国内小説作品一覧

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  • チューサン階級の冒険
    -
    嵐山光三郎とは何モノかというと、にわかには答えられない。いろいろなことをやってきた。だから、友だちが多いヒトだ。今も、かぞえきれないほどたくさんのことをやっている。それで、ますます友だちがふえている、らしい。昔から忙しかったのに、メゲずに書くことが好きであった。その結果としての、これが、じつは処女作。――男ゴコロとか女ごころとか、スジコとかイクラとか、孤独だとか、いろいろなことがわかるようになる。愉しいうえに、読めば効くという、たぐい稀れなる本。著者の性格からも、タイトルからも、これはもうNHKと同じ、世の中に初登場の「皆さまの本」なのであります。
  • 嫉妬
    -
    1巻418円 (税込)
    「僕に、他に、女がいる……」。夫の突然の告白に激しく動揺し、失望にとらわれる麻衣。妻への告白によってさらに心を苦しめられる夫・壮一郎。不倫によって亀裂の入った夫婦の心理、灼けつくような葛藤を、緊密な文章で鮮烈に描きだした表題作ほか「凪の光景」「彼女の問題」「海豚」を収録。恋愛小説の名手・森瑤子の代表的作品集。
  • 風ふたたび
    2.0
    作者はみずみずしい文体を駆使してユーモアとペーソスに富んだ珠玉の掌篇をものとする文壇の鬼才。これは、朝日新聞に小説執筆中急逝した林芙美子のあと起用され、構想三日にしてその任を全うしたいわくつきの新聞小説。仙台から学会出席のため上京した大学教授に盗みの疑いがかかる。教授は東京駅で倒れ、昔の教え子の下宿へ。駆けつけた娘は、父親に盗みの疑いがあることを知り、被害者の元を訪ねる……。「荒々しい風音の中で、あくまで明るい表情を捨てぬ数個の人物」は読者の胸に涼風を呼ぶ。
  • 池辺の棲家
    4.0
    多彩な渡り鳥が飛来する池のほとりで暮らす千亜子。夫は老母の介護で実家に帰ったままだ。子供たちも出て行った。カラスのクロウと語り、林の生き物たちと交流し、牛飼い少女の物語の翻訳に打ち込む日々は、悪くはない。人道という偽善に付き合うよりも、生物としての死に場所を探したいからだ。美しくも激しい自然の中で、生と死に深い独自の眼差しを向けた新たなる感動小説。
  • 嘘なら優しく
    3.0
    孤独な夜の谷底で、誰かが不意に心の襞に手を差し入れてくる。ひやりとした感触を残酷に感じながら、味わわずにはいられない。そんな恋の始まりがある(あとがきより)。そんな恋はきっと初恋ではなく、せつなく苦しい、いくつかの恋を経て、それでもやっぱりその手を取らざるを得ない、心の事情がある。終わらせなければならなかったそんな恋を、一つ一つ心の襞に刻み込むように書かれた恋愛小説集。表題作ほか、「父の恋人」「魂の音符」「手のひらのプライド」「あなたを抱いた夜」「孤独の夜の夢」。
  • 恋をするには遅すぎない
    -
    愚かで、考えなしで、向こう見ず。そして一途で、恐ろしいほどのパワーがあって――。恋はいつでも自己中心主義。たとえ周りに面倒かけても不幸にしても、そういう常識にかまっていては走りだせない。いくつになっても、結婚してても、子供がいても。病気であっても、異国にいても、貧しくても。恋をするのに、決して遅すぎるということはないのだから。恋の疾走に、幸多かれ! 全国の恋する女の子たちへ贈る、応援恋愛論! ※本書は一九九三年、大和書房より刊行され『ティア・ドロップ・プラネット』を改題、加筆・訂正したものが底本です。
  • とかげ
    3.9
    1巻418円 (税込)
    とかげは眠る前、鼻づらを私の胸に強く押し付ける癖がある。デリバリーのピザが好きで、人と話すのは苦手だ。三年の交際期間を経て私がプロポーズしたある夜、とかげは言った。「実は、私子供のころ目が見えなかったことがあるの」。そして明かされる、家族を襲った惨劇と呪いーー。それぞれに傷を抱え、宿命的にひかれあった二人が見つけたのは、今は微かだけれど確かな希望。表題作「とかげ」始め、とまどいながら生きる人たちを優しく励ましてくれる6編の短編小説集。
  • 必要のない人
    3.5
    五十五歳の誕生日を迎えて間もなく、野末稔は『毎朝タイムス』の印刷現場セクションから、子会社の『毎朝文化セミナー』へ出向を命じられた。稔は一日も休むことなく、新しい職場に通っていたが、二週間を過ぎた頃から、ひどくみじめな思いに悩むことがふえていた。具体的な原因は何もなかったが、以前のような「俺は必要とされている人間」だという昂揚感がどうしても持てなくなっていたのだ……(「必要のない人」)。恋、性、老い、そして死――。人生の大きな流れのなかで、揺れ、惑う、男と女を描く、著者初の本格短編小説集。
  • 乙女の密告
    4.1
    ある外国語大学で流れた教授と女学生にまつわる黒い噂。乙女達が騒然とするなか、みか子はスピーチコンテストの課題『アンネの日記』のドイツ語のテキストの暗記に懸命になる。そこには、少女時代に読んだときは気づかなかったアンネの心の叫びが記されていた。やがて噂の真相も明らかとなり……。悲劇の少女アンネ・フランクと現代女性の奇跡の邂逅を描く、感動の芥川賞受賞作。
  • ママの恋人
    -
    1巻418円 (税込)
    ママの三年来の愛人は、ママの男として、彼以外考えられないほど完璧だった。両親の結婚の破綻を知らずに、私は二十三歳、婚約者がいる。今、サヨナラを言おう。ママの女としての幸福のために、ママに。私の幸福のために、婚約者に。そして、旅に出よう――。心にひりつき、滲みとおる。ほろ苦い、大人の恋の掌篇集。
  • 遊民爺さん(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 奇怪な美を愛する高等遊民、北川爺さん奮起す! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • ひそやかな花園
    値引きあり
    3.7
    幼い頃、毎年家族ぐるみでサマーキャンプをすごしていた7人。その思い出は輝かしい夏の大切な記憶だ。しかしキャンプは、ある年から突然中止になった。時は経ち、別々の人生を歩んでいた7人の中で一人が「あの集まり」の謎を探り始める。――このキャンプは何だったのか、なぜ突然なくなったのか。そして7人が再び会って衝撃の「真実」を知ったとき、彼らが選んださらなる道は――。すべての命に祝福を捧げる物語。
  • 男たちの経営
    4.0
    石鹸は、「たかだか石鹸…」と軽視されがちだが、明治時代には「文明開化を象徴」するような工業製品の一つだった。“日本の夜明けをになう新しい人間像”のモデルとして、島崎藤村の未完の大作『東方の門』にも登場する花王石鹸の長瀬富郎。そのころ混乱の場にあったこの業界に〈高級新石鹸〉として、アイデアを駆使して挑戦した花王石鹸の創立と発展の歴史。一企業が単なる「職場」以上の意味をもって、そこで働いたことのある人たちの「心の故郷(ふるさと)」たり得るかを問いかけ、男たちの経営に賭けた人生を描いた、感動の長編小説!
  • まごつき一家
    4.0
    私は市立高校の二年生。父と弟と三人で団地住まい。母は五年前に亡くなった。母のいない寂しさはちょっぴりあるものの楽しく暮らしている。「どうや、道子に健、明日の朝、ひとつ散歩にいってみるか」――土曜日の晩、父は珍しいことを言った。酔うと理想主義者になる父である。酔っぱらったのかと思ったが、これは、なかなかに意味深長な、意外な伏線であった……。思春期の少女と父の再婚話を、明るく、ほのぼのと描くジュブナイル長篇。
  • グリム、アンデルセンの罪深い姫の物語
    3.0
    女はマスターベーションをしてはならない、という性教育の寓話「眠り姫」。死体愛好者の変態王子が服と食べ物にしか興味のない頭の軽い白雪姫を見初めた話「白雪姫」。初体験に憧れる乙女と欲求不満のおばあさんに中年オオカミが殺される恐怖のストーリー「赤ずきん」。階級闘争のマルクス主義者たちが女性差別には寛容だったために死んだ悲劇の女の子「マッチ売りの少女」。独自の視点とユニークな解釈で描く7編を収録。
  • ラスト・ワルツ
    3.5
    12年前。18歳で上京したぼくは、10歳年上の花菜子さんと出会った。三つになる息子と二人住まいの彼女と、ぼくは少しのあいだだけ一緒に暮らしていた。そんなある晩、花菜子さんは犬の首輪をつけて帰ってきた。それはある男と他人のままつながっている証だった。そして12年ぶりの再会。ぼくと、花菜子さんは、他人のままつながることができるのか。人を愛することの苦しみと悲しみを描いた、恋愛小説の傑作!
  • 紫色の場所
    4.0
    このささやかな成功がいつまでも続いて欲しい。自分だけがいつも他人からちやほやされ、一流の仕事を山のように持っていたい――。不安と野心が交錯する売れっ子スタイリスト・見村ヒロミは初めて体験した「浄霊」に興味をもち、除々に新興宗教「久慈尊光教」に深入りしていく。心の平安、生活の安泰を求める私たちにとって、神の役割りとはなんなのだろう。「宗教」と現代人の心の接点を細やかに描き、新境地を切り開いた傑作長編小説。
  • ココナッツ
    3.5
    実乃に中学二年の夏休みがやって来た。特に変わったこともない静かな町で、便利屋の父親を手伝っていたそんな時、実乃が密かに心を寄せる永春さんの同級生、ロック歌手の黒木洋介のコンサートが開かれることになるが……。何かすばらしいことがあるかも知れない。そんな少女の季節を描いた、清々しくほろ苦い青春物語。
  • 金曜日にきみは行かない
    3.5
    天才ロックシンガー白石ありすの記事を依頼された音楽ライターの〈きみ〉。だが、インタビューは散々だった。ありすが全く口を開こうとしなかったからだ。それでも〈きみ〉は十個の質問に対する、ありすの十通りの沈黙を書き分け、編集部にファックスする。そこに、ありすから「助けて」と電話が入る。東京湾岸のスタジオを抜け出し、紅葉の足尾へ、新宿歌舞伎町の街路へ、ふたりの逃避行が始まる。境界線を失踪する、ありすと有子。時間の迷路を旅する、きみとぼく。〈分身〉をめぐるネバーエンディング・ストーリー。
  • 海の短篇集
    4.2
    空港からホテルまで乗ったタクシーの運転手は“黒魔術に気をつけろ”と言った。なんでもこの島には黒魔術を使う魔術師が大勢いるらしい。彼らから、恨みはもちろん大金を見せたりして妬みもかってはいけないという。そして、彼らは左手の掌に不思議な模様の入墨をしているらしい。島から悪い思い出を持ち帰ってほしくないという、郷土愛に満ちた運転手の忠告を、わたしは話半分で聞いていたのだが…。(『黒魔術』より)美しい南国の海に秘められた、幻想的で不可思議な掌編小説集。
  • 三日月少年漂流記
    4.2
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 博物館に展示されていた三日月少年が消えた。充電式のニッカド電池で動く精巧な自動人形は、盗まれたのか?自ら逃亡したのか?三日月少年を探しに始発電車に乗り込んだ水蓮と銅貨の不思議な冒険を描く、幻の文庫オリジナル。
  • 魚たちの離宮
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 夏のはじめから寝ついている友人の夏宿を、市郎は見舞いに訪れた。夏宿を愛する弟の弥彦。謎のピアノ教師・諒。盂蘭盆の四日間、幽霊が出ると噂される古い屋敷にさまよう魂と少年たちとの交感を描く。
  • カンパネルラ
    3.6
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「兄さん、あの署名、――あれはどう云う意味。自分の名前を記せばいゝのに」。緑に深く埋もれた祖父の家で、ひとり療養する兄の夏織。気怠い夏の空気の中、弟の柊一は兄の隠れ処を探して川を遡っていく。
  • 海峡物語 【五木寛之ノベリスク】
    5.0
    5年前に東京のジャーナリズムの仕事を捨てて北海道へ逃れていた露木は、函館である老人を見つける。老人の名は高円寺竜三。以前Mレコードにいた大物ディレクターだ。彼は、経営合理化のために乗り込んできた黒沢と対立し、その黒沢との「レコード売上げ対決」に敗れて、音楽業界から姿を消したのだった。露木は、黒沢の合理的な歌作りが嫌いだった。高円寺の「時代遅れの艶歌」に賭けてみようと、黒沢との再戦を持ちかける。
  • つい、見たくなる怪異な世界
    値引きあり
    3.7
    1巻412円 (税込)
    口裂け女、キューピットさん、きさらぎ駅…小さい頃、あなたも「不思議な世界」に迷いこんだ経験はないでしょうか。「噂だと思っていたのに現実だった」そんな話が、この世にはたくさん存在しているのです。たとえば――◎今はどの地図にもない幻の廃村「杉沢村」◎話し始めたら大変なことになる「田中河内介の最期」◎木の陰からこちらを覗く謎の物体「巨頭オ」◎ゼッタイに再生してはいけない「遺言ビデオ」◎怖い夢から抜け出すための呪文は「ソウシナハノコ」語り継がれる「定番の話」から、ネット掲示板の「都市伝説」まで――気鋭の怪異コレクターが綴る、日本全国の超リアルな体験談!日本には、たくさんの怪異が存在しています。森の中で、川で、家の片隅で、真夜中に…時にひょっこり顔を出して私たちを覗いている、そんな彼らに会ってみませんか?――朝里 樹

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  • パイレーツ・オブ・カリビアン外伝 シャドウ・ゴールドの秘密(1)
    値引きあり
    -
    シリーズ第一作「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」の前日譚。何者かによって、呪いをかけられてしまったジャック・スパロウ・彼は、その呪いを解く秘薬シャドウ・ゴールドを求めて、七つの海をめぐる冒険の旅へ出る。待ち受ける恐るべき敵、シャドウ・ロードとは!?
  • 東京二十三区女 あの女は誰?
    値引きあり
    3.8
    「東京の隠された怪異」の取材で二十三区の都市伝説の現場を巡るライターの原田璃々子。霊を信じない先輩・島野と取材を続けるが起こるのは奇妙なことばかり。“池袋の女”のポルターガイスト伝説、東向島の“迷路”に消えた小説家、願いを叶える「立石様」の奇跡……。そして「将門の首塚」の取材中、璃々子は二十三区最大の禁忌に触れ――。
  • A2Z
    値引きあり
    3.8
    文芸編集者・夏美は、年下の郵便局員・成生と恋に落ちた。同業者の夫・一浩は恋人の存在を打ち明ける。恋と結婚、仕事への情熱。あるべき男女関係をぶち壊しているように思われるかもしれないが、今の私たちには、これが形――。AからZまでの二十六文字にこめられた、大人の恋のすべて。読売文学賞受賞作。
  • 後宮の悪妃と呼ばれた女
    値引きあり
    4.0
    簫蘭の帝都・簫京の玄玲帝の皇宮へ輿入れした美しい王女達の中に、砂漠の小国・佳南のカディナ王女は従者と共にいた。だが王女にとって簫蘭は一年前に攻め入られ、父と兄を連れ去られた因縁の国。皇太子妃として皇宮入りし、帝に謁見して彼女が嗜む観相学で凶相を見て以来、簫蘭の波乱をも予感していた。ある夜、カディナは奴婢の泯美の殺人未遂現場に遭遇し、顔相の素晴らしさから助けるも翌日、春鈴淑妃の毒殺遺体が発見されて…
  • あの空に花が降るとき、僕はきっと泣いている
    値引きあり
    5.0
    Netflixにて大人気配信中の映画「よめぼく」の森田碧が放つ渾身の最新作! 心が震えて涙が溢れる、函館が舞台の純愛小説
  • 深愛  煌華宮の檻   上
    値引きあり
    4.0
    岑国には皇子のための後宮――煌華宮があり、通称”華園”と呼ばれている。4年前、春璃のたった一人の家族である姐の朱夏は、国から宮女に選ばれ、妹のためにと後宮入りを決めた。だが一年後、春璃は姐の訃報を受け取る。その死を信じられぬまま17歳になった春璃の元へ、自分もまた宮女に選ばれたという書簡が届く。姐が生きていると信じて華園へ向かう春璃だが、そこは身分によって衣が色分けされた宮女たちの世界で、嫉妬や権力争いが渦巻く”檻”だった……。春璃は華園の最高位、黒女・玉瑛が姐の真相を知っているのではと疑いを抱き……?
  • 梔子姫は鬼の末裔と番う 七つ屋若月堂と勿忘の質物
    値引きあり
    -
    十年前、梔子の咲き乱れる洋館が火事になり、果琳は帝都を離れたが、親友・黎の訃報に接し、弔いのため再び帝都に赴く。そこで黎と共に幼馴染で、初恋相手でもある有希也と再会。七つ屋《若月堂》を営む彼は黎の最期を知っていると告げ、黎の遺した質物を譲ると言って果琳を住み込みのお手伝いさんにし、ふたりは様々な事件に巻き込まれていく。金目の物ではなく、暗い情念の籠った質物を扱う有希也が張り巡らす周到な罠とは……?
  • 僕が溺愛したのは、余命八ヶ月の眠り姫だった
    値引きあり
    5.0
    父との確執から夢を見失った高一の凱人は、あるとき事故で昏睡状態に陥り、余命八カ月となったクラスメイトの未沙乃と出会う。その寝顔に一目惚れしてしまった凱人だが、ひょんなことから“ある方法”で彼女に”会える”ことに気づく。仲を深めていくふたりだが、未沙乃は衰弱し、生きることを諦めていた。絶望的な状況の中、凱人は未沙乃のために傷つきながらも奮闘する。それを目の当たりにした未沙乃にある奇跡が起きて……?
  • 地獄変・偸盗(新潮文庫)
    3.9
    “王朝もの”の第二集。芸術と道徳の相剋・矛盾という芥川のもっとも切実な問題を、「宇治拾遺物語」中の絵師良秀をモデルに追及し、古今襴にも似た典雅な色彩と線、迫力ある筆で描いた「地獄変」は、芥川の一代表作である。ほかに、羅生門に群がる盗賊の凄惨な世界に愛のさまざまな姿を浮彫りにした「偸盗」、斬新な構想で作者の懐疑的な人生観を語る「薮の中」など6編を収録する。(解説・吉田精一)
  • 余命一年と宣告された君と、消えたいと願う僕が出会った話
    値引きあり
    4.3
    高校二年生の青野悠人は、姉を虫喰い病――新型アルツハイマー病とも言われる、睡眠中に脳内にある言葉が破壊され、それに関する記憶を失うという不治の病――で亡くして以来、希死念慮を抱いていた。 毎晩、死ぬ方法を考えつつ彷徨していると、公園で何度か同じクラスの古河桜良を見かけることがあった。他人に興味を持たず、いつも教室でイヤホンをしている桜良だが、ある夜、悠人は彼女の涙を見てしまう。その後、悠人は自殺を決行するも生き残ってしまい、退院の前日、病院で桜良に出会って……。桜良のある重大な秘密を知った悠人は――? 眠るたびに記憶を失ってしまうという桜良と死を願う悠人。期限あるふたりが、切ないけれど愛しい日々を紡ぐ「よめぼく」シリーズ最新作!
  • 君が残した365日
    値引きあり
    3.7
    幼馴染の和泉楓を亡くし、毎日を無気力に生きる僕、大野夕吾はあるとき無彩病を発症する。無彩病とは色彩が失われ、やがて死に至る病だが、僕は生まれつき色が見えないため、死ぬまでに一色ずつ見える色が増えていく。残された365日で、僕は楓が遺した「死ぬまでにやりたいことリスト」を1つずつ叶えることに。やがて視界の全てが色づいたとき……? 衝撃のラストに心が震え、景色が鮮やかに輝き出す、最高のラブストーリー!
  • 呪われ皇子と茶博士の娘 幻国後宮伝
    値引きあり
    3.5
    死を振りまく呪いの緋目を持つ、清香茶館の娘・朱梨は父と母、兄を目のせいで亡くしたと思い込んでいた。せめて茶館は守ろうとするも、養父に店を取られ、給金目当てに後宮に行かされる。朱梨は幻国の第一皇子・伯飛の前で茶を入れるが、傑女には選ばれなかった。が、その後、伯飛に茶を入れてほしいと言われて仮初めの妻になり、皇子のある秘密を知ってしまい――。後宮に巣くう怨霊退治に乗り出す呪われ皇子と娘の運命は……?
  • この冬、いなくなる君へ 長い嘘が終わる日に
    値引きあり
    4.3
    「この冬、いなくなる君へ」1巻スピンオフ! 北織陽葵は子離れしない母・風子と離れるため、大学卒業後、内定した就職先を断って上京を決めた。母とはぶつかることも多いが、不思議と時折陽葵にくれる手紙の中では真摯に向き合えるのだった。夢だった動画制作会社に就職を決めた陽葵が東京へ来た日、車に轢かれかけた所を不思議な男性に助けられる。が、「四年後の冬、君は死ぬ」と謎の予言をされて――。「この冬、いなくなる君へ」の篤生が再び登場! 驚きのラストに、切ない涙が止まらない著者・いぬじゅんが贈る感動作。
  • 余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話 Ayaka’s story
    値引きあり
    4.5
    高校時代、早坂秋人と桜井春奈と同級生だった三浦綾香は、余命宣告を受けながらも恋を全うしたふたりを間近で見守り、その恋に憧れていた。そして実はほんの少しだけ秋人のことが気になっていた……。ふたりを亡くした喪失を胸に抱きつつもネイリストとして歩みはじめた綾香だが、あるとき柏木という年上の男性に出会い、運命が大きく動き出す――。
  • 余命100食
    値引きあり
    3.5
    大ケガのトラウマで無気力になってしまった室崎凍夜は、余命百食――残り100回食事をしたら死ぬという奇病にかかった女性、咲村梨依と出会う。梨依は寿命までの食事に付き合ってくれる相棒を探しており、死を恐れず日々を楽しむ彼女に興味を抱いた凍夜はグルメ旅に付き合うことに。毎回満面の笑みで完食する梨依に、次第に凍夜は心惹かれて……? 旅の終焉に起きる奇跡に、温かな涙が止まらない感動作!
  • 元猫又ですが、陰陽師の家で猫のお世話係になったら婚約することになりました。
    値引きあり
    4.0
    大正十年。女学生の琥珀はハチワレ猫の案内で、ある屋敷にたどり着いた。実は琥珀は父から猫又の生まれ変わりだと言われており、半信半疑ながらもどこか懐かしさを覚える、猫の沢山いるその四季島家に入ってしまう。縁あって猫のお世話係として働くことになり、なぜか大の猫嫌いの当主の陰陽師・御影と、持ち込まれる怪異に挑む。やがてある過去が明らかになり――。ほろりと泣けてキュンとする? 大正あやかし&猫まみれ小説。
  • 君の余命が消えぬまに
    値引きあり
    3.8
    心臓病が発覚し、退職を決めた生内花菜は、最終日に同僚から都市伝説のような余命銀行の話を聞く。親友とも心の距離を感じて落ち込んだ矢先、不思議な女性、鈴本朋子と出会う。彼女が案内したのは小さなオフィス――余命銀行だった。実在に驚きつつも、謎めいた支店長・伊吹と黒猫ワトソン、朋子とそこで働くことにした花菜は、命を預けにくる人々に寄り添っていく。幾つもの決断に、悲しくも温かい涙が流れる、著者渾身の感動作!
  • 花屋カフェLuneのスペシャリテ 人の縁を結ぶわんこ系男子との不思議でおいしい4ヶ月
    値引きあり
    3.8
    人見知りの会社員・凪紗のもとに、クリスマスも近い夜、元カレから結婚したことを知らせる葉書が届く。落ち込んでいる矢先、ひょんなことから人と人との縁を結ぶお役目を持つという不思議な男子・ショウを拾ってしまう。花の香りが好きだという彼と一緒に、花屋カフェLuneを訪れるが――。やがて、彼と過ごす日々があることをきっかけに変わり始めて……。花屋さんで繰り広げられる、ほろりと泣ける、優しい再生の物語。
  • ハイドラ(新潮文庫)
    3.8
    出会った瞬間から少しずつ、日々確実に、発狂してきた――。有名カメラマン新崎の専属モデルを務める早希は、私生活でも密かに彼と同棲している。付き合って三年を過ぎ、セックスの時以外は体に触れてこない新崎。不均衡な関係に深い倦怠感を覚えるなか、ずっと早希のファンだったというバンドマンの松木と出会う。ひずみのない愛を求めては傷つく女性の心理に迫る、傑作恋愛小説。
  • ナオタの星
    値引きあり
    4.1
    会社を辞めてシナリオ作家を目指す小倉直丈は、新人賞に応募し続けるが落選ばかり。そんな折、プロ野球選手として活躍する小学校時代の級友から、奇妙な仕事を頼まれる。蟹座のB型、おなじ星のもとに生まれながら圧倒的な差がついてしまった同級生の「頼みごと」、それはある身近な人物の「尾行」だった――。20年ぶりに再会した級友が、それぞれの場所でもがきながら新たな希望を見出していく、胸がいっぱいになる青春小説!
  • AMEBIC
    3.6
    摂食障害気味の女性作家「私」のパソコンに日々残されている意味不明の文章=錯文。錯乱した状態の「私」が書き残しているらしいのだが…。関係を持った編集者の「彼」とその婚約者の「彼女」をめぐって、「私」の現実は分裂し歪んでいく。錯文の意味するものとは。錯乱した「私」は正気の「私」に何を伝えたいのか。孤独と分裂の果てには何が待つのか。著者の大きな飛躍点となった第三長編。
  • 蛇にピアス
    3.8
    「スプリットタンって知ってる?」そう言って、男は蛇のように二つに割れた舌を出した―。その男アマと同棲しながらサディストの彫り師シバとも関係をもつルイ。彼女は自らも舌にピアスを入れ、刺青を彫り、「身体改造」にはまっていく。痛みと快楽、暴力と死、激しい愛と絶望。今を生きる者たちの生の本質を鮮烈に描き、すばる文学賞と芥川賞を受賞した、金原ひとみの衝撃のデビュー作。
  • 時代小説の愉しみ
    -
    1巻407円 (税込)
    女渡世人、やさぐれ同心、錺簪師、お庭番に酌女・・・ 武士も町人も、不器用にしか生きられない男と女。男が呻吟し女が慟哭する・・・ 剣が舞い落花が散り・・・時代小説の愉しみ
  • 半欠け
    -
    1巻407円 (税込)
    「お前たちは二人でやっと一人前だ。だから、何方が欠けても店は無いものと思え」 親方にそう言われた割烹店の板前とその妻だけでなく、人は誰しも一人では不完全な半人前である。信頼し合う二人が支え合い補い合って漸く一人前になる。  此処に収められた十篇の短編は、そんな「半欠け」の二人が信じ合い解り合って人生を紡いで行く感動の珠玉の物語である。
  • 明日 一九四五年八月八日・長崎
    3.6
    原爆投下の前日八月八日、長崎の街にはいま現在そこに住む人々と、おなじ人間の暮らしがあった。結婚式を挙げた新郎新婦、刑務所に収監された夫に接見する妻、難産の末に子供を産む妊婦……。愛し傷つき勇気を奮い起こし、悲喜こもごも生きる人々を突然に襲う運命の「明日」。人間の存在意義を問い、核の脅威と向き合う「今日」を鮮烈に描き出す。昭和文学の金字塔。
  • 夜の写生会
    値引きあり
    5.0
    大勢の前で下着を破かれて昂ぶり、次々と男を受け入れる貞淑な妻。芋虫のような男の手で下腹部を執拗に揉まれ、眠りながら下着を濡らす少女…。“先生”は今日も雑誌の取材で女性を写生する。美人編集者・美雪は両腿を擦り合わせ興奮を隠すが、取材後「開いて見せてごらん」と言われると、そこは既に溢れ、「先生」と何度も叫んで達するのだ。
  • 狭小邸宅
    3.7
    【第36回すばる文学賞受賞作】学歴も経験も関係ない。すべての評価はどれだけ家を売ったかだけ。大学を卒業して松尾が入社したのは不動産会社。そこは、きついノルマとプレッシャー、過酷な歩合給、挨拶がわりの暴力が日常の世界だった……。物件案内のアポも取れず、当然家なんかちっとも売れない。ついに上司に「辞めてしまえ」と通告される。松尾の葛藤する姿が共感を呼んだ話題の青春小説。
  • バルセローナにて
    4.0
    スペインを旅し、住まうこと20数年。人間がこの地にしるした歴史を冷徹に見据え、自らの魂の遍歴を語る連作小説集。幼い子供が歌う赤旗の歌、ムッソリーニの失業対策によりフランコ側で闘った老人の話等、今なお残るスペイン内戦の影を見つめた『バルセローナにて』。アラゴン、カスティーリア両王国の王位継承者、狂女王と呼ばれたフアナの数奇な運命を辿る『グラナダにて』他一編。
  • マルコの夢
    3.5
    大学を出たが就職の決まらない一馬。姉に呼ばれてパリに渡り、ふとしたことから三つ星レストランでキノコの管理を任される。ある日オーナーから、店の名物料理に使う「マルコ」という日本原産のキノコの買い付けを命じられた。パリではこの店だけで食べられる極上のものだ。早速日本に飛んだ一馬だったが、思いもよらない事実を知ることに――。魅惑のキノコをめぐる、奇想天外な物語。
  • そろそろくる
    3.5
    「泥棒?」アパートに入ると、仕事道具の紙や画材が散らばり、キッチンは卵の殻がへばりついている。自分でやったこととわかっているが、それにしても……。生理前に必ず陥るこのパターン。イライラしたり落ち込んだり。でもこれもやっぱり自分なのだ――。彼や友人たちの理解を得ながら、生理を通して、自分を見つめなおしていく秀子。PMS(月経前症候群)と格闘する30代の女性を軽快に描く。
  • 漢方小説
    3.9
    【第28回すばる文学賞受賞作】川波みのり、31歳、脚本家、独身。胃がひっくり返ったようになるのに、眠れないのに、病院に行って検査をすると『特に異状なし』。あのつらさは何? 昔の男が結婚したショックのせい? それとも仕事のストレス? 最終的にたどりついた東洋医学で、生薬の香りに包まれながら、みのりが得たものは。心と体、そして人間関係のバランスを、軽妙なテンポで書き綴る。仕事も、恋愛も、なんとなく疲れちゃった…。大丈夫! そんなときの処方箋。
  • ウエンカムイの爪
    3.2
    【第10回小説すばる新人賞受賞作】――殺られる! 死んだふりをしても無駄だ。食われてしまう……。北海道で撮影旅行中の動物写真家・吉本はある日、巨大なヒグマに襲われ、九死に一生を得る。彼を救ったのは、クマを自在に操る不思議な能力を持つ謎の女だった。その女を捜し求める吉本が見たものとは? 野性と人間の壮絶な闘いを通して、生命の尊厳と自立を描いた傑作。
  • 夏至祭
    4.3
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ぼくはどうしても失くした羅針盤を探し出したいのさ──。半夏生の夜まで、あと二週間、集会はその夜に開かれるのに、会場の入口を見つけるための羅針盤を落としてしまった――。好評の文庫オリジナル。
  • 銀木犀
    3.8
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 銀木犀の繁の中には、ちょうど少年ひとりが身を屈めて休むことができる隠れ処があった…樹木に蔽われた古い庭に通う燈水のまえに現れた奇妙な少年は誰?降り続く雨の中、樹に沈みゆく燈水を描いた、文庫オリジナル作品。
  • 春琴抄
    4.1
    盲目の三味線師匠春琴に仕える佐助の愛と献身を描いて谷崎文学の頂点をなす作品。幼い頃から春琴に付添い、彼女にとってなくてはならぬ人間になっていた奉公人の佐助は、後年春琴がその美貌を何者かによって傷つけられるや、彼女の面影を脳裡に永遠に保有するため自ら盲目の世界に入る。単なる被虐趣味をつきぬけて、思考と官能が融合した美の陶酔の世界をくりひろげる。

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  • 女が蝶に変わるとき
    値引きあり
    3.5
    「ねえ、私を覗いているのは誰なの?」。森の中の奇妙な洋館で、女は自分を見つめるビデオカメラに気がついた。寝室でも浴室でも執拗に自分を追うカメラの向こうに誰がいるのか? そして館の恐ろしくも美しい秘密とは? すべての真実を知ってしまった時、女はこれまでの人生にはもう戻れないのだと悟る……。鬼才・大石圭の傑作『いつかあなたは森に眠る』を改題し、書き下ろし短編を加えた完全版。
  • ロックンロールミシン
    3.4
    賢司は入社二年目の“リーマン”。仕事は順調、彼女もいるのに、なんだか冴えない毎日。そんな時、高校の同級生・凌一がインディーズブランドを旗揚げした。気の合う仲間と作りたいものを作る――そんないい加減なことでいいのかよ!? そのくせ、足は彼らの仕事場に向かい、曖昧な会社生活をリセット、本格的に手伝うようになるのだが……。ミシンのリズムで刻む8ビートの三島賞受賞作!

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  • にごりえ・たけくらべ
    4.1
    落ちぶれた愛人の源七とも自由に逢えず、自暴自棄の日を送る銘酒屋のお力を通して、社会の底辺で悶える女を描いた『にごりえ』。今を盛りの遊女を姉に持つ14歳の美登利と、ゆくゆくは僧侶になる定めの信如との思春期の淡く密かな恋を描いた『たけくらべ』。他に『十三夜』『大つごもり』等、明治文壇を彩る天才女流作家一葉の、人生への哀歓と美しい夢を織り込んだ短編全8編を収録する。

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  • 光抱く友よ
    3.7
    大学教授を父親に持つ、引っ込み思案の優等生・相馬涼子。アル中の母親をかかえ、早熟で、すでに女の倦怠感すら漂わせる不良少女・松尾勝美。17歳の二人の女子高生の出会いと別れを通して、初めて人生の「闇」に触れた少女の揺れ動く心を清冽に描く芥川受賞作。他に、母と娘の間に新しい信頼関係が育まれていく様を、娘の長すぎる髪を切るまでの日々のスケッチで綴る「揺れる髪」等2編。

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  • 羅生門・鼻
    3.6
    京の都が、天災や飢饉でさびれすさんでいた頃。荒れはてた羅生門に運びこまれた死人の髪の毛を、一本一本とひき抜いている老婆を目撃した男が、生きのびる道をみつける『羅生門』。あごの下までぶらさがる、見苦しいほど立派な鼻をもつ僧侶が、何とか短くしようと悪戦苦闘する姿をユーモラスに描いて夏目漱石に絶賛された『鼻』。ほかに『芋粥』『好色』など“王朝もの”全8編を収録する。

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  • 海と毒薬(新潮文庫)
    4.1
    戦争末期の恐るべき出来事――九州の大学付属病院における米軍捕虜の生体解剖事件を小説化し、著者の念頭から絶えて離れることのない問い「日本人とはいかなる人間か」を追究する。解剖に参加した者は単なる異常者だったのか? いかなる精神的倫理的な真空がこのような残虐行為に駆りたてたのか? 神なき日本人の“罪の意識”の不在の無気味さを描く新潮社文学賞受賞の問題作。
  • カオス
    値引きあり
    3.4
    台湾人からもちかけられた漢方薬の売買によって、歌舞伎町の抗争に巻き込まれたテツとガク。見返りに中華料理店の名門『龍門』を手に入れるが、麻薬を狙う蛇頭の執拗な追跡が始まった……。研ぎ澄まされた勘と才覚と腕っ節を頼りに、のし上がろうとする無法者達は、金と命を守ることができるのか? 裏社会で生きる人間の真実を描く傑作大長編。
  • 海の仙人
    4.3
    宝くじに当った河野は会社を辞めて、碧い海が美しい敦賀に引越した。何もしないひっそりした生活。そこへ居候を志願する、役立たずの神様・ファンタジーが訪れて、奇妙な同居が始まる。孤独の殻にこもる河野には、二人の女性が想いを寄せていた。かりんはセックスレスの関係を受け容れ、元同僚の片桐は片想いを続けている。芥川賞作家が絶妙な語り口で描く、哀しく美しい孤独の三重奏。

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  • 切れた鎖
    3.5
    海峡の漁村・赤間関を、コンクリの町に変えた桜井の家。昔日の繁栄は去り、一人娘の梅代は、出戻った娘と孫娘の3人で日を過ごす。半島から流れついたようにいつの間にか隣地に建った教会を憎悪しながら……。因習に満ちた共同体の崩壊を描く表題作ほか、変態する甲虫に社会化される自己への懐疑を投影した「蛹」など、ゼロ年代を牽引する若き実力作家の川端賞・三島賞同時受賞作!

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  • 顔のない裸体たち
    3.1
    1巻407円 (税込)
    赤いロープで縛られ、四つん這いになっている女。顔にはモザイクがかけられているが、間違いなくこれは私――! ごく平凡な女教師・吉田希美子は、出会い系サイトで知り合った男との行為にのめり込んでいく。男の趣味は、自らの性行為の撮影。アパートの駐輪場、大阪城、新幹線のトイレの中……あらゆる場所での淫らな行為がアダルトサイトに投稿されていた。しかし顔にはモザイクがかかっていて、誰にもわからないはずだった。事件が起きるまでは……。芥川賞作家が過激な描写でネット社会の罠を描いた問題作。

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  • インモラル
    3.0
    1巻407円 (税込)
    ロストバージン、結婚、セックスレス、そして離婚後の奔放なる性生活……。欲望と倫理、自由と束縛、快楽と嗜虐、それらの間で揺れ動くひとりの女優。彼女の放埒なる情欲は、果たして何処に行き着くのか? 女優・杉本彩が初めて描き出した官能世界は、あまりにもリアルな禁断の極私的エロス。衝撃の告白小説、ここに完成!

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  • 知りたがりやの猫
    3.1
    三日後、昔の男の目の前で大きく脚を開いている自分の姿が見える――深夜、夫が寝入った後、二年前に別れた恋人から電話がかかってきた。この男ともし会ってしまったら……きっと乱暴なやり方で私を誘う。無理やり連れていかれる部屋は、CDと本で埋まりそうな1DKのあの部屋で――そしてもう聞くことがないと思っていたいくつかの卑猥な言葉を吐いて――別れた男から誘いを受けた人妻の甘い葛藤を描く「眠れない」など、エロティックに語られる、女たちの11の恋愛短編集。

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  • 欲しいのは、あなただけ
    3.8
    「お願いやからして下さいと、言うてみろ」――19のとき夢中になった人は男らしい人だった。囚われの身となり、こじ開けられ、これでもかこれでもかと辱めを受ける。男らしい人の言いなりになっている自分が好きだった――。「金曜の夜は絶対に抱きたい」――30を過ぎて優しい人に恋をした。優しい人は金曜の夜、わたしの部屋で過ごしたあと知らない場所に去っていく。彼にもらった期限切れの定期券がわたしのお守りだった――。責任とか、結婚とか、家庭とか。わたしが欲しいのはそんなものじゃない。わたしが欲しいのは……。一度でも恋に溺れたことのある人へ送る超ド級の恋愛小説。

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  • 京をんな
    3.0
    1巻407円 (税込)
    あかん、うち、もうがまんできひん――入れて欲しいの、お願い、ねえ、早ようっ――「京ことば」で「京をんな」が艶やかに淫猥にあえぐ。『インモラル』を読んだファンから届いた一通の手紙。それはやがて嵌められる性の罠への序章。目隠しをされ、縛られ、身体を弄ばれ……。恐怖と嫌悪はいつしか快感に変わり、強姦と呼ぶにはあまりにも協力的で甘美なものに……。『インモラル』続編を含む、連作短編5編を収録。女優が望んだエロスの究極とは? 杉本彩が、さらに赤裸、さらに猥褻に描く極私的エロス、第二弾。

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  • 原始人
    3.7
    男は“獣欲”を満たすために棍棒を振るって女を犯し、“食欲”を満たすために他者の食物を強奪して殺す……。“弱肉強食”時代の人類の始祖・原始人の欲望むき出しの日常を描いた衝撃の表題作をはじめ、束縛されることのない異様な社会を描いた「アノミー都市」、次々と不運に巻き込まれる男の物語「おれは裸だ」など独特の筒井ワールドな作品に、小説という枠を超えたメタ小説ともいうべき「怒るな」「読者罵倒」「筒井康隆のつくり方」を加えた、元気の出る作品13篇を贈る。
  • 珠玉
    4.0
    1巻407円 (税込)
    青い海の色をしたアクアマリン──床にオガ屑を撒いた酒場で出会ったのは、海で行方不明になったらしい息子を探し続ける医者だった。赤い血の色をしたガーネット──渋谷の中華料理屋の主人が貸してくれた宝石は、スランプだった「私」に赤い色にまつわる記憶を呼び覚ます。乳白色の月の色ムーン・ストーン──その石を手に入れたときから、心に生まれた白い核。若き女性編集者と情事を重ねながら、その核心を追い求める「私」。三つの宝石に託して語られる、作者絶筆の三部作。
  • 蒲団・重右衛門の最後(新潮文庫)
    3.8
    赤裸々な内面生活を大胆に告白して、自然主義文学のさきがけとなった記念碑的作品『蒲団』と、歪曲した人間性をもった藤田重右衛門を公然と殺害し、不起訴のうちに葬り去ってしまった信州の閉鎖性の強い村落を描いた『重右衛門の最後』とを収録。

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  • シェエラザード(上)
    値引きあり
    4.0
    1~2巻407円 (税込)
    昭和20年、嵐の台湾沖で、2300人の命と膨大な量の金塊を積んだまま沈んだ弥勒丸。その引き揚げ話を持ち込まれた者たちが、次々と不審な死を遂げていく――。いったいこの船の本当の正体は何なのか。それを追求するために喪われた恋人たちの、過去を辿る冒険が始まった。日本人の尊厳を問う感動巨編。
  • ビビンパ
    3.7
    凄みを増した清水ワールドの作品群。家族四人で焼き肉屋へ出かけて食事する光景を描いただけでジワジワとおかしさが襲ってくる表題作「ビビンパ」はじめ、賀状だけで綴る人生、碁の迷勝負や、作家のところへ押しかけて自分の波瀾の人生を小説にしてくれという男の話など過激に知的な大爆笑パスティーシュ。
  • キルプの軍団
    値引きあり
    4.2
    高校生の僕は、ディケンズの『骨董屋』を読み、作中のキルプにひかれる。そして、刑事の忠叔父さんと一緒に原文で読み進めるうちに、事件に巻き込まれてしまう。「罪のゆるし」「苦しい患いからの恢復(かいふく)」「癒し」を、書くことと読むことが結び合う新たな語り口で示した大江文学の結晶。
  • 流星ワゴン
    値引きあり
    4.4
    死んじゃってもいいかなあ、もう……。38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そして――自分と同い歳の父親に出逢った。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのか――? 「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作。
  • 梟の居た森
    -
    1~2巻400~660円 (税込)
    梟の居た森、山河(サンガ)村は、特殊な風習を長く受けついできました。 私の作品の内容に大きな影響を与えたのは、地理学者であり教育者松口常三郎先生の人生地理学……。世界の自然とそれに関わる人間の営みを、農業、漁業、工業などのテーマ別にとりあげ、人間生活の視点から記したものによるところが本の骨子となっております。 子供の教育は半日勉強、そして半日労働。あらゆることを身をもって体験することで、はじめて五体に血が流れる。サンガ村の人達が生きたように、子供はみなで育て、慈しんでゆく、そのような世界は夢のまた夢なのでしょうか。
  • 花伝書(風姿花伝)
    値引きあり
    4.1
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 わが国の古典中、もっとも異色である作品で、申楽者・観阿弥が、その実力を養い発揮する方法を、人間の本性を会得した立場で考究した、稀有の体系的芸術論である。その洞察は、また人間論としても、現代に生きている。校注は、世阿弥研究の第一人者・川瀬一馬博士。平易な現代語訳の決定版。
  • 生命の樹
    -
    ふとしたことから知り合った銀座のバーの女・由美子との情事。由美子は不思議な魅力を持つ女だが、その私生活にはどこか謎めいたところがあった。「先生、私、顔を切られちゃった」由美子からの電話だった…。親子ほども齢のはなれた女に惑溺する小説家の生命の渇き。透徹した文書で描く高見文学の傑作長篇。(※本書は1990/3/1に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました)
  • スティーヴンソンの欧州カヌー紀行
    -
    ロバート・ルイス・スティーヴンソンは『宝島』や『ジキル博士とハイド氏』などの作品で知られる十九世紀イギリスの作家で、晩年(というか、四十四歳で死亡しているので短すぎるその人生の後半)は、転地療養に適した土地を探した末に、南太平洋のサモアに妻と移り住み、その地で没しました。  この紀行は、二十代のスティーヴンソンが友人と二人で大陸(ヨーロッパ)にカヌーを持ちこみ、川や運河づたいに旅をした記録です。  未来の世界的ベストセラー作家がまだ無名だった若き日の、好奇心旺盛で、冒険やキャンプなどのアウトドア大好き青年だったころの、時代の最先端をいくセーリング・カヌー(ロブロイ・カヌー)を用いた川旅で、ヨーロッパの大河を上流に向かって必死に漕いだり、スリル満点の急流下りを楽しんだり、風がよければ帆走したりと、鉄道や馬車など普通の旅行手段ではとうてい味わえないスリルや緊張感や楽しみに満ちています。  本書の後半には、サモアに移住したスティーヴンソンの晩年を描いた中島敦の『光と風と夢』を併載しています。  中島敦も気管支ぜんそくの転地療養をかねて西太平洋パラオの南洋庁に勤務した経験があり、スティーヴンソンには大いに共感するところがあったようです。  『山月記』の虎になった主人公にも、『光と風と夢』のスティーヴンソンにも、三十三歳で夭折することになる中島敦自身の強い自己投影が感じられます。  目次 はじめに スティーヴンソンの欧州カヌー紀行 現代表記版 光と風と夢(中島敦) 訳者あとがき
  • 夜のこと
    値引きあり
    4.0
    1巻399円 (税込)
    「小説を書きたい」とつぶやくあの子に近づきたくて僕はいま“夜のこと”を書いている――。 作家のpha(ファ)が自らの恋愛遍歴をベースに小説を書き始めたのは、“あの子”と文章を見せ合うためだった。 手をつないだだけで気持ちいい女性、部屋のいたるところにカッターナイフが置いてある女性、上下に揺れながら彼氏ができたことを報告してくる女性。 これまでに出会ってきたさまざまな女性たちのことを思い浮かべながら小説を書いては送る。 “あの子”には早々に告白して振られてしまうが、それでも関係性を保とうと書き続けた。 本書は同人誌即売会・文学フリマ東京で発表され話題を呼んだ『夜のこと』(全二巻)を大幅に加筆修正し、書き下ろし作品を加えて一冊にまとめた恋愛短編集。 phaにとってこれが初の小説となる。 <本文より> 今年の終わりに僕は四十歳になる。人生で一番恋愛沙汰が多かった三十代が終わろうとしている。 歳をとるにつれて、少しずつ恋愛感情や性的衝動が減退してきているのを感じていた。ならば、記憶と性欲が薄れてしまう前に、体験したことを書き残しておきたい、と思ったのだ。 シェアハウスで真上の部屋に住んでいた女性の話。ネットで知り合っていきなりセックスをした女性の話。カッターナイフをいつも手にしていた女性の話。夫と彼氏が両方いた女性の話。 そんな話を次から次へと書いては、僕は彼女に送り続けた。恋バナが好きな彼女は、送るたびに「面白い」と言ってくれた。
  • 猫侍 玉之丞写真集
    値引きあり
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 北村一輝主演、全国15局、BSフジなどで放映されていた猫と侍の癒し系時代劇「猫侍」。「可愛すぎる!」とファンを萌死させていた、芸達者の白猫・玉之丞の写真集がついに登場!3猫1役を演じた猫たちそれぞれのポートレートや、江戸村での新作撮り下ろしカットに加え、監督インタビュー、動物トレーナーによる撮影秘話など内容も盛りだくさん。3匹の玉之丞、勢揃いカットも!
  • ライト・イズ・オン
    -
    1~2巻396~594円 (税込)
    経済的自由を得るために株式のデイトレーダーをしているアキラは、駅前の路上で花を売る春絵と出会う。最近トレードが不調だったアキラは、春絵から「幸運を呼ぶブーケ」を買うと、不思議と株取引に勝てるようになる。アキラは、花の店を持ちたいとひたむきに働く春絵に惹かれていく。アキラは、ようやく自分の生きる道を見つけてプロポーズをするが、その瞬間かつての幻を見てしまう。
  • 書楼弔堂 待宵 探書拾参 史乗
    -
    13~24巻396~429円 (税込)
    書楼弔堂電子分冊版、第十三巻。『書楼弔堂 待宵』収録の「史乗」をシングルカット。舞台は明治30年代後半。鄙びた甘酒屋を営む弥蔵のところに馴染み客の利吉がやって来て、坂下の鰻屋に徳富蘇峰が居て本屋を探しているという。 なんでも、甘酒屋のある坂を上った先に、古今東西のあらゆる本が揃うと評判の書舗があるらしい。その名は “書楼弔堂(しょろうとむらいどう)”。 思想の変節を非難された徳富蘇峰、探偵小説を書く以前の岡本綺堂、学生時代の竹久夢二……。そこには、迷える者達が、己の一冊を求め“探書”に訪れる。 「扠(さて)、本日はどのようなご本をご所望でしょう――」 日露戦争の足音が聞こえる激動の時代に、本と人との繋がりを見つめなおす。 約6年ぶり、待望のシリーズ第3弾! ※本電子書籍は『書楼弔堂 待宵』の電子分冊になります。
  • KLAN(クラン)
    -
    1巻396円 (税込)
    この世界にはハムランムルと呼ばれる、強大な力をもつ者が存在する。彼らは虎、狼、熊、獅子の血族――クランに分かれて、ひっそりと暮らしていたが、全クランの統一を目論む「伯爵」の登場により、平穏は失われた。高校生の日高虎ノ介は、さらわれた腹違いの妹・風子を救い出そうとする途中、謎の美少女に話しかけられて、自分がハムランムルであることを知る。それが戦いのはじまりであった――。
  • 天使と悪魔のシネマ
    値引きあり
    4.0
    「うまいことを言ってるが、君は悪魔なんだろう?」結婚を控えた地下鉄の運転士、酔って駅のホームに立つDV男、仕事と恋人を失ったフリーター……。岐路に立つ彼らのもとにやって来るのは天使か、悪魔か? 見知らぬ隣人たちの人生が闇の奥で接近し、思いがけぬ物語へと織りなされていく――。容赦ない運命と温もりが同居する、ちょっと怖い物語。運命の裏事情、教えます!
  • 帝都あやかし屋敷の契約花嫁
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    4.7
    大正時代、名家・久我家は当主の失脚により没落。御嬢様だったまりあは許嫁に婚約破棄され、下町のボロ家に住んでいる。そんな彼女が夜会で出会ったのは、日本有数の名家である山上家の装二郎。しかし山上家には、帝都にはびこり夜な夜な事件を起こすあやかしを匿っているという不穏な噂が。だが、両親への援助を条件にまりあはそこに嫁ぐことになり……。契約花嫁があやかしと当主を守るため大奮闘! もふもふ大正ファンタジー。
  • 【著者メッセージ付き】余命0日の僕が、死と隣り合わせの君と出会った話
    値引きあり
    4.1
    高2の瀬山慶は、涙失病――一定量の涙を流すと死に至る病を患っていた。発症した幼少期から親に泣くのを禁じられていたが、小学生のとき母が亡くなり、堪えきれずに涙を流し、生死の境を彷徨った。以来、極力感情を動かさないように生き、気づけばあらゆることに無感動な人間になっていた。青春真っ盛りの友人たちの中で感じる孤独。いつしか自分も泣いてみたいと渇望するようになる。そんな折、図書館で号泣していた同じクラスの星野涼菜から、泣けるという本を借りるが、その縁で映画研究部――旧“感涙”部へ入部することに。やがて、瀬山は彼女のある秘密を知ることになって……? 累計30万部の大ヒット「よめぼく」シリーズの著者が贈る、涙なしでは驚きの結末を見届けられない衝撃作、第4弾!
  • 環司先生の謎とき辞典 チカと文字禍とラブレター
    値引きあり
    3.3
    あるトラウマから文字では気持ちを伝えられないと感じ、文章を書くこととSNSが大嫌いな高校生、知華。彼女の学校には国語教師の環司がおりイケメンだと騒がれているが、知華は彼が驚くべき漢字マニア――愛読書は漢和辞典、特技は一発で目的の漢字を引くこと、ワイシャツの下は必ず漢字T――だと知ってしまう。そんな折、学校である事件が起き、先生が「漢字が僕を呼んでいる」と言い放ち、漢字で解決するのを見てしまい?
  • 帝都はいから婚物語 女学生は華族の御曹司に求愛されています
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    -
    第11回ポプラ社小説新人賞ピュアフル部門賞受賞作! 時は大正。観劇の好きな女学生、萩原杏は骨董好きの父親がつくった借金の形に、華族の神楽坂子爵家、次男・真との縁談を進められそうになっていた。が、見合い時に「男と肩を並べて働きたい」と口走ったのを当主・空太郎に聞かれ、帝華少年歌劇団の支配人に任命される。けれど、その経営は火の車。さらに、巷を賑わせる”怪盗ファントム”から劇団トップの星宮カレンを狙う脅迫状が届いて――。最初は杏を認めなかった真だが、だんだんとひらめきで謎を解いていく彼女に惹かれていく。はねっかえりの女学生×御曹司のキケンな恋の行く末は!?
  • 本のない、絵本屋クッタラ おいしいスープ、置いてます。
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    3.9
    札幌にある『本のない、絵本屋クッタラ』はインクブルーの三角屋根が目印の、店主・広田奏と共同経営の八木が切り盛りする本屋兼カフェ。メニューは季節のスープセットとコーヒーのみだが、育児に悩んだり、自分の今の立ち位置に迷った客が今日もやってくる。名の通り店に本はないが、奏は静かに耳を傾けると、後日悩みに寄り添う絵本をそっと差し出す。それは時に温かく、時に一読しただけではわからない秘密をもっていて……。
  • 横浜中華街! 桃源郷飯店へようこそ キョンシー事件の謎は晩餐で解決!?
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    4.0
    横浜の大学生・安藤サトシは「腹ペコの人の心が読める」という特技を持ち、空腹な人を放っておけずついお節介を焼いてしまう。その日も余計な一言でフラれ、向かった中華街で、緑の肌をした老人が白い着物を来た美人・月楽に襲い掛かっているのに遭遇。助けようとするも老人に噛まれ、月楽に「ついて来なければキョンシーになって死ぬ」と桃源郷飯店へ連れていかれて――? 読めば中華が食べたくなる、グルメあやかしミステリー!
  • 紫蘭後宮仙女伝 時を駆ける偽仙女、孤独な王子に出会う
    値引きあり
    3.0
    百花国の遊牧民・浮花族の娘、紫蘭は、草原の穴から落下。辿り着いた先は百年前の後宮だった。そこで彼女は伝説の仙女・第八花仙に祀り上げられ、王子、月季と出会う。月季は迫害されていた浮花族を守り、浮花族に居場所を与えた、後の賢王だった。が、今の彼は後ろ盾もなく冷遇され、王太子になる気配は微塵もない。やがて自分がこの国へやってきたことで歴史が変わってしまったと気付いた紫蘭は、彼を王にすべく奮闘するが……?
  • 貴公子探偵はチョイ足しグルメをご所望です
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    3.7
    <第10回ポプラ社小説新人賞・奨励賞受賞作!>麗しき貴公子探偵の推理の秘訣は、庶民派チョイ足し料理!? ポジティブ貧乏家政婦とセレブな金髪美少年探偵の凸凹コンビによる、グルメミステリー開幕!
  • スイーツの泣ける話
    値引きあり
    4.5
    本書はスイーツにまつわる、13編の泣ける物語を収録しています。 さらに、スイーツの作り方を紹介する大人気YouTuber「えもじょわ」さん(チャンネル登録者数200万人超)の特別エッセイ『インスタントラーメンとクレームブリュレ』を収録しています。 なお、以下の1編はマイナビ出版主催の短編小説コンテストの受賞作です。 【優秀賞】 『苺味の追憶』冬垣ひなた 【収録作品】 『パウンドケーキが好きでサプライズが嫌い』/鳩見すた フラッシュモブを見て喜ぶ由利に、恋人の遙香はサプライズはいらないと言うが…… 『おとなさまゼリー』/ひらび久美 高熱の美遥と五歳の息子を残し夫は仕事へ。美遥は息子の相手をする気力も無く…… 『いつかヒロインに』/朝比奈歩 同僚の間の悪い男・真野は、私のマカロンへの愛をいつも邪魔するのだが…… 『真夏のエトワール』/田井ノエル 幼いころに家を出た父と同じショコラティエになった星良は、偶然父の居場所を知り…… 『苺味の追憶』/冬垣ひなた 幼馴染のみなとが働く和菓子店から届いた葉書。新は郷愁に別れを告げようと決意し…… ほか8作品収録 『スイーツアクター』溝口智子/『たいやき、恋々』一色美雨季/『お帰り、こたつ』杉背よい/『きっさこロールケーキ』国沢裕/『絆の味を嚙みしめる』桔梗楓/『#ショートケーキ』霜月りつ/『完璧なスイーツ』朝来みゆか/『フォーチュン・スノーボール』矢凪

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