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アウステルリッツ
ウェールズの建築史家アウステルリッツは、帝国主義の遺物である駅舎、裁判所、要塞、病院、監獄の建物に興味をひかれ、ヨーロッパ諸都市を巡っている。そして、彼の話の聞き手であり、本書の語り手である〈私〉にむかって、博識を開陳する。それは近代における暴力と権力の歴史とも重なり合っていく。 歴史との対峙は、まぎれもなくアウステルリッツ自身の身にも起こっていた。彼は自分でもしかとわからない理由から、どこにいても、だれといても心の安らぎを得られなかった。彼も実は、戦禍により幼くして名前と故郷と言語を喪失した存在なのだ。自らの過去を探す旅を続けるアウステルリッツ。建物や風景を目にした瞬間に、フラッシュバックのようによみがえる、封印され、忘却された記憶……それは個人と歴史の深みへと降りていく旅だった……。 多くの写真を挿み、小説とも、エッセイとも、旅行記とも、回想録ともつかない、独自の世界が創造される。全米批評家協会賞、ハイネ賞、ブレーメン文学賞など多数受賞、「二十世紀が遺した最後の偉大な作家」による最高傑作。 多和田葉子氏の解説「異言語のメランコリー」を巻末に収録。 -
アウトサイダー
スティーヴン・キングが描く、不可能な事象の裏に潜む圧倒的恐怖 完璧な証拠で逮捕された少年惨殺事件の犯人。しかし彼には鉄壁のアリバイがあって──。事件の裏に隠れた恐ろしい存在とは。 平穏な町で起きた、11歳の少年の惨殺事件。ラルフたち地元警察は、複数の目撃証言を得て、高校の教師で少年野球のコーチとしても慕われるテリーを逮捕した。しかし、彼には完璧なアリバイがあることが判明する。自身の潔白を主張するテリー。一方で、異常犯罪への憎悪を募らせる遺族と住民たち。そして、町を新たな悲劇が襲う。 ※この電子書籍は2021年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
アウトライン
芥川賞&野間文芸新人賞受賞作『時の家』執筆につながった、「建築×文学」の原点。 建築を描いて人間を映し出す、新芥川賞作家・受賞後初の単行本! ******************** 九段理江氏&石井千湖氏、推薦! 人間を学ばされたAIから、人間は何を学ばされるのだろう。 私の空隙と空洞を見つめた先にある聖域。 ――九段理江 『アウトライン』に描かれているのは、 自分の価値や欲求を言語化せよという抑圧に静かに抗う人々。 スケルトンビル、落ちものパズル、家の解体現場…… 言葉で形取った魅惑的な“空洞”が、思考と感情を解放する。 ――石井千湖 ******************** 「アウトライン」 建材メーカーに勤めている優里は、建築が好きでこの業界に入ったにもかかわらず、デザインに対するセンスやこだわりがないことに悩んでいる。そんなある日、同僚と一緒に見に行ったある建物に不思議と心を惹かれるようになり……。 「欲求アレルギー」 生理的欲求や衝動を感じると蕁麻疹が出てしまうという特異体質を持つ福田。外出先で不測のアレルギー症状が出てしまったとき、帰宅を急ぐ道で聞こえてきたのは、重機が家屋を破壊する、地鳴りのような重低音だった。 【装幀】水戸部 功 -
アウトロー臨終図鑑
革命家、プロ選手、芸能人、映画人、作家、政治家、任侠人……ここには世間から見れば型破り、落ちこぼれた異端者しかいない。尾崎豊、小池重明、たこ八郎、横山やすし、野村秋介、安藤昇といった有名人から、著者が偏愛畏怖する斎藤竜鳳、江藤小三郎、高橋和巳、村上一郎まで、男の中の男71人の激烈に生きた証と死に様を謳った愛と憧憬のバラード。 -
逢う日、花咲く。
13歳で心臓移植を受けた僕は、それ以降、自分が女の子になる夢を見るようになった。 きっとこれは、ドナーになった人物の記憶なのだと思う。 明るく快活で幸せそうな彼女に僕は、瞬く間に恋をした。 それは、決して報われることのない恋心。僕と彼女は、決して出逢うことはない。言葉を交すことも、触れ合うことも、叶わない。それでも―― 僕は彼女と逢いたい。 僕は彼女と言葉を交したい。 僕は彼女と触れ合いたい。 僕は……彼女を救いたい。 -
あ・うん
昭和10年春。松山に転勤していた製薬会社のサラリーマン・水田仙吉一家が東京に戻ってきた。親友の実業家・門倉修造は仙吉のために家を探し、当座の夜具や米びつまで用意して待ち受ける。羽振りのいい門倉は女にもてる美男子だが、ひそかに仙吉の妻・たみに思いを寄せていた。そんな門倉の心を18歳になった仙吉の一人娘・さと子は気付いていた。ある日、さと子が見合いをすることになり…。神社の狛犬「阿(あ)吽(うん)」のような仲のよい二人の男の友情を描く。演出・深町幸男、出演・フランキー堺、杉浦直樹、吉村実子、岸本加世子ほか。1980年にNHKで放送。 -
会えてよかった
このような会い難き人に会えたのは、なんという光栄だったろう。みんな肩書きにこだわる人ではなかったからでしょう――。谷川俊太郎と堀内誠一との旅、「街道をゆく」挿画取材で聞いた司馬遼太郎の「千夜一夜」……。画業から著述業まで多分野で活動し、幅広い交友関係を持つ著者が、「会えてよかった」五〇の人や出来事とのエピソードを味わい深くつづる。〈解説〉阿川佐和子 【目次】 高峰秀子/森ミドリ/岸田衿子・今日子/松岡和子/井上ひさし/井上麻矢/テレビ草創期/佐藤忠良/半藤一利/澤地久枝/黒柳徹子/平野レミ/竹田津実/大岡信/奥本大三郎/池内紀/鶴見俊輔/谷川俊太郎/千住真理子/藤原正彦/村松武司/俵万智/大野篤美/杉本秀太郎/「日曜喫茶室」/末盛千枝子/司馬遼太郎/岸惠子/河合隼雄/野田弘志/森まゆみ/小沢昭一/板倉聖宣/有元利夫/檀ふみ/阿川佐和子/猿谷要/日高敏隆/森毅・野崎昭弘/「風景画を描く」/アントニ・タピエス/中易一郎/江國滋/堀内誠一/遠山啓・清水達雄/吉田直哉/「少年倶楽部」/串田孫一/関容子/絵本の世界 -
あえてよかった
「今」を生きる子どもたちが教えてくれる光。 大地(58歳)は妻に突然先立たれ、自暴自棄の状態。愉しみは三日月の夜に現れる妻の気配と会話すること。そこで亡き妻から、彼女の切実な願いだった「子どもを育てること」の実践を頼まれてしまう。しぶしぶ学童保育所のバイトを発見し働き始める大地。ある程度働いたら、自分も妻の後を追うつもりだった。 そこで出逢う令和の子どもたちとのやりとりは想定外のことばかり。親の離婚、発達障害、愛着障害、不登校・・・子どもたちの悩みや心の傷、ピュアな思いにふれるうちに、知らず知らず大地にも大きな変化が訪れていく。子どもも、大人も、みんな「うまくいかない」何かを抱え、もがきながら生きている。 そんなある日、ある保護者から、大地は思いもかけない大きなギフトを受け取る。それは、亡き妻からの大切な思い--「生きる希望」。 そして、大地はある決心をするのだった。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『あえてよかった』 の文庫版となります。 -
アエネイス
古代ローマの建国神話叙事詩。「アエネイス」は「アエネアスの歌」の意で、ラテン文学の最高傑作。トロイアの王子で女神ウェヌスの息子であるアエネアスは、トロイア陥落後、海上へと逃れカルタゴに着く。アエネアスは女王ディドに歓迎され、二人は相愛の仲となるが、天命には逆らえず、アエネアスはイタリアめざして出発する。ディドは別離に耐え切れず火炎に身を投じて自死する。ラティウムに上陸したアエネアスは、現地の王とルトゥリ族長トゥルヌスとの連合軍による執拗な抵抗に直面するが、長い戦いののち、ついにトゥルヌスを倒してローマの礎を築く。この作品の執筆に作者は11年を費やしたが、未完に終わった。彼は死の前に草稿の焼却を望んだが、アウグストゥスが刊行を命じたため世に出ることになった。この作品は単に神話的英雄を謳うにとどまらず、当時内乱を終結させたローマの実力者アウグストゥスの治世をアエネアスに仮託し、賛美する構造をもっている。原文は韻文であるが、この翻訳は親しみやすい散文訳である。 -
青い色の短篇集
2人の家は、今夜、3人になった 男性の住まいに、居候させてほしいと女性がやってくる。同居しているもう一人の女性の都合でしばらく家を明け渡さなくてはならないようだ。快諾した男性とくつろいでいると彼の姉が帰ってくる。ここは彼と姉の家なのだ。いつもは姉弟の家に、今日はプラス女性が一人。そのあと3人で観る映画がまた、兄弟と女性一人の関係を描いたものだった(この映画、あきらかにある作品を想定したものと思われるが、当ててみてください)。このあと、特別な何かが起きる? 起きない? それはぜひ、読んでお確かめください。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
青い江の島
陽光きらめく湘南・江の島。島の駐在所を一人あずかる藤村亮介は、若くハンサムな警官ではあるが、絵に描いたような朴念仁。職務にはめっぽう熱心である一方で、駐在所向かいの娘・由美の連日の熱い攻勢にも動じることがない。そんな亮介を幼なじみや旅館の若女将、自殺志願の都会の娘らが起こす大波小波が揺り動かしていく。青年の真っ直ぐな心情を描き切る、爽やかな青春小説。 -
青い絵本
岐路に立ち、惑う人々に贈る 喪失と再生の記憶。 この物語は、あなたの明日をやさしく照らす―― 絵本作家として活躍する高城好子はかつて美弥子の継母だった。 漫画家のアシスタントを生業とする美弥子は、旅の誘いを受けて再会した好子が余命幾ばくもないと悟る。 共同制作したいという好子の望みを叶えるため、 “母”と“娘”は湖畔のホテルで絵本『あお』の構想を深め合う……(「青い絵本」)。 作家、編集者、セラピスト、書店員――さまざまな形で絵本に関わる人々が、絵本を通じて過去と対話し再生する姿を、静謐な筆致で紡ぎ出す。 表題作ほか全5話収録、短編の名手が、人生の光と影を描いた珠玉作品集。 -
青い貝殻
生きているウシロメタサと抑圧された性の欲望、抜き差しならぬ友人や女との関係を、安岡章太郎節とも言うべき苦いユーモアと自在の文体で描いた5つの短篇集。 -
青い糧
K学園高等部のサッカー選手だった河村は、試合で膝に怪我をした。その頃、厳格な父が死んだ。スポーツのできない体になった河村は、放埓な仲間との新しい生活に踏みこんでいく。賭博、酒、狼藉、背伸びした女遊び……。悪賢い才覚で大金を手に入れ、それを湯水のように使う。彼らがひかれるのは、じつは賭でも犯罪でも女でもない。情熱の浪費、浪費のための浪費、消耗することへの欲望がすべてなのだ。そうした無頼をてらう生活のなかで、河村はキャバレーに働く可憐な恵子を知り、彼女との愛欲に純粋な価値を求めて……。高校生と年上の女のはげしい恋を描いた長篇。 -
青いガーディニアの部屋
彼女が部屋の花に気づく時 登場人物は二人だけ。片岡作品にはめずらしく、中年の男女だ。彼らの様子はあられもない。セックスの後にセックスを語り、語りが一呼吸すると、またセックス。そのあいだに、なぜだろう、仕事のことや、母親(女性のほうの)のこと、その母親の葬儀のことなどが話題にのぼってくる。どうやら二人は女優と映画監督であるらしい。行為の前と後、ふと思い出したように彼女はしきりに「部屋が暗い」という。高層階のホテルの部屋だ。やがて彼女は、青いガーディニアが活けてあるのを見る。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
青い記憶
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 希一へ――。父さんは精一杯、あがこうと思う。父さんが何を考えて生きていたか、そして何を伝えたかったのか、可能なだけこれから書き残す。そして、犯してしまった罪のことも――。突然の病魔に冒された父は、愛する息子へ一通の手紙を送る。そこには、過去に起きたある「悲劇」の顛末が語られていた。 -
青いサファイヤ
破天荒の「テレビ結婚」で一躍脚光をあびた井戸美子は、プロレスラーと蒲原財閥の当主を手玉に取って、ついに財閥夫人にのしあがり、プロレスラーに夫を殺害させて、莫大な遺産を継ぐ。熱海沖のH島を買占めて東洋のモナコにする野望に燃えた彼女は、政治の腐敗につけこんで政界の実力者・佐渡代議士を籠絡し、その準備を進める。だが、蒲原政之助の死因に疑惑を抱いた新聞記者・中川隆夫に、かつて彼女が地方実業家にニセ札づくりをもちかけて、類ない肉体を餌に500万円を詐取した旧悪を報道される。そして佐渡代議士との密会も暴かれて、ついに破局へ……。渾身の現代悪女物語。 -
青い舌
舌だしてわらう子供を夕暮れに追いつかれないように隠した 第3回塚本邦雄賞受賞!! 子供との時間のなかに 前世のような記憶の翳がさす。 いつか、どこかで、わたしは立っていた 【自選5首】 君のべろが煙ったように白かったセブンティーンアイスクリーム前 西瓜食べ水瓜を食べわたくしが前世で濡らしてしまった床よ 蟻に水やさしくかけている秋の真顔がわたしに似ている子供 ヒメジョオンの汁でつくったマニキュアでにぶく光っていた爪の先 遮断機の向こうに立って生きてない人の顔して笑ってみせて 【目次】 一.ダイアナ忌 セブンティーンアイスクリーム前 赤い眼をして生きていて 温度計 手のひらの湿原 淋しくなる口 三沢駅前 プールサイド 彼女は泳げない ダイアナ忌 思春期 ドンジャラと初夏 秋の子供 犬に追われた日 聖火 Girls 二.生きなおす 三.前世のような記憶 さよなら平熱 雨と土 花粉航海 遮断機と鳥 青い胸 顔に当たる温度 パーカーの背中 眼底の川 三月の息子 ブローティガン あとがき 【著者】 山崎聡子 1982 年栃木県生まれ。 早稲田大学在学中に作歌を始め、2010 年「死と放埓なきみの目と」で 第53回短歌研究新人賞受賞。 2013年第1歌集『手のひらの花火』( 短歌研究社) で第14 回現代短歌新人賞受賞。 2022年『青い舌』で第3回塚本邦雄賞受賞。 pool、「未来」短歌会所属。 -
青い失速
冬の菅平へ、木塚哲男と稲山洋子は、新婚スキー旅行にやって来た。襖1枚の隣室のスキー客の含み笑いに、洋子は初めての夜をこばんでしまう。翌朝、木塚は偶然逢った友人とともに、洋子を残して根子岳に出発、そして吹雪の山で道を失う。救出された木塚の枕元で、洋子はうわごとに「美津子」と呼ぶのを聞いた。……濃霧の高原、寒冷前線の乱流の中に展開する、青春画像を描いた長編力作。 -
青い蜃気楼 小説エンロン
米国のエネルギー企業、エンロンの破綻劇と同社が駆使した粉飾会計の手法を白日の下に晒す実録小説! 2001年12月、米エネルギー企業大手エンロンが破綻した。一介の地方ガス会社は、いかにして世界にエネルギー革命をもたらし、なぜ突如破綻したのか?同社と米国政府、ウォール街、会計事務所との癒着は、いかなるものだったのか?エンロンが駆使した金融工学と会計操作のからくりに徹底的にメスを入れ、貧困家庭から這い上がろうとして戦い、破滅した幹部たちの人間ドラマに光を当てる画期的な実録経済小説。 【目次】 プロローグ、第1章 サッチャリズム、第2章 カウボーイ対インディアン、第3章 ガス銀行、第4章 オフバランスの魔術師、第5章 電力革命、第6章 青いダイヤ、第7章 エンロンオンライン誕生、第8章 LJM2号、第9章 黒船上陸、第10章 青森進出、第11章 ケツの穴野郎、第12章 内部告発、第13章 カラ売り屋の逆襲、第14章 救済合併、第15章 破綻、エピローグ 【著者】 黒木亮 1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院(中東研究科)修士。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資をめぐる攻防を描いた『トップ・レフト』で作家デビュー。主な作品に『巨大投資銀行』『メイク・バンカブル!』『地球行商人』など。早稲田大学時代は箱根駅伝に2度出場し、『冬の喝采』で自身の競技生活を描いた。1988年から英国ロンドン在住。 -
青い世界の中で、きみが隣にいてくれた
自分にないものを、たくさん持っている人たちが眩しかった。 高校1年生の海実は奥二重がコンプレックス。アプリで加工をしているとクラスの男子にからかわれてしまう。ショックのあまり、自分の顔がおかしく見える「思春期の風邪」に罹ってしまった。マスクで顔を隠して学校に通うが、次第に家から出るのもつらくなっていった。そんなとき、よくない噂の多いクラスメイトの久米くんに「俺の息抜きに付き合って」と声をかけられ、授業をサボることになって――。 ひとつの出会いが私の世界を変えてくれる。 共感度抜群!この物語はあなたの宝物になる――。 『青春ゲシュタルト崩壊』の著者が贈る、恋と勇気の青春物語。 -
青い空、甘い風
きれいに晴れ上がった空のあった時代を、カラダの中に住まわせること 18歳で高校を卒業し、そこからまた18年。 結婚して、離婚して、ヨリを戻す、というようなこともチラホラ。 紆余曲折もありつつ、未来もまだまだ大いにある年齢だ。 東京を離れた場所でのクラス会、という機会が訪れる。 それは不思議とくすぐったい再会の時間だ。 その中に、今、歌謡曲、それも古い歌謡曲の歌手をしている女性がいる。 彼女が魅せられている古い歌の中にあるのは 今の時代が失った空であり、希望だ。 この小説のタイトルはもちろん、 岡晴夫の「あこがれのハワイ航路」のあの歌詞から取られているはずだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
青い颱風圏
カミソリ奥さんと悪名高い女医の息子・孫六くんと、カミナリ親爺を父に持つ江利子が、若さと機智で、犬猿の仲にある両家をさばく、ユーモア小説――伊豆・天城の山中で偶然の出会いを重ねて惹かれ合った江利子と孫六。その縁結びの神がいたずら好きだったためか、二人は、互いの家族や友の因縁が招く暴風雨のような日々に巻き込まれていく。素直に好意を寄せ合うこともままならないなか、突如襲来したホンモノの台風が解決の糸口となりそうになるが……。『きんぴら先生』シリーズで大衆小説をけん引した著者の、軽妙爽快な青春群像。 -
青い地球としゃぼんだま
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 少女のころ、お気に入りの詩集をくり返し読みながら、こんな美しい言葉をつかう「詩人」って、どんな人たちなのだろうと想像しました。私みたいにくいしんぼうで、ワルイ心を持っているはずはない、と思いました。私は、ひとつの夢を誰にも話さず、胸の奥のほうにしまいこみました。それからずいぶん月日が流れて、とっくの昔に大人になっていた私は、ふと、胸に浮かんだ思いを言葉にしてみたのです。それは、心のつぶやきのようなものでしたが、これが「詩」なのかもしれない、とおもいました。不思議でした。「詩」は、ありふれた日常の中から、湧き水のようにしみ出してきたのです。こうして、心のつぶやきのような「詩」が、一編一編増えていきました。いつか一冊の詩集をもちたい―胸の奥にしまった少女の日の夢が今、本当のことになろうとしています。―あとがきより抜粋― -
青い鳥、飛んだ
大手フランチャイズ加盟のコンビニ店主・柳田克己は、「万引き犯など最低の人間」という信念を持ち、「万引きをさせない」のではなく、決して見逃さず「捕まえる」ことにしていた。ある日、克己は菓子パンを万引きした男を捕まえようとしたが、もみ合ううちにその男を死亡させてしまう。そして克己は逮捕され、人生は暗転していく。一方、児童養護施設で暮らしていた頃に万引きで捕まった過去を持つミチル。彼女はバイトを掛け持ちしながら必死に一人で生きていたが、コロナ禍の「シーセッション(女性不況)」で仕事を次々に失い、現在は違法メンズエステ店で働いていた。必死に生きながら、自分の夢の実現を目指す彼女は時折思うことがある。あの日、捕まっていなければ。そんな二人が、ある事件を契機に巡り会うことに……。 -
あおいはしの、その先の
笹本将輔、35歳。芸人の夢を諦め、地元に戻ってきた。 旧友の結婚式に参加して、鉄板焼き屋の店長として生活して、普通の35歳の人生が始まった。 自分で決めて芸人を辞めたからもうやりきった、十分だと思っている。それなのに、ことあるごとに相棒のことが頭に浮かんで、芸人だった頃の思いが離れない。 いつかこの燻りも、後悔も慣れるだろう。でも、慣れてしまった自分になることも、怖い。 ――なぁ小寺。どうしてこんなことになってしまったんだろう。 夢破れた男は何度も問い直す。 小山藍子、37歳。書店で働いている。 しっかりしていないアルバイトを指導しつつ、深夜まで仕事して朝に寝る。 何か変えるきっかけもないから、この生活を変えずにずっと繰り返している。 どれだけ苦しくとも、学生時代に付き合っていた悟のことを思うと頑張れた。昔と変わらず、漫画家になるという夢を目指している彼が頑張っていると思えば、頑張ることが出来た。 変わらないものがある。そう信じていられると思っていた。 現実に打ち砕かれた2人の物語。でも、それらが人生の全てなんかじゃない。 今、夢を目指す人、そして夢を諦めた人に読んで欲しい、ささやかな希望の物語。 -
青い花は未来で眠る
私が生きていることに、意味はあるのかな。かつて自分をかばって姉を失った高校2年生の優香は、乗り込んだ修学旅行の飛行機でハイジャック事件に遭遇する。飛行機は不時着するが、生き残った乗客はわずかに5人。テロ事件の犯人は、見慣れない青い花を身につけた4人の美青年だった。謎を秘めたまま迫りくる彼らと対峙して、生きることに無気力だった優香は変わりはじめる――。少女が未来を切り拓く、鮮烈なSFサスペンス。 ※本書は二〇一四年十月に小社から刊行された単行本『11月のジュリエット』を、加筆・修正のうえ改題し、文庫化したものが底本です。 -
青いパステル画の男
パリの弁護士ショーモンは古いモノが好き。仕事は順調、稼ぎも良いが、趣味の骨董収集に妻も周囲も全く関心を持ってくれない。ある日、自分そっくりの18世紀の肖像画を落札したショーモンは、その男の正体を探す旅のなかで、奇妙な偶然に巻き込まれていく……。『赤いモレスキンの女』の著者による鮮烈なデビュー作。 -
青いマスカラの涙
理由があろうがなかろうが、泣く時はいくらでも泣くといい 二人の中年女性。46歳。学生時代からの親友だ。一人はピアノ弾きをしており、彼女がカクテル・ラウンジで弾いている所へもう一人が不意に、予告もなく現れたりする。46歳。過去も未来もある年齢だ。そして若い頃には感じなかったであろう、不思議な現象も訪れる。例えば涙。夕陽を見るだけでわけのわからない衝動にかられたり、どうにも不可解な涙が流れたりすることがある。そんな二人が再会して、世間的な親友概念を逸脱した時間もまた、やってくる。二人は今また、いくら泣いてもいい場所を手に入れたのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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