利休にたずねよ

利休にたずねよ

小説・文芸
789円 (税込)

3pt

女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ男・千利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、天下一の茶頭に昇り詰めていく。刀の抜き身のごとき鋭さを持つ利休は、秀吉の参謀としても、その力を如何なく発揮し、秀吉の天下取りを後押し。しかしその鋭さゆえに秀吉に疎まれ、理不尽な罪状を突きつけられて切腹を命ぜられる。利休の研ぎ澄まされた感性、艶やかで気迫に満ちた人生を生み出したものとは何だったのか。また、利休の「茶の道」を異界へと導いた、若き日の恋とは…。「侘び茶」を完成させ、「茶聖」と崇められている千利休。その伝説のベールを、思いがけない手法で剥がしていく長編歴史小説。第140回直木賞受賞作。

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利休にたずねよ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    侘び茶の世界に命をかけて挑んだ茶人千利休。なぜ切腹させられなければならなかったのか。戦国の男たちのプライドを垣間見ることができた気がしました。

    0
    2026年09月05日

    Posted by ブクログ

    久しぶりの五つ星!
    利休切腹の当日からさかのぼり、各章が違う歴史上の重要人物の目線で描かれる。
    冒頭の「死を賜る」の章で出てくる、「あの女」「殺した」「緑釉の香合」何のことだろう?どうしたのだろう?
    ↓以下ネタバレです









    その真相は、後ろから2番目の章「恋」で明らかになる。
    それは、かなり若気の至り。ちょっと冷静になりなさいよ。と思ったけど、そこは利休もまだ19歳だった。彼女も、死にたかったの?本当に?彼女を渡すくらいなら、殺して自分も死ぬつもりでいた利休ですが、それは、彼女を本当に想ってでの決断ではなく、衝動的に彼女を誰にも渡したくなかったのだと思う。とりあえず、妾になって適当にしてたら、また国へ帰れたかもしれないのに。
    利休の切腹含め、現代の日本ではどうとでもリカバリーできる環境にあると思うけど当時はそんな生やさしい世の中ではなかったのであろうか。

    私が特に印象に残っているものは、利休の美意識である。
    これ以上、何も足さず、何も引かず、映えさせようと目論んでデザインされたものはあざとい。というのが利休の信条。文章になっているものを読んでみて「ああそうだよな」と自分で気づくことができた。手元にあるので、時々読み返してみようと思う。茶道の言葉、昔の言い回しがたくさん出てきて、スマホで調べながら読んだので時間がかかった。さすが直木賞受賞作品だと思った。

    0
    2025年08月02日

    Posted by ブクログ

    武士でもない利休が、なぜ切腹を命じられたのか?
    茶道とはどういう物なのか?
    美に対するとてつもないこだわり、矜持が利休にはある。
    その根元にあるのが、若き日に出会った高麗の女性だったんですね。
    おもしろかったです。

    0
    2025年01月03日

    Posted by ブクログ

    利休の侘び寂びを 生き生きとさせてるものは
    19歳の頃 出会って逃そうとした高麗のお姫様への
    情だったんですね。
    憧れて逃そうとして 逃げられないとわかったとき
    一緒に死のうとして 相手だけを死なせてしまった。
    石見銀山入りの自分のたてた抹茶で。
    その人の持ってた緑色の香合を 終生持ち歩き 中に 自分が噛み切ったその人の小指だか爪だかが
    入っている。
    奥さんになった宗恩さんは 自分を抱いても他の人を想っている。
    と思わせた 深い気持ち
    利休が死んだ時 宗恩さんは その緑の香合を叩きつけて割る。
    後書きで 宮部みゆきさんが
    利休さん あなたがもっとも深く愛した女性は やっぱり宗恩ですね。
    と書いてたけど 私は違うと思う。
    自分が憧れて 自分の茶に毒をいれて殺した高麗の女性。
    その人だけが 心の奥にずっといたんだと思うなあ!宗恩さんや生きてる女には勝てない争い
    惚れるってこういうことなんでしょうね。

    0
    2024年06月28日

    Posted by ブクログ


    くらくらする。宮部みゆきの巻末の解説を読んで、よりわからなくなる。

    妬みや欲は誰しも持っている。それを志にまで昇華させることができると、表面上たおやかで凛とした佇まいになる。
    利休自身がそうであったように、宗恩や高麗の女も、おそらく欲を昇華し無欲にみせることのうまい女だった。だから、互いに惹かれ合い、ただ実の心を見せることはできず離れ離れになってしまう。50いくばくかになって、しっかり恋をする利休や宗恩が美しかった。

    利休が最後に腹を切ったのは、秀吉への抗いではなく、高麗の女を裏切ってしまったあの時に報いるためだったのではないか。利休はなぜ死んだのか。それが、題名の問いなのではないか。血の海にゆったりと白布をかける宗恩の姿が目に浮かんだ。

    私は、死ぬ時に(死ぬ時に限らずとも)他の女のことを少しだって考えていられたら腹が立つ。後悔する気持ちも、過去においてきてほしい。そう思うのは心が女なんだろうか…

    0
    2024年04月12日

    Posted by ブクログ

    茶の湯?武士のお気楽な愉しみ?ぐらいのアホな認識しか有りませんでした。ハズカシイ。
    千利休という名前は皆が知っているけど、さてどんな人だったのかと問われると困ってしまう人物。
    最後の日から周りの人の視点で遡り、浮き上がってくる利休。
    作品内でもありましたが、「三毒の焔」を誰よりも熱く持ち、「美」へと昇華させたモノはなにか?
    戦国から安土桃山時代はどうしても武将に目が向いてしまいますが、こんなにも熱くて魅力的な人物の物語を読めて感謝です。
    利休にたずねることを、じっくりと考えてみたいと思います。

    0
    2024年02月26日

    Posted by ブクログ

     特に歴史好きというわけではない私でも、ハマってしまうその物語に、完全に魅了されました。
     実在した稀代の茶人・千利休とは何者だったのか? 史実とフィクションを見事に融合させ、人間・利休の崇高さ、人となりに迫る名作でした!

     本書には、構成上の大きな特徴があります。
    ①秀吉の命により、利休が切腹する場面から話が始まり、70歳から19歳へと時を遡る展開であること
    ② 様々な人物が、利休を客観的に語る複数視点で物語が展開すること

     ①について、利休がなぜ切腹を受け入れたのか? 美の追求に命を賭した理由は? という疑問に答えるため、歩んで来た轍を振り返り逆に辿って行くことで、茶人としてだけだなく人間としての利休の原点に迫ろうとしたのではないでしょうか。
     加えて、冒頭の利休が殺したという高麗の女性、形見の緑釉の香合の謎が、最後まで読み手を引き込むミステリー要素も、功を奏している気がします。

     ②について、美の求道者と崇められる利休の多面的な要素を、多くの人物の視点で多角的に語ることで、良くも悪くも利休の実像に限りなく近づいている気がします。
     ただ、利休自身の心理描写は多くなく、余白を残している点も味わい深いと思いました。

     利休の「侘び」「寂び」の世界と秀吉の「雅び」の世界の対比、利休の生き様を通した人間の心の光と闇の複雑さなど、深い精神性に圧倒されました。
     歴史・時代ものはちょっと‥という方にも、声を大にしておすすめします。読まなきゃ損です!

    0
    2023年12月10日

    Posted by ブクログ

    構成が秀逸。
    読み進めていくことで、パズルのピースが埋まるように利休の死の謎に近づくことが出来る。
    また、茶室や風景の描写が見事で、容易に当時の様子を伺える。ぜひ1度茶室を見てから本作を読んで欲しい。
    人物は歴史上の人物なので、自分の解釈と異なる場合は、苛立つこともあるかと思うが、自分は人物描写に対して思うところはなく、むしろ作者の像に寄せられてしまうくらいのパワーがあった。
    面白かったです。

    0
    2023年11月29日

    Posted by ブクログ

     色気のある役者さんが好きだ。
    でも、自分の中ではセクシーとは明らかに違う。もっと根源的なもの。魂の輝き、美学。一朝一夕になるものではない。
     遠い人で、会えはしないけど、利休はきっと、眩いようなオーラを放つ人だったのだろう。
     素晴らしい恋愛は男性も女性も輝かしくその人を彩る。
     人は必ず死ぬ。人そのものが、変化していく芸術なのだ。

    0
    2023年10月02日

    Posted by ブクログ

    どこまで史実かわからないが、利休という人の人となりが垣間見られた気がする。それにもまして秀吉の利休に対する「嫉妬」とも言うべき感情が理解を超える。利休の美学は連綿と今でも続いているのかな?
    構成が斬新であることも評価の一つなのでしょうが少し読みにくい?反時系列はニガテでした。よって星4つ。

    0
    2026年07月04日

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