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蔵前の札差・大口屋文七の女房みつが、桜が満開の頃、出逢茶屋で役者と心中した。しかし文七は、女房の不貞を信じられず、無理に殺されたに違いないと自ら探索をはじめる。一方、大口屋の大旦那が、〈花魁・瀬川に惚れさせた男に自らの持っている貸し金の証文を全部くれてやる〉と、文七たち八人の分家の主に宣言したが……。妻を亡くした文七の無念とそれを支える瀬川との、まっしぐらな愛と心中事件の驚きの真相を描く著者渾身の傑作長篇。(解説・縄田一男)
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Posted by ブクログ
せっかく 女房の無実が晴れたのに お蝶が腹を刺され 自分の腕の痛みも治らない。 ふたりして死んじゃうわけだけど 作者の山本兼一さんが 死の床で書いたのなら 仕方ない。 山本さんも お元気だったら ハッピーエンドにでも書けたろうに! 作者と心中してしまった話しになりましたねえ!
山本兼一さんの遺作の一つ。 最終章は未完。文章として推敲されてない下書、プロットと言うべきものが書体を変えて掲載されています。(あとがきが著者の奥さんで、その辺りの経緯が描かれています) タイトルを見て最初は手を出すべきか悩んだのです。元々私は恋愛ものはさほど得手では無く、さらに山本さんにしてもそう...続きを読むだと思うので。しかし予想は覆されました 札差・大口屋文七の粋な生きざまと、花魁・瀬川の愛情。なかなか読み応えがありました。プロットだけの最終章も見事でした。
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