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Posted by ブクログ
この作家の作品には特異なキャラの人物が多いですね。
そもそも人間は自己本位な生きものなので「『いちばん悲しい』のは自分である」と思い込みがちです。
それでも佐藤真由奈は異常すぎるのではないでしょうか。思い込みが激しく依存体質の「構ってちゃん」は少なくはありませんが、ここまでのスケールの持ち主には会ったことがないほどです。
渡瀬川瑠璃とその妹・葵もまた異常で、やはりお目にかかったことがないタイプです。
そうであるのに、こんな人間が実際にいるかもしれないと思わせるところに作者のうまさがあるのだろうと思いました。
人間は、理解できない存在に恐怖を感じるものなので、ホラーとしては十分に楽しめました。さらに事件解決にまでは至らないエンディングが、ミステリーとしては却って新鮮でよかったと思います。( もっとも薫子には気の毒ではありますが )
まるでアルフレッド・ヒチコックの映画のような印象を受ける作品でした。
Posted by ブクログ
幾つかの殺人や事故を軸に、女性たちの毒のような感情が渦巻きます。
不倫を主とした男女の歪んだ関係性に、まさきとしか作品ではおなじみの母子の問題が重なり、登場する女性たちは皆、「誰かが不幸だから悲しい」のではなく、「自分自身がいちばん悲しい」という地点に立たちます。
今回はミステリー色がやや強く、事件の謎解きも物語を重層的に。犯人像については少しすっきりしない印象も残りますが。
その一方で、冒頭に登場する“騙されていた不倫女性”の描写は圧倒的で、生々しく、気持ち悪さが際立っていました。
他者の悪意や不幸よりも、自分の中にある感情の醜さこそが読後に残ります。そんな意味で、本作のタイトルは非常に的確だと思いました。
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