心震えました。
校正者・牟田都子さんのエッセイ。
文字を、文章を、読むことが好きであればたまらない世界です。
どのお話も驚きと発見に溢れていて、読み終えてしまうのがもったいなくてひとつひとつ味わうように大切に読みました。
校正の仕事は単に誤字脱字を直すだけだと思っていたら、記述が正確かどうかこ
...続きを読むんなに徹底的に調べるとは!
思い込みで読み流してしまいそうな一つ一つを調べてみるアンテナに驚きです。
「揚げ物が苦手だと口にした登場人物が居酒屋でポテトフライを注文していたり、間取り図を描いてみると出入り口のない部屋が出現したりする、」
そんなことも見つけなければいけないなんて、なんて大変な仕事なんだろう。
一方、小説において、どこまでリアリティを求めて指摘するか。
読者としては小説なら曖昧でもいいのではないかと思いますが、そのポイントに対して身近だったり専門だったりする人にとっては違和感に感じてしまうこともあるということで、誰にとっても間違いのない完璧な本を作る難しさを知りました。
これからはどんな本も今以上に、言葉のひとつひとつを、文字のひとつひとつを大切に味わって読もうと思います。
帯付きも帯なしもどちらも素敵な装丁。