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Posted by ブクログ
堂場瞬一『絶望の歌を唄え』ハルキ文庫。
元公安警察官を主人公にしたミステリーサスペンス。
日本の首都で起きた爆弾テロというきょうがくの出来事にページを捲るスピードが上がる。これまでの堂場瞬一作品の特徴からすれば、ミステリーは単純で既に登場している誰かが犯人であるのは間違いない。
となると、冒頭に登場したあの男が一番怪しいのだが、犯行動機までは考えが及ばない。そして、あのフリーライターの女性も事件に関係しているのだろう。
と、ここまで前半100ページを読んだ所で記しておこう。果して正解か否かは……
全くの予想通りだった。まだまだ頭は衰えていないようで少し安心した。しかし、ラストが非常に良い。
10年前に東南アジアにPKO派遣され、現地で過激派による爆弾テロの恐怖を味わった元警視庁公安部外事三課の安宅真は東京の神保町でフリーバードという名の喫茶店を営んでいた。
ある日、安宅が店を閉めようとした時に店の裏手のビルで10年前のような爆弾テロが発生し、しばらくするとイスラム過激派が犯行声明を出す。翌日、安宅の店にフリーライターを名乗る新藤美紀という妙齢の女性が現れ、安宅に元警察官の立場での取材協力を依頼するが、安宅に嘘の情報を与える。彼女の正体は……
そして、安宅の喫茶店の近くで殺人事件が起こり、2度目の爆弾テロにより安宅の知人が死亡するなど、安宅に危機が迫る。
本体価格800円(古本110円)
★★★★★
Posted by ブクログ
本作の主要視点人物は「安宅真」(あたかしん)という男だ。現在は40代に差し掛かっているが、10年程前までは警察官だった。「国連による選挙監視」というようなことで東南アジア某国に派遣される任務に在ったが、現地で爆弾テロ事件の只中に身を置く羽目になった。帰国から暫く経って、「一線を退いたら…」と思い描いていた喫茶店の主になる機会が在って、神田神保町で<フリーバード>という店を営んでいる。店は小さな2階建ての一戸建てで、1階が店舗で2階に住んでいる…
という主要視点人物だが…「在りそうで無い」というようでもあり、「無さそうで在る」というようでもある。如何にも「小説の主人公」という感の人物が活躍する物語である…
冒頭、10年程前であるという、東南アジア某国での活動の最中に爆弾テロ事件に巻き込まれてしまうという回送の場面が在り、そして「喫茶店の店主」として暮らす最近の様子になって行く…
或る夜、閉店時間が近付いた頃、何となく存在感の在る女性客を迎えた。少し華やかで、フリーライターと称しているが、音楽趣味の話し等も合う。安宅真は「店の常連になってくれれば嬉しい」と名刺交換をした。そんなことで女性客を送り出し、店を閉めていた時、妙な騒ぎが起こった…
安宅真の店の直ぐ近くに在るビルに、爆発物を積み込んだらしい軽トラックが突っ込んで行くという“爆弾テロ”のような事件が起こる…安宅真としては、旧い記憶が甦るような、如何にも嫌な事態だった。
この爆弾事件を契機に色々な出来事が在って、安宅真はそうした事態と向き合って行くこととなる…どのように展開するのかは、是非とも本書を紐解いて頂きたいと思う…
「元警察官」として、妙な犯罪事件に向き合う方策を或る程度は承知している他方、「喫茶店の店主」として街で飄然と生きる男である主人公が、妙な事態と如何に向き合い、どのような立ち回りをして行くのかが本作の「面白い箇所」なのである…
色々と愉しいシリーズを送り出している作者なので、「或いは続篇?」と思わせる好い余韻も残しながら物語が結ばれるのだが…なかなかに愉しい作品だった!
Posted by ブクログ
読書子が勝手に、題名から思い浮かべた筋と内容には、だいぶ解離があったが。
スポーツ小説や警察小説を次々と生み出している著者のジャンルとは、少し違った小説。
海外の勤務地で自爆テロに遭遇し死の恐怖を味わった主人公は、警察官を辞め喫茶店を営む。
舞台となる神田神保町には、度々訪れたこともあり、町の描写に親愛感を覚える。この地でテロや殺人が横行するとは・・・
主人公も、自分の街を踏み台にされたことに憤りを感じ、事件の真相を明らかにするべく行動を起こす。
最後はあっけない幕切れとなり、そこに至るまでずいぶんページ数を費やしたことか。些か冗長感が(笑)。
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