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「2001年のクリスマスを境に、我が家の紐帯(ちゅうたい)は解(ほつ)れ」すべてを失った“わたし”は故郷に還る。そして「バスの走行音がジングルベルみたいに聞こえだした日曜日の夕方」2人の女児と出会った。神町(じんまち)――土地の因縁が紡ぐ物語。ここで何が終わり、はじまったのか。第132回芥川賞受賞作。〈解説・高橋源一郎〉これは、「人間」も「人間」の形をしたものにすぎないものも区別できない「小説」らしきものが横行するこの時代に登場した、ほんとうに数少ない「小説」の一つなのである。――<解説より>
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Posted by ブクログ
またこの世から一冊、未読の阿部和重作品が消えた。この悲しみを何と表そうか。タイに行くことになり、6時間も拘束されて発狂する!とお守りに持っていきました。お陰で快適わくわくフライト。内容はさすがとしか言いようがないユニバースの構築と変人たちの強固な結びつき。どいつもこいつもどの口が何をほざいてやがる、...続きを読む、と思えるぐらいに人間。いつかこの世界の相関図を頭で描けたら
もうすぐクリスマスですね。 ー 二〇〇一年のクリスマスを境に、我が家の紐帯は解れ… 芥川賞受賞の表題作は、ロリコン趣味が露呈して、妻と最愛の娘に去られた男の再生の物語。 とは言え、反省はしてるんだろうけど、主人公はきっと変態なままだ。 気持ち悪いまま読み終えた。 阿部和重さんは、そんな病んでいる...続きを読む男を一人称でドライに描き上げる。 村上龍さんは芥川賞の選評の中で「少女に対する偏愛という、いろいろな意味で危険なモチーフについて、作者が踏み込んで書いていないのが最大の不満だった」と言っているが、そこがこの小説をかえって不気味にしている、と思った。 主人公の内面については薄っぺらく描かれてるので、引き起こした事象から主人公のヤバさを読者は受け止める。なんかね、もういや〜なもやもやが残るんですよ。 人にあまりおすすめはしたくないが、僕はこの短編にかなりやられました。 そして、meguyamaさんもレビューでおっしゃってたけど、収録された最後の短編の「20世紀」と「グランド・フィナーレ」がループしているように思えて… 読み終えて、さーっと全身に鳥肌が立ちました。 人生って、ほんとにコワイ… あと、「グランド・フィナーレ」の作中に登場するジャズ曲、アーチー・シェップの「Quiet Dawn」は危なっかしい少女のヴォーカルが心をすごく不穏にさせます。 くれぐれも、この曲を聴きながら「グランド・フィナーレ」を読まないように。 おかしくなります。
終わり、それとも始まり……神町を巡る物語「グランドフィナーレ」という名の終わりの始まり。毎日出版文化賞、伊藤整賞W受賞作「シンセミア」に続く、二人の少女と一人の男を巡る新たなる神町の物語。 自分の過去をまるで他人事のように小さく語る主人公。刑事事件になっていないからなのか、それとも思考を停止してい...続きを読むるだけなのか。クライマックスもこじんまりしていてサイコパス感が出ていて良かった。阿部小説は文体にかなり特徴があるらしい。とある芥川賞作家は、この作品についてこう書いていた。「多くの読者は疲れるだろう」と。だけどグランドフィナーレを読み終えた直後の感想は「普通に読めるし面白い」だった。
これは神町絡みって分かりやすかったし、ニッポニア関連の話題も出てきたけど、やっぱりそれぞれの相関性はほぼ皆無なんですね。独立した物語になっていて、これ単独でも十分楽しめる内容でした。まあ、どこまで楽しめたかってのは別問題で、アブノーマル描写が多いなってこと以外、とりたてて言うことはない感じでした。で...続きを読むもそのアブノーマリティも、前2作の方が極端に思えましたが。表題作以外のおまけ(?)短編に関しては、読み流した程度で、特に感慨は覚えませんでした。やっぱりシンセミアが最強と思います。
とても重いテーマだった。 児童性愛者の主人公。 なんだかこう、はじめてこういう人の主観にたってみて、きっと子どもに対するときめきみたいなものは抑えられないんだろうと思い、なんと少し同情の気持ちが湧いてしまった。 子どものことはみんな、好きでしょう?それを、性的に好きになるかどうかって、意外と紙一重...続きを読むだったりしないのかな……… 主人公の異常性が露骨にえがかれていなかったからか、彼の子どもへの愛情が強いからか、2人の女の子が非常に愛らしくえがかれていたからか、案外ぽろっとハマってしまうものなのかもしれないと感じた。 主人公の男性的な事実のみの思考、離婚やドラッグや法に触れる仕事といったハードな現実。これに対応するのが、子ども達の純粋無垢な姿なのかな。これだけキツイ汚い世界に生きていると、より子どもというものが輝かしい存在に思えてくる。 そして自殺、という行動について。 「愛する人に自殺してほしくない」 という気持ち。 主人公はIからこれを突きつけられ、終盤では自分がこの気持ちに駆られて動く。 なんとも…… 子どもを愛することをやめられないから避けようとしていた主人公にとっては、子どもを自分の欲望によって傷つけることなく、幸せに、生きていってほしいと思う行動、そんな自分との折り合いの付け方はハッピーエンドじゃないだろうか。 終始主人公は愛情深く、意外と、憎めなかったんだよな。 あまり評判よくなさそうだけど、終わり方含めてあたしは含みのある現代小説でよかったなぁと思いました。キモイ暗いテーマだけど、主人公が無機質なので割と軽くなってる印象。 阿部和重の主人公の執着思考は何だか読んでて臨場感がある。あと漢検の勉強になりそうな本笑。
2005年芥川賞受賞作。作品全体の暗さ、不気味さが体に残る。前半は主人公の気持ち悪さが際立つが、意外と自己反省的で、自分の悪い部分を分析する一面も見られる。掴みどころがない。掴みどころのなさから多少の人間味が出ていて(とても魅力とは呼べないけど)、憎みきれない。
私は佳作だと思います。 設定から奇を衒う内容を思わせます。しかし本作品では普通に、大人から見た子供、大人になったが故遠く感じてしまう子供、その純粋なものに触れたい気持ちを抑えられない不純な大人が描かれているのです。 設定のマニアックさのバイアスがあるので酷評されている感がありますが、普通の純文学と見...続きを読むていいのではないでしょうか?
シンセミアほどの衝撃はないが、ありそうにない話でいながら、リアリティのある、筆者の真骨頂が発揮された作品であると思う。救われない内容でありながら、何か心温まるものが感じられて、とても味のある作品ではないかと思う。
幼女ポルノのビジネスに手を染めた冴えない中年の話です。 離婚され、最愛の娘と引き剥がされ、でも未練たっぷりで。 さて困りましたね。 面白いかと聞かれれば「そこそこ」です。さらに文学性も高いと思います。どこがと言われても困るのですが。 しかし、何が書きたかったのか良く判らない。少なくとも表面を流れて...続きを読むいる物語では無いような気がするのです。どこかに何かのバックグラウンドが存在しているように思えます。しかしぞれが何か判りません。 どう評価すべきなのか悩んでしまう、そんな作品でした。
表題作もスキだけど、 『馬小屋の乙女』がよかった。 ええ、あの人が乙女?なのかなぁっていう。 『20世紀』も『新宿ヨドバシカメラ』も企画モノらしいけど、良かった。 書きたいものしか書かないって言うのも作家だなぁって思うけど、こういう企業とのコラボレーションなんかでも文体の特徴なんかを損...続きを読むなわないで見事に書けていると実力を感じる
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