牟田都子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
心震えました。
校正者・牟田都子さんのエッセイ。
文字を、文章を、読むことが好きであればたまらない世界です。
どのお話も驚きと発見に溢れていて、読み終えてしまうのがもったいなくてひとつひとつ味わうように大切に読みました。
校正の仕事は単に誤字脱字を直すだけだと思っていたら、記述が正確かどうかこんなに徹底的に調べるとは!
思い込みで読み流してしまいそうな一つ一つを調べてみるアンテナに驚きです。
「揚げ物が苦手だと口にした登場人物が居酒屋でポテトフライを注文していたり、間取り図を描いてみると出入り口のない部屋が出現したりする、」
そんなことも見つけなければいけないなんて、なんて大変な仕事なん -
Posted by ブクログ
本を読んでいて、誤字脱字を見つけると、世に出ている本も完璧ではないのだなと少し嬉しくなっていた。
誰しも、どんなプロも、見落とすものがある。
校正はそういう世界なのだと知る。
SNSで切り抜かれた発言に対してあれこれ言ってるのをみると、元の投稿や発言、その文脈も知らずに乗っかっている人が多い。
著者が「あえて」そう書いたこと。
「おかしい」と思ったときこそ、本当に意図を汲み取れているのか?と想像する。
本当に間違っているのか?と確かめる。
読みやすいものも良いけれど、時には思わず手を止めて考えてしまうような文章を。
校正者ほどじっくり読んで立ち止まって調べることはないけれど、読書の楽し -
Posted by ブクログ
仕事をしながら働いている女性3人の、「緊急事態宣言」前後の交換書簡…のようなもの。
文章を仕事の一部としていらっしゃいはするけど、それぞれの家庭にも重きを置かれてる感じが伝わってくる。
こどもが居たり、犬や猫がいたり、リモートワークだったりなかったりする旦那様とか。
作家の方よりなんとなく自分の境遇に近い気もして(いや旦那様おりませんけど私には)、読みやすかったし、共感もしやすかった。
ただし、仕事柄リモートワークでもなく毎日毎日逆にほんとに休みなく働いてたりもした時期もあったので、
「え、そこまで外出を悪と考えたりもすることもあるのか…」と思ったりもした。 -
Posted by ブクログ
校正・校閲のお仕事に興味があったので、読んでみました。勉強になって、何度も読み返したい内容でした。
校正・校閲って、とっても奥が深くておもしろそうだけど、日々のプレッシャーがとんでもないお仕事なのだと思いました。0か100の世界で、ミスしないのが当たり前、でも実際、誤植が存在しない本はないっていう状況で仕事するってすごい!
誤字があると、気になって集中して読めなくなる経験は確かにあるけど、でも普段安心して私たちが本を読めるのは、こういったお仕事をしてくださってる方がいるからなのだと感謝の気持ちでいっぱいになりました。
普段あまりスポットライトが当たらないお仕事ですが、本のすべてを背負っているよ -
Posted by ブクログ
校正に関するエッセイ集かな。
参考文献をみると、校正にまつわる本、校正に言及した本をずらりと並べているので、参考になりそう。
「他人が赤字を入れたゲラを見たい」というのはよくわかる。教科書が何を書こうが「それぞれの現場において赤字(指摘)を入れる塩梅」がスキルアップのために必要なポイントなので。
ルーキー時代に、刊行から半年経ってゲラ袋を処分する係だったが、役得としか言いようがなかった。そういうのが必要ですよね。修業時代には。
もっとも、現在は初校・再校・三校とキレイにゲラを作る現場は減っているのではないかな。著者が勤めていたような校正部(校閲部)があるような大手は別として、中小版元では、デ