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トオリヌケ キンシ
人生の途中、はからずも厄介ごとを抱えることになった人々。 でも、「たとえ行き止まりの袋小路に見えたとしても。根気よく探せば、どこかへ抜け道があったりする。」(「トオリヌケ キンシ」より) 他人にはなかなかわかってもらえない困難に直面した人々にも、思いもよらぬ奇跡が起きる時がある――。 短編の名手・加納朋子が贈る六つの物語。 (収録作品) ・高校に入ってから不登校・引きこもりになってしまったある少年。ある日彼の家に、一人の少女がやってきた。少女はかつて少年に助けてもらってもらったことがあるという――。『トオリヌケ キンシ』 ・「ある形」を見つけてしまう能力以外はごくごく平凡な女子高生。そのふしぎな力を生物の先生は「共感覚」と分析した……。『平穏で平凡で、幸運な人生』 ・やさしかった母がある日豹変、家の中でいじめられるようになってしまったタクミ。つらい日々の救いは、イマジナリーフレンド(想像のお友達)の存在だった。『空蝉』 ・人の顔が識別できない――「相貌失認」の「僕」は、高校入学を機にそのことをカミングアウトする。あろうことかその後「僕」はある女の子から「好きです」と告白される。不思議な始まりの恋の行方は? 『フー・アー・ユー』 ・長く連れ添った夫人を突然に亡くし、気落ちする亀井のおじいちゃん。家の中でひとりのはずが、ある日「座敷童がいる」と言い出した!『座敷童と兎と亀と』 ・前日に高熱を出して受験に失敗した「俺」は、ある場所に引きこもり、自分でコントロール可能な「明晰夢」を見る日々を過ごしている。そんな中で出会った女の子「ミナノ」、彼女は夢だったのか、それとも?『この出口の無い、閉ざされた部屋で』 -
幸福のパズル
人気女性作家・倉沢みちるは新作を書き上げた。葉山の古い小さな家に一人で。みちるが作家デビューを果たしたのは5年前の秋だった。高3の初夏、みちるは中学のときの同級生・蓮見優斗と海で偶然に出会った。優斗は葉山の老舗「蓮見ホテル」の御曹司。男女を問わず人気があり、地味なみちるには雲の上の存在だった。だが、海辺の出会いが二人を結び付け、交際を始めた。ところが喜びも束の間、いっしょに行くはずだった花火大会で行き違いになり、直後に優斗はアメリカに留学。会えないまま二人は別れを迎えるた。その秋、信じられないような出来事が起きた。妹に誘われて応募した作品が「小説オリオン」の新人賞で大賞を受賞したのだ。優斗と過ごした2ヵ月間に夢中で書いた、初恋を描いた青春小説だった。「現役高校生作家」として脚光を浴びたみちるは、やがて分不相応な収入を得るようになる。だがそれは、家族がバラバラになっていくきっかけでもあった。父は家業のパン屋を閉めてイタリアンレストランを経営。母は高級エステに通い宝飾品を身に纏うようになった。妹とも決定的な亀裂が生じ彼女は家を飛び出していた。そして、みちるは日本に帰国した優斗と再会する。5年の月日を経て、蓮見ホテルで。人生の変転が、また始まろうとしていた……。 -
宮本武蔵十二番勝負
不敗の剣豪・宮本武蔵。その姿は、吉川英治をはじめとする数多くの作家によって語り伝えられている。また、武蔵自身が著した『五輪書』によって、その兵法・哲学に触れることができるというのも、彼の魅力のひとつである。本書では、宮本武蔵の生涯において最も画期的かつドラマティックな名勝負を十二番厳選し、彼の勝負や人生に対する処し方に迫る。読みやすい武蔵の入門書。【著者が選んだ十二番】1・有馬喜兵衛との初対決 2・秋山新左衛門とその一味 3・伏見城攻防戦 4・関が原合戦 5・蓮台野の決闘 6・三十三間堂の決闘 7・一乗寺下り松の決闘 8・鎖鎌との果たし合い 9・巌流島の決闘 10・大坂冬の陣 11・大坂夏の陣 12・島原の乱 各編に力のこもった書き下ろしである。 -
朝倉義景 信長を窮地に追い詰めた越前の雄
元亀元年(1570)織田信長は朝倉の武将寺田采女正が守る敦賀郡の手筒山城を陥落させ、隣接する金ヶ崎城、疋壇城も落とした。もはや一乗谷は、風前の灯である。これを助けたのが信長の義弟、小谷城主の浅井長政だった。「まさか、そのようなことがあるはずもない」信長にとって信じられぬ出来事だった。400年以上経った現在も当時の風雅を偲ばせる壮大な一乗谷遺跡。その最後の当主である朝倉義景は江の父、浅井長政とともに信長に叛旗を翻した。戦国大名の中でも平安時代から続く「名家中の名家」であり、北陸越前に百年に渡って君臨した朝倉氏。五代目当主・義景は、城下の一乗谷に「第二の京」と呼ばれる雅な文化都市を築いた風流大名であった。だが時代は戦乱の世、天下布武を目指し覇権を広げる信長と宿命の戦いが始まる。戦国の名門という圧倒的に有利な立場に生まれながらなぜ滅びていったのか? 生まれる時代を誤った哀将の生涯を描く歴史小説! -
正しい女たち
容姿や年齢、結婚、セックス、お金とプライド… 本音の見えづらい関心事を正しい姿という共通のモチーフで鮮やかに切り取る短編集。 不倫に悩む親友にわたしがしたこと(「温室の友情」)、 同じマンションに住む女に惹きつけられる男(「偽物のセックス」)、 残り少ない日を過ごす夫婦の姿(「幸福な離婚」)――。 偏見や差別、セックス、結婚、プライド、老いなど、 口にせずとも誰もが気になる最大の関心事を、正しさをモチーフに鮮やかに描く短編集。 解説・桐野夏生 ※この電子書籍は2018年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
ガーデン
放っておいて欲しい。それが僕が他人に求める唯一のこと―― ファッション誌編集者の羽野は、花と緑を偏愛する独身男性。帰国子女だが、そのことをことさらに言われるのを嫌い、隠している。女性にはもてはやされるが、深い関係を築くことはない。 羽野と、彼をとりまく女性たちとの関係性を描きながら、著者がテーマとしてきた「異質」であることに正面から取り組んだ意欲作。 匂い立つ植物の描写、そして、それぞれに異なる顔を見せる女性たち。美しく強き生物に囲まれた主人公は、どのような人生を選び取るのか――。 ※この電子書籍は2017年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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