【感想・ネタバレ】文にあたるのレビュー

あらすじ

《本を愛するすべての人へ》

人気校正者が、書物への止まらない想い、言葉との向き合い方、仕事に取り組む意識について——思いのたけを綴った初めての本。

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〈本を読む仕事〉という天職に出会って10年と少し。
無類の本読みでもある校正者・牟田都子は、今日も校正ゲラをくり返し読み込み、書店や図書館をぐるぐる巡り、丹念に資料と向き合う。

1冊の本ができあがるまでに大きな役割を担う校正・校閲の仕事とは?
知られざる校正者の本の読み方、つきあい方。

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校正者にとっては百冊のうちの一冊でも、読者にとっては人生で唯一の一冊になるかもしれない。誰かにとっては無数の本の中の一冊に過ぎないとしても、べつの誰かにとっては、かけがえのない一冊なのだ。

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Posted by ブクログ

校正という仕事が身近に感じられた1冊。本文には書かれていない背景までもとことん追求して、興味を持って調べ尽くすことが仕事になる。労力が膨大過ぎる。なんて大変な仕事なんだろう……。
私が今まで読んできた本も、数々の校正を経て手元に届いてるんだなぁ。感謝。

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2025年07月12日

Posted by ブクログ

最近校正の仕事に興味を持ったので、読んでみた本。話し口調で読みやすく、普段読むのが遅い私でもスイスイ読めた。

校正とはどのような仕事なのか、実際に働いている方の葛藤や苦労、本に対する思いがとても伝わってきた。実際にあった誤植も紹介されていて面白い。

生半可な気持ちでは続けられない、体力と精神力が求められる超ハードな仕事だと分かり、少し気後れしてしまったが、この仕事にますます魅力を感じた一冊でもあった。他の校正者の書いた本も読んでみたい。

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2025年04月03日

Posted by ブクログ

校閲の方のエッセイ。
辞書の買い方がわからなった、が一番興味深かった。

辞書を一冊だけじゃなく二十冊以上引くなんて、なんて気の遠くなるような作業なのだろう。

本を読んで読んで、読みまくって本好きからすると羨ましい反面、辛いだろうなとも思ってしまう。

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2024年07月12日

Posted by ブクログ

心震えました。
校正者・牟田都子さんのエッセイ。

文字を、文章を、読むことが好きであればたまらない世界です。

どのお話も驚きと発見に溢れていて、読み終えてしまうのがもったいなくてひとつひとつ味わうように大切に読みました。

校正の仕事は単に誤字脱字を直すだけだと思っていたら、記述が正確かどうかこんなに徹底的に調べるとは!
思い込みで読み流してしまいそうな一つ一つを調べてみるアンテナに驚きです。
「揚げ物が苦手だと口にした登場人物が居酒屋でポテトフライを注文していたり、間取り図を描いてみると出入り口のない部屋が出現したりする、」
そんなことも見つけなければいけないなんて、なんて大変な仕事なんだろう。

一方、小説において、どこまでリアリティを求めて指摘するか。
読者としては小説なら曖昧でもいいのではないかと思いますが、そのポイントに対して身近だったり専門だったりする人にとっては違和感に感じてしまうこともあるということで、誰にとっても間違いのない完璧な本を作る難しさを知りました。

これからはどんな本も今以上に、言葉のひとつひとつを、文字のひとつひとつを大切に味わって読もうと思います。

帯付きも帯なしもどちらも素敵な装丁。

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2024年03月18日

Posted by ブクログ

たくさんの引用も含めて
本を作る大勢のプロフェッショナルたちの仕事ぶりや心意気を伝えてくれる本。

後世に残る仕事だからこそ、という思いを強く感じた。
永六輔さんの「職人」などと親和性のある本。

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2023年11月12日

Posted by ブクログ

校正のことは何も知らずに読みました。内容もおもしろく読みましたが、何より、読む前まで校正と全く縁なしと思っていた自分の、誰にも気づいてもらえないかもしれない、褒めてもらえない仕事が、烏滸がましくもある意味校正みたいだなと思え、視野が広がった感じがしました。読む以前よりも仕事に真っ直ぐ向き合えるようになったのが印象的です。

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2023年06月10日

Posted by ブクログ

校正者である著者が、校正・校閲という仕事のことについて書いた本。私は前の会社のときに少しだけ校正をかじったことがあるけど、専門的な校正・校閲はもっともっと根気と体力が求められる仕事なんだなあ。言葉に対して誠実に向き合うこと、作品を世に出すことについても読みながらいろいろ考えた。

【読んだ目的・理由】校正の仕事に興味があったから
【入手経路】買った
【詳細評価】☆4.2
【一番好きな表現】本が言葉である以上、誰のことも絶対に傷つけることがない本を作るのは不可能ではないかと思います。(本文から引用)

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

本を読んでいて、誤字脱字を見つけると、世に出ている本も完璧ではないのだなと少し嬉しくなっていた。

誰しも、どんなプロも、見落とすものがある。
校正はそういう世界なのだと知る。

SNSで切り抜かれた発言に対してあれこれ言ってるのをみると、元の投稿や発言、その文脈も知らずに乗っかっている人が多い。

著者が「あえて」そう書いたこと。
「おかしい」と思ったときこそ、本当に意図を汲み取れているのか?と想像する。
本当に間違っているのか?と確かめる。
読みやすいものも良いけれど、時には思わず手を止めて考えてしまうような文章を。

校正者ほどじっくり読んで立ち止まって調べることはないけれど、読書の楽しみってそういう著者の意図を汲み取ろうとしたり、疑問から興味関心が広がっていくところにあるよなぁと。

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2025年09月03日

Posted by ブクログ

校正・校閲のお仕事に興味があったので、読んでみました。勉強になって、何度も読み返したい内容でした。
校正・校閲って、とっても奥が深くておもしろそうだけど、日々のプレッシャーがとんでもないお仕事なのだと思いました。0か100の世界で、ミスしないのが当たり前、でも実際、誤植が存在しない本はないっていう状況で仕事するってすごい!
誤字があると、気になって集中して読めなくなる経験は確かにあるけど、でも普段安心して私たちが本を読めるのは、こういったお仕事をしてくださってる方がいるからなのだと感謝の気持ちでいっぱいになりました。
普段あまりスポットライトが当たらないお仕事ですが、本のすべてを背負っているような、縁の下の力持ち的存在なんですね

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2024年12月13日

Posted by ブクログ

読者には見えない世界だが、なんと奥の深いことだと。決して押しつけがましくなく、そしてとても興味を引くように仕事の内容が綴られている。面白かった。、

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2024年10月04日

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校正は単に誤植を見つけるだけでなく、ファクトチェックや内容の矛盾が無いかの検証までしているとは、本当に驚きだった。
自分の仕事で言えばレビューという言葉になるが、ここまでの意識はなかった。
何より、本に対する愛情や筆者に対する敬意が伝わって来る、丁寧な文章が印象に残った。

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2024年04月21日

Posted by ブクログ

校正に関するエッセイ集かな。
参考文献をみると、校正にまつわる本、校正に言及した本をずらりと並べているので、参考になりそう。

「他人が赤字を入れたゲラを見たい」というのはよくわかる。教科書が何を書こうが「それぞれの現場において赤字(指摘)を入れる塩梅」がスキルアップのために必要なポイントなので。
ルーキー時代に、刊行から半年経ってゲラ袋を処分する係だったが、役得としか言いようがなかった。そういうのが必要ですよね。修業時代には。
もっとも、現在は初校・再校・三校とキレイにゲラを作る現場は減っているのではないかな。著者が勤めていたような校正部(校閲部)があるような大手は別として、中小版元では、データ上で修正してしまって他人が見て参考になるような状態のゲラがないことが多い気がする。
なのでスキル・ノウハウの継承は難しいと思う。その代わりのテクノロジーが発展しているわけだが。

著者が望むような「校正者マッチング」が実現したら、、、、校正者不足が可視化されるので、校正者にとってはよいかもしれない。
校正者がいるもののなら頼みたい(けど心当たりもないし自分で見る)というのが多くの編集者の偽らざる心境だろう。

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2024年01月15日

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ある意味コミュニケーションの本でもある。
読者、校正者、著者とのあいだにあるものとは。
巻末の主要参考文献はこの手の本にしては多いのも流石。それらを全て読むことも楽しそう。

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2023年10月05日

Posted by ブクログ

校正者ってこんなことまでやるのかと驚いた。

しかし,新聞社の校正者,校閲者は内容の正誤まで確かめていないので,確かめていればデララメ記事は出ないだろう。

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2023年10月02日

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何よりも、自分が書く文章に敏感になりました。
そして、本の誤植に気づいてしまうくらい、じっくりと文章を読みたくなる、そんなきっかけにもなりました。

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2023年07月30日

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校閲の仕事について知ることができたのは勿論、プロとして本と向き合い続ける筆者の覚悟に胸が震えた。日々素晴らしい本と出会えることに改めて感謝したくなる一冊。

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2023年07月17日

Posted by ブクログ

最後の「天職を探す」がよかった。
天職に出合うことがいかに大変なことであるか。
仕事への向き合い方、考えさせられる。
著者はそれでも校正の仕事を天職だと思っていないというが、読んだ自分は、この著者のような仕事への向き合い方ができたら素晴らしいなと思った。

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2023年06月10日

Posted by ブクログ

活字中毒気味の私にとって、ずっと文字を読んでいていい仕事があるなんて夢のよう!と思いましたが100点が当たり前でだれも褒めてくれないのに、たったひとつの間違いはとても責められる厳しい仕事で、私にはとても勤まらないと思った。これから本を読んで誤植を見つけても、その裏にある努力を想像しあえて拾わないで読み進めていこうと思う。

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2023年06月07日

Posted by ブクログ

校閲者のエッセイ。しかつめらしいこともなく,それでいて精細な文章が心地よい作品。
自意識の発露なのか?筆を取ったきっかけが気になる。否定的な意図はなく,知ることのできなかった世界を啓いてくれた著者に感謝。
普段表に出ない校閲者のプロフェッショナルな態度や作家や出版社との関係性が,確かな質感を持ちつつもさらりと描かれているのは校閲者ならでは?の奥ゆかしさのある文体によるものか。
プロフェッショナルの世界を覗くのは楽しい。

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2023年04月24日

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司書の内実についての本としても普段知ることのない叡智に触れられるまたとない機会であったが
校正の存在に関しても、過去から現在に至るまでの読み解いた多くの書籍の中で、筆者が触れるように全てが十全な裏方の存在を通して世に出ているとは限らないまでも、我々の目に触れるコンテンツの裏側にある、ほとんど感知することもない労力のありがたさと難解さを、筆者の経歴のおかげもあってより確かに感じることが出来る。

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2023年03月27日

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日本語、内容の正確性に対してこれだけ誠実に向き合う人たちによって、本の信頼性は支えられているんだなと思うと、ますます本というモノへの愛着がわいた。

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2025年11月27日

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校正者の仕事論本。本の性質や目的に沿ってどこまで正すか、という考え方は、言われてみれば確かにそうだけども新鮮だった。校正=全部を正しくする、みたいなイメージだったので。控えめな表現の中に芯の強さを感じる。やや単調に感じ、最後の方はサーっと読んでしまった。

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2025年03月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

p155 しかしこの自信とは、裏を返せば慢心です。
p161 「ひところまで文章はこのくらいの『明るさ』のなかに立って、知るべきものを照らしていた」〜

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2025年03月15日

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業界は違うけど私の仕事と間違いが許されないと言う所が共通項としてあったので、ミスしたら…の恐怖とか、正解がない中でどうしていくかの葛藤とか、ミスした時の落ち込みとかは理解出来て、大変さのない仕事なんてないよねと共感した。

プライベートで読む時と仕事で読む時とは読み方が異なるとは思うけど、でも校閲を仕事にしていると、純粋にプライベートで本を読むのが難しくなりそうだなぁとは思った。
読みたくもない暴力的なシーンがある本を読まなきゃいけないのもなかなか苦痛だよね。
校閲の仕事を知れて面白かった。
今度から本の奥付の部分も気にして、校閲者が書いてあるかとか見ると思う。

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2024年08月18日

Posted by ブクログ

校正の仕事について興味があったので読んだが、内容が具体的で面白い。

漫画での作画ミスや、小説の設定の齟齬は相当難しい指摘になるんだろうなと想像したら気が重くなる笑

内容は良かったが話数が多くてちょっとだけど飽きてしまった。

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2024年04月08日

Posted by ブクログ

友人に借りる

校正という仕事が語られるイメージと実際の仕事内容や語られることはない牟田校正者視点の物事の見方が描かれていて面白かった

校正の仕事柄、深く「疑う」こと、一つを掘り下げるエピソードが多く、その点に関してはついていけないことがあった

集中力、好奇心、忍耐力、体力が必要な仕事だと感じた

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2024年01月14日

Posted by ブクログ

校正のこと、何となく知っていたけど思っていたよりとても深い仕事だということが分かった。
この本も、出版されて私達の手に届くまで校正含めて色んな人の関わりがあってやってきたんだなと本に対する愛情がしみじみと湧いてきた。
そして、当たり前のことかもしれないけれど校正でも人によって様々なスタイル、仕事に対する考え方があるのだなと。
著者の思いを最大限に汲み取るか、間違いをしっかり正す方に振るか。なかなか正解がなく難しいところだと思う。
そして、校正の仕事において大事なところは、全く別業種の自分の職にも活かせるところがあった。なので、校正エッセイという位置付けだけでなく、仕事論的にも読める。
★3.5

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2023年11月19日

Posted by ブクログ

本などを読んでいて、よく誤植を見つける私は校正者に向いているのではないかと思っていたが、とてもとても無理だと思った
何が正解か、答えのわからない
胃が痛くなりそうな気の遠くなる様な大変なお仕事
普段表には出ないけれど、大切である事がひしひしと感じられた
特に子供の頃親しんだ「モチモチの木」の三日月の話しは興味深かった

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2023年10月27日

Posted by ブクログ

とても興味深く読んだ。校閲の大変さも改めて…。身に沁みることも多かった。参考文献がまた興味深くて、読書が拡がっているところです。

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2023年05月20日

Posted by ブクログ

本に携われる仕事、の延長で見つけたエッセイ。

間違いをすべて正すことが必ずしも正解ではなく、あくまで書き手にこの解釈もあり得るという、選択肢を提示する立場に徹する。ゲラを読んで筆を入れる箇所は十人十色で正解はない。でも、間違えてはいけない。とても慎重にならないといけない、神経を使う仕事ということがわかる。特に、書籍は校閲を通さないでも発行することはできるなかで、校閲の価値はなにかを綴られていて、筆者の矜持を感じる

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2023年05月01日

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