的場昭弘の作品一覧
「的場昭弘」の「明日を生きるための資本論」「いまこそ「社会主義」 混迷する世界を読み解く補助線」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
きっかけ
世界史系の本であったり日常を過ごす中で諸悪の根源が資本主義と感じ、そもそも資本主義について知らないなと思って敵情視察みたいな感じで手に取った本
内容
資本主義が始まってからの近代史の解説
感想
ここ最近の楽しく読める読書傾向の集大成の様な本であった。他の本を読んで生まれた疑問や自分の中の答え、学習の土台が成熟された上で読めたので、思考・知識共に1段階積み上げられた充実感があった。重い本(平均6時間ほど)でありながらも、興味関心成長が実感できて集中して読み進められた。
イギリスとフランスでそれぞれ資本主義が始まっており、各地域の状況が複雑で難しいけどここのこれが起因でこれに繋がっているという物語性があり楽しめた。
資本主義が諸悪の根源なのでは?と疑問を持って読み始めたけど、何事にもメリットデメリットがある事実を突きつけられハッとしたと共に、何事も諸行無常であり感情を含めない本質で見ることが大切なんだなと深い学びにつながった。
ポスト資本主義ではないけど今後はアジア的な調整型経済、朝貢型経済から目が離せないとあってそっちの方が自分的には納得がいくなと腑に落ちた。とはいえそれも良し悪しはあるだろうし、子供が大人になる時にいい世界にしたいなと思った。
Posted by ブクログ
タイトルの通り、資本主義の歴史を辿る一冊。
あるいは資本主義から見た近現代史。
ここで言う資本主義とは、18世紀後半に主にイギリスの産業革命を契機に大きな発展を始めた「あくなき利潤を追及するための社会制度」と定義する。
中央集権的な近代国家の成立、大航海時代を経て蓄積された本源的資産、プロテスタントによってもたらされた"節約と勤勉"の精神をその発展の土壌とし、動力をもった機械の発明(産業革命)及び農民の農地からの切り離し(労働力の確保)を最後のきっかけとして、資本主義の世はイギリスから始まった。
以降、「あくなき利潤を追及する」資本主義が、以下に既存の身分制度を崩し、社会を変革していったか、そして資本主義がどのように世界を飲み込んでいったかが歴史と共に描かれる。
まずイギリス国内で生じた貧富の格差はしかし資本主義の発展により埋められていく。すると資本は新たな利潤を求めて海外へとその領域を広げていく。今度は国家間の貧富の差が生まれてくる。その後、戦争や恐慌等の様々な衝突を経て、第二次世界大戦後、自由主義の下で資本主義は世界の隅々まで行き渡ることになる。
かつてのイギリス同様、先進国国内では中産層を含めて国内に富が分配され豊かになった。その結果、資本は途上国に移っていく。社会主義国家の崩壊を経て、世界中隅々に資本主義のマネーが行き渡り、国内ではこれ以上の投資先を失い低迷を始めた先進国と、力をもって次の主役たらんとするアジアとが拮抗するのが現在の世界だと言える。
世界史で勉強した近現代の西洋史が、資本主義を軸とした社会経済制度を背骨に語られ、非常に明快なストーリーをなしている。ここ200年の歴史は資本主義によって作られてきたのではないかとさえ了解される。
上で"西洋史"と書いたが、資本主義はあくまで西欧の歴史文化のなかで生じた社会制度であるゆえ、本書にはその周辺たるアジアアフリカは殆ど取り上げられない。
しかし、資本が投資先を求めて世界中に行き渡るようになった現在、西欧の停滞・アジアの勃興は誰の目にも明白である。次なる社会はどの地域を中心として回っていくのか。先のことは分からない。
だが、どうなるにせよ、嫌が応にも我々が参加させられている資本主義の本質と来し方を知り、未来を見据える際の基礎知識を概観できる一冊として、お勧めできる。