小説・文芸 - 角川春樹事務所作品一覧

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  • 菊と鬼 剣客同心親子舟
    3.0
    二年前から南町奉行所に出仕している見習同心・長月菊太郎。父は、同奉行所の隠密廻り同心で、鬼隼人と恐れられる直心影流の遣い手・長月隼人である。そんな父子のもとに、日本橋の両替屋に押し込みが入り、二千両が奪われ、奉公人五人が惨殺されたとの報が入った。三月ほど前に別の両替屋を襲ったのと同じ賊による所業と睨み、さっそく動き出した隼人について、菊太郎も探索に加わることとなる。幼いころから父の背中を見て剣術の腕を磨いてきた菊太郎は、父と共に、慣れない仕事に体当たりで挑んでいく!「剣客同心親子舟」シリーズ、堂々の第一作。
  • 夢みるレシピ ゲストハウスわすれな荘
    3.9
    ここは東京の下町、山谷と呼ばれるかつてのドヤ街。日雇い労働者が姿を消し、いま安宿を求めて訪れるのは、外国人旅行客と留学生たち。家族とはうまくいかないし恋も不調、自分を抑えて生きてきた、そんな千花が故郷を飛びだし辿り着いたのは、マイペースなオーナーと、しっかり者の翔太が経営するゲストハウス「わすれな荘」。個性豊かな住人たちとの賑やかな日常に、千花の心もほぐれていく。でもみんな、それぞれに事情を抱えているようで……。とびきり温かで美味しい、ひと冬の物語。オリジナルレシピ付き。
  • 月神
    3.4
    明治十三年、福岡藩士出身の月形潔は、集治監建設のため横浜港から汽船で北海道へと向かった。その旅のさなか、亡き従兄弟の月形洗蔵を想った。尊王攘夷派の中心となり、福岡藩を尊攘派として立ち上がらせようとしていた洗蔵。だが、藩主・黒田長溥は、尊攘派の台頭を苦々しく思っており、洗蔵は維新の直前に刑死した。時は過ぎ、自分は今、新政府の命令によって動いている。尊敬していた洗蔵が、今の自分を見たらどう思うのか? 激動の明治維新の中で国を思い、信念をかけて戦った武士たちを描く、傑作歴史小説。
  • 幻想古書店で珈琲を
    完結
    3.7
    全8巻528円 (税込)
    大学を卒業して入社した会社がすぐに倒産し、無職となってしまった名取司が、どこからともなく漂う珈琲の香りに誘われ、古書店『止まり木』に迷い込む。そこには、自らを魔法使いだと名乗る店主・亜門がいた。この魔法使いによると、『止まり木』は、本や人との「縁」を失くした者の前にだけ現れる不思議な古書店らしい。ひょんなことからこの古書店で働くことになった司だが、ある日、亜門の本当の正体を知ることになる――。切なくも、ちょっぴり愉快な、本と人で紡がれた心がホッとする物語。
  • 共犯レクイエム 公安外事五課
    3.8
    杉並書少年係の女性刑事・篠原早紀は、強盗未遂事件の捜査で担当した被疑者の少年を殺され苦悩していた。そんな中、突然公安である警視庁外事五課へと異動になり、癖のあるメンバーとともに、東欧スパイの監視を開始する。同課の風間律子を目標としていた早紀は五課課長・常川から律子の内偵を命じられる。早紀の異動は、五課内に潜む裏切者炙り出しのためだった。東欧のスパイハントの傍ら、公安部内の黒い影を彼女は払うことができるか……。傑作スパイサスペンスの登場。
  • 傾国 公安捜査
    -
    1~3巻737円 (税込)
    神奈川県警公安の螢橋正嗣は、警察庁警備局長の田中一郎の指示で、特捜班の一人として動いていた。公安事案の闇を暴いてきた螢橋は、巨大な警察利権と警察の正義の狭間で、田中の指示を完遂することだけを決意した。そのさなか、殺人の捜査で動いていた捜査一課の鹿取信介と一年半ぶりの再会を果たす。二人は、公安事案、殺人事案、それぞれの立場から真の敵に立ち向かっていく。書き下ろしで贈る、ファン待望の「公安捜査」シリーズ、ここに復活!
  • 公安捜査
    3.5
    1~3巻712~817円 (税込)
    渋谷と川崎で相次いで起こった殺人。被害者は会社社長・松原と渋谷署刑事坂東。詐欺・贈収賄などの疑惑が囁かれていた松原だが、常に追及の手をかわしていた。事件直後警察に届いた、松原と内通していた警察関係者のリストの中には殺された坂東の名が――。北朝鮮への不正送金疑惑に関連して松原に接触していた公安刑事・螢橋は事件の背後関係に迫るのだが・・・・・・。警察内部の腐敗と不正送金問題に鋭くメスを入れる、迫真の警察小説。 (解説・関口苑生)
  • 航空自衛隊 副官 怜於奈
    3.6
    1~4巻704~770円 (税込)
    二年前、沖縄那覇基地に転属してきた幹部自衛官の斑尾怜於奈は異動時期を迎えていた。その彼女に下ったのは、思ってもみなかった南西航空方面隊司令官付き「副官」の辞令。副官は激務として知られると同時に優秀と評価される者が就くポジションだが、その仕事内容を知らない彼女を待っていたのは……。元幹部自衛官で、自らも副官を経験した著者が「自衛隊が直面するトラブルと人間模様」を描く、新しい自衛隊小説の誕生!
  • 初午いなり 木挽町芝居茶屋事件帖
    3.8
    最福神社門前の茶屋「たまや」を切り盛りする母を手伝いながら、明るく元気に暮らしていた娘・すず。母娘で営む茶屋は、丁寧に作られた甘味と季節の蕎麦がうまいと客の評判も上々だ。ところが一年前の春、隅田川沿いの桜を見物に行って以来、すずはどんな医者も原因がわからぬ不調に苦しむようになった。最後の望みをかけ評判の医者の元へ向かう道すがら、具合が悪くなったすずは、宇之助と名乗る謎の占い師に助けられて……。口福を満たす甘味や蕎麦とぴたりと当たる占いが明日への幸せを呼ぶ、時代小説の新シリーズ開幕!
  • 跡とり娘 小間もの丸藤看板姉妹
    完結
    3.0
    江戸の真ん中、日本橋伊勢町の小間物商「丸藤」は、紅やおしろい、櫛やかんざしなど、きらびやかな品揃えが自慢の大店だ。その「丸藤」の娘ふたりのうち、幼いころから病弱で品川で暮らしていた姉の里久が、年頃を迎え、家族のもとに戻ってきた。ところがその里久、漁師町の暮らしにすっかり染まり、まっすぐな物言いと大店の娘らしからぬ立ち居振る舞いで、実の母も妹・桃も戸惑うばかり。だが、里久の底抜けの前向きさが、閑古鳥が鳴き始めていた店を少しずつ変えていって──。おてんばな姉と小町娘の妹、看板姉妹の物語。
  • 怖い人1
    完結
    3.5
    全2巻607~660円 (税込)
    幽霊よりも身近で、怨霊よりも執念深いモノ。それは身近にいる恐るべき隣人たちです。酒乱の元ヤンキーが起こす深夜の暴力、カルト宗教信者からの執拗な勧誘、あなたを昼夜見つめる知人のストーカー行為、美容整形に同伴を頼む友人との交友……。霊界に近寄らずとも平穏を脅かす恐怖に日常生活は包まれている! 「Popteen」連載分と、本書のために書き下ろされたとっておきの短編を収録した、超恐怖体験の一冊。あなたはもう誰も信じられない。
  • 怖い本1
    完結
    3.9
    全10巻660~726円 (税込)
    祭りの夜の留守番、裏路地の影、深夜の電話、風呂場からの呼び声、エレベーターの同乗者、腐臭のする廃屋、ある儀式を必要とする劇場、墓地を飲み込んだマンション、貰った人形……。ある人は平然と、ある人は背後を頻りに気にしながら、「実は……」と口を開いてくれた。その実話を、恐怖体験コレクターの著者が厳選。日常の虚を突くような生の人間が味わった恐怖譚の数々を、存分にご賞味いただきたい。
  • 今夜も愉快なインソムニア
    4.3
    ある医療事故を契機に不眠症にかかってしまった外科医の俺は、昼間に強烈な睡魔に襲われることからミスを連発し、ここ一年メスを握っていない。症状を改善するため通っていた睡眠障害専門の診療所の臨時医をなぜか引き受けてしまった結果、俺は様々な事件(連続殺人鬼や外国スパイなど)に巻き込まれることに……。手術場に立てない元外科医の俺の未来はどっちだ!? 「このミス!」大賞出身作家が描く、コミカル&スピーディーなミステリをどうぞ!
  • 今夜も愉快なナイトメア
    3.5
    医師の俺は不眠症に陥る契機となった医療事故の真相を暴いた後も、臨時だと考えていた睡眠医を続けていた。人生の転機となった睡眠クリニックで新たに出会ったのは、夫に殺される夢ばかり見る女をはじめ、悪夢を見る患者たちだった。そして俺も悪夢を見てしまうようになるのだが……手術場に立てなくなった元外科医の運命は、ますます不穏な方へ!? 中毒読者が続出! 絶好調のコミカル&スピーディーなミステリ。
  • 号外! 幕末かわら版
    4.0
    嘉永六年(1853)江戸。好奇心たっぷりの銀次と絵師の歌川芳徳は、妖怪伝説やゴシップネタなどを追う、低俗なかわら版を売りさばいて人気を博していたが、浦賀に来た黒船を見に行き、勢いで乗り込んだことがきっかけで人生が変わる。江戸一番の物知りと評判が高い佐久間象山に師事し、勝麟太郎や坂本龍馬、吉田松陰、西郷吉之助など、様々な幕末の英雄と出会い、大地震や大火災、死の疫病をかわら版で報じるうちに、銀次は報道の使命に目覚め、弱き大衆のために立ち上がる。 幕末の動乱の中で、真実(たまに嘘)を追い求めるかわら版屋を描いた、痛快時代小説!!
  • 極道保育 わんわん保育園は今日もにぎやか
    3.0
    1~2巻748~792円 (税込)
    無職の元ヤクザ小柳徹は人生初の一目ぼれで恋に落ちた。その相手はわんわん保育園に勤めるやすみ。小柳は猛アタックの末、彼女と結婚し保育士を目指すものの、刑務所を出所したばかりだったため用務員をすることに。カタギの生活に慣れない元ヤクザになぜか園児たちは懐き、彼も子供たちの笑顔を守るため、様々なトラブルを陰で解決するようになり……。警察小説大賞受賞作家が描く、痛快エンタメ小説!
  • サイドキック
    完結
    3.0
    全1巻704円 (税込)
    警視庁青山中央署の刑事課には、二人の名物刑事がいる。一人はチョビ髭で、頭部も薄い中年刑事・三木本鶴麿。もう一人は長身でスレンダーだが、キレたら恐ろしい最強美人刑事・御前静香。鶴麿はどこからどう見ても冴えないただのおっさんだが、いつもミラクルを起こし事件を解決に導く。そんな鶴麿に静香はぞっこんで、二人の関係は、青山中央署の七不思議のひとつだ。そんな中、青山の宝石店で強盗殺人事件が発生し、名物凸凹コンビが捜査に乗り出した――。傑作エンタテインメント警察小説。
  • サイファー・ピース・ダンサーズ
    -
    遊間悠一郎は中学三年の夏、NYで開催されたダンスバトル、世界最強を決めるB-BOYの祭典で世界一に登り詰めた。嵐のような祝福の中、彼は自らの才能のなさに打ちのめされていた。帰国した悠一郎は、父の死と母の転勤に伴う福岡への転居を機にダンスをやめた。県内有数の進学校で勉強に励む悠一郎は、学内のテストで一番を取り続ける日向あかりと巡り合う。その出会いが彼を再びダンスへ誘う……。ビートに乗せてダンスが炸裂する青春小説。熱く、疾く、クールに。電撃小説大賞受賞&元ストリートダンサーの著者が描く高校生ダンサーズ!
  • 鷺の墓
    3.7
    藩主の腹違いの弟・松之助警護の任についた保坂市之進は、周囲の見せる困惑と好奇の色に苛立っていた。保坂家にまつわる因縁めいた何かを感じた市之進だったが……(「鷺の墓」)。瀬戸内海の一藩を舞台に繰り広げられる人間模様を描き上げる連作時代小説。「一編ずつ丹精を凝らした花のような作品は、香り高いリリシズムに溢れ、登場人物の日常の言動が、哲学的なリアリティとなって心の重要な要素のように読者の胸に嵌め込まれてくる」と森村誠一氏絶賛の書き下ろし時代小説!
  • ジャベリン・ゲーム サッチョウのカッコウ
    -
    大学教授・武田長博が自宅で何者かに殺害された。日本の公安内部に張り巡らされたロシアのスパイ網壊滅を目的とし、CIAが立案した「クロー・ハンマー」の要が長博だった。彼の息子・穰は殺人者を追うためCIAに入局し、スパイとして警察庁に潜入する。その七年後――ウクライナ侵攻の影響で供給不足となっている歩兵携行式多目的ミサイル「ジャベリン」が30基、太平洋で所在不明になる事態が勃発。ロシアの暗躍が噂される中、このジャベリンが日本国内に持ち込まれるのを阻止する命令が穰に下る……。緊迫のエスピオナージ・アクション開幕!「水面下で展開される迫真の国際諜報戦。著者は本書により作家として大きく躍進した」——ミステリ評論家・千街晶之氏、絶賛!
  • 殺人都市川崎
    完結
    3.4
    治安が悪く、地獄のような街で地べたを這いずって暮らしていると考えていた俺は間違っていた。出会ったら命がないと言われる、伝説の殺人鬼・奈良邦彦。本当の地獄は、あいつとの出会いから始まった。彼女を、そして両親を殺された俺は、それからも執拗に奈良に狙われ続け……。41歳の若さで急逝した天才作家・浦賀和宏氏最大の問題作、最期の挑発&最後の小説。
  • サファイア
    完結
    3.9
    全1巻693円 (税込)
    あなたの「恩」は、一度も忘れたことがなかった――「二十歳の誕生日プレゼントには、指輪が欲しいな」。わたしは恋人に人生初のおねだりをした……(「サファイア」より)。林田万砂子(五十歳・主婦)は子ども用歯磨き粉こ「ムーンラビットイチゴ味」がいかに素晴らしいかを、私に得々と話始めたが……(「真珠」より)。人間の摩訶不思議で切ない出逢いと別れを、己の罪悪と愛と夢を描いた傑作短篇集。(装画・清川あさみ 解説・児玉憲宗)
  • 三国志 一の巻 天狼の星
    4.2
    時は、後漢末の中国。政が乱れ賊の蔓延る世に、信義を貫く者があった。姓は劉、名は備、字は玄徳。その男と出会い、共に覇道を歩む決意をする関羽と張飛。黄巾賊が全土で蜂起するなか、劉備らはその闘いへ身を投じて行く。官軍として、黄巾軍討伐にあたる曹操。義勇兵に身を置き野望を馳せる孫堅。覇業を志す者たちが起ち、出会い、乱世に風を興す。激しくも哀切な興亡ドラマを雄渾華麗に謳いあげる、北方〈三国志〉第一巻。

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  • 地獄小僧 三人佐平次捕物帳
    続巻入荷
    4.0
    1~16巻733~748円 (税込)
    世間での岡っ引きの悪評を憂いていた同心・井原伊十郎は、美人局の罪で捕まえた三兄弟、頭は切れるが悪人面の平助、力だけは人並み以上の次助、女も敵わぬ美貌の佐助を、岡っ引きとして売り出すことを思い付く。罪を問わぬ代わりに、三兄弟に「佐平次親分」を名乗らせ、その評判を上げさせようと考えたのだ。同じ頃、大店に押し込んでは皆殺しにして金品を奪う「地獄小僧」が治安を脅かしていた。三人で一人の佐平次は、この凶行を止めることができるだろうか?
  • サーベル警視庁
    3.8
    1~2巻704~748円 (税込)
    明治三十八年七月。国民が日露戦争の行方を見守るなか、警視庁第一部第一課の電話のベルが鳴った──。殺された帝国大学講師・高島は急進派で日本古来の文化の排斥論者だという。同日、陸軍大佐・本庄も高島と同じく、鋭い刃物で一突きに殺されたとの知らせが……。第一課は、伯爵の孫で探偵の西小路や元新選組三番隊組長で警視庁にも在籍していた斎藤一改め、藤田五郎とともに捜査を進めていくが──。警察小説の第一人者・今野敏、初の明治警察小説。(解説・西上心太)
  • ザ・ヒート
    -
    名簿屋の小泉準也はカネ儲けのためなら何でもやる。小泉が扱う情報は入手元の痕跡を完全に消し去り、犯罪に使う可能性がある相手にもでも売るため、裏社会でも重宝されていた。ある日、地下鉄駅構内で暴行傷害事件が発生した。その事件の犯人を知っているというコンビニ店員の高島秀一と知り合った小泉は、金の匂いを嗅ぎつけ調査を始める。しかし犯人が何者かに殺害され、調査をしていた小泉も容疑者のひとりとなってしまう――。「公安捜査」シリーズの著者が満を持して贈る、傑作ハードボイルド小説。
  • 史記 武帝紀(一)
    完結
    4.0
    匈奴の侵攻に脅かされた前漢の時代。武帝劉徹の寵愛を受ける衛子夫の弟・衛青は、大長公主(先帝の姉)の嫉妬により、屋敷に拉致され、拷問を受けていた。脱出の機会を窺っていた衛青は、仲間の助けを得て、巧みな作戦で八十人の兵をかわし、その場を切り抜けるのだった。後日、屋敷からの脱出を帝に認められた衛青は、軍人として生きる道を与えられる。奴僕として生きてきた男に訪れた千載一遇の機会。匈奴との熾烈な戦いを宿命づけられた男は、時代に新たな風を起こす。北方版『史記』、待望の文庫化。(解説・鶴間和幸)
  • 下町洋食バー高野 捨て猫のプリンアラモード
    4.0
    1~2巻748~858円 (税込)
    オリンピックまで二年、昭和三十七年の東京。十七歳の郷子は、二年半前に集団就職で上京したものの、劣悪な労働環境から工場を逃亡した。そのまま上野駅でうろうろしていたところを、浅草にある「洋食バー高野」のおかみ・とし子に拾われ、そこで働くことに。美味しく温もりあふれる絶品料理と、一緒に働く人々や、訪れるお客さんに出会い、郷子は新しい“仲間”と“居場所”を見つけていく──。下町の社交場「洋食バー高野」を舞台に描く、少女の上京物語。
  • 屍人の時代
    3.7
    女優志望の緋口結衣子は、終戦直後の零戦を巡る恋愛映画の主演に選ばれる。しかし何者かによって脚本はおろか連絡先のメモまで奪われ、映画自体の企画が無かったことにされてしまう。不可解な状況の中、彼女の前に現れたのは呪師霊太郎と名乗る貧相な若者だった(「零戦の時代」より)。戦後の北海道を放浪する謎の探偵・呪師霊太郎――時を経て、なお姿を現す不思議な探偵が遭遇した4つの不可思議な事件とその解決を描く。本来発売されることの無かった幻の書籍まさかの発売。『人喰いの時代』の衝撃再び。
  • 衝天の剣 島津義弘伝(上)
    完結
    4.4
    規格外の戦略と勇猛果敢な薩摩魂で戦国最強と謳われた島津四兄弟。その中でも次男・義弘は、ひときわ光彩を放つ武力をもっていた。しかし九州制覇を目前に控えた四兄弟の前に立ちはだかった天下人・豊臣秀吉の大軍に抗しきれず、島津家は豊臣の軍門に降った。その後、明国征服を目論んだ秀吉の命により朝鮮、明国侵攻が目前に迫る。生きて薩摩の地へ帰れるかさえわからない。しかしそれでも行かねばならない、島津家存続のために。そして朝鮮へと出兵した義弘は、明軍との壮絶な死闘を繰り広げることになる──。(全二巻)
  • 修学旅行は世界一周!
    完結
    3.0
    全1巻726円 (税込)
    一人で世界一周に出ることになった。普段は引き籠もりがちな彼にとって、初めての海外が世界一周とは、暴挙ともいえる大冒険だが、オンラインゲーム上の〝親友BOB〟の誘いに乗ってしまったのだ。旅行のやり方そのものが分からないカケルにとって、すべてが初体験、刺激たっぷりの旅が始まる! 人気・旅行作家が描くドキドキ満載の初小説。
  • 少年時代
    5.0
    町を歩くチンドン屋のシゲさんが吹くサキソフォンの音色に惹かれ、彼についていった僕。シゲさんは僕に、“あきらめないこと”の大切さを教えてくれた。ある日、町で殺人事件が起きて……(「天の川の預かりもの」より)。その他、アクの強い両親のもと犬を飼い始めた少年、柔道部での上下関係に揉まれる少年……大人の世界の理不尽にさらされながらもひたむきに生きる、ピュアな彼らの成長を描く。昭和の香り漂う懐かしい時代の風景から予想外の展開が待ち受ける、書き下ろしの連作小説(解説・池上冬樹)
  • 食堂つばめ
    完結
    3.5
    全8巻594~638円 (税込)
    生命の源は、おいしい食事とまっすぐな食欲! 「食堂つばめ」が紡ぎ出す料理は一体どんな味!? 謎の女性ノエに導かれ、あるはずのない食堂車で、とびきり美味しい玉子サンドを食べるという奇妙な臨死体験をした柳井秀晴。自らの食い意地のおかげで命拾いした彼だったが、またあの玉子サンドを食べたい一心で、生と死の境目にある「街」に迷い込む。そして、料理上手だがどこかいわくありげなノエに食堂を開くことを提案して――。大人気「ぶたぶた」シリーズの著者が贈る、書き下ろし新シリーズ第一弾!
  • 食堂のおばちゃん
    4.0
    1~15巻660~748円 (税込)
    焼き魚、チキン南蛮、トンカツ、コロッケ、おでん、オムライス、ポテトサラダ、中華風冷や奴……。佃にある「はじめ食堂」は、昼は定食屋、夜は居酒屋を兼ねており、姑の一子と嫁の二三が、仲良く店を切り盛りしている。心と身体と財布に優しい「はじめ食堂」でお腹一杯になれば、明日の元気がわいてくる。テレビ・雑誌などの各メディアで話題となり、続々重版した、元・食堂のおばちゃんが描く、人情食堂小説。(著者によるレシピ付き)。
  • 食堂メッシタ
    4.2
    ミートソース、トリッパ、赤牛のロースト、鶏バター、アンチョビトースト……美味しい料理で人気の目黒の小さなイタリアン「食堂メッシタ」。満希がひとりで営む、財布にも優しいお店だ。ライターの笙子は母親を突然亡くし、落ち込んでいた時に、満希の料理に出会い、生きる力を取り戻した。そんなある日、満希が、お店を閉めると宣言し……。続々重版の大人気シリーズ「食堂のおばちゃん」の著者が放つ、料理と愛の物語。
  • 血脈 新・剣客太平記(一)
    完結
    3.5
    直心影流の継承者を決める大仕合から四年。三田に剣術道場を構える峡竜蔵は幼馴染である綾を妻に迎え、その翌年には長男・鹿之助を授かっていた。順調に門弟も増え、賑わいを見せる峡道場。そんなある日、綾は、竜蔵が幼い頃から生活の面倒をみてきた内弟子・雷太の様子にどこか翳りがあることに気づく。いつもは明るく道場の人気者、雷太の変化の理由とは……。夫となり父となっても己が剣の道を生きる峡竜蔵が、今度は信愛する弟子たちを厳しく温かく育てていく――。大好評「剣客太平記」シリーズ、新たなる始動。
  • 初陣 新剣客同心親子舟
    3.0
    八丁堀同心の長月菊太郎は、今年で二十歳。四年前、直心影流の達人だった父が隠密廻りの役職から身を引いたのを機に、南町奉行所本勤に抜擢され、日々勤めに励んでいた。そんなある日菊太郎のもとに、日本橋本町の呉服屋に押し込みがあり、手代が殺されたと報せが届く。勇んで探索に乗り出す菊太郎。その数日後、南町奉行の遠山より菊太郎と隠居の父・隼人に呼び出しがあった。鬼隼人の異名をとっていた隼人にも探索に加わってほしいというのである。親子で江戸の悪を追う〈新剣客同心親子舟〉シリーズ、堂々の第一作。
  • 神剣 人斬り彦斎
    3.3
    嘉永三年(一八五〇)、九州肥後の熊本藩、御花畑表御掃除坊主の河上彦斎は、師・宮部鼎蔵を訪ね、尊敬する吉田松陰と、生涯にわたり惹かれ合う女性・由依と出会う。彦斎は日本を守るため厳しい県の修行をし、尊攘派の志士として次々と佐幕派の者たちを喪っていく。しかし彦斎の願いむなしく、明治新政府はこの国を西洋に屈服させてしまうように思えた。抵抗した彦斎は……。尊攘派の志士として激烈な活動を行い、「人斬り彦斎」として恐れられた漢・彦斎の苛烈な人生と志を描く、傑作長篇歴史小説。(解説・佐藤賢一)
  • 新公安捜査
    完結
    3.4
    全3巻680円 (税込)
    都庁で爆発事件が発生。都知事、石橋太郎の檄文を聞き、警視庁の捜査会議は色めき立った。都民の人気は絶大だが、企業や営利団体の反感を買っている都知事。捜査一課強行犯三係の児島要は、鹿取警部補のアドバイスを受けて、都知事との面談に向かう。一方、神奈川県警公安二課の蛍橋政嗣は、かつて捜査対象者だった男の白骨死体の発見で、一人新島を訪れていたのだが・・・・・・。北朝鮮シリーズに次ぐ、待望の書き下ろし新シリーズ第一弾!
  • 新・里見八犬伝 上
    完結
    3.0
    名作映画「里見八犬伝」の原作が時を超えて蘇る──室町の世、手柄を挙げた飼犬・八房の妻になった安房里見家の伏姫。姫を八房からとり戻そうとした家来の手で、命を落としたその体から八つの光の玉が飛び散った。〈仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌〉その玉を持つ運命となった八人の光の戦士たち。彼らと悪の軍団との凄絶な戦いが、今始まる! 『南総里見八犬伝』をベースにしながらも波乱のドラマを加え、大きく変身させた疾風迅雷の大伝奇エンターテインメント・ノベル。〈全2巻〉
  • 心中しぐれ吉原
    4.0
    蔵前の札差・大口屋文七の女房みつが、桜が満開の頃、出逢茶屋で役者と心中した。しかし文七は、女房の不貞を信じられず、無理に殺されたに違いないと自ら探索をはじめる。一方、大口屋の大旦那が、〈花魁・瀬川に惚れさせた男に自らの持っている貸し金の証文を全部くれてやる〉と、文七たち八人の分家の主に宣言したが……。妻を亡くした文七の無念とそれを支える瀬川との、まっしぐらな愛と心中事件の驚きの真相を描く著者渾身の傑作長篇。(解説・縄田一男)
  • 一日一生 新宿歌舞伎町駆けこみ寺
    -
    私自身、生まれついてのマイノリティ。世間からも肉親からも蔑まれ、疎まれてきた。そんな宿命と対峙し運命に抗い続けてきた経験を生かすことができる場所。それが新宿救護センターだと考えた。  私に生存意義はあるのだろうか。  私の使命はなんなのだろうか。  悩みを抱え、駆け込んでくる人たち。彼らの悩みこそが、天が人の口を借りて、私の生存意義を教えてくれている姿に他ならないのではないか。その使命に耳を傾けなければ、天は早々に私を天に戻すに違いない。そう思った。 ――「はじめに」より 笑福亭鶴瓶氏も絶賛!ベストセラー「新宿歌舞伎町駆けこみ寺」に続く、待望の第2弾。
  • 新宿歌舞伎町駆けこみ寺 解決できへんもんはない
    5.0
    ”俺は命をかけとんのや”――在日韓国人の玄の幼少時代は不幸のどん底だった。中学時代からグレ始め、成人後は、不動産、サラ金……など自ら次々と事業を起こし、鉦の猛者となる。ヤクザとの抗争も絶えなかったが、平成12年白血病ウィルスの一種の感染者であることがわかる……。壮絶な人生の果てに巡り会ったのが、生まれて初めて人を信じられる場所、「新宿救護センター」であった。テレビ、新聞、雑誌などで大反響を呼んだノンフィクション。
  • 三国志 一の巻 天狼の星(新装版)
    続巻入荷
    4.0
    四百年続いた漢帝国は衰退し、崩壊への道を辿っていた。政は乱れ、賊が蔓延る後漢末期の乱世に、ひとりの英傑が立ち上がる。漢の名前は劉備玄徳。義に厚く、漢帝国の復権を目指す劉備の志に賛同し、義兄弟の契りを交わした関羽と張飛とともに、叛乱を起こす黄巾賊との闘いに挑む。新時代を切り開く曹操、呉の礎を築いた孫堅など、群雄割拠の時代を駆け抜けた漢たちを壮大なスケジュールで描く――。 北方謙三の名著「三国志」が装いも新たに「新装版」として登場!! 文字も大きくなって読みやすくなり、往年の三国志ファンも三国志初心者も大満足の一冊。「新装版」第一巻には著者のあとがきを収録。
  • 笑う警官(新装版)道警シリーズ
    4.0
    札幌市内のアパートで、女性の変死体が発見された。遺体は北海道警察本部生活安全部の水村朝美巡査と判明。容疑者には交際相手で同じ本部に所属する津久井巡査部長が浮かぶ。やがて津久井に対する射殺命令までが出た。捜査から外された所轄署の佐伯警部補は、かつておとり捜査で組んだことのある津久井の潔白を証明するため有志たちと極秘裏に捜査を始めるが……。警察小説の金字塔、大ベストセラー「道警シリーズ」第1弾、新装版!
  • 新! 店長がバカすぎて
    3.8
    宮崎の山奥に異動になっていた山本猛元店長が、 三年ぶりに、吉祥寺本店に店長として復帰した。 張り切る店長だが、相変わらず、人を苛立たせる天才だ。しかし京子は、心の中で「お帰りなさい」とつぶやいた。そんな中、本や書店を取り巻く環境はますます厳しくなってきたが、 それでも京子は、新人作家の才能に出逢い、打ちのめされ、 好きな作家の新作に心躍らせ、時には泣き、笑い、怒り、日々戦っています。スタッフの磯田さんや、覆面作家だった大西先生や神楽坂で小料理屋を営む親父さんや、優しき先輩たちに、応援を受けながら――。2020年本屋大賞にノミネートされ、本を愛する人々を興奮と感動に巻き込み大ロングセラーとなり、今なお売れ続けている『店長がバカすぎて』、熱望の第2幕。 今を懸命に生きる私たちの特別な物語。とにかく文句なしに面白い!! 店長、ますますパワーアップ。小説と書店の未来を、仕事の意味を、生きる希望を改めて深く問い直す、第二弾。
  • 親王殿下のパティシエール
    3.5
    華人移民を母に持つフランス生まれのマリー・趙は、ひょんなことから清の皇帝・乾隆帝の第十七皇子・愛新覚羅永璘お抱えの糕點厨師(ガオディアンチューシー)見習いとして北京で働くことに。男性厨師ばかりの清の御膳房で、〝瑪麗〟は皇子を取り巻く家庭や宮廷の駆け引きの中、パティシエールとして独り立ちできるのか!? 華やかな宮廷文化と満漢の美食が繰り広げる、中華ロマン物語。
  • 怪の職安 実録怪談
    5.0
    仕事はあなたを幸せにしてくれていますか? 永年の不況と終身雇用の崩壊が、日本の職場に常ならぬ怨嗟の声を呼び寄せる。古物商に看護師、整体師に不動産業者、漫画家アシスタントにツアーコンダクター……。あらゆる仕事にこびり付く、この世ならざる霊の恐怖は、無防備なあなたの日常生活を後戻りできない闇の世界へと引きずり込む。ホラー界を牽引する気鋭の若手の元に集まってきた、「真夏の職場で鳥肌を立たせる」恐怖の実録短篇集。
  • 百物語 実録怪談集
    完結
    4.0
    全12巻628~733円 (税込)
    筆者が三十年あまりにわたって体験した怪奇譚を、嘘偽りなく本当に百話収録した実録怪談集。これまでの慣例では、百物語を名乗っても九十九話しか収録しない。なぜか? それは、ほんとうに百話収録してしまうと、読み切った時『何かが起こる』からなのだ。そう、この本は決して1日で読んではならない。まして夜になぞ……。
  • 樹海警察
    3.8
    1~2巻748~770円 (税込)
    初任幹部科教育を終え、警部補になった柿崎努は、山梨県警上吉田署という辺鄙な場所、しかも聞いたこともない部署へ配属となった。署長に挨拶も行かず署員からおもむろに渡されたのは、カーキグリーンの軍用ベストやズボン、そして登山靴──。さらに連れて行かれた場所はなんと樹海……!? 栗柄巡査、桃園巡査、そして事務方の明日野巡査長と共に、樹海で見つかった遺体専門の部署・地域課特別室に勤務することに……! 腐乱死体から事件の匂いをかぎ取る!! 書き下ろし樹海警察小説登場。
  • 純喫茶パオーン
    3.6
    創業五十年(おおよそ)の喫茶店「純喫茶パオーン」。トレイを持つ手がいつも小刻みに震えているのに、グラスたっぷり表面張力ギリギリで運ぶ「おじいちゃんの特製ミルクセーキ」と、どんなにお腹がいっぱいでも食べたくなっちゃう「おばあちゃんの魔法のナポリタン」が看板メニューだ。その店主の孫である「ぼく」が小学五年・中学一年・大学一年でそれぞれ出会う不思議な事件と、人生のちょっとした真実。きっとあなたも通いたくなる、心地好さ。
  • 巡査の休日
    3.6
    神奈川で現金輸送車の強盗事件が発生し、犯人の一人に鎌田光也の名が挙がった。鎌田は一年前、ストーカー行為をしていた村瀬香里のアパートに不法侵入したところを小島百合巡査に発砲され、現行犯逮捕された。だが、入院中に脱走し指名手配されたまま一年が経ってしまっていたのだ。一方、よさこいソーラン祭りで賑わう札幌で、鎌田からと思われる一通の脅迫メールが香里の元へ届く。小島百合は再び香里の護衛につくことになるのだが・・・・・・。大人気道警シリーズ第四弾、待望の文庫化。(解説・西上心太)
  • 女子大生つぐみと古事記の謎
    4.0
    大学で古事記を研究する森田つぐみは、ある日、謎の組織に拉致されそうに成り、雑誌記者の犬飼大志郎に助けられる。おまけに見に覚えのない同級生殺しの容疑者として警察からも追われるはめに。なぜつぐみが狙われるのか。二人は逃走を続けながら、その理由を探る。そしてつぐみが、古事記に関するある謎を握っていることを知る。神武天皇と草薙の剣の重大な秘密に迫る、鯨流古代史ミステリー!
  • 神南署安積班
    3.6
    人と犯罪の溢れる街、渋谷。その街を管轄とする警視庁神南署に張り込む新聞記者たちの間で、信じられない噂が流れた。交通課の速水警部補が、援助交際をしているというのだ。記者の中には、真相を探ろうとするものも現れ、署内には不穏な空気が――。刑事課の安積警部補は、黙して語らない速水の無実を信じつつ、彼の尾行を始めるが……。警察官として生き様を描く『噂』他、八編を収録。(解説・香山二三郎)
  • スカイマーシャル
    3.0
    1巻858円 (税込)
    日本から米国に向かういずれかの旅客機に不審者が乗り込み危険行為を行う可能性が高いという情報を得た警視庁は、警備部特務班の2名のスカイマーシャルを14時羽田発ニューヨーク行きの<さくら212便>に搭乗させた。だが離陸から1時間半後、一般客には知られていないクルーバンクで遺体が発見される。いったい何者が、どうやって? 高度1マンメートルの現場で、どこからも援助のない中、スカイマーシャルの孤独な闘いが始まる――。飛行中の機内でテロを排除する特務警察の現実を描く圧巻の警察サスペンス、待望の文庫化!
  • 救いの森
    -
    児童保護救済法が成立し、いじめや虐待、誘拐など、命の危険を感じた時に起動させると児童救命士がかけつける「ライフバンド」の着用が子どもたちに義務づけられた。新米児童救命士の長谷川は、先輩救命士の新堂と「ライフバンド」の検査で出向いた小学校で、わざと警告音を鳴らす少年と出会う。深淵に沈む少年の声を聴くため、長谷川は調査を続けていくと、隠された真実が明らかになっていく──。未来を支える子どもたちを守る、救いと希望の物語。待望の文庫化。
  • すしそばてんぷら
    3.3
    早朝のテレビ番組で、お天気お姉さんをしている寿々は、隅田川のそばで祖母とふたり暮らし。おばあちゃんには、ノシたこ、おにぎらーずなど、おやつまでも作ってもらっていた。そんな彼女が「江戸まちめぐり」ブログを開設することに。浅草の天ぷら、どじょう、うなぎ、寿司、神田のそば、王子の玉子焼きなどと出会い、寿々は料理もお店も街も人も、時間がずっとつながっていることを知り、日々の暮らしと人生の愛しさを感じるのだった。心も身体も幸せな長篇小説。(解説 枝元なほみ)
  • 雀のお宿
    3.0
    山の侘び寺で穏やかな生活を送っている白雀尼にはかつて、真島隼人という慕い人がいた。が、隼人の四年余りの江戸遊学が二人の運命を狂わせる・・・・・・。心に秘やかな思いを抱えて生きる女性の意地と優しさ、人生の深淵を描く表題作ほか、武家社会に生きる人間のやるせなさ、愛しさが静かに強く胸を打つ全五篇。前作『鷺の墓』で「時代小説の超新星の登場」であると森村誠一氏が絶賛。(解説・結城信孝)
  • 雀の猫まくら
    4.0
    締め切りに追われてひたすら仕事の日々を送っている群さんが、編集者のツルタさん、赤門くん、穴くん、口車くんたちといざ、ハワイへ。オアフ島巡りで、こちらの要求を「ムリヨ!」と悉く拒絶する、ムームー姿の老女性アイコ。ショッピングモールのそっくりさんショーで出会った、突っ込みどころ満載の偽マイケル・ジャクソンなどなど。ハワイ珍道中と、群さんの執筆の日々、たまに麻雀とお買い物……の日常を描く、爆笑エッセイ。
  • スタンダップダブル!
    4.0
    三十一歳を目前に北海道支局に「飛ばされ」た、全国紙スポーツ記者の前橋絵里。そこで出会った弱小の神別高校野球部が、旭川支部予選を勝ち上がっていく。彼らの不思議な強さの「秘密」に惹かれた絵里はやがて、ナインが甲子園を目指す特別な「理由」を知る。その中心には、見た目はそっくりで性格が対照的な、エースの青山康一とセンターの健一という双子がいて……。野球を知らなくてもワクワクして元気が出るハートフル・エンターテインメント、待望の文庫化!(解説・大矢博子)
  • ストラングラー 死刑囚の推理
    3.6
    1~3巻748~770円 (税込)
    警視庁捜査一課の箕島朗は、小菅の東京拘置所に向かった。面会相手は死刑囚・明石陽一郎。十四年前に四件の殺人を犯したとされる男である。事件当時大学生だった箕島は、恋人の久保真生子を殺されていた。最近発生した〈ストラングラー〉と呼ばれる犯人による連続殺人は、明石の事件と共通項が多い。懸命に感情を押し殺して尋問する箕島に、明石は驚くべき発言をする。「十四年前の事件は冤罪だ。あんたに、おれの無実を証明する手助けをしてほしい」─。
  • 素晴らしき国 Great Place
    3.0
    戦いは何も生まず、悲しさだけが残り、国はただ荒れ果てていく――。誰もが穏やかで豊かに暮らせるように、戦国時代を文字通り終わらせた者たちがいた。かつて美濃の国と尾張の国の境目、木曽川の支流である二似見川のほとりにあった<いよの国>。その豊かで閉ざされた地には、争いがなく穏やかで豊かな<素晴らしき国>を造るための礎となる人材が育てられていた。そこで育った智慧と力と様々な能力に長けた者たちは、<素晴らしき国>を実現できそうな、国を治める強い力を持った者の元に送り込まれ、その手助けをする。たとえば、織田信長に嫁いだ女や明智光秀のように――。
  • 棲家(新装版)
    3.5
    恋人のために、新しい部屋を探し始めた中内希和は、一軒目に紹介された物件を一目見て気に入ってしまう。それは、風変わりな洋館だった。家賃五万円、赤みの強い錆色をした瓦屋根、動植物を象ったレリーフや幾何学模様のモザイクのある外壁、軒先飾りや破風飾り、フレンチウィンドーのテラス・・・・・・。希和にとって最高の部屋に思えた。さっそく引っ越した希和は恋人を招き、幸せな時間を過ごそうとするのだが――。傑作サスペンス小説。
  • いろあわせ 摺師安次郎人情暦
    3.7
    神田明神下に住む通いの摺師・安次郎。寡黙ながら実直で練達な職人の技に、おまんまの喰いっぱぐれの心配がないと、ついた二つの名は「おまんまの安」。そんな中、安次郎を兄と慕う兄弟弟子の直助が、様々な問題を持ち込んでくる。複雑に絡み合い薄れてしまった親子の絆、思い違いから確執を生んでしまった兄弟など……安次郎は否応なしに関わっていくことに――。五つの摺りの技法を軸に、人々が抱え込む淀んだ心の闇を、澄み切った色へと染めていく。連作短篇時代小説、待望の文庫化。(解説・北上次郎)
  • スリープ
    3.8
    テレビ番組の人気レポーター・羽鳥亜里沙は、中学卒業を間近にした二月、冷凍睡眠装置の研究をする〈未来科学研究所〉を取材するために、つくば市に向かうことになった。撮影の休憩中に、ふと悪戯心から立ち入り禁止の地下五階に迷い込んだ亜里沙は、見てはいけないものを見てしまうのだが……。どんでん返しの魔術師が放つ傑作ミステリー、待望の文庫化! (解説 香山二三郎)
  • 晴明の事件帖 消えた帝と京の闇
    3.8
    1~5巻792~836円 (税込)
    新築した邸が火災に見舞われた藤原実資の前に現れたのは、京の都で最も優れた力を持つ陰陽師・安倍晴明。有職故実に秀でた実資は、晴明の言葉にできない魅力にひかれて行動を共にしながら、彼と遭遇した不可解な事件を日記に綴っていくことを決意する。そんな折、二人と帝に、最大の敵となる蘆屋道満の呪が迫ってくる……。期待の新シリーズ登場!
  • セブン
    完結
    3.6
    全1巻638円 (税込)
    一見シンプルなトランプの数当てゲームが、生死をかけた心理バトルへと変貌する「ラッキーセブン」ほか、時間を何度もワープする男の話――「TLP49」、超ショート・ショート――「一男去って……」、戦場で捕らえられた兵士の生き残り作戦とは――「ユニーク・ゲーム」などロジカルな企みに満ちた七つの物語。トリッキーな作品世界に二度読み三度読み必至の驚愕の短編集。
  • 戦渦の神宝
    4.0
    昭和二〇年夏、敗色濃厚な太平洋戦争末期、考古学を研究していた大学生・外園武志は、帝国考古協会へ呼ばれ、三種の神器と並ぶ神宝・十種瑞宝の探索を命じられる。陸軍はその霊力を使い、戦局の挽回を図ろうとしていた。信長に奪われたともいう宝を探す最中、武志は『神事本紀』という古書に巡り合う。それには知られざる宗教の歴史と瑞宝の軌跡が記されていた。彼は巫女見習いの弓月眞理依や謎の男・煙藤四郎と古代の謎を追い求めるのだが……。傑作歴史冒険ミステリーの登場!
  • 先祖探偵
    3.7
    ひとりでも寂しくない。 私はもっと、強くなれる――。 「あなたのご先祖様を調査いたします」 風子は、母と生き別れてから20年以上、 野良猫のように暮らしてきた。 東京は谷中銀座の路地裏で、探偵事務所を ひらいている。 「曾祖父を探してください」「先祖の霊のたたりか もしれないので、調べて」など 様々な、先祖の調査依頼が舞い込む。 宮崎、岩手、沖縄…… 調査に赴いた旅先で美味しい料理を楽しみながら、 マイペースで仕事をしている風子。 いつか、自らの母を探したいと思いながら―― 大人気作家による「探偵小説」の傑作が、ここに誕生。待望の文庫化。
  • 先祖探偵
    3.6
    ひとりでも寂しくない。 私はもっと、強くなれる――。 「あなたのご先祖様を調査いたします」 風子は、母と生き別れてから20年以上、 野良猫のように暮らしてきた。 東京は谷中銀座の路地裏で、探偵事務所を ひらいている。 「曾祖父を探してください」「先祖の霊のたたりか もしれないので、調べて」など 様々な、先祖の調査依頼が舞い込む。 宮崎、岩手、沖縄…… 調査に赴いた旅先で美味しい料理を楽しみながら、 マイペースで仕事をしている風子。 いつか、自らの母を探したいと思いながら―― 大人気作家による「探偵小説」の傑作が、ここに誕生。
  • 絶望の歌を唄え
    3.8
    元警視庁公安部外事三課の警察官・安宅真。彼は十年前、東南アジアへPKO派遣された際、過激派による自爆テロで、死の恐怖を味わった。その後は警察官を辞め、ひとり喫茶店を営んでいた。しかしある日、店のある東京・神保町で爆弾テロが発生。それを機に、安宅の周りで異様な出来事が起こり始める。警察の捜査を攪乱する謎の女の出現、殺人、二度目の爆弾テロと犯行声明……。もうこの国には、安全な場所など残されていないのか⁉(解説・藤田香織)
  • ゼロ打ち
    4.0
    「ゼロ打ち」とは選挙の開票開始直後、開票率0パーセントに近い時点で特定候補者の当選確実を報じること――。 大和新聞の社会部記者・片山芽衣は、唐突な解散後の衆議院選挙で、選挙報道センターに配属された。担当は激戦区の東京一区。そんなある日、片山は取材中に「ある都議会議員の不審死」を知ることに。一方、国会議員の秘書歴十年の中村は、同じく民政党東京一区の新人・大学教授である若宮の事務所の応援に駆り出された。苦しい選挙戦のなか、若宮の女性スキャンダルがネットで拡散され…… 小説でしか描けない政界の暗部とマスコミとの危険な癒着。ノンストップエンターテインメント。
  • 総合商社 特命班
    5.0
    1~2巻770~836円 (税込)
    「もうお終いだ。俺もお前も。今から二人でここから飛び降りる?」 ──二〇一九年十二月三十一日十六時十六分──大手町にそびえる高層ビルNFタワー、総合商社・永福商事の本社ビル三十六階。入社十年の池畑大樹は、鬼気迫る表情で同期の青山仁に強く迫っていた。アメリカ、アジアなど海外赴任も多く、最前線で活躍していた二人に、一体何が起きたのか? 日本の未来は? 働くということは? 幸福とは? を問うノンストップエンターテインメント。令和の新企業小説。
  • 捜査一課 警部補 児島要
    完結
    4.0
    全3巻712~733円 (税込)
    桜の花も散った四月。神楽坂の一軒家で殺人事件が発生し、一報を受けた警視庁捜査一課の児島要警部補は現場へ急行した。被害者・岩崎康介の全身には六箇所の刺し傷があり、怨恨の線が疑われた。児島は同僚の立山加奈子巡査部長と捜査にあたることとなり、第一発見者でもある被害者の妻・岩崎桃子への事情聴取へと向かうのだが……。「公安捜査」シリーズの著者が書き下ろしで贈る、迫真の警察小説!
  • そこにはいない男たちについて
    3.5
    愛する夫を喪った女と、夫が大嫌いになった女──夫を突然亡くし、しばらく料理教室をお休みにしていた実日子(三十八歳)。ようやく再開した教室に、女友達に紹介されて初めて参加したまり(三十八歳)は、 夫とうまくいっていないのだと皆の前でいうが──料理教室を舞台にしたふたりの「妻」の孤独と冒険の物語。各メディアで絶賛され続々重版した長編小説、待望の文庫化。(解説・原田ひ香)
  • 蘇鉄の女
    4.0
    化政文化華やかりし頃、瀬戸内の湊町・尾道で、花鳥風月を生涯描き続けた平田玉蘊。楚々とした美人で、一見儚げに見えながら、実は芯の強い蘇鉄のような女性。頼山陽と運命的に出会い、お互いに惹かれ合うが、添い遂げることは出来なかった・・・・・・。激しい情熱を内に秘め、決して挫けることなく毅然と、自らの道を追い求めた玉蘊を、丹念にかつ鮮烈に描いた、気鋭の時代小説作家によるデビュー作、待望の文庫化。
  • 某には策があり申す 島左近の野望
    4.0
    「天下の陣借り武者、島左近、死ぬまで治部殿の陣に陣借り仕る」――筒井順慶の重臣だった島左近は、順慶亡き後、筒井家とうまくいかず出奔。武名高き左近には仕官の話が数多く舞い込むが、もう主君に仕えるのはこりごりだと、陣借り(雇われ)という形で、豊臣秀長、蒲生氏郷、そして運命の石田三成の客将となる。大戦に魅入られた猛将は、天下を二分する関ケ原の戦いでその実力を発揮する! 従来の「義の人」のイメージを塗り替えた新たな島左近。期待の歴史作家による渾身の作品。(解説・細谷正充)
  • 存在しない時間の中で
    4.0
    世界各国から研究者や大学院生が集まっている天文数物研究機構。ある日、若手研究者たちが主宰するセミナーに謎の青年が現れ、ホワイトボード二三枚に及ぶ数式を書き残して姿を消した。誰も見たこともないその数式は、この宇宙そして世界の設計図を描いた〈何ものか〉が存在する可能性を示唆していた。人類は〈神の存在〉に沸き立ち、アクセスを試みる。そして、その日から現実が大きく変わることになる……。「この世界にシナリオが存在したら、あなたはどう生きますか?」を問いかける衝撃作! 作家・早見和真氏が「『一気読みしたら負け』。プロになってからずっとそう思っていた僕が、一晩で読まされてしまいました」と絶賛したSFミステリー。
  • 存在しない時間の中で
    3.8
    世界各国から百名以上の研究者や大学院生が集まり、宇宙の始まりや仕組みなどの疑問に答えるべく日夜研究に取り組んでいる天文数物研究機関。ある日、若手研究者たちが主宰するセミナーに謎の青年が現れ、ホワイトボード23枚に及ぶ数式を書き残して姿を消した。誰も見たこともないその数式には、人類の宇宙観を一変させかねない秘密が隠されていた。つまりその数式は、この宇宙、そして世界の設計図を描いた<何ものか>が存在する可能性を示唆していたのだ。悪戯のように思えるこの不可思議な出来事は、日本だけなく世界中23もの研究機関で発生していた。にわかに<神の存在>に沸き立つ世界。ほどなく人類は、<神の存在>にアクセスしようと試みる。そして、その日から現実は大きく変わることになる――。『嫌われ松子の一生』『百年法』の著者が、生きることの根源的な意味を問う〝いま読むべき物語〟の誕生。 「この世界は何ものかが創ったものだ」と証明されてしまったら、あなたはどうしますか?
  • 造花の蜜(上)
    4.0
    歯科医の夫と離婚をし、実家に戻った香菜子は、その日息子の圭太を連れ、スーパーに出かけた。偶然再会した知人との話に気をとられ、圭太の姿を見失った香菜子は、咄嗟に“誘拐”の二文字を連想する。息子は無事に発見され安堵したのも束の間、後に息子から本当に誘拐されそうになった事実を聞かされる。――なんと犯人は「お父さん」を名乗ったというのだ。そして、平穏な日々が続いたひと月後、前代未聞の誘拐事件の幕が開く。各紙誌で絶賛を浴びたミステリの最高傑作。
  • タイムメール
    3.3
    どうしてあのとき彼女に告白しなかったのだろう? 大学四年の一条裕也は、一年生の時に同級生の女性を好きになったが告白できずなかった。その後、彼女はサラリーマンと泥沼の不倫に陥ってしまう。ある日、裕也のスマホに一通のメールが届いた。「過去の自分に一度だけメールを送れるとしたら、あなたはいつの自分に、どのようなメールを送りますか?」。過去を悔む人々の運命を変える不思議な物語。
  • たかが猫、されど猫
    4.0
    〈猫との生活、猫との合性という点ではゼッタイ先輩であったはずなのにと思い、この本には文字どおり地団駄を踏んだ〉(関川夏央・巻末解説より)──「猫は教科書」「噂好きの猫」「うずまき猫の行方」「百猫百様」「迷いネコ」「元気な老女王」……など、女王様気質の老ネコに振り回されながらも楽しく共に暮らす著者の“猫愛”が炸裂!笑いが絶えない猫エッセイ&小説。(巻末に群ようこ略年譜がついています)
  • たこ焼きの岸本
    3.3
    1~3巻726~748円 (税込)
    大阪の住吉大社近くで、亡き夫から引き継いだ「たこ焼き屋」をひとり営む岸本十喜子。十八歳で家を出ていった息子は行方知れずのまま。だが、特製玉子サンドと珈琲が美味しい、カーリーヘアで豹柄ミニスカートの喫茶店ママ、子供食堂を併設した「キッチン住吉」の佳代など、商店街の皆と、身の回りで起きる事件を解決していく。熱々で美味しいたこ焼きが人々の心を優しく和らげる、どこか懐かしく温かく笑える下町人情物語。2020年大阪ほんま本大賞受賞作。
  • さくら舞う 立場茶屋おりき
    完結
    3.6
    全25巻704~737円 (税込)
    品川宿門前町にある立場茶屋おりきは、庶民的な茶屋と評判の料理を供する洒脱で乙粋な旅籠を兼ねている。二代目おりきは情に厚く鉄火肌の美人女将だ。理由ありの女性客が事件に巻き込まれる「さくら舞う」、武家を捨てて二代目女将になったおりきの過去が語られる「詫助」など、品川宿の四季の移ろいの中で一途に生きる男と女の切なく熱い思いを、気品あるリリシズムで描く時代小説の傑作、遂に登場。
  • 待っていた女・渇き
    3.6
    八年前、卑劣な罠で新聞記者を追われた畝原は、以来探偵として一人娘の冴香を養ってきた。ある日、畝原は娘の通う学童保育所で美貌のデザイナー・姉川明美と出会った。悪意に満ちた脅迫状を送りつけられて怯える彼女の依頼を受けた畝原は、その真相を探りはじめたが--。畝原と姉川が出会う猟奇事件を描いた短編「待っていた女」と長篇「渇き」を併録した、感動のハードボイルド完全版。

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  • ターンオーバー
    完結
    3.5
    「勝てると信じて走らない人間に、勝つ資格はない」――箱根駅伝から一カ月。東体大四年の穴川は初の長距離マラソンに挑んだ。尊敬する先輩と走る同じレースで、快調な追い抜きを見せたが、一転……(「ペースダウン」)。大学一年で日本代表入りした経験を持つラグビー選手・五十嵐は、三年連続関東大学リーグ戦で負傷していた。四年目のリーグ戦が始まった今、怪我の恐怖におびえながらも士気を高める――(「クラッシャー」)。アスリートたちの一瞬の好転・暗転を描き切った、白熱のスポーツ短篇集。(解説・西上心太)
  • 台所のラジオ
    4.0
    それなりの時間を過ごしてくると、人生には妙なことが起きるものだ――。昔なじみのミルク・コーヒー、江戸の宵闇でいただくきつねうどん、思い出のビフテキ、静かな夜のお茶漬け。いつの間にか消えてしまったものと、変わらずそこにあるものとをつなぐ、美味しい記憶。台所のラジオから聴こえてくる声に耳を傾ける。十二人の物語。滋味深くやさしい温もりを灯す短篇集。
  • 梨の花咲く 代筆屋おいち
    完結
    3.0
    わが願ひ、君が幸ひのみにて候ふ―― 一通の文だけを残し姿を消した許嫁・颯太との再会を願い、下総の小さな村からひとり江戸に出たおいちは、ひょんな縁から、本郷丸山の歌占師・戸田露寒軒宅で世話になることになった。そのほんの数日後、露寒軒宅の女中おさめと、その生き別れになっていた息子の縁を、一通の手紙によって再び繋いでみせたおいち。おいちに人の心を汲む才を認めた露寒軒は、颯太と会える日まで「代筆屋」を営んでみるよう勧めて……。真心を込めた手紙が人と人との縁を紡いでいく、連作時代小説、期待の新シリーズ誕生!(解説・細谷正充)
  • 大名火消し ケンカ十番勝負!
    4.3
    享保五年(一七二〇)。十九歳の拓蔵は、亡き母に苦労をかけた父を殴るため、信州からはるばる江戸に出てきた。だが火消し“加賀鳶”の徹次に拾われて、父が江戸で“水神の辰”と慕われた伝説の火消しであったこと、そして昨年の火事で死んだことを知る。拓蔵は加賀鳶に入り、周囲とぶつかりながらも火消しの仕事にやりがいを見出していく。その頃、江戸の町ではつけ火が続いて──。まっすぐな若者の奮闘と成長を描く、痛快時代小説!文庫オリジナル。
  • このダジャレで生きのびろ! ダジャレ練習帳 三の巻
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「公衆便所で紙ぎれだったとき」「森の中で熊に出会ったとき」「宇宙人に遭遇したとき」「彼女に別れを告げられたとき」……私たちの日常を覆う様々な危機。本書にはそんな状況からあなたを救ってくれるかもしれないダジャレを満載してあります。どんなピンチをも切り抜けるサバイバル・ダジャレの決定版!
  • これをダジャレで言えますか? ダジャレ練習帳 二の巻
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「寒~い」などと言われているものの,私たちがダジャレを耳にしない日はありません。本書では衣・食・住・スポーツ・歴史・文化・地名など,日々接しているあらゆる事物をダジャレにしてみました。日常生活のどんなシーンにも対応可能な「ダジャレ単語帳」です。
  • ダジャレ練習帳
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 場をなごませ、時には凍りつかせるダジャレ。老若男女問わず、ダジャレは全ての人に言う権利があります。本書は、より有効かつハイセンスなダジャレの活用のために、学校・オフィス・プライベートなど、シチュエーションに応じたダジャレを満載しています。厳選されたダジャレの数々は、きっとあなたの発想力とユーモアセンスに磨きをかけてくれるでしょう!
  • チェンジ!
    完結
    4.2
    御坂晃はドラフト三位でプロ入りして八年目の三十歳。自己ワースト記録を更新し二軍落ちを言い渡された。代わりにセカンドを守ることになった上杉は、打撃はいいが守備は下手らしい――。そんな中、二軍コーチの西内から外野をやってみないかと打診され……(「コンバート」より)。コンバート、怪我、フォームの改造、引退勧告など、野球選手には常に様々な問題が降りかかる。それぞれのポジションの選手が直面する苦悩、決断、友情など、心の機微が胸に響く、ヒューマン野球短編集。
  • チグリジアの雨
    4.1
    私を助けて――。生と死の選択は誰が決めるのか!?蔑まれた者だけが知る深淵。声なき声は届くのか!?――。命の重さの重要性を問いかけ、連鎖する“いじめ問題〟に一石を投じる、青春ミステリ小説。東京の進学校に通っていた、高校一年の成瀬航基は、母の再婚をきっかけに、ある田舎町に引っ越すことになった。転入して間もない学校生活は順調に進んでいたが、そんな状況が一変し、突然いじめのターゲットになってしまう。いじめは次第にエスカレートしていき、航基は身も心も耐えられなくなっていく。不条理な目に遭うたびに心は削られ、誰にも相談できずに、我慢の限界を迎えた航基が出した結論は「死」。地元で『ゴーストリバー』と呼ばれる河を自殺の場所に選ぶが、その河でほとんど学校にも登校せず、真面目に授業も受けない、クラスメイトの月島咲真と出会う。そんな咲真が航基に対し、「報復ゲームに参加しないか」という衝撃的な一言を放つ――。
  • 茶屋占い師がらん堂
    3.3
    最福神社門前の茶屋「たまや」を切り盛りする母を手伝いながら、明るく元気に暮らしていた娘・すず。母娘で営む茶屋は、丁寧に作られた甘味と季節の蕎麦がうまいと客の評判も上々だ。ところが一年前の春、隅田川沿いの桜を見物に行って以来、すずはどんな医者も原因がわからぬ不調に苦しむようになった。最後の望みをかけ評判の医者の元へ向かう道すがら、具合が悪くなったすずは、宇之助と名乗る謎の占い師に助けられて……。口福を満たす甘味や蕎麦とぴたりと当たる占いが明日への幸せを呼ぶ、時代小説の新シリーズ開幕!
  • 沈黙の終わり(上)
    続巻入荷
    -
    二十年掛けて築き上げてきたことが、ここで一つの形となった。――著者 20周年を飾る、記念碑的作品、誕生。 千葉県野田市の江戸川沿いで、七歳の女児の遺体が発見された。そのニュースを知った東日新聞埼玉支局の古山は、埼玉でも四年前に八歳の女児の行方不明事件があったことを思い出す。調べてみると、その現場は今回の事件と江戸川を挟んですぐ近くだった……。三十年以上隠されてきた連続幼女誘拐殺人。縄張りに拘る無駄な県警のプライド。利権を死守したい政権による圧力。すべてを乗り越え、真相を追え! 記者の魂を描いた傑作ミステリー。
  • 沈黙の終わり(上)
    4.1
    二十年掛けて築き上げてきたことが、ここで一つの形となった。――著者 20周年を飾る、記念碑的作品、誕生。 30年間隠されてきた連続幼女誘拐殺人。県を跨いだ、幼女を狙った卑劣な事件。縄張りに拘る無駄な県警のプライド。利権を死守したい政権による圧力。若手とベテラン、二人の記者が、すべてを乗り越え、隠された真相を追う!
  • 沈黙の誓い crossing
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    七年前、雨で増水した川で、安城友市の兄が命を落とした。遺書もなく、事件性も認められなかったことから、水難事故として処理された。しかしこの事故の裏には何かがあると感じた友市は、自ら真相を解明するため刑事となり、調べを始める。やがて、京都府警河原町署刑事課に配属となった友市の元に差出人不明の手紙が届いた。その手紙には友市が追っている事件の犯人の名前が記されていたが──。様々な事件、人間模様が交錯する警察ミステリ。
  • チームFについて
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    昔ながらの温泉街・極楽温泉町は、人口減と少子高齢化の問題に直面していた。町で唯一の高校であり、一二〇年の歴史と伝統を誇る極楽高校にも廃校の危機が。町長秘書の香山和樹は、そんな町の再興と現町長の選挙再選を懸けて「世界の大都市に負けないマラソン大会」の開催を画策。一方、和樹の弟で極楽高校陸上部員の香山芳樹は、この大会で走るため、幼馴染の二人と「チームF」を結成する──。老いも若きも熱くなる、町おこし青春小説!
  • つきあってはいけない
    3.5
    携帯電話を媒介にした気軽な出会いや、合コンで知り合った男の子とのはじめてのデート。だが相手には恐ろしい本性がかくされていた。異常に嫉妬深い男、傷付いた女が好きな電波男、逆恨みしてくる元カノ、偏執狂的なストーカー。予想もつかなかった恐怖の日々が開幕する……。『ポップティーン』に連載され、話題を読んだ恐怖の実話怪談が登場。これを読むとあなたもパートナーを信用できなくなる。

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