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Posted by ブクログ
6編収録の歴史小説短編集。
伊東潤さんの作品は”熱い”です!
戦国時代の己の生命を懸けた戦いに挑む人々を
描くからか、伊東さんも作品を書いている時、
アドレナリンがめちゃくちゃ上がっているの
ではないかと自分は感じています。
そのアドレナリンが作品を通して読者である
自分に伝わってくるように思います。だから
”熱い”のです!
どの短編も読み応え十分の傑作・佳作揃いですが
いわゆる傭兵的存在である武田軍の牢人衆を
描いた「牢人大将」は彼らの心意気が非常に
カッコいい作品です。
「天に唾して」は時の権力者、豊臣秀吉と最後
まで戦い抜いた茶人の山上宗二の姿や心理描写が
凄まじくそして素晴らしいという言葉につきます!
「毒蛾の舞」は武将という男同士の戦いという面
だけでなく、女の強さや妖艶さ、計算高さ、そして
それに翻弄される男の姿を描いた、他の作品とは
また違った意味で非常に中身の濃い短編になって
います。
表題作の「国を蹴った男」は蹴鞠職人の男が主人公。
身分を越えた絆の強さや、選択を迫られる場面、
そして時代に翻弄された男の切なさなど、傑作
揃いの短編集の中で表題作を飾ったのも納得の
読み応えでした。
各短編に共通するのは歴史上の敗者たちの物語です。
そのため表舞台でなかなか語られることのない彼らの
物語に対し、伊東さんは敬意を持って新たに魂を
吹き込んでいる、そんな風に読んでいて感じました。
文庫表紙の著者紹介で伊東さんが「高校生直木賞」
なるものを受賞されていると紹介されていたのですが、
それもなんとなく分かります。
これは過去一年の直木賞候補作の中から、
高校生が直木賞を決めるという企画らしいのですが、
これだけ物語に魂を込められる伊東さんの物語ならば、
歴史小説というある程度読み手の年齢層が固まって
しまうジャンルでも、それに関係なく読み手の心に
届くはずです。
小説のジャンルの幅が狭くなっている昨今、
いろんな世代に伊東潤さんの熱い小説が読まれて
ほしいな、と思います。
第34回吉川英治文学新人賞
Posted by ブクログ
短編集なので、さらっと読むにはちょうどいい
読み易いし、ストーリーも面白い
一本一本ちゃんとしてて、考えさせられるところも多い
戦国武将の評価や人となりというのは
本当によくわからない
全てとは言わないが、かなりの部分は後世に面白おかしく作られたはずで、本当のことは誰にもわからない
江戸後期から維新の時代だってかなり怪しいわけで
ましてや信長や秀吉がどんな人間だったかなんてわかるはずがない
そういった意味では歴史物はやはりファンタジーと言うべきか
たまたま今大河ドラマで秀吉は出てくるが
あんなにいい人間であるはずもなく、もっと卑しくてずる賢くて、嫌な人間と考えたほうが自然である
しかしファンタジーである以上、面白ければよい
ボクは現代物もよく読むし、好きだけど
上橋菜穂子や司馬遼が大好きなのだと再認識
Posted by ブクログ
牢人大将(那波無理之輔、五味与惣兵衛門。「長篠合戦」)
戦は算術に候(石田三成、長束正家。「関ケ原合戦」)
短慮なり名左衛門(毛利名左衛門、直江兼続)
毒蛾の舞(佐久間盛政、まつ。「賤ケ岳の戦い」)
天に唾して(山上宗二。小田原合戦)
国を蹴った男(今川氏真、五助)
信玄や信長、秀吉は天下に手を伸ばした名将でありながら、ときに義を忘れ欲から逃れられずに生涯を閉じた。
一方で、彼らに翻弄されつつも恩を重んじ、自らの信念を貫き通した者たちがいた。明日なき乱世で、誇り高き牢人、茶人、職人らが命を賭して挑む、それぞれの戦い
。吉川英治文学新人賞受賞作。
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