国内小説作品一覧

非表示の作品があります

  • 犠牲(いけにえ)にあらず
    3.0
    1巻1,320円 (税込)
    殺人罪に服した七年間に、俺は我知らず修羅を飼っていたらしい。出所直後から週刊誌の取材攻勢に曝され、気づけば一転、有名人に祭りあげられた男。その空騒ぎのただ中で、彼は七年の彼方からシグナルを受け取った。計画を始動する時が来たのだ。被害者側と加害者側をたやすく逆転させて楽しむ世間を消去する必要があった。

    試し読み

    フォロー
  • 生贄の花嫁 ~鬼の総領様と身代わり婚~
    3.5
    多くの人々があやかしの血を引く時代。猫又族の東條家の長女、霞は妹の雅とともに平穏な日々を送っていた。そんなある日、雅に縁談が舞い込む。お相手は絶対的権力を持つ鬼族の次期当主、鬼灯蓮。逆らえない要求に両親は泣く泣く縁談を受け入れるが、「雅の代わりに私がお嫁に行くわ!」と霞は妹を守るために、自分が生贄として鬼灯家に嫁ぐことに。そんな彼女を待っていたのは、絶世の美青年で――!? 政略結婚からはじまる、溺愛シンデレラストーリー。
  • 男女最終戦争 池袋ウエストゲートパーク20
    4.0
    1巻1,800円 (税込)
    卑怯なアシッドアタッカーをおびき出せ! シリーズ累計450万部突破。 「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ、記念すべき20作目 バッテリー盗難ビジネスに巻き込まれた高校生、愛国ブログに潜む闇、 真面目な会社員女性が嵌ったメンズコンカフェの罠、 そして女を憎むミソジニストによる、フェミニストへのアシッドアタック……。 今まさに起こっていること、明日起こるかもしれない事件を いきいきと刺激的に描く短篇4篇を収録。 【収録作品】 ■西池袋バッテリーブギ ■目白フェイクニュース・ライター ■乙女ロード文豪倶楽部 ■男女最終戦争
  • 池袋ウエストゲートパーク ザ レジェンド
    4.1
    10月、ついにTVアニメ放送が開始! シリーズ初期から近作まで、アニメ化エピソードと、読者投票で人気のエピソードを中心に厳選! マコトとタカシの魅力が全開の一冊。
  • 池辺の棲家
    4.0
    多彩な渡り鳥が飛来する池のほとりで暮らす千亜子。夫は老母の介護で実家に帰ったままだ。子供たちも出て行った。カラスのクロウと語り、林の生き物たちと交流し、牛飼い少女の物語の翻訳に打ち込む日々は、悪くはない。人道という偽善に付き合うよりも、生物としての死に場所を探したいからだ。美しくも激しい自然の中で、生と死に深い独自の眼差しを向けた新たなる感動小説。
  • イケメン隔離法
    3.0
    20XX年、通称「ゆうぐれウィルス」が人類を襲う。眉目秀麗な男子に限りウィルスは猛威を振るい、世のイケメンたちは次々に昏睡状態に陥った。緊急法案「イケメン隔離法」が発令され、ウィルス保菌者と判定された者は隔離施設に送られることに。そんななか、ごく平凡な容貌の青年、早川ヒロキにも「隔離令状」が届き、ヒロキは網走の施設に入ることになるのだが…!?
  • イケメン彼氏
    -
    1巻275円 (税込)
    月間1億PVを超える大人気のケータイ小説サイト「おりおん☆」から生まれた恋愛小説。彼氏がイケメン。イケメンの蓮と付き合っている千佳は、幸せ一杯の毎日。だけどいろんな女の子から告白されるから、不安はどんどん大きくなっていく…。恋をすると、どうして臆病になるのかな?彼氏がイケメンの女の子ならではの、贅沢なお悩みラブストーリー!

    試し読み

    フォロー
  • イケメンは私に近寄らないでください!
    5.0
    1巻440円 (税込)
    後任の担当者はまさかの彼!?小説家のこまちは大学時代のトラウマでイケメン恐怖症。それが原因で就職もできず、外出もままならない。なんとか締切りはこなしてはいるが貧乏生活から抜け出せないでいた。それがよりによって彼がこまちの担当者に。しかも食事の世話をするため同居することに。しかもスランプで小説が書けないのに心臓に悪いよ。そばに近寄らないで。だけど彼はとてもやさしいのはなぜ?みんなにやさしいからわからない。勘違いさせないで。自分に自信がない男女のすれ違う気持ちが切ない。果たしてこまちはイケメン不信を解消できるのか。
  • イケメン坊主は除霊ホスト
    -
    1巻330円 (税込)
    その坊主はナンバーワンホスト。しかも女専門の「落とし屋」。なぜなら見えてはいけないものが見えてしまうから。今日も女に取り憑いた霊を慰めてやるのが仕事。気持ち良くさせて祓ってしまう。そのテクニックに霊もメロメロ。今回のお客は飛び切りかわいい清純なお嬢様。思わず一目ぼれするがやっかいなご先祖様が憑いていた。
  • 遺稿集
    4.3
    僕はささやきながら彼女の手を強く握りしめた。それから2人はずっと手を離すことはなかった――この一文で絶筆し、42歳の生涯を閉じた「カモちゃん」こと鴨志田穣。彼がアルコール依存症の治療前~がん闘病中に書いた未刊行原稿のすべて。小説「焼き鳥屋修業」はベッドから1枚1枚編集者に原稿用紙を手渡した。
  • 行こかメリケン、戻ろかジャパン ハワイ移民の100年
    -
    1868年、明治維新の騒然たる中を、日本初のハワイ移民団150余名が、横浜港を船出した。時あたかもカメハメハ王朝がアメリカに併合されていく「南海の楽園」ハワイで、彼らはどんな苦難に直面したのか? 出稼ぎ、定住、帰化、戦争へと続く激動の歴史を、興味深いエピソードでつづる。ハワイ移民物語の決定版。
  • 異国情緒としての堀口大學 翻訳と詩歌に現れる異国性の行方
    -
    1巻4,400円 (税込)
    明治から昭和まで歌人・詩人・フランス文学者として活躍して、多くの翻訳をなした堀口大學。10年以上にわたる海外生活や翻訳の業績がこれまで注目され、堀口の翻訳が日本近代文学に与えた影響という側面から主に議論されてきた。 だが、堀口自身が精力的に展開した文学実践や、彼の活動が日本文壇に与えた「異国情緒/エキゾチシズム」のインパクトは注目されてこなかった。 堀口大學の文学者としての経歴を、創作詩作『月光とピエロ』や訳詩集『月下の一群』などを中心に理解する。そのうえで、原文と翻訳テクストの比較などをとおして、堀口によるポール・モラン作品の翻訳とモダニズムの関係性、「新しさ」への志向、堀口自身の詩歌・随筆の射程を明らかにする。 堀口大學が日本文壇で異国情緒というイメージをまとい、それが解体・展開していくプロセスを比較文学的な視点から追い、堀口の詩歌や随筆が日本の翻訳――文体・語句・テーマ性――に与えた影響に光を当てる。
  • 異国のおじさんを伴う
    3.9
    1巻510円 (税込)
    仕事に迷う、人生に迷う、迷ってばかりの私に、 〈ひげ人形愛好会〉から招待状が!? ミュンヘン! 鈴の音が宵闇に沁むような響きに惹かれて、旅に出た私。 でも、この旅の目的は私にもわからない。 迷い続ける日常を引きづったまま、私はどこへ往くのだろう――。 さりげない情景に仕組まれた、ひと匙の毒とユーモア。 幸せも不幸も、神様からの贈りもののように思えてくる、愛らしい十の物語。 解説・瀧井朝世 ※この電子書籍は2011年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • イコ トラベリング 1948‐
    3.9
    1948年、終戦後の日本。中学2年になったイコの周囲には、やけどを負った同級生や傷痍軍人の物乞いなど、今だ戦争の傷跡が多く残されていた。母を早くに亡くしいつも心のどこかに不安を抱えるイコだったが、英語の授業で習った【~ing=現在進行形】にがぜん夢中になる。「現在進行形、今を進むという事!」急展開で変わっていく価値観に戸惑いながら、イコは必死に時代をつかもうとする。そして「いつかどこかへ行きたい。私ひとりで」そう強く願うようになる。でもまだ、日本からの海外渡航が許されない時代。手段も理由も見つからないまま大学を卒業したイコに、ある日大きなチャンスが巡ってくる……。「魔女の宅急便」の著者・世界的児童文学作家、角野栄子の『トンネルの森 1945』に続く自伝的物語。戦後の日本を舞台に、懸命に自分の路を探す少女の成長をエスプリとユーモア溢れるタッチで描く著者の原点ともいうべき作品。87歳、角野栄子は今も現在進行形だ!
  • 遺恨の鯱
    -
    鯱、荒海に吠える! 死闘につぐ死闘! 話題の<鯱>シリーズ――世界中で、西側諜報員が、何者かに次々と殺されていった。だが、KGBは動いていない! みずから死神<ザ・デス>を名乗る謎の組織は、唯一最大の敵である仙石文蔵一派に挑戦すべく、日本に上陸する。両者の死闘は、太平洋の深海や南アフリカを舞台にいつ果てるともなく続いた。死神の正体は誰か!?
  • 遺作集 花見川のハック
    4.4
    俺はもうまもなく死ぬだろう…ガン宣告を受けてから覚悟の10年、残された日時に刻みつけるように小説を書いた作家・稲見一良。男らしいやさしさを追い求め、花見川の自然を呼吸し、ときに少年の憧憬さえ甦る。本作品集は、腹水がたまり、半身になりながら、虫の息で、原稿用紙に鉛筆をなでるように書いた遺作の数々である。死を目前にして、透徹したまなざしで、人生を見つめた珠玉の物語。人は、こうやって生き、こうやって死ぬ……。
  • 勇魚(上)
    完結
    -
    全2巻733円 (税込)
    勇猛な鯨捕りの末裔、銛一甚助は揺れる幕末日本の転変に立ち会う。 若者の夢と野望を軸に西洋との出会いに揺れる幕末日本を描いた傑作!

    試し読み

    フォロー
  • 遺産ゲーム
    4.0
    1巻1,485円 (税込)
    バカだバカだと思ってた兄貴が、実は一番ヤバイ奴だった……! 狙うは、テレビに映る2億円。完全犯罪は完遂されるのか。原&英治のチンピラコンビ初お目見えの「別荘」含む7編の連作短編集。
  • 遺産の方舟
    -
    巨大テラニウムに眠る人類至高の芸術ーモネの「睡蓮」を回収せよ! SF新人賞受賞第一作。 大海原を漂う艦―空母“アレクサンドリア”をすみかとした人々。異常気象によって陸を追われた人間たちは、海上を彷徨し続けるしかなかったのだ。若き海軍少尉ニコルは、艦を統べる学芸員のレーベン師とブキャナン師から、地上に遺された名画『睡蓮』を回収してくるよう、指令を受ける。少女和音らとともに、かつて日本と呼ばれていた島に上陸したニコルが目にしたものは…。日本SF新人賞受賞作第一作!書き下ろしで登場。
  • 居酒屋志願(小学館文庫)
    4.5
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 会社の開発中枢にいる若者が突然提出した辞表に、他社の引き抜きを疑う上司や同僚たち。しかし本当の理由は、脱サラして居酒屋をやること…。信頼していた友人や恋人も白い眼を向ける。いよいよ開店の日が来たが…。
  • 居酒屋すずめ 迷い鳥たちの学校
    4.0
    昼間の居酒屋を利用して開かれるフリースクール『すずめの学校』。「居酒屋すずめ」で開校中のそこに通うのは、不登校の中学生や学び直したい老女、挫折したフィギュアスケーターや引きこもりのニートなど様々。居酒屋の経営安定のためと始めたオーナー兼教師の鈴村明也だったが、彼自身もまた、生徒と交わるうちに学び、気付き……。一歩踏み出す勇気をくれる物語。
  • 居酒屋すずめ 迷い鳥たちの学校
    値引きあり
    4.1
    1巻814円 (税込)
    友人・村瀬晴彦の居酒屋が経営難に陥っているのを救うため、親の遺産で物件を購入することにした鈴村明也。立て直しのために経営に乗り出すことになるが、その中で、晴彦の息子が不登校になっていることも相談され、無理矢理ランチをやっていない居酒屋の昼間、空いている空間を利用して、フリースクールを開くことになる。 地域との繋がりを持たせつつ、居酒屋の知名度を上げるため、と仕方なく引き受けるが……。
  • 居酒屋にて
    -
    1巻275円 (税込)
    吹き溜まりのような街の居酒屋「笹亭」で出会った男との出会い、その出会いが変えた自分の人生――。時を経て再会した二人は、その時――。居酒屋に起きた小さな出来事を描く珠玉の作品。
  • 居酒屋ふじ
    4.6
    1983年、目黒区蛇崩に一軒の店ができた。店名『居酒屋ふじ』。強烈なキャラクターの「おやじ」高橋俊男と小気味よい包丁の音で彼を支える料理担当の「お母さん」が二人で深夜まで営む。そこに中日ドラゴンズの立浪和義が2000本安打を達成したバットが飾られている。なぜ、ここに。アルバイト帰りにふと訪れた「僕」はその謎を探ろうと、おやじの話に耳を傾けるのだが……。なさそうで、ありそうな、路傍のおやじの物語。
  • 居酒屋ぶたぶた
    3.7
    寒い冬の夜。商店街の一角に気になる店が。覗いてみると、温かな雰囲気に心が躍る。ああ、入ってみたい、そんなとき。もし、店の隅にピンクのぶたのぬいぐるみが転がっていたら、それは「味に間違いない店」の目印かも。見た目はぬいぐるみ、中身は心優しい中年男性。山崎ぶたぶたが、いろんなタイプの飲み屋さんで、美味しい料理とともにあなたを待っています。
  • 居酒屋わかば
    -
    1巻990円 (税込)
    「変わらない味は、その時の思い出を誘う。……飲みたい時の酒がある、飲みたくない酒もある。ここ居酒屋わかばには、失った温かみを感じられる席がある。切なさをほどいてくれる酒がある」(本文より)。このお店は、家に持って帰れない話を置いていく所。飲んで話して元気もらって──。お店に集う人々の生き様と心に秘めた思いを、やさしく包み込むようなヒューマン小説。
  • いざ、しゃべります。
    2.0
    コミュ障で引きこもり、大学を留年してしまった「わたし」が、ひょんなことで出会った落研部員の西杜亭ビハインド。一度聞いたことはすべて覚えてしまうというわたしの能力を知ったビハインドに、無理矢理落研に入部させられて……。実は西杜大学落語研究会は廃部寸前。そんな落研に所属する、くせの強い先輩たちを通して、落語の面白さと何かに熱中することの楽しさを知るわたし。そしてついに、わたしは全国大会に出ることになり……。 「落語とは?自分らしさとは?そんな途方もない事と向き合った四年間は今思えば確かに青春だったのかもしれない。また落語したくなっちゃったなぁ。」と、漫才師まんじゅう大帝国も絶賛の、笑いと涙の感動グラフティー。
  • イザベルに薔薇を
    -
    郷里の山口から上京した青年・詩人美。中原中也、高村光太郎などを詩を愛する心優しい青年は、新宿・歌舞伎町で暮らす叔父の無塁のもとに身を寄せた。詩人美は叔父のもとで様々人と出逢い、恋をしたり、勝負の厳しさを味わったり人として成長していく。伊集院静でなければ描けない極上の青春物語。
  • 十六夜橋
    4.5
    不知火(しらぬい)の海辺に暮らす土木事業家の主と彼をとりまく三代の女たち。遊女、石工、船頭……人びとがあやなし紡ぎ出す物語は、うつつとまぼろし、生と死、そして恋の道行き――。第三回紫式部文学賞受賞作品。
  • 十六夜橋 新版
    5.0
    南九州・不知火(しらぬい)の海辺の地「葦野」で土木事業を営む萩原家。うつつとまぼろしを行き来する当主の妻・志乃を中心に、人びとの営み、恋、自然が叙情豊かに描かれる傑作長編。作者の見事な筆致で、死者と生者、過去と現在、歓びと哀しみが重なり、豊饒な物語世界が現れる。第三回紫式部文学賞受賞作品。
  • 石狩少女
    4.1
    明治末の北海道札幌、主人公・野村悠紀子は、文学を愛し、空を眺めることやリンゴ畑に出かけることが好きな女学生。彼女は人から多くの関心を持たれる一方で、偏見、勝手な噂、男子学生からの執着、決められた結婚、家族の無理解などに悩む。そんななか内地の親戚の家に行くことになるが…。北海道の自然も美しい、著者の半生を反映した1940年刊行の傑作少女小説。
  • 石狩川を見にいって
    -
    1巻1,760円 (税込)
     「石狩川を見にいって」は、スイスに住む二人の女性を描いたフィクション小説です。・・・タカシが事故死していたことを知らされた和佳子は、フランクフルト・オーダーに飛ぶ。そこでタカシが同性愛者であったと知らされる。帰途、ベルリンのテーゲル空港で、遅延になった同じチューリッヒ行き便を待つ妙子と言葉を交わす。そしてタカシの性の謎を追い、彼が愛した石狩川に思いを寄せる。スイスに住み着き、共同親権を得て独立した和佳子と、若くして勇敢に自分の人生を選んだ妙子の偶然の出会い・・・(著者はスイス在住)
  • 石川啄木歌文集
    3.5
    明星派の詩人として出発し、三行書きの短歌で歌壇に新風を吹き込み、〈大逆事件〉との出会いにより現実を凝視、明治という時代を考察して、結核と貧窮のうちに夭折した、天才詩人・石川啄木。非凡な才能で先駆的思想を所有した彼の歌集『一握の砂』『悲しき玩具』などから短歌200首、「性急な思想」「時代閉塞の現状」などエッセイ6篇、「はてしなき議論の後」「飛行機」ほか詩12篇を収録。
  • 石垣島であやかしカフェに転職しました
    4.0
    新卒OLの東山葉月は旅行先で途方に暮れていた。 勤めていた会社が、夜逃げ同然に倒産してしまったのだ。 更に追い打ちをかけるかのように不思議な存在に絡まれた葉月だったが、通りかかった中年男性の室井俊郎に助けられる。 彼によれば、葉月は『あちら側の住人』と意思疎通ができる『みえるひと』であるらしい。 俊郎がどちら側の住人も分け隔て無く接するカフェを経営していると知った葉月は、その仕事を手伝うことを申し出るが――。 南の島を、元OLが駆ける。こちら側と、あちら側の住人を繋ぎ、時に助けられながら。
  • 意識のリボン
    3.5
    母親を亡くした二十代の「私」は、「絶対に長生きするからね」と父に誓ったのに、交通事故に遭ってしまう。激痛の嵐の中、目を開けると二メートルほど下に自分の身体を見下ろしていて……。表題作ほか、姉妹、妻、母親――様々な女たちの視線から世界を切り取り、人生を肯定するあたたかさを感じさせる。著者新境地の全八編の短編集。
  • 石切り山の人びと
    -
    石切りの親方のむすこの権六は、いねむりの常習犯で、教室をずらかるのも得意だ。そんな彼が、東京から帰郷した予備役軍人の老大佐と孫娘みよの感化で、勉強し、働くようになる……。熊本の町近くの石切り山を舞台に、太平洋戦争下の人々の生活と子供たちの姿を、感動深く描いた名作。日本児童文学者協会賞・サンケイ児童出版文化賞・小学館文学賞受賞作。
  • 石塊の衢
    3.0
    トカラ列島に住む金城昇は、スキューバ・ダイビングの世界記録に挑んだ。しかし、記録に3メートルおよばず失敗した。手造りの深海用カメラに映った謎の一葉の写真を持って上京した金城は、消息を絶ってしまい、あとを追った恋人、和子も行方不明になってしまった。捜査にあたった坊門刑事は奇書「東日流外三郡誌」を知る。写真をめぐって凌辱と殺人が……。壮大なスケールで描く伝奇ロマン傑作!
  • 石黒くんに春は来ない
    3.8
    学校の女王・京香に告白し振られた石黒くんが意識不明の重体で発見された。クラス全員 に失恋をバラされたショックによる自殺未遂かと思われたが、学校は知らん顔。しかし半年 後、名ばかりの偽善グループライン「石黒くんを待つ会」に、病院で眠り続けているはずの本 人が参加し大混乱に。〝復活〟は復讐の合図 !? 弱肉強食だった教室の生態系が崩れ出す。
  • 医師Kとの結婚
    -
    1巻1,144円 (税込)
    医学の道に進んだ者は、皆、優しい人間性を持った高潔な人格者達であると、頭から信じていたユリ子の人生は結婚を機に一転する。夫婦関係、親子関係、患者と医師の関係などすべての人間関係を上下関係としか見ない、人間性が欠落した夫。夫が軍医であったため、公職追放による貧困を余儀なくされ、第二子の堕胎と第三子を流産してしまう。何度も離婚や自殺を考えながらも、この結婚に賛成した父への思いと、結婚後間もなく産まれた子どもを父なし子にはしたくないという思いから、苦難や不幸に立ち向かい、夫との人生を貫こうとする姿を描き出す。

    試し読み

    フォロー
  • 石ころのうた
    4.1
    石ころのように平凡な一少女であったわたしは、軍国主義のさなか、女学校を卒業して小学校の教師となり、天皇への忠誠を信念にすえ日々を過ごしていた。しかし敗戦による世の中の価値観の転換に激しい衝撃を受け、わたしは深い自己不信に陥った。そして教育者としても人間としても、女性としても迷いの中に入り込んでしまった――。戦中、戦後という時代の波にもまれ悩み苦しんだ青春期を振り返る長編自伝小説。
  • 医師たちの恋愛事情
    -
    フジテレビ系(木曜よる10時~)の話題のドラマ『医師たちの恋愛事情』の小説版。 大学病院を舞台に、それぞれの医師たちが「秘密」を抱えながらも、出世争い・恋愛・不倫・三角関係など、さまざまな欲望が渦巻く中で生きていく「医療ドラマ」と「恋愛ドラマ」が融合した「医療ラブストーリー」を描いて話題となったドラマの小説版。
  • 遺失の結末と彷徨える幽霊(ゴースト)たち ~編集者宮川雅は妥協しない~
    4.0
    ミステリ作家が残した解決編のない原稿。すべての違和感が繋がる作中作ミステリー! 宮川雅は崖っぷちの編集者。次にヒット作を出せなければクビも覚悟する彼女のもとに、ベストセラー作家・東雲飛翔の新作原稿が届く。嬉々として読むが、その原稿には解決編がなかった。宮川が担当するミステリ作家・平澤大吾とともに東雲飛翔の家を訪ねるが、東雲飛翔は密室での遺体となって発見されてしまい――。 ベストセラー作家の死の謎、遺稿の結末を巡り、現実と作品が入り交ざる作中作ミステリー! プロローグ 7 ゾンビ作家・ピーチメルバ・欠けた結末 9 隠し部屋・芋羊羹・シアン化カリウム 72 ネタ帳・シフォンケーキ・旧友 110 真相・プリン・アラモード・シュミレーション 161 ドライブ・月邑聖人・どら焼き 200 告白・継承・ムートン・ロートシルト 243 エピローグ 268 あとがき 274 水鏡月聖(みかづきひじり) 第27回スニーカー大賞銀賞を受賞し、『僕らは『読み』を間違える』(KADOKAWA)でデビュー。文学作品の解釈で描かれる青春群像劇が話題となり、『このライトノベルがすごい! 2024』(宝島社)にて新作5位に選出される。 著作に『白いドレスと紅い月がとけあう夜に』(KADOKAWA)がある。 ※この商品は固定レイアウト型の電子書籍です。 ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※お使いの端末で無料サンプルをお試しいただいた上でのご購入をお願いいたします。
  • 石に咲く花
    -
    カメラマンの国立敏夫は、ヨーロッパの裏町を写しまわり、強引な売りこみで海外で成功していた。日本を思い出させるものといえば、離婚した妻との間の娘・江利の面影だけだ。孤独なパリでのひとり暮らしをなぐさめるのは、娼婦のミレーヌ……。 女と夜を描き、現代のエゴイズムを鋭く抉る自選傑作集。
  • 石の血脈
    4.5
    光を恐怖する男女、狼男の暗躍、地下のピラミッド…失踪した新妻を探す隅田の周辺で、奇怪な事件が続発。やがて隅田は、ある場所に事態の謎を解く鍵が隠されていることに気づいたが…。

    試し読み

    フォロー
  • 石の聲 完全版
    -
    芥川賞受賞後、苦しみながら構想した大長編『石の聲』。没後発表され、単行本として刊行された第一章、その後新たに見つかった第二章と第三章の一部、『石の聲』執筆の苦心と意気込みが伝わる編集者への書簡、作家になる前に綴った胸を打つエッセイ、作家からの追悼文を収録した、オリジナル決定版。
  • 石の下の記録
    値引きあり
    -
    本作は戦後間もない頃に起こった「光クラブ」事件がモデル。この事件を題材にして、著者は戦後の虚無感というものをまざまざと描写していく。ひとつに縛られていた戦時中の価値観が崩壊し、目標が見えなくなった戦後という時代。そしてその時代に生きる若者たちの姿は、さまざまな価値観に溢れている今の時代にも案外通じるものがあり、ぐいぐいと物語に引き込まれてしまった。 (※本書は1995/5/1に発売し、2022/3/10に電子化をいたしました)
  • 石の蝶
    -
    昭和初年、飢饉と恐慌のふき荒れた時代に、吉原で若い生命をすり減らしていった遊女・さよ。貧困から品物のように売買され、閉ざされた世界から一歩も外へは出られず、一年中一日の休みもなく客をとらされた遊女さよ。傷つきやすい魂と肉体を備えた一人の少女の屈辱と絶望の半生をヒューマンなタッチで描く長編野心作。
  • 石の話 黒井千次自選短篇集
    3.0
    夫婦の間に流れた時間の持つ意味の落差を象徴的に捉えた表題作「石の話」、上司との関係にしこりを生んだネクタイをめぐる騒動を追った「首にまく布」、隣家の庭に出現したプレハブの子供部屋の日ごとの変貌がもたらす波紋を綴った「庭の男」等、家庭や職場に紛れ込んでくる違和を妙趣あふれた筆致で描いた9作品を収録。初期作品から近作まで、著者の歩みを辿る自選短篇集。
  • 石原慎太郎  短編全集 I
    -
    1~2巻2,970~3,267円 (税込)
    研ぎ澄まされた「文学」の刃 1993年以降に発表された秀作を厳選! 【収録作品】 聖餐 山からの声 海からの声 空からの声 沢より還る 海にはすべて 青木ヶ原 わが人生の時の生と死 ブラックリング 生死刻々 生き残りの水兵
  • いしぶみ
    4.3
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 8月6日、いつもの朝だったはずなのに・・・原爆で未来を断たれた広島二中一年生の壮絶な哀しみの記録。
  • イシマル書房 編集部
    3.9
    満島絢子は念願かなって神保町の小さな出版社にインターンとして採用された。しかし、当のイシマル書房は親会社から「半年で経営が改善されなければ他社に株を売却する」と最後通告を受ける――会社存続の危機に、石丸社長を中心に、理由あり作家、引退していた編集者、活版職人で絢子の祖父、元ヤンキーの営業マン、全国の書店員……など「小説」を愛する人々が立ち上がった。果たして起死回生のベストセラー小説は生まれるのか? 書き下ろし長篇。
  • いしゃ先生
    4.1
    「頼む、三年間だけお前の人生を私にくれ」――昭和10年、村長である父に懇願され、24歳で故郷の無医村の医師となった志田周子。しかし女性や近代医療に対する偏見は根強く、村人からは拒絶されてしまう。雪深き冬、襲いくる戦火、そして東京にいる想い人との恋――過酷な運命にも負けず、僻地医療の先駆けとなった実在の女医を描いた、涙と感動の長編小説。映画「いしゃ先生」の原作本。

    試し読み

    フォロー
  • 移植医たち(新潮文庫)
    4.2
    目の前で失われてゆく命を救いたい。臓器移植を学ぶために渡米した男女三人の医師を待ち受けていたのは、過酷きわまりない現場だった。時間との闘い、そして拒絶反応。幾つもの笑顔と出会い、数え切れぬ苦さを噛みしめ、彼らは帰国。北海道で専門外科を立ち上げる。だが、日本に移植医療を根付かせるのは想像以上に困難だった。徹底取材の上に築かれた、圧巻の人間ドラマ。(解説・海堂尊)
  • 異色の恋 母娘ママ友
    -
    1巻990円 (税込)
    介護施設のデイサービスに通う厚弥季春は、施設のスタッフである夏季と、ほのかに惹かれ合っていた。夏季には三人の子どもがいたが、上の娘二人と末の男の子の年が離れていた。そのため、上の娘の子どもたち、つまり孫たちと自分の末子の年が近く、夏季は娘たちとママ友でもあった。90歳の季春と52歳の夏季。年齢を重ねた者同士の、豊かな絆を感じさせるプラトニックな関係を描いた小説。
  • 石よ哭け
    -
    1巻924円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 墓石にまで、畜生・奴などの戒名を刻むとは……仏教にさえある部落差別。著者は、その実態を悲しい怒りをもって刻む。

    試し読み

    フォロー
  • 石を置き、花を添える
    4.5
    1巻1,672円 (税込)
    ウォーキング途中の道端に置かれた石と、添えられた花。埋められている「なにか」――問いは残されたまま「わたし」の記録は記憶を辿り、老いと死への思索に漂う。清冽なる本格小説集。
  • 石を抱いた樹(上)
    値引きあり
    -
    1~2巻298円 (税込)
    巨木は、地中深く、石を抱いているものだ。……名門・布施学園の理事長・布施英之は、樹木を愛し、学園のマンモス化により、緑が失われていくのを憂えていた。折しも20年の歳月を経て、敗戦の混乱のうちに、生き別れた息子が姿を現わす。大地にしっかり根を張ろうと、父と子それぞれに歩む道を描く、感動の長編問題小説。生き別れた息子との再会、親子の運命……水上文学のロマンチシズムの源泉がここにある!
  • 石を黙らせて
    3.5
    1巻1,771円 (税込)
    名も知らない女性の人生を、尊厳を傷つけた。 過去の強姦を告白し、婚約者と家族から断絶された男は、 謝罪のために事件を公表し、被害者探しを思い立つ。  せめて罰を受けさせてくれ 罪とはなにか。その罪に許しはあるのか。 『死にたくなったら電話して』の著者が突きつける、このうえなく深い問い。 「謝るというのはある種傲慢な行為であって、自分の本来の気持ちばかりがどうしても滲み出てくる。 それを含めて書いているのが巧みだと思った」           高山羽根子 「性被害については、どうしても被害を受けた女性側が語る立場に置かれることが多い。男性側がポロッと発語することで露わになってしまうもの、発語した瞬間に生じる社会との摩擦といったものがちゃんと書かれている点を最大限に評価したい」           倉本さおり 「この作品には、出来事を終わらせないことの倫理観はあった」           矢野利裕
  • イジ女
    3.5
    意地悪な女、意地っ張りな女、イジイジした女、イジらしい女、イジくる女……世の中には「イジ女」がたくさんいる。女性の悪意を書かせたら随一の著者が、女社会のリアルシーンをこれでもかと描き込み、チクチクする気持ちを炙り出す。怖くて楽しい短編集。
  • いじめ裁判~生きていてくれてありがとう~
    -
    社会問題になっている「いじめ」問題は子供だけの問題では無く周りの大人も大切。 裁判方式でお互いの気持ちや考えた方を語り合うことで、「いじめ」の見えない箇所が 表現される内容の小説です。 子供も大人も「いじめ」に対して深く考えさせられる作品です。
  • いじめ14歳のMessage
    4.0
    1巻473円 (税込)
    第18回パレットノベル大賞審査員特別受賞作。14歳の著者が学校でのいじめ体験を基にえがいた小説。ごく普通の中学2年生の彗佳は、イジメられていた同級生をかばったせいで陰湿ないじめを受けるようになり…。  多数の応募作品のなか、今にも消え入りそうな手書きの原稿が、14歳の著者が実際に乗り越えた「小学6年生の時のクラスで受けたイジメ」、「中学校での部活内イジメ」をモチーフにいじめられっ子の悲痛な日常を描いたこの小説だった。文章力や構成力に幼さは目立つものの、大人には決して描くことのできない学校現場からの生の叫びが聞こえてきたのだった。これは、大人が押しつけたいじめに対する建前論を語った本ではない。なぜ、いじめがいけないのか、どうすれば相手を思いやれるのかを。たった14歳の著者がこの小説を通して読者に訴えかけてくる。「いじめなんかに負けないで! 自分を見失わないで」というメッセージを送ってくる。著者と同世代の読者には、同世代だからこそ持てる同じ視点の言葉に共感し、人間の心のあり方を考える材料となるに違いない。

    試し読み

    フォロー
  • イジメに負けるな
    -
    1巻990円 (税込)
    イジメの加害と被害は、子ども同士に限らない。学校の先生が加害者となっているケースもある。それをキャッチしているのは被害者の子どもだけというところに、問題の根深さがある。教師と生徒という異議を唱えづらい関係の中で、イジメは「存在しない」ものとされてしまう。しっかりと監視して報告すべき人に自覚がないという根本問題も含めて、イジメの被害者側から心情を吐露した物語。
  • いじめへの反旗
    3.0
    アメリカで生まれ育ったユーこと小野田雄一郎。父親の仕事の都合で帰国、地域で有名な進学校の中学二年に転入した。二重国籍者として日米の教育の違いに戸惑う日々がつづく。ある日、仲良くなった級友が校舎の屋上から転落死した。学校側は自殺を隠蔽しようとするばかり。いじめによる自殺に違いないと見抜き、ただ独り正義の闘いを開始する。社会派サスペンスの旗手がいじめ問題に挑んだ迫真作。
  • イジメられっ子の僕が愛を知った真夜中に
    -
    1巻990円 (税込)
    「僕は人間がキライだ」 気が弱く、臆病なうえに、勉強も苦手で体臭も臭い僕はクラスでいじめられている。家に帰れば毎日のように両親の喧嘩を目の当たりにし、心は閉ざされるばかり。 そんなある日、家での騒動をきっかけに僕の心に微かな希望が見出されて……。 子供の苦悩を繊細に描いた、自分に隠された本音と向き合う葛藤の物語。 森田亮介(もりた りょうすけ) いつの世にもイジメは存在する。人類の永遠のテーマなのではないだろうか? 昨今はSNSの発達によりさらにイジメは陰湿化している。その原因を自分の体験を通して本著で書いたつもりである。本著に用がないのが一番望ましいが、もし、同じ悩みを抱えている親子がいたら読んでいただきたい。読者の一助になることを心から念ずる。

    試し読み

    フォロー
  • いじめられっ子ノラ
    3.0
    1巻1,500円 (税込)
    実在の少女・典子の告白をもとに描く、「いじめ」とたたかった女子中学生と不思議な猫たちの物語。学校では友だちや上級生だけでなく、教師からもいじめぬかれ、安らぎのあるはずの家庭でも、両親が離婚し、幼児期から激しい虐待を受けて育ってきた典子。図書館の本と、放送室で聴ける音楽だけを楽しみに、けなげに生きる典子に否応なくつづくいじめは、典子が耐えれば耐えるほどに、エスカレートしていく。しかし、あるときを境に、典子はがぜん強くなる。もうやられっぱなしの典子ではなくなるのだ。その典子をまるで援護するように、街のノラ猫たちが典子をいじめた者たちを追い詰め、恐怖におとしいれる。給食にチョークの粉をまぜられ、トイレのモップで顔を拭かれ、お金を要求され、などは現実に典子に行われたこと。もしも自分が典子だったら、どこまでたえることができるだろうか? いじめる者の醜さ、弱さ、いじめられている者の悲しみがわかる本。
  • 「いじめ」をめぐる物語
    4.0
    いじめを受けた側、いじめた側、その友だち、家族、教師……。「いじめ」には、さまざまな“当事者”たちがいる。7人の人気作家が「いじめ」をめぐる人々の心模様を競作。胸の奥にしずかに波紋を投げかける、文庫オリジナルアンソロジー。
  • 「いじめ」をめぐる物語 早穂とゆかり
    -
    1巻330円 (税込)
    「いじめ」をテーマにした短編を収めた競作アンソロジー『「いじめ」をめぐる物語』から著者別に制作した電子版オリジナル短編。 ※文庫版『「いじめ」をめぐる物語』を底本とし再制作したものです。
  • 「いじめ」をめぐる物語 サークルゲーム
    -
    1巻330円 (税込)
    「いじめ」をテーマにした短編を収めた競作アンソロジー『「いじめ」をめぐる物語』から著者別に制作した電子版オリジナル短編。 ※文庫版『「いじめ」をめぐる物語』を底本とし再制作したものです。
  • 「いじめ」をめぐる物語 空のクロール
    -
    1巻330円 (税込)
    「いじめ」をテーマにした短編を収めた競作アンソロジー『「いじめ」をめぐる物語』から著者別に制作した電子版オリジナル短編。 ※文庫版『「いじめ」をめぐる物語』を底本とし再制作したものです。
  • 「いじめ」をめぐる物語 20センチ先には
    -
    1巻330円 (税込)
    「いじめ」をテーマにした短編を収めた競作アンソロジー『「いじめ」をめぐる物語』から著者別に制作した電子版オリジナル短編。 ※文庫版『「いじめ」をめぐる物語』を底本とし再制作したものです。
  • 「いじめ」をめぐる物語 明滅
    -
    1巻330円 (税込)
    「いじめ」をテーマにした短編を収めた競作アンソロジー『「いじめ」をめぐる物語』から著者別に制作した電子版オリジナル短編。 ※文庫版『「いじめ」をめぐる物語』を底本とし再制作したものです。
  • 「いじめ」をめぐる物語 メントール
    -
    1巻330円 (税込)
    「いじめ」をテーマにした短編を収めた競作アンソロジー『「いじめ」をめぐる物語』から著者別に制作した電子版オリジナル短編。 ※文庫版『「いじめ」をめぐる物語』を底本とし再制作したものです。
  • 聖者の行進 伊集院大介のクリスマス
    値引きあり
    4.0
    藤島樹(いつき)が20年ぶりに再会した「巨大なドラッグクイーン」ジョーママは、客を狙った恐喝事件に悩んでいた。樹がつとめていたころは一世を風靡したゲイクラブだったが、いまは経営難に陥っている。ゆすりの裏に重大な秘密があると直感した伊集院大介は、クリスマスの六本木へ向かう。名探偵シリーズ第12弾!! (講談社文庫)
  • 六月の桜 伊集院大介のレクイエム
    値引きあり
    4.3
    同級生から陰湿ないじめを受けている11歳の少女・桜子は世間から孤立して生きる大金持ちの老人・津坂と満開の桜の木の下で出会う。孤独を分かち合う2人は、やがて禁断の恋に落ちていく。しかし年齢差66歳の許されざる恋は、次々と不吉な事件を呼び起こし……。伊集院は少女を救い出すことが出来るのか!? (講談社文庫)
  • 異常快楽殺人者~若き法医鑑定人の事件簿~
    3.0
    都内の住宅地で、白昼、主婦を狙う連続殺人が起きた。犯人は主婦を絞殺するのみで、盗難や凌辱した痕跡は皆無。ただ、現場の絵画や花、死体の一部に奇妙なペインティングが残されていた。このペイントが物語るものは? 犯人像が見えないまま、事件を鑑定した法医学教室に謎の電話が……。身近に潜む異常犯罪の闇の部分にメスを入れる、戦慄の問題作!
  • 異常者
    3.0
    異常者に拉致された検事の妻の変心は何故か? 男の血は熱く、哀しい――東京地検検事の妻が、白昼、異常者によって拉致され、陵辱の限りを尽される。遅々として進まぬ捜査に、業を煮やした検事は、一匹狼の調査屋・千年道士に助けを求めた。事件の想像を絶する成り行きが、千年の魂を震撼させた。千年は、深夜の阿蘇山麓へ、香港の暗黒街へと、苛烈な調査行を続けていったが……。
  • 異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 怪物のささやき
    3.6
    都内で女性の連続殺人事件が発生。異様なことに死体の腹部は切り裂かれ、臓器が丸ごと欠損していた。 捜査は難航。指揮を執る皆川管理官は、所轄の新人刑事・氷膳莉花に密命を下す。それはある青年の助言を得ること。阿良谷静──異名は怪物。犯罪心理学の若き准教授として教鞭を執る傍ら、数々の凶悪犯罪を計画。死刑判決を受けたいわくつきの人物だ。 阿良谷の鋭い分析と莉花の大胆な行動力で、二人は不気味な犯人へと迫る。最後にたどり着く驚愕の真相とは?
  • 異常探偵  苺さん殺人事件
    3.0
    スーパーのレジ打ち主婦とへっぽこ美青年の捜査劇!? ある夜、禁忌の性癖を抱えた女性「苺さん」の遺体が発見された。警察は自殺と処理する中、異常事件専門のプロ(?)達が動き出す。被害者、犯人、追っ手もみんな〝異端者〟で……笑いと背徳の先に、優しく涙が胸を打つ、新しい探偵物語。『異常探偵 宇宙船』より改題。短篇「街のお墓」収録。 「無職ということですか?」 「無職? バカな。無職の少年探偵なんて居ないでしょ? 少年探偵なんだから、仕事は少年探偵ですよ。だから無職じゃないでしょ?」 (本文より)
  • 異常手口 捜査前線
    -
    シングルマザー刑事の 相棒(バディ)は元マル暴! 死体に化粧をする連続殺人犯の正体は!? 警察ハード・サスペンス! 元マル暴で〈不死身刑事〉と呼ばれた警視庁捜査一課警部補の有働力哉。 町田のOL・布施香織が殺された事件捜査で、町田署強行犯係の保科志帆と相棒を組むことに。 OLの死体は損壊されたうえに化粧を施されていた。志帆は有働の強引な手法に困惑しつつ捜査を始めるが、恋人の東大出の 官僚やストーカー司法浪人生ら容疑者にはそれぞれ強固なアリバイが…。
  • 異常の門
    -
    夢殿轉(ゆめどのうたた)──元公儀隠密「地の七」、実は29年前に誘拐された、琉球国中山王の嫡子・伊舎堂(いさどう)王子。将軍家息女・清姫を犯した疑いで、浜御殿の地下牢に幽閉されること2年。鮮やかな手口で脱出に成功した轉は、異国船の財宝をめぐる天皇帖・大奥帖争奪戦の真っ只中へ。スーパー・ヒーロー眠狂四郎を彷彿させる美剣士・轉を中心に繰り広げられる、凄絶な死闘と妖艶なエロチシズム。圧倒的迫力の伝奇ロマン巨編!
  • いじわるサディスト
    -
    高校3年生の愛里が出会ったのは、美大生の謙。しょっぱなからドSで俺様全開の謙に第一印象は最悪。しかも、お酒を飲んで寝ちゃった愛里は謙に下着姿の写真を撮られ…誰にも見せないという交換条件で、なかば強引に謙の絵のモデルをすることになった愛里は――。
  • 意地悪ダーリン
    -
    イケメンサッカー少年・ガクは、高校では超のつく有名人。メイは、何故かそんな彼のイジメの標的にされてしまうのだが、ある日、突然キスされて…? もう止められない、最上級のドキドキラブ!!
  • 意地悪な母と姉に売られた私。何故か若頭に溺愛されてます
    3.8
     地味で取り柄もない菫。派手好きで浪費家の母と姉に、稼ぎから家の仕事まですべて押し付けられ、身も心もボロボロだった。ある日、姉の借金の取り立てにヤクザが乗り込んできて……返済の代わりに、菫はヤクザに売られてしまった。  家族に捨てられ沈む菫に、何故か若頭の桐也は親切に接してくれる。やがて店に出るため着飾った菫を見て、桐也は意を決したように言うのだった。 「……店に出なくていい。俺の専属家政婦になれ」  ――やがて結婚し幸せになる二人が、お互いの居場所を見つけていく、不器用な溺愛生活がはじまる!
  • いじわるペニス
    -
    1巻528円 (税込)
    3年間を捧げた同僚に振られて、29歳の私は会社を辞めた。彼は同じ会社の別の女と結婚したのだ。あの時から、私は、普通の恋愛というものから、なるべく遠ざかるように生きている…。勃たないウリセンボーイに募る想い、哀しいため息、膨らむレディースローン。最後に二人を結ぶのはお金?それとも愛?このまま、私はどこに行ってしまうんだろう…。

    試し読み

    フォロー
  • 異人館画廊 星灯る夜をきみに捧ぐ
    3.8
    千景が帰国後はじめてのクリスマスが訪れようとしている。昔はクリスマスが苦手だったが、いまは千景を笑顔で迎えてくれる異人館画廊に集う人たちがいるおかげでまったく違う風景に感じられる。だが一方で千景は恩師から再渡英を意味する博士論文の執筆を勧められており…。そんななか不可解な強盗事件に、呪われた絵画が関わっているらしいと京一から相談を受けた千景と透磨は、カラヴァッジョに憑りつかれるように魅せられた男と、父との軋轢に苦しみ続けた女の奇妙な接点に気づいた。見る者の心揺さぶるアウトサイダー・アートの謎を追う中、千景が見つけた自身の過去と未来を照らす「答え」とは? 『異人館画廊』第一部・完結!
  • 異人たちとの夏(新潮文庫)
    4.1
    妻子と別れ、孤独な日々を送るシナリオ・ライターは、幼い頃死別した父母とそっくりな夫婦に出逢った。こみあげてくる懐かしさ。心安らぐ不思議な団欒。しかし、年若い恋人は「もう決して彼らと逢わないで」と懇願した……。静かすぎる都会のひと夏、異界の人々との交渉を、ファンタスティックに、鬼気迫る筆で描き出す、名脚本家山田太一の独自の小説世界。第一回山本周五郎賞受賞作品!(解説・田辺聖子)
  • 異人類白書
    -
    1巻495円 (税込)
    置いていたはずのものが見つからないのも、電話が混線して遠い声が聞こえるのも、塗りたてのペンキに手形がついているのも……すべては「異人類」のせいだった! とぼけた博士とお茶目な助手が、まだ見ぬ異人類を求めて奔走する。連作ユーモア短篇小説集。 ●浅暮三文(あさぐれ・みつふみ) 小説家。第8回日本ファンタジーノベル大賞最終候補を経て、1998年第8回メフィスト賞『ダブ(エ)ストン街道』でデビュウ。2003年第56回日本推理作家協会賞を『石の中の蜘蛛』で受賞。他作品に『実験小説ぬ』『ぽんこつ喜劇』、エッセイ『おつまミステリー』など多数。著作はイタリア、韓国で翻訳され、中学校教科書に採用された。日本文芸家協会、日本推理作家協会会員。
  • 王立士官学校の秘密の少女 イスカンダル王国物語
    2.8
    王立士官学校≪黒の門≫。全土から集まる優秀な生徒たちの中に華奢な美少年が一人。イェレミアス・リーヴライン──真の名はアリシアという。その正体は少女だった。 アリシアは入学早々、有力子弟の一派に目を付けられてしまう。立身出世が約束される学園生活。正体を隠しつつ無事卒業しなくてはならない。 だが彼女にも心強い仲間が。常に寄り添う従者ジークハルトに、腕の立つ少年ユスフ。そして彼女自身にも秘めた才能があって? 陰謀渦巻く壮大な学園ストーリー開幕!
  • いすみ写真館の想い出ポートレイト
    -
    祖父が遺した「いすみ写真館」を継ぐこととなった駆け出しのカメラマン・透。彼には不思議な力があった。“裸眼でファインダーを覗くと過去の写真を撮ることができる”――。扱いを間違えれば、とても危険なその力を、お人好しの透は人助けのために、少しずつ使うことに決めた。無くしたものを探すために。疑惑の真相を調べるために。消えた少女を見つけるために。写し出された人々の笑顔と、時には涙に触れながら、彼はシャッターを切り続ける。
  • 伊豆海岸殺人ルート
    -
    OL殺しの容疑で逮捕された男が自殺した。無実を訴える男は、アリバイを主張したが、その証人である写真家夫妻も失踪していた。死の直前に容疑者が明かした写真にまつわる謎を追う十津川警部を嘲笑うかのように、手がかりを握る人物が次々と殺されていく。一枚の写真が招いた殺人の連鎖と、その驚愕の真相! 「殺人ルート」シリーズに燦然と輝く傑作長編推理!
  • 伊豆急「リゾート21」の証人(十津川警部シリーズ)
    -
    東京の資産家の女性が、自宅に押し入った強盗に刺殺された。十津川警部は、半年前に結婚したばかりの年下の夫・中西遼を疑う。彼には、過去にも年上の前妻の不審な交通事故死により、10億円の遺産を受け取った過去があった。中西は犯行を否認したまま、状況証拠のみで逮捕される。だが、犯行当日の伊豆急「リゾート21」車内を精緻に描いた絵に中西らしき人物がいて……。十津川警部が鉄道乗車の鉄壁アリバイ崩しに挑む長編旅情ミステリー。
  • 何処へ(1)
    -
    東北A町の中学校へ、英語教師として、東京から赴任してきた伊能琢磨は、駅に降りた早々、おきゃんな芸者・才太郎の胃痙攣を看病させられた。地方文化の向上を志してきた知性の人・琢磨の心は動揺する……。映画化、テレビドラマ化もされた国民的作家・石坂洋次郎の代表作。全2巻。
  • いずこより
    5.0
    「出家遁世と放浪は、いまや私のもっとも深い憧れとなって、心をそそのかしてくる」(本文より) 明るくのびやかな少女期から、短い結婚生活を経て、家も子供も捨てて奔った激しい恋。やがて自立の道を求めて一途に文学に志し、いつしか出離の想いに促されるまで。自立する女の新しい生き方を自ら切り拓いてきた著者が、その波乱の半生を鋭い自己凝視で綴る自伝小説の傑作。
  • 伊豆の踊子
    3.7
    孤独な生い立ちの20歳の主人公は、伊豆の峠で旅芸人の一行と出会った。花のように笑い、無邪気に自分を慕う踊子の薫や素朴な人々と旅するうち、彼の心はやわらかくほぐれていくのだった。淡く、清冽な初恋を描いた名作「伊豆の踊子」、「十六歳の日記」など初期の短篇5編を収録。
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)
    4.2
    旧制高校生の「私」は、一人で伊豆を旅していた。途中、旅芸人の一行を見かけ、美しい踊子から目が離せなくなる。大きな瞳を輝かせ、花のように笑う踊子。彼女と親しくなりたい。だが、「私」は声をかけられない……。そんなとき、偶然にも芸人たちから話しかけられ、「私」と踊子との忘れられない旅が始まった――。若き日の屈託と瑞瑞しい恋を描いた表題作。ほかに「温泉宿」「抒情歌」「禽獣」を収録。(解説・竹西寛子、重松清)※三島由紀夫による解説は収録しておりません。
  • 泉鏡花 現代語訳集19 河伯令嬢
    -
    【あらすじ】 昨年、能登の外浦を、半島の奥へ入ろうと思って歩きました時、まだそのほんの入口ですが、羽咋郡の大笹の宿で、可心という金沢の俳人の記した「能登路の記」というのを偶然読みました― 寝床の枕元の、袋戸棚にあったのです。「色紙や短冊などもあるから、ちとご覧ください、」と宿の亭主が言ったものですから― だいぶ、相当に古びていました。その仮綴じの表紙を開けると、題に並べて、「大笹村、川裳明神の由来。」と記してあります。川裳明神…わたしはハッと思いました― 職人、飾り師の上手である小山夏吉は、筆者と炬燵で差し向かい、こう話した。 そして続けて、彼が十七の時に遭遇したという、美しい少女との哀しい事件、さらにその後体験した霊妙不可思議な出来事とを物語ったのであった。
  • 泉鏡花 現代語訳集21 神鑿(しんさく)
    -
    【あらすじ】 香村雪枝が七つの時、書記官だった父が、巡回先の飛騨の山間の村から、美しい二十くらいの女の彫像を持ち帰った。 重ねた両手が、ふッくりしていて、肩が揺れると、ころりん、ころりんとそれは実に、何とも微妙な音がして幽かに鳴った。 その像が目にも心にも身体にも焼き付いて離れなかった雪枝は、後に彫刻家となる。 あの土地には私の師匠がいる、是非とも訪ねたい―と、信者が善光寺、身延山へ巡礼をするほど切実に願っていたが、いざ、実際、という時、信仰が鈍って、遊びの旅行になった。 婚礼をしたばかりの夫婦連れとして来たのである。 それが祟ったのか、夕暮れ時、仮小屋のようなみすぼらしい小店を覗いて、来世の契りの有無を賭けるための賽子を買い求めた時、隣に袖を並べている新婦の姿が、ずッと離れて遥かな向こうへ… そして、城跡の天守に棲む怪しいものから、女を返して欲しければ、その身代わりとなる美しい像を刻んで差し出せ―との要求を突き付けられたのであった。
  • 泉鏡花 現代語訳集20 菊あわせ・小春の狐
    -
    【菊あわせ-あらすじ】 親の墓も今はない故郷へ遊びに来た穂坂一車は、帰京する日の朝、「もう一度、水の姿、山の姿を見に出かけよう。」と座敷を出かかった時、女中から来客の知らせを受けた。 「香山の宗参、」との名を聞き、あまりに思いがけないことに、一車は真昼に碧い星を見る気持ちで、その僧形の客を隣の上段の間へ招じた。 昔の思い出話の中で、忘れていた、幼い頃の、町内の美しい娘との出来事を聞かされた一車は、突然、ぞッと、肩をすくめると、「今度は私の話をお聞き下さいまし」と語り出す。 それは、数年前の旧暦九月九日、重陽の節句、菊の日に、浅草の観世音で出逢った、危なく、怪しく、そして美しい女のことであった― 【小春の狐-あらすじ】 村はずれ、軒から道へ出て、乱れた髪の、紺の筒袖を上っぱりにした古女房が、小さな笊に盛られた、真っ黄色な茸を覗いている。 トもう一人、その笊を手にして、服装は見すぼらしく、顔も窶れているが、姿のやさしい、色の白い二十くらいの女。 「そうですな、これでな、十銭下さいまし。」という売り手の若い女に、「えッと気張って。…三銭が相当や。」と、古女房は笊を引っ手繰るのと同時に、すたすたと土間へ入って行く。 あれだけの茸が、たった三銭―気の毒に思いながら、私は腕組みをしてそこを離れた。 「御免なさいまし。」と背後から、足音を立てず静かに来て、早くも慎ましやかに前へ通る、すり切れ草履の踵に霜。 「ああ、姉さん。姉さんの言い値くらいは、お手間賃を上げます。どうかさっきの茸のありそうな所へ案内して下さい、…」私はうっとりしてそう声を掛けた。
  • 泉鏡花 現代語訳集22 星女郎
    -
    【あらすじ】 以前何度か上り下りしたが、その後は長年麓も訪れていない倶利伽羅峠を歩いてみようと、急坂を上ってきた境三造は、ふと出足を堰き止められた。 路の左右と真ん中へ、三本の竹を立て、それらの間に荒縄を結い渡した縄張は、明らかに通行止めの印である。 さてどうしたものか―と逡巡する三造の目の前に、坂の上から落ちるようにして、ぬッくと立ち止まったのは、異形の面を被った、四十あまりの筋骨逞しい一人の山伏で、面をつけた訳と、なぜ盲滅法に峠を駆け下ってきたか、さらに近頃近隣で囁かれている噂について話し始めた。 今、峠の一軒だけ残った古家には、世にも美しい女が住んでおり、その姿を見たものは命がないと言う。 これを聞いて、山伏と一緒に今来た道を戻ろうかと迷った三造だが、その残った家が思い出深い鍵屋という休み茶屋だと聞き、初志通り峠を越すことにした。 やがて鍵屋へ辿り着いて懐かしそうに進み寄ると、門口に、すらりと草に横になり、膝を折って伏せった美女の姿。 そしてその夜、三造は怪しい体験をするとともに、二人の女の数奇な身の上を聞かされるのである。
  • 泉鏡花『高野聖』を読む(文芸漫談コレクション)
    -
    「二〇世紀のゼロ年代は日本の近代文学史のひとつのエポックです。」(奥泉)。今回は20世紀を目前に発表された、泉鏡花の『高野聖』を読む。 芥川賞作家と希代の仕掛人が捨て身でおくる“漫談スタイル”の超文学実践講座。本電子書籍は、文芸誌「すばる」2015年1月号に掲載された作品の電子版シングルカットです。

最近チェックした作品からのおすすめ