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Posted by ブクログ
舞台はルーシーの故郷、穢れの町へと移り、辛い現実を、さも当然であるかのように受け入れている人々に対するルーシーの勇気ある行動が気高く、まるで革命を起こす中心的人物であるかのよう。
ルーシーに負けず劣らず、クロッドの成長も清々しいものがある。かつてはアイアマンガー一族であることに、なんの疑いもなくひっそりと暮らしていたクロッドが、ルーシーと出会ったことで、世の中を見つめ直し、自分に出来ることを見いだしながら、
「自由でなくちゃおかしい。」とまで言うようになったのだから。こんなに行動的じゃなかったのにね。
こうした二人の成長も含めて、物語の展開に入り込んでしまうのは、どんな境遇であっても、挫けずに出来ることを探しながら、生きられるだけ生きてやるぞといった気持ちに、理屈抜きで共感させられる、私もこういう生き方をしたいといった、憧れの気持ちもあるからだと思いました。
ただ、それにしても、二人の再会と別れの繰り返しには、本当にやきもきさせられる。久々に再会したときの台詞のやり取りが素敵で、ホロリとした分、尚更である。要するに、早く第三部が読みたいということですね。
Posted by ブクログ
いやあ、なんだろう。
ゴミがあふれかえり、汚物にまみれ、ネズミが逃げ出し、虫が湧く。
そんな世界の話なのに。
クロッドもルーシーも決して美形でもなければ清潔でもないのに。
彼らの愛は美しいと思う。
ロンドン中のごみの処理を一手に引き受けるアイアマンガ―一族。
しかし、彼らにとって金の生る木であるゴミに執着しすぎて、ついにごみの山に飲み込まれてしまった堆塵館。
物に執着しすぎて、物と人間の区別すら曖昧になる。
前巻で堆塵館から逃げ出そうとして果たせなかったクロッドとルーシー。
その生死すら定かでないまま巻は終わったのだが、この巻で二人は物に変えられ、離れ離れになっている。
クロッドは殺人鬼・仕立屋によって、ルーシーはゴミと一体化した人間・ビナディットによって人間に戻され、運命は二人を再びめぐり合わせる…のだけど、この事態を引き起こしたアイアマンガ―を止めるため、自分のするべきことをするために、二人は再び離れ離れに。
一族に取り囲まれてしまったクロッドと、雪崩のように押し寄せるゴミと業火に包まれたルーシー。
ふたりの運命は!?
ってとこでまた、次巻に続く。
ロンドンから離れたところに、ロンドン市民が見えないように、隔離され、押し込められていたゴミが、その臭気が、毒が、ロンドン市民を侵し始める。
その穢れをこれ以上拡散させないようにロンドンが決定したことは、穢れの町を焼き払うこと。
ゴミは出すけれども、後処理は見えないところに任せるロンドン市民は、現代の私たちと同じである。
そして抑えることのできなくなった穢れを、焼き滅ぼして清潔と言い張るのはまるで…。
この話が一体どのように終わりを迎えるのか。
あと一巻で終わってしまうのがもったいない。
こんなに穢れに満ちた世界なのに、離れがたいと思わせる筆力。
ああ。
Posted by ブクログ
アイアマンガー3部作の2作目…というか、第2巻。
前巻のゴミだらけで煙ってて薄汚いイメージがさらにパワーアップした本作。ゴミの山とロンドンの間にある「穢れの街」を舞台に、10シリング金貨になってしまった(?)前作の主人公を探す、前作のヒロイン(っぽくないが)が大活躍する。
本作で一番気になる人物が「ビナディット」。この男、ゴミの山で生まれ育ち、ゴミを服装どころか皮膚のように身にまとい、身体にうごめく昆虫や小動物を食して生きているというとんでもない汚物人間。ゴミどもに「父」と慕われるこの男がヒロインとキスをするシーンがあるのは圧巻。こんなに萌えないキスシーンは初めてだ!
前作同様、本作もとんでもないところで唐突に話が終わる。こんな終わり方されたら、3作目が待ち遠しくてしゃーないやんけ!
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