作品一覧

  • 色彩から読み解く「源氏物語」
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    1巻2,420円 (税込)
    〈紫式部は色に何を託したのだろう?〉  ◉最愛の女、紫の上は赤紫と紅。  ◉ひと夏の恋の相手、夕顔はラベンダー色。  ◉よき相談相手、花散里は露草の青。  ◉出家をした藤壺、空蟬は墨のようなグレーの鈍色(にびいろ)。 稀代の色彩コンダクター・紫式部が『源氏物語』に織り込んだ「色の謎」を読み解く! ********** 〈「紫のゆかりの物語」は色の玉手箱〉 萌黄色(もえぎいろ)、桜色、茜色(あかねいろ)、菫色(すみれいろ)、桔梗色(ききょういろ)……。 平安時代、貴族たちは衣装を自生の植物で染め上げ、それらをいくえにも重ねて身に纏っていた。 その色のコーディネートは「重ね色目」と呼ばれ、桜重ね、紅梅重ね、柳重ね、蟬の羽重ね、紅葉重ね、雪の下重ね……四季折々の美しさに富んだ名を持つ。 それらを今に伝えるのが「源氏物語」だ。 ********** 〈『源氏物語』はビジュアル小説〉 物語は、登場人物たちのきらびやかな衣装、交わされる文、華やかな年中行事など、色彩に溢れている。 女房として宮廷に仕えた紫式部は、確かな観察眼と天才的な色彩感覚で、それらの色に女性たちの喜びや悲しみ、嫉妬、生きづらさを託している。 本書は、紫式部が物語に織り込んだ色を、色彩学や心理学の観点から読み解き、1000年前の女性たちの実像に迫る。 ********** 【目次】 一.『源氏物語』は色彩溢れるビジュアル小説  ●紫式部は女君たちの衣装の色を意図的に描き分けている  ●日本の伝統色の約七割は平安時代に作られた  ●美しすぎる、光源氏の「桜重ね」  ●チャームポイントは、襟元や袖口から覗く配色  ●貴族社会における「禁色」というタブー  ●鮮やか、艶やか! 驚きの『源氏物語』の色  ●季節の移ろいに心を重ねた王朝人の美意識 二.衣装の色が物語る、女君たちの愛と人生  ●「紫のゆかりの物語」のはじまり  ●光君に残された空蟬の薄衣はなに色だったか?  ●夕顔の花から始まった、ひと夏のはかない恋  ●『源氏物語』の時代、男たちはどんな色を着ていたのか?  ●年齢とともに変化する紫の上のシンボルカラー  ●色のない女性たち、葵の上と六条御息所  ●おかしくて、やがて哀しい、末摘花の赤  ●緑が象徴する明石の上のセルフコントロール力  ●花散里が染める露草の青  ●源氏をふった玉鬘の山吹重ね  ●可憐なピンクをまとう女三宮の秘密  ●天才的な色彩演出家、紫式部 三.王朝文化を生んだ貴族たちの恋愛事情  ●平安時代は、本当に一夫多妻制だった?  ●待つ女・愛人たちの焦燥と嫉妬  ●色彩が重要な役割を果たしたファーストコンタクト  ●女房たちの心をわしづかみにしたラブレターの色は?  ●色、香り、歌……王朝人が好む“ほのかな美”  ●宮廷を彩るマスコット、女童たちの装い  ●平安貴族はどのように喜怒哀楽を表現していたか  ●心の深層へとつながる絵、音楽、夢 四.色で辿る登場人物たちのその後  ●女君たちのシンボルカラーが勢ぞろいした六条院のイベント  ●源氏をめぐる女性たち、それぞれの後半生──明石の上、末摘花、玉鬘……  ●成長しない姫君の変貌──女三宮  ●源氏にもっとも愛された女性の幸と不幸──紫の上  ●鈍色に見る、「出家」という解放  ●光源氏、最後の一年  ●色彩から見えた、紫式部の密かな企み 五 紫式部からの問いかけは、千年の時を超え  ●紫式部はなぜ色彩美あふれる物語を書けたのか  ●紫式部の前半生──孤独な少女からシングルマザー、作家へ  ●紫式部の後半生──道長とのウィンウィンな関係  ●清少納言『枕草子』は輝いていた後宮へのオマージュ  ●日向よりも陰に目がいく『紫式部日記』の憂鬱  ●「宇治十帖」で示された女性たちの新たな選択  ●色彩に託された紫式部のメッセージ あとがき 参考文献 **********
  • 色から読みとく絵画――画家たちのアートセラピー
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    ──「なぜ、長谷川等伯の絵からは色が消えたのか」 ──「なぜ、ユトリロは質感のある白を描いたのか」 傷ついた心を回復するプロセスが、作品の色には宿っている。 色彩心理の研究とアートセラピーに長年取り組んできた著者による、絵画との深い対話。 --------- 〈 一枚の絵が生きた人間の物語としてあらわれる 〉 生きることに困難を抱えた画家たちは、内面に渦巻く感情をキャンバスに解き放ち、心を癒やし、生命の歓びを描いた──。 色彩心理の研究をもとに長年アートセラピーに取り組み、絵は人の心の表現だと考える著者が作品を深く味わう見方をつづる。 ---------  ■世間に認められない苦悩を乗り越え、奄美を描き続けた田中一村  ■偉大な父という呪縛を抱えながら、美しい陰影を描いた葛飾応為……etc. 作品に込められた、一人の人間の苦しみ、孤独、病、そして生の歓びに迫る18篇。 --------- 【目次】  ■はじめに 1.色彩に見る心の変遷[ニキ・ド・サンファルと上村松園]  ■怒りから生きる喜びへ、色が物語る心の救済──ニキ・ド・サンファル  ■母から娘へと受け継がれてきた色──上村松園 2.色が消えるとき[長谷川等伯とモーリス・ユトリロ]  ■『松林図屛風』は、なぜモノトーンで描かれたのか──長谷川等伯  ■画家がこだわり続けたタッチの謎──ユトリロ 3.水彩で心安らいだ文豪たち[夏目漱石とヘルマン・ヘッセ]  ■「私は不愉快だから絵をかく」 ──夏目漱石  ■「筆や刷毛を使っての創造は私にとってワインなのです」──ヘルマン・ヘッセ 4.陰影表現に見る、人生の光と影[葛飾応為とエドヴァルド・ムンク]  ■偉大な父をもった幸と不幸が生んだ、美しき陰影──葛飾応為  ■ユング心理学と『ゲド戦記』から探るムンクの〝影〟──エドヴァルト ・ムンク 5.自画像ー画家の深層を映す鏡ー[フリーダ・カーロと石田徹也]  ■自画像に映し出された身体の痛みと生きる情熱──フリーダ・カーロ  ■私であり、あなたでもある自画像──石田徹也 6.怖いけど見たい、ダークサイドの美[月岡芳年とフランシス・ベイコン]  ■闇に生きた、最後の浮世絵師──月岡芳年  ■身体感覚に溢れた叫び、死、セクシュアリティ──フランシス・ベイコン 7.病から生まれた新たな手法[高村智恵子とアンリ・マティス]  ■精神病院の一室で密かに作られた美しき切り紙絵──高村智恵子  ■老いと病がもたらした〝色と形のダンス〟──アンリ・マティス 8.孤独に支えられた独創性[田中一村とジョージア・オキーフ]  ■最果ての島で孤高の人生を送った画家の、 究極の幸せとは──田中一村  ■ニューヨークから砂漠の荒野へ。 自立の精神を生きた九八年の人生──ジョージア・オキーフ 9.囚われを超えて、空を描く[イブ・クラインと仙厓]  ■自我の枠を超え、 無限の精神空間を生きた〝青のアーティスト〟──イブ・クライン  ■放浪と禅修行から生まれた 洒脱でユーモラスな画はまるで現代アート?──禅僧・仙厓 〈 COLUMN 〉  ■心の歴史を色彩で振り返る「カラーヒストリー」  ■絵と長寿の関係、あるいは高齢者のためのアートセラピー  ■ストレスフルな現代にこそ必要な、絵による気分転換  ■内なる〝光と影〟を映し出すぬり絵セラピー  ■子どもの絵から大人のセラピー表現まで、自画像いろいろ  ■トラウマを吐き出すセカンドステップセラピー  ■精神疾患の治療の一環として始まった芸術療法  ■環境の色彩とアートセラピー 子どもたちの自由な創造力はアートの原点 ■おわりに ■参考文献

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