に書き下ろしエッセイを特別収録。
  • 新装版 お腹召しませ
    3.8
    えっ、その責任おれがとるの!? 仕事と、家庭と、世の中と――戦う男の本分とは。 司馬遼太郎賞・中央公論文芸賞受賞。 『一路』『流人道中記』の浅田次郎が贈る、笑って泣ける傑作時代小説。 婿養子が公金を持ち出し失踪。不祥事の責任を取りお家を守るため、妻子や部下に「お腹召しませ」とせっつかれる高津又兵衛が、最後に下した決断とは……。武士の本義が薄れた幕末期。あふれ出す男の悩みを、侍たちはどう乗り越えたのか。表題作ほか全六篇に書き下ろしエッセイを特別収録。
  • レギオニス 勝家の決断
    3.8
    織田家の軍団長(レガトゥス・レギオニス)で、最後に生き残るのは誰だ? 北陸の平定を任された柴田勝家は、手取川における上杉謙信との合戦中、ついに羽柴秀吉と袂を分かつ。織田家中で、ともに長く信長を支えてきた林秀貞や佐久間信盛の失脚に伴い、はからずも筆頭家老へと上り詰める勝家。そして、本能寺にて信長死す――。清洲会議を経て、信長の妹・お市を妻とした勝家に、いよいよ、秀吉との決戦の日が近づいていた。 武将たちの出世争いを描き、働くすべての人が感涙必至の大好評戦国絵巻、ここに完結。「戦国の家は、まるで現代の会社だ!」
  • 闇医者おゑん秘録帖
    3.8
    江戸の町、竹林に囲まれたしもた屋で、産んではいけない子どもを孕んだ女たちを受け入れ、子堕ろしを行ってきた「闇医者」のおゑん。彼女の元には、奉公先の若旦那と恋仲になった女中、あやかしの子を孕んだと訴える武家の奥方など、複雑な事情を持つ者たちがやってくる――。 時代小説の名手が、悩める女たちが自分の人生を切り開いてゆく様を彫り深く描いた、祈りと再生の物語。 【収録作品】 「春の夢」 「空蝉の人」 「冬木立ち」
  • もののふ莫迦
    3.8
    時は豊臣秀吉の天下統一前夜。肥後国田中城では村同士の諍いの末、岡本越後守と名乗る男の命が奪われんとしていた。だが、そこに突如秀吉軍が来襲。混乱に乗じた男は武器を取り応戦、九死に一生を得る。その戦いぶりを見込んだ敵将・加藤清正は、最愛の女性を人質に軍門に降らせ、越後守を朝鮮の陣に従軍させるが―。
  • 手習重兵衛 夕映え橋
    3.8
    ついに重兵衛がおそのに求婚。その余韻も冷めぬまま、二人は重兵衛の朋輩だった柿ヶ崎作之助に出くわす。作之助は主君のために刀を見立てるよう命じられたのだった。その足で堀井道場の左馬助を訪ねた重兵衛とおそのは、そこで目にした一振りの刀に魅了される。文庫書き下ろし
  • カエサルを撃て
    3.8
    混沌とするガリア諸族を率いローマ軍に牙を剥く、美しくも残忍な青年ウェルキンゲトリクスと、政治家人生も終盤を迎え、劣等感に苛まれるローマ軍総督カエサル。熾烈な戦いの果てに二人が見たものは?

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  • まんぷく旅籠 朝日屋 あつあつ鴨南蛮そばと桜餅
    3.7
    朝日屋の主・怜治の元同僚、火盗改同心の柿崎詩門が盗賊に斬られたらしい。安否を確かめにいった怜治だったが、本人に会うことはできなかった。そんな折、大坂の呉服屋の老番頭・孫兵衛が、長逗留したいと朝日屋を訪ねてきたが……(第一話 新旧)。美味しさと痛快さが胸を満たす――心の活力源を一服どうぞ。文庫書き下ろし 第一話 新旧 第二話 年始のさざ波 第三話 継ぐもの 第四話 朝桜
  • 朝嵐
    3.7
    齢十七で九州を平定。 島流し先を支配して叛逆。 弓矢だけで軍船を撃沈。 名を源鎮西八郎為朝。 この男こそ日本史上最強。 「こやつは武士として使い物にならぬ」。その一言が男を怪物へと変貌させた。源八郎為朝。異常な弓の鍛錬を続けたこの男は、父に送りこまれた九州を齢十七で平定し、「鎮西八郎」と呼ばれ日ノ本を震撼させた。やがて巻き起こる天下を二分する保元の乱。為朝の前に立ちはだかるのは平清盛、そして唯一彼が恐れた兄・源義朝であった。 源平の時代を駆け抜けた最強の武士の生涯を描く、驚愕の弓豪歴史小説!
  • 翻弄 盛親と秀忠
    3.7
    四国統一を成し遂げた偉大な父・元親に愛され、四男ながらも家督を継いだ長宗我部盛親。一方、豊臣の五大老として実質、天下の実権を握る家康を父に持つ徳川秀忠。二人の命運は関ヶ原における勝敗で分かれるも、互いに戦功を上げられぬ屈辱を味わう。それから十余年、運命が再び二人を戦場に連れ戻す――。 戦国の知られざる真実を描く歴史巨篇。 【目次】 第一章 蚊帳の外 第二章 焦燥の急 第三章 後始末 第四章 命運の差 第五章 流動の先 第六章 栄枯盛衰

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