海外ミステリー - 創元推理文庫作品一覧

  • 書店猫ハムレットの跳躍
    3.3
    ニューヨーク、ブルックリンの書店を大叔母から相続した、三十代半ばのダーラ。その書店にはマスコットの黒猫ハムレットがいた。かごにかわいらしく丸まり、ゴロゴロと喉を鳴らして客を迎える――ことは決してなく、堂々と書棚を徘徊し、緑色の目で冷たく客を睥睨する黒猫が。ハムレットが気に入る従業員を確保できてほっとしたものの、ダーラはある工事現場で書店の常連客の死体を発見してしまう。その脇には動物の足跡。最近夜に外を出歩いているらしいハムレットのもの?! 黒猫ハムレットが必殺技で犯人を告げる! コージー・ミステリ第1弾。
  • 助手席のチェット
    4.4
    リトル探偵事務所にある母親から持ち込まれた事件は高校生の娘の失踪だった。元刑事でバツイチの探偵バーニー・リトルは誘拐事件と判断、相棒の大型犬チェットと調査を開始したが、身代金要求はない。父親は単なる家出としてバーニーを解雇してしまう! 警察犬訓練所を優秀な成績で卒業、はできなかったが、それでも優秀な相棒犬チェットは、おのれの嗅覚を信じ、危険もかえりみず、バーニーをサポートする。チェットが犬の視点、犬の心ですべてを語り全世界の犬好きの心を鷲掴みにした史上最強の犬ミステリ『ぼくの名はチェット』(単行本版)改題。/解説=杉江松恋
  • ユダの窓
    4.1
    一月四日の夕刻、ジェームズ・アンズウェルは結婚の許しを乞うため恋人メアリの父親エイヴォリー・ヒュームを訪ね、書斎に通された。話の途中で気を失ったアンズウェルが目を覚ましたとき、密室内にいたのは胸に矢を突き立てられて事切れたヒュームと自分だけだった――。殺人の被疑者となったアンズウェルは中央刑事裁判所で裁かれることとなり、ヘンリ・メリヴェール卿が弁護に当たる。被告人の立場は圧倒的に不利、十数年ぶりの法廷に立つH・M卿に勝算はあるのか。法廷ものとして謎解きとして、間然するところのない本格ミステリの絶品。/座談会 ジョン・ディクスン・カーの魅力=瀬戸川猛資、鏡明、北村薫、斎藤嘉久、戸川安宣(司会)/本座談会と『ユダの窓』について=戸川安宣
  • 7は秘密
    4.0
    「盗まれたんです。家族を」1846年の真冬。創設まもないニューヨーク市警の警官ティムは、黒人の血が混じった女性ルーシーから助けを求められる。妹と息子が悪辣な逃亡奴隷捕獲人に拉致されたのだ。ティムは兄ヴァレンタインの助けを得て彼女たちを助け出し、兄の家に匿った。だが翌々日の朝、その家で首にローブの紐が巻きついたルーシーの死体を発見してしまう。兄に嫌疑がかかることを恐れたティムは死体を移動し、犯人を追って捜査を開始する。弱者への暴力や黒人奴隷売買が横行する苛酷な時代に、青年警官はただ一人真実を求め奔走する。/解説=酒井貞道
  • 海辺の幽霊ゲストハウス
    3.0
    ニュージャージーの海辺に建つヴィクトリア様式の屋敷を買ったアリソン。シングルマザーの彼女は、築百年以上のこの屋敷を自らリフォームしてゲストハウスにし、9歳の娘メリッサと新しい生活を始めようとしていた。だがひょんなことから、屋敷に取り憑いているふたりの幽霊が見えるようになってしまう。それは、屋敷の前オーナーでツンツンしたマキシーと、気弱な私立探偵のポール。誰に殺されたか調べてほしいというポールの頼みで、調査を手伝うことにしたアリソンだったが、事件が起きてしまい……。明るく楽しい、コージーミステリ・シリーズ第1弾。
  • 水の葬送
    3.8
    シェトランド諸島の地方検察官ローナは、鎧張りの船にのせられ外海へ出ようとしていた他殺死体の第一発見者となる。被害者は地元出身の若い新聞記者で、島にある石油ターミナルがらみの取材を兼ねて帰省したらしい。新任の女性警部リーヴズがサンディ刑事たちとはじめた捜査に、病気休暇中のペレス警部もくわわるものの、本調子にはほど遠い。複雑な人間関係とエネルギー産業問題がかかわる難事件の解決には、ペレスの観察眼と推理力が不可欠なのだが――。〈シェトランド四重奏〉を経て、クリーヴスが到達した現代英国本格ミステリの新たな高み。CWA最優秀長篇賞受賞シリーズ。
  • 薔薇の輪
    3.4
    ロンドンの女優エステラ。彼女の絶大な人気は、娘ドロレスとの交流を綴った新聞の連載エッセイに支えられていた。体が不自由でウェールズに住んでいるという“愛しいあの子”。夫のアルはシカゴの大物ギャングで、妊娠中のエステラに暴力をふるった危険人物だが、服役中。エステラの未来は順風満帆に思われた。アルが病気のため特赦で出所し、死ぬまえにどうしても娘に会いたいと言い出すまでは……。そしてついに勃発した怪事件に挑む、チャッキー警部。巨匠の技が冴えわたる、本邦初訳の傑作ミステリ!
  • ゴッサムの神々 上
    4.3
    新たなる名探偵、登場!1845年、ニューヨーク。バーテンダーのティムは街を襲った大火によって顔にやけどを負い、仕事と全財産を失ってしまう。新たに得た職は、創設まもないニューヨーク市警察の警官だった。慣れない仕事をこなしていたある夜、彼は血まみれの少女とぶつかる。「彼、切り刻まれちゃう」と口走って気絶した彼女の言葉どおり、翌日胴体を十字に切り裂かれた少年の死体が発見される。だがそれは、ニューヨークを震撼させた大事件の始まりにすぎなかった……。不可解な謎がちりばめられた激動の時代を生き抜く人々を鮮烈に活写した、圧巻の傑作ミステリ。MWA最優秀長篇賞最終候補作。
  • 探偵は壊れた街で
    3.8
    クレア・デウィットはただの女探偵ではない。独特の探偵術を駆使し、巧みに銃を扱い、師と仰ぐ探偵たちの教えを守り困難な調査でも諦めずに事実を追う。2007年、ハリケーンの傷痕が未だ残るニューオーリンズで、クレアは失踪した地方検事補の捜索を依頼される。洪水で死んだと思われる一方で、嵐のあとに姿を見た者もおり、経緯がわからない。真実によって誰かが傷つくこともある。しかし探偵にできるのは、謎を解決し先に進むことだけだ。変わり者で偏屈、そして最高にクールな女性私立探偵を描く、マカヴィティ賞最優秀長篇賞受賞作。
  • おかしな遺産
    -
    盗まれた名画を捜して海外出張中の夫マックスの留守を預かるセーラのもとに、夫妻にとって因縁浅からぬ「御殿」ことウィルキンズ美術館にて、またしても変死事件が発生したとの連絡が入る。犠牲者は美術館職員で画家のドロレスだった。その翌日、ひとり事務所に立ち寄ったセーラは何者かの襲撃を受け、被害を届けに赴いた警察署ではドロレスの件にまつわる意外な事実を知らされる。美術館一筋だった彼女の死には、思いもよらぬ複雑な事情が秘められているのか……?古都ボストンを舞台に、美術品専門の探偵夫妻の活躍を描く人気シリーズ。
  • エルサレムから来た悪魔 上
    4.2
    1171年のイングランド。トマス・ベケット大司教殺害の衝撃もさめやらぬ王国を、ケンブリッジの町で起きた、子どもの連続失踪・殺害事件が揺るがしていた。事件はユダヤ人の犯行だとする声が強く、私刑や排斥運動が起きる。富裕なユダヤ人を国外に追放してしまえば国の財政は破綻し、かばえば教会からの破門は避けられない。進退窮まった国王ヘンリー二世は、シチリア王国から優秀な調査官と医師を招聘し、事件を解決させようとする。若き女医アデリアは、血に飢えた殺人者の正体をあばくことができるのか。CWA最優秀歴史ミステリ賞受賞の傑作。
  • 悪女は自殺しない
    3.4
    ドイツ、2005年8月。警察署に復帰した刑事ピアを待ち受けていたのは、上級検事の自殺だった。時を同じくして、飛び降り自殺に偽装された女性の遺体が発見される。実際は動物の安楽死に使用される薬物による毒殺で、夫の獣医や彼の働く馬専門動物病院の共同経営者たちが疑われる。だが刑事オリヴァーが指揮を執る捜査班が探るうち、被害者へのとてつもない憎悪が明らかになり、さらに背後に隠されたいくつもの事件が繋がりはじめる。謎また謎の果てに捜査班がたどりつく真相とは。〈ドイツミステリの女王〉の人気に火をつけたシリーズ第1弾。
  • 回想のシャーロック・ホームズ【深町眞理子訳】
    4.1
    レースの本命と目されていた名馬が失踪し、調教師の死体が発見された。犯人は事件当夜に厩舎情報をさぐりにきた男なのか?錯綜した情報のなかから絶対的な事実のみを取りだし、推理を重ねていくシャーロック・ホームズの手法が光る「〈シルヴァー・ブレーズ〉号の失踪」。ホームズが最初に手がけ、探偵業のきっかけとなった「〈グロリア・スコット〉号の悲劇」、発表時イギリスに一大センセーションを巻き起こした、宿敵モリアーティー教授登場の「最後の事件」など、11の逸品を収録するシリーズ第2短編集。/収録作=「〈シルヴァー・ブレーズ〉号の失踪」「黄色い顔」「株式仲買店員」「〈グロリア・スコット〉号の悲劇」「マズグレーヴ家の儀式書」「ライゲートの大地主」「背の曲がった男」「寄留患者」「ギリシア語通訳」「海軍条約事件」「最後の事件」「解題=戸川安宣」「解説=小池滋」
  • 湿地
    4.2
    雨交じりの風が吹く10月のレイキャヴィク。湿地にある建物の地階で、老人の死体が発見された。侵入の形跡はなく、被害者に招き入れられた何者かが突発的に殺害し、逃走したものと思われた。金品が盗まれた形跡はない。ずさんで不器用、典型的アイスランドの殺人か? だが、現場に残された3つの単語からなるメッセージが事件の様相を変えた。しだいに明らかになる被害者の隠された過去。そして臓腑をえぐる真相。ガラスの鍵賞2年連続受賞の前人未踏の快挙を成し遂げ、CWAゴールドダガーを受賞した、北欧ミステリの巨人の話題作。
  • 落札された死
    3.5
    オークションハウス〈プレスコッツ〉を会場にしたチャリティイベントで、主催の女性が毒入りワインを飲んで死んだ。店を提供したオーナーのジョシーは、警察から執拗な取り調べを受ける。犯人の狙いは被害者ではなく、自分かもしれない。以前の勤め先を去るきっかけとなった事件の被告である元上司が刑を終え出所していることを知り、おののくジョシーだが、頼れる恋人の警察署長タイは折悪しく不在のため、今回の件には一人で立ち向かうしかない。人出の多い会場で、犯人はいかにして毒を盛ったのか……? アンティーク×謎解きのシリーズ第2弾。
  • 悪魔の羽根
    3.6
    再読必至。誰にも真相は見抜けない!2002年、シエラレオネで5人の女性が殺害された。現地の元少年兵3人が起訴されるが、ロイター通信社の記者コニーだけはイギリス人のマッケンジーを疑っていた。2年後、バグダッドでマッケンジーに遭遇したコニーは、嗜虐趣味を持つ彼に拉致監禁されてしまう。3日後に解放されイギリスに戻った彼女は、マスコミを逃れて田舎町に隠れ住む。解放時にほぼ無傷だったうえに、あいまいな証言ばかりで監禁中の出来事を警察に話さないコニー。彼女はいったい何を隠しているのか? 圧巻の心理描写と謎解きの妙味を堪能できる英国ミステリの女王による渾身のサスペンス。/解説=松浦正人※紙書籍版とはカバー画像が異なります。
  • 荊の城 上
    4.1
    19世紀半ばのロンドン。17歳になる孤児スウは、下町の故買屋の家に暮らしていた。ある冬の晩、彼女のもとに顔見知りの詐欺師がやってくる。さる貴族の息子というふれこみで、〈紳士〉とあだ名されている、以前スウの掏摸の腕前を借りにきたこともあった男だ。彼はスウにある計画を持ちかける。とある令嬢をたぶらかして結婚し、その巨額の財産をそっくりいただこうというのだ。スウの役割は、令嬢の新しい侍女。スウはためらいながらも、話にのることにするのだが……。CWAヒストリカル・ダガー受賞&第1位「このミステリーがすごい! 2005年版」海外編ベスト10。
  • 家政婦は名探偵
    3.7
    ウィザースプーン警部補は医師の死体を前に困りはてていた。名刑事として認められつつある彼だが、無類の好人物ではあるものの、実は捜査の才能は皆無なのだ。警部補の立てた手柄はすべて、屋敷を取り仕切る家政婦ジェフリーズ夫人が先に真相を解明したうえで行う、さりげない誘導のたまものだった。今回の開業医殺害事件でも、苦戦する主を見かねた真の名探偵ジェフリーズ夫人と、屋敷で働く使用人一同からなる探偵団が、解決目指して警部補には内緒で動きだす。ヴィクトリア朝ロンドンを舞台にした、明るく楽しいミステリ・シリーズ第1弾。
  • さよなら、シリアルキラー
    3.8
    ぼくには連続殺人犯の血が流れている。ぼくには殺人者の心がわかる――ジャズは高校三年生。田舎町ロボズ・ノッドではちょっとした有名人だ。ある日町で衝撃的な事件が起きた。指を切りとられた女性の死体が発見されたのだ。連続殺人だとジャズは訴えたが、保安官はとりあわない。だが事件はそれだけでは終わらなかった。なぜジャズには確信があったのか。それは彼が21世紀最悪といわれる連続殺人犯の息子で、幼い頃から殺人鬼としての英才教育を受けてきたからだった。親友を大切に思い、恋人を愛するジャズは、内なる怪物に苦悩しつつも、自らの手で犯人を捕まえようとする。全米で評判の異色の青春ミステリ。
  • 半身
    3.8
    門をいくつも抜け、曲がりくねった小径をたどった奥にある石の迷宮――ミルバンク監獄。1874年の秋、テムズ河畔にそびえるこの牢獄を慰問のために訪れたわたしは、不思議な女囚と出逢った。19歳のその娘シライナは、監獄じゅうの静けさをかき集めたよりも深い静寂をまとっていた。なぜこんな人が、こんなところに? すると、看守から聞かされた。あの女は霊媒なの。戸惑うわたしの前に、やがて、秘めやかに謎が零れ落ちてくる……。魔術的な筆さばきの物語が終局に至って突きつける、青天の霹靂のごとき結末。サマセット・モーム賞など多くの文学賞に輝く本書は、魔物のように妖しい魅力に富む、絶品のミステリ!
  • 漆黒の森
    3.8
    取材で黒い森(シュヴァルツヴァルト)にある小さな村を訪れた編集者のハンナは、トレッキングの最中に女性の惨殺死体を発見してしまう。被害者は10年前に村を出て数日前に帰郷したばかりの女性で、妊娠していたが腹部から胎児が消えていた。捜査の指揮を執るエルリンシュピール首席警部が村人たちに聞き込みを続けると、次第に村に伝わる“鴉谷”の不吉な言い伝えや、10年前の嬰児失踪事件が明らかになる。堅物の刑事と敏腕女性編集者が、反目しあいながら閉ざされた村での連続殺人を解き明かしていく。ドイツ推理作家協会賞新人賞を受賞した清冽なデビュー作!
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集
    3.8
    水の都ヴェネチアで不思議な双子の老姉妹に出会ったことに始まる、夫婦の奇妙な体験「いま見てはいけない」、突然亡くなった父の死の謎を解くために父の旧友を訪ねた娘が知った真相「ボーダーライン」、急病に倒れた牧師のかわりにエルサレムへの二十四時間ツアーの引率役を務めることになった聖職者に、次々と降りかかる災難「十字架の道」など、サスペンスあり、日常を歪める不条理あり、意外な結末あり、人間の心理に深く切り込んだ洞察あり、天性の物語の作り手、デュ・モーリアの才能を遺憾なく発揮した作品5編を収める、粒選りの短編集。【収録作】「いま見てはいけない」「真夜中になる前に」「ボーダーライン」「十字架の道」「第六の力」/解説=山崎まどか
  • 刑事たちの四十八時間
    4.0
    不気味なわらべ歌が残る英国中西部の炭鉱の村で、夫婦と幼児が突如失踪した。ロンドン警視庁のディ警部補とハマースミス巡査部長が捜索に派遣されたが、与えられたのはわずか二日間。採掘による坑道のため沈みつづけ、やがて滅びゆく運命にある村を襲う春の吹雪。原因不明の奇病が蔓延し、不気味な目玉が発見される中、正義を固く信じるディ警部補、我が身の危険を顧みないハマースミス巡査部長、愁いを帯びた法医学検査官キングスリーの苦闘が始まる……。迷信と因習に満ちた村の犯罪の闇と、刑事たちの光がせめぎ合う、ノンストップ警察小説。シリーズ第2弾!
  • だれがコマドリを殺したのか?
    3.9
    医師のノートン・ペラムは、海岸の遊歩道で美貌の女性に出会い、一瞬にして心を奪われた。彼女の名はダイアナ、あだ名は“コマドリ”――。ノートンは、踏みだしかけていた成功への道から外れることを決意し、燃えあがる恋の炎に身を投じる。それが予測不可能な数奇な物語の始まりと知るよしもなく……。さながら美麗な万華鏡を覗くかのように、目まぐるしくその姿を変える事件。『赤毛のレドメイン家』の巨匠フィルポッツの魅力が凝縮された、ミステリ史に残る名編が、読みやすい新訳でここによみがえる。この結末に、あなたは驚かずにはいられない!
  • 刑事たちの三日間 上
    3.3
    1889年、切り裂きジャックの恐怖がいまだ残るヴィクトリア朝ロンドン。地に落ちた警察への信頼を回復するため、警視総監サー・エドワードは、ロンドン警視庁(スコツトランド・ヤード)に殺人捜査課を創設する。だが、刑事の数はわずか12人。日々捜査に忙殺される中、あろうことか仲間のひとりが無残な死体となって発見される。新米刑事のディは、警視総監からこの事件の捜査を命じられるが――。巨大都市にはびこる犯罪の闇、正義を信じてそれに立ち向かう刑事の光。斬新なスタイルで刑事たちの三日間を描く、鮮烈なデビュー作。バリー賞、〈ストランド・マガジン〉批評家賞ノミネート。
  • 失踪当時の服装は
    3.8
    1950年3月。アメリカのマサチューセッツ州にあるパーカー・カレッジの一年生、ローウェル・ミッチェルが失踪した。彼女は美しく成績優秀な学生で、男性とのうわついた噂もなかった。地元の警察署長フォードが、部下とともに捜索にあたるが、姿を消さねばならない理由も、彼女の行方もまったくつかめない。事故か? 他殺か? 自殺か? 雲をつかむような事件を、地道な聞き込みと鋭い推理・尋問で見事に解き明かしていく。アメリカ・ミステリ界を代表する巨匠が、捜査の実態をこの上なくリアルに描いた警察小説の里程標的傑作、新訳決定版!
  • 出張鑑定にご用心
    3.7
    ニューハンプシャー州の港町ポーツマスでオークションハウス〈プレスコッツ〉を営むジョシーは、ある日地域の警察署長アルヴェレスの訪問を受ける。家財の買取を依頼され、出張鑑定をした老富豪グラントが自邸で殺されたのだ。最愛の父の死をいまだ引きずるジョシーだが、自らが容疑者らしいと悟っては、行動せずにはいられない。家財リストに載っているルノアールの絵が屋敷から見つからないことを出発点に、仕事と並行して調査を進めるが――確かな審美眼を持つ腕きき女性オーナーが主人公となる、アンティーク×ミステリの新シリーズ第1弾。
  • もう年はとれない
    3.6
    思いかえせば、戦友の臨終になど立ちあわなければよかったのだ。どうせ葬式でたっぷり会えるのだから。捕虜収容所でユダヤ人のわたしに“親切とはいえなかった”ナチスの将校が生きているかもしれない――そう告白されたところで、あちこちガタがきている87歳の元殺人課刑事になにができるというのだ。だがその将校が金の延べ棒を山ほど持っていたことが知られて周囲が騒がしくなり、ついにわたしも、孫に助けられながら、宿敵と黄金を追うことに……。武器は357マグナムと痛烈な皮肉。最高に格好いいヒーローを生みだした、鮮烈なデビュー作!2013年マカヴィティ賞新人賞受賞作、『IN★POCKET』2014年文庫翻訳ミステリーベスト10/読者部門第1位。
  • 旅のお供に殺人を 老人たちの生活と推理
    4.0
    きっかけは、高級老人ホーム〈海の上のカムデン〉の入居者向け娯楽活動が、どれもこれもつまらなくなったことだった。協議会で話し合いが持たれた結果、アンジェラ発案のスペイン語講座が始まり、さらには紆余曲折の末、“生きたスペイン語に触れるための”メキシコ旅行が実現のはこびとなる。アンジェラとキャレドニア以下参加者一行11人は、バスで行く添乗員つきツアーをおおむね楽しんでいた……初日の夜に、新入り入居者が突然の死に見舞われ、またもや事件の気配が漂いだすまでは。老人探偵団が異国の地で大騒ぎする、人気シリーズ第8弾。
  • エリザベス王女の家庭教師
    3.8
    わたし、マギー・ホープはイギリス首相チャーチルのタイピストから、MI-5の工作員へ抜擢された。だが頭脳はすばらしいが、持久力に難ありと判断され訓練に落第してしまう。落ち込むわたしに命じられたのは、ウィンザー城に疎開している王女たちの警備役。王位継承権第1位の14歳のエリザベス王女を、ナチスが狙っている恐れがあるというのだ。表向きは数学教師として城に赴いたわたし。だが到着早々、大事件が勃発し……。ウィンザー城に迫る陰謀の影に挑む、才媛マギーの大活躍! 好評『チャーチル閣下の秘書』に続く、シリーズ第2弾!
  • 国王陛下の新人スパイ
    3.4
    ベルリンのレジスタンスグループに無線機の部品を運び、ナチス高官の自宅に盗聴器を取りつけよ――。第二次世界大戦が勃発して約2年。チャーチル英国首相のタイピストから、エリザベス王女の警備役を経て、ついにスパイとしてベルリンへ送り込まれることとなったわたし、マギー・ホープ。そこで待ち受けていたのは、予想をはるかに上回る困難、そしてわたし自身の過去の問題だった――。読み手の予想を大胆に裏切り続ける、大展開に次ぐ大展開のストーリー! 赤毛の才媛マギーの活躍を描く、読み出したら止まらない、大好評シリーズ第3弾!/解説=大矢博子
  • チャーチル閣下の秘書
    3.3
    アメリカで育ったわたしが、ロンドンで暮らしはじめて1年余り。その間、この国はナチス・ドイツと開戦し、チャーチルが首相になり、そしていま、空襲の時が迫っていた。そんな折、首相官邸での職の話が舞い込んでくる。数学の能力を活かせる秘書官ではなく秘書としてのオファーだが。女性にタイプとファイリングしかまかせようとしないこの国に苛立ちを感じながらも、わたしはその誘いを受け入れる。官邸を取り巻くいくつもの謀略が、待ち構えていることなど知るはずもなく。才気煥発なマギーが体当たりで陰謀に挑む、魅力のシリーズ開幕編。MWA賞、バリー賞、ディリス賞ノミネート!
  • 偽証裁判 上
    4.5
    1857年10月、ヘスターは新たな仕事を得た。エディンバラの名家の女主人メアリが夜行列車でロンドンを訪れ、数日滞在したのちに帰宅する予定で、その間の付き添いを請け負ったのだ。彼女は高齢で心臓に持病があり、薬の飲み忘れは命に関わる。経験豊富な看護婦であるヘスターは車中で指示通りに薬を飲ませたが、翌朝、メアリはこときれていた。身に覚えのない殺人の罪で起訴されてしまったヘスターの絞首刑を防ぐには、裁判で無実を証明するしかない。私立探偵モンクは真犯人を見つけるべく捜査を開始する。緊迫感に満ち満ちた傑作法廷ミステリ!
  • 年寄り工場の秘密 老人たちの生活と推理
    3.7
    高級老人ホーム〈海の上のカムデン〉にちょっとした変化が起きた。長年暮らしていたトッツィが、近くにできた老人ホーム〈黄金の日々〉に引っ越したのだ。そして三週間がたち、〈カムデン〉に勇名を轟かすアンジェラとキャレドニアのもとを、そのトッツィが相談に訪れる。どうやら〈黄金の日々〉に幽霊が出るらしく、正体を見極めてほしいと言うのだ。かつて同じ屋根の下にいたよしみで……というよりは退屈しのぎが目的で、名物コンビふたりは体験入居を装い“潜入捜査”を開始するが、思わぬ大事件が待っていた!老人探偵団シリーズ第7弾。
  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 模倣犯 上
    3.9
    出張帰りの夫の目に飛び込んできたのは、妻の無惨な死体。ふつうならこれだけでトルケル率いる殺人捜査特別班が呼ばれることはない。被害者が自宅の寝室で縛られ、首をかき切られていたのでなければ。その状況は、かつてセバスチャンがつかまえた連続殺人犯ヒンデの手口に酷似していた。だが、ヒンデはレーヴハーガ刑務所で服役中のはず。一方、ある動機で、ふたたび殺人捜査特別班に加わろうと企むセバスチャンは、渋るトルケルに売りこみをかけた。凄腕だが自信過剰の迷惑男セバスチャンの捜査が始まる!
  • サイモン・アークの事件簿1
    3.8
    オカルト探偵アーク登場!73人もの人間が崖から飛びおりた、謎の大量自殺事件を取材に出かけたわたしは、現場の村で不思議な男性と知り合う。その男は、悪魔の存在証明や真の超自然現象を追い求め、世界を旅しているのだという。年齢2000歳とも言われる彼の名は、サイモン・アーク――。シリーズ第1作にしてホックのデビュー作でもある短編「死者の村」を巻頭に、自薦作品の中からさらに精選した10編を収録した、オカルト探偵アーク待望の第1短編集。黒魔術、狼男、悪魔崇拝、妖精……世界じゅうで起きる怪異な事件に、快刀乱麻の推理力で挑むアークの活躍をご照覧あれ。
  • ウィンブルドン
    3.9
    キングとツァラプキン。ふたりの若きテニス世界ランカーは、キングの地元オーストラリアの大会で初対戦した。プレースタイルも境遇も異なるふたりは、しかし試合を通じて意気投合する。その友情は、ツァラプキンの身をキングが一家総出で守ったことで揺るぎないものとなった。やがてふたりはともに、ウィンブルドン選手権への出場を果たす。だが、そのテニス世界最高峰の大会では、ある大胆な犯罪計画が実行されつつあった――。青年たちの友情を軸に、白熱する試合と犯罪の行方を描いて手に汗握らす、極上のスポーツ小説にして大傑作ミステリ!
  • 容疑者
    4.3
    「置いていかないで!」ロス市警の刑事スコット・ジェイムズは相棒のステファニーとパトロール中、銃撃事件に遭遇する。銃弾はふたりを襲い、ステファニーは死亡、スコットも重傷を負った。事件から九カ月半、犯人はいまだ捕まらず、スコットの耳に相棒の悲痛な叫びだけがこだまする。事件前の決定どおり警備中隊へ配属となったスコットがそこで出会ったのは、新たな相棒マギー。アフガニスタンに従軍し、そこでスコットと同様大切な相棒を失った雌のシェパードだった。心に傷を負ったひとりと一匹の新たな旅立ち。アメリカ探偵作家クラブ生涯功労賞受賞の著者、渾身の大作登場。
  • 本を隠すなら本の中に
    3.4
    「いますぐわたしの家から出ていって!」大学時代のルームメイト、パミーが家に転がり込んで二週間、我が物顔で家を占領するだけでなく、トリシアの大事な城であるミステリ専門書店に出て客に迷惑をかけるにいたって、ついに堪忍袋の緒が切れた。ところがトリシアが追い出したその日のうちに、こともあろうに人手不足に悩むカフェの店主でトリシアの姉アンジェリカが、うっかりパミーを雇ってしまったのだ。だがそのパミーが店の裏で殺された……。古書と専門書の町、読書家の聖地ストーナムで起こる事件を描く、ライトミステリ。本の町の殺人シリーズ第3弾。アガサ賞候補作。

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  • ラヴクラフト全集1
    3.9
    20世紀アメリカが生んだ鬼才、幻想と怪奇の作家、ラヴクラフト。彼の想像力の産物であり彼自ら病的なまでに憑かれていたクトゥルフ神話が怪しく息づく代表作「インスマウスの影」と「闇に囁くもの」。デラポーア家の血筋にまつわる恐るべき秘密を描いた「壁のなかの鼠」、彼の知られざる一面を垣間見せる異色作、ブラックユーモアの「死体安置所にて」の全4編を収録。深遠な大宇宙の魔神の呼び声が、読者を太古の昔から永劫の未来につづく暗黒世界のとりこにすることはまちがいない。

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  • サイン会の死
    3.1
    古書と専門書の町、読書家の聖地ストーナム。トリシアはそんなストーナムのミステリ専門書店の店主だ。今日は『ニューヨークタイムズ』のベストセラー作家ゾウイのサイン会の日。最初で最後の全国ブックツアーの最終地点を、故郷ストーナムの小さな書店にしてくれたのだ。ゾウイのアシスタントだという姪の態度はひどかったものの、サイン会はなんとか成功。だがほっとしたのも束の間、姿が見えなくなった主役を探しにいったトリシアが見つけたのは、人気作家の変わり果てた姿だった。本屋だらけの町で起こる事件を描くライトミステリ第2弾。

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  • 本の町の殺人
    3.3
    【ミステリ専門書店本日開店!殺人事件の在庫はございません】古書と専門書の書店が軒を連ね、それを目当てに大量の観光客が押し寄せる、読書家の聖地、本の町ストーナム。トリシアはそんなストーナムにあるミステリ専門書店の店主だ。ヴィンテージものの初版から、新刊のベストセラーまで取りそろえたこの店は、彼女の夢と努力が詰まった大切な城。ところが経営不振だった隣の料理書専門店の店主が殺され、高価な料理本の初版が消えた。保安官は第一発見者のトリシアを容疑者扱い。なんとか容疑を晴らそうと、彼女は必死で事件を調べはじめる。本屋だらけの町を舞台にしたライトなミステリシリーズ第1弾。

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  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 上
    4.1
    「息子が帰ってこないんです」ヴェステロース警察にかかってきた一本の電話、それがすべての始まりだった。少年は心臓をえぐり取られた死体で発見された。センセーショナルな事件に、国家刑事警察の殺人捜査特別班に救援要請が出された。メンバーはリーダーのトルケル以下四人の腕利き刑事。そこにひとりの男が加わった。男の名はセバスチャン・ベリマン、心理学者で殺人捜査特別班の元トップのプロファイラー。だがこの男、自信過剰で協調性ゼロ、アドレナリンとセックス中毒、捜査中でも関係者を口説いて寝てしまう、はた迷惑な奴だったのだ。スウェーデンを代表する脚本家がタッグを組んだ、注目の北欧ミステリ。

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  • 樽

    3.9
    埠頭で荷揚げ中に落下事故が起こり、珍しい形状の異様に重い樽が破損した。樽はパリ発ロンドン行き、中身は「彫像」とある。こぼれたおが屑に交じって金貨が数枚見つかったので割れ目を広げたところ、とんでもないものが入っていた。荷の受取人と海運会社間の駆け引きを経て樽はスコットランドヤードの手に渡り、中から若い女性の絞殺死体が……。次々に判明する事実は謎に満ち、事件はめまぐるしい展開を見せつつ混迷の度を増していく。真相究明の担い手もまた英仏警察官から弁護士、私立探偵に移り緊迫の終局へ向かう。クロフツ渾身の処女作にして探偵小説史にその名を刻んだ大傑作。

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  • シャーロック・ホームズの冒険【深町眞理子訳】
    4.3
    ミステリ史上最大にして最高の名探偵シャーロック・ホームズの推理と活躍を、忠実なる助手ワトスンが綴るシリーズ第1短編集。ホームズの緻密な計画がひとりの女性によって破られる「ボヘミアの醜聞」、赤毛の男を求める奇妙な団体の意図をホームズが鮮やかに解き明かす「赤毛組合」、妻の眼前で夫が消え去った不思議な事件「くちびるのねじれた男」、閉ざされた部屋での怪死事件に秘められたおそるべき真相「まだらの紐」など、いずれも忘れ難き12の名品を収録する。/収録作=「ボヘミアの醜聞」「赤毛組合」「花婿の正体」「ボスコム谷の惨劇」「五つのオレンジの種」「くちびるのねじれた男」「青い柘榴石」「まだらの紐」「技師の親指」「独身の貴族」「緑柱石の宝冠」「ぶなの木屋敷の怪」「解題/戸川安宣」

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  • 養鶏場の殺人/火口箱
    3.8
    1920年冬、エルシーは教会で4歳年下の純朴な青年ノーマンに声をかけた。恋人となったその男性が、4年後に彼女を切り刻むなどと、だれに予想できただろうか──。かのサー・アーサー・コナン・ドイルが判決に異議を表明したという、英国で実際に起きた事件をもとに執筆された「養鶏場の殺人」と、老女二人の強盗殺害事件を通して、小さなコミュニティーにおける偏見がいかにして悲惨な出来事を引き起こしたかを描く「火口箱」を収録。現代英国ミステリの女王が実力を遺憾なく発揮し、犯罪を通して人々の心理を巧みに描き上げた傑作中編集。

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  • 黒のクイーン
    3.4
    ウィーンに住むフリーランスの保険調査専門探偵ホガートは、大手国際保険会社支社長からある依頼を受けた。ウィーンの美術館がプラハの展覧会に貸し出した絵画が焼失、調査に派遣した絵画専門の調査員は、焼失した絵画はすり替えられた偽物だったとの報告を残し行方不明になった。その調査員を見つけだしてほしいというのだ。プラハに飛んだホガートは、ひとりの女探偵に出会う。彼女が調査しているプラハの連続殺人事件の話を聞くうち、ホガートはとんでもない事実に気づく。『夏を殺す少女』で衝撃的なデビューを飾った、オーストリア・ミステリの名手が仕掛ける巧妙な罠とは?

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  • 遮断地区
    3.9
    バシンデール団地、通称アシッド・ロウ。教育程度が低く、ドラッグが蔓延し、争いが日常茶飯事の場所。そこに引っ越してきたばかりの老人と息子は、小児性愛者だと疑われていた。ふたりを排除しようとする抗議デモは、彼らが以前住んでいた街で十歳の少女が失踪したのをきっかけに、暴動へと発展する。団地をバリケードで封鎖し、石と火焔瓶で武装した二千人の群衆が彼らに襲いかかる。往診のため団地を訪れていた医師のソフィーは、暴徒に襲撃された親子に監禁されてしまい……。血と暴力に満ちた緊迫の一日を描く、英国ミステリの女王の新境地。

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  • 冬のフロスト 上
    4.4
    【第1位『IN★POCKET』2013文庫翻訳ミステリーベスト10/総合部門/作家部門/読者部門/翻訳家&評論家部門】寒風が肌を刺す一月。デントン署の管内では、いつものように事件が絶えない。二ヶ月以上も行方の知れない8歳の少女に続き、同じ学校に通う7歳の少女も姿を消す。売春婦殺しは連続殺人に発展し、ショットガンを振りまわす強盗犯に、酔ったフーリガンの一団、“怪盗枕カヴァー”といった傍迷惑な輩が好き勝手に振る舞う、半ば無法地帯だ。われらが名物親爺ジャック・フロスト警部は、とことん無能で好色な部下の刑事に手を焼きつつ、人手不足の影響でまたも休みなしの活動を強いられる……。史上最大のヴォリュームで贈る、大人気警察小説第5弾。

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  • 葡萄色の死
    3.5
    夏の終わりの夜明け前、フランスの長閑な小村サンドニにサイレンが鳴り響いた。遺伝子組み換え作物の試験場が放火されたのだ。過激なエコロジストの犯行が疑われ、村でただひとりの警官にして警察署長のブルーノは、国家警察の刑事たちに協力し、住人への聞き込みをはじめる。だがそんな折、村の青年がワイン農場の大きなワイン桶の中で死んでいるのが発見される。事故か? 殺人か? 放火との繋がりは? 心やさしき警察署長は、村の平穏を取り戻すため不可解な事件に挑む。元英国ガーディアン紙のベテラン記者が贈る、謎に満ちた傑作ミステリ、シリーズ第2弾。

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  • 緋色の十字章
    3.4
    名物はフォアグラ、トリュフ、胡桃。人口約三千人、風光明媚なフランス南西部のサンドニで、長閑な村を揺るがす大事件が発生する。ふたつの戦争で国家のために戦い、戦功十字章を授与された英雄である老人が殺害されたのだ。彼は腹部を裂かれ、胸にナチスの鉤十字を刻まれていた。村でただひとりの警官にして警察署長のブルーノは、村人たちの助けを得て捜査をはじめる。就任以来初めての殺人事件を解決し平穏な村を取り戻すことはできるのか? 元英国ガーディアン紙のベテランジャーナリストが心優しき署長の奮闘を描く、清新な警察ミステリ。

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  • 夏を殺す少女
    4.0
    酔った元小児科医がマンホールにはまって死亡。市会議員が山道を運転中にエアバッグが作動し、運転をあやまり死亡。どちらもつまらない案件のはずだった。事故の現場に、ひとりの娘の姿がなければ。片方の案件を担当していた先輩弁護士が、謎の死をとげていなければ。一見無関係な出来事の奥に潜むただならぬ気配。弁護士エヴェリーンはしだいに事件に深入りしていく。一方ライプツィヒ警察の刑事ヴァルターは、病院での少女の不審死を調べていた。オーストリアの弁護士とドイツの刑事、ふたりの軌跡が出合うとき、事件がその恐るべき真の姿をあらわし始める。ドイツでセンセーションを巻き起こした、衝撃のミステリ登場。

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  • フロスト気質 上
    4.6
    【第1位『週刊文春』2008年傑作ミステリーベスト10/海外部門】ハロウィーンの夜、行方不明の少年を捜していた新米巡査が、ゴミに埋もれた少年の死体を発見する。そのうえ連続幼児刺傷犯が新たに罪を重ね、15歳の少女が誘拐され、謎の腐乱死体が見つかるなど、デントン警察はいつも以上に忙しい。よんどころない事情で払底している幹部連の穴埋めをするべく、これら事件の陣頭指揮に精を出すのは、ご存じ天下御免の仕事中毒、ジャック・フロスト警部その人。勝ち気な女性部長刑事や、因縁浅からぬ警部代行とやりあいながら、休暇返上で働く警部の雄姿ここにあり! 警察小説の大人気シリーズ、待望の第4弾。

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  • 夜のフロスト
    4.3
    【第1位『週刊文春』2001年傑作ミステリーベスト10/海外部門】新任部長刑事ギルモアが配属されたのは、しけた町だった。まあ、ここは眼も眩む高みに昇りつめるための梯子の一段目にすぎない。こき使われる心配がなさそうなのも幸いだった。だが、いざ出勤してみれば、猛威を振るう流感に、署は壊滅状態。折悪しく、町には中傷の手紙がばらまかれ、老女ばかりを狙う切り裂き犯が暗躍を開始する。なんたる不運。そのうえ、だらしない風体に、悪夢のような下ねたジョークを連発する男、フロスト警部と組む羽目になろうとは……。さすがの名物警部も、今回ばかりは青息吐息。爆走する英国警察小説、大好評第3弾!/解説=霞流一

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  • フロスト日和
    4.5
    【第1位「このミステリーがすごい!1998年版」海外編ベスト10】ウェブスターの眉間の皺は深まる一方だった。切れ者の警部として鳴らしたこの自分が、上司に鉄拳をお見舞いしたばかりに、降格のうえ、役立たずのぼんくら親爺、ジャック・フロストのお守り役を押しつけられる羽目となった。だが、肌寒い秋の季節、連続婦女暴行魔は悪行の限りを尽くし、市内の公衆便所では浮浪者の死体が小便のなかに浮かぶ。ここはひとつ、ロートル警部になりかわって事件解決に邁進しなくては……。皆から無能とそしられながら、名物警部フロストの不眠不休の奮戦は続く。笑いと緊張が堪能できる、まさに得難い個性の第2弾。/解説=温水ゆかり

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  • クリスマスのフロスト
    4.1
    【第1位『週刊文春』1994年ミステリーベスト10】クライヴは内心腐っていた。刑事に昇進したのも束の間、栄光のロンドンから七十マイル以上離れたこんな田舎町に配属になるとは。だが、悲嘆にくれている暇はない。じきにクリスマスだというのに、日曜学校からの帰途失踪した八歳の少女、銀行の正面玄関を深夜金梃でこじ開けようとする謎の人物など、市には大小様々な難問が持ちあがる。いや。最大の難問は、不撓不屈の仕事中毒にして、死体と女の話をこよなく愛する、上司のフロスト警部であったかもしれない……。続発する難事件をまえに下品きわまる名物警部が奮闘する、風変わりなデビュー作!

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  • 白雪姫には死んでもらう
    4.3
    ドイツ、2008年11月。空軍基地跡地にあった空の燃料貯蔵槽から人骨が発見された。検死の結果、11年前の連続少女殺害事件の被害者だと判明する。折しも、犯人として逮捕された男が刑期を終え、生まれ育った土地へ戻ってきていた。彼はふたりの少女を殺害した罪で服役したが、寃罪だと主張しつづけていた。だが村人たちに受け入れてもらえず、正義という名の暴力をふるわれ、母親までも何者かに歩道橋から突き落とされてしまう。捜査にあたる刑事オリヴァーとピア。閉塞的な村社会を舞台に、人間のおぞましさと魅力を描き切った衝撃の警察小説!

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  • 深い疵
    3.9
    ドイツ、2007年春。ホロコーストを生き残り、アメリカで大統領顧問をつとめた著名なユダヤ人の老人が射殺された。凶器は第二次世界大戦期の拳銃で、現場には「16145」という数字が残されていた。しかし司法解剖の結果、遺体の刺青から、被害者がナチスの武装親衛隊員だったという驚愕の事実が判明する。そして第二、第三の殺人が発生。被害者らの隠された過去を探り、犯行に及んだのは何者なのか。刑事オリヴァーとピアは幾多の難局に直面しつつも、凄絶な連続殺人の真相を追い続ける。本国で累計200万部を突破した警察小説シリーズ!

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  • 僧正殺人事件
    3.6
    だあれが殺したコック・ロビン? 「それは私」とスズメが言った――。四月のニューヨーク、マザー・グースの有名な一節を模したかのごとき不気味な殺人事件が勃発した。胸に矢を突き立てられた被害者の名はロビン。現場から立ち去った男の名はスパーリング――ドイツ語読みでシュペルリンク――スズメの意。そして“僧正”を名乗る者が、マザー・グース見立て殺人を示唆する手紙を送りつけてきた……。史上類を見ない陰惨で冷酷な連続殺人に、心理学的手法で挑むファイロ・ヴァンス。江戸川乱歩が称讃し、後世に多大な影響を与えた至高の一品。

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  • 日記の手がかり
    3.5
    ナンシー、ベス、ジョージの仲良し三人組が、お祭りで出会った母子。父親が行方不明で生活も苦しいらしい。なんとか助けてあげられないものかと相談しつつの帰り道、三人は不審な火事に遭遇する。家人が留守らしい立派な屋敷が、爆発音とともに火の手につつまれたのだ。屋敷の裏手にまわったナンシーは、あわてて逃げだすひとりの男を目撃。謎の本を拾って、がぜん探偵心を刺激される。親友ふたりに、新たに知り合った気になる男の子ネッドも加わって、少女探偵ナンシーの捜査がはじまる。世界中で愛され続けているロングセラーシリーズ第7弾。

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  • レッド・ゲート農場の秘密
    3.5
    親友ベスが買ったひと瓶の香水、それが、ナンシーを新たな事件に導くことになろうとは。親友ふたりと買い物帰りに知り合った少女ジョアン。彼女の住むレッド・ゲート農場の困窮を知って、放っておけなくなったナンシーは、援助の手を差しのべるべく、三人での農場滞在を決める。ほかの下宿人も決まりひと安心と思いきや、農場の土地を強引に手に入れようとする男に、敷地の一部に住むあやしげな新興宗教の集団と、周囲はきな臭いことばかりだ。探偵心をくすぐられ、早速農場の周りの探索をはじめるのだが……。好調少女探偵シリーズ第6弾。

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  • シャドー牧場の秘密
    4.0
    親友のベスとジョージが滞在しているシャドー牧場で、休暇をすごすことになったナンシー。ところが牧場では物が壊れたり事故が起きたり、伝説のアウトローの呪いがかかった幽霊の馬が出現したりと、気味の悪いことが続いていた。さらには、空港でナンシーの荷物が盗まれかけ、ベスとジョージが乗ってきた車は砂漠で立ち往生と、ナンシーの牧場行きを妨害しているかのようなことが次々と起こる。だが、そんなことでひるんでいては少女探偵の名がすたる。がぜん闘志をかき立てられたナンシーが、シャドー牧場の謎に挑む! 大人気シリーズ第5弾。

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