偶然の祝福

偶然の祝福

671円 (税込)

3pt

キリコさんはなくし物を取り戻す名人だった。息も荒らげず、恩着せがましくもなくすっと――。伯母は、実に従順で正統的な失踪者になった。前ぶれもなく理由もなくきっぱりと――。リコーダー、万年筆、弟、伯母、そして恋人――失ったものへの愛と祈りが、哀しみを貫き、偶然の幸せを連れてきた。息子と犬のアポロと暮らす私の孤独な日々に。美しく、切なく運命のからくりが響き合う傑作連作小説。

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偶然の祝福 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    また好きな本に出会ってしまった。
    悲しみや寂しさ、影が通奏低音として流れている文章が好きだな。
    お手伝いのキリコさんの話が好きです。

    0
    2020年11月03日

    Posted by ブクログ

    何度読んでもひっそりとしたお話たちが好きです。
    小説家が主人公で、彼女の書くお話が小川洋子さんが書かれてきたお話なので、私小説のような空気です。
    「時計工場」の最後の一文に、今回は目が留まりました。素敵な一文です。
    小川洋子さんと同じくらい大好きな川上弘美さんの解説も良かったです。川上弘美さんも、小

    0
    2018年01月06日

    Posted by ブクログ

    一人の女性の身に起こる、日常と非日常の間を行き来するような奇妙な出来事が時間軸がばらばらのまま織り成される。全てに通じて感じるのは、どこかひっそりとした喪失の匂い。
    捉えどころのないたおやかな空気の静謐さ、小説にしか描けない時間と空間の切り取り方、手触りに引き寄せられました。

    0
    2015年07月21日

    Posted by ブクログ

    細かい描写を読み進めていると、いつのまにか物語のなかに入り込んでいる感覚。そして、思わぬ方向に連れていかれている。『盗作』もまさにそんな感じだった。

    『失踪者達の王国』の伯母さん、『キリコさんの失敗』のキリコさん、『エーデルワイス』の弟、それぞれが大切にしているものや事柄と、それに対する思いを、私

    0
    2024年06月29日

    Posted by ブクログ

    博士の愛した数式の作者だから。そんな軽い気持ちで手に取ってしまったが、とても裏切られた。第一話から仄暗い雰囲気が漂い、後半はドロリとした感触が胸に残る。飼い犬のアポロの存在が無ければ凍えていたかもしれない。そう思わされるくらい引き込まれた。

    一生懸命生きてる人にきっと響く作品だと思いました。

    0
    2024年05月15日

    Posted by ブクログ

    久しぶりに再読

    【失踪者たちの王国】
    “さよならも告げず、未練も残さず、秘密の抜け道をくぐってこちらの世界から消えていった、失踪者たちが住むという王国。誰でもたやすく足を踏み入れられるという訳でないらしい王国”
    『嘔吐袋』の話はこの話だったかと再確認。

    どこかで読んだと思っていても短編は何に入っ

    0
    2022年02月12日

    Posted by ブクログ

    小川洋子の世界。
    短編連作。

    裏表紙から。
    失った物への愛と祈りが、哀しみを貫き、偶然の幸せを連れてきた。

    なるほど、なのでタイトルが「偶然の祝福」なのか。

    読み終わって、詳細をしっかり覚えているかというと、すごくあやふやな記憶しか残っていなかった。
    だけど哀しみの中に、息子と犬のアポロが寄り

    0
    2020年11月29日

    Posted by ブクログ

    以前は、女性作家と日記、手記などは読まなかった。読書は空いた時間に、それも出来るだけ現実から遠いものを選んでいた。海外の小説が多いのも当時の気持ちや環境から距離があったからかもしれない。
    時間に少し余裕が出来てベストセラーなども読むようになり、時間があまって来ると、本来の好奇心からかさまざまなジャン

    0
    2020年01月11日

    Posted by ブクログ

    孤独な女性小説家の過去、日常を描く連作小説。
    間違いなく日常が描かれているが、そこにあるのは、ミステリアス、生々しい神秘性、非現実感、虚構。
    最初はエッセイ?と勘違いしそうになりました。ご自身の経験も多かれ少なかれ盛り込まれてるとは思いますが。

    小川洋子さんは静謐な文章を書かれる方、と紹介されるこ

    0
    2017年06月13日

    Posted by ブクログ

    小川洋子の小説は、博士が愛した数式しか読んだことがなかったけど、この人のほん。面白い。

    ほんの少しの非日常をこんなうふうに淡々とミステリアスに、そして、ささやかな幸福に、ほんの少しのラブストーリーに、不思議なホラーに、少しづつ姿を変えて読ませてくれる、身近によくある話のようで、なかなかないんだけど

    0
    2017年04月17日

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