角川文庫の検索結果
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影の車
仮眠から目覚めると、私の横に健一がいた。その手に出刃庖丁が握られている。私は危うく声を上げかけた。……夫を亡くし保険の集金人をする小磯泰子と二十年振りで出会った私は、妻の眼を盗んで家に出入りし、密かな逢瀬を楽しむようになった。が、その一人息子で6歳の健一は何故か私に親しまず、その異常な挙動に私は自分への殺意を感じた。少年の殺意。――私にはそれを否定し切れぬ過去があった。「潜在光景」ほか「典雅な姉弟」「万葉翡翠」「鉢植えを買う女」「薄化粧の男」「確証」「田舎医師」を併載。眼に見えぬ運命の糸に操られ、破滅へと導かれる男女を描く連作推理集。 -
翳った旋舞
東京の女子大学を卒業してR新聞社資料調査部に働く順子は、ある日外国要人の写真を係に取り違えて渡し、その日の夕刊の写真誤用は社内に大きな波紋を呼んだ。部長末広と次長の左遷。――責任を感じた順子は編集局長川北に辞表を提出するが、川北は意外にも彼女を銀座のクラブに誘う。二人の接触は、川北に恨みを抱く末広により、スキャンダルとして暴露された。社内に激化する醜い派閥争い。職場への夢を失った順子は、一夜川北から財界の怪物海野を紹介されるが…。人生の確かな手ごたえを求めてさまよう、一女性の心と行動を鮮やかに捉えた巨匠の長編現代ロマン。 -
新版 続・悪魔の飽食 第七三一部隊の戦慄の全貌!
1933年ハルピン市東南の背陰河で産声をあげた“悪魔の部隊”石井細菌戦部隊は、敗戦直前の1945年8月、最後のマルタ虐殺を行い、部隊施設を破壊し、撤退した――。戦後、第七三一部隊の研究成果は米陸軍細菌戦研究所に受け継がれ、朝鮮戦争にまで影響を与えた。「トムプソン・レポート」(米公文書)が明らかにした第七三一部隊幹部とGHQとの怖るべき闇の取引。幻の部隊「石井細菌戦部隊」を通して、集団の狂気とその元凶たる“戦争”を告発する衝撃のノンフィクション! -
男たちの大和シリーズ
昭和16年12月8日、東京の虎ノ門において広島県呉市の市長が逮捕された。この朝、日本は太平洋戦争に突入した。その10日前、昭和12年呉海軍工廠の造船ドッグに最初の竜骨(キール)をすえ、極秘裡に完成された戦艦大和は、最後の公試運転を行なった。この戦争の開戦から終焉と運命を同じにした「大和」――。そこに生まれたさまざまな「大和伝説」をくつがえし、豊富な取材データをもとに、新しい光をあてた感動のヒューマン・ドキュメント。新田次郎文学賞受賞作。 -
オルヌカン城の謎
ポールは新妻のエリザベートとともにオルヌカンの城へと旅立った。独仏国境近くに建つ、エリザベートの父の館である。だがそこで、ポールは驚くべき発見をした。かつて自分の父を殺した犯人、それはほかならぬエリザベートの母だったのだ! ポールはエリザベートと別れ、折しも勃発した第一次大戦の戦場へと向かう。だが運命のいたずらか、ポールは再びオルヌカン城へと引きもどされることになるのだった、ドイツ軍の手におちた城を奪還するために。囚われのエリザベートの運命は? 奇怪な人物、ヘルマン参謀とは何者か?砲弾とびかう戦場と、あやかしのオルヌカン城を舞台に描く波乱万丈の物語! -
戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている
美しい男娼マリーと養子である美少年・欣也とのゆがんだ激しい親子愛を描き、1967年の初演以来、時代を超えて人々に愛され続けている「毛皮のマリー」。そのほか1960年安保闘争を描いた処女戯曲「血は立ったまま眠っている」、「さらば、映画よ」「アダムとイヴ、私の犯罪学」「星の王子さま」を収録。寺山演劇の萌芽が垣間見える、初期の傑作戯曲集。 -
「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔
――オウムの中から見ると、外の世界はどう映るのだろう?1995年。熱狂的なオウム報道に感じる欠落感の由来を求めて、森達也はオウム真理教のドキュメンタリーを撮り始める。オウムと世間という2つの乖離した社会の狭間であがく広報担当の荒木浩。彼をピンホールとして照射した世界は、かつて見たことのない、生々しい敵意と偏見を剥き出しにしていく――!メディアが流す現実感のない2次情報、正義感の麻痺、蔓延する世論(ルサンチマン)を鋭く批判した問題作!ベルリン映画祭を始め、各国映画祭で絶賛された「A」の全てを描く。 -
盲人重役
是が非でも、牽引力の強いあのC12機関車がほしい! 半島鉄道の田舎重役・屋代は必死だった。なにかと小会社の邪魔をする鉄道振興会の圧力をはね飛ばすために、非常手段のハンストも辞さない構えだ。なにしろ、大正時代に造られた、オンボロ機関車では、沿線の人口増の輸送に追いつけない。客車の窓ガラスはなく、屋根から雨が漏り、客は傘をさして乗っている。その上、馬力がないからたった3両の貨車しかひけず、野菜など生鮮食糧品が駅に山積みのまま腐ってしまう! 妻に愛想をつかされ、失明の悲運にもめげず、猛烈な経営者根性と湧きでるようなアイデア。すさまじい“男の生きざま”を描いた最高傑作。
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