国内小説作品一覧

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  • 現代語訳 竹取物語
    -
    光る竹から生まれたかぐや姫が娘になり、貴公子の求愛に無理難題を与え、煌々と冴えわたる満月の夜に昇天するという永遠の美の幻想……。源氏物語の絵合の巻に「物語の出で来はじめの祖なる竹取の翁」とある「竹取物語」は、平安時代から千百年ものあいだ読み継がれ親しまれている。日本の自然と情感を愛したノーベル賞作家の現代語訳と、ていねいな解説で読む、わが国最古の美しい物語。

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  • 浅草紅団
    -
    昭和初期の浅草を、その時代の渦の中にありながら観察しつつ書かれた小説である。おそらくは著者自身が接したのであろう、界隈に集まる「不良」たちを中心に、浅草でなくてはあり得ないさまざまな現実の事象を丹念緻密に描く、貴重な時代の記録。

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  • 新文章読本
    -
    「つねに新しい文章を知ることは、それ自身小説の秘密を知ることである。同時にまた、新しい文章を知ることは、古い文章を正しく理解することであるかも知れぬ。明日の正しい文章を……生きてゐる、生命ある文章を考へることは、私たちに課せられた、光栄ある宿命でもあらう」(まえがきより)。戦後まもなく発表された、文豪の文章論。

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  • 愛する人達
    3.6
    母の死後、母の初恋の人、佐山に引きとられた雪子は佐山を秘かに慕いながら若杉のもとへ嫁いでゆく――。雪子の実らない恋を潔く描く『母の初恋』。さいころを振る浅草の踊り子の姿を下町の抒情に托して写した『夜のさいころ』。他に『女の夢』『燕の童女』『ほくろの手紙』『夫唱婦和』など、円熟期の著者が人生に対し限りない愛情をもって筆をとった名編9編を収録する。

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  • 検事 霞夕子 夜更けの祝電
    5.0
    バツイチのOL・山口美幸は39回目の誕生日を迎えるその日、たった一人で孤独をかみしめながら過ごしていた。次の日、彼女は後頭部を鈍器で殴打されて、自分の部屋で死亡していた。部屋には色彩豊かな花瓶に5本の紅いバラと3本のクリーム色のバラが挿されていた。いったい誰が彼女を殺したのか。お多福顔でおっとり口調の検事、霞夕子が鋭く解決する「夜更けの祝電」をはじめ、「橋の下の凶器」「早朝の手紙」「知らなかった」の4篇を収録する人気シリーズ。

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  • 十一の色硝子
    -
    初老の男たちの心に残されたつらい戦争の記憶。若き留学時代にふれあった異邦の人々の上に流れた歳月の跡。兄の死と母の遺体の再埋葬にたちあい心をよぎる人生の帰着の姿。歳月、老い、そして人生……。夕暮れの光を受け鮮やかな輝きを見せる色硝子のように、深々と心に刻まれる生の断片。生きることの重みを、人生のうしろ姿を、読む者の心にしみこませる十一話を収めた短編集。

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  • 岸田劉生晩景
    -
    貧窮のうちに死んだ祖母の骨壺を探しながら小倉を訪ね、往事を回想する鎮魂の自伝的小説『骨壺の風景』。画壇の主流に背を向け、荒んだ生活を送る天才画家。著者独自の鑑識眼を駆使して、卓抜したテクノロジスト岸田劉生の晩年の悲劇を解明した表題作。老人の奥底にひそむ性と孤愁を生なましく描きだした『筆写』。画狂人の気負いと孤独を捉えた『北斎』など、全5編を収める。

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  • 隠花の飾り
    3.7
    妻子ある男を好きになってしまった銀行勤めの伴子。男と結婚するのに必要となる三千万円を横領するが、たった一枚の百円玉が、その運命を反転させる「百円硬貨」。毎日弁当を作り、ボーナスで洋服を仕立てて、年下の男に尽くす滝子。男が若い女と結婚することが決まり潔く身を引くが、結婚前夜に男が訪ねて来て……「記念に」。愛を求めるあまり転落してゆく女たちを描く傑作短編十一編。

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  • ほら男爵 現代の冒険
    3.4
    1巻484円 (税込)
    連作短編集。“ほら男爵”の異名をもつ男の直系、シュテルン・フォン・ミュンヒハウゼン男爵は育ちの良い32歳の独身男性。祖先の執念のせいか、旅に出かけると必ず奇妙な事件が待ちうけている。愛すべきわが男爵の前に出現するのは、人魚、宇宙人、ドラキュラ伯、ミイラ男、美女、魔女etc……。懐かしい童話の世界に現代人の夢と願望を託し、シニカルでユーモラスな新解釈で魅せる傑作冒険記。
  • しかたのない水
    3.5
    東京近郊のフィットネスクラブに集まる、一癖も二癖もある男と女……。平気で女を乗りかえる若い男。その男の美しい肉体を思い浮べ自慰に耽る女。水泳コーチの妻は失踪し、団地の主婦は、昔の恋人の名前をつい呟いてしまう。脱サラした古本屋は、妄想癖のある受付嬢の虜となる――。誰もが世界からはぐれ、行先もわからずさまよっている。不穏な恋の罠に翻弄される男女を描く連作短編集。

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  • 自転車少年記―あの風の中へ―
    3.9
    1巻484円 (税込)
    あの日、僕は、親友の草太、伸男と、自転車で走り始めた。生まれ育った南房総の風ヶ丘から、目指すは大都会・東京。新世界への旅立ちだ。喜びや挫折を味わいながら、僕らは夢に向け、ペダルをひたすら漕ぎ続けた。仲間と、東京から日本海を目指す自転車ラリーを完走した。もちろん素敵な恋もした。爽快無比の成長小説!

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  • 余命
    4.0
    女医の滴が妊娠した。結婚十年目にして訪れた奇跡を夫と共に喜ぶが、やって来たのは幸運だけではなかった。滴がかつて患った乳がんが再発したのだ。子供をあきらめ治療に専念するか、がんの進行を早めることになっても子供を産むか……病を知り尽くした彼女が下した壮絶な決断とは? 女性の愛と覚悟を描き、生きることの意味をあなたに問いかける、感動長篇。

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  • 神様がくれた涙
    4.2
    1巻484円 (税込)
    映画「Life 天国で君に逢えたら」の原作である『天国で君に逢えたら』続篇。「今日、神様が俺に、天国においでって言ったと思ってくれると俺は嬉しい」そう遺してノブさんは逝った――。ガン患者の想いを代筆する手紙屋・純一の元には、今日も様々な人が訪れる。自らの無力を呪う医師、病に怯えるサッカー少年、そして1パーセントの生存確率にかける頑固者ヨットマン・ノブさん……。絶望の底に沈んだ彼らに新たな希望を与えたのは、小さな勇気と大きな嘘だった――自身も末期ガンであった著者が最期の力を振り絞って綴った愛と勇気の物語。

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  • ガンに生かされて
    3.9
    映画「Life 天国で君に逢えたら」原作。「天国で、逢おう」妻と幼い子ども4人を残し、38歳の著者は逝った――。末期ガンの宣告を受けた世界的プロウィンドサーファーが、最期の場所としてハワイを選び移住。家族との間に生まれた深い心の交流に、「ガンになってよかった」と思い、日々を生きた――。余命宣告期限を超えて188日、死ぬ間際まで綴りつづけた“命の記録”がここに! 「最後まで、生かされた、生きようとしていた、と感じた」――妻の付記も収録した感涙必至の一冊。

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  • 愛より速く
    3.4
    このまま私の中にいて。もっと深く突き刺してよ――エロスの王道を歩む23歳の女子大生・“斎藤綾子”のセックス遍歴は、売りに援交、SM、輪姦、乱交、不倫、同性愛……。時に髭もないツルツルのボーヤを舐めまくり、時にフツーの恋がしたくてセックスを我慢してみたりする。だって、私は男が好き。特にペニスは大好物――。「処女を装うとき」「追い詰めて、犯して」「十五歳で輪姦されて」「オナニーの秘儀」など、全19編を収録した、女の子のための超過激なエッチ小説。

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  • 不倫純愛
    2.9
    1巻484円 (税込)
    結婚生活が十五年を超え、夫婦の営みを重荷に感じていた編集者・京介。そんな京介をなぜか、売れっ子作家の美人秘書が誘う。背徳と知りつつ、過激な性愛に溺れていく美女と野獣。その関係に気づいた作家は、京介の妻にそっと魔の手を伸ばして――。エロスの果てに待ち受ける罠と地獄。「黒新堂」が描く究極の官能の世界!

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  • 世界中が雨だったら
    3.6
    1巻484円 (税込)
    愛を見失った少女、愛に飢えた少年、愛を手探りする不器用な大人たち。淋しくて、やるせなくて、逃げ出したくなるけれど、そんなみんなの心にも、やがて希望の雨がふりかかる。「多くを望まなければ、生きていくことは、そんなに難しいことじゃないよ」――。ミリオンセラー作家の魂の叫びが木霊する、三つの「愛」の物語。

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  • 注文の多い料理店
    3.9
    これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません――生前唯一の童話集『注文の多い料理店』全編と、「雪渡り」「茨海小学校」「なめとこ山の熊」など、地方色の豊かな童話19編を収録。賢治が愛してやまなかった“ドリームランドとしての日本岩手県”の、闊達で果敢な住人たちとまとめて出会える一巻。

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  • 東京公園
    3.9
    写真家をめざす大学生の圭司は、公園で偶然に出会った男性から、奇妙な依頼を受ける――「妻の百合香を尾行して写真を撮ってほしい」。砧公園、世田谷公園、和田堀公園、井の頭公園……幼い娘を連れて、都内の公園をめぐる百合香を、カメラ越しに見つめる圭司は、いつしか彼女に惹かれていくが。憧れが恋へと成長する直前の、せつなくてもどかしい気持ちを、8つの公園を舞台に描いた、瑞々しい青春小説。

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  • 蚊(「椎名誠 旅する文学館」シリーズ)

    4.5
    1巻481円 (税込)
    目が覚めると蚊が六帖の部屋の空間いっぱいにわんわんと唸りながら濃密に飛び回っていた。痒みと痛みに耐えながら蚊の大群と死闘を繰り広げる表題作「蚊」を含む9編の短編小説集。 本作用に表紙イラストを椎名誠が描き下ろし。巻末には、「対談 椎名誠×目黒考二」「電子書籍版あとがき」「椎名誠の人生年表」を掲載。

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  • 新橋烏森口青春篇(「椎名誠 旅する文学館」シリーズ)
    4.0
    1巻481円 (税込)
    23歳のシーナマコトが小さな業界新聞社に編集者として入社した。そこで出会う怪しくて個性的な人物たち。実話をもとにした明るくて楽しくて不思議な大人向けの青春小説。TVドラマ化もされた人気作が電子書籍になって登場。 本作用に表紙イラストを椎名誠が描き下ろし。巻末には、「対談 椎名誠×目黒考二」「電子書籍版あとがき」「椎名誠の人生年表」を掲載。 <目次> 第1章 グリーンスネイク 第2章 塔屋の車座団 第3章 トタン雨 第4章 よかちんちん 第5章 まんじゅしゃげこわい 第6章 ハッタリ横丁の人々 第7章 派閥天丼 第8章 小瓶のウイスキー 最終章 さよなら鯨やん あとがき 対談 椎名誠×目黒考二 電子書籍版あとがき 椎名誠の人生年表

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  • 葡萄と郷愁
    3.6
    1巻481円 (税込)
    1985年10月17日、同じ日の同じ時刻の東京とブダペスト。見えない絆で結ばれた二人の大学生、沢木純子とホルヴァート・アーギ。人生の岐路に立つ二人は、せまりくる決断の時に、どのような選択をするのだろう……。愛とは? 本当のしあわせとは? 幸福への願いに揺れる、若い女性の“生と性”をあたたかく見つめる名篇。
  • 幽霊博物館
    5.0
    殺人事件担当、捜査一課の宇野警部と女子大生・夕子のおなじみコンビが訪れたのは、人気作家のモダンな邸宅。出迎えた作家の美しい妻は、幽霊と話すことができるという。すると、誰もいないはずの2階から内線電話がかかって…。笑う男の声と、響き渡る銃声! シリーズ1の怖さとの呼び声も高い表題作他、「火葬場の煙はななめに上る」「見知らぬ人への挽歌」など4篇収録。
  • 幽霊温泉
    3.8
    温泉旅館で偶然会った宇野警部の旧友・峰岸は、宇野に「妻の不倫相手をつきとめるつもり」と打ち明ける。妻が“メル友”とこの旅館で密会の約束をしたメールを、盗み読んだというのだ。その夜、家族風呂に男の死体が。「峰岸、お前がやったのか!?」──やがて明かされる“メル友不倫男”の正体とは? 表題作を含め全5篇を収録。女子大生・夕子と捜査一課のオニ警部・宇野の、ちょっと変わった年の差コンビが次々と難事件を解決する、大人気「幽霊」シリーズ第16弾。
  • 潮の墓標
    -
    愛の破滅と再生を描く海洋サスペンスロマン。紀淡海峡へクルーザーで出た社長に専務が隠していた牙をむき出し、狂暴な態度で襲いかかった。荘厳な海上で展開する男女五人の劇的な二日間を壮麗な筆致で描く。
  • 漂泊者のアリア
    3.0
    1巻480円 (税込)
    “歌に生き恋に生き”た世界的に名を馳せたオペラ歌手藤原義江。英国人の貿易商を父に、下関の琵琶芸者を母に持った義江の波瀾の人生を描いた直木賞受賞作。(田辺聖子)
  • 一度死んでみた
    4.3
    父親のことが大嫌いで、未だ反抗期の女子大生・七瀬。ある日、父親が急死したとの連絡 が。実は彼の会社が開発した「一度だけ死ぬ薬」を飲み、二日間だけ仮死状態にあるのだ った。だが、社内の裏切り者により、本当に火葬されそうになり……。「まだ、お父さんに伝 えたいこと言ってない」。父の秘書と共に、七瀬は父親を生き返らせることができるのか !
  • 舞妓はレディ
    3.5
    「舞妓になりたい!」。京都の花街に、鹿児島弁と津軽弁のバイリンガル少女・春子がやってきた。風変わりな大学教授の計らいで舞妓見習いになった彼女だが、京ことばに四苦八苦、舞踊や鼓や三味線の稽古では失敗ばかり。それでも春子は前を向く。京の花街に生きる本物のレディになる日を夢見て――。豪華絢爛に描く舞妓エンターテインメント小説!
  • 学校ともだち
    3.8
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 第六学級B組でのあたらしい学年を記念して、オヅ先生の提案で始められた学級日誌。終わりゆく世界のなかで夢み、成長する少年たち。たがいに傷つけあい、いやしあう学校ともだちの一年間を、彼ら自身のことばで綴る珠玉作。
  • NYLON JAPAN GLOBAL ISSUE
    -
    1巻479円 (税込)
    【W表紙】 NiziU オーディション番組『Nizi Project』で日本中の注目を集め、デビューシングル『Step and a step』で待望の本デビューを果たした大人気のグローバル・ガールズグループ《 NiziU 》が、NYLON JAPAN GLOBAL ISSUEに初登場! グループとして初表紙ながら、堂々のW表紙を飾ります! ガールズグループのW表紙はNYLON JAPANでも史上初となる異例の起用。 そして、中面40ページもの大ボリュームで展開するファッションストーリーにはかわいいが大渋滞! すべてのきっかけとなったNizi Projectのこと、韓国生活や今後の活動のこと、 音楽、ファッション、プライベートに至るまで超ロングインタビューを掲載! NYLON JAPAN GLOBAL ISSUEで初めてづくしのNiziUを堪能して! ※2020年11月16日に発売した『NYLON JAPAN GLOBAL ISSUE』の電子版になります。 ※電子版に付録は付きません。

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  • 巨人伝 上
    3.0
    1~2巻479円 (税込)
    本邦の博物学、生物学の草分け、知の巨人にして奇人 南方熊楠の生涯を同郷の著者が描き切る! 南方熊楠は慶応三年、和歌山の金物商・南方弥兵衛の次男に生まれた。 日本一のエリート校であった大学予備門に入学したが、型破りの性格は大学になじまず退学。 以後、渡米、南米放浪、英国での学究生活を経て、郷里和歌山で独学で研究に没頭した。 奇行・博覧強記と背中合わせの孤独。 巨人の全体像に同郷の著者が迫った大河巨編。
  • サマー・キャンプ
    3.8
    愛情など、断じて求めない、はずだった 体外受精で生まれた温は、出生の秘密を自らの手で明かそうと決意するのだが……。近未来を舞台に血脈を超えた人間の絆を描く傑作
  • 遠い国からの殺人者
    4.5
    1巻478円 (税込)
    「男の人が倒れている」110番通報の女の声には妙ななまりがあった──。マンションで死んでいたのは大学を中退した無職の若い男。姿をくらましたのは同居していた外国人ストリップ・ダンサー。彼女の身に一体何が起こったのか。彼女はなぜ真の素性を偽らなければならなかったのか。「じゃぱゆきさん」と呼ばれた外国人女性たち、経済大国ニッポンの底辺に生きる彼女たちの姿が、法廷での関係者の供述から次第に明らかにされていく。感動の直木賞受賞作品。
  • 最終便に間に合えば
    3.4
    OLから造花クリエーターに転進した美登里は、旅行先の札幌で七年前に別れた男と再会する。身勝手と独占の欲望にさいなまれた苦々しい思い出は、いつしか甘美な記憶にとってかわり、空港へと向かうタクシーの中で美登里を誘ってくる男に、彼女は感情の押さえがたい力をおぼえるようになるが……。大人の情事を冷めた目で捉えた表題作に、古都を舞台に年下の男との甘美な恋愛を描いた「京都まで」の直木賞受賞二作品ほかを収録する充実の短篇集。
  • 村の名前
    3.5
    1巻478円 (税込)
    中国のはるか奥地を仕事で旅する日本人商社マンが、桃源郷の名をもつ小さな村にふと迷い込んだ。優美な村の名前からは想像もつかない奇怪な出来事が、彼の周りで次々と起こる。謎の溺死体、犬肉を食らう饗宴、つきまとう正体不明の男達……。彼も同行の日本人も、次第に調子がおかしくなってゆく。桃花の薫りがする魅力的な土地の女に導かれるように、知らず知らず村の秘密へと近づき、ついに彼が見た“真の村の姿”とは。話題の第103回芥川賞受賞作と他一篇を収録。
  • 光と影
    -
    将来を嘱望された陸軍大尉の小武は右腕負傷の憂き目にあう。偶然にも同じ傷で同期の寺内と病院で一緒になるが、小武は切断、寺内は腕を残した施術となった。廃兵となった小武はしだいに転落の気分を味わうが、いっぽうの寺内は……。カルテの順番という小さな偶然がわけた人生の光と影を、的確なタッチで構築した直木賞受賞作に、人間の皮肉を巧みに描き出した「宣告」「猿の抵抗」、若く美しい女に潜む戦慄をあつかった「薔薇連想」の三篇を加えた卓抜な作品集。
  • 帰郷
    4.5
    エンジンが大好きな組立工がいた。故郷の自動車エンジン工場勤務から、ある日、F1チームのエンジン組み立てメンバーに選ばれた。サーキットを転戦して世界を回る毎日。すばらしい日々だ。帰国休暇にはガールフレンドに土産をやり、土産話をするのも、その栄光の一部だった。3年の出向期間が終わり、故郷に戻った男を待っていたのは、しかし味気ない、退屈な生活だった──喜びのあとに訪れる悲しさ、“成熟と喪失”を描いた第111回直木賞受賞作ほか、傑作短篇が全6篇。
  • 美食倶楽部
    -
    モデルクラブの女社長・祥子の人生最大の楽しみは食べること。齢下の恋人はいるものの、膨大な金と時間を食べ歩きに費やしている。ある日、中年の建築家・丸岡と知り合い、食べ物に無頓着な丸岡の態度に心魅かれるのだが──食の華やぎを随所にちりばめた表題作。地方出身であることにコンプレックスを覚える女性が、結婚を機に都会の象徴としてあこがれた町に引っ越すことになる。そこは一軒家で、地元意識の強い老齢の女性と同居するのが条件だった──傑作中篇「東京の女性」。
  • ワンちゃん
    3.7
    1巻478円 (税込)
    中国人女性の「王愛勤」ことワンちゃんは、名前のとおりの働き者。女癖が悪く働かない中国人の前夫に愛想を尽かし、心機一転、日本人と見合い結婚をして、はるばる愛媛へやってきた。家事に夫の送り迎え、病気の姑の世話と働きながら、生活力たくましいワンちゃんは、四国の独身男性を中国への「お見合いツアー」に誘うのだった──。日本語を母語としない作家として、初めて芥川賞を受賞した著者のデビュー作! 文学界新人賞を受賞した表題作のほか短篇「老処女」を収録。
  • おやじ丼
    3.5
    突然、四十八歳の上司が茶髪にした。彼は自分がキムタク似だと思っているが、外見だけを取り繕ってるみっともないおやじなのだ。そんな彼が渋谷でナンパしているのを見てしまい……(「恥ずかしい人」)。勝手な人、ケチな人、スケベな人etc.気づくと増殖中の大迷惑なおやじたち。でもどこか笑えてちょっと可愛いその生態を愛情込めて描く爆笑小説。
  • わが勲の無きがごと
    -
    太平洋戦争のニューギニヤ戦線に従軍し、五人の中隊生存者の一人として帰還した義兄。その性格が出征を境に豹変してしまったのはなぜか? 義兄の死を契機にその理由を求めて戦友を訪ねた「わたし」は、衝撃的な事実を聞かされる……。極限状態に置かれた人間の理性と本能の葛藤を描き、作品発表時に話題となった戦争文学。
  • おどろき箱1
    3.0
    1~2巻477~517円 (税込)
    おどろき箱を開けると、「誕生日が何曜日かわかるカレンダー」「前に投げてはいけない首」「くっついたら絶対に離れない接着剤」「七色の炎が出るマッチ」……が入っていた。役に立たない、だけどあったらちょっと嬉しい。少年が手に入れた箱から出てくる奇妙な物が巻き起こす、おかしな出来事。短編小説の名手が贈るファンタジック・ストーリー。
  • R.I.P.
    3.7
    心の通い合う男性と巡りあえず、恋愛を諦めかけていた音響分析官の天海刹那。 気分転換に訪れたクラブで爆破事件に遭遇した彼女は、そこで出会った孤独な青年・キズナに強く惹かれる。 二人は激しく求め合うが、ある日突然、キズナが姿を消してしまい……。 謎に包まれたキズナの正体とは?破壊と再生の中で綴られる、確かな愛の軌跡。
  • Holly Flow
    4.0
    年下の恋人と別れ、現実から逃げるように海外の不思議な街へと向かったあたし。 そこで出会ったキリストの彫像に似た男・ネオが教えてくれたのは、自我が崩壊するほどのオーガズムと、愚かな自分は簡単には変われないという現実だった(「Holly Flow」)。 身体の関係だけでも理解しあえることは沢山ある。 愛と身体の新しい形を痛切に描いた五編。
  • Singer Song Lovers
    3.2
    恋人の凜と、世界でただ一種の青い薔薇・ブルーヘヴンを育て、ささやかな幸せを感じているミヤビ。ある日、そのブルーヘヴンが萎れかけ、二人の関係にも微妙な変化が表れるが……(くるり「ばらの花」)。 Salyu、アヴリル・ラヴィーン、Mr.Children、尾崎豊。思わず口ずさみたくなる名曲をモチーフに紡がれた、胸に響き渡るラブストーリー。
  • 空の香りを愛するように
    3.0
    恋人のコウを支えに退屈な毎日を過ごす綾戸紅葉。 だが、紅葉は無理に誘われた合コンで集団レイプに巻き込まれ、不可思議な生命体を身籠ってしまう。 絶望の淵を彷徨い、コウと離れることを決意する紅葉。その前にミツルと名乗る少年が現れるが、ミツルもまた、コウに特別な感情を抱いていた――。 決して失われることのない恋の形を描いた物語。
  • Miracle
    3.9
    看護師のセイラは、その類いまれなる美しさを武器に、同僚や患者を次々と虜にする。セイラに魅了された者は、利用されていると理解しつつも、その美貌に逆らえない。しかし、彼女がかつて勤めていた病院で、患者が不審死を遂げていることが分かり……。 聖と俗、邪悪と無垢。その間を激しく揺れ動く女が、真実の愛に目覚めるまでを描いた恋愛小説。
  • Lyrical Murderer
    3.9
    札幌から上京した大学生・ダイチは、出会い系サイトで偶然、思い出の人と同じ名前の女子高生・イリアを見つけメールの交換をはじめる。本当の自分を隠しながらも惹かれ合っていく二人は、話し掛けないことを条件に待ち合わせの約束をする……。傷付くことを恐れながらも愛を信じようとする二人の姿を、全てメールのやりとりで描いた恋の物語。
  • 神曲 Welcome to the Trance World
    3.8
    君のために、僕は悪魔に魂を売った――。 殺人鬼の息子として生まれた刑事・瀧宮嵐。 厚い殻で心を閉ざした彼が本当の自分でいられるのは、心の底から人を愛することを教えてくれた恋人・美虹の前だけ。 だが美虹は脳腫瘍を患いあと数カ月の命と宣告された。 嵐はなんとか美虹の運命を変えようと画策する。 時間と世界の構造に迫るラブストーリー。
  • クロム・ハート
    3.5
    本当のあたしなんて、何の価値もない――。 家でも学校でも自分を殺して優等生を演じる十七歳の憧子。 自分とは対照的に奔放なクラスメート宙へ想いを寄せていたが、宙が親子ほど歳の離れた女とホテルに入るのを目撃してしまう……。 憧子はどんなに傷ついても錆びない心=クロム・ハートを手にすることができるのか?
  • MADE IN HEAVEN Kazemichi
    4.2
    1~2巻477円 (税込)
    皮膚はシリコンゴム、骨はチタン合金、目はCCDカメラ……。 十五歳の時、大事故に遭った姫島風道は、身体の大部分を人工物に取り替えられた。 五感も欲望も失った自分は人間なのか?恋人ジュリにも言えない秘密を抱えた風道には、人工心臓の寿命が尽きるまでにやらなければならないことがあった。
  • The 2nd Lovers
    4.4
    ヤリ友は沢山いるけど、彼氏いない歴二十年の亜紗美は、熱帯魚同士を闘わせることで寂しさを紛らわせている。 インテリアショップで出会った男に一目惚れするが、彼は「彼女持ち」だった(「Rainbow Fish」より)。 一番好きな人と結ばれないから、好きでもない人と寝てしまう。 切ない悩みを抱えた男女三人が登場する、著者初の連作小説集。
  • alones
    3.5
    勉強ができることをアイデンティティにしてきた優等生・紫堂泉。 東大受験を控えている彼女は、初めて心から愛した人に失恋し、勉強が手につかない。 そんな時、クラスメートが自殺して、平穏な教室に大きなざわめきが生まれる……。 逃れられない孤独を胸に、迷い、傷つき、傷つける。 切なくもいとおしい時間を瑞々しく描いたラブストーリー。
  • LOVE ASH
    3.8
    幼い頃、両親に捨てられた大学生・響は、暗い部屋に閉じこもり、疎外感に苦悩している。 インターネット上で知り合った人妻・ミルクとのセックスに癒しを求めるが、彼女を一人の人間として受け止めることはできない。 ある日、行方不明になっていた恋人マシュリと再会した響は、自らの隠れた才能に気付かされる……。
  • believe 光の響き
    3.6
    近親相姦によって生まれ、家族にも悪魔と疎まれている少女・サリナは、ある日スカイダイビングをしている、天使のような少年・セイヤと出会う。 高度6000フィートの青空から二人が交わりながら降下する時、サリナは「美しい生き物に生まれ変わった」と感じた――。 激しい恋と性はどこに着地するのか? 痛切なラブストーリー。
  • サーフ・スプラッシュ
    3.6
    「学校やめるって言葉、ずっと言いたかった」 高校生活に退屈しているヒトミとチサトは、ある日、工事中のビルの上にあるクレーンから神秘的な夜明けを見た。 その光景は、彼女たちを最高に自由にさせる。 そして次の日、チサトからヒトミに宛てられた1通の手紙……。 波しぶきのように輝く言葉の交換が始まった。 はかなくて、美しすぎるストーリー。
  • ファイナル・ブルー 永遠
    4.4
    理由のない死に憧れを抱き、十六歳の誕生日に自ら命を絶つことを決めているホタル。 心を閉ざし、半年後のその日を待つ彼女の前に、シンジは現れた。 殺人さえ厭わない非合法組織「MEDA」に追われ、警察からもマークされる彼に、ホタルは戸惑いながら魅かれてゆく。 桜井亜美が切なくもリアルに描く、脆い十代の「性」と「生」の物語。
  • ヴァージン・エクササイズ
    4.0
    十八歳になる前に、ヴァージン・ブレイクしたいと背伸びする女子高生・ミユウ。 五百人以上の女の子と寝て、その度に写真を撮りコレクションするのが趣味という二十九歳のトウグウジ。 絶対に傷つくことがない“最初の相手”にミユウはトウグウジを選んだが、いつしか彼女の心は大きく揺れ始める。 ふたつの孤独な魂が奏でる優しいメロディー。
  • トゥモロウズ・ソング
    3.7
    高校にも行かず、家を飛び出して二人で暮らす十七歳のアカリとシド。 ある冬の晩、ふざけあった二人が一本のエイズ検査用スティックにそれぞれの唾液を垂らしてみると、そこには陽性を示す赤いサインが表れた。 どちらかが、あるいは両者ともにHIVポジティブなのか? 未来を黒く塗り潰した二人が、破滅に向かって走り出す凄絶な愛の軌跡。
  • エヴリシング
    3.3
    いつも見る、あの空を飛ぶ夢。 そこで一緒に風をつかまえ、飛翔する「彼」は誰なんだろう。 突然の自殺で、恋人トモヤを喪った女子高生サキは、トモヤの「ほんとうの心」を探して、街を彷徨う。 そして出会った、トモヤの生き写しのようなユウキ。 ユウキこそ夢で見る「彼」なのか?現在形の少女の切なさを描く恋愛小説。
  • 昼顔 人妻はリクルート中
    4.0
    「ご主人、出張がちなら、夜は淋しいねえ」結婚5年目。また働きだしたい32歳の人妻・粧子は今日も面接官と会っていた。美貌と抜群の体を誇りセクハラにも耐えるが、採用には到らない。そんなとき相本から「社長が人材を探している」と言われ何度もホテルへ行く羽目に。だが、なかなか社長とは会わせてもらえない――。奔放な人妻の午後の就活(リクルート)。
  • 女教師
    3.0
    「それにしても、いやらしい体だ。おまえが教師とはな。さかりのついたガキたちには、さぞ目の毒だろう」私立高の教師・麻奈美は放課後、具合の悪い生徒を保健室に連れていった。瞬間、背後に男の気配がし目の前が真っ暗に――自分に乱暴した生徒を捜しつつも次々に関係を持ってしまう女教師の若く奔放で貪欲な官能世界。ノンストップ・エロス。
  • そこにいる人
    3.3
    初めての恋めいた体験に胸をときめかせる大学一年生の直子。だが、彼女には姉・幸恵の存在が重くのしかかっていた。幸恵は肝臓に欠陥があり、長く患っているのだ。ある時、直子の不注意から姉の病状は悪化し、肝臓移植の必要に迫られる。自分の肝臓を提供すべきなのか、悩む直子がついに決断をした時……。「命」を見つめる感動の物語。
  • 2/2(にぶんのに)
    4.0
    アートディレクターの恋人・圭と幸せに暮らす編集者の莉花はある日、自分の中のもう一人の自分の存在、二重人格に気づく。別人格になった自分が圭に危害を加えることを恐れ、彼女は仕事も捨て、逃げるようにベトナムへと旅立つ。異国の地で彼女がたどった自身の知られざる過去。そして二つに別れた魂の謎が明かされる。初の書き下ろし長編小説。
  • 片隅の迷路
    値引きあり
    -
    1巻477円 (税込)
    これは、今なお無実を叫び続ける、“徳島ラジオ商殺人事件”をモデルとした作品。裁く側の人々も個々にみれば弱い一個の人間にすぎない。しかし、裁判という一つの機構の中に組み込まれ、組織となった時、それは全く「質的」に異った「権力」に変幻して個としての被告を押しつぶしてくる……。 温いヒューマニズムに包まれた力作。
  • おしまいの時間
    4.1
    「誰かのバニラエッセンスになりたい。ないと何かが足りないって思われる存在に……」そんなリカコに高校時代の先生が自殺したという知らせが届く。しかも、友人は先生の子を妊娠しているらしい。二十一歳の春、すべてに臆病になっているリカコが過ごした、二度と戻れない季節。二十歳のデビュー作で絶賛された、瑞々しい感性が描く小説第三作。
  • あいたい気持ち
    3.3
    十九歳の誕生日を目前にして、琴子は「ここじゃない、どこか」に思いを募らせる。自分の世界に閉じこもった彼女がそこから飛び出すきっかけは、一人の少年だった。少年の叔父への琴子の切ない片想い、彼がその面影を追う謎の少女。新しい出会いが彼女を過去から解き放っていく--。
  • 雪を待つ八月
    3.7
    「他に好きな人ができた」という年下の恋人・雪道の告白で、二年にわたる同棲生活が終わろうとしている。彼が出ていく日まであと一カ月。恋のはかなさを嘆き、彼が好きになった人を想像する優美は、八月の空に雪が降るような奇跡が起こることを祈る--。世界中で一番近くて遠い二人の切ないけれど暖かい恋物語。
  • 深い深い夢の中
    4.0
    恋愛も就職もうまくいかない逸子の部屋に、突然従妹の美雨が転がり込んでくる。「殺し屋」に追われているという彼女のもとに、男たちが訪ねてくるが、その誰もが殺し屋とは思えない姿だった。戸惑う逸子はいつしか「本当の愛」を巡る大きな渦に巻き込まれていく……。毎日を愛するためのメッセージにあふれたラブストーリー。
  • 恋の罪
    4.1
    「君は誰?」「私は、妹よ」月美は記憶喪失になった青一と山奥の小さな家で新しい生活を始める。永遠の愛を手に入れるため、二人の関係を思い通りに作り変えようとする月美だったが、一人の女の出現でその計画が狂い出した--。無垢にして残酷なこの「罪」を誰が裁くことができるのか?この世に絶対的な愛は存在するのか?
  • 一緒にいたい人
    4.0
    「この女の子、誰?」恋人のユキオの部屋に彼の従姉・ミリが転がり込んできた。突然はじまった三角関係。つき合って二年目の初実は、ユキオとの恋を取り戻すことができるのか? 忘れられない憧れの人、新しい人との出会い……。東京・目白を舞台に、眩しい夏を予感させながら、それぞれの恋がもう一度始まる--。
  • 淋しがり
    3.7
    思い出だけで生きてゆける。豊潤な思い出さえあれば。「私」は自分がとてもあやふやな存在に思われてくることがある。思い出をたくさんコレクションするために恋人をつくるのだろうか。あるいは恋のはかなさを知りつくしたために、思い出を保存しておこうと考えはじめたのか。結婚を選ばず恋に生きる7人の女性の記憶の宝箱。恋愛小説集。
  • 若くない日々
    3.3
    52歳で突如結婚を思いたち、なじみの居酒屋でよく会う独り者に同居を持ちかける蓮子(「夢ふた夜」)。かつて歯牙にもかけなかった同僚にほだされる自分に戸惑う八千代(「フレンズ」)。人知れず抱えてきた女のプライド、処世で身についた妥協と諦念……。もう若くはない女たちの、やりきれないけど愛おしい日々のかけらを精緻に描く短編集。
  • サマー・バレンタイン
    3.7
    二十四歳の志織は、高校時代思いを寄せていた夏彦と六年振りに再会し、変わっていない彼を眩しく思う。そしてあの頃を懐かしむ「大人」になってしまった自分に気づき、胸の痛みを感じた。久しぶりに再会した高校の仲間たちも、現実に傷つき、迷っていた――。青春の輝きを見失いかけた「大人たち」の焦燥と不安、そして新たな旅立ちを描く青春小説の傑作。
  • ひとかげ
    3.8
    気功師のとかげと、児童専門の心のクリニックで働く私。ある夜、私がとかげに結婚を申し込むと、とかげは「秘密があるの。」と答えた――。語られるとかげの子ども時代の惨劇と、それによってもたらされた深い傷。そして、私もとかげと向き合い、心の闇をさらけ出す。叫びをあげるふたりの魂が希望をつかむまでを描く感動作!
  • スウィート・ヒアアフター
    3.9
    お腹に棒がささった状態から生還した小夜子は、幽霊が見えるようになってしまった。バーに行ったら、カウンターの端に髪の長い女の人がいる。取り壊し寸前のアパートの前を通ると、二階の角部屋でにこにこしている細く小さい女の人がいる。喪った恋人。元通りにならない頭と体。戻ってこない自分の魂。それでも、小夜子は生き続ける。涙あふれる書き下ろし小説。
  • ハードボイルド/ハードラック
    3.8
    「ハードボイルドに生きてね。どんなことがあろうと、いばっていて。」最後になった電話でそう言っていた千鶴。彼女のことを操り返し思い起こす奇妙な夜を描く「ハードボイルド」。死を待つ姉の存在が、ひとりひとりの心情を色鮮やかに変えていく季節を行く「ハードラック」。闇の中を過す人々の心が光り輝き始める時を描く、二つの癒しの物語。
  • 純愛ラプソディ 竹内まりやを聴きながら
    -
    誰だって、恋をすれば主役になれる――。 「純愛ラプソディ」「駅」「告白」「シングル・アゲイン」など、竹内まりやのラブソングの名曲をモチーフにした書き下ろし恋愛小説集。不倫、片想い、出逢い、別れ……前向きで、ちょっぴり切ない恋愛と、かけがえのないピュアな友情を通して、八人の女性たちが「明日の私」を探していく。
  • PRIDE 今井美樹を聴きながら
    -
    十年来の恋人の存在を言えないまま、運命の男・友尚に心身ともにのめり込んでしまったフリーライターの夏美。それに感づいた恋人は、突然強引に結婚を進めようとして……。表題作「PRIDE」のほか「白のワルツ」など、今井美樹のラブソングをモチーフにした恋愛小説集。自分なりの「幸せ」を模索する八人の女性たちのピュアで前向きな物語。
  • その桃は、桃の味しかしない
    3.8
    高級マンションに同居する、奏絵とまひる。姉妹でも友達でもない二人の共通点は、同じ男性の愛人であることだった。割り切って始めた共同生活で二人分の食事を淡々と作り続けるうち、奏絵の心境は変化していく――。若い女性から圧倒的な支持を集める恋愛小説の新旗手が「食べること」を通して、叶わない恋と女子の成長を描いた長編小説。
  • スパイクス ランナー2
    3.7
    東部第一高校陸上部で五千メートルを走る加納碧李は、清都高校のランナー・三堂貢から挑発の言葉を投げかけられる。天才とまで謳われる貢が、なぜ碧李に? 本能で走ろうとする碧李と、レースを知り尽くした貢。二人が対峙したとき、その走りに化学反応が起きる――。反発しながら求め合う少年の肉体と感性が跳躍する、超人気シリーズ第二弾!
  • 恋愛マニュアル
    -
    フリーライターの夕希は、三十代後半になって書いたエッセイ『恋愛マニュアル』がブレイクした。夕希の弟で惚れっぽい政好、八年越しの不倫をしている智美、十年来の恋人がいるが若い男子にときめく真由子……。夕希を取り巻く人々は、様々な局面で『恋愛マニュアル』を繙いていく。全ての人の胸に響く恋愛の真理を鋭く描いた連作小説。
  • 妻と夫と男たち
    3.0
    夫が三カ月の長期出張をすることになった結婚四年目の水奈。彼が不在の間に、かつての恋人や不倫相手と再会したり、年下の部下の言葉にときめいたり、同僚の夫に襲われかけたり……と、心身がざわめく出来事が起こる。様々な局面で意外な事実や自分の本音を知った水奈は、ある衝動に突き動かされる。現代女性の結婚観をリアルに綴る連作長編。
  • 恋愛生活 彼女が決めたこと
    3.0
    エスニック雑貨店のオーナー遼子(39)は、八歳下の夫・修二の浮気に気づく。問いつめられた彼は、あろうことか彼女が結婚前、十一年間不倫していたことを持ち出し反撃したのだった。悩む遼子の元へ、かつての不倫相手・光橋の息子が訪ねてきた。ガンで死んだ彼からの手紙を持って……。現代を生きる全ての女性に送る、リアルで切実な恋愛小説。
  • 新しい靴を買わなくちゃ
    3.6
    妹とパリを旅するはずが、到着早々置き去りにされ、呆然と立ちすくむセン。そこに偶然通りかかったパリ在住の日本人女性・アオイは、センが落としたパスポートで足を滑らせ転んでしまう。ヒールを折ってしまったアオイと、パスポートを破損してしまったセン。靴が導いた、恋に迷う女と道に迷う男の運命の恋。おとぎ話のような三日間が始まった。
  • 恋愛生活 ダブルブッキング
    -
    「男が途切れたことのない女」と女友達に言われる雪乃(29)。結婚十カ月で夫に先立たれた今も、二人の男性となんとなく関係している。ところが、その二人が玄関先で鉢合わせた上、ずっと甘えてきた「安全な男友達」からは突き放されてしまう。楽しく恋していたいだけなのに、どこか寂しい、そんな女性のエロティックで少し切ない物語。
  • 恋愛生活 忘れられない人
    3.0
    二児の母の香奈美(32)は、家庭に不満はないが、専業主婦ゆえの孤独を感じていた。働きに出たいけれど、仕事は見つからない、そんな時、五歳下の男と不倫をしてしまうが、体だけの関係を続ける気にはなれなかった。そして十年前に別れた、忘れられない男に会いたくなってしまう……。現代を生きる主婦の切実な思いが胸を打つ、長編小説。
  • 恋愛生活 五年目のクリスマス
    4.0
    OLみはる(29)は十歳上の元上司と不倫を続けて五年になる。不満はあるが、心も体も安定しきったこの関係を止める気になれない。けれども雑誌の企画で不倫体験者の座談会に出席し、心が揺れ始めた。もうすぐ五年目のクリスマスを迎えるが……。不倫の恋のリアルな本音から、現代女性の愛と結婚の理想と現実を切実に描く、長篇小説。
  • 恋愛生活 恋に不器用な女
    3.0
    映画宣伝会社に勤める知香(32)は、妊娠したかもしれない。が、父親の可能性のある男が二人いる。七年ぶりに寝た昔の恋人と、最近挙動不審な年下の恋人。結婚は? 仕事は? 父親は? 知香は悩むが……。淋しくはない、でも満たされてもいない、そんな現代を生きる男女の恋と友情、理想と現実が胸に響く、シリーズ第一話。
  • 夫と妻と女たち
    3.5
    付き合って三年になるモデル、大胆に誘惑する若い女子社員、かつての年上の恋人、一夜だけの激しいセックスをしたゆきずりの女、そして妻……。三十四歳の潤一は、外の女たちも家庭も上手に「両立」させているつもりだった。けれども、女たちは潤一の本心などお見通しで……。男と女の本音と建前が交錯する、エロティックでリアルな恋愛小説。
  • 夢の回廊
    3.0
    男は長年忘れていた記憶を繰り返し夢で見ていた。それは五十数年前、終戦直後の朝鮮長屋で過ごした少年時代。殺害された友人が警察の裏庭で乱暴に解剖され内臓を引きずりだされた姿だった。次第に現実と夢の境界が曖昧になった男は、殺戮と快楽が同じと思い始めていく……。表題作ほか六篇、醒めない悪夢の果てにある暗黒世界を描く傑作短篇集。
  • 金魚時代
    -
    1巻476円 (税込)
    「あふれるほどの光」「金魚時代」「やわらかい肌」「半熟卵」は女子高校生が主人公。 時代は大阪万博や沖縄返還に騒ぎ、名画座では「いちご白書」「俺たちには明日はない」が上映されていた頃。東京タワーが校舎の窓から望める高校に通う衣莉子(短編によって蓉子などと名前が変わる)は同級生との間で恋愛とは呼べないような形で初体験をする。 体育館の用具室、校舎の奥まった階段、建築中の家に忍び込んだり、愛よりも好奇心で未熟な体の関係を続ける。 老人相手の猥褻なアルバイトなども経験する。しかし、大学受験、補習授業などの高校生としての現実にも直面する。繁華街の深夜のデートの中でも、彼女は考える。 「二人でセックスを試し、大人になったつもりでも、世間から見れば、鉢の中の金魚のような存在なのだ」
  • 雨が好き
    4.0
    1巻476円 (税込)
    高橋洋子の初期の作品集。デビュー作の「雨が好き」は中央公論新人賞受賞作。 列車の中で知り合った若い舞台女優と歳の離れた作家とのひと夏の恋愛を描く。知り合ってすぐに男は、鎌倉の家に来ないかと誘う。そこには四匹の猫がいるだけだという。秋になって別れた後、主人公の女優は、車の中で降る雨を見ながら「雨が好き」といった男を思い出し、逢いたいと思う。 「通りゃんせ」は芥川候補作になり注目された。 映画監督と若いカメラマン助手との間で揺れる女優を描く。強引で傲慢な映画監督と正反対の控え目なカメラマン助手に心は動いてゆく。 一本の映画の撮影の終了とともに監督との関係は終わり、同時にカメラマン助手との関係もばれてしまう。彼女は生まれ育った場所をおとずれ、自分を見つめなおそうとする。
  • おはん(新潮文庫)
    NEW
    -
    「人にもの問われても、ろくに返答もでけんような穏当な女」である主人公“おはん”は、夫の心がほかの女、芸妓“おかよ”に移ったとき、子供を身ごもったまま自分から実家に退いた。おはんとおかよ、二人の女に魅(ひ)かれる優柔不断な浅ましくも哀しい男の懺悔――頽廃的な恋愛心理を柔軟な感覚と特異な語り口で描き尽し、昭和文学の古典的名作とうたわれた著者の代表作。(解説・奥野健男)
  • 黄金比の縁
    3.8
    (株)Kエンジニアリングの人事部で働く小野は、不当辞令への恨みから、会社の不利益になる人間の採用を心に誓う。彼女が導き出した選考方法は、顔の縦と横の黄金比を満たす者を選ぶというものだった。自身が辿り着いた評価軸をもとに業務に邁進していくが、黄金比の「縁」が手繰り寄せたのは、会社の思わぬ真実だった・・・・・・。ボディ・ビルを描いた『我が友、スミス』で鮮烈なデビューを果たした著者が、本作では「就活」に隠された人間の本音を鋭く描く!
  • 女のことわざ辞典
    3.4
    出る杭は打たれる社会に雄々しく立ちむかうOLも、油断大敵、恋は盲目、一寸先は闇というのは結婚のことだったのね、なんてことだってあるけれど、恋愛・結婚・人生という永遠のテーマが、ちゃんとことわざの中には隠されている。元気いっぱいの女の子たちにマリコさんが贈る今の時代のエチケット辞典です。
  • 奉教人の死(新潮文庫)
    4.0
    芥川は殉教者の心情や、東西の異質な文化の接触と融和という課題に興味を覚え、近代日本文学に“切支丹物”という新分野を開拓した。文禄・慶長ごろの口語文体にならったスタイルで、若く美しく信仰篤い切支丹奉教人の、哀しいが感動的な終焉を格調高く綴った名作「奉教人の死」、信仰と封建的な道徳心との相剋に悩み、身近な人情に従って生きた女を描く「おぎん」など、11編を収録。(解説・小川国夫)
  • 戯作三昧・一塊の土(新潮文庫)
    3.7
    江戸末期の市井の風俗の中で、芸術至上主義の境地を生きた馬琴に、自己の思想や問題を託した「戯作三昧」、仇討ちを果した赤穂浪士の心理に新しい照明をあてて話題を呼んだ「或日の大石内蔵之助」などの“江戸期もの”。闇空に突然きらめいて、たちまち消えてゆく花火のような人生を描いた「舞踏会」などの“明治開化期もの”。ほかに本格的な写実小説「秋」など、現代に材料をとった佳作を網羅した。(解説・中村真一郎)
  • 文鳥・夢十夜(新潮文庫)
    3.8
    人に勧められて飼い始めた可憐な文鳥が家人のちょっとした不注意からあっけなく死んでしまうまでを淡々とした筆致で描き、著者の孤独な心持をにじませた名作『文鳥』、意識の内部に深くわだかまる恐怖・不安・虚無などの感情を正面から凝視し、〈裏切られた期待〉〈人間的意志の無力感〉を無気味な雰囲気を漂わせつつ描き出した『夢十夜』ほか、『思い出す事など』『永日小品』等全7編。(解説・三好行雄)
  • 坑夫(新潮文庫)
    3.8
    恋愛事件のために家を出奔した主人公は、周旋屋に誘われるまま坑夫になる決心をし、赤毛布や小僧の飛び入りする奇妙な道中を続けた末銅山に辿り着く。飯場にひとり放り出された彼は異様な風体の坑夫たちに嚇かされたり嘲弄されたりしながらも、地獄の坑内深く降りて行く……。漱石の許を訪れた未知の青年の告白をもとに、小説らしい構成を意識的に排して描いたルポルタージュ的異色作。明治41年、『虞美人草』に次いで「朝日新聞」に連載された。(解説・三好行雄)

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