歴史・時代作品一覧

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  • 深川無明剣 密命斬刑帖
    -
    八州廻りの小菅専之助は、悪を憎む義心ゆえに、権限の及ばぬ水戸藩に逃げ込んだ悪党を斬ってしまう。御役目を罷免され、貧乏御家人としてくすぶっていた専之助であったが、ある日、北町奉行・遠山金四郎に呼び出される。深川に巣くう凶賊の壊滅――斬り捨て御免の密命を受けた専之助は、林永暢という武士と組まされた。しかし、その林という男は、賊の首魁を追い、清国から密かに渡ってきた清人であった。生まれや性格の違いから反目しあう二人であったが、互いの腕を認め、いつしか男の友情が芽生えていく。専之助の居合いと林の中華武術が、深川の闇を切り裂く!
  • 果心居士の幻術
    3.8
    超人的な力の持主であるがゆえに、戦国時代の武将たちの運命を左右しながらも、やがては恐れられ殺されていった忍者たちの不可思議な生き様を描いた「果心居士の幻術」「飛び加藤」。そのほか、日本建国の神話に題材を取った「八咫烏」から、幕末・新選組の裏面史を扱った「壬生狂言の夜」まで、歴史の中に埋もれた興味深い人物・事件の数々を掘りおこした作品集。
  • コンスタンティノープルの陥落
    4.1
    東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。
  • 国を蹴った男
    4.2
    不条理な世を渡る武器は、気骨と果断。利に生きるか、義に死すか。敗れざる者たちの魂の咆哮。"豪腕作家"の凛然たる戦国小説集。いま、もっとも注目される歴史作家が満を持して放つ! 不条理な世を渡る武器は、気骨と果断。利に生きるか、義に死すか。武田信玄、上杉謙信、織田信長、豊臣秀吉――天下に手を伸ばした英雄たちの下、それぞれの一戦に臨む者たちの、生死の際を描く! 伊東潤、一戦ここにあり!
  • 番付屋小平太
    -
    深津小平太は、旗本の三男坊だが、火盗改の父親との折り合いが悪く家を飛び出した。幼馴染みの版元に言いくるめられて、番付屋を始める。江戸で大流行(はや)りの番付表。浮き世の陰に隠された人情の機微を織り込んだ小平太の番付は、相手に覚られないように潜り込んで内情をつかんだものだった。今日も小平太は、辛口の江戸っ子を唸らせるため花魁(おいらん)や火消しの番付調べに余念がない。
  • 清須会議
    4.2
    信長亡きあと、清須城を舞台に、歴史を動かす心理戦が始まった。猪突猛進な柴田勝家、用意周到な羽柴秀吉。情と利の間で揺れる、丹波長秀、池田恒興ら武将たち。愛憎を抱え、陰でじっと見守る、お市、寧、松姫ら女たち。キャスティング・ボートを握るのは誰なのか? 五日間の攻防を「現代語訳」で綴る、笑いとドラマに満ちた傑作時代小説。
  • 北条政子
    4.7
    伊豆の豪族の娘と生まれ、源頼朝に嫁いだ政子。歴史の激流にもまれつつ乱世を生きた女の人生を直木賞作家が描いた。 直木賞作家、永井路子が描く王朝貴族の野望と葛藤。 藤原道長亡き後、王朝社会を操る黒幕となった息子藤原能信。 皇子誕生を巡る貴族たちの思惑と歴史に翻弄される人々がたどる数奇な運命。 『この世をば』に続く平安朝の物語を直木賞作家、永井路子が彩り豊かに描く。 【著者プロフィール】 大正14年東京生まれ。東京女子大学国文科卒業後小学館に入社し、『女学生の友』『マドモアゼル』の編集者を務める。 小学館時代から歴史小説を執筆し始め、昭和39年『炎環』で直木賞を受賞。その他にも吉川英治文学賞を受賞した『雲と風と』等多くの素晴らしい作品を世に送り出している。 男性的目線になりがちな歴史人物や歴史事件を解きほぐし、その陰になりがちな女性にも焦点をあて、歴史上の人物、出来事を鮮やかに浮かび上がらせる作風は、歴史小説に新風を巻き込んだものと評価されている。< また、直木賞受賞作品である『炎環』、『北条政子』などは、NHK大河ドラマ『草燃ゆる』(1979年)の原作として、また『山霧 毛利元就の妻』『元就、そして女たち』などは、同じくNHK大河ドラマ『毛利元就』(1997年)の原作としても知られている。
  • 神君幻法帖<新装版>
    3.5
    徳川家に盤石の安泰をもたらすため、捨て石となれ――。 神君こと徳川家康を祀る日光東照宮周辺を舞台に繰り広げられる、「幻法者」たちの血で血を洗う腕比べ。 魔多羅一族vs山王一族。あい争うは、修羅のさだめ! 生き残るのはどちらか? そして天海大僧正の思惑は……? 山田風太郎忍法帖の忠実なるパスティーシュ。時代伝奇説の極北。 装画は、単行本時も好評だった、かつて風太郎忍法帖を多く手掛けた佐伯俊男氏。 解説は縄田一男氏。 ※本作品は、「神君幻法帖」を加筆修正した新装版です。
  • 博徒大名伊丹一家
    3.0
    「博徒と殿様」二足の草鞋 藩財政再建の秘策は 賭場のご開帳!? どん底なんてくそくらえ! 泥を喰らって這い上がった不屈の男 貧困病気挫折、絶望の淵をくぐり抜けてきた作者が、精魂込めて綴った一冊です 出羽国松越藩の外様大名・伊丹阿波守長盛が、継嗣のないまま急逝した。このままでは御家は無嗣子改易の憂き目に遭う。 長盛の「深川黒江町に跡継ぎが」といういまわの際の言葉に、江戸家老高川監物たちは必死の探索を続ける。そしてようやく探し当てた男は、文字通り裸一貫の境遇から二百人の配下を持つ博徒の親分に這いあがった、腕と気風と度胸に才覚を持ち合わせた破天荒な男だった! 〈書下し任侠大名一代記〉 序章 第一章 成りすまし大名 第二章 泥饅頭を食え 第三章 博徒大名伊丹一家 第四章 生きていく術
  • 満つる月の如し 仏師・定朝
    3.9
    藤原氏一族が権勢を誇る平安時代。内供奉(ないぐぶ)に任じられた僧侶隆範(りゅうはん)は、才気溢れた年若き仏師定朝(じょうちょう)の修繕した仏に深く感動し、その後見人となる。道長をはじめとする貴族のみならず、一般庶民も定朝の仏像を心の拠り所としていた。しかし、定朝は煩悶していた。貧困、疫病に苦しむ人々の前で、己の作った仏像にどんな意味があるのか、と。やがて二人は権謀術数の渦中に飲み込まれ……。(第32回新田次郎文学賞受賞作)
  • 三十郎あやかし破り : 1 ねずみ大明神
    3.0
    神田の「お化け長屋」と呼ばれる裏店に住む鏡三十郎は、「世の中、ほんとに不思議なことなんてないんだよ」というのが口癖。身近に起こった怪異現象を、蘭学の知識と合理的な考えで次々と解決していき、「魔性封じの先生」として評判となった三十郎に、大店の主人から奇妙な依頼が……。書き下ろし時代小説、待望の新シリーズ第一弾!
  • つむじ風お駒事件帖
    -
    名人と言われる四代目松井源水を父にもつ曲独楽(きょくごま)師「ひらがなげんすい」ことお駒は、おきゃんで一本気な十五歳。前髪を垂らし、茶筅形に束ねた総髪の男装で舞台に立つ。ある日お駒は、怪しい二人連れに後を尾けられる。折しも江戸では香具師(やし)殺しが立て続けに起きていた。狙いは母の形見の鬼の根付らしい。生前掏摸(すり)の名人だった母親譲りの鮮やかな手口で男から巾着を盗んだが……。(『疾風独楽 つむじ風お駒事件帖』改題)
  • 大逆転! 幻の超重爆撃機「富嶽」1~アメリカ本土奇襲編~
    5.0
    1944年初め、ラバウル第七五一航空隊隊長近藤正己大尉は突然海軍省から出頭命令を受け、満州のチチハルに向かった。近藤を待ち受けたのは、全長五十メートルにも及ぶ巨大な超重爆撃機「富嶽」だった。命令は、アメリカ・タコマ市にあるB‐29製造工場への爆撃。編隊は悪天候をついて飛び立った! 幻の爆撃機を甦らせ、壮大な日米一大決戦を描いた力作、第一弾。
  • 足引き寺閻魔帳
    3.7
    京都、堺町綾小路に名ばかりのお堂と小さな庫裡をかまえる地蔵寺。東山知恩院の末寺で、檀家もないこの寺には、もうひとつの顔があった。怨みを抱く相手の足を引っぱり、ひそかに誅伐を加えてくれる<足引き寺>――。闇の仕事師は住職の宗徳、町絵師のお琳、羅宇屋の与惣次、西町奉行所に出仕する蓮根左仲、そして紀州犬の豪。今日も地蔵寺の賽銭箱に、願文と銭が投げ入れられる……。傑作時代連作。

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  • 子連れ侍平十郎 1 上意討ち始末
    4.0
    1~2巻440円 (税込)
    剣の達人であったがために藩を二分する権力闘争渦に巻き込まれた長岡平十郎。病身の妻と5歳になる千沙を守りながらも、強大な権力に押し流されていく下級武士の悲哀を、チャンバラ小説の第一人者が描いた“泣ける、感動する”長編時代小説です。

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  • 土方歳三(一) 試斬
    3.5
    浪人の咽を水平に薙いだ。咽のあたりの肉がめくれた。それが一瞬、白く見えた。肉の白さだ。女の肌よりも白かった――。徳川幕府に落日が迫る。土方歳三は待っていた。おのれの血を燃やす何かが起こる、と。その日までに人の屠り方を覚えねばならぬ。歳三は試し斬りの獲物を物色し始めた。幕末の京洛を血に染めた斬殺軍団・新撰組を率いた男の凄絶な生を描く長篇小説第一弾! 【解説】縄田一男

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  • 影踏み鬼 <新装版>
    3.5
    江戸の町を舞台にした本格的ミステリー! 二転三転する驚愕の展開、鮮やかな謎解きに唸る!! 老舗の呉服店を襲った、ひとり息子のかどわかし。その奇妙な謎に、狂言作者が挑む――表題作「影踏み鬼」(第22回小説推理新人賞受賞作)ほか、全五編を収録。うち「奈落闇恋乃道行」は、第54回日本推理作家協会賞・短編部門の候補となった。明治初年にいたるまで、該博な知識とともに当時の情景を活写し、人間の業を浮き彫りにしたスリリングな傑作が、満を持して復刻!
  • 天衣無縫
    -
    三保の松原に舞い降りた天女の妙耶は、羽衣を盗賊に盗まれてしまう。その賊に親と許嫁を殺され、敵討ちを誓った菓子職人の太一と共に、妙耶は盗賊の行方を追う。そんな月日の中で市井に交わり、親子の情や、よすがなき女の哀しみ、職人がもつ矜持など、人間ならではの姿を目の当たりにしてゆく。哀歓に満ちた連作時代小説。
  • 安倍晴明あやかし鬼譚
    4.0
    稀代の宮廷陰陽師・安倍晴明も齢八十四。あるとき自分が「光の君」と呼ばれる人物になっている夢を見た。その夢を見るたびに晴明は、奇怪なことに現実世界でどんどん若返ってゆくのだ。巷では大内裏北面の「不開の門」が開き死人が続出。中宮彰子のまわりでも後宮の女たちの帝の寵愛をめぐる諍いが巻き起こる。まさに紫式部が執筆中の「源氏物語」と奇妙な符合を示しながら……。(『源氏夢幻抄 安倍晴明伝』改題)
  • 季節のない街
    -
    武士や市井の人々の喜怒哀楽、義理や人情を通して限りない人間愛を描いた時代小説、人情小説の名手・山本周五郎の長編全集。第9巻は、貧民街で懸命に生きる庶民の人生をユーモアとペーソスを交えて描いた異色作「季節のない街」。黒澤明監督『どですかでん』として映画化。
  • 帝国自衛隊 1945
    完結
    -
    平成27年元旦、日本列島は昭和20年に時空転移する超常現象に見舞われた。 折しもアメリカが日本への無差別爆撃に着手する直前だった。相手が未来日本と入れ替わったことを知らないアメリカは、B29戦略爆撃団を発進させる。 対する海空自衛隊は、イージス艦の対空ミサイルとF15戦闘機によって迎撃を試みるが、一機の本土侵入を許してしまい、首都防衛に失敗。その後も繰り返しB29大編隊が日本を襲い、徐々に被害が拡大していく。 アメリカの物量作戦に対し、たとえ最新鋭の未来兵器であっても専守防衛では防ぎきれないと感じた日本は、先制攻撃やむなしとの結論に至り、自ら攻勢に出ることを決意。遂に怒濤の米侵攻軍との死闘が始まった!
  • 炎の武士
    4.0
    天正三年(1575)初夏、三河の長篠城は、武田勝頼の軍勢1万7000に包囲され、落城寸前。城を守る奥平信昌の兵は500あまり。窮状を伝えるため鳥居強右衛門(すねえもん)は武田の包囲網を破り、織田・徳川の陣地にたどり着き、4万の大軍が救援に向かっていることを聞かされる。だが、その帰途、強右衛門は武田方に捕らわれ、援軍は来ないと告げるよう強いられるが……。表題作「炎の武士」ほか、男たちの劇的な生を描いた傑作三編を収録。
  • 海嘯
    3.8
    中国の南半分を治めていた南宋の命運はついに尽きた。皇帝フビライの命令のもと、名将バヤンひきいる元軍が、巨大な津波となって押しよせてきたのだ。都の臨安は無血開城し、南宋は事実上、滅びた。だが、忠義をつらぬく男たちはあきらめない。幼帝を戴いて海上に逃れ、祖国再興の戦いをつづける……。巨大な敵と運命にあらがった忠臣たちの物語。
  • 風よ、万里を翔けよ
    -
    七世紀初めの中国、隋の煬帝の御宇、高句麗遠征の大軍のなかに男装した花木蘭の姿があった。木蘭は戦功を上げて出世するが、煬帝の圧政によって叛乱が続発し、隋は滅亡へと向かっていく。賊軍討伐に剣を振るう木蘭の運命は……? 隋末唐初の戦乱を舞台に、伝説の女将軍を描いた中国歴史長篇。
  • ザ・パシフィック・ウォー(1) 謀略篇
    -
    一機のユンカース旅客機が悪天候のベルリン郊外で連絡を絶つ。数日後、山地に激突した事故機が発見された。この旅客機には匿名で二人の重要人物が乗っていた。一人は、ナチス党の重要人物で外務省顧問のリッペントロップ。もう一人は、駐独日本大使館の駐在武官大島陸軍大佐。二人は日独協定の両国の直接担当者だった。その推進役が消えた……。結果、ドイツ外交は独中協調路線を取る。それを見たソ連も中ソ友好協定を結び、ここに中国大陸における独ソ中三国の対日包囲網が完成した。そして日本帝国政府は、再び日英同盟の道を模索し始める……。  シミュレーション戦記に新たなる地平を拓く「ザ・パシフィック・ウォー」シリーズ、第1弾。 ●高貫布士(たかぬき・のぶひと) 1956年生まれ。神奈川県出身。和光大学人文学部芸術学科卒業。学生時代より軍事評論家・小山内宏氏、航空評論家・青木日出雄氏らが創設した「軍事学セミナー」で軍事学を修得。出版社勤務を経て、軍事アナリスト兼作家として活躍。『図解・ドイツ装甲師団』『大日本帝国海兵隊戦記』シリーズなど、ノンフィクション、小説の著書多数。
  • 奔流
    4.5
    中国の南北朝時代、北朝の魏は南朝の梁を征服するべく、八十万の大軍をもって侵攻した。迎え撃つは若き天才武将、陳慶之。両軍は淮河のほとりで激突する。壮大なスケールで描く南北朝の戦いに男装の麗人の悲恋がからむ、中国歴史小説の傑作。
  • 幸村大戦記1 逆襲の関ヶ原
    3.0
    慶長五年九月、真田幸村は関ヶ原の地にいた。徳川秀忠軍よりも早く上田を立ち、関ヶ原の大戦に参陣したのだ。大谷吉継の陣に身を寄せた幸村は、勇将立花宗茂と共に、劣勢だった西軍の戦況を次々に逆転していく。今幸村の軍略が花開き、関ヶ原の戦が一変する!

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  • 喜知次
    4.0
    菊枕は頭痛持ちにきくというので先祖が植えた菊が咲き、花を摘み始める頃、妹ができた。 日野小太郎は五百石の祐筆の嫡男だ。赤い頬の妹を“喜知次”と呼んだ。 友人の牛尾台助の父は郡方で、百姓の動き不穏のため、帰宅が遅い。少年の日々に陰を落とすのは、権力を巡る派閥闘争だった。 幼なじみの鈴木猪平の父親が暗殺される。武士として藩政改革に目覚めた小太郎の成長に、猪平が心に秘めた敵討ちと喜知次への恋心を絡めて、清冽に描く傑作時代小説。
  • 有楽斎の戦
    4.0
    茶の湯を後世に残す。それが私の復讐だ! 戦国時代、数多の武将を狂わせた茶の湯。その大成者・千利休の志を受け継いだ男は、なんとあの織田信長の弟だった! 戦が苦手でも、出世ができなくても――。兄・信長を恐れ、戦いから逃げてばかりいた男・織田有楽斎が、戦国の世を生き延び、やがて茶の湯を大成して後世に残すまでを描いた傑作連作短篇集。〈解説〉田口幹人 本能寺の変 源五郎の道 本能寺の変 宗室の器 関ヶ原の戦い 有楽斎の城 関ヶ原の戦い 秀秋の戯 大坂の陣 忠直の檻 大坂の陣 有楽斎の戦
  • 信長の原理【上下 合本版 電子特典付き】
    3.7
    織田信長の飽くなき渇望。家臣たちの終わりなき焦燥。 焼けつくような思考の交錯が、ある原理を浮かび上がらせ、 すべてが「本能寺の変」の真実へと集束してゆく――。 まだ見ぬ信長の内面を抉り出す、革命的歴史小説! 吉法師は母の愛情に恵まれず、いつも独り外で遊んでいた。長じて信長となった彼は、破竹の勢いで織田家の勢力を広げてゆく。だが、信長には幼少期から不思議に思い、苛立っていることがあった――どんなに兵団を鍛え上げても、能力を落とす者が必ず出てくる。そんな中、蟻の行列を見かけた信長は、ある試みを行う。結果、恐れていたことが実証された。神仏などいるはずもないが、確かに“この世を支配する何事かの原理”は存在する。そして、もし蟻も人も同じだとすれば……。やがて案の定、家臣で働きが鈍る者、織田家を裏切る者までが続出し始める。天下統一を目前にして、信長は改めて気づいた。いま最も良い働きを見せる羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀、柴田勝家、滝川一益。あの法則によれば、最後にはこの五人からも一人、おれを裏切る者が出るはずだ――。 ※ 本電子書籍は『信長の原理 上』『信長の原理 下』を1冊にまとめた合本版に、電子書籍版特典として、「小説 野性時代」2016年8月号掲載「垣根涼介×東山彰良 連載開始記念対談」を加えたものです。
  • 随筆三国志
    値引きあり
    3.0
    流行りの梁父吟(ロカビリー)が大好きな諸葛孔明は当時のアプレ・ゲール! 強靱なレトリックと博覧強記で縦横に古典を論じ、同じく乱世の修羅にある現代の貌を浮き彫りにする花田流三国志論。戦争中に書かれた比類なき抵抗の書『復興期の精神』から最後の著作『日本のルネッサンス人』まで首尾一貫、転形期の人間像を描き続けた花田清輝が、三国志に託して今の世界を、さらに歴史の未来を透視する知的興奮に満ちた1冊。
  • 蘭陵王
    3.9
    中国の南北朝時代、北斉の皇族・蘭陵王は比類なき武勇と美貌で知られていた。あまりに秀麗な顔を隠すため、鬼面をかぶって戦場に立つ蘭陵王は、暴政によって傾く国を守るため、必死に武をふるうが……。北斉の血塗られた歴史がもたらす悲劇を描いた、本格中国歴史小説。
  • 海軍兵学校よもやま物語
    -
    昭和17年12月1日、広島県江田島の海軍兵学校74期1,020人が入校した。太平洋戦争のはじまった翌年の入校だが、志願の動機は、短剣を下げた兵学校の格好よさ、待遇が圧倒的であった。入校式は、白亜の大講堂で、当時の海軍兵学校長井上成美中将により、「兵学校生徒を命ず」の歯切れよい命課告達がなされた。これより昭和20年3月30日の卒業式まで2年4ヶ月にわたる74期海軍兵学校生徒の日々が始った。
  • 火の闇 飴売り三左事件帖
    4.0
    惜しまれつつ逝った著者の遺作。飴売り三左の行くところ、難事件が解決する。江戸の町に、人の心に、飴売りの声が沁み渡る。 金が、金のあるところにしか 回らない。盗人も横行、百姓が逃散する時代、家中の権力争いに巻き込まれ、武士を捨てた飴売り三左。顔はいかついが、笑顔は天下一品。腕が立ち、肝も据わり、頼りになる。市井のもめ事・難事件を鮮やかに処理。殺人事件の下手人捜しから、敵討ちの助っ人、よろず決着。三左がなぜ、武士から飴売りになったのかといういきさつを描いた絶筆118枚の「火の闇」他、5編を収録。 その急逝が惜しまれる珠玉の作品集。
  • 仇討ち遺聞
    -
    腹心や親族にまで裏切られ悲惨な最期を遂げる武田勝頼、落ち度もないのに主家の面目のために切腹させられる会津藩士柴司…建前の影に見え隠れする本音に翻弄される主人公たち。その無念の人生は、現代のビジネス社会を生きる我々にも相通じるものがある…。戦国・徳川期の武家社会の不条理を淡々とした筆致で浮き彫りにする、ビジネスマン必読の歴史短編小説集。

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  • 珍妃の井戸
    3.8
    列強諸国に蹂躙(じゅうりん)され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃は、何故、誰に殺されたのか? 犯人探しに乗り出した日英独露の高官が知った、あまりにも切ない真相とは――。『蒼穹の昴』に続く感動の中国宮廷ロマン。(講談社文庫)
  • 超空の艦隊 エクストラ ファイナル・カウント・ダウン
    5.0
    ハワイ時間の早朝0800時。恐るべきスピードをもつ流線形の航空機隊がオアフ島上空に襲来した。島の三つの飛行場はたちまち炎上、無力化され、パールハーバーはもはや大型艦艇は残っていない。それに要した時間はわずか30分――そして四月二五日0600時を期して、日本はX兵器の使用による米国本土カリフォルニア上陸作戦に踏み切った!迫り来る人類史の危機に凝結する日米軍の白熱戦の行方は!?

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  • 闇斬り稼業
    -
    田沼時代、お家取り潰しの憂き目にあった大名は数知れず。浪人の茨丈一郎も、そんな家臣の一人だった。その日暮らしで荒んではいても、本来は精悍な風貌の武士。剣の達人である彼が、商家の美しい内儀・田鶴を辻斬りから救ったことから、闇の世界を知る。そこで蠢く者たちは、欲望のおもむくままに、さまざまな女たちを凌辱し弄んでいた。はたして、彼らに立ち向かう修羅の稼業とは? 新シリーズ登場。

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  • 闇斬り稼業 姦殺
    -
    茨丈一郎は、田沼時代のその日暮らしの浪人だ。だが、それは表の顔。裏の顔こそ、邪魔な人間を始末する「闇稼業」の殺し屋である。ひょんなことで、大奥の美貌の老女・珠尾の命を救ったことから、幕府に取り潰された大名・豊島家の怨恨に巻き込まれる。屋敷では、夜ごと、淫靡で卑猥な光景が繰り広げられていた。はたして丈一郎は、色情狂のような豊島種長から、珠尾を守れるのか…!?

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  • 闇斬り稼業 情炎
    -
    大奥老女の滝川は、参詣を名目に寺の淫僧から媚術を駆使された。体内を鮮烈な快美の戦慄が走り抜け…。痴れ狂ったその帰り、紫頭巾の女剣士の峻烈なる一閃に倒れ伏した。淫奔な大奥老女たちを次々と狙う謎の一団に丈一郎は…。

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  • 闇斬り稼業 秘事
    -
    田沼時代、剣の達人、浪人、茨丈一郎は、ひょんなことから闇稼業に加わることとなった。非道な人間を殺す請負業である。ある夜、瀕死の御殿女中から紫の袱紗を託される。その後、吉原の花魁をも凌ぐ、閨房の秘戯を会得した謎の美女に誘われるまま、めくるめく至福のときを満喫した彼を、裏柳生の刺客らが狙い始めた。はたして、大奥と幕府要職を揺るがす、愛欲にまみれた秘事とは─

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  • 闇斬り稼業 妖淫
    -
    田沼時代の江戸で、邪魔な人間を始末する「闇稼業」に加わった浪人・茨丈一郎。剣の達人の上に男の色気にあふれ、彼を慕う女性は数多い。ある夜遭遇した辻斬りで、将軍御側衆と、江戸財界の巨頭に金で買われた中納言の姫君との不義密通の証拠を手に入れる。その恋文と引き替えにと、丈一郎の女性の一人・旗本の娘である佐絵がかどわかされた! 彼女は、男たちに凌辱の限りを尽くされ……。

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  • 乱愛十手 淫闘! 拝領品探索
    -
    本所界隈で〈天狗の旦那〉と評判の元南町奉行所・定町廻り同心、天田久三郎──すらりとした長身、鼻筋の通った男前で、琉球渡りの釵(さい)十手を持つ正義漢、男の道具も立派であった。 ある日久三郎は、大名家の美しい奥女中から「家康公から拝領された家宝の黄金の獅子像が盗み出されたので、探してほしい」と頼まれる。 大目付の検分の日が迫っており、急ぎ取り戻さなければ御家はお取り潰しになるという。 艶福家の久三郎は、奥女中・雪絵、娘岡っ引のお綸、野生の娘・美々の三人を引き連れ捜査を開始。 釵十手と自慢の“肉の凶器”を駆使して、凶盗〈紅蓮組〉や謎の剣客、やくざ一味と闘い、巨悪の正体に迫る! 新たに書下ろし番外篇「裏の裏」を収録した「乱愛シリーズ」の傑作!!
  • 治郎吉格子 名作短編集(一)
    値引きあり
    -
    みごとな仕上がりで、思わず息をのませる短編の名品佳作。――江戸を荒しまわった揚句、上方に高飛びしてほとぼりの冷めるのを待っていた鼠小僧。ムズムズしてきた例の手くせと持ち前の義侠心が、女のことから暴発した表題作「治郎吉格子」。ほかに「増長天王」「醤油仏」「八寒道中」「野槌の百」「銀河まつり」「無宿人国記」「雲霧閻魔帳」の7編を精選して収録する短編名作集。
  • 隠蜜姫 愛華
    -
    高杉藩五万石の勘定方である辰之介は、姫君の愛華から信頼されていた。それは剣術の稽古でも手加減しない愚直な男だからだ。 そんな辰之介が気づいたのは藩内の不正。同じ勘定方の上役に作事方、そして藩内一の実力者、国家老の権田がかかわる悪事だった。 横領の証を探る辰之介は、ある日権田の屋敷に呼ばれ、そこで色じかけにあう。懐柔しようとしているのだ。それを頑なに拒むと、許婚の美菜までもが捕らえられてしまう。 誰が味方で誰が敵なのか?辰之介は意を決し、愛華に裏帳簿を探し出す協力を乞う。すると愛華は、なぜか黒装束に身を包んで現れ……。 姫君の貞操は守られるのか。痛快無比の時代エンタテインメント!
  • 読んで旅する鎌倉時代
    3.9
    蛭が島:若き源頼朝が流された伊豆の地。当時の支配者は北条氏。 真珠院:頼朝との悲恋の末に八重が命を落とした地。 伊豆山神社:頼朝と北条政子が結ばれた地。 石橋山:頼朝が源氏復興ののろしを上げるも、大庭景親、伊東祐親らの平家軍に大敗した地。 黄瀬川:奥州から駆けつけた義経が頼朝と再会した地。 願成就院:北条時政が頼朝の奥州平泉討伐戦勝祈願のため建立した。 銭洗弁財天:頼朝への宇賀福神の夢のお告げを元に、宇賀福神を祀り神仏の供養を行なったのが創建の由来。 三島大社:頼朝が源氏復興を祈願して旗揚げをした神社。 梶原山公園:頼朝の信任厚かったが、その死後に滅ぼされた梶原景時終焉の地。 鶴岡八幡宮:鎌倉幕府とともにあった彼の地のランドマーク。 伊豆修善寺:頼朝の嫡男・頼家が暗殺された地。 など、鎌倉殿(鎌倉幕府)をめぐる13の地を舞台に、歴史時代小説の手練れ13人が切れ味鋭い筆をふるう。 13の掌編を自宅でじっくり味わうも良し、地図と写真を手がかりに今に残る歴史の現場を訪ねるも良し。
  • 乱愛剣法 魔忍者軍団を斬れ!
    -
    「若君、藤丸様の護衛役を命ずる!」──白馬藩九万九九九九石の納戸頭・南条家の部屋住みであった大輔は、国家老から大役に抜擢された。側室・お嘉世の方と手を組み、御家乗っ取りを企む奥用人・仙波頼母が、藤丸を亡き者にするため、魔忍者軍団〈斗狩衆〉を雇ったからだった。剣は強いが女嫌い、堅物で単純直情の大輔は、斗狩衆の女忍に襲われるが、巨根絶倫であることが幸いして危機を逃れる。しかし、守るべき藤丸君には、将軍家に御目見得もできない、ある重大な“秘密”があった。そしてついに、剣難女難に立ち向かう大輔と江戸へ向かう藤丸に、斗狩衆の頭領・幻夜斎が襲いかかる!果たして正義の剣は、邪法に勝てるのか──!?書下ろし番外篇「妄龍の夜」を収録した痛快時代傑作!!
  • お江戸は爽快 右京之介助太刀始末
    -
    享和元年と元号が変わり、世の中は何となく浮かれた様子になりつつあった。そんな折、桜の散った江戸に、青羽二重の袖を翻した若侍が現れる。この謎の若侍、名前を問われて辺りを見回し、そこが浅草奥山だと知ると、奥山右京之介と名乗った。颯爽とした容姿に無垢な笑顔ながら、人を食ったような性格に、人々啞然。そんな右京之介は、ひょんなことから掏摸の弥太と、浪人矢島平四郎に出会い、思わぬ奇策を弄して江戸に蔓延る悪を断っていく助太刀稼業を始めるのだが……。累計25万部のベストセラー、痛快無比の傑作時代小説「右京之介」シリーズの原点がいよいよ登場!
  • 花売り剣客 罪深き刃
    5.0
    ゆえあって藩を出奔し、江戸に出てきた武家娘の真央。 路銀を使いはたして途方に暮れているところを、水茶屋で働く沙紀に助けられた真央は、今は花売りを生業にして町人として暮らしていた。 そんななか、沙紀がごろつきにさらわれた。真央は恩人を助けるため、その身がわりに処女を奪われてしまう。 男を知って覚醒し、犯されるたびに艶を帯びてくる躰。その妖艶な肉体と凄腕の剣を活かし、真央は悪い奴らを懲らしめていく。 さらに、許婚を死に追いつめた張本人から真実を聞き出し、今は亡き思い人の無念を晴らそうと敵地に乗りこむが……。 痛快無比の時代官能エンタテインメント!
  • 直江兼続と妻お船
    3.7
    戦国の上杉家を支える二大巨頭の重臣のひとつ、直江家には一粒種の娘“お船”がいた。後継者となる嫡子のいなかった直江家では、男子の様に活発な少女として育てられ、のちに鎌倉時代の女傑・北条政子にも比肩される器量をもった、聡明な女性となる――。謙信が死去すると、その養子同士の景勝と景虎の間で、越後を二分する熾烈な跡目争い「御館の乱」が勃発する。直江家は景勝を支えて勝利するも、お船は愛する夫を暗殺されてしまう。悲嘆にくれるお船の再婚相手として、三歳年下の幼馴染みである“兼続”が婿に選ばれたことから、戦国を代表する名軍師・直江兼続が生まれ、二人の運命は大きく動き始める。幾多の困難を乗り越えて結ばれたお船と兼続の戦国夫婦ぶりは、「前田利家と松」「山内一豊と千代」に勝るとも劣らない。秀吉・家康の天下人を相手に、内紛で弱体化した上杉家の危機を救った男と女の物語を鮮やかに描いた力作小説!

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  • 江戸城御金蔵破り
    -
    徳川の城を盗んだのだ― 一介の素浪人は腹の中で昂然とつぶやいた。 厳重な警備をくぐり抜けて江戸城に忍びこみ、二百五十余年、一度も破られることのなかった御金蔵を破って、まんまと二千両箱二つを盗み出した漢、藤岡藤十郎を痛快に描く。
  • 将軍の太刀  影裁き請負人始末
    -
    十一代将軍徳川家斉の御代、江戸の町は、うつけ組と呼ばれる悪の一団の存在に怯えていた。強請、拐かし、乱暴狼藉、そして強盗、殺害……。この正体不明の集団に敢然と立ち向かう若者がいた。旗本、修理田右京である。右京は、屋敷を出て深川の長屋住まい。爺さんの大家、五郎左衛門の代人として大家の仕事もこなす毎日を送っていた。だが、うつけ組の残忍な刃は、ついに長屋の住人にも向けられて来た。遣い手を自認する右京は、長屋を守ろうと頭領との対決へ向かう。ところが、そこで驚愕の真実が明るみに……。謎が謎を呼ぶまさかの事態に、右京はある決意を固めてゆく!若き剣客旗本の、師弟愛、恋情、そして親子の絆を描く、躍動感あふれる新シリーズ、開幕!!
  • 緋牡丹頭巾
    -
    時は太平の世、為すこともない旗本御家人の次男三男たちは、いわゆる厄介者と呼ばれ、中には憂さ晴らしに町人をいたぶる輩まで出る始末。だが、相手は武士ゆえに町人たちは泣き寝入りするほかなかった。そんな折に現れた赤い頭巾に黒マント、半裸の女剣客。誰ともなく緋牡丹頭巾と呼ぶようになった女剣客は、悪事を働く厄介者たちを次々にこらしめ、江戸の庶民は拍手喝采、その活躍に狂喜する。旗本たちに圧力をかけられ、緋牡丹頭巾の探索に動かざるを得ない町方だが、南町奉行所の同心・西島慎一郎は探索の途中で巨大な権力の存在に遭遇した……。悪か正義か、敵か味方か。緋牡丹頭巾は誰なのか?これぞ痛快無比の時代官能エンタテインメント!
  • 若さま人情帖 颯爽! 龍之介登場
    -
    たちの悪い武士たちに追いかけられた、若い娘──こよりが出会ったのは、三味線を片手に酒を飲む、謎の浪人・榊龍之介。こよりは、女だてらによみうり屋として事件のネタを追い、そのあげく、武士たちに追われていたのだ。行きがかり上、追っ手の魔手からこよりを守った龍之介は、探索の手助けを申し出て、こよりとその兄・目明かしの筆吉とともに、ある藩が秘める暗部へと切り込んでいく。いっぽう、浪人の気ままな暮らしも長くは続かず、龍之介は実家である側用人・坂木家五万石の屋敷に、顔を見せることになるのだが……。凄腕若さまとよみうり娘が巻き起こす、痛快シリーズ開幕。
  • 関ヶ原流転戦記 大谷吉継の七刻
    3.0
    慶長五年、関ヶ原――日和見を決め込み動かない小早川秀秋。その秀秋の裏切りに東軍の勝利を賭ける徳川家康。そして、裏切りを防ごうと画策する大谷吉継。天下分け目の戦いの勝敗を左右する松尾山の攻防を描く異色戦国シミュレーション!

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  • 太閤の軍師 信長死す!天下布武を継ぐ者
    3.5
    石山本願寺攻めの最中、覇王織田信長、死す! たちまち混乱する織田家に、本願寺、さらには軍神・上杉謙信の猛威が迫る。この危機に敢然と立ちあがったのが、羽柴秀吉であった。秀吉は、その麾下・竹中半兵衛の天才的軍略によって、圧倒的不利を覆していく!

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  • 東の太陽 西の鷲 (1)
    -
    対米決戦避けがたし!日本初の元帥となった大村益次郎の遺言のもと、日本政府と軍は一丸となり、来るべき対米戦争へ向けての準備を進めていく。日本海軍はドイツの開戦に合わせ、北極海踏破を可能とする砕氷空母を建造し、まずはアメリカの巨大な橋頭堡・イギリスを討つべく、“大英帝国殴り込み艦隊”を出撃させた。両大洋を股にかけて繰り広げられる大日本帝国の壮大な戦略が、いま始動する!

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  • まんまこと
    4.0
    ふうわり心が温まる畠中恵ワールド。ドラマ化もされた大人気「まんまこと」シリーズ第1弾! 江戸は神田、玄関で揉め事の裁定をする町名主の跡取りに生まれた麻之助。このお気楽ものが、町の難問奇問に立ち向かう。 ある日、女好きの悪友・清十郎が「念者のふりをしてくれ」と言ってきた。嫁入り前の娘にできた子供の父親にされそうだという。本当の父親は一体誰なのか!? 「まんまこと(=真真事・ほんとうのこと)」を麻之助が解き明かす短編連作シリーズ。 解説・吉田伸子 ※この電子書籍は2007年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 紅塵
    4.8
    十二世紀の中国、激しく争った南宋と金との間には平和条約が結ばれ、束の間の安定がもたらされていた。しかし、金に再侵攻の動きがあると知った南宋は、抗金の名将・韓世忠の息子、子温に調査を命じる。子温は女将軍だった母の梁紅玉とともに旅立ち、かつての金との戦いや名将・岳飛の悲劇を振り返りつつ、金に潜入するが……。攻め寄せる六十万の大軍をいかに迎え撃つか!? 南宋と金との戦いを描いた長篇中国歴史小説。
  • アニメ「鬼平」原作 鬼平犯科帳セレクション【文春e-Books】
    4.3
    2017年1月よりテレビ東京系や時代劇専門チャンネルで放送されるアニメ「鬼平」。 その原作となった全12話を集めました。 主人公・長谷川平蔵の奔放な青春時代や、妻・久栄の秘められた過去、 同心・木村忠吾の意外な一面、おまさ、粂八といった密偵たちの来歴など、 主要登場人物のキャラクターが分かる話を集めた鬼平入門に最適の一冊。 【収録作品リスト】 「血頭の丹兵衛」 『鬼平犯科帳(一)』収録 「本所・桜屋敷」 『鬼平犯科帳(一)』収録 「暗剣白梅香」 『鬼平犯科帳(一)』収録 「血 闘」 『鬼平犯科帳(四)』収録 「谷中・いろは茶屋」 『鬼平犯科帳(二)』収録 「盗法秘伝」 『鬼平犯科帳(三)』収録 「瓶割り小僧」 『鬼平犯科帳(二十一)』収録 「大川の隠居」 『鬼平犯科帳(六)』収録 「泥鰌の和助始末」 『鬼平犯科帳(七)』収録 (アニメ第9話「わかれ道」は「泥鰌の和助始末」の前編) 「むかしの男」 『鬼平犯科帳(三)』収録 「あきれた奴」 『鬼平犯科帳(八)』収録 「狐 火」 『鬼平犯科帳(六)』収録
  • 運命峠(一)
    -
    暗い出生の秘密をもつ孤高の青年剣士・秋月六郎太は、豊臣秀頼の遺子・秀也を育てあげることに、己れの生きる目的を見いだす。秀也の高貴にして薄幸なる生母・桂宮蓮子、しきりに暗躍する徳川の忍者、そして豊臣の残党。無敵の夕陽剣を体得した六郎太と対決する宮本武蔵、柳生一門……。登場人物の顔ぶれも多彩に、九州から江戸へと舞台はうつり、奇想天外な時代絵巻を展開する。全四巻。
  • 天下御免の剣客大名 巨城奪還
    3.7
    三河刈谷藩二万三千石の四男として育った土井六郎利位――。日々、剣の鍛錬を積みながらも、部屋住みとして一生を終えるはずだったが、突如、江戸にいる父利徳に呼び出しを受ける。そこで待ち受けていたのは、土井本家、上総古河藩七万石藩主で、老中の職にあった利厚であった。しかも六郎を養子に迎えたい、と懇願されたのである!老中を輩出できる家柄……二つ返事で快諾した。だが、この顛末は父が周到に準備したものであった。六郎ら、傍流の土井の血脈は、徳川の世では決して公に宿命があったのである。その真実を知り、壮大な天命があることを悟った六郎。出世を果たして、その大願は叶うのか。あの名家の血を引く大名が定めの剣をふるう、期待の新シリーズ‼
  • つくもがみ蜜乱
    -
    脇差の鞘に宿る九十九神・沙耶が数十年ぶりに目覚めたのは、神田にある刀屋「備前屋」の土蔵の中だった。沙耶を見つけたのは奉公人の純吉。見習い程度の扱いしかされていなかった純吉だが、沙耶と情を交わしたおかげで運気が一変する。刀屋としての腕前が上達したのみならず、男女のまぐわいの力が増し、さらには武芸の力まで会得してしまったのだ。  折しも巷では辻斬りが横行。若い娘ばかりが殺され、その陰戸を貫かれるという事件が起きていた。偶然、辻斬りの現場に出くわし、下手人と相対した純吉。一旦は撃退するものの、相手に憑いていた刀の本身の九十九神が目覚めてしまい……。大好評シリーズ第二弾!
  • やぶひげ祥庵 房中指南
    -
    深川不動尊裏手の松風長屋に住まう町娘の佳代が行方知れずになった。佳代は、父親をなくして母と妹三人暮らしの十二歳、薬研堀の医師・五十嵐祥庵の患者だった。祥庵はその評判と風貌から“藪髭先生”と綽名されるが、元は某藩の剣術指南役だった凄腕。体の弱い佳代の身を案じた藪髭は、その行方探しに乗り出すが、八丁堀同心・鎌谷厳重郎らの助けによって浮かび上がったのは、旗本の三男・馬場千士郎が佳代を拐かしたのではないかという疑惑だった。どうやら千士郎には女に対する異常な性癖があるらしい。町方も手が出せない旗本を相手に、藪髭はある策を弄して千士郎を誘き出した…。男と女の心の傷を、情けで癒し、剣で繕う長編官能時代小説。
  • お江戸けもの医 毛玉堂
    3.9
    ここは、動物の病を癒し、飼い主の心も救う場所。 動物たちとの触れ合いを通じ、私たちを究極の感動へと誘う激アツの一巻! ――縄田一男(文芸評論家) 江戸の世に、夫婦で営む動物専門の養生所があるという――。 日本歴史時代作家協会新人賞、細谷正充賞受賞の気鋭がおくる、心温まる時代小説の傑作。 谷中感応寺の境内に居を構える「毛玉堂」は、けもの専門の養生所。腕は確かだが不愛想な医者の凌雲と、しっかりもので動物好きなお美津を頼りに、今日も問題を抱えた動物たちがやってくる。治療を通して浮かびあがる、人と動物の温かな絆は、悩める飼い主たちの心も癒していき――。
  • 改造空母『遠鷹』戦記 ガダルカナル攻防戦
    4.0
    拿捕した米空母エンタープライズを改造した『遠鷹』を率いる第二機動部隊は、ガダルカナルの火消し役としてソロモン諸島に派遣されていた。一方米軍は護衛空母による任務部隊を編成、ソロモン諸島の制空権を確保し反撃の糸口を探る。…日米激突の結果は!?
  • 旭日 影の艦隊 転生空母 飛龍
    -
    帝国海軍には「もうひとつの(影の)艦隊」が存在した。彼らに課せられた使命は遊撃戦。ミッドウェー海戦から、奇跡的に生還した飛龍を編入した影の艦隊は、我が物顔に太平洋を遊弋する米輸送船団を次々に撃破、南太平洋海戦に参戦する。

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  • 旭日旗、征く! (1) 混沌の方程式
    -
    1935年日本海軍は小笠原沖で米太平洋艦隊に大敗を喫した。それから11年後の1946年12月……アメリカは再び日本に宣戦布告、南鳥島と台湾・高雄港を急襲した。東南アジア諸国の独立をめぐる戦争、日英同盟が存続し、米ソが第2次大戦に参戦しなかった「もう1つの世界」の戦いは日を経ずして太平洋、大西洋の両洋大戦に拡大していく。日清戦争を分岐点に、別の歴史を歩む「アジアの日本」の第3次世界大戦の行方は―――!?

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  • ローマ帝国愚帝物語
    5.0
    世界に君臨するローマ帝国には名君も多く存在したが、並外れた暴君も多かった。淫蕩のかぎりを尽くしたカリグラ、母殺しのネロ、虐殺に次ぐ虐殺を演じたカラカラ……彼らは皆、人々の怨嗟の声にまみれながら非業の最期を遂げた。これだけの悲劇を繰り返しながら、なぜ帝国は揺るぎもせず存続しえたのか?古代最強国家の偉大なる「愚帝」の所業と、暴君とともに歩む帝国の実像を描いた一冊。
  • 入り婿侍商い帖 関宿御用達
    4.5
    旗本家次男の角次郎は縁あって舂米屋の大黒屋に入り婿した。関宿藩の御用達となり商いが軌道に乗り始めた矢先、義父善兵衛が人殺しの濡れ衣で捕まり……。妻と心を重ね、家族みんなで米屋を繁盛させていく物語。
  • 軍神の艦隊(1)山本五十六、復活す!
    -
    ミッドウェー海戦、ガダルカナル決戦での敗北後、敗色濃厚な戦局を覆すべく、聯合艦隊司令長官・山本五十六は、前線の視察と士気高揚のためラバウルを飛び立った。だが、山本長官を乗せた一式陸攻は、米軍機P38により撃墜されてしまう。絶対的なカリスマを失った日本軍は、絶対国防圏としてマリアナ島死守を決定。圧倒的な国力を誇るアメリカ軍を相手取り、絶望的な戦いを挑んでいった…。そんななか、海軍省教育局の神重徳は、旧式戦艦を中心とした特務艦隊の司令官に任命される。突然の命令にいぶかしむ神であったが、その裏には、死の淵から甦り、影の存在として陸海軍を統べる山本五十六統合司令官の姿があった。軍神と呼ばれた山本五十六のもとで、海軍一の頭脳を誇る神重徳が、縦横無尽の活躍を見せる。軍人達の熱き思いが伝わる、本格派架空戦記シリーズ。書下ろし長編戦記シミュレーション。
  • 真・日本艦隊(1)復讐の自衛軍
    -
    一九四四年十月、レイテ湾突入を目前に米艦載機の攻撃に屈した巨大戦艦『武蔵』は、辛くもシンガポールに逃れたものの、終戦直前の本土回航途上に激しい嵐に巻き込まれて消息を絶った。一方、二〇一五年八月、日中の緊張はついに限界点を越え、弾道ミサイルが東京に向かった。その迎撃に成功したかに見えた瞬間、一隻の空母、つまり対中抑止を目的としてアメリカから海上自衛隊に導入された旧名『ジョンF.ケネディ』こと空母『あかぎ』が忽然と姿を消した。時空を超えた『あかぎ』は東南アジアの海上で、旧日本海軍の、降伏を潔しとしない残存部隊の『武蔵』『熊野』らと邂逅。欧米諸国からのアジア解放という理想を掲げた旧日本海軍の男たちと、その志を継ぐ未来の男たちが合流したのだ。彼らが結成した真・日本艦隊は、宿敵アメリカに鉄槌を下すべく太平洋に進撃することを決意した。
  • 神風超空母「大和」(1)異次元交錯!日本海の激闘
    3.0
    2011年、さまざまな軋轢を繰り返し、ついに日本は中国と全面戦争に突入する。出撃した日本海軍JF1〈ゼロ〉航空部隊の前に突然現れたのは、なんと太平洋戦争時に活躍した名機・零戦であった。だが、異変はこれだけにとどまらず、ふたたび繰り返される過去の旅客機事故や、連合艦隊司令長官・山本五十六の目撃事件など、奇怪な現象が頻発していた。そして、日本軍兵器にも原因不明の不具合が連発し、優位に展開していた対中国戦に暗雲が立ちこめる……。この異常事態に対処すべく、日本海軍初の原子力イージス戦闘空母〈大和〉を主力とする第一艦隊が、海洋調査に乗り出す。しかし、〈大和〉を待ち受けていたのは、過去と未来が交錯する恐るべき時空移動であった。かくして空母〈大和〉と昭和の戦艦「大和」が遭遇する!架空戦記の第一人者・野島好夫が描く、待望の新シリーズ、ここに始まる!
  • 超時空連合艦隊(1)激突!ふたつのYAMATO
    -
    一九四一年十二月八日、南雲中将率いる帝国海軍機動部隊は、オアフ島を奇襲した。空母六隻から出撃した攻撃隊は、米戦艦八隻を大破撃沈。だが湾内に敵空母は不在、なおかつ港湾・燃料施設への攻撃も不十分で、作戦は不完全に終わるかと思われた。だが、そのとき突如、未知の誘導弾が飛来して米軍施設を壊滅させ、所在不明だった空母『レキシントン』をも撃沈してしまう。作戦は当初の目的を達成し、大戦果をあげたのだ。ミサイルを発射したのは、『やまと』と名乗る謎の戦闘艦。『やまと』艦長南畝一佐は二十一世紀の海上自衛官で、この大戦で惨敗してアメリカの属国と化す日本の運命を覆し、日本を米国の軛から解き放つために未来からやってきたという。真珠湾の勝利で勢いに乗り、更に戦線を拡大させる連合艦隊とそれに助勢しようとする南畝。だが『やまと』の出現によって、日米戦は新たな混迷に飲み込まれようとしていた…。
  • パミールを越えて ~中国歴史小説 名将軍高仙芝の波乱の生涯
    -
    高仙芝は唐の玄宗時代の名将だが、漢人ではない。高麗の人だった。ダルコット峠の頂点にたったとき、高仙芝は部下の将兵が、恐怖におそれおののいているのをかんじた。弱卒ははじめから連れてこなかった。それなのに彼らはひるむ色を見せた。そこで智将高仙芝は全軍の力を生み出すために、この大氷河をくだれば、勝利があると全軍にふれたのだ。 パミール峠を越えてチベットを征服した唐朝の名将・高仙芝の大活躍を描く歴史秘話。

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  • 金貸し同心 金志郎
    -
    オモテの顔は北町奉行所の定町廻り同心。 実は、十日で一割の利息を取る御法度の金貸し。 そんな金志郎がカネと人情で事件を解決する異色の捕り物帖。 父が殉職して金志郎には、借金が残された。父親が高利貸しから借りた三十両だ。 取り立てにやって来た男は金志郎がかつて助けた男。 そこで金志郎はこの男と手を組んで香典を元手に金貸しとなって三十両を返そうと、闇の金貸しの元締めの元に乗り込む。 三十両は返せるのか? 父を殺した下手人は?
  • 戦う石橋湛山 昭和史に異彩を放つ屈伏なき言論
    4.4
    日本が戦争へと傾斜していった昭和初期にあって、ひとり敢然と軍部を批判し続けた石橋湛山(後の第55代内閣総理大臣)。その壮烈なる言論戦を、戦火を煽りに煽った大新聞(朝日新聞、毎日新聞……)との対比で描いた名作。 ――暴走する軍部に自らとすっぽりと身を寄せ、国際的孤立へと世論を導いたマスコミ。長引く閉塞感から、「乱」を望んだ一般大衆……。満州事変に端を発して、破局への道を踏み出した日本の一大転回期の真相を、“歴史の証人”湛山を通し、大ベストセラー『昭和史』の著者が初めて明らかにする。 ※本書は2008年1月に東洋経済新報社より刊行された『戦う石橋湛山(新装版)』を電子書籍化したものです。

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  • 同心若さま 流星剣 無敵の本所三人衆
    -
    江戸屈指の歓楽街、深川を担当する本所見廻同心。赴任して二年となる矢野剣次郎は、若き身ながら鋭い観察眼と巧みな剣術で『神の眼』と呼ばれ、悪党どもに怖れられていた。 いっぽう同じく商家の出世頭となった女手代のかすみ、裏社会をまさに束ねんとする和田新九郎……若き傑物たちが、本所の町で頭角を現わしはじめる。 顔見知りではあるものの、たがいの正体を知らずにいた三人だったが、じつは彼らの実父こそ、将軍・徳川家斉その人であった! 数奇な運命により、将軍家の血を引きつつも庶民となった三人が、最恐の人斬りと対峙する……。 兄弟の絆と徳川の証『流星剣』が、闇にうごめく悪を裁く! 傑作・新シリーズの開幕。
  • ミッドウェー海戦「魔の5分間」がなければ日本は太平洋戦争に完全勝利していた!
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 戦後70年。いま開封される太平洋戦争「逆転」の方程式!日本が太平洋戦争で完全勝利をおさめるための仮想戦術を徹底考察する!●真珠湾攻撃「第3次・第4次攻撃隊」投入でアメリカは早期講和に応じていた!●ガダルカナル島「早期撤退」から始まる逆襲への道●零戦「金星エンジン」早期投入で制空権を完全掌握!●レイテ沖海戦、大和・武蔵突入で米太平洋艦隊を殲滅!……etc.日本が「世界の覇王」になるまでの、「十分にあり得る」必勝戦術を完全シミュレーション!
  • 片倉小十郎景綱 独眼竜の名参謀
    3.5
    米沢の神官の家に生まれた片倉景綱は、伊達輝宗に小姓として仕え、十歳年下の政宗の傅役に抜擢される。幼い政宗の爛れた右眼を抉りとり「独眼竜」となして自信を回復させ、その後も伊達家の軍師として戦と外交両面で生涯政宗を支え続けた智将の生涯。

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  • 沖の権左
    5.0
    ―権左に銛打つことならず― 勝山に生まれた少年、吾一(ごいち)は、父、重吉(じゅうきち)のように鯨組の頭領を目指していた。 だが不漁に悩んだ重吉は村の掟に反し、巨大鯨「権左(ごんざ)」に挑むも仲間に多大な犠牲を出し、自らも命を落とす。 父の不手際により村を追いだされた吾一は江戸で鯨とは無縁の日々を過ごすも、いつまでも権左を忘れることができない。 しかしある日、偶然にも吾一は権左を取る秘策を思いつく。だがそれは、幕府にご法度とされている手段だった……。
  • 紫電改よ、永遠なれ 祖国防衛に散った若者たち
    3.0
    宮城県出身の菅野直は、石川啄木を愛し、短歌を詠む文学少年であった。そんな彼は、祖国日本を護りたい一心で戦闘機乗りになる。赴任した南洋では、零戦を駆って敵戦闘機と死闘を繰りひろげた。戦局が日増しに悪化するなか、本土防空のために松山基地で新編成された第三四三航空隊(通称「剣部隊」)に召集された菅野大尉は、新鋭機「紫電改」を装備した戦闘飛行隊を率い、襲来するB29の大群にもひるむことなく、戦いを挑んでゆく……。本土防空戦に命を賭け、散っていった若者たち。その壮絶な戦いと祖国への思いが胸をうつ感動の戦記ノベルス!
  • 相棒は副将軍 呪われた聖女
    -
    小石川にある水戸徳川家の彰考館では、前藩主の水戸光圀が『大日本史』編纂という大事業に勤しんでいた。 この光圀、世間では名君と誉れ高いものの、ふたを開けてみれば見栄っ張りで助平、なんとも締まらない老人である。 そんなある日のこと、彰考館の学者・寺内正雪が殺されるという事件が勃発する。探索のため、めぼしい藩士を探すが、そこで白羽の矢をたてられたのが、変わり者だが頭が切れると評判の佐々野助三郎であった。 さっそく捜査に乗りだす助三郎をよそに、好奇心旺盛な光圀もみずから動きだして、事件は思わぬ方向へと転がっていく……。 まったく新しい『水戸黄門と助さん』を描く、新シリーズ!
  • 逢魔が時三郎
    5.0
    見習を終え、晴れて亡き父と同じく定町廻り同心となった大間徳三郎だったが、気が弱くまだまだ頼りない。 そんな徳三郎を支えるのは、父に仕えていた岡っ引・文治だ。“仏の文治”の異名を持つ彼は、咎人にも心をかける人格者で、多くの者に慕われていた。その文治が、“御面党”なる人殺し盗賊を追う最中に起きた爆破で姿を消してしまう。 翌夜、張り込みをしていた徳三郎の前にふらりと現れた文治。文治の助言のもと一番手柄を上げた徳三郎だったが、文治の姿は他の者には見えていないようで……? 異色の最強タッグが江戸の悪をあばく!書下ろし長編時代小説。
  • 艶用心棒
    -
    柿沢琢馬は御家人の次男、いわゆる厄介者である。二十歳になるが女は知らない。ある日、男になろうと深川に来たところ、辰巳芸者の珠樹が三人の浪人者に襲われているのに遭遇した。疾風のごとき剣捌きで相手を退散させた琢馬は、その腕前を買われ用心棒を依頼される。そして、その日から珠樹の色仕掛けに翻弄されることに……。ある夜、珠樹の家が襲撃された。相手のうち二人を斬り捨てた琢馬は、残り一人の顔を知ることから町方の探索を手伝うことになる。幼馴染みの小雪と探索するうち、事件の背後に巨大な権力の存在を知った琢馬は類い稀なる美貌の剣客、澪とともに巨悪にたちむかうことを決意した。これぞ痛快無比の時代官能エンターテインメント!
  • 人情めし江戸屋 剣豪同心と鬼与力
    3.5
    江戸は楓川近く、松川町にある二軒の見世――。兄が仕切る駕籠屋と弟が商う飯屋の名はどちらも「江戸屋」。 ことに「人情めし屋」と呼ばれる飯屋は料理の評判があまたな人々を呼び、にぎやかだがほんのりと情に厚い街をこしらえていた。 そんな折、薬研堀で商人の主従が何者かに殺された。徒党を組んだ辻斬りの仕業と思われた。 南町奉行所隠密廻り同心の月崎陽之進は、二人の手下とともに下手人探索に乗り出す。 だがその矢先、またしても辻斬りは起きた。しかも犠牲になったのは、なんと江戸屋の駕籠かき二人だった。 悲しみに暮れる江戸屋の面々の敵を討つべく、陽之進はあたりをつけた下手人を追い詰めていくが…。江戸料理人情物語。
  • 軍師の境遇 新装版
    3.9
    天正三年、羽柴秀吉と出会い、軍師・黒田官兵衛の運命は動き出す。秀吉の下で智謀を発揮して天下取りを支えるも、その才ゆえに不遇の境地にも置かれた官兵衛の生涯を描いた表題作ほか、二編を収めた短編集。
  • まくら絵指南
    -
    国許から江戸へ出てきた十八歳の栗太は奉公が決まっていた呉服問屋が大火で焼け、市谷八幡で行き倒れていたところを絵草紙屋・藤乃屋の主人に助けられた。 主人の紹介で元武家の美人絵師・村井弓香の家で住み込みで働くことになった栗太だが、妖しい絵の手伝いをするうち淫気を高まらせ、弓香の手ほどきによって初めて女体を知る。 新鮮な秘悦の虜になり、毎夜のごとく情を交わす二人。 やがて栗太は弓香の家に出入りする可憐な生娘・光やその母・登志、熟れ肌の人妻・雪江などとも情を重ね、新たな刺激と快感に目覚めてゆくのだが……。 傑作長編時代小説。
  • どぶどろ
    3.7
    江戸の下町吹き溜まり、そこに降って沸いた怪事件。夜鷹蕎麦屋の親爺が切り口鮮やかな一刀のもと殺された。殺しの真相を追う平吉がたどり着いた真実とは?人気作家宮部みゆきに「いつかこんな小説を書いてみたいと思いました」と言わしめ、また彼女の長編時代小説『ぼんくら』のヒントともなった傑作。

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  • 三国志
    -
    今なお多くの人に感動を与える吉川英治の傑作巨編『三国志』を全巻セットで合本。諸葛亮孔明、劉備、関羽、張飛…、綺羅星のごとき武将たちの治乱興亡と人間ドラマが一気に読める完全版です。 【目次】  序  桃園の巻  群星の巻  草莽の巻  臣道の巻  孔明の巻  赤壁の巻  望蜀の巻  図南の巻  出師の巻  五丈原の巻  篇外余録
  • 新・平家物語
    -
    平家物語を題材にした吉川英治畢生の大作『新・平家物語』に、史実や紀行、創作秘話を綴った『随筆 新平家』を加えて読みやすく編集。全16巻セットで合本した電子書籍完全版です。 【目次】 新・平家物語  “はしがき”に代えて  ちげぐさの巻  九重の巻  ほげんの巻  六波羅行幸の巻  常磐木の巻  石船の巻  みちのくの巻  火乃国の巻  御産の巻  りんねの巻  断橋の巻  かまくら殿の巻  三界の巻  くりからの巻  一門都落ちの巻  京乃木曾殿の巻  ひよどり越えの巻  千手の巻  やしまの巻  浮巣の巻  壇ノ浦の巻  悲弟の巻  静の巻  吉野雛の巻  完結のことば 随筆 新平家  はしがき  新平家落穂集―筆間茶話―  新平家雑感  新・平家今昔紀行
  • 新編忠臣蔵
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    吉川英治ならではの巧みな心理描写、情景描写で赤穂浪士(四十七士)討ち入りの人間ドラマを丹念に描いた傑作長編『新編 忠臣蔵』。全巻セットで合本した完全版です。 【目次】 新編忠臣蔵  浅野内匠頭  赤穂早打帳  五日韋駄天記  赤蓼草紙  立つ鳥の記  米沢後詰  高田郡兵衛  山科普請  水調子夜船話  京伏見廓細見  松坂町界隈  吉良殿長屋  元禄人間図絵  討入炬燵孫子  此一期・月雪花  吉良方義士  武士は泣くもの  上杉家不戦始末  泉岳寺炉辺話  細川家義士夜話
  • マンチュリアン・リポート
    3.9
    昭和三年六月四日未明、張作霖を乗せた列車が爆破された。関東軍の暴挙に激怒した昭和天皇の密命を受けて、若き軍人が綴った「満洲報告書」で明かされる「真相」とは? 該博な知識と丹念な取材に裏打ちされた浅田史観で、闇に葬られた昭和史最大のミステリーを追う。絶好調『蒼穹の昴』シリーズ第4部。(講談社文庫)
  • ちょんまげ、ちょうだい ぽんぽこ もののけ江戸語り
    3.3
    時は江戸。下町神田では、腹を空かせた美貌の剣士と、可愛らしい町娘姿の狸の妖かしが、口入れ屋を訪ねていた。2人の名は小次郎とぽんぽこ。生活の糧を得るため、妙な仕事を請け負うはめになるが……。一方巷は、大太刀で侍どもの髷を斬り落とす謎の辻斬り“ちょんまげ、ちょうだい”の噂でもちきりに。小次郎も騒動に巻き込まれ……美貌の剣士と天然妖かし娘のコンビが大活躍の、お江戸もののけ大活劇。シリーズスタート!
  • 胡蝶の剣
    -
    世情騒がしい幕末。幼少の頃から人並みはずれた剣の才能をあらわした薩摩藩士・三原林太郎は、御前試合で藩主・島津斉彬の目にとまり、江戸での剣術修行を仰せつかる。千葉周作率いる玄武館道場での激しい鍛練、剣技はますます研ぎ澄まされていく――。やがて、斉彬の隠密となって奉公することとなった林太郎を待ちかまえていたのは、反斉彬派の刺客たちとの凄まじい争いの日々であった……。剣一筋に生きる若き薩摩隼人を描く傑作歴史小説!
  • さぶ
    4.0
    小舟町の芳古堂に奉公する栄二とさぶ。才気煥発な栄二と少し鈍いがまっすぐに生きるさぶ。ある日、栄二は身の覚えのない盗みを咎められ、芳古堂から放逐されてしまう。自棄になった栄二は身を持ち崩し人足寄場へ送られるが――。生きることは苦しみか、希望か。市井にあり、人間の本質を見つめ続けた作家の代表作。
  • 土方歳三
    -
    薩長らの官軍に惨敗した鳥羽・伏見の戦い。甲州、下総流山、宇都宮、会津での負け戦を経て、死に場所を求めて箱館・五稜郭へ。戦い、戦いぬいて「義」に殉じた、新選組・鬼の副長、土方歳三の壮絶な生きざまを名うての時代作家・岳真也が精緻な筆致で描く!

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  • 新装版 箱根の坂(上)
    3.7
    応仁ノ乱で荒れる京都、室町幕府の官吏、伊勢氏一門の末席に、伊勢新九郎、後の北条早雲がいた。家伝の鞍作りに明け暮れる、毒にも薬にもならぬ人間で生涯をことなく送るのが望み、と考えていた。だが、妹分の美しい娘、千萱(ちがや)の出現が、彼の今までの生き方を激変させる契機となり覇者への道を歩み出した。
  • 卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし
    3.9
    江戸に拡がる暖かい煮炊きの煙。人はね、当たり前のことがおもしろくないんだよ。裏返しや逆さまが好きなのさ――のぶちゃん、何かうまいもん作っておくれよ。夫との心のすれ違いに悩むのぶを、いつも扶(たす)けてくれるのは、喰い道楽で心優しい舅・忠右衛門だった。はかない「淡雪豆腐」、蓋を開けりゃ、埒もないことの方が多い「黄身返し卵」。忠右衛門の「喰い物覚え帖」は、江戸を彩る食べ物と、温かい人の心を映し出す。 ◎「読み進むほどにページを繰るのが早くならずにはいられない小説がある。この小説もそうだった」<塩田丸男「解説」より>
  • 樅ノ木は残った 全巻セット
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    武士や市井の人々の喜怒哀楽、義理や人情を通して限りない人間愛を描いた時代小説、人情小説の名手・山本周五郎の長編全集。第2巻は「樅ノ木は残った」。仙台藩伊達家に起こったお家騒動「伊達騒動」を基にした長編歴史傑作を全巻セットで。

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