亜紀書房作品一覧

  • WHITESHIFT――白人がマイノリティになる日
    3.0
    【WHITESHIFT[ホワイトシフト]】 白人マジョリティが徐々に、白人の伝統的文化を身につけた混血人種のマジョリティへと変容していくモデル。 英国では2100年代に混血の人々がマジョリティになると著者カウフマンは予見する。 ──その時、世界はどう変わるのか? --------- 〈大転換する世界情勢〉欧米で大きな話題を呼んだ必読書! 地球規模での移民の加速化により、白人は各国で少数派となる。 白人のアイデンティティが揺らぐなかで台頭するポピュリズム、ナショナリズム、多文化主義に、我々はどう向き合えば良いのか。難民問題への対処に正解はあるのか。 人口学、社会学、政治学、統計学、心理学 などの知見を動員し、精密なデータをもとに 米・英・欧州・カナダの状況を分析。全ての人が希望を持てるような未来像を模索する。 --------- 《特別付録》西山隆行氏(成蹊大学教授)による長文解説。 --------- 【目次】 ■第一章………白人がマイノリティになる世界―ホワイトシフト 〈 第一部・闘争 〉 ■第二章………ホワイトシフト前章アメリカ史におけるWASPから白人への転換 ■第三章………トランプの台頭―移民時代の民族伝統主義的ナショナリズム ■第四章………英国― 英国保護区の崩壊 ■第五章………欧州における右派ポピュリズムの台頭 ■第六章………カナダ特殊論― アングロスフィアにおける右派ポピュリズム 〈 第二部・抑圧 〉 ■第七章………左派モダニズム―一九世紀のボヘミアンから大学闘争まで ■第八章………左派モダニズムと右派ポピュリストの戦い 〈 第三部・逃亡 〉 ■第九章………避難― 白人マジョリティの地理的・社会的退却 〈 第四部・参加 〉 ■第十章………サラダボウルか坩堝か? ―欧米における異人種間結婚 ■第十一章……白人マジョリティの未来 ■第十二章……「非混血の」白人は絶滅するのか? ■第十三章……ホワイトシフトのナビゲーション―包摂的な国の包摂的なマジョリティへ ■謝辞 ■解説──西山隆行 ■参考文献および原注
  • ロシアドイツ人――移動を強いられた苦難の歴史
    -
    1巻6,160円 (税込)
    想像を絶する悲惨な体験を記憶し続けるために—— 18世紀末、新天地を求めロシアに渡り農業で繁栄したドイツ人移民たちはその後、ロシアの体制変化の中で権利を剥奪されていく。 飢饉と疫病、強制移動、強制労働など、相次ぐ悲惨な出来事を生き抜き、やがて世界各国へ再移住していった人々の姿を、近代ロシア民衆史研究に身を捧げてきた歴史家が鮮やかに描き出す。 権力に翻弄されながら悲劇を生き抜いていった不屈の民の息遣いが、当時の文献や新聞記事、手紙、世界各国に散った子孫たちの証言によって浮かび上がる、歴史研究の精華。 他民族の社会への移住と受容・同化、戦争における民族問題、難民・飢餓にたいする国家の対策と国際支援、強制移住と強制労働、再移住先を探す国際的交渉、苦境からの脱出といった問題を潜り抜けてきた彼らの経験から、我々は現代への歴史的メッセージをどれだけ引用し得るのか、自らの知恵が厳しく試されている。——本文より 【目次】 総説 「移動を強いられた民」ロシアドイツ人 序説 ドイツからロシアへの移住(ヴォルガ地方、南ロシア)——一八世紀末—一九世紀初頭 第Ⅰ部 ロシアの歴史のなかに生きる——帝政・世界大戦・革命・飢饉・圧政 第二章 帝政期ヴォルガ下流域におけるドイツ人入植地の社会経済生活 第三章 第一次世界大戦とロシアドイツ人——忠誠・従軍・捕虜・土地収用・強制移住 第四章 ロシア革命・内戦とロシアドイツ人——マフノ軍・赤軍と戦う 第五章 ヴォルガに鳴り響く弔鐘——一九二一—二二年飢饉とドイツ人移民 第六章 アンナ・ヤウクの生の軌跡——戦争・革命・飢餓・ドイツ移住 第七章 強制移住(一九四一年)と強制労働(労働軍)——体験者の証言 第Ⅱ部 苦境からの脱出——国外移住 第八章 北アメリカへの移住——合衆国北西部の甜菜栽培 第九章 南アメリカへの移住——アルゼンチン移住当初のロシア的共同体秩序 第十章 スターリン体制を逃れて中国ハルビン、そして南北アメリカへ——アムール川、ウスリー川を越えて [補説] 満洲の異文化社会に生きたリップハルト家一族 第十一章 祖国ドイツへの移住——帝政期、ソ連およびソ連邦崩壊以後 ■ おわりに ■ あとがき ■ 初出一覧 ■ 史料・参考文献 ■ Danksagung ■ Inhaltsverzeichnis
  • ロスチャイルドの女たち
    4.0
    〈 彼女たちは壁を破り、世界を動かした 〉 19世紀にドイツのユダヤ人ゲットーから身を立て、世界有数の金融帝国を築き上げた名門一族。 その栄光の裏には、女性たちの活躍があった。 --------- 株取引の天才、イギリス政治の影のフィクサー、ジャズのパトロン、 テレビでも活躍した在野の昆虫学者……。 政治、経済、文化にわたる活躍を見せた才女たちは、一方では家の掟や政略結婚、ユダヤ社会の慣習に悩み、叶わぬ恋や自らの生き方、夫との仲を思って煩悶する。 歴史の流れの中でひたむきに歩んだ生身の人間が息づく、これまでになかった人物絵巻。 --------- 19世紀から両大戦を経て現代に至る激動の欧米史を縦軸に、 男性中心に語られてきた一族の歴史を、女性の側から描き出す。 [解説]佐藤亜紀氏 (作家) --------- 【目次】 ■まえがき 〈 第一部・グトレ、ハナ、ヘンリエッタ 〉  第1章……勃興の母  第2章……ただの機械  第3章……家庭を築く  第4章……婿探し  第5章……マダム・モンテフィオーリ  第6章……より健康的な気候  第7章……調和、誠実、勤勉  第8章……裏切り  第9章……ロスチャイルド夫人の並外れた財政手腕  第10章……婚礼と葬式 〈 第二部・シャーロット、ハナ・マイヤー、ルイーザ 〉  第11章……「濃霧に満ちた憂鬱なこの世界」  第12章……キリスト教徒と結婚して一族を離れる  第13章……ユダヤ教徒として結婚し、ロスチャイルド家に入る  第14章……幼児の養育  第15章……芸術の女神  第16章……「もちろん、われわれは嫌悪しすぎることをよしとはしません」  第17章……底知れぬ深淵  第18章……逃げ道と遺産  第19章……ホテルでの暮らし  第20章……母親の教育 〈 第三部・コンスタンス、エマ、ハナ、ブランチ 〉  第21章……恋のたわむれ  第22章……跡継ぎとたしなみ  第23章……薔薇と獅子  第24章……初めての演説  第25章……ボヘミアのブランチ  第26章……王室の印章  第27章……救出と防止  第28章……登用  第29章 ……「大砲が夜のうちに届き」 〈 第四部・ロジカ、ドリー、ミリアム、ニカ、ロージー 〉  第30章……国境を越えて  第31章……入隊  第32章……復興  第33章……休暇  第34章……戦火を前に  第35章……姉妹の戦い  第36章……残響  第37章……男爵夫人、バードとモンク  第38章……ノミの女王  第39章……スペア・リブと刺繍の叛乱  第40章……すばらしい小春日和  第41章……母と娘 ■謝辞 ■原註 ■[日本語版解説]佐藤亜紀 ■家系図
  • 身の維新 完全版
    完結
    -
    全1巻4,950円 (税込)
    本電子書籍は『身の維新』に補論を加えた電子書籍オリジナル『身の維新 完全版』となります。 《 内田樹さん(思想家・武道家)推薦!》 幕末から明治にかけての医学と政治のかかわりを医師たちの肖像を通じて鳥瞰した力作。 フーコーの『狂気の歴史』の方法が日本にも定着したことを実感させる。  * * * 〈 幕末の動乱のなか、医師たちはその時々の情勢、自らの信じるもののために闘った 〉 [幕府側=漢方][新政府=西洋医学]──そのような単純な対立では語れない。 幕末の和方医、漢方医、蘭方医の群像を描く骨太の歴史ノンフィクション。 --------- 日本医学史の書を見ると、江戸時代後期の蘭方医学の歩みに重きを置いて、西洋医学化を「医学の曙」として描いているものが多い。 医学の西洋化をゴールとして、それまでの医学が価値づけられがちだった。 そのような現代人の価値観を前提にして書かれた歴史は、当時の人々が生きていた歴史からはずいぶん遠いものだろう。  * * *  ■「古医道」を確立した権田直助は、倒幕の志士となり、岩倉具視のスパイとなった。  ■浅田宗伯はのちの大正天皇を救ったカリスマ漢方医。明治期も町の人々を無料で治療し続けた。  ■幕臣・蘭学医・松本良順は、戊辰戦争で負傷者を治療。軍医という概念をはじめて持った人。  ■西洋医・相良知安は、新政府でドイツ医学を採用させた立役者。最後は易者として貧民街に生きた。  * * * 人の身体について自由に語ることができた時代。 和方医、漢方医、蘭方医らの身体観・医療観を賭けた闘いは、もう一つの維新史。 --------- 【目次】 序──医師たちの幕末維新 第一章・国を治す戦へ  一.古の医道を求めて  二.すべての医薬は皇国から  三.活きている身の理 第二章・病める国の医師の憂国  一.医師が国を治すということ  二.治療としての倒幕  三.幕府医官の漢蘭対決  四.薩邸浪士隊、西へ  五.戦のなかの医師たち 第三章 維新後の医師の闘い  一.追われゆく医師たち  二.古医道から国語学へ  三.漢方医の生存闘争 あとがき 参考文献 補論 生と理の相克――「身の追求史」 補論 序 補論 第一章 理のない医学と古――吉益東洞の万病一毒説  一.死生は知らず  二.天下の医を医す志  三.到来する物――荻生徂徠の古文辞学  四.腹中の一毒に発す  五.疾医の技芸  六.人事と造化を混ずるなかれ 補論 第二章 失われた医理を求めて  一.医理の空白に――杉田玄白の解剖学  二.一毒の行方――吉益南涯の気血水論  三.古方としての麻酔手術――華岡青洲の内外合一  四.脳と霊液――杉田玄白の神経論 補論 第三章 和歌と医学――本居宣長の身の神学  一.宣長の医論  二.歌論と医理の照応  三.悪は善のはじまり 補論 第四章 最新医療と神仙の方術――平田篤胤の神医道 補論 第五章 古の身の覚え――権田直助の古医道 補論 参考文献
  • じゃじゃ馬娘、ジョニ・ミッチェル伝
    4.0
    「私は自分自身でいるための自由を守ろうとした」 音楽でも恋愛でも、ジョニは誰にも何にも支配されない。 常に自分らしい音楽を追い求め、たくさんの恋人たちと曲を奏でる──。  * * * その半世紀以上にわたる活動をインタビューとともにたどる、孤高のシンガーソングライター、ジョニ・ミッチェル評伝の決定版! --------- 60年代から現在まで、長年アメリカの音楽シーンに燦然と輝くジョニ・ミッチェル。 「青春の光と影」「ブルー」「ビッグ・イエロー・タクシー」「サークル・ゲーム」など、誰もが知る曲を数多く残し、フォーク、ロック、ジャズの世界で、自分の音楽を追求し続けた。 レナード・コーエン、ジェイムス・テイラー、ジャクソン・ブラウン、サム・シェパード、ジャコ・パストリアスらと恋をして、ボブ・ディラン、チャールス・ミンガスとも交流した。  * * * ジョニや関係者への豊富なインタビューと資料をもとに、傑出したアーティストとしてのジョニ像を描いていく第一級の評伝。 --------- どれ一つとして時間の無駄だったとは言わないわ、私にとっても相手にとっても。お互い、健全な意味で、望むものを得るために望まないものを受け入れたのよ。そこからは美しい音楽が生まれ、私たちは互いから学び合った。──ジョニ・ミッチェル --------- 【目次】 ■序章……何事も長くは続かない ■1章……どう考えても、私は踊っている方がいい ■2章……風に私を運ばせて──女らしさのレッスン ■3章……明日もまだ私を愛していてくれる? ■4章……よくある現代のおとぎ話 ■5章……本心は明かさない ■6章……言葉の人──レナード・コーエン ■7章……経験済み ■8章……青春の光と影──CLOUDS ■9章……僕達の家 ■10章……レディズ・オブ・ザ・キャニオン ■11章……砂 ■12章……ブルー ■13章……停滞と躍進の間で ■14章……サンシャイン・コースト ■15章……バラにおくる ■16章……悪い星の下 ■17章……コート・アンド・スパーク──なにやら不思議なことが起きた ■18章……マイルズ・オブ・アイルズ ■19章……女王の中の女王 ■20章……失うことを習得する ■21章……狂気の智慧 ■22章……ミラーボール ■23章……ドンファンのじゃじゃ馬娘 ■24章……ミンガス ■25章……厚かましい女 ■26章……ワイルド・シングス・ラン・ファスト ■27章……食うか食われるか ■28章……緊急治療室 ■29章……爆弾はあとのために取っておいて ■30章……乱気流 ■31章……映画館で会おう ■32章……カーテンコール ■33章……この汽車のように ■謝辞 ■訳者あとがき ■文献リスト ■索引
  • ルー・リード伝
    -
    鬱屈、孤独、性的倒錯、ドラッグ──。 吐き気がするほど嫌な野郎か、天使のような優しい男か。 型破りで過剰、謎めいたロック詩人の正体とは……。 --------- ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、そしてソロアーティストとして、音楽・アート・文化に大きな影響を与え、ニューヨークを象徴する唯一無二の存在となったルー・リード(1942-2013)。 その孤高の音楽はどこから生まれたのか。 アンディ・ウォーホル、デイヴィッド・ボウイ、ジョン・ケイル、メタリカ、プロデューサーやバンドメイト、最後の妻ローリー・アンダーソン、そして友人たち──。 生前のルーと間近に接したジャーナリストが、多数の関係者の証言と、名曲の数々の歌詞を分析し、天才の仕事の全体像に迫る。 〈 いま明かされる「人間」ルー・リード 〉 --------- 《 日本版特別付録!》1972年(『トランスフォーマー』録音時)と、1975年(初来日時)の合田佐和子氏と髙橋明子氏による幻のインタビューを収録! --------- 「彼は師だった」──デヴィッド・ボウイ 「この本は、ルー・リードそのものだ」──イギー・ポップ 「本書は苦痛を美に変えている。ルー・リードの音楽のように」──ボノ(U2) 「ルーは、「火の中をくぐって」その音楽と人生を決定的に読み解いてくれる洞察力を備えた伝記作家と出会った」──スティング 「悲惨な人生が、最後には愛によって変容した。ルー・リードの人生のバラバラな断片を鮮やかにまとめ上げ、洞察に満ちた感動的な物語に仕上げている。強く推薦します」──スザンヌ・ヴェガ 「ルーとヴェルヴェッツに忠誠を誓うミュージシャンは、ぼくが最初でも最後でもないだろう。この本を読んで、ルー・リードというクソ天才を深掘りしよう」──ピーター・バック(R.E.M.)
  • ミートイーター式 サバイバル大全──アウトドアの「もしも」に応える実践ガイド
    -
    ◤◢◤Netflix『ミート・イーター 猟理の達人』の案内役が教えるアウトドアの極意とマインドセット◢◤◢ ◉必要なのは「知恵」「コツ」「ギア」と「冒険心」 ◉日帰りハイクから本格キャンプまで!身を守りながら自然を縦横無尽に楽しむ野外生活Tipsの決定版 ◉「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラーにも選出! ********** 〈本書の3つの要点〉 1.広範な経験と洞察に基づくアウトドア全般の究極ノウハウ 2.万一の事故・トラブルを防ぐ準備術と緊急対処法 3.豊富なイラスト図解でわかりやすい実践術の数々 ゆっくりやればスムーズにいき、スムーズだから合理的。 キーワードは〈軽量化〉〈余裕〉〈快適性〉、そして〈俯瞰力〉。 ********** 【目次】 ■プロローグ………マシュマロには気をつけろ ■CHAPTER1……準備編──何を詰め、何を着るか ■CHAPTER2……水──探し方と作り方、病原菌と浄水術 ■CHAPTER3……食料──持っていくもの、現地調達するもの ■CHAPTER4……咬まれ、襲われ、刺されるリスク ■CHAPTER5……シェルターと保温 ■CHAPTER6……荒野の旅とナビシステム ■CHAPTER7……怪我・病気と応急処置 ■エピローグ ■謝辞 ■訳者あとがき **********
  • 書くことのメディア史――AIは人間の言語能力に何をもたらすのか
    3.0
    ChatGPT, DeepL, Grammarly, Copilot, DALL-E2, Midjourney…  ──生成AIがもたらすのは、書くことの終焉か、新たな始まりか。 古代ギリシアのアルファベットの誕生から、現在のAI技術の最先端まで。 言語学のエキスパートが、文字と人類をめぐる壮大な歴史を俯瞰しながら、「書くこと」の現在、そして未来を明らかにする! ********** 〈文字を書くことで、人間は自分が本当は何を考えているのかを知ることができていたのだとしたら?〉 【Contents】  ◇チンパンジーの手話は「言語」なのか  ◆ギリシアの哲学は表音文字から生まれた  ◇AIが作ったアートや小説の「著作者」は誰なのか  ◆AIはどうやって「嘘をつく」のか  ◇AI文章生成は、書くことを仕事とする人々の職を奪うのか  ◆AIは人間の役割を「置き換える」のか、「拡張する」のか and more… ********** 【目次】  序章 人間の書き手、AI言語ソーセージ製造機と出会う 第Ⅰ部 書く練習  第1章 読み書きの力を求めて  第2章 人間が書く、そして書き直す理由  第3章 英作文とその余波 第Ⅱ部 もし機械に書くことができるならば  第4章 言語マシンの夢  第5章 自然言語処理というソーセージ製造機  第6章 機械翻訳、再び浮上 第Ⅲ部 コンピューターが書く時代  第7章 機械が著者になる  第8章 AI、書く仕事に乗り出す  第9章 AIの創造性 第Ⅳ部 コンピューターと連携する時代  第10章 ジーヴズとしてのAI  第11章 人間とAIの共生  第12章 私たちは常にAIを歓迎するか  終章 人間が著者であることが重要な理由  謝辞  訳者あとがき  原注  参考文献  主要キーワード  図版出典 **********
  • シカゴ・ソウルはどう世界を変えたのか――黒人文化運動と音楽ビジネスの変革史
    4.0
    【 推薦!】ピーター・バラカン氏 デトロイトやメンフィスより語られないシカゴのソウル・ミュージックを支えたコミュニティが目に浮かびます。 共同体あってこその音楽シーン、そのことを痛感しました。  * * * 音楽産業とブラック・パワー、そして公民権運動の結びつきを、 膨大な当事者インタビューと資料から解き明かす、決定的ノンフィクション! ---------  ◆カーティス・メイフィールド  ◆ジェリー・バトラー  ◆ダニー・ハサウェイ  ◆アース・ウィンド&ファイアー  ◆ミニー・リパートン  ◆チャカ・カーン  ◆テリー・キャリアー……。 ──ソウル界に燦然と輝く星々は、音楽とともに、世界を変革しようとした。  * * * 〈 音楽の変革 × 社会の変革 〉 人種隔離の時代に、シカゴのソウル・ミュージシャンが行った変革とは何だったのか? 自主レーベルの設立、黒人経営企業の立ち上げ、地元コミュニティ、メディアとの協働、独自の流通網の開拓……。 シカゴ・ソウルの生成を中心に、ファンク、ハウス、Hip hopの時代まで駆け抜ける、唯一無二の音楽/社会のドキュメント! --------- 【目次】 ■はじめに 第1章・廊下とラジオ ──コミュニティの変化と新しいメディアが音楽を変えた 第2章・アイム・ア・テリング・ユー ──新興のアーティストと起業家が拓いた新時代 第3章・ウィアー・ア・ウィナー ──ミュージシャン、活動家、教育者たちが音楽業界を築き、発展させた 第4章・サイケデリック・ソウル ──シカゴの一九六〇年代のカウンター・カルチャーが社会運動と音楽の方向を変えた 第5章・ア・ニュー・デイ ──一九六〇年代の闘いの答えとなったアフリカ中心主義と明確な政治的声明 第6章・リズムがすべてではない ──企業の力が一九七〇年代のブラック・ミュージック、商業、政治を動かした 第7章・サウンド・パワー ──ファンク、ディスコと結束、分断、希望 第8章・未来予想 ──リイシュー、サンプリング、若いアーティストたちが再考するソウルの歴史 ■謝辞 ■訳者あとがき ■原注 ■ディスコグラフィー ■参考資料
  • ダンテ その生涯
    4.0
    詩人、騎士、政治家、外交使節、流浪の食客……。 ──ダンテとは、いったい何者だったのか? イタリアを代表する歴史家が、中世という激動の時代を生きたダンテの人生を徹底的に分析した一級評伝。 --------- イタリア最大の詩人ダンテ。 地獄篇、煉獄篇、天国篇の三部構成から成る叙事詩『神曲』は世界の文学史に燦然と輝く不滅の傑作だ。 本書はイタリアを代表する歴史家が、フィレンツェに保存された文献を丹念に読み解き、これまで言及されてこなかったダンテの人生をつまびらかにしていく。 --------- ──もし、あの日の朝、ダンテが騎士として出兵していたなら、彼の運命は変わっていただろうし、私たちもおそらく『神曲』という作品を持つことはなかっただろう。  * * * 中世という激動の時代の社会や文化を背景に、権力、金、戦争、復讐、家族、友情、そして愛の観点から初めて分析し、〈人間・ダンテ〉を浮かび上がらせた本格評伝。 --------- 【目次】 1……聖バルナバの日 2……ダンテと高貴さ 3……カッチャグイーダとその他の人々 4……ダンテ一族 5……子供時代と隣人たち 6……愛と友人 7……教育 8……結婚をめぐる謎 9……ダンテと事業 10……政治──豪族と平民 11……政治──白派と黒派 12……追放 13……亡命者の家族 14……資産の行方 15……悪い仲間 16……ヴェローナの謎 17……改悛 18……「他人の家の階段」 19……ハインリッヒ七世 20……他人のパン 21……ラヴェンナ 訳者あとがき 索引
  • 第三の極地――エヴェレスト、その夢と死と謎
    4.7
    ──今も昔も人々の熱狂の渦のなかに聳え立つ、それがエヴェレストだ。 《ページを捲る手が止まらない、山岳ノンフィクションの新たな傑作》 ---------------------- 「そこにそれがあるから」 1924年6月、マロリーとアーヴィンは世界一の頂を目指し、二度と戻らなかった。 百年来の謎を解き明かすため、ベテランクライマーはかの地へ向かう。 そこで目にしたのは、この山に魅せられた人々の、それぞれの人生の物語だった。 ---------------------- 南極、北極に次ぐ「第三の極地」、ヒマラヤ山脈。 そこに鎮座する世界一の頂、エヴェレストに渦巻く熱狂と混乱、そして百年前の謎。 ---------------------- 【目次】 ■プロローグ ■第一部 熱狂への道  ・第一章………死者に囲まれて  ・第二章………モスクワ・ルール  ・第三章………上流社会  ・第四章………製品テスト界のはみだし者  ・第五章………忌まわしき異端 ■第二部 山に登る  ・第六章………雪の住処へ  ・第七章………奇跡のハイウェー  ・第八章………ファニの襲来  ・第九章………エヴェレストの急変 ■第三部 すべてを越えて  ・第十章………カムの闘い  ・第十一章……イギリスの空気  ・第十二章……遥かなる頂  ・第十三章……極限での捜索  ・第十四章……帰郷 ■謝辞 ■訳者あとがき ■資料に関する註 ■索引 ■著者によるペーパーバック版のためのあとがき
  • 「シェルパ」と道の人類学
    3.7
    ネパール東部、ソルクンブ郡。エベレストの南麓にあたる北部のクンブ地方は、“勇敢で忠実な山岳民族”と謳われるシェルパの人々の居住地である。標高三〇〇〇メートルを超えるこの険しい山岳地帯では、山道は天候によって質感を変え、しばしば土砂崩れや降雪によって流失しては再び姿を変えて現れる。 ヤクを追うシェルパたちが自給自足に近い暮らしを営んでいたこの地域は、次第に山岳観光の名所として知られるようになり、現在では年間数万人もの観光客が訪れるようになった。シェルパの人々はヒマラヤ登山の手助けをして働くようになり、ネパール各地からはポーターやガイドなどの職を求めて、「シェルパ」を名乗る多様な出自の人々も集まってくる。 変転する自然環境のなか、観光客のために道を見出しながら山中をゆく彼らとの出会いは、存在をめぐる根源的な問いへと通じていた――「世界」「自己」の自明性をゆるがすフィールド体験をもとに、ティム・インゴルドらの議論を補助線にして気鋭の人類学者が描き出す、刺激的なエスノグラフィ。 世界を歩むとき、自己は道であり、道は自己である われわれは世界のうちで無数の人やモノや事物と対等な関係のなかで生を営んでおり、人間社会とはそのうちの一部を恣意的に切り出したものに過ぎない。そしてわれわれが一歩を踏み出すとき、自己の身体は他者の身体やモノや概念からなる環境中の諸要素とそのつど一回的な関係を取り結び、道のアレンジメントの一部となる。世界を歩むとき、自己は道であり、道は自己である。(本文より) 電子版では写真をすべてカラーで掲載しています。
  • 幻覚剤は役に立つのか
    4.8
    『雑食動物のジレンマ』『人間は料理をする』で知られるジャーナリストが自ら幻覚剤を体験し、タブーに挑む! 今どんな幻覚剤の研究がおこなわれているのか。 幻覚剤は脳にどんな影響を与えるのか。 そして、医療や人類の精神に、幻覚剤はいかに寄与しうるのか。 「不安障害」「依存症」「うつ病」「末期ガン」などへの医学的利用の可能性と、“変性する意識”の内的過程を探る画期的ノンフィクション。 ニューヨークタイムズ紙「今年の10冊」選出(2018年)、ガーディアン紙、絶賛! 一部の精神科医や心理学者が過去の幻覚剤研究の存在に気づき、発掘を始めたのは最近のことだ。 彼らは現代の基準で再実験をおこなって、その精神疾患治療薬としての可能性に驚愕し、(中略)幻覚剤が脳にどう働くのか調べはじめた。 ——幻覚剤ルネッサンスである。(宮﨑真紀) 【目次】 プロローグ 新たな扉 第一章 ルネッサンス 第二章 博物学——キノコに酔う 第三章 歴史——幻覚剤研究の第一波  一  有望な可能性  二  崩壊 第四章 旅行記——地下に潜ってみる  トリップ一 LSD  トリップ二 サイロシビン  トリップ三 5-MeO-DMT(あるいはトード) 第五章 神経科学——幻覚剤の影響下にある脳 第六章 トリップ治療——幻覚剤を使ったセラピー  一  終末期患者  二  依存症  三  うつ病 エピローグ 神経の多様性を讃えて
  • リトル・フィート物語
    -
    はっぴいえんどにロックの秘密を教えてくれたのはリトル・フィートだった。 ——細野晴臣氏 アメリカLAの60年代、音楽シーンは最も刺激に満ち、フランク・ザッパ、ライ・クーダー、ボニー・レイット、リンダ・ロンシュタット、ヴァン・ダイク・パークス、ジャクソン・ブラウン……多くのミュージシャンが凌ぎを削っていた。 その中で、天才ローウェル・ジョージが率いるリトル・フィートはひときわ音楽ファンを沸かせ、日本でも、はっぴいえんど、矢野顕子らに影響を与えた。 ローウェルが若くして亡くなった後、80年代にバンドは復活、現在もディープなファンを惹きつけてやまない。膨大な資料と綿密なインタビューによって、伝説のバンドの音楽性と内側が明らかになる評伝の傑作! 《アメリカン・ルーツミュージックの結節点、伝説のバンド、リトル・フィートの評伝・決定版!》 【日本語版・特別付録】として、天辰保文氏による詳細なバンド関係図付! 【目次】 序章………Prologue 第1章……争う者たち――TheContenders 第2章……リトル・フィート誕生。マザーズと義理の家族たち――TheBirthOfLittleFeat:MothersAndIn-Laws 第3章……おまえの足、不恰好で小さいな――“YouGotUglyLittleFeet” 第4章……フィートのファースト――Feat’sFirst 第5章……足を滑らすのは簡単なこと――EasyToSlip 第6章……二つの列車――TwoTrains 第7章……フィンガーピッキングしたくなる美味しさ――Finger-Pickin'Good 第8章……フィートはしくじらない――FeatsDon’tFail 第9章……これが「最後のアルバム」にはあらず――NotQuite“TheLastRecordAlbum” 第10章……なんだこれは?ウェザー・リポートか?――“WhatIsThis?WeatherReport?” 第11章……ウェイティング・フォー・コロンブス――WaitingForColumbus 第12章……雨に歪んで――WarpedByTheRain 第13章……フォーラムからファームまで――FromTheForumToTheFarm 第14章……レット・イット・ロール、再び――LetItRoll,Again 第15章……ライトニング・ロッド・ウーマン――TheLightning-RodWoman 第16章……インターネットで得られるもの’――NetGains 第17章……歩み続けるフィートたち――FeatsWalkOn ■ 解説「無冠だからこそ」――天辰保文 ■ 訳者あとがき ■ 索引
  • 合本 公害原論 [新装版]
    5.0
    1巻3,190円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1971年の初版刊行以来、版を重ね続けてきた名著がついに復刊!それまで企業寄りの技術論に終始していた風潮に警鐘を鳴らし、「公害」の社会的意味を初めて問い、現在の環境学の礎となった記念碑的作品。

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  • UFC帝国戦記 1993-2023
    4.0
    ◤日本語版特別収録◢ 堀江ガンツさん[元WOWOW『UFC―究極格闘技―』解説者]の解説を収録! ********** 「アルティメット大会」の衝撃から30年── 関係者への取材と数々の資料からあぶり出した世界最大の格闘団体UFCの比類なき「光と影」。 全米4大スポーツを超えた「企業価値113億ドル」(Forbes誌)の舞台裏とは? 〝人間闘鶏〟が世界最高峰の興行ビジネスに上り詰めた本当の理由とは? 1990年代から21世紀初頭に至るアメリカ文化・経済の劇的な変容ぶりを見事に体現した総合格闘技(MMA)と興行ビジネスの現代史がここに。 **********  「グレイシー柔術」の名が世に轟いた1993年の第1回大会。  その後経営を握ったズッファとデイナ・ホワイトの奮闘。  莫大な収益をもたらしたスパイクTV、FOX、ESPNとの契約。  日本のPRIDEやアメリカンプロレスの巨人WWEとのディール。  コナー・マクレガーやロンダ・ラウジーら選手の闘いとその葛藤……。 格闘技ファンなら必携、そして垂涎の翻訳ノンフィクション誕生。 ********** 【目次】 ■日本語版刊行に寄せて ■プロローグ……覇権をつかんだ闘いの祝祭 ■第一章………成功の確信と障壁──アート・デイヴィーとSEG ■第二章………ズッファの船出──フェティータ兄弟とデイナ・ホワイト ■第三章………38歳のUFC王者──ランディ・クートゥアの葛藤 ■第四章………総損失3000万ドルの危機──PRIDE絶頂の裏側で ■第五章………リアリティ番組でV字回復──スパイクTVの野心 ■第六章………競合団体の買収劇──放浪するニック・ディアス ■第七章………ホワイトの強権発動──ヒョードルを巡る運命の糸 ■第八章………FOXと結んだ巨額契約──大型買収の完了 ■第九章………スーパースターの誕生──柔道王ロンダ・ラウジー ■第十章………ドル箱ペイパービューからライセンス事業への転換 ■第十一章……生活保護からカリスマに──悪童コナー・マクレガー ■第十二章……ズッファ、40億ドルで売却──波乱のUFC200 ■第十三章……大量解雇とエンタメ路線──ラウジー最後の二敗 ■第十四章……WBCが懸けた豪華ベルト──マクレガー対メイウェザー ■エピローグ……限界を超えろ ■解説……堀江ガンツ「UFCと日本格闘技界」 **********
  • 深海世界──海底1万メートルの帝国
    4.6
    【推薦】東京海洋大学客員教授・北里 洋さん(地球生命科学) 深海への挑戦は、リスクをものともしない開拓者たちが担ってきた。 私たちはお行儀よく客席にいるだけでいいのだろうか。 ********** 〈 宇宙より先に「地球の底」へ地の光を当てろ 〉──未来は、水の中にある。 世界80%の海底には詳細図すら存在しない。 地球人共通の財産である「深海」に、最先端の科学技術と冒険心あふれる深海飛行士[アクアノート]たちが挑んできた歴史と未来。 **********   大海を知り尽くした人がいただろうか?   私もあなたも知らない。地上に縛られた感覚を持つ人たちは。   ──レイチェル・カーソン 足もとに秘められた宇宙、それが超深海の世界。 大航海時代の宝物、沈没した豪華客船、熱水噴出孔、スネイルフィッシュ、ダイオウイカ、ジュウモンジダコ、ソコダラ、カットスロート・イール、有茎ウミユリ……。 静かなる闇に息づくその圧倒的な時の流れと生命の輝き。 地球を支えるマザーボードの営みに極限まで肉薄した比類なき科学ノンフィクション! ********** 【目次】 プロローグ 第一章 マグヌスの怪物たち 第二章 水中飛行士(アクアノート)たち 第三章 ポセイドンの隠れ処 第四章 黄泉の国(ハデス)で起こることは…… 第五章 黄泉の国に滞在 第六章「これはすべての沈没船の母なんだ」 第七章 始まりの終わり 第八章 薄暮帯(トワイライトゾーン)へ突入 第九章 深海を売る 第十章 カマエフアカナロア(深海の赤い子ども) エピローグ 深い未来 訳者あとがき **********
  • いのちの選別はどうして起こるのか──ER緊急救命室から見たアメリカ
    3.0
    《 シカゴ大学の緊急救命医が告発する[人種差別×医療格差 ]の実態 》 「差別と貧困」が医療ケアに爪を立てる日常に挑み続けた、あるシカゴER医師の葛藤と前進、そして憤懣と挑戦に満ちた熱きドキュメント。 --------- 〈 格差が分断する、医療という名の戦場 〉 通院するカネがなくて病状を悪化させた者、銃撃事件に巻き込まれた者、麻薬中毒者……。 救命救急室に担ぎ込まれるのは、社会構造と医療保険制度から取りこぼされた貧困層の黒人ばかり。 ──アメリカ型資本主義の価値観は医療システムの中に勝者と敗者を生み続け、“敗者のいのち” は常に軽んじられてしまう。 社会で正義がおこなわれないかぎり、医療もまた、正当に人を救えるものにはなりえない。 これは、私たち日本人にとっても対岸の火事ではない。 --------- 〈序文寄稿〉タナハシ・コーツ(2016年タイム誌『世界で最も影響力のある100人』選出) 「本書は、パンデミックさなかのERの1年を描いているのみならず、複雑な医療システム全体、そしてそれを捻じ曲げる分配の不平等について果敢に検証する。思い出してほしいのは、新型コロナウイルスの流行が始まったばかりの頃、ウイルスには〝肌の色は無関係〞と言われていたことだ。たぶん、本物の危機にあっては、人間誰もが共有する弱さを克服するため、誰もが立場を超えて力を合わせることになる、そう信じたかったのだろう。 しかし、それから3年が経過した今、黒人とラテン系の人々はこのパンデミックのあいだに平均寿命が3年も短くなった。これは白人の3倍に当たる。あの時点で予想してしかるべきだったのだ。そして今こそ、利口になるべきだ」 --------- 〈訳者〉宮﨑真紀(「訳者あとがき」より) 「全編を通して、ドラマ『ER』さながら救急医療現場に緊張感と切迫感がみなぎり、黒人コミュニティを少しでも癒そうとする著者の情熱と不平等への怒りが満ちあふれていて、読む者を圧倒する。そして、格差構造の根深さをあらためて思い知らされる。いや、日本でも、貧困層の無保険問題、地方と都市部の医療格差など、医療環境に確かに深い溝が存在していることを忘れてはならないだろう」 --------- 【目次】 ■序文……タナハシ・コーツ  ■1………2020年2月  ■2………2020年3月 ■3………ジャネットへの手紙 ■4………2019年11月(パンデミックの前) ■5………ニコールへの手紙 ■6………2020年5月 ■7………ロバートへの手紙 ■8………2020年7月4日 ■9………ダニアへの手紙 ■10………2020年8月 ■11………リチャードへの手紙 ■12………2020年9月 ■13………フェイヴァースさんへの手紙 ■14………2020年11月 ■15………母への手紙 ■謝辞 ■訳者あとがき
  • ヒトラーはなぜ戦争を始めることができたのか――民主主義国の誤算
    3.0
    《 民主主義の危機から、戦争は現れる 》 格差、移民、差別、陰謀論……分断社会に解決策を示せないリベラル諸国。 渦巻く不安と不信、露わになるナチズムの脅威。 アメリカを代表する歴史家が描く、緊迫の第二次大戦前夜。 --------- 「他国が脅威として現れたとき、民主主義はどう対応すればいいのか」 「自国のリーダーが無謀で危険、あるいは無能とわかったとき、私たちはどう行動すべきか」 平和を望む民意を背景に、ヒトラーに譲歩を重ねる英首相チェンバレン。 ナチの脅威を一人訴え続けるチャーチル。 孤立主義の立場から機を窺う米大統領ローズヴェルト。 国内で粛清の嵐を吹き荒らすソ連のスターリン。 様々な思惑が交錯しながら、世界は戦争への道を進んでいく──。 --------- アメリカを代表する歴史家が、1930年代から40年代初頭における民主主義の危機と覚醒を鮮やかに描く。 〈 『ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか──民主主義が死ぬ日』続編 〉 --------- 【目次】 ■主な登場人物 ■プロローグ……民主主義の危機 〈 PARTI・危機 〉 ■1……首相の野望──「生存圏」の拡大 ■2……グライヴィッツ市で何があったのか──ポーランド侵攻のきっかけ ■3……「同罪」──赤軍将校の命運 ■4……「計画は模索中」──チャーチル、チェンバレン、ローズヴェルト ■5……「王は、ここでは理解していらっしゃる」──スキャンダル ■6……「将来がとても心配だ」──イギリス空軍戦闘機、スピットファイア ■7……鉄格子をこすり続ける──移民受け入れ 〈 PARTII・ミュンヘン 〉 ■8……「これだ、私が求めていたのは!」──将官たちの企て ■9……「この危険という茨のなかから」──ミュンヘン会談 ■10……銃口を突きつけられて──民主主義の苦難 ■11……「不和の種を蒔く」──分断と差別 〈 PARTIII・戦争 〉 ■12……「国民のみなさんに申し上げねばなりません......」──宣戦布告 ■13……「これがプロイセンの将校か!」──指導者への抵抗 ■14……「力を合わせて、ともに進もうではありませんか」──就任演説 ■エピローグ……「始まりの終わり」──大西洋憲章 ■訳者あとがき ■参考文献 ■主な出来事
  • 日本とイエスの顔[増補新版]
    -
    《 日本精神史のシリーズ〈叡知の書棚〉第3弾 》 イエスを探すなら『聖書』のなかの言葉にだけでなく、眼前で生きる人のまなざしの奥にその姿を探さねばならない。 苦難を生きる人たちが生きる姿によって語る無音のコトバ、その光によってイエスの生涯を受容し直そうとすること、そこに井上洋治の神学の現場があった。 ──若松英輔 --------- 日本を代表するカトリック司祭にして作家・遠藤周作の盟友としても知られる井上洋治(1927-2014)の代表作。 イエスとその言葉をめぐる通説や常識に挑んだ井上神学の苦闘を記す本書は、刊行当時、異例の反響を呼んだ。 日常と思想、信仰を架橋し「キリスト教は日本人を救えるか?」を探究する日本精神史の必読書。 --------- 【目次】 〈 第一部 日本人の心で読む聖書 〉 ■第一章……ことばといのち ■第二章……聖書を読むにあたって ■第三章……イエスの生涯 〈 第二部 イエスの教え 〉 ■第四章……イエスの神・アッバ(父よ) ■第五章……神の国・永遠の生命 ■第六章……キリストの生命体[からだ] ■第七章……悲愛(アガペー) ■第八章……幼子の心・無心 ■第九章 悲愛の突入 ■あとがき 『日本とイエスの顔』をふりかえって ■[増補]遠藤さんのこと ■解説──語られざる神学を求めて……若松英輔
  • 応答、しつづけよ。
    5.0
    〈世界と向き合い、「つくる」ために〉 人類学とアートの刺激的な出会い。 --------- 現代の人類学を牽引する思想家が随筆、批評、寓話、詩などさまざまな形式を駆使して、アート、建築、デザインを論じる。 火、樹木、山、飛行、地面、時間、石、絶滅、線、糸、言葉、手書き、頭字語、色……創造と想像を刺激する思考の集成。 訳者・奥野克巳による詳細な解説を付す。 --------- 【目次】 ◆序と謝辞 ◆招待 森の話  ■はじめに  ■北カレリアのあるところで……  ■真っ暗闇と炎の光  ■樹木存在の影の中で  ■Ta, Da, Ça, ! 吐き、登り、舞い上がって、落ちる  ■はじめに  ■泡立った馬の唾液  ■登山家の嘆き  ■飛行について  ■雪の音 地面に逃げ込む  ■はじめに  ■じゃんけん  ■空へ(アド・コエルム)  ■私たちは浮いているのか?  ■シェルター  ■時間をつぶす 地球の年齢  ■はじめに  ■幸運の諸元素  ■ある石の一生  ■桟橋  ■絶滅について  ■自己強化ための三つの短い寓話 線、折り目、糸  ■はじめに  ■風景の中の線  ■チョークラインと影  ■折り目  ■糸を散歩させる  ■文字線と打ち消し線 言葉への愛のために  ■はじめに  ■世界と出会うための言葉  ■手書きを守るために  ■投げ合いと言葉嫌い  ■冷たい青い鋼鉄 ◆またね ◆原注 ◆訳者解説
  • 宗教とその真理
    -
    日本精神史の埋もれた鉱脈を掘り起こす新シリーズ〈叡知の書棚〉刊行スタート! ---------------------- 柳にとって重要だったのは、美は、人間を救い得るかということだった──若松英輔 明治・大正・昭和を生きた民藝運動の父。 その初期代表作を現代仮名遣いで復刊。 ---------------------- 神秘思想への考察を深めたのち民藝運動を立ち上げた知の巨人、柳宗悦による記念碑的な宗教哲学書。 「美の宗教」という独自の世界観を開陳した歴史的作品にして、雑誌「白樺」での西洋文化研究を昇華させた知と美の結晶。 ---------------------- 『宗教とその真理』と民藝運動のあいだには溝が存在しない。 むしろ、民藝の発見は、飽くなき宗教哲学の探究の先に訪れた美の花だったのである。 柳は宗教哲学者として出発しただけではない。彼自身の自覚においては、民藝運動もまた、宗教哲学者としての実践にほかならなかった。柳にとって重要だったのは、民藝における美が、どのように人を癒し、慰めるかではなかった。美は、人間を救い得るかということだった。──「解説」より
  • 日本外食全史
    4.8
    食欲と人物ドラマが織りなす、おいしい歴史。 江戸の昔から、日本人の胃袋と心を満たし、人と人のつながりを生み出してきた外食。 高級フレンチから寿司、天ぷらからファミレス、カレー、中華、ラーメン、B級グルメにアジア飯……。 高級から庶民派まで、より良いものを提供しようと切磋琢磨した料理人たちのドラマがあった。 温かさと幸福を求めて美味しいものに並ぶ人も、何があっても絶えたことはなかった。 個々のジャンル史をつぶさに見ていくと、一つの大きな共通する流れが見えてくる。 コロナ禍によって変容を強いられる外食産業の希望のありかを、歴史にさぐる。 読めばお腹が空いてくる!壮大な絵巻物。 【目次】 ■ はじめに プロローグ 「食は関西にあり」。大阪・神戸うまいもの旅。 第一部 日本の外食文化はどう変わったか 第一章 ドラマに情報誌、メディアの力 ■ 一 『包丁人味平』から『グランメゾン東京』まで。食を描く物語 ■ 二 グルメ化に貢献したメディア 第二章 外食五〇年 ■ 一 大阪万博とチェーン店 ■ 二 バブル経済とイタ飯ブーム ■ 三 一億総グルメ時代 第三章 ローカルグルメのお楽しみ ■ 一 フードツーリズムの時代 ■ 二 食の都、山形 ■ 三 伊勢神宮のおひざ元で 第二部 外食はいつから始まり、どこへ向かうのか 第一章 和食と日本料理 ■ 一 料亭文化の発展 ■ 二 居酒屋の日本史 ■ 三 食事処の発展 ■ 四 江戸のファストフード 第二章 和食になった肉料理 ■ 一 牛肉を受け入れるまで ■ 二 とんかつ誕生 ■ 三 庶民の味になった鶏肉 ■ 四 肉食のニッポン 第三章 私たちの洋食文化 ■ 一 定番洋食の始まり ■ 二 ファミリーのレストラン ■ 三 西洋料理から洋食へ 第四章 シェフたちの西洋料理 ■ 一 辻静雄という巨人 ■ 二 グルメの要、フランス料理の世界 ■ 三 浸透するイタリア料理 第五章 中国料理とアジア飯 ■ 一 谷崎潤一郎の中国料理 ■ 二 東京・中国料理物語 ■ 三 ソウルフードになったラーメン ■ 四 ギョウザの秘密 ■ 五 カレーとアジア飯 エピローグ コロナ時代の後に ■ あとがき
  • 賢人と奴隷とバカ
    5.0
    「ニッポンにいるのは、賢人気取りばかりだ」 「ポピュリズム」「反知性主義」「ポスト・トゥルース」 時代を「象徴」する言説に潜む〈大衆への差別的なまなざし〉。 資本主義×知識人が一体となって管理・支配しようとする現況を問い、近代社会の土台に存在する、無名の人びとが蓄積してきた知や技術に光を当てる。 ---------------------- ◆「中立」の立場から差別する過激中道[エキストリーム・センター] ◆ 平等を求める動きへのシニシズム ◆ 格差と対立を無視し、円滑な社会運営を志す「秩序派」 ◆ 愚かな群衆に囲まれていると感じるリベラル知識人のナルシズム 知的ソースをあげて、スマートに切って捨てる態度、利得と犠牲の計算のような知的操作で、割り切ってみせる態度は根本的には、この世界とは別の世界にむかう衝動や想像力にむけられているようにおもわれるのである。 〈支配する知ではなく、解放する知を求めて〉 ──私たちが生き延びるための唯一の方法はデモクラシーを深化させることである。 ---------------------- 【目次】 ◆はじめに……賢人とドレイとバカ 二〇二三年、春 第I部 無知と知、あるいは「大衆の恐怖」について  01.現代日本の「反・反知性主義」?  02.「反知性主義」批判の波動──ホフスタッターとラッシュ  03.ピープルなきところ、ポピュリズムあり──デモクラシーと階級闘争  04.「この民主主義を守ろうという方法によっては この民主主義を守ることはできない」──丸山眞男とデモスの力能  05.一九六八年と「事後の生(afterlives)」──津村喬『横議横行論』によせて  06.「「穏健派」とは、世界で最も穏健じゃない人たちのことだ」──「エキセン現象」をめぐる、なにやらえらそうな人とそうじゃない人の「対話」 第II部 だれがなにに隷従するのか  07.「放射脳」を擁護する  08.「しがみつく者たち」に──水俣・足尾銅山・福島から  09.自発的隷従論を再考する  10.「自由を行使する能力のないものには自由は与えられない」──二〇一八年「京大立て看問題」をどう考えるか  11.「中立的で抑制的」──維新の会と研究者たち  12.「この町がなくなれば居場所はない」──映画『月夜釡合戦』と釡ヶ崎 第III部 この世界の外に──抵抗と逃走  13.「ブラジルで のブレザーなんて着たがるヤツはいない。 殴り倒されるからだ」──二〇二〇年東京オリンピックをめぐる概観  14. 戦術しかない/戦略しかない──二〇一〇年代の路上における二つの趨勢  15.「わたしは逃げながら、武器を探すのです」──ジョージ・ジャクソン、アボリショニズム、そしてフランスにおける「権力批判」の起源について  16.ポリシング、人種資本主義、#BlackLivesMatter  17.パンデミックと〈資本〉とその宿主  18.「世界の終わりは資本主義の勝利とともにはじまった」──文明に生の欲動をもたらすもの  19.すべてのオメラスから歩み去る人びとへ──反平等の時代と外部への想像力 ◆あとがき ----------------------
  • 暗闇のなかの光――ブラックホール、宇宙、そして私たち
    -
    《100年の時をかけて、私たちはついにブラックホールを「見た」》 2019年4月、ブラックホールの存在が初めて画像で直接証明された。 「いくら見つめても足りない。素晴らしく新しいが、なぜか懐かしい」プロジェクト実現のため、世界中の電波望遠鏡のネットワーク作りに奔走した研究者が語る、壮大なサイエンスノンフィクション。 -------------------------------------- 宇宙の巨大な怪物、ブラックホール。 そこでは光が消え、時間が止まる。 私たちは、知識の限界を覗き込もうとしているのだろうか──暗闇の中の光はささやく。いまだ謎に満ちあふれたこの世界の物語を。その中で、私たち一人ひとりはどのようにして在るのかを。 私たちの限界が、私たちを探究者たらしめる。 千年にわたる旅の末に得られた、一枚の画像についての物語。 -------------------------------------- もしかすると私は「私の」ブラックホールを見ることができるかもしれない。そして、私だけではない──誰もがそれを見ることができるだろう! こう気づいたとき、私は雷に打たれたような感覚に襲われた。私の心の目には、具体的なイメージが浮かび上がってきた。今や私には明確な目標ができた。 ブラックホールの喉の奥底を覗いてやるのだ! 私はそわそわしてきて、立ち上がり、歩き回り始めた。(本文より) -------------------------------------- 【目次】 ■前書き ■プロローグ ■本書について 第1部 空間と時間のなかを進む旅 ■第1章………人類、地球、そして月 ■第2章………太陽系と進化する宇宙モデル 第2部 宇宙の謎 ■第3章………アインシュタインが一番楽しんだアイデア ■第4章………天の川銀河とその恒星たち ■第5章………死んだ恒星とブラックホール ■第6章………銀河、クェーサー、そしてビックバン 第3部 世界初のブラックホール撮影への道 ■第7章………銀河中心 ■第8章………画像の背後にある考え方 ■第9章………地球サイズの望遠鏡を作る ■第10章……遠征への出発 ■第11章……現れ出る画像 第4部 限界を超えて ■第12章……私たちの想像の力を超えて ■第13章……アインシュタインを超える? ■第14章……全知と限界 ■謝辞 ■EHT著者一覧 ■用語解説 ■訳者あとがき ■原注 ■索引
  • 逃亡者の社会学――アメリカの都市に生きる黒人たち
    4.5
    刊行以来、賛否両論を巻き起こしたエスノグラフィ、ついに翻訳。 社会学の巨人アーヴィング・ゴッフマンを父にもつ著者・アリスは、フィラデルフィアの黒人居住地区「六番ストリート」に六年間暮らし、さまざまな罪状で追われる若者たちと日々を過ごす。 頻繁に行われる逃走劇や、警察による家宅捜索、刑務所を訪れる恋人や犯罪に加担する家族たち——。 麻薬や殺人とも深く結びついた生々しい営みをつぶさに観察していく中で、アリスは大きな事件に巻き込まれていく。 犯罪が日常化した暮らし、巨大な影響を及ぼす司法システム、それに対する人々の一筋縄ではない関わり……。「これが、アメリカで生きる黒人たちのリアル」 【目次】 ■ プロローグ ■ まえがき 序章 第一章 六番ストリートの少年たちと彼ら彼らの法律上の問題 第二章 逃走術 第三章 警察がドアをガンガン叩くとき 第四章 法律上の問題を個人的に使える手立てに変える 第五章 犯罪者となった若者たちの社会生活 第六章 保護と特典の市場 第七章 クリーンな人々 結論 逃亡者のコミュニティ ■ エピローグ——六番ストリートを離れる ■ 謝辞 ■ 付録——方法論ノート ■ 原注 ■ 訳者解説
  • 教育とは何か
    NEW
    -
    ◤すべての学ぶ人と、教える人たちに。◢ 私たちにいま必要なのは、 知識の鎧で身を守る「強い教育」ではなく、「弱い教育」だ。 不確かな道をともに歩み、世界に応答せよ! 人類学をリードする世界的な思想家が教育、そして人間のまだ見ぬ可能性を示す。 *** 「教育=知識の伝達」という伝統的な教育観、 そして市場原理にとらわれた教育の再生のために──。 効果的に学生─消費者へと配達される「知識の商品」は、 不確実な外部から身を守り、自己を内部に閉じ込める「知の鎧」にすぎない。 人類学の枠を超え、アート、デザイン、ビジネスの世界にまでインパクトを与え続ける思想家ティム・インゴルド。 人類学を軸に、さまざまな研究者の知見をひもとき紡がれる文章が、教育、そして生きることに、新たな視座をもたらす。  <i>道に迷うと、足元は急におぼつかない。  けれど、すべての音や光のきらめき、  感覚の強度は増してゆく。  それは、まだ生き生きとした気づきが  削り取られていない小さな子供の  「連続的な始まりの世界」である。  そこでは、すべての事物が、  自らが何であるかを明らかにする間際の瞬間に、  存在し続けているのだ。</i> *** 【目次】 まえがき 第1章 伝達に抗して  学校を離れる  生の連続性continuity  共有化と変異  系譜学的モデル  堂々めぐりを解く  どのようにレシピを辿るか  理性と継承  学校に戻って 第2章 注意のために  習慣の原理  散歩をする  注意性と交感  配慮と憧憬  世界への愛と仲間としての構え  教育としての注意と注意の教育  弱く、貧弱で、危険 第3章 短調の教育  アンダーコモンズ  長調と短調  習慣の自由  勉強が意味するものについて  説明から感覚へ  教師は何を教えることができるのか  学習者の道具箱 第4章 人類学、芸術、そして大学  教育としての人類学  参与観察  学校とフィールド  アーティストは真の人類学者か?  科学を柔らかくする  STEM、STEAMおよびSHAPE  人類学は教育する! 第5章 共通善のための大学  人類学と来るべき大学  学問の自由について  脱植民地性  大学、多遍性/大学、多元宇宙/大学  探索、また探索  事実を超えた真実  アマチュアと専門家  学問領域──テントかタコツボか?  共通善  教育と民主主義  コーダ あとがき ***
  • ハリウッドのプロデューサー、英国の城をセルフリノベする
    3.8
    ★【推薦】寿木けいさん(遠矢山房オーナー・エッセイスト)「命知らずでシャイな男が人を、城を、街を動かした。知らない土地で女一人で古い家を買った私には、深く響きました。」 \ 年間維持費6000万!/ ハリウッドの映画プロデューサーが、ひょんなことから先祖ゆかりのイギリス北部の城館を復興することに。 ショパンが演奏し、バイロンが暖炉を寄贈し、ジョン・レノンがロックしたご先祖の館。ボロボロの城を修復し、街ににぎわいを取り戻すため、陽気なアメリカ男が立ち上がる! 待ち受けていたのは、カビ、崩落、侵入者、そして財政難──まさに廃墟同然の建物との格闘だった。 次々と襲いかかる試練を乗り越え、夢を実現しようと奮闘する、笑いと涙の感動ストーリー。 ********** 【目次】 第1章 忘れ去られたホップウッド家 第2章 思いがけずに帰郷 第3章 ホップウッド・ホール 第4章 ハリウッドの日常 第5章 フロッドンの戦い 第6章 僕は「領主様」? 第7章 ホテルの救済者 第8章 ご近所さんと殺人事件 第9章 時は流れて...... 第10章 決意 第11章 ホップウッド救出大作戦 第12章 お城への招待 第13章 貴族に会う 第14章 侵入者 第15章 中年の危機 第16章 村の助けが必要だ 第17章 火薬、反逆、企み 第18章 ロッチデールへの逃避 第19章 過去のクリスマス 第20章 ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンド 第21章 おばけ事件 第22章 レディ・T 第23章 一歩ずつ 第24章 ディスコ修道士 第25章 ライトアップ 第26章 クリスマスのサプライズ エピローグ 訳者あとがき **********
  • スパイゲーム――核戦争に最も近づいた日
    3.0
    ◤ 一触即発!◢  ◉米ソ冷戦下、ひとつの情報から米ソ両国が臨戦態勢に入る。核戦争の脅威が現実味を帯びるなか、ケネディとフルシチョフは……。 ◉人類史上最大の危機に陥った13日間を追った、スパイ小説よりもスリリングな圧巻のノンフィクション。 ********** 1960年代初め、米ソ冷戦下、両国の核爆弾の製造と宇宙開発競争が激化していた。 各国の諜報員が情報戦を繰り広げるなかソヴィエトがキューバにミサイルを配備するとの一報が。 対抗策としてアメリカはミサイル基地を空爆するのか、海上封鎖でキューバまでの進路を塞ぐのか、それとも……。 米ソ両国の緊張が頂点に達し、核戦争の脅威が現実味を帯びるなか、ケネディとフルシチョフは決断を迫られていた。 両首脳はいかに回避の道を選ぶのか!? 《今も世界は核戦争の脅威にさらされている。そんな現代人にとって必読の書》 ********** 【目次】 プロローグ──新聞配達の少年 PART1 二枚の空洞コイン  冷戦の戦士  空洞コイン#1  ザ・スーパー  長いゲーム  最悪のスパイ  亀と竜  早期警戒レーダー  秘密の世界  あんたらを葬ってやる  人間か、怪物か?  空洞コイン#2  ツークツヴァンク  すこぶる元気だ  ステージの上  青二才 PART2 ハリネズミ作戦  原点  始球式  カウントダウン  アメリカの上空  ピッグス湾事件  頭のないスパイ  キャンドルに火を灯してくれ  ウィーン  始めるのは今  ベルリンの壁  人類史上最大  東からの脱出  決断 PART3 睨み合い  深刻な問題  特別兵器  たやすい偵察飛行[ミルクラン]  闘牛士  窮地に立たされる  敵の手番  キューバミサイル危機  時間が許せば  瞬き  戦争というロープの結び目  最終提案  最初の発砲  モスクワ時間  勝負再開 エピローグ──自分で結果を選び取ろう 訳者あとがき 参考文献 **********
  • アメリカの悪夢
    4.3
    ◤推薦◢ 内田樹氏 葛藤する市民の証言を通じて アメリカの悪夢と希望のありかを知ることができる。 ★トランプ勝利後の分断に苦悩する人々の肉声から、悪夢のようにこんがらがったアメリカ社会の実像を描き出す。 ★ベストセラー『帰還兵はなぜ自殺するのか』のジャーナリストが大統領選挙を目前に控えて放つ待望の最新作! ********** 《アメリカを代表するピュリツァー賞ジャーナリストが二度の大統領選挙に挟まれた四年余りを丹念に取材し放つ最新作》 不誠実なトランプ大統領に違和感を抱いている元軍人の主人公カミングズと、熱烈なトランプ支持者が隣りあって暮らすジョージア州の町を舞台に、人種差別、BLM運動、イスラエル・パレスチナ問題を交えつつ、国家規模の分断にあえぐ市民たちの姿をありありと描く。 世界の政治、経済、戦争に絶大な影響を及ぼす超大国のいまを理解するための必読書。 ********** 【目次】 まえがき 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 第八章 第九章 第十章 謝辞 訳者あとがき
  • 美術泥棒
    3.8
    〈 稀代の窃盗狂か、恐るべき審美家か? 〉 ヨーロッパ各地から盗んだ3000億円分の美術品。 そのあまりに華麗な手口と狂気的な美への執着を暴く、第一級の美術犯罪ノンフィクション。 --------- 若くして手を染めた美術品窃盗の道。 使う道具はスイス製アーミ―・ナイフ、ただ一本。 欧州を股にかけ恋人と盗みに盗んだ、輝くような日々。 屋根裏部屋に飾っては眺め、撫で、愛し、また盗む。 その先に待ち受ける想像を超えた結末とは……。
  • 匂いが命を決める――ヒト・昆虫・動植物を誘う嗅覚
    -
    《 言葉より直截[ダイレクト]で、音よりも戦略的 》 視覚と聴覚の彼方に広がる原始の領域 〈嗅覚〉。 匂いを介したコミュニケーションで命をつなぐ生き物たちの驚くべき物語とその未来の可能性。 ---------  ●なぜわたしたちの鼻は顔の中央、先端についているのか?  ●なぜ動植物は、ここぞというとき「匂い」に頼るのか?  ●「Eノーズ」は将来、匂いの正確な転写・伝達を可能にするか? ヒト、昆虫、動物、魚、草木、花など多様な生物の「生命維持」と「種族繁栄」に大きな役割を果たしている嗅覚。 そこに秘められた謎と、解き明かされた驚異の事実とは──。 --------- 〈 多様性にあふれる生き物たちとその「嗅覚」の不思議 〉  ●雌を嗅ぎつけるため異常に巨大化したオス蛾の触覚  ●フェロモンを追って雌の身体に溶け込む5cmの雄アンコウ  ●腐食した樹木に仲間を呼び、かつ満員を告げるキクイムシ  ●芳香や腐敗臭で虫をおびき寄せ、受粉をうながす花々  ●刈られた芝が発するSOSの匂いが害虫を殺す受益者を呼ぶ  ●地雷やアルツハイマー病患者を嗅ぎ分ける犬     など…… --------- 【目次】 ■はじめに ■第1章……人新世の嗅覚 ■第2章……人の嗅覚・人の匂い ■第3章……犬はすぐれた嗅覚をもっている ■第4章……鳥は匂いがわかるのか ■第5章……魚と嗅覚 ■第6章……ネズミは嗅覚がすべて ■第7章……鼻が利く蛾 ■第8章……小さいハエさえも ■第9章……血の匂いを嗅ぐ蚊 ■第10章……巨木キラー・キクイムシ ■第11章……クリスマスアカガニ ■第12章……植物は匂いがわかるのか ■第13章……匂いの詐欺師たち ■第14章……人は匂いをどのように利用しているのか ■おわりに──匂いの未来 ■謝辞 訳者あとがき
  • 死は予知できるか──一九六〇年代のサイキック研究
    -
    〈 予知などあり得ない。だがそれはいつも現実となる。〉 イギリスのある一人の精神科医は人間の予知能力についての確信を深め、データとコンピュータを用いた警告システムの開発を夢想した──。 科学と理性で不可思議な「偶然」に挑んだ、「予知調査局」をめぐるノンフィクション。 --------- ふと母親のことを考えた一秒後にその母から電話がかかってきたりする。   ある出来事が起こる前にそれを見たり、感じたりすることは人間にはできないはずだが、それにもかかわらずそれはよくそのへんにあるようだ。   恋人や友人の死や、偶然の出会いは我々の心に前もって示される。  * * * イギリスの精神科医ジョン・バーカーは災害や事故を知らせる予知夢やビジョンに興味を抱き、それらを予防に役立てる「予知調査局」を設立する。 やがて国内外の事件を驚異的に的中させる二人の「知覚者」が現れるが、かれらはバーカー自身の死を予知する——。 --------- 〈夢やビジョンを読み解けば、最悪の未来を変えられる〉 人間の精神に宿る未知の働きに迫ろうとした壮大な実験とその衝撃の顛末とは──。
  • 被抑圧者の教育学――50周年記念版
    4.0
    解放の教育学はこの本から始まった ―― 1979 年の刊行以来、増刷を重ねてきた教育関係者の必携書!! 初版発行から50年を経た今、大幅増補を加え50周年記念版として刊行。 教育の視点から「抑圧の文化」に対峙する視点を提示する。 世界中で読み継がれている教育思想と実践の書であり、 常に新しい読者を獲得してきた信頼の一冊。 初版刊行50周年を記念し、 チョムスキーなど世界の碩学がオマージュを寄せた決定版!! 自由の実践としての教育は、 支配のための実践である教育とは異なり、 抽象的で孤立し、世界とつながりをもたない 宙ぶらりんな人間を否定するし、 また人間不在の世界のありようも否定する。 (本文より)
  • 定本 災害ユートピア――なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか
    4.4
    ロングセラー、待望の完全版刊行! 旧版での抄録部分、原注などを完全収録し、 60ページに上る増補でおくる決定版。 解説「レベッカ・ソルニットを読み解く」(渡辺由佳里)も新たに収録。 ブレイディみかこ氏、推薦! 「エリートがビビッて失敗するとき、地べたは生き生きと機能し始める」 大地震、大洪水、巨大なテロ……私たちの日常に裂け目が入るとき、 そこにはいつもユートピアが出現した。 災害時になぜ人々は無償の行為を行うのか?そのとき、なぜエリートはパニックを起こし、人びとは自発的な秩序をつくり上げるのか? 1906年のカリフォルニア大地震から、ニューオーリンズの巨大ハリケーン、9.11テロまで、危機の最中に現れる人々の自発的な相互扶助のメカニズムを追った、珠玉のノンフィクション。 【目次】 プロローグ 地獄へようこそ 第1章 ミレニアムの友情:サンフランシスコ地震 第2章 ハリファックスからハリウッドへ:大論争 第3章 カーニバルと革命:メキシコシティ大地震 第4章 変貌した都市:悲嘆と栄光のニューヨーク 第5章 ニューオリンズ:コモングラウンドと殺人者 エピローグ 廃墟の中の入り口 謝辞 解説「レベッカ・ソルニットを読み解く」 渡辺由佳里 原注
  • リルケ詩集
    3.0
    ◉あなたのお護りとなる詩がきっとある。──近代詩の巨人リルケの不朽の名作たちを、伝説の名訳で。 ◉リルケの全作品から詩人・文学者片山敏彦が選んで編んだベストセレクションに、共感に満ちた若松英輔の長編解説を付し、美麗な装丁で復刊。 **********  日常の中で飢えている 貧しい言葉たちを  目立たない言葉たちを ほんとうに私は愛する。  私の祝祭の中からいろいろな光彩を取り出して、私は彼らに贈ろう。  そうすると彼らは微笑して おもむろに晴れやかになる。  ────「日常の中で飢えている言葉」より  * * *  「時の無いひろい第二の生活」、時刻とは異なるもう一つの「時」に司られた世界、そこを生きることができるのは詩人だけではない。  詩人の言葉を読む者にも道は照らし出されているのである。  ────若松英輔(解説より) **********
  • ビッグバンからあなたまで――若い読者に贈る138億年全史
    3.7
    〈 ビル・ゲイツ絶賛の歴史プロジェクトから生まれた、あなたと宇宙を結ぶ壮大な「新・世界史」講座 〉 ◉変動の時代を生きるための地図となる、自然科学×人文科学=新・世界史[ビッグヒストリー]が登場! ◉ビッグヒストリーとは、宇宙の誕生から現在、そして未来を一つの歴史として捉え、世界的に注目を浴びている。 ◉宇宙的視野で物事を見る新しい歴史の教科書を、今あなたに贈る。 --------- 138億年前の宇宙でつくられた原子や、巨大な惑星の爆発で銀河にばらまかれた原子たち。 そうして、宇宙を漂う水素ガスは、やがて人間に姿を変えた。 ——私たちの体は、はるかな星々を旅してきたもので出来ている。 偶然が生んだ奇跡のような「地球と人類」の起源をこれまでで最もわかりやすくスリリングに描く! --------- 【目次】 第1章………私たちは宇宙をどのくらい知っているか 第2章………ビッグバン 第3章………銀河と恒星 第4章………複雑な原子──恒星がどのように元素を作るのか 第5章………太陽と地球 第6章………生命の進化(a)──細菌とウイルス 第7章………生命の進化(b)──多細胞生物 第8章………人間の出現 第9章………農業から帝国へ 第10章……グローバリゼーション 第11章……未来 第12章……ビッグヒストリーの意味
  • わたしの香港 消滅の瀬戸際で
    4.0
    〈デモでたたかう若者は何を守りたかったのか〉 絶望的な状況にあっても人々は、文学を読み、音楽を聴き、未来を思い描く。 迷いや葛藤を抱えて生きる人々、そして失われゆく都市の姿を内側から綴ったノンフィクション。 --------- それでも香港はそこに生きる人が愛さずにはいられない文化が息づく街である。 本土に吞まれていく旧植民地の矛盾や葛藤、そして魅力を柔らかく繊細な感性で描く。 --------- 都市から自由が消えていく様に、ともに迷い、引き裂かれつつも、 そこで生きようとする人々の姿に迫っていく。 ミレニアル世代の著者が記録する激動の一九九七年から二〇二〇年。 --------- 【目次】 ■はじめに ■断り書き ■二〇二一年、香港の地図 第一部  ■一九九七年  ■祭りとしきたり  ■パラレル・ワールド 第二部  ■二〇〇三年  ■二十二人のルームメート  ■二〇一四年  ■五里霧中 第三部  ■インターナショナル・スクール出身者  ■言語を裏切る者  ■工場へようこそ  ■煉獄の都市 ■謝辞 ■訳者あとがき ■原註
  • 意識をゆさぶる植物――アヘン・カフェイン・メスカリンの可能性
    3.0
    〈植物由来の世界3大薬物〉  ■アヘン(鎮静系)──ケシの実  ■カフェイン(覚醒系)──コーヒーノキ、茶  ■メスカリン(幻覚系)──ペヨーテ(サボテン) 精神活性物質を含む植物「ケシ」「コーヒーノキ」「ペヨーテ」が私たちの意識にもたらす“変容”をみずから体験し、その効果と意義をスリリングに解き明かした第一級のノンフィクション! 人間を虜する植物たちの生存戦略の「賜物」──それらは毒か、恵みか? ------------ 人間が欲望する「向精神性物質」に磨きをかけ、人間との共依存関係の上に種の繁栄を遂げた植物たち。 “そこにある自然”に先人たちが発見した可能性とは何か? 「戦争」「産業革命」「先住民の駆逐」が紡いだ植物の物語とは? 人類学、生化学、植物学ほか、多岐にわたる知見を横断して論じた「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラーの注目作! ------------ 【目次】 ■序章 ■アヘン ■カフェイン ■メスカリン ■謝辞 ■訳者あとがき
  • 消えた冒険家
    4.5
    〈息子の身に何が起こったのか? 〉 雪山登山から氷河、ジャングルまで数々の冒険を共にし、興奮と喜びを味わってきた一家。 だが、単身向かったコスタリカで息子は消息を絶ってしまう。 無事を信じる父親による、命をかけた執念の捜索が幕を開ける。 冒険旅行の魅惑と、親子の固い絆を描くノンフィクション。 ---------------------- 生物学者で冒険家の著者は、妻と二人の子どもを連れ、雪山登山や急流下り、世界各地へ旅を重ねていく。 だが単身冒険旅行に出た息子がジャングルの奥で行方不明に。 「自分が冒険など教えなければこんなことにはならなかったのだろうか」という後悔の念を抱きつつ、父は必死に捜索を続けるのだが……。
  • ヴィクトリア朝の毒殺魔――殺人医師対スコットランドヤード
    3.0
    《切り裂きジャックを〝超えた〟男を追え!》 医師の仮面を被った悪辣な「紳士」はいかにして次々と女性を殺害し、逃げつづけられたのか。 歪んだ自己顕示欲に塗れた連続毒殺魔と失態が続くロンドン警視庁の攻防を描いた迫真のドキュメント。 -------------------------------------- 19世紀末のロンドン、切り裂きジャックの凶行(5名殺害)から間もなく、それを上回る9名の女性たちを手にかけた男が現れた……。 ──〝ランベスの毒殺魔〟トーマス・ニール・クリーム。 ストリキニーネによる毒殺、中絶手術での殺害、愛人と共謀した夫殺し。 女性蔑視、毒薬への信奉、強烈な承認欲求が生んだ恐るべき「墮胎医」「脅迫者」「性の偏執狂」の本性を暴く。 -------------------------------------- 「医師が悪の道に走ると最悪の犯罪者になる傾向がある。なにしろ度胸もあり、知識にも事欠かないからね」 ──シャーロック・ホームズ(コナン・ドイル『まだらの紐』より) シルクハットをかぶり、作り笑いを浮かべた邪悪なまなざしの謎めいた人物。 クリームはヴィクトリア期の典型的な悪役像である。 切り裂きならぬ、毒盛りジャック。ヴィクトリア期版ハイド氏。 人の姿をした邪悪と堕落の象徴。(エピローグより)
  • それでもあなたを「赦す」と言う——黒人差別が引き起こした教会銃乱射事件 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズIII-11)
    5.0
    【推薦!】 77発の銃弾が9人を殺戮。戦慄の果てに希望は見えるか。 ——保坂展人氏(『相模原事件とヘイトクライム』著者、世田谷区長) 家族を殺した男をあなたは赦せますか? ——高橋ユキ氏(『つけびの村』著者)   2015年6月17日、アメリカ南部・チャールストンの由緒ある教会で事件は起きた。 「チャールストン教会銃乱射事件」である。   その日の夜、男は、毎週水曜日恒例の聖書勉強会に参加していた黒人信徒に向け銃を乱射。参加者12人のうち9人が死亡した。 ——それはインターネットで仕入れた差別思想に影響を受けての凶行だった。   だが、事件後早々、生存者と遺族は犯人に対し「あなたを赦します」と発言。 全米を震撼させた理不尽な動機による大量殺人事件は、この発言によってさらに注目を集めることになった。   克明にあぶり出される事件の一部始終、 耳を疑うほどの犯行動機の論理破綻、 ネットをきっかけにヘイトスクラム(憎悪犯罪)が生まれる過程、 そして、残された人々の尽きせぬ悲しみの軌跡……。 ——ピュリッツァー賞を受賞した地元紙の記者が生々しく描き出した、第一級のノンフィクション。   【目次】 プロローグ 第一部 邪悪な存在と目が合った 第二部 癒しを求めて 第三部 真相が明るみに出る エピローグ 弔辞——クレメンタ・ピンクニー師に宛てたアメリカ合衆国大統領による追悼演説 謝辞 訳者あとがき
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件
    4.0
    全米を揺るがした未解決事件の真相に迫り 人類最大のタブーに挑む衝撃のノンフィクション! 1961年、大財閥の御曹司が消息を絶った。 首狩り族の棲む熱帯の地で。 この時点で、マイケルが「いかに」殺され、食べられたのかは、一連の調査や文献からすでにはっきりしていたのである。 著者ホフマンにとってどうしても解せなかったのは、「なぜ」マイケルが殺され、食べられなければならなかったのかということだった。(解説より) 解説:奥野克巳(文化人類学者)
  • ある公害・環境学者の足取り : 追悼 宇井純に学ぶ
    -
    1巻2,750円 (税込)
    列島各地の公害を告発し、学問や科学技術のあり方を全身で問い続けた公害・環境学者、宇井純。2006年に亡くなった故人を偲ぶ集いでの談話や追悼寄稿、自伝などを収録する。

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  • 私たちはなぜ法に従うのか――法と「正しさ」をめぐる3000年の世界史
    4.0
    1巻2,640円 (税込)
    ◉「悪法も法なり!」「強い者が正義!」にどう抗えばいいのか? ◉古代ローマから、中世封建社会、絶対王政、そして近代国民国家から現代の管理社会まで。世界の法制史をハイスピードで駆け抜け、法と「正しさ」の機能的本質を明らかにする、タイパ抜群の法学講義! ********** 法ってそもそも、何なのだろうか ・私たちが従わざるを得ないもの? ・誰かが勝手に決めた決まり? ・社会のルール? ・紙に書かれた決まり? ・紛争解決の手段? ・説得の手段? ──素朴な疑問の答えを求めて、法制史3000年の物語を俯瞰する! ********** 〈「法」とは何かを私たちは知っているでしょうか。たとえば、法に善・悪はあるのでしょうか。あるいは、誤っていても不正でも法なのでしょうか。こうしたことを問いかけますと、たいていの人は答えられないと思います。というのは、「法や法律に従うべし」という規範を、私たちは強く刷り込まれているのに、肝心の法や法律(の成り立ち)については、(…)ほとんど学ぶことがないからです〉(本書より) ********** 【目次】 第1章 法とは何だろう:法の機能的分類  1 はじめに  2 私たちはなぜ法に従うのか  3 「法とは何だろう」のまとめ 第2章 伝統と共同体:書かれ得ぬ法の時代  1 なぜ法の歴史を学ぶのか?  2 「法律」より前にも法はあったのか  3 古代ローマの伝統的な法  4 ゲルマンの共同体と法  5 「伝統と共同体」のまとめ 第3章 伝統から法典へ:法の合理化はどのように生じるのか  1 書かれたものとしての法の機能  2 商業による法の一般化・合理化  3 中世社会と衰退する法学  4 理性のゆりかごとしてのカトリック教会  5 拡大する都市の自由民  6 「伝統から法典へ」のまとめ 第4章 競争から独占へ:絶対王政の成立  1 集中的な権力はいかにして生じたのか  2 帝政ローマ期の権力  3 教皇 VS. 皇帝の競合  4 中世封建制から絶対王政へ  5 「競合から独占へ」のまとめ 第5章 理性と論理による統治:近代国民国家の誕生  1 自然法論の逆襲   2 革命と法典:理性による統治から「啓蒙主義の帝国」へ  3 歴史法学と近代国民国家  4 「理性と論理による統治」のまとめ 終章 法のこれから:基本権の居場所  1 日本への移植  2 法のこれから **********
  • 人体の全貌を知れ――私たちの生き方を左右する新しい人体科学
    3.8
    《とんでもなく複雑で、とんでもなく精巧──内なる秘境、人体。さあ“秘密の人体”へ分け入る旅へ!》 私たちの未来に最もインパクトを与えるのは、自動運転車でもロボットでもない。 ――「ヒト生物学」だ。 ---------------------- 私たち自身の体内に広がる「ミクロの宇宙」。 知るためには、まず、見なければならない。 それぞれの時代時代で、研究によって得られた知識をもとに私たちは自らの体を「見て」、そして考えてきた。そこには、人体を見ようと奮闘した科学者たちの物語があった。その営みは今も脈々と続いている。 ---------------------- 新たなテクノロジーとツールによって明かされてきた人体の姿は、息を呑むほど精巧で、複雑で、多様性に溢れている。その光景は私たちに問いかける。 細胞とは何なのか、何をもって健康とするのか、そして、生命とは何か──。 「ヒト生物学」における近年の画期的発見の数々は、私たちの人生をいかに変えたのか。前著『美しき免疫の力』で優れたストーリーテラーぶりを披露し、英国で最先端の顕微鏡を用いて免疫細胞を研究するダニエル・M・デイヴィスによる、ヒト生物学の最前線。 ---------------------- 【目次】 ■科学者のみなさまへ ■はじめに ■一章……超高分解能で細胞を見る──顕微鏡の発展とともに ■二章……命の始まり──遺伝子検査とゲノム編集 ■三章……新しい治療法を生むテクノロジーの力──フローサイトメーター ■四章……色鮮やかに脳を染める──多色標識法と光遺伝学 ■五章……内なる他者との共生──マイクロバイオーム ■六章……包括的な遺伝コード──ホリスティックな医療へ ■七章……全体を見る ■謝辞 ■訳者あとがき ■原註 ■索引
  • シュタイナー教育入門――現代日本の教育への提言
    -
    1巻2,640円 (税込)
    日本精神史の埋もれた鉱脈を掘り起こす新シリーズ〈叡知の書棚〉刊行スタート! ---------------------- 《自己の存在の秘密を学ぼうとする人へ 》 古代ギリシア以来のヨーロッパの教育観・人間観に照らし、教育とは何かを考える。 その先に展望される、あるべき理想の教育とは──。 ---------------------- 独創的な教育家にして、医学、農業、経済学、芸術学、建築学、文学、哲学、宗教に至る広大な領野を探究した大思想家ルドルフ・シュタイナー(1861~1925)。 シュタイナー研究の第一人者が、その教育思想の可能性を深く掘り下げる決定的な名著、待望の復刊。 ---------------------- 普通、人は霊的という言葉にあまりなじんでいませんから、この言葉だけで既に何か違和感を感じて、「霊的因果律」という考え方にはとてもついていけない、と思うでしょう。けれども霊的という、いわば学問的には聞き慣れない言葉を意識的に使うことがシュタイナーの思想を理解するのに必要なことなのです。(本文より)
  • 刑期なき殺人犯――司法精神病院の「塀の中」で
    5.0
    両親を射殺して出頭。しかし「刑事責任能力」はナシ。 統合失調症により心神喪失した凶悪殺人犯はどこへゆくのか。 犯罪精神医療界の構造的な歪みと限界を暴く第一級のノンフィクション。 【精神医療、司法制度に関心のあるすべての人の必読書】 -------------------------------------- 愛を知らない孤独な青年が、ある日、自宅で父と母を射殺した。 しかし、統合失調症のため、司法精神病院へ措置入院となる。 過剰投薬の拒否、回復の徴候、脱獄未遂、自ら弁護人となっての本人訴訟……。 ――そして彼は、今なお病院から出られないでいる。 -------------------------------------- 犯罪者は逮捕後、世の人々の前からは消えるが、いなくなったわけではない。人生は続くのだ。重警備の刑務所で、あるいは司法精神病院で……。 本書は、評決が読み上げられ、判決が下されたところからはじまる物語だ。 複雑かつ混沌としてはいるが、その後のストーリーはひっそりと、たしかに存在している――。 《当代随一のノンフィクション作家にして精神分析医が描く、殺人犯の青年に降りかかった判決後の驚くべき人生とは》 -------------------------------------- 【目次】 ■はじめに 1……止まった時間 2……汝の父母を敬え 3……想定外の誕生 4……水よりも濃し 5……罪の重さは 6……「フォーカス・オン・フィクション」 7……第八病棟 8……リハビリと抗精神病薬 9……「拘束衣を解いて」 10……過剰に宗教的 11……転換点 12……薬男 13……疑惑 14……思考犯罪 15……怒りと拘束 16……煉獄 17……レディ・キラー 18……「みな恐れている」 19……本人訴訟 20……正気が回復するまで ■訳者あとがき
  • 骨は知っている――声なき死者の物語
    4.7
    刻まれた傷跡と隠された死因。 死してなお語りつづける骨たちの声に耳を澄ます──。 DNA鑑定も利かないとき、「骨」の分析は最後の砦。 解剖学・法人類学の世界的権威が冷静な筆致で解き明かす、人体の不思議とそれを支える骨に秘められた多様性とは? 生々しい犯罪捜査の実録譚も収録した迫真のドキュメント。 《頭蓋骨~足先のあらゆる骨片から遺体の身元と人生の物語を読み解く、スリリングな知的エンターテインメント》 -------------------------------------- 本書はみなさんを、人体を巡る旅にお連れする。 人の人生や経験がいかに骨に書き込まれているか。 その物語を科学の力でどんなふうに明らかにするか。 そこではきっと、驚くような事実に出合えるだろう。 まさに、事実は小説より奇なり。 -------------------------------------- 【目次】 ■序章………骨格 第一部 〈頭部〉頭蓋骨 ■第一章……脳の容れ物(ブレイン・ボックス)──脳頭蓋 ■第二章……顔──顔面頭蓋 第二部 〈体〉頭蓋骨後中軸骨格 ■第三章……背骨──脊柱 ■第四章……胸──胸郭 ■第五章……喉──舌骨と喉頭 第三部 〈四肢〉頭蓋骨後付属肢骨格 ■第六章……胸帯(肩帯) ■第七章……骨盤帯 ■第八章……長骨 ■第九章……手 ■第十章……足 ▶尾部 ▶謝辞 ▶訳者あとがき
  • 世代とは何か
    -
    【推薦】中島岳志さん(政治学者) 「生者は死者と未来の他者を、同じテーブルに呼び集めて、対話しなければならない。」 ********** ──地球規模の危機を乗り越え、未来を確かなものにするために、わたしたちは何をすべきか。 巨大な危機に直面したいま、私たちは「古いやり方」に立ち戻る必要がある、とインゴルドは唱える。 古来、脈々と紡がれてきた「知恵」とは、いったいどのようなものだろうか? ティム・インゴルド思想のエッセンスを総動員して語られる、希望の書。 ********** ティム・インゴルドは、私たちが直面している惑星規模の危機に対処するために、世代をめぐる考え方をひっくり返そうとします。 そのために、複数の世代が祖先の道に沿ってともに生き、ともに働くことによって、自らと子孫たちにとっての未来を確かなものにするという失われてしまった考えを、私たちのうちに再び取り戻そうとするのです。──奥野克巳 ********** 【目次】 ◉日本の読者のみなさまへ ◉まえがき 第1章 世代と生の再生  親子関係  系譜学的モデル  相続と持続性 第2章 人の生涯[ライフコース]をモデル化する  年を取り、子をなす  歴史の天使  釣鐘曲線  生と死 第3章 道を覚えていること  薄層で覆われた地面  過去からの道  アーカイブからアナーカイブへ  懐かしむこと 第4章 不確実性と可能性  呪いを解く  くぐり抜けながらおこなう  注意の構造  驚愕と感嘆 第5章 喪失と絶滅  種のカタログ  子をなすことの系譜  人種と世代  保全と、ともに生きること[コンヴィヴィアリティ] 第6章 人類を再中心化する  人間を超えて、人間する[ヒューマニング]  例外主義の告訴  進歩と持続可能性  群れとタービンについて 第7章 教育のやり方  学究的な姿勢  理性と応答可能性  新しい人々、古いやり方  知恵と好奇心 第8章 科学技術の後に  STEMからSTEAMへ  科学とアーツ  デジタル化と手先仕事  結び ◉解説に代えて ◉原注 **********
  • ヒクソン・グレイシー自伝
    4.0
    頂と底。善と悪。生と死。 彼の波瀾万丈の人生は、「柔術」そのものの物語を見るかのようだ。 ――中井祐樹 推薦! コナー・マクレガー(元UFC2階級同時王者)絶賛! -------------------------------------- 《アルティメット大会に震え、VTJとPRIDEに熱狂し、あの日の「ヒクソン」を畏怖したすべての人に贈る》 父エリオや兄ホリオンとの確執、闘いなき「競技」へのまなざし、離婚と再婚、日本での特別な時間、早世した息子ホクソンへの想い――。 13歳で学校をドロップアウトし、ストリート団に身を投じた若き柔術家は、亡き兄ホーウスに代わり一族最強を継ぐと、バーリトゥードの道を選んだ。 ヨガの呼吸法を体得し、全能のファイターとなった男はリングを降りたが、家族への想いを胸に、いまなお世界中で柔術の発展に寄与しつづけている。 ニューヨークタイムズ、ウォールストリートジャーナル、USAトゥデイでベストセラーとなった話題の書 これから先、数百年後も数千年後も永遠に格闘技史に名前が刻まれる究極のファイターである。 ──作家・増田俊也(「解説」より) -------------------------------------- 【目次】 ■序文 1……グレイシー一族 2……グレイシー一家に育つ 3……捕食者と獲物 4……不動の心 5……切磋琢磨 6……渡米 7……日出ずる国 8……パラダイムシフト 9……荒廃 10……再生 ■エピローグ ■謝辞 ■解説──増田俊也(作家)
  • 新編 志樹逸馬詩集
    3.7
    1巻2,530円 (税込)
    曲った手で 水をすくう  こぼれても こぼれても  みたされる水の  はげしさに  いつも なみなみと  生命の水は手の中にある  指は曲っていても  天をさすには少しの不自由も感じない  (「曲った手で」) 大きな困難の中にあって、生きることの喜びと光を求め続け、言葉を紡ぎ続けた伝説の詩人。 キリスト教信仰に裏打ちされたひたむきで純粋なことばたち。長く入手困難だった詩作品が、ついによみがえる。 これまでに刊行された二冊の詩集『志樹逸馬詩集』(方向社、1960年)、『島の四季』(編集工房ノア、1984年)に収録された全詩に加え、遺稿ノートから未公刊の詩を選んで編む。 付録の投げ込み栞(若松英輔、込山志保子執筆、8ページ)を電子版では巻末に収録しました。 【もくじ】 詩集『島の四季』 詩集『志樹逸馬詩集』 未公刊詩選 解説(若松英輔) 年譜(込山志保子) 栞(若松英輔、込山志保子)
  • 社会はどう進化するのか――進化生物学が拓く新しい世界観
    3.0
    競争? 淘汰? いや違う。 ――ダーウィンの知恵は、私たちを共生へと導く。 がん細胞、免疫系、ミツバチのコロニーから、「多細胞社会」としての人間まで…。 進化生物学の最前線から、人間の社会・経済活動のメカニズムを解剖する、知的興奮の書! 「わかりやすい文体と、深いアイディアと洞察。 日常生活からグローバル政策決定まで、進化論を軸にした驚くべき探求」 ――ロバート・M・サポルスキー(『サルなりに思い出す事など』著者) 「常識への挑戦の書。新たな思考を開く」 ――ダロン・アセモグル(『国家はなぜ衰退するのか』著者) 『ネイチャー』誌など、各界で話題騒然!
  • 権力は噓をつく――ベトナム戦争の真実を暴いた男
    5.0
    権力者のメンツ、エスカレーションの必然性、内政とのバランス……。 ──戦争の構造は、驚くほど、いつも同じだ。 ---------------------- 1960年代、冷戦期に軍事アナリストとしてペンタゴンで働いていたダニエル・エルズバーグは、ベトナム戦争が権力者のメンツや選挙対策によってエスカレートしていくことに疑問を持ち、政府の機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」の暴露を決意する……。 ---------------------- インサイダーによるリークは正当化されるのか? 戦争はどのように作られ、継続するのか? なぜ権力者たちは、戦争を止めないのか? 彼らのメンツは、兵士や市民の命より大切なのか? 報道の自由とは? 国民の「知る権利」とは? ──戦争の構造は、変わらない。 ──権力は、その力の維持を自己目的化していく。 資料を縦横無尽に駆使しながら、推理小説のように一気に読ませる歴史ノンフィクション。 ---------------------- キッシンジャーは、米機が攻撃しているのは軍事関連、工業関連施設だとして空爆を擁護した。たまたま民家や病院に爆弾が落ちたこともあったが、民間人の死亡は気に留める必要なしと思ったのか、キッシンジャーはさらりと流して終わった。「一般市民の死者数はおそらく四〇〇名から五〇〇名にすぎません」(本文より)
  • クラフトビールのお店、はじめました。
    3.0
    ビビビッときたから、やってみた! 49歳で[本業・ライター][副業・クラフトビールバー経営]のWワークに成功した著者が提案する、これからの時代の幸せな生き方&働き方! □僕はなぜ49歳でビアバーを開いたのか? □なぜいま、クラフトビールなのか? □わずか8坪、0からの店舗づくりって? □小さな店舗ならではの強みとは? □どうすれば稼げる店になる? □人に頼り、アプリに頼り、店を回す? ⇒濃いコンセプト&ゆるい戦術で不況を泳ぐNEWTYPE小商い! 【本書より】 「2023 年、東京・代官山でクラフトビールのバーをはじめました。 わずか8 坪の店舗ですが、毎日いろんな人がやってきます。 日本各地のおいしいビールを片手に夜な夜な語らい、つくり手の物語に思いを寄せながらその味わいに触れる、そんな空間です。 こんな場所をつくることが、50歳を目前に控えた僕の夢でした。 この本は、その夢を実現するために講じた、数々の試行錯誤の記録です。」 ********** 【目次】 prologue 僕はなぜ49歳でビアバーを開いたのか 第1章 フリーライター〝25〟年生の新しい挑戦  ◆書く仕事に就くためにどうするか  ◇編集プロダクションに入社  ◆焼酎の取材で扉が開いた酒への道  ◇全国の酒蔵とつながる仕事で開眼  ◆すべてが衝撃的だったミヤタビール  ◇規制緩和とビールの変遷  ◆『日本クラフトビール紀行』執筆という転機  ◇ある日突然、バーのオーナーになる  ◆大事なことはバーで決まる  ◇赤字に次ぐ赤字。でもやってよかった理由 第2章 なぜいま、クラフトビールなのか?  ◆「クラフトビール」ってなに?  ◇愛すべき〝ビールの怪人〟を探して  ◆いつか自分もビアフェスをやりたい  ◇運命的な出会いと地域活性の形  ◆タップテイクオーバーで湧きあがったビアバーの夢  ◇横浜生まれの僕が書いたビール本  ◆さらば、青春のデュランバー  ◇クラフトビアバー開業計画、始動  ◆物件探しの条件メモ  ◇池尻大橋駅至近、地下1階の激安好物件 第3章 わずか8坪、ゼロからの店舗づくり  ◆代官山駅徒歩3分。8坪のスケルトン  ◇敷金3カ月という奇跡の物件  ◆パラレルワーカーの起用と完全キャッシュレス化  ◇ビール1杯でどれだけの利益があるのか?  ◆ビアサーバーはどうしようか?  ◇業務用冷蔵庫ってこんなに高いのか  ◆いよいよ着工!  そして9月中のOPENを決断  ◇ギリギリまで迷った店名『ビビビ。』  ◆デザイナーが飛んだ!  どうするロゴデザイン  ◇集まった精鋭たち 第4章 小さな『ビビビ。』の小さな出航  ◆開店前に最後の取材で長野・青木村へ  ◇ロゴ入りグラスの調達に四苦八苦  ◆あれこれ備品の調達メモを作成  ◇開店記念ビール「シトラス珈琲ペールエール」  ◆ついに迎えたグランドオープン  ◇予想以上の売上げから一転、ノーゲスの惨事  ◆クラフトビール用語「打ち抜く」 第5章 店舗は生きている。変わりつづけて前へ  ◇クラフトビール専門店ならではの事務仕事とは  ◆インスタとグーグルマップを最大活用する  ◇日本最北のブルワリーで樹液のビールを  ◆コラボレーションビールとは何か  ◇「8坪」の売上げに限界はあるのか  ◆日曜夜の閑古鳥をひっくり返す集客イベント  ◇採用コスト0の幅広いチームビルディング  ◆白樺樹液のコラボビールを仕込む  ◇悲願の「ビビビビアフェス」が実現  ◆手話でも伝えたい多様性の物語  ◇クラウドファンディングの失敗とさらなる挑戦 第6章 あっという間の1 年。僕が『ビビビ。』で得たもの  ◆日帰り+αのブルワリー見学ツアー  ◇かゆいところに手の届くマニュアルが自然発生  ◆「クラフトビール× 地方創生」の熱に触れ、味わう  ◇幻の2号店オープン  ◆降って湧いた醸造所設立のプラン  ◇25年ぶりの佐渡島で目撃した新しい芽  ◆1周年記念ビール「代官山坂ジンジャーハニーピルス」  ◇店名とロゴ、そしてインスタグラムの恩恵  ◆クラフトビールに何を掛け合わせるか epilogue 「小商い」から見えてきた新しい選択肢 厳選クラフトビール醸造所リスト **********
  • 詩集 見えないものを探すために ぼくらは生まれた
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    きみは   どんなときも   けして   忘れてはいけない   貴く生きることも   大事だが   君が生きている   そのこと自体が   貴いんだ   ──「固有な実在」より ********** 生きていくために、言葉が必要だった。そんな思いを持つ人にこの詩集を捧げる。 NHK「100分de名著」人気講師がつむぐ、見知らぬ誰かに宛てられた、たましいからの手紙。 ********** 【目次】 目次 告白 秘密のことば 桜葉 ことばの光 意味の光 孤独1 孤独2 隠れた勇者 美しい心 独裁者 郵便配達夫 詩の公理 言葉のことわり 光源 空気1 空気2 自己探究 人生の扉 見えないものを探すためにぼくらは生まれた 死者からの便り 叡知の人 評論家 寂の世界 固有な実在 未来の詩人 小さな定義集 詩の教え 詩のおきて 詩人追放 書く理由 **********
  • フィフティ・ピープル[新版]
    4.2
    〈この50人の中に、きっとあなたの味方がいる〉 多くの読者に愛され、読み継がれてきた韓国文学の必読の名作が、細部にさらなる磨きをかけて再登場。 50人の登場人物が、あやとりのようにすれ違い、重なりあい、結び合う。 一度読んだ人も、初めましての人も。読めばだれかと話したくなる、悲しくて、おかしくて、痛くて、愛おしい物語。
  • 「複雑系」が世界の見方を変える――関係、意識、存在の科学理論
    4.0
    ◤読んだ後、目の前の風景は同じには見えない。◢ ◉極小から無限へと、世界はシームレスに織り上げられる。それを見つめる意識の正体とは? ◉「間質」研究で知られ、複雑性理論の研究でも注目される科学者が、複雑系理論の歴史と面白さをわかりやすく概説。 ◉カオス理論、相対性理論、量子力学といった科学知識に加え、哲学や仏教の知見を縦横に用いて、世界と意識の謎に迫る、知的好奇心を刺激するサイエンス書。 ********** 「わたしが水を飲もうとしてコップを持ち上げるとき、コップを持ち上げているのは宇宙なのだ」 本書を読めば、この文章の意味が腑に落ちる。 ********** 【目次】 まえがき Ⅰ 複雑性  第1章 存在の科学  第2章 秩序、カオス、複雑性の起源  第3章 複雑性の規則と隣接可能性 Ⅱ 相補性とホラルキーあるいは「無限の身体」  第4章 細胞レベル:身体と細胞  第5章 分子レベル:細胞説を超えて  第6章 原子レベル:ガイア  第7章 素粒子レベル:量子ストレンジネス  第8章 すべてのレベル:時空と量子泡 Ⅲ 意識  第9章 「意識のハード・プロブレム」について  第10章 ウィーン学団と科学的経験論  第11章 クルト・ゲーゲルと形式論理学の限界  第12章 形而上学の帰還:根源的認知 あとがき 訳者あとがき 出典に関する注 書誌 参考資料 **********
  • 色彩から読み解く「源氏物語」
    -
    〈紫式部は色に何を託したのだろう?〉  ◉最愛の女、紫の上は赤紫と紅。  ◉ひと夏の恋の相手、夕顔はラベンダー色。  ◉よき相談相手、花散里は露草の青。  ◉出家をした藤壺、空蟬は墨のようなグレーの鈍色(にびいろ)。 稀代の色彩コンダクター・紫式部が『源氏物語』に織り込んだ「色の謎」を読み解く! ********** 〈「紫のゆかりの物語」は色の玉手箱〉 萌黄色(もえぎいろ)、桜色、茜色(あかねいろ)、菫色(すみれいろ)、桔梗色(ききょういろ)……。 平安時代、貴族たちは衣装を自生の植物で染め上げ、それらをいくえにも重ねて身に纏っていた。 その色のコーディネートは「重ね色目」と呼ばれ、桜重ね、紅梅重ね、柳重ね、蟬の羽重ね、紅葉重ね、雪の下重ね……四季折々の美しさに富んだ名を持つ。 それらを今に伝えるのが「源氏物語」だ。 ********** 〈『源氏物語』はビジュアル小説〉 物語は、登場人物たちのきらびやかな衣装、交わされる文、華やかな年中行事など、色彩に溢れている。 女房として宮廷に仕えた紫式部は、確かな観察眼と天才的な色彩感覚で、それらの色に女性たちの喜びや悲しみ、嫉妬、生きづらさを託している。 本書は、紫式部が物語に織り込んだ色を、色彩学や心理学の観点から読み解き、1000年前の女性たちの実像に迫る。 ********** 【目次】 一.『源氏物語』は色彩溢れるビジュアル小説  ●紫式部は女君たちの衣装の色を意図的に描き分けている  ●日本の伝統色の約七割は平安時代に作られた  ●美しすぎる、光源氏の「桜重ね」  ●チャームポイントは、襟元や袖口から覗く配色  ●貴族社会における「禁色」というタブー  ●鮮やか、艶やか! 驚きの『源氏物語』の色  ●季節の移ろいに心を重ねた王朝人の美意識 二.衣装の色が物語る、女君たちの愛と人生  ●「紫のゆかりの物語」のはじまり  ●光君に残された空蟬の薄衣はなに色だったか?  ●夕顔の花から始まった、ひと夏のはかない恋  ●『源氏物語』の時代、男たちはどんな色を着ていたのか?  ●年齢とともに変化する紫の上のシンボルカラー  ●色のない女性たち、葵の上と六条御息所  ●おかしくて、やがて哀しい、末摘花の赤  ●緑が象徴する明石の上のセルフコントロール力  ●花散里が染める露草の青  ●源氏をふった玉鬘の山吹重ね  ●可憐なピンクをまとう女三宮の秘密  ●天才的な色彩演出家、紫式部 三.王朝文化を生んだ貴族たちの恋愛事情  ●平安時代は、本当に一夫多妻制だった?  ●待つ女・愛人たちの焦燥と嫉妬  ●色彩が重要な役割を果たしたファーストコンタクト  ●女房たちの心をわしづかみにしたラブレターの色は?  ●色、香り、歌……王朝人が好む“ほのかな美”  ●宮廷を彩るマスコット、女童たちの装い  ●平安貴族はどのように喜怒哀楽を表現していたか  ●心の深層へとつながる絵、音楽、夢 四.色で辿る登場人物たちのその後  ●女君たちのシンボルカラーが勢ぞろいした六条院のイベント  ●源氏をめぐる女性たち、それぞれの後半生──明石の上、末摘花、玉鬘……  ●成長しない姫君の変貌──女三宮  ●源氏にもっとも愛された女性の幸と不幸──紫の上  ●鈍色に見る、「出家」という解放  ●光源氏、最後の一年  ●色彩から見えた、紫式部の密かな企み 五 紫式部からの問いかけは、千年の時を超え  ●紫式部はなぜ色彩美あふれる物語を書けたのか  ●紫式部の前半生──孤独な少女からシングルマザー、作家へ  ●紫式部の後半生──道長とのウィンウィンな関係  ●清少納言『枕草子』は輝いていた後宮へのオマージュ  ●日向よりも陰に目がいく『紫式部日記』の憂鬱  ●「宇治十帖」で示された女性たちの新たな選択  ●色彩に託された紫式部のメッセージ あとがき 参考文献 **********
  • 母をさがす──GIベビー、ベルさんの戦後
    完結
    4.0
    《 NHK BSスペシャル「FIND MY LIFE ──戦後78年目のGIベビーたち──」出演 》 「一人ぼっちで生きてきた。」──私を産み、そして捨てたお母さんに一目会いたい。 〈 歴史に翻弄された女性のルーツと家族をさぐる渾身のノンフィクション 〉 --------- 新宿三丁目の小さな飲み屋。 一目で白人とのハーフであることがわかる女性「ベルさん」が、身の上話をする。 ベルさんは戦後間もなく生まれ孤児院で育ち、ストリッパーとして全国を回り、その後はホテルの清掃員など様々な仕事についた。 いま、「迎えに来る」と言ったのに現れなかった母に、会いたい思いが募る──。  * * * 作家・岡部えつは「ベルさん」の生きてきた足跡をたどり、消えた母親の調査に乗り出す。 その旅は意外な展開を見せ、横浜、北海道、そしてアメリカへとつながり……。 --------- 【目次】 第一章……記憶 第二章……調査・二〇二二年 第三章……母 第四章……猜疑心 第五章……家族 あとがき
  • 唾がたまる
    -
    ──母の包丁の音、いまも心にこだまする言葉。 〈 すべての記憶が、わたしを支えている〉 韓国文学のトップランナーによる、切なくて、痛くて、おかしな8つの物語。 --------- 自分をいつも守ってくれた豪快な母。 何もかもがうまくいかなかった、クリスマスの夜の苦さ。 就職難の中で手に入れたささやかな「城」 への闖入者。 死んでしまった母親との、本当の別れ。 大人になろうとする主人公たちの大切な記憶を鮮やかに紡ぐ、作家の自伝的要素も散りばめられた瑞々しい短編小説集。 --------- 【目次】 ■日本の読者のみなさんへ ■堂々たる生活 ■唾がたまる ■クリスマス特選 ■子午線を通過するとき ■包丁の跡 ■祈り ■四角い場所 ■フライデータレコーダ ■作家の言葉 ■訳者あとがき
  • 色から読みとく絵画――画家たちのアートセラピー
    4.0
    ──「なぜ、長谷川等伯の絵からは色が消えたのか」 ──「なぜ、ユトリロは質感のある白を描いたのか」 傷ついた心を回復するプロセスが、作品の色には宿っている。 色彩心理の研究とアートセラピーに長年取り組んできた著者による、絵画との深い対話。 --------- 〈 一枚の絵が生きた人間の物語としてあらわれる 〉 生きることに困難を抱えた画家たちは、内面に渦巻く感情をキャンバスに解き放ち、心を癒やし、生命の歓びを描いた──。 色彩心理の研究をもとに長年アートセラピーに取り組み、絵は人の心の表現だと考える著者が作品を深く味わう見方をつづる。 ---------  ■世間に認められない苦悩を乗り越え、奄美を描き続けた田中一村  ■偉大な父という呪縛を抱えながら、美しい陰影を描いた葛飾応為……etc. 作品に込められた、一人の人間の苦しみ、孤独、病、そして生の歓びに迫る18篇。 --------- 【目次】  ■はじめに 1.色彩に見る心の変遷[ニキ・ド・サンファルと上村松園]  ■怒りから生きる喜びへ、色が物語る心の救済──ニキ・ド・サンファル  ■母から娘へと受け継がれてきた色──上村松園 2.色が消えるとき[長谷川等伯とモーリス・ユトリロ]  ■『松林図屛風』は、なぜモノトーンで描かれたのか──長谷川等伯  ■画家がこだわり続けたタッチの謎──ユトリロ 3.水彩で心安らいだ文豪たち[夏目漱石とヘルマン・ヘッセ]  ■「私は不愉快だから絵をかく」 ──夏目漱石  ■「筆や刷毛を使っての創造は私にとってワインなのです」──ヘルマン・ヘッセ 4.陰影表現に見る、人生の光と影[葛飾応為とエドヴァルド・ムンク]  ■偉大な父をもった幸と不幸が生んだ、美しき陰影──葛飾応為  ■ユング心理学と『ゲド戦記』から探るムンクの〝影〟──エドヴァルト ・ムンク 5.自画像ー画家の深層を映す鏡ー[フリーダ・カーロと石田徹也]  ■自画像に映し出された身体の痛みと生きる情熱──フリーダ・カーロ  ■私であり、あなたでもある自画像──石田徹也 6.怖いけど見たい、ダークサイドの美[月岡芳年とフランシス・ベイコン]  ■闇に生きた、最後の浮世絵師──月岡芳年  ■身体感覚に溢れた叫び、死、セクシュアリティ──フランシス・ベイコン 7.病から生まれた新たな手法[高村智恵子とアンリ・マティス]  ■精神病院の一室で密かに作られた美しき切り紙絵──高村智恵子  ■老いと病がもたらした〝色と形のダンス〟──アンリ・マティス 8.孤独に支えられた独創性[田中一村とジョージア・オキーフ]  ■最果ての島で孤高の人生を送った画家の、 究極の幸せとは──田中一村  ■ニューヨークから砂漠の荒野へ。 自立の精神を生きた九八年の人生──ジョージア・オキーフ 9.囚われを超えて、空を描く[イブ・クラインと仙厓]  ■自我の枠を超え、 無限の精神空間を生きた〝青のアーティスト〟──イブ・クライン  ■放浪と禅修行から生まれた 洒脱でユーモラスな画はまるで現代アート?──禅僧・仙厓 〈 COLUMN 〉  ■心の歴史を色彩で振り返る「カラーヒストリー」  ■絵と長寿の関係、あるいは高齢者のためのアートセラピー  ■ストレスフルな現代にこそ必要な、絵による気分転換  ■内なる〝光と影〟を映し出すぬり絵セラピー  ■子どもの絵から大人のセラピー表現まで、自画像いろいろ  ■トラウマを吐き出すセカンドステップセラピー  ■精神疾患の治療の一環として始まった芸術療法  ■環境の色彩とアートセラピー 子どもたちの自由な創造力はアートの原点 ■おわりに ■参考文献
  • 明るい夜
    4.2
    〈大きな悲しみが、私を守ってくれる〉 『ショウコの微笑』<a href= https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=949" >『わたしに無害なひと』</a>の気鋭のベストセラー作家、初の長編小説 ---------------------- 夫の不倫で結婚生活に終止符を打ち、ソウルでの暮らしを清算した私は、九歳の夏休みに祖母と楽しい日々を過ごした思い出の地ヒリョンに向かう。 絶縁状態にあった祖母と二十二年ぶりに思いがけなく再会を果たすと、それまで知ることのなかった家族の歴史が明らかになる……。 家父長制に翻弄されながらも植民地支配や戦争という動乱の時代を生き抜いた曾祖母や祖母、そして母、私へとつながる、温かく強靱な女性たちの百年の物語。 ---------------------- 日が昇る前に大切なあの人に伝えておきたいことがあった。 明るくなったら、言えなくなりそうだから……。 2021年〈書店員が選ぶ“今年の小説”〉、第29回大山文学賞受賞。 ---------------------- 【目次】 ■明るい夜 ■あとがき ■日本の読者の皆さんへ ■訳者あとがき ---------------------- 「ものがたりを読む」ことの楽しさや喜びをお届けする新シリーズ〈ものがたりはやさし〉第1弾。
  • さよなら肉食――いま、ビーガンを選ぶ理由
    3.0
    蛋白質革命が世界を変える。──いま、新たなる食の常識に乗れ! ---------------------- 旧来の経済モデルと生活習慣が機能不全に陥った今、求められる新しい「食の物語」とは? 人口増・気候変動・環境汚染に歯止めをかける “ビーガニズム” の合理性と未来を解き明かすオランダ発の注目ノンフィクション。 ---------------------- 肉食主義の神話に風穴をあけ、人を惑わすマーケティング戦略を見抜き、望ましい未来を生む食生活を実践する時がきた……。 蛋白質を得るのに「肉・卵・乳製品」は必要ない。 喫煙者が「白い目」で見られるようになったように、こう言える日がやがて訪れるにちがいない。 ──「かつて、そう遠くない昔、私たちは動物を食べていた」と。 ---------------------- 【目次】 ■第一章………農家が世界を変えられるわけ ■第二章………善良な人々が悪い物語を信じるわけ  ►間奏曲……何も分かっていなかった ■第三章………青白い怒りん坊からセクシーな美男美女へ ■第四章………金持ちのキリン肉、貧民の野菜、みんなの牛乳 ■第五章………恋人募集:二〇~四〇歳の格好良くてセクシーなビーガン男性 ■第六章………植物ざんまい  ►間奏曲……屠殺場の学校見学 ■第七章………それが法律だ、間抜け! ■第八章………溶けゆく氷、壊れる堤防 ■もっと学びたい人のために
  • 韓国現代詩選〈新版〉
    4.5
    1巻2,420円 (税込)
    「いい詩は、その言語を使って生きる民族の、感情・理性のもっとも良きものの結晶化」 詩的世界の多様さ、現実に根ざしつつ生み出された作品の面白さは、時代を超え、今もなお心に響く。 豊潤で余韻に満ちた茨木のり子の名訳で贈る珠玉の詞華集。 【解説】若松英輔さん、斎藤真理子さん ---------------------- 隣国の多彩な現代詩人十二人の、発想豊かな六十二篇を、日本を代表する詩人・茨木のり子が編み、翻訳した。 刊行から三十余年。 韓国文学の真髄ともいえる簡潔で奥行き深い言葉できざまれた詩的世界は、時代を超えて心に鮮烈に響く。 ---------------------- まったく一種のカンだけを頼りに、五十冊ぐらいの詩集のなかから選びとったものだが、みずから選んだ六十二篇の詩には深い愛着を覚える。 訳す過程で、ハングルにはハングルの豊かさがあり、日本語には日本語の豊かさがあると痛感させられた。(「あとがき」より)
  • Bowie’s Books――デヴィッド・ボウイの人生を変えた100冊
    3.5
    デヴィッド・ジョーンズは、金ずくの音楽業界、薬物中毒による脱線の危機、最大のスターになるという壮大で冷酷ですらある野望のなかで、いかにしてこのような人になったのか? その答えは、いまあなたの手のなかにあるかもしれない。――「はじめに」より 兄の影響を受けて、ビートやモッズにはじまり当時のカルチャーの洗礼を受けた少年は、生涯かけて数えきれない数の本を読んできた。 文学、音楽、アート、ファッションなど膨大な知識は、ありとあらゆるものに解体され、歌詞、曲、ヴィジュアルなど、もう一度ボウイの創造物として作り直されている。 〈本はボウイの音楽と人生の羅針盤だった〉――ボウイ自身が選んだ100冊を語り尽くすファン垂涎の一冊。
  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験
    4.0
    「病院に入りたいなら、頭がおかしいふりをしなくちゃ」 脳炎を精神病と誤診された過去を持つジャーナリストは、かつて全米医学会を大きく揺るがした心理学実験――精神病患者になりすまして病棟に潜入する「ローゼンハン実験」の調査・取材を開始する。やがて、実験に隠されたある奇妙な点に気が付く。次第に明らかになる衝撃の真実とは...!? 「これは患者5213号の初入院の模様である。名前はデヴィッド・ルーリー。39歳のコピーライターで、子どもが2人いる。頭の中で声が聞こえるという。しかしそこには問題があった。彼はコピーライターでもないし、ルーリーという名字でもない。じつはそんな人物は存在しないのだ。実在しない『デヴィッド・ルーリー』は偽患者だった。約50年前、医師が精神病患者とそうでない人を区別できるのかどうか確かめるために、精神科施設にみずから入院した8人の健常者のうちの最初の1人なのである」(本書より) 「調査報道の偉業。探偵小説のような説得力」(「エコノミスト」誌) 【目次】 ■ はじめに 第1部  第1章 鏡像  第2章 ネリー・ブライ  第3章 狂気の存在する場所  第4章 狂気の場所で正気でいること  第5章 謎が謎に包まれている謎の男 第2部  第6章 デヴィッドの本質  第7章 「ゆっくり進め、場合によっては足踏みのままでもいい」  第8章 「わたしなら、正体を隠しとおせるかもしれない」  第9章 入院許可  第10章 マッドハウスで過ごした九日間 第3部  第11章 潜入する  第12章 ……結局、人が正気かどうかわかるのは正気でない人だけだ  第13章 W・アンダーウッド  第14章 クレイジーエイト  第15章 第一一病棟  第16章 氷の上の魂  第17章 ローズマリー・ケネディ 第4部  第18章 真実の追求者   第19章 「ほかの疑問はすべてここから生まれる」  第20章 標準化  第21章 SCID 第5部  第22章 脚注  第23章 「すべては君の頭の中に」  第24章 影の精神衛生ケアシステム  第25章 決定打  第26章 疫病  第27章 木星の月 ■ エピローグ ■ 謝辞 ■ 訳者あとがき ■ 原注 ■ 図版・資料許諾
  • 友よ、 水になれ――父ブルース・リーの哲学
    5.0
    やわらかく、そして強く――。 32年の短い生涯を閉じるまで、実父ブルース・リーがその胸に問い、また信じ、全身全霊で実践してきた人生哲学を、実娘シャノン・リーが迫真の筆致で読み解いた話題作! 父を失い、兄を失い、自分を見失いそうだった著者が立ち返ったのは、父ブルース・リーが遺した珠玉の言葉とその歩みを止めない生き方だった。 陰陽道、老荘思想、宮本武蔵……数々の知見とみずからの経験を昇華させたその哲学がここに。 大事なのはブルース・リーになろうとせず、完全な自分になれるよう努力する、ということです。――シャノン・リー(「はじめに」より) 【もくじ】 ■ はじめに 第一章 水の流れていく道 第二章 空のコップ 第三章 永遠の学びの徒 第四章 相手 第五章 道具(ツール) 第六章 障害物 第七章 暴風雨 第八章 息づく空(くう) 第九章 拳を途中で封じる方法 第十章 友よ ■ エピローグ ■ 謝辞 ■ 訳者解説
  • 幸いなるハリー
    3.7
    老い、病、性のきらめき、言えなかった秘密、後戻りのできない人生の選択。 「世界最高の短篇作家」による珠玉の10作品。 人生には完璧な絶望も、澄みきった希望もない。 パールマンの短篇集にちりばめられた無言の種は、あなたのなかで芽吹いて、やがてぞっとするほど優雅な花を咲かせるだろう。 ――松家仁之(作家) 愛おしさ、愚かしさ、優しさ、酷たらしさ、善意と悪意、救済と断罪etc. 人間のすべてを知り尽くした作家、それがイーディス・パールマンだ。 ――豊崎由美(書評家) なにかを諦める。苦く、みじめで哀しい一瞬――それらひとつひとつを柔らかい布で磨きあげ、息を呑むほど美しい宝石に変えてしまう。人生の粋を極めた短篇集。 ――倉本さおり(書評家) 本書は、原書Honeydewのうち『蜜のように甘く』(亜紀書房、2020年刊行)に未収録の10篇を訳出した日本オリジナル版です。 【目次】 ■ 介護生活 ■ 救済 ■ フィッシュウォーター ■ 金の白鳥 ■ 行き止まり ■ 斧が忘れても木は忘れない ■ 静観 ■ 花束 ■ 坊や ■ 幸いなるハリー
  • 捕食者――全米を震撼させた、待ち伏せする連続殺人鬼
    4.0
    ――はじまりは、極寒のアラスカの地。 コーヒースタンドでアルバイトをしていた高校生サマンサ・コーニグが姿を消したのは二〇一二年二月二日のことだった。警察は最初、彼女が家出したものと考えた。だが、防犯ビデオの映像には、背の高い男が彼女を店内から誘拐する姿がはっきりと映っていた……。 ――彼は獲物をおびき寄せ、むさぼり喰う。 全米各地に隠された謎の“殺人キット”、犯された数々の誘拐・強盗・暴行殺人、そして独房に残された12個の頭蓋骨の絵。2012年に逮捕され、唐突に獄中死した今世紀最大のシリアルキラーの実態を明らかにする、戦慄のノンフィクション! 「ページをめくる手が止まらない、圧倒的ミステリー」(「ニューヨーク・ポスト」紙) 「FBIを困惑させた、現代の怪物」(「ワシントン・タイムズ」紙)
  • 野生のごちそう――手つかずの食材を探す旅
    3.0
    人にとっての“おいしさ”は、野生にとっての不幸なのか 歴史、神話、地理学……深い学識を備えた環境人類学者が、世界各地で食用にされている野生動物をめぐる旅に出た。 アフリカの密林に横行する野生肉の違法取引を追い、世界的に有名なレストラン「NOMA」で蟻を食べ、愛する人とスウェーデンの森でヘラジカを屠る——。 文明の恩恵に浴しながら天然の獣肉を過剰に追い求めた結果、私たちが得たもの、失ったものとは……。グルメの行き着く先を体当たりで探求する、思索に満ちた冒険ノンフィクション。 ——「美食」の先にあるものとは何か? 《本書に登場する野生の食材や料理》 ▶ ヘラジカ肉バーガー ▶ NOMAのフルコース ▶ 墓地で採るニンニク ▶ 猪 ▶ ロブスター ▶ 牡蠣 ▶ ハチミツ ▶ アオウミガメのスープ ▶ 羚羊(カモシカ) ▶ センザンコウ ▶ オオトカゲ ▶ ナイルワニ ▶ バイソン ▶ バッファロー ▶ 山羊 ▶ ヤマアラシ ▶ 毛虫のソテー ▶ 駝鳥 ▶ エルク ▶ アンズタケ ▶ アナツバメの巣のスープ……他多数。 【目次】 ■ プロローグ 傷心のヘラジカ 第1部 記憶と忘却  1 香草(ハーブ)と蟻………デンマーク  2 大型動物の肉、キノコと天然ハチミツ添え………ポーランド  3 魚、ひれ、殻、はさみ………アメリカ合衆国  4 直火焼きした野鳥肉のサルミ………アメリカ合衆国 第2部 欲望の対象  5 森の狩猟肉、根菜添え………コンゴ民主共和国  6 羚羊(アンテロープ)の肉、トマトとスパイス煮込み………コンゴ民主共和国  7 野生動物の燻製肉と偽キャビア………フランス 第3部 祝宴と飢餓の季節  8 ヘラジカ肉のアンズタケ添えクリームソースがけ………スウェーデン  9 燕の巣と花………ボルネオ 10  野草………ポーランド ■ 謝辞 ■ 訳者あとがき
  • コロナ禍をどう読むか――16の知性による8つの対話
    -
    ウイルスは「敵」なのか? それとも――? 人類学、哲学、批評、アート、小説、精神分析、ビッグヒストリー、妖怪、科学史……。 ジャンルを異にする俊英たちが、コロナ禍が露わにした二元論の陥穽をすり抜け、「あいだ」に息づく世界の実相を探る。刺激的な八つの対話集。 刻々と迫りくる感染症と、その対策に奔走する我々。 緊急事態宣言下の日本で行われた八つの対談は、未曾有の事態を普遍的な観点から見つめ直す、二つのまなざしが直交する対話の記録である。 【目次】 ■ TALK 01 奥野克巳 × 近藤祉秋 ウイルスは人と動物の「あいだ」に生成する ■ TALK 02 逆卷しとね × 尾崎日菜子 接触と隔離の「あいだ」を考える ■ TALK 03 吉村萬壱 × 上妻世海 私と国の「あいだ」を/で問い直す ■ TALK 04 清水高志 × 甲田烈 既知と未知の「あいだ」の政治 ■ TALK 05 松本卓也 × 東畑開人 心と身体の「あいだ」を考える ■ TALK 06 山川冬樹 × 村山悟郎 隔離され、画像化された二つの「顔」、その「あいだ」で ■ TALK 07 辻村伸雄 × 石倉敏明 歴史と神話の「あいだ」の実践 ■ TALK 08 塚原東吾 × 平田周 グローバルとローカルの来たるべき「あいだ」へ
  • ホンモノの偽物――模造と真作をめぐる8つの奇妙な物語
    4.1
    本当のことはいつだって、偽物が教えてくれる!?   ウォーホルなしでつくられたウォーホル作品は本物か? 高クオリティーすぎて、それ自体で価値のついた“オリジナル贋作絵画”とは? バナナ味とバナナの違いが明らかにする味覚の真実とは? いんちき化石を信じた18世紀の博物学者の顛末とは? 天然ダイヤモンドと人工ダイヤモンドはどちらが道徳的か? ネイチャー・ドキュメンタリーは本当に“自然”なのか? and more…!   真贋のグレーゾーンを行き来する事物を通して浮かび上がる、歴史と文化の実相に迫ったノンフィクション! 【目次】 序 ウォーホルのいないウォーホル 第一章 厳粛なる嘲り 第二章 噓石の真実 第三章 炭素の複製(カーボンコピー) 第四章 異なる味わいの偽物 第五章 セイウチカメラを通して見ると 第六章 大いなるシロナガスクジラ 第七章 そしていま、それは本物だ 第八章 旧石器時代を生き返らせる技法 結 大英博物館に見られるように 謝辞 訳者あとがき 参考文献
  • ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか――民主主義が死ぬ日
    3.6
    分断、移民、グローバリズム、フェイクニュース…… 独裁者は見慣れた場所から生まれる。 ナチ党の活動は、第一次大戦後に英米が押し進める国際協調、経済的にはグローバリゼーションに対する抵抗だった。 戦後賠償だけがドイツを追い詰めたわけではない。 ロシア革命などによる東方からの難民、共産主義への保守層の拒否感、社会の激しい分断、正規軍と準軍事組織の割拠、世界恐慌、「ヒトラーはコントロールできる」とするエリートたちの傲慢と誤算……アメリカを代表する研究者が描くヒトラーがドイツを掌握するまで。 ——現代は1930年代の再来? 【目次】 イントロダクション 1 八月と一一月 2 「信じてはいけない、彼が本当のことを言っていると」 3 血のメーデーと忍び寄る影 4 飢餓宰相と世界恐慌 5 国家非常事態と陰謀 6 ボヘミア上等兵と貴族騎手 7 強制的同質化と授権法 8 「あの男を追い落とさねばならない」 訳者 あとがき ナチ党が政権をとるまでの主な出来事
  • 地下世界をめぐる冒険――闇に隠された人類史
    3.8
    地下についてここまで現地調査を徹底的に行い、精神世界にまで深く踏み込んだ本は初めて読んだ。 地下世界は太古へつながる秘密のルートだったのか。 狂気にも似た、著者の執念に脱帽だ。 ——ノンフィクション作家・高野秀行さん、推薦! 祖先たちがそうだったように、自分より偉大な何かに手を触れるため、秩序だった現実の向こう側にたどり着きたいという静かな欲望によって私たちは地下へ引き寄せられる……。   ニューヨークの地下鉄、パリの地下納骨堂、アボリジニの聖地、カッパドキアの地下都市、マヤ人洞窟など、世界中の「光なき世界」を渉猟し、人類の歴史と闇への畏怖に思いを馳せた比類なきノンフィクション。 【目次】 挨 拶 日本語版に寄せて 第1章 地下へ――隠されたニューヨーク 第2章 横断――パリの地下納骨堂 第3章 地球深部の微生物――NASAの野望 第4章 赤黄土を掘る鉱夫たち――アボリジニの聖域 第5章 穴を掘る人々――もぐら男とカッパドキア 第6章 迷う――方向感覚の喪失が生む力 第7章 ピレネー山脈の野牛像――旧石器時代のルネサンス 第8章 暗闇――「創世記」の闇と意識変容 第9章 儀式――雨を求め地下に下りたマヤ人
  • 未来のプルードン——資本主義もマルクス主義も超えて
    4.5
    カール・マルクスの終生のライバル、ピエール・ジョゼフ・プルードン。   マルクスはプルードンの「所有」の概念に衝撃を受け、経済学に邁進した。 プルードンはさらに変化を遂げ、アソシアシオンという画期的な考え方に到達する。 資本主義システムの限界が露呈しつつある今、社会と市民に不平等を招く「垂直的権力構造」の解体を掲げたプルードン主義を再評価する。 エゴイズムから協同する社会へ——ポスト資本主義への処方箋 現実の変化を柔軟に理解しながら開いた体系を築いていく、プルードンのポスト資本主義のモデルとは? 【目次】 序論  ライバル、そして乗り越えるべき反面教師 第一章 プルードンはいつも再起する——彼がつねに呼び出される理由 第二章 プルードンとは何者か——独創的かつ実践的な思想家 第三章 フランス革命の欠陥——「所有」をめぐるプルードンの画期的論考 第四章 マルクス作品への影響——『経済・哲学草稿』などをめぐって 第五章 大事なのは革命ではなく経済である——実践的社会改革派の思想 第六章 マルクスをプルードンで再生させる道——アソシアシオンとコミューン、相互主義と連邦主義 補論  可能性としてのアソシアシオン
  • 「新自由主義」の妖怪――資本主義史論の試み
    -
    1巻2,420円 (税込)
    「新自由主義」という、摩訶不思議な怪物の正体とは? ――1匹の妖怪が世界を徘徊している、「新自由主義」という名の妖怪が あるときはグローバル資本主義の先兵、またあるときは自由放任主義と格差拡大の犯人……だが、その実体は? 見るものによってその姿を変える「新自由主義」と呼ばれるイデオロギーの正体を、ケインズ経済学/新古典派経済学/マルクス主義経済学の歴史と、戦後日本の経済思想史を丁寧にひもときながら突き止める! 「私自身としては、「新自由主義(Neo Liberalism)」という言葉を使うことにためらいがありました。どういうことかというと、この言葉多分に実体がない――具体的にまとまったある理論とかイデオロギーとか、特定の政治的・道徳的立場を指す言葉というよりは、せいぜいある種の「気分」を指すもの、せいぜいのところ批判者が自分の気に入らないものにつける「レッテル」であって「ブロッケンのお化け」以上のものではないのではないか、という疑いがどうしても抜けなかったからです」(本書より)
  • アリス、アリスと呼べば
    -
    〈 人が人への信頼を失ったら、その先には何が残るっていうの? 〉 ◉洗練された文体と神秘的なスタイルで注目される韓国文学の新鋭による短編集。 ◉夢と現実が交差する迷路のような物語は、私たちの目を世界の本質へと向ける。 ◉共生の感覚を回復させる魅惑的な8つの物語。 --------- 「わからないかな?これが普通なんだという確信、もしくはこれが普通であるべきだと信じて疑わないこと、それこそが本当の「悪」なんだよ」 マイノリティへの憎悪やネットヘイトに満ちた世界を生きる今。 「人が人を助けねば」という現代社会に求められる声に耳をすました小説集。 洗練された文体で描く幻想的な物語をとおして、良かれと思った〝優しさ〟が往々にして他者を傷つける〝独善〟になってしまうような、現実世界の複雑さを見つめていく。 --------- 【目次】 ・あなたのいた風景の神と眠らぬ巨人 ・アリス、アリスと呼べば ・海辺の迷路 ・夜の潜泳 ・チャンモ ・人が人を助けねば ・夜は輝く一つの石 ・メゾと近似 ・あとがき ・訳者あとがき
  • 「ナガサキ」を生きる――原爆と向き合う人生
    -
    1巻2,200円 (税込)
    ◤推薦◢ 《歴史》になったナガサキを《記憶》に引き戻すこと。 それは《新しい戦前》の時代に求められる倫理だ。 ──白井聡(政治学者) ********** 1945年8月9日、6日の広島に続き長崎に原子爆弾が投下された。 その影響は計り知れなく、80年経った今もなお苦しむ人たちがいる。 長崎出身の被爆二世である著者は、1000人以上の被爆者の声を記録したジャーナリスト伊藤明彦の仕事に導かれながら、自らも原爆の取材に邁進してきた。 ──なぜ、神の聖地「ナガサキ」に原爆は落とされたのか? 被爆者や関係者への取材、日米の膨大な資料をとおして〝人類史上最大の悲劇〟の核心に迫っていく。 **********   なぜ、投下目標地が小倉から長崎に変更されたのか?   なぜ、短期間に2発もの原爆が投下されたのか?   米国はどのような計画で原爆を落としたのか? ◤原爆投下のプロセスの解明に挑む本格ノンフィクション◢ ********** 【目次】 第1章 原爆の記録に人生を賭ける 第2章 「長崎小空襲」の謎 第3章 「小倉原爆」 第4章 小倉上空の謎 第5章 長崎上空の謎 第6章 「被爆太郎」の造形とこれから 第7章 原爆正当化論と次の「核使用」 終章  あとがきにかえて **********
  • 輪島と漆
    -
    ◆地震と豪雨を経てもなお、輪島の漆文化を未来へつなぐ── ◇類い稀な工芸品として、現代アートとして、日常の漆器として、「輪島の漆」のこれから。 【特別対談を収録】 ◉小森邦衞[人間国宝]×桐本泰一[輪島キリモト代表] ◉若宮隆志[彦十蒔絵プロデューサー]×桐本泰一 ◉高森寛子[スペースたかもり主宰]×桐本泰一 ********** 地殻変動によって海の底から陸地に現れた珪藻土、湿気の多い気候、厳しい自然によって、輪島塗は育まれてきた。 2024年1月の地震と9月の豪雨は、この地にまたしても試練を課してきた。 それでも、確かな技術に支えられた輪島の漆は、必ずや次の未来を連れてくるだろう。 小森邦衞[人間国宝]、若宮隆志[彦十蒔絵プロデューサー]、桐本泰一[輪島キリモト代表]、高森寛子[スペースたかもり主宰]……漆の仕事、能登の復興について、語ってもらった。 ********** 【目次】  [対談]   ◉小森邦衞×桐本泰一「大地震・水害を乗り越え 輪島の漆文化をいかに継続させるか」   ◉若宮隆志×桐本泰一「アート、建築、日常……漆の可能性を求めて」   ◉高森寛子×桐本泰一「バブル以降、使い手の裾野を広げるために」  [エッセイ]   ◉高森寛子「輪島と輪島塗の記憶」   ◉秋山祐貴子「はる なつ あき ふゆ どれも愛おしい──輪島の四季」   ◉桐本泰一「産地・輪島塗の基礎知識」 ********** 【執筆陣】 小森 邦衞(こもり・くにえ)漆芸家・人間国宝 1945年石川県輪島市生まれ。65年樽見幸作に沈金を師事。70年漆芸職人として独立。77年第24回日本伝統工芸展入選。86年第33回および89年第36回日本伝統工芸展NHK会長賞。2002年第49回日本伝統工芸展日本工芸会保持者賞。04年第14回MOA岡田茂吉賞工芸部門大賞。06年髹漆の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。14年重要無形文化財「輪島塗」技術保存会会長に就任。15年旭日小綬賞受賞。20年石川県立輪島漆芸技術研修所所長、石川県輪島漆芸美術館館長に就任。俳人としても知られ、16年に『句集 漆榾』(角川文化振興財団)を上梓している。 若宮 隆志(わかみや・たかし)彦十蒔絵プロデューサー 1964年石川県輪島市生まれ。84年塗師屋に就職、輪島塗の製造販売の基礎を学ぶ。88年喜三誠山師より蒔絵技法を教わる。98年平澤道和師より乾漆技法や漆の天日黒目など漆芸の基礎を教わり、漆搔きと漆木の植樹を始める。2002年輪島漆器青年会第三〇代会長を務める。04年「彦十蒔絵」として活動開始。14年文化庁文化交流使。漆芸家として作品発表を行う傍ら、「彦十蒔絵」のプロデューサーとして数々の作品を手がけたが、25年に逝去した。 秋山 祐貴子(あきやま・ゆきこ) 神奈川県生まれ。女子美術大学付属高校卒業。女子美術大学工芸科染専攻卒業。高校の授業で人間国宝の漆芸家・故松田権六の著作『うるしの話』に出合ったことがきっかけとなり、漆の道に進むことを決意。大学卒業後、漆塗り修行のため石川県輪島市へ移住する。石川県立輪島漆芸技術研修所専修科卒業。石川県立輪島漆芸技術研修所髹漆科卒業。人間国宝・小森邦衞氏に弟子入りし、年季明け独立。輪島市黒島地区で髹漆の工房を構えた矢先に、1月1日の震災に遭遇する。 **********
  • 野に遺賢をさがして──ニッポンとことこ歩き旅
    3.0
    偶然の旅で出会った、野の人、地の人、町の人── 聞き書きの名手が日本中を気ままに歩き、懐かしく、地道で豊かな歴史を掘り起こした17本の旅の記録。 ********** なんでもない土地のように見えても歴史を持たない土地はない。 風光明媚な観光地ではないが、日本の各地には、豊かな文化を内包した場所が数々ある。 そして、そこには、都会では出会えない、型破りな人たちがいる。 立身出世に興味がなく、好きなことをし、誰かのために生きる……。 あえて地方に、地元に“残る”ことを選んだ人たちとの一期一会の旅の記録。 ********** 五日市で民衆の側から私擬憲法を夢みた深沢権八、理想の共同体をめざして宮崎に孤児院を開いた石井十次、鳥取で文化財保存と民藝運動を広めた耳鼻科医師・吉田璋也、宮沢賢治に学び雪深い新庄で農村運動と野外演劇に打ち込んだ松田甚次郎…… 立身出世にはつゆほども興味がなく、好きなことだけをし、誰かのために生きた人たち。 ********** 【目次】 まえがき 太古の森に夜神楽を見にいく【宮崎県・高千穂町、諸塚村】 センチメンタルジャーニー【北海道・砂川町】 大人の修学旅行【滋賀県・近江八幡、大津】 ふるさとの森を受け継ぐ【宮崎県・高鍋町】 資料に出合う、人に出会う【東京都・青梅、五日市】 キューポラのあった町【埼玉県・川口】 積雪地方農村経済調査所と松田甚次郎【山形県・新庄】 西郷工芸村と糀ふる町【鳥取県・西郷地区、智頭町】 立原道造のヒヤシンスハウス【埼玉県・川口、浦和、行田】 穴があったら入りたい【高知県・室戸、安芸、高知】 軍港佐世保と平戸島拾遺【長崎県・佐世保、平戸島】 ほどよい距離の別天地【千葉県・市川】 私の知らない地元【東京都・谷中】 湘南の海浜宿「茅ヶ崎館」の来し方【神奈川県・茅ヶ崎】 開国の舞台に「唐人お吉」を訪ねる【静岡県・修善寺、下田】 人材の宝庫【岩手県・二戸~盛岡】 地球と共生する人たち【徳島県・阿南、日和佐、上勝】 あとがき **********
  • 【増補新版】まるごとマルタのガイドブック
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ★「日本でいちばん売れてるマルタのガイド本」全編アップデートして再登場! ★ライトな旅にも留学にも使える!お役立ち情報満載のベストセラー イタリアはシチリア島の南に位置するマルタ共和国。 「地中海の宝石」として名高いマルタは、ヨーロッパ有数のリゾート地として栄え、さらに英語圏の語学留学先としても大人気! 日本でも「猫の島」として注目を集める島国です。 ******************** そんなマルタを、滞在経験豊富な著者がご紹介!  ◉マルタのキホン  ◉マルタを楽しむ8つの鍵  ◉おすすめビュー6エリア  ◉旅行者必読Tips  ◉食べる・泊まる・買うガイド  ◉マルタ留学情報・体験レポート  ◉詳細MAP などなど…… 青い空に大きな太陽が輝き、少し歩けば澄んだ地中海が出迎えてくれる。 バスに乗って出かければ世界遺産の美しい街並みや神殿の数々──。 まるで島全体がひとつのアートのようなマルタをまるごと楽しむなら、この1冊! ******************** 【目次】 はじめに イントロダクション──マルタのキホン 第1章 マルタを楽しむ8ワード 第2章 ビュースポットでめぐる6エリア 第3章 マルタ旅行Tips 第4章 食べる・泊まる・買うマルタ 第5章 マルタ留学Tips マルタ料理 指差しメニュー 逆引きインデックス おわりに トラベルマップ 〈コラム〉 ①マルタ人のDNA ②惹かれるその先には ③マルタグルメは量より質? ④約束と言い訳 ⑤私はこうしたい、を大切に ********************
  • 「心のない人」は、どうやって人の心を理解しているか――自閉スペクトラム症者の生活史
    3.6
    〈「心がない」ってどういうこと?〉 ◉「自閉スペクトラム症の当事者はマンガ、小説、アニメ、映画、テレビドラマ、音楽などから〝人の心〟を理解しようとしているのではないか?」 ◉その仮説をもとに、さまざまな生い立ちを抱える当事者7人に、自身も当事者である著者が共感を込めてインタビュー。かれらが夢中になったマンガ、小説、アニメ、映画、テレビドラマ、ポップミュージックは、どのようなものだったのか。 ◉インタビューから見えてくる「それぞれの生きづらさ」。そして〝心〟の不思議が浮かび上がる、当事者の生活史にして昭和平成令和サブカル絵巻。 **********  ▶ぼく自身の人生を振りかえってみると、創作物から学んだことが非常に多いと感じるんだ。それこそ人の心の秘密も、多くを本から学んだ。  ▷自閉スペクトラム症者は非言語的コミュニケーションが不得意だって、よく言われるよね。  ▶実際ぼくは日常生活で人の心がわからなくて困惑し、その秘密をひもとくために文学作品に親しむようになったんだ。それで、ほかの「発達仲間」の場合はどうかなって思ったんだ。 ********** 【目次】 はじめに 序章 第1章 HOTASさん 第2章 まるむしさん 第3章 ナナトエリさん 第4章 ヨシさん 第5章 ぽん子さん 第6章 八坂さん 第7章 リナさん 終章 終章 おわりに **********
  • 標本画家、虫を描く――小さなからだの大宇宙
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    ◤点と線、ペン先でとらえる生命(いのち)の形◢ 師匠はいない。相棒は顕微鏡と製図用ペン。 描くのは体長数ミリの昆虫たち。 来る日も来る日も、ただひたすらに虫を描いてきた。 孤高の標本画家・川島逸郎が自らの半生と仕事を語る。 ********** 《 標本画100点収録!》 体長が数ミリほどの昆虫を緻密な線と点で描き、第一線で活躍する専門家たちからも一目置かれる、標本画家・川島逸郎。経験と知識に裏打ちされたテクニックを駆使し、私たちの小さき隣人たちの姿を描き出す。五〇年を経てなお続く試行錯誤の日々を、自ら手がけた標本画とともに語る。 ********** 【目次】 ■まえがき ■虫たちの記憶 ■あらためて、カブトムシに向き合い直す単なる写生にあらず ■異次元のミクロワールド ■「描くため」の備え──描画以前 ■前処理 正確に描き、示すために「線引き」の高いかべ ■シンプルな線画でこそ伝わることとは?ひたすら点を置き続ける ■光をとらえる ■数える毛と数えない毛 ■鱗粉に隠された真の姿 チョウの体 ■修正は徹底的に ■忘れられない失敗 ■スケッチを通して、アリの体を学ぶ ■無理難題の依頼 ■窮余の策? 『完訳 ファーブル昆虫記』図版制作の舞台裏前例のない絵 ■蜻蛉の尻尾を描き続けた日々 ■小さな蜂と、先人の仕事とに挑む ■ナナホシテントウを描く ■なめる口とかじる口 カナブンとアオドウガネ ■忌み嫌われる虫 クロゴキブリを描く ■うとまれる虫に秘められた美しさ ■勇み足はご法度 ■ひとつの主題に挑む ホタル科幼虫を描くまで ■蟷螂の斧 カマキリと私と ■あとがき **********
  • 詩集 ことばのきせき
    5.0
    1巻2,200円 (税込)
    色んな人に  あいさつをする  会社でも道端でも  手紙を書くときも  相手と そっと  つながりたいから  丁寧に  でも わたしは  近ごろ  自分に  あいさつをしていない     ──「あいさつ」 --------- 〈 自分にそっと 優しく 声を掛けてください 〉 ──ことばがこころを包む時がある。 かなしみと共に歩むための、詩という姿をまとった贈り物。 NHK「100分de名著」指南役としてお馴染みの批評家・詩人による第7詩集。 --------- 【目次】 ■言葉とことば ■あいさつ ■言えないことば ■常識 ■現実 ■言葉の壁 ■ことばの抱擁 ■二つの理由 ■涙の石 ■ことばの光 ■旅することば ■高貴な人生 ■ノヴァーリス ■愛しみを産む ■愛の秘義 ■美神のおとずれ ■言葉を溶かす ■孤独の意味 I ■孤独の意味 II ■ある詩人への手紙 ■亡き者のつぶやき ■天使 ■啓示 ■なぐさめ ■四十六億年の果て ■永遠の日 ■痛み ■休日 ■沈黙の声 ■言葉を生きる ■火花 ■ことばのありか ■光であることば ■時間の壁 ■ことばの翼 ■奇蹟のことば ■あとがき
  • 百の影
    4.0
    〈「2000年代韓国文学における最も美しい小説」ついに邦訳 〉 「暴力あふれるこの世界で、好きでいられる(もの)なんてほんの少ししかない」 強大な力によってかけがえのない日常を奪われながらも、ひたむきに生きる2人のあたたかで切ない恋物語。 --------- 大都会の中心に位置する築40余年の電子機器専門ビル群。 再開発による撤去の話が持ち上がり、ここで働く人たちは〈存在していないもの〉のように扱われる。 ──弱き者たちに向かう巨大な暴力。 この場所を生活の基盤とするウンギョとムジェを取り巻く環境はきびしくなっていく。 しかし、そんな中でも二人はささやかな喜びで、互いをあたたかく支えあう。 2人が歩く先にはどんな希望が待っているのか……。 --------- 僕は鎖骨のくっきり浮き上がった人が好きです。   そうなんですね。 好きです。   鎖骨がですか? ウンギョさんのことが。   ……あたし、鎖骨とかぜんぜんくっきりしてないけど。 くっきりしてなくても好きなんですから、ほんとに好きなんですよ。 --------- 【目次】 ■森 ■つむじとつむじとつむじではないもの ■口を食べる口 ■停電 ■オムサ ■恒星とマトリョーシカ ■島 ■あとがき ■ふたたび、あとがき ■訳者あとがき
  • 西荻さんぽ
    3.7
    ランチするなら、ハシゴするなら、 骨董買うなら、本屋へ行くなら…… ──“ニシオギ” という手がありますよ。 吉祥寺の隣でにぎわう素敵な小道の光る街・西荻。 西荻生まれの著者が綴る偏愛イラストエッセイ。 ---------  最近ふらふら街を歩いていると、開店準備中のお店をよく見かける。  閉店するより明らかに、新たにはじまるお店のほうが多いのだ。  西荻は死なず。  期待をこめて見守っていきたい。(「おわりに」より) --------- 【紹介するお店】 ポモドーロ、萬福飯店、ハンサム食堂、シタル、とらや、はつね、欧風料理 華、酒房高井、戎、よね田、ぷあん、ビストロフェーヴ、山ちゃん、西荻ポルカ、SWAMP、それいゆ、村田商會、物豆奇、甘いっ子、ノースウェストアンティークス、今野書店、古書 音羽館、BREWBOOKS、FALL、文具店タビー、ぺぱむら、どんぐり公園、大けやき、荻窪八幡、善福寺川、乙女ロード……(他無限)
  • 離れていても家族
    4.0
    〈「クレヨンしんちゃん」や「ちびまる子ちゃん」の家族はもういない。〉 父の不在、母のワンオペ育児と家事──。日本の家族の現実は過酷だ。 それでも多くの人が、「家族」を大切なものと考えている。 低い出生率と世界一進んだ高齢化、ひとり親世帯の貧困率の、さらには同姓を強いられる唯一の制度を持つ現代の日本の家族とはどのようなものなのか。 本書は、日本とイギリスの家族を調査、比較しながら、日本の家族の実相を探る。 --------- 「ひとりでも生きられるようになってきた現代社会において、それでもなお人が〝家族〟を形成するのはなぜなのか?」 父が仕事で不在がちでも、ワンオペ育児と家事で女性たちが疲弊しても、意外にも今でも多くの人が、「家族」を大切なものと考えている。 --------- 保守派が目論む自助を担う器ではなく、フェミニズムが忌避する女性を閉じ込める檻ではなく、一人ひとりが自由で、かつ頼り合える家族をどのように作ることができるのか。 社会学者たちが自らの体験を踏まえながら家族のこれからを語る。 《社会学者が分析する日本の家族の実像。日本の未来も、少子化対策も、ここからだ!》 --------- 【目次】 ■まえがき ■序章………幻想の家族像を捨てる[品田知美] ■1…………家族像の輪郭──生活時間の変化から[品田知美] ■2…………生活の充実感をもたらすものは何か[高橋幸] ■3…………リビングという空間──住まわれ方の日英比較[野田潤] ■4…………「郊外」から考える──「家族」と「幸福」の物語[水無田気流] ■5…………家族生活の意味論──日本とイギリスの価値意識[品田知美] ■終章………離れても共にいても家族[品田知美] ■調査概要 ■座談会……日本の家族像を点描する[品田知美×水無田気流×野田潤×高橋幸] ■あとがき ■引用文献
  • エディ、あるいはアシュリー
    4.5
    「さて、エディ。こう呼ばれたいなって思う名前はあるの?」 「アシュリー」 本当はそんな名前、考えたこともなかった。〈自分は男じゃないらしい〉という認識は、〈どうも女性のようだ〉とは直結していなかったからだ。それなのに訊かれたら口をついて出た。アシュリーは子どもの頃に可愛がって大切にしていたぬいぐるみだ。 (「エディ、あるいはアシュリー」より) --------- 性の多様性。移民。失われた日々。喪失。再生。暴力……。 どこにでもあるリアルな世界を、時を越え、現実と幻想とを自由に行き来しながら、未来と希望を信じて描いた短編集。 ジェンダー・アイデンティティの不確かさを自らに問いかける表題作「エディ、あるいはアシュリー」、第63回現代文学賞受賞作「相続」など8作品を収録。 --------- 避けようのない過酷な現実と、その先にある柔らかな希望……。 韓国ファンタジー界の旗手が織りなす物語のタペストリー8編。 --------- 【目次】 ■レオニー ■エディ、あるいはアシュリー ■海馬と扁桃体 ■正常人 ■木の追撃者 ドン・サパテロの冒険 ■へその唇、嚙みつく歯 ■相続 ■メイゼル ■あとがき ■訳者あとがき
  • 聞き書き・関東大震災
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    〈 100年前の9月1日、町は大きく揺れた 〉 そこに暮らす人びとは、どのように生き延び、記憶したのか。 人びとの声と文学者などの日記から振り返る関東大震災。 --------- 〈 1923年に起きた関東大震災から100年 〉 著者が地域雑誌『谷根千』を始めたころ、町にはまだ震災を体験した人びとが多く残っていた。 それらの声とその界隈に住んでいた寺田寅彦、野上弥生子、宮本百合子、芥川龍之介、宇野浩二、宮武外骨らの日記など、膨大な資料を紐解き、関東大震災を振り返る。 --------- 「災害は忘れた頃にやってくる」── 寺田寅彦 「東京の火災いよいよ猛に、一望大いなる熔鉱炉を見るが如し。田端、日暮里、渡辺町等の人人、路上に椅子を据え畳を敷き、屋外に眠らんとするもの少からず」── 芥川龍之介  * * * 地震の当日、人々はどのように行動したのか、その後、記憶はどのように受け継がれているのか。 小さな声の集積は、大きな歴史では記述されない、もう一つの歴史でもある。 そこから何を学ぶことができるのだろうか。 《東京大学名誉教授、元東大地震研究所長の平田直氏のロングインタビュー掲載》 --------- 【目次】 ■序言………災害は忘れた頃にやってくる──寺田寅彦 ■第1章……一九二三年九月一日 ■第2章……一夜が明けて、九月二日 ■第3章……本所から神田、浅草など ■第4章……震災に乗じて殺された人びと ■第5章……救援──被災者のために ■第6章……震災で変わった運命 ■第7章……帝都復興計画 ■第8章……今までの災害に学ぶこと ■正しく怖がり適切に備えるために──東京大学平田直名誉教授に聞く 〈コラム〉 ■林芙美子──根津神社の野宿 ■藤沢清造──小説家のルポルタージュ ■宮武外骨──『震災画報』でいち早く知らせる ■宮本百合子が二〇代の作家がつづった関東大震災 ■永井荷風──江戸と明治の終わり ■あとがき
  • 市川房枝、そこから続く「長い列」──参政権からジェンダー平等まで
    5.0
    1巻2,200円 (税込)
    「私は憤慨しとるんですよ」 ジェンダー平等後進国といわれる日本で、100年前から女性の地位向上を訴えていた人がいた。 戦前は男性にしかなかった「女性の参政権」を求め、戦後は無所属の参議院議員として人びとに慕われた。 国際社会の外圧を使い、データを揃え、仲間を募り、社会に波を作る──市川房枝の方法論はいまも褪せない。 ---------------------- 戦前は平塚らいてうと組んで、女性の参政権を獲得する運動をはじめ、戦後は、参議院員として、女性差別撤廃条約批准を推進させ、男女雇用機会均等法の成立を後押しした。 戦前の米国行き、ILO(国際労働機関)事務所勤務、独立して婦選活動、終戦後の公職追放、60歳で参議院初当選、87歳で全国区トップ当選──。 ---------------------- いまよりさらに男尊女卑、性別役割分業意識が強い時代にあって、どのように社会を動かそうとしたのか? そして今、彼女の願った男女平等は、本当に達成されているのか……。 〈働く女性のトップランナーとして、市川房枝87年の生涯をたどる〉 ---------------------- 【目次】 ■はじめに 序章…………国際連合と日本女性をつなぐ 第1章………「農家の娘」が一四歳で米国留学を目指す 第2章………平塚らいてうと女性の参政権をめざす協会設立 第3章………アメリカへ渡る 第4章………ILO職員として女性の労働現場を歩く 第5章………戦前の「婦選」活動 第6章………戦争を生きぬく 第7章………公職追放と参政権獲得と 第8章………無所属の参議院議員として 第9章………「政治と金」に抗して 第10章………市川房枝のジェンダー政策 終章…………ジェンダー平等に向けての「長い列」 ■おわりに
  • 日本の自然をいただきます――山菜・海藻をさがす旅
    4.0
    〈北海道から九州まで〉 古代薫る地を往き、食べた、〝原日本〞の風景と暮らしに迫る異文化食紀行 ----------------------  蕨(ワラビ)/ 蕗(フキ)  屈(コゴミ)/ 楤の木(タラノキ)  薇(ゼンマイ)/ 蕗の薹(フキノトウ)  栃の実(トチノミ)/ 孟宗竹(モウソウチク)  行者大蒜(ギョウジャニンニク)/ 山葵(ワサビ)  若布(ワカメ)/ 天草(テングサ)  海蘊(モズク)/ 茗荷(ミョウガ)  杉菜(スギナ)/ 銀杏(ギンナン)  二輪草(ニリンソウ)/ 大姥百合(オオウバユリ)…… 農耕以前よりこの国で食べられてきた野草や海藻。 「栽培作物」にはない、その滋味あふれる味わいと土地ごとの記憶をたどる旅が、今はじまる。 ---------------------- 日本の豊饒な自然に触れることで、食料を大切にしたいと思えるし、ささやかな料理の楽しみが味わえる。こうした気持ちは栽培食物からはまず得られない。(「はじめに」より) 〈和歌の世界に誘われながら、時空を超えた食の旅へ〉
  • 絡まり合う生命――人間を超えた人類学
    3.7
    もうすぐ絶滅する人類のために 狩猟に疲れ、ボルネオの闇夜の森で微睡(まどろ)む人類学者は、寝袋を這うアリたちの足音を確かに聴き、自分がアリの世界の一員となったと感じる……。 「この世界は人間だけのものではない」という深い実感から出発し、動物、死者、そして生命そのものへと向かう全く新しい人類学の探求が幕を開ける。 ボルネオの森から、多種的世界とアニミズムを経て、「生命とは何か」という根源的な問いへ。 インゴルド、コーン『森は考える』、ウィラースレフ『ソウル・ハンターズ』、アナ・チン『マツタケ』ら最新の人類学の議論を積極的に吸収しつつ、人類学の新たな可能性が展開される。 ――世界の覇者を自認してあらゆるものを食い尽くし、絶滅の淵に立つ人類に、世界観の更新を迫る、壮大な「来たるべき人類学」の構想。 【目次】 序論 平地における完全なる敗者 第1部 アニマルズ ■第1章 鳥たち ■第2章 リーフモンキーの救命鳥 ■第3章 2でなく3、 そして4 ■第4章 ネコと踊るワルツ 第2部 スピーシーズ ■第5章 多種で考える――マルチスピーシーズ民族誌の野望 ■第6章 明るい人新世、暗い人新世 ■第7章 人間以上の世界の病原体 ■第8章 菌から地球外生命体まで 第3部 アニミズム ■第9章 人間だけが地球の主人ではない ■第10章 科学を凌ぐ生の詩学 ■第11章 ぬいぐるみとの対話 第4部 ライフ ■第12章 考える森 ■第12章補論 考える、生きる ■第13章 記号生命 ■第14章 バイオソーシャル・ビカミングス――ティム・インゴルドは進化をどう捉え、どう超えたか ■終章 人類の残された耐用年数――厚い記述と薄い記述をめぐって ■あとがき ■参考文献
  • ラカンと哲学者たち
    5.0
    哲学と精神分析の根源には「恋」があった。これを僕らはどうすればいいのか。 人生で初めて一気読みしてしまったラカンの本。 ――東畑開人氏・推薦 ラカンにとって哲学とはいったい何だったのか? そしてラカンは哲学に何をもたらしたのか? デカルト、ヘーゲル、カント、そしてソクラテス。 哲学と精神分析の交点に立ち上がる、誰も見たことのないジャック・ラカン。 私たちがこれから目撃しようとしているのは、「反哲学」をぶちあげる以前に、ソクラテスやデカルトをはじめとした第一級の哲学者たちと対決し、格闘することで、精神分析を再創造しようとしたラカンである。(本文より) 【目次】 ■まえがき 第1部 デカルトを読むラカン ■第1章 哲学は狂気をどう考えるか――ラカンの「デカルトへの回帰」 ■第2章 失われた現実を求めて――フロイトと精神の考古学 ■第3章 疑わしさの向こう側――デカルト的経験としての無意識 ■第4章 哲学者の夢――コギトの裏面、欺く神の仮説 ■第5章 言葉と欲望――フーコー/デリダ論争の傍らで ■第6章 科学にとって神とは何者か――精神分析の始まりと終わり 第2部 精神分析的現実のほうへ ■第7章 恋愛は存在しない?――「転移性恋愛についての見解」再読 ■第8章 道徳か情欲か――カントともうひとつのアンチノミー ■第9章 目覚めるとはどういうことか――現実の再定義としての夢解釈 ■第10章 狼の夢の秘密――トラウマとしての現実界(1) ■第11章 フロイトという症例――トラウマとしての現実界(2) ■第12章 ヘーゲルに抗するラカン――精神分析的時間の発明 第3部 ソクラテスの欲望をめぐって ■第13章 起源の誘惑――フロイトとソクラテス ■第14章 愛とメタファー――少年愛から神々のほうへ ■第15章 永遠の愛の裏面――止まらないしゃっくりの謎 ■第16章 あなたは愛を知らない――分裂するソクラテス ■第17章 とり憑かれた哲学者――美のイデアと死の欲望 ■第18章 物語の外に出る――精神分析家の欲望とは何か ■結びに代えて  ■あとがき  ■注
  • 二極化する学校――公立校の「格差」に向き合う
    5.0
    1巻2,200円 (税込)
    《「選ばれる学校」、「選ばれない学校」の分断を乗り越えるために》 「学校選択の自由と多様化」を名目にすすむ公立校の統廃合。そして、社会的・経済的に「学びの機会」に恵まれない子どもたち――。 《教育は、だれのものなのか》 機会均等により学力向上を追求した戦後の「メリトクラシー」から親の経済力と価値観が子どもの学力を決める「ペアレントクラシ―」へ。 学区制廃止、中高一貫校の導入などで広がる学校の二極化と学力格差……。 《「公正」の原理こそが、公立学校を蘇生させる》 PISA(OECD生徒の学習到達度調査)で上位成績を収める国々は、いずれも学力格差を縮める施策を採っている。しかし、日本では格差是正の動きはほとんど見られない。「成果主義」「競争主義」を掲げる方向性が変わらなければ、教育現場での努力にもおのずと限界がある。 「卓越性を求める教育」から「格差をなくす教育」へと舵を切るために、今できることとは何か? 公教育のより良い未来のために新たな道をさぐる提言の書 【目次】 ■ まえがき 〈Ⅰ部〉 1章 メリトクラシーからペアレントクラシーへ  1 大きな歴史の流れの中で  2 学校の二極化とは何か?  3 学校教育は公共財か、私的財か  4 公正と卓越性――関係性の変容 2章 新自由主義的教育改革とは何なのか?  1 そもそも新自由主義とは  2 新自由主義的教育改革の典型例――サッチャー教育改革について  3 日本への導入  4 新自由主義をめぐるせめぎあい 〈Ⅱ部〉 3章 お受験狂想曲――卓越性をめぐる親子ぐるみのたたかい  1 はじめに  2 「教育を選ぶ」人とはだれか  3 中学受験  4 習い事  5 「お受験」の現状  6 「お受験」を支える人々 4章 学校選択制のいま  1 イギリスの教育は動いていた!  2 日本の学校選択制の草分け――品川区の事例  3 学校選択制の盛衰  4 遅れてきた大阪市?!  5 考察――根づかなかった学校選択 5章 小中学生の学力格差――学校間格差の顕在化  1 「学力の二極化」から「学校の二極化」へ  2 「2こぶラクダ」化の克服――「効果のある学校」の存在  3 国際学力データによる学校間格差の検討  4 学力向上策との関係性――茨木市の事例から  5 学校選択との関係性――大阪市の事例から 6章 高校の学区制――高校教育の変動の視点から  1 戦後高校教育の発足――高校三原則  2 学区制の歴史的変遷の全体像  3 高校教育の展開のなかで――1950年代から90年代まで  4 21世紀に入ってからの大きな変化  5 まとめ――本音が理念を上回る 7章 高校教育の現在――卓越性と公正のはざまで  1 私学優勢――高校における卓越性  2 高校の階層構造――ローレンの研究から  3 生徒文化はどう変わったか  4 高校教育の「多様化」――政策の流れ  5 卓越性と公正のバランス――大阪府の事例から 8章 多様化か、複線化か――学校体系のゆくえ  1 複線型学校体系と単線型学校体系  2 高等専門学校――中級技術者を育成する  3 中等教育学校――公立部門の復権を目指して  4 義務教育学校――卓越性と統廃合ニーズ  5 学校体系は複線化したのか 〈Ⅲ部〉 9章 より公正な教育を求めて――学力格差を撃つ  1 はじめに  2 海外ではどうなっているか  3 日本ではどうなっているか  4 まとめ 10章 公教育のこれから――アミタリアンをつくる  1 教育機会確保法の時代  2 「しんどい層にとっての学校」からの展開  3 公教育の理念を考える  4 やわらかい学校システムをつくる  5 おわりに ■ 参考文献 ■ あとがき
  • 蜜のように甘く
    3.8
    沈黙を抱える者たちの視線が交差し、気高い光を放つ。胸に刻まれたその残像が、今も消えない。 ——小川洋子さん推薦! 戦争で夫を亡くし、足のケアサロンを営むペイジ。 斜向かいに住む大学教師ボビーの密かな楽しみは、ペイジの生活の一部始終を観察することだった。 ある日ボビーは、意を決し初めて店を訪れる。 足を洗ってもらっているあいだに、ひとり語りを始め、忘れ得ぬ事故のことを打ち明けるボビー。 悲惨な体験を通して、孤独な二人の心は結びつくのだが……(「初心」)。 79歳の作家が贈る、全10篇の濃密な小説世界。 「世界最高の短編作家」(ロンドン・タイムス) 「現存する最高のアメリカ作家による、最高傑作集」(ボストン・グローブ紙) ——なんとまあ大袈裟な、と思う方は、是非とも本書を読んで確認していただきたい(古屋美登里) 【目次】 ・初心 ・夢の子どもたち ・お城四号 ・石 ・従妹のジェイミー ・妖精パック ・打算 ・帽子の手品 ・幸福の子孫 ・蜜のように甘く ・訳者あとがき
  • ルポ リベラル嫌い――欧州を席巻する「反リベラリズム」現象と社会の分断
    4.3
    1巻2,090円 (税込)
    〈「もう、リベラルはうんざりだ」?〉 極右に惹かれる若者たち、移民を不安視する労働者たち、敵視される団塊世代、そして高まるEUへの不信感……。 近年、欧州で広がる「反リベラリズム」感情の底流には、一体何があるのか? EU本部の置かれるベルギー・ブリュッセルに赴任した著者が、揺れる欧州の現場に取材し、不安の根源に迫る、渾身のルポルタージュ! --------- 【目次】 ■プロローグ……リベラリズムの行方 ■第1章…………若者 vs. 団塊世代?──敵視されるリベラル ■第2章…………移民とグローバリゼーション──広がる経済不安 ■第3章…………緊縮がもたらした分断──リベラル・パラドックス ■第4章…………ブレグジットの背後にあるもの──取り残された人々の怒り ■第5章…………ポルトガルの奇跡──「反リベラルのメロディー」を越えて ■第6章…………新型コロナとインフレ──問われるリベラリズム ■エピローグ……未来へと一歩を踏み出す
  • 災間に生かされて
    4.0
    b>〈陸と海、定住と遊動、生と死、虚構と現実、セクシュアリティ…〉 ──境界線が溶け合うとき硬直した世界に未来の風景が立ち上がる。 ---------------------- 人は避けがたく、ほんの気まぐれな偶然から、ある者は生き残り、ある者は死んでゆくのです。巨大な災害のあとに、たまたま生き残った人々はどんな思いを抱えて、どのように生きてゆくのか。思えば、それこそが人間たちの歴史を、もっとも深いところから突き動かしてきたものかもしれません。(本文より) ---------------------- いくつもの不条理なできごとの底知れぬさみしさを抱えて、それでもなお生きるための思考。 ---------------------- 【目次】 夜語りの前に  ■災間を生きるために  ■中世の訪れを予感し、抗いながら  ■不安は数量化できない 第一夜……しなやかにして、したたかに。汝の名は  ■そのとき、友は巡礼に  ■津波の痕を訪ねて  ■世界の終わりのような  ■幽霊と出会うとき  ■生きとし生けるもの、すべての命のために  ■山野河海を返してほしい  ■いのちの思想を紡ぎなおす 第二夜……東北から、大きなさみしさを抱いて  ■被災体験に触れる  ■なぜ、わたしが生き残ったのか  ■人間の根源的な無責任について  ■その理不尽に折り合いをつけるために  ■巨大な体積をもったさみしさ 第三夜……渚にて。潟化する世界のほとりで  ■潟化する世界に出会った  ■海岸線は揺らぎのなかに  ■人間という原存在への問い  ■無主の海からみんなの海へ  ■海のかなたから訪れしもの 第四夜……民話という、語りと想像力のために  ■おれは河童を見たことがある  ■大きな真っ白い鳥が飛んだ  ■奇譚が遠野と会津を結びなおす  ■狐に馬鹿にされた、という  ■民話的想像力によって、布を織る 第五夜……遊動と定住のはざまに、生きよ  ■心の考古学は可能か  ■あらたな飢えと村八分の時代に  ■われらの内なる山人  ■定住革命のはじまりに  ■遊動という離合集散のシステム  ■住まうことと建てること  ■妬みや恨みを抱えこんで  ■分裂病親和性と強迫症親和性  ■あらたな逃げられる社会は可能か ■あとがき
  • ひこうき雲
    4.0
    韓国文学の新シリーズ〈キム・エランの本〉刊行スタート! 《第一弾は、BTSのRMさんも愛読、韓国で17万部の大ベストセラー小説集》 -------------------------------------- タクシー運転手のヨンデは、車内で、中国語のテープを聴いている。 数ヶ国語を話せた、死んだ妻が吹き込んでくれたものだ。 何をしても長続きせず、「家族の恥」と周囲に疎まれ、三十六歳で逃げるように上京した彼は、中国の地方から出稼ぎに来ていた親切な女ミンファと出会い、結婚し、貧しいながらも肩を寄せ合うように暮らしていた。 だが、やがて彼女はがんを患って……(「かの地に夜、ここに歌」)。 裏切り。罪。喪失。悲しみ。 韓国文学の旗手が贈る、哀切な8つの物語。 ——この空の向こうに、幸せはきっとある。 -------------------------------------- 【目次】 ■日本の読者の皆さんへ ■そっちの夏はどう? ■虫 ■水中のゴリアテ ■かの地に夜、ここに歌 ■一日の軸 ■キューティクル ■ホテル ネアックター ■三十歳 ■あとがき ■訳者あとがき
  • あの人たちが本を焼いた日 ジーン・リース短篇集
    3.7
    ――わたしはどこにも属していないし、属すためのやりかたを買うお金もない。 カリブ海生まれのジーン・リースは、ヨーロッパでは居場所を見出せない、疎外された人であった。しかも女性である。 自身の波乱に富んだ人生を下敷きにした、モデル、老女、放浪者などの主人公たちは、困窮、飲酒、刑務所暮らし、戦争と数々の困難を生きる。 だが彼女らはけっして下を向かない。 慣習と怠惰と固定観念をあざ笑うように、したたかに生きる。 《いま新たな光を浴びる、反逆者リースの本邦初、珠玉の作品集》 -------------------------------------- 【目次】 ■あの人たちが本を焼いた日……The Day They Burned the Books ■あいつらにはジャズって呼ばせておけ……Let Them Call It Jazz ■心霊信奉者……A Spiritualist ■マヌカン……Mannequin ■フランスの刑務所にて……From a French Prison ■母であることを学ぶ……Learning to Be a Mother ■シディ……The Sidi ■飢え……Hunger ■金色荘にて……At the Villa d'Or ■ロータス……The Lotus ■ではまた九月に、ペトロネラ……Till September Petronella ■よそ者を探る……I Spy a Stranger ■堅固な家……A Soild House ■機械の外側で……Outside the Machine ■「ジーン・リース」へのピクニック……西崎憲 --------------------------------------

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