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〈 稀代の窃盗狂か、恐るべき審美家か? 〉 ヨーロッパ各地から盗んだ3000億円分の美術品。 そのあまりに華麗な手口と狂気的な美への執着を暴く、第一級の美術犯罪ノンフィクション。 --------- 若くして手を染めた美術品窃盗の道。 使う道具はスイス製アーミ―・ナイフ、ただ一本。 欧州を股にかけ恋人と盗みに盗んだ、輝くような日々。 屋根裏部屋に飾っては眺め、撫で、愛し、また盗む。 その先に待ち受ける想像を超えた結末とは……。
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Posted by ブクログ
事実は小説よりも奇なりがよく似合う話だった。自分の気に入ったものだけを丁寧に集めていくどこぞの怪盗さんみたいな最初は不思議なほど好感が持てたのに後半の窃盗症な展開は残念な気持ちと、窃盗によるアドレナリンが人を壊していくのではという恐怖を感じた。 美術館もある意味では作品を独占していることにはなるし、...続きを読むそもそも全ての作品が多くの人に見られるために存在しているのかとか考えてしまうくらいには楽しめた。
フランスからスイス・ベルギーなど欧州の各国から美術品を盗み、自宅の屋根裏部屋とベッドの周辺に飾っていた若いカップル。入館料を払って自分の気に入った作品をアーミーナイフ一つで壁やケースから取り出し、持ち物などで隠して堂々と入り口から出ていく。そんな盗みを繰り返していたが、とうとう捕まる…。 ほとんど...続きを読む病気のようだ。彼女は共犯者とはされず、彼だけが収監されるのだが、結局美術品を盗むという習いから解放されることはなかった。 なんだか、すごい話だった。これがフィクションではなく、21世紀の現代の事実だということに驚いた。
「事実は小説より奇なり」を地で行くストーリー。売りさばくのを目的としない美術泥棒がいたんだな、あと盗む手口がシンプル、ていう素朴な驚き。著者が若干盛る人っぽく、ラストの方は心情的に入れ込み過ぎでは?感はあるけども。
ヨーロッパで起こった実際の2人組の泥棒の話。 あまりにアートを愛し過ぎて 盗みを働くのだが、 もう盗むことも中毒になってしまい、 捕まっても、釈放される度に、また盗んでしまう。 読んでても後半は悲しくなります。 ちなみに、アートと窃盗に中毒になっていく表現は官能的で美しくて秀逸です。
始まりは純粋な美への憧れであっても、どんどんエスカレートし、盗品を粗野に扱う様子も出てきたあたりから、窃盗から得られる快感が目的になってきているように感じた。一つの依存症なのだと思う。 そしてお母さんの所業に絶句、、公共の財産であったものが不当に奪われ、そして永遠に失われる悲しさ。想像力があればと...続きを読むても行動に移せないと思うけれど、実行した背景にあるのは一時の感情の爆発か、息子への歪んだ執着か。 命以外に、償えない盗みもあることを知った。
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