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「葬式は人生最後の花道、最後のイベントだ」――そう言って自らの葬式の総合演出・プロデュースに取り組んでいた源田金蔵が急死した。菊島真ら五人の老人ホームの仲間が見守るなか、つつがなく葬式は進行しているかに見えたが、火葬の際に奇妙な事件が発生した。北多摩署の捜査から意外な真実が判明し、大きな衝撃を受ける菊島たち。「老い先はわずかだ。死に花を咲かせよう」と一念発起し、彼らは人生最後の大バクチに出ることを決意するが……。「老い」の概念を根底から覆す、痛快エンターテインメント小説!
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Posted by ブクログ
・・・・・世界中に男女差別や人種差別が根強くあるように、そしてまた年齢差別という若年層からの老人たちへの差別が厳然と存在する。人間にとって、焼肉定食じゃなかった弱肉強食であってはいけなく共存共栄でなければいけないなずなのに。 ところで、ゆめゆめ老人を侮ってはいけない。老人を汚いとか見苦しいとか見っ...続きを読むとも無いとかヨボヨボだとかという眼で見てはいけない。というか、若年層たちよ、そう見えるのは、実は君たちの恐怖の表れなのだ。 目の前の老人は、確実に70歳なら70歳の人生を、荒波を乗り越えて生き抜いてきた人なのだ。20歳の君もやがて確実に、50年後には70歳の老人となる、必ずしもそうなるわけではない、確証は何もないのだ、一週間後に事故で死ぬかもしれないし、2年後には第三次世界大戦が起こって、君は22歳にして戦死するか、安保条約で守ってくれるはずだった米国軍によって空襲で虐殺されるかもしれない、そういうどす黒いもやもやした不安を、無意識裏に感じて、目の前の確実に生きてきた老人を、嫉妬の眼で見て君のこころは慟哭しているのだ・・・・・。 ・・・・・うつらうつらしていたら、どこからか低い声で語られる黙示録めいたものが聞こえてきました。 なんだ夢か。親戚の人が心臓麻痺で亡くなりました。また葬式仏教の茶番劇が行われます。そういう時、悔しいさを紛らわすためにこの本を読んだり映画化されたものを見ます。 本書を知ったとき、びっくり仰天したものです。太田蘭三は、津村秀介や斎藤栄のような推理作家の重鎮という認識はありましたし、何作か読んでいましたが、失礼ながら、まさかこういう大傑作を書かれるとは思いもよりませんでした。
同名映画の原作本。立川市の老人ホームに暮らす老人達のパワフルな日常を描いた傑作。でも最後はちょっと哀しい。最後まで痛快に終わらせて欲しかった。
年老いていくことの哀しさと怖さが、ユーモアを交えながら軽快に語られている。 自らの葬式を演出していた源田が届いた棺桶に入ってみる場面は、何か妙な感じがした。 順番に棺桶に入ってみる老人たち。 この人たちにとって死とはどんなものなのだろう? 老いるという言葉には「枯れる」というイメージがあった。 だが...続きを読む、源田の葬儀で起きた事件は、老人はけっして枯れてなどいないことを教えてくれる。 人生の最後に思い切ったことをした女性の心情が現実感のあるものなのかどうか。 わからないけれど…。 クライマックスはやはり老人たちが「死に花」を咲かせる場面だろう。 なぜか活き活きとしている老人たちの姿が、哀しくもあり、おかしみもあり。 それぞれの人生で得た経験と知識を総動員し、「死に花」を咲かせるべく奮闘する過程は読み応えがあった。 何歳になっても生きる目的がある人は輝いている。 そんなふうに感じた物語だった。
ナイスなおじいちゃんたちが銀行強盗を企てる。老人たちの青春小説。このおじいちゃんたち、私より断然元気です!老いるって悪くない。
今年の2月に『白の處刑』を讀んで以來の太田蘭三作品。 太田蘭三といへば、私にとつてのベストは『脱獄山脈』。 その次に面白かつたのが、今囘の『死に花』だ。 この作品では、山も釣りもさほど絡んでこない。 主人公は老人ホームに入所してゐる「老人」達である。 彼らは自らの「老い」を認めた上で、最後の「死...続きを読むに花」を咲かせやうとする。 そして、その「死に花」たるや・・・ これまでの經驗や智慧を活かしての、人生最後の大バクチ! さて、このバクチは、果して成功するのか? 主人公はいづれもひと癖もふた癖もある老人達で、彼らの言動そのものが面白い。 爺さんと婆さんのセックスまで描かれてゐるが、それもまた一興。 「老いる」とはどういふことなのか。 そんなことを考へさせられた。 北多摩署の蟹澤警部と相馬刑事が登場するのも、太田蘭三ファンには嬉しいところ。 ちなみに、この作品は映畫化され、5月8日から全國の東映系で上映されてゐる。 2004年4月30日網走にて讀了
8年ほど前から積ん読だったうちの1冊をやっと読み終ったよ。 老人ホームに入ってる人達が無茶をする話でした
老いの寂しさ、いや老いてもまだまだとちょっと面白くなってくる。さすが年の功、と感心していたがラストが切ない。老いってこういう事なのか。後味が悪い。
おじいちゃんたち、元気です。 こんな粋な老人が側にいたら毎日が楽しそうです。現在の日本は老いることに恐怖を覚えてしまう社会です。しかしそんな中で、かつてのスペシャリストたちは死に花を咲かせようと、持ち前の技でもって大バクチを打とうとします。 元気になれる一冊。
銀齢の果てを読んだので昔読んでたこちらを追加。 人は老いても人生に華を咲かせられる。 恋もエロもやんちゃも犯罪も、老人が最期に輝いた日々を柔らかに綴った小説。 銀齢の果てが黒なら白 負なら正 生なら死 そんな小説
映画化作品。 老人ホームの仲の良い男友達6人が主人公。 自らの葬式のプロデュースに取り組んでいた一人が急死する。 火葬の際に発生した奇妙な事件と意外な真実。 死を意識し,人生最後の大博打に出ることを決意する男たち。 文章が短く稚拙な印象も受けるが,テンポの良さも出ている。 死に花を咲かせ...続きを読むようとする男たちの姿をいきいきと描いている。
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死に花
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太田蘭三
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