検索結果

  • 枯れてたまるか!
    4.0
    還暦でスイッチを切りかえてから、はや二十年。老人の毎日は思ったより忙しい。まだまだ元気に老年を楽しむエッセイ集。「……年をとると男も女も体力が落ち、若いころのようなパワーが薄れる。しかし、薄れたぶん、柔道の受け身のような技を得て、余計な情報を捨てて、神髄がわかり、新しい発見がある。……」。巻末に「あとがき」にかえ、大幅に加筆改稿した「瀬戸内寂聴さんのこと」を収録。
  • 関東大震災
    4.3
    大正12年9月1日午前11時58分、大激震が関東地方を襲った。直後に大規模火災が発生、首都圏一帯は一瞬にして地獄となった。絶叫し、逃げまどう人々──飛び交う流言が、自警団による陰惨な朝鮮人虐殺という悲劇をも引き起こす。本書は、地震予知を巡る抗争にはじまり、被害状況、死体処理、被災者のバラック街の様子から糞尿の処理にいたるまで、未曾有の大震災の真実を掘り起こす。20万の命を奪った“天災”と“人災”を浮き彫りにする、菊地寛賞受賞の名作。
  • 完本 チャンバラ時代劇講座 1
    5.0
    原稿枚数1400枚に及ぶ渾身の大著が遂に文庫化!文学、メディア、芸能等の歴史を横断する、橋本治にしか書けないアクロバティックなチャンバラ映画論にして、優れた近代日本大衆史。第三講までを収録。
  • 完本 チャンバラ時代劇講座 1・2合本版
    -
    原稿枚数1400枚に及ぶ渾身の大著が遂に文庫化!文学、メディア、芸能等の歴史を横断する、橋本治にしか書けないアクロバティックなチャンバラ映画論にして、優れた近代日本大衆史。 ※本電子書籍は、「完本 チャンバラ時代劇講座 1・2」の合本版です。
  • 帰艦セズ
    -
    徹底した取材から浮かび上がる「事実」の重み――必読の七短篇 昭和19年、巡洋艦「阿武隈」の帰還兵・成瀬時夫が、小樽郊外の山のなかで「飢餓ニ因ル心臓衰弱」で死んだ。 市役所を退職し、いまは北海道の民衆史研究会で活動をする橋爪は、自らの過去の経験から、成瀬は“逃亡”したのではないか、と直感。 遺族を探し、調査をするようになる――。 長篇小説『逃亡』と合わせ鏡のようになっている表題作をはじめ、大阪の篤志面接委員から聞いた話をもとにした「鋏」、ある寺の墓石をつくる石材店主がもらしたことがきっかけとなった「白足袋」、能登の岩海苔採りの遭難を報じた新聞記事がヒントになった「霰ふる」など、全7篇。 不可解な謎を秘めた人の生の、奇妙な一面を見事にすくい上げ、徹底した取材と想像力により文学作品に結実した短篇集。待望の新装版。 文庫解説:梯久美子(ノンフィクション作家) ※この電子書籍は1988年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 北の富士流
    3.7
    いまや「日本一着物が似合う男」としてNHKの大相撲解説で人気の北の富士勝昭。第52代横綱であり、親方として千代の富士、北勝海の二人の横綱を育て上げた名伯楽であります。そんな北の富士の男としての魅力を余すところなく綴ったのが本書であります。老若男女全ての大相撲ファン、いや全日本国民、必読の一冊! 【目次より】 第1章 北の富士前夜、北海道のけしき 第2章 私と相撲の遠距離交際 第3章 猛稽古と遊びの方程式 第4章 出世みち三歩進んで二歩下がる 第5章 破門から初優勝への大逆転 第6章 ライバル玉の海との出世競争と熱き友情 第7章 「夜の帝王」と「ネオン無情」の極彩色 第8章 横綱時代の万華鏡 第9章 二横綱を育てた名伯楽の奥行き 第10章 北の富士流の試練 第11章 テレビ解説席の粋、華、情 ※この電子書籍は2016年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 奇天烈な店(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 その店の主人は、「サバは関より紀伊水道」「大トロはひと振りの塩とニンニクきざみで」という確固たる舌の持ち主。それでいて、「イカの眼球を支える筋肉」やら「タイの脳ミソ」なんぞというシロモノがでてくる奇妙奇天烈な鮨屋。そこで繰り広げられるのは、主人と常連の間で交わされる人情の機微に富んだ会話……。名前は知ってはいても、家族構成や職業も知らない──それが酒場の流儀。実生活の匂いは持ち込みたくない。その間合いを楽しめる客だけが、この店に入ることを許される。さあ、虚と実が裏と表に貼りついた“村松友視的世界”の珍味をご賞味されたい。
  • キャバレー
    4.0
    1巻748円 (税込)
    音楽の神に愛された美青年、矢代俊一。 恵まれた家庭、一流大学。その全てを捨て彼が選んだのは、場末のキャバレー。 本物の音楽を知りたい、その欲求に突き動かされ演奏する俊一に、 暴力団幹部の滝川は魅了される。 俊一の音楽がいかに好きかを告白する滝川に、次第に絆されていく俊一。 しかし仲間の裏切りにより、俊一は滝川の組からその身を狙われることに。 殺せばいいと強がる俊一に、葛藤する滝川は……。 天才への憧憬とどうしようもない現実をその筆であざやかに切り取って見せた、栗本薫の名作!
  • 九十八歳になった私
    4.0
    こんな作品は橋本治以外の誰にも書けない。 内田樹氏、欣喜! 人生百年時代に捧ぐ、橋本流・老後賛歌。 一体今日は、いつなんだろう? もうすぐ九十八だ。多分。ゆとり世代(もう五十だけど)の編集者に「戦後百一年」なんて原稿頼まれたり、ボランティアのバーさんが紅白饅頭持ってきたり。東京大震災を生き延びた独居老人の「私」が、老境の神髄を愉快にボヤく人生賛歌の物語。ああ、年をとるのはめんどくさい!
  • 京堂司掌編全集
    完結
    -
    埋もれていた栗本薫の別ペンネーム、京堂司名義による作品のすべてを収めたショートショート集。  2016年に創刊40周年記念終刊号が発行された幻影城誌。その発行に際して、京堂司名義の作品が栗本薫の手によるものであることが発見されて話題を呼んだが、本書は京堂司名義作品のすべてを収録、この名義による作品は他に一切ないことからあえて書名を「京堂司掌編全集」とした。  熱烈なSFファンであった若き栗本薫による、日本SF揺籃期を彷彿とさせる掌編12編は、大河小説グイン・サーガの作者の、また違った一面をうかがわせる。解説は京堂司発見者の野地嘉文氏。 【目次】 23世紀のラッシュアワー ACT/1 星間急行 ACT/2 ポーの末裔 ACT/3 物質電送ラッシュ ACT/4 満員電車の中で 23世紀のポップス ACT/1 P・R ACT/2 イメージ・チェンジ ACT/3 未来の寝床 ACT/4 怨念 革命専科 ACT/1 マイコンピューター革命 ACT/2 産学協同革命 ACT/3 サイボーグ革命 ACT/4 ……革命? 解説 野地嘉文 【著者】 栗本薫 東京生まれ。早稲田大学文学部卒。1977年中島梓名義の「文学の輪郭」で群像新人賞評論部門、1978年『ぼくらの時代』で江戸川乱歩賞、1981年「弦の聖域」で吉川英治文学新人賞を受賞。栗本薫名義で小説を発表するかたわら、中島梓として評論・演劇・音楽などさまざまなジャンルで活動する。小説作品は、ミステリ、SF、時代小説、耽美小説と多岐にわたり、中島梓名義を含めて400冊を越える著作がある。1979年よりスタートした大河ロマン「グイン・サーガ」は、2009年著者病没により130巻が最終巻となった。
  • 魚影の群れ
    4.5
    津軽海峡を舞台に、老練なマグロ釣りの孤絶の姿を描く表題作。四国に異常発生した鼠と人間との凄絶な闘いの記録「海の鼠」。名人気質の長良川の鵜匠の苦渋を描く「鵜」など動物を仲立ちとして自然と対峙する人びとの姿を精密に描いた傑作小説四篇を収録した作品集。
  • 魚影の群れ
    5.0
    1巻495円 (税込)
    漁師・房次郎は娘の登喜子に懇願され、彼女の恋人・俊一を不承不承船に乗せるが……。津軽海峡を舞台に、老練なマグロ釣りの孤絶の姿を描く表題作。四国の小島に異常発生した鼠と人間の凄絶な闘いの記録『海の鼠』。他に、美味ゆえに養殖される新種のカタツムリをめぐる滑稽な顛末『蝸牛』、名人気質の長良川の鵜匠の苦渋を綴る『鵜』など、動物を仲立ちとした傑作小説四編を収録。

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  • 空白の戦記
    4.2
    闇に葬られた軍艦事故の恐るべき真相、「戦艦武蔵」の極秘設計図紛失事件の後日譚、悲しくも痛ましい沖縄決戦の秘話……。戦記文学に定評のある著者が、正史にのらない埋もれた戦争の真実を掘り起して、巨大な戦争の陰の部分に生きた人間たちのドラマを追求する戦争秘録小説集。「艦首切断」「顛覆」「敵前逃亡」「最後の特攻機」「太陽を見たい」「軍艦と少年」の六編を収録。

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  • 草薙の剣(新潮文庫)
    3.8
    1巻825円 (税込)
    草を薙いで野火の大難を防いだといわれる神剣――草薙の剣。12歳から62歳まで、6人の男たちとその父母、祖父母が経験した、戦前、戦後、学生運動、オイルショック、バブル、オウム事件、2回の震災、そして現代まで、そこに生きる人間の姿をつぶさに描くことで、「時代」という巨大な何かを立ち上がらせた奇跡の長編小説。知の巨人にして時代の感性だった橋本治の文業40年の結晶。野間文芸賞受賞。(解説・末木文美士)
  • 鯨の絵巻
    -
    1巻440円 (税込)
    紀州太地に三百年の歴史を持つ鯨組で、網とり漁法の最後の筆頭刃刺を務めた男の生涯をたどり、海の男たちの勇壮華麗な鯨との闘いと、滅びゆく古式捕鯨にしか生きる場を持たない者の悲哀を鮮やかに浮かび上がらせた「鯨の絵巻」。教職を剥奪され、奄美大島の夜の山地に青白い鱗の輝きを追うハブ捕獲人を描く「光る鱗」ほか、「紫色幻影」「おみくじ」「緑藻の匂い」を収録した、動物を相手に生活を営む人間たちの哀歓をさぐる短編集。

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  • 熊撃ち
    4.0
    飢えに追いつめられて、つぎつぎと人を襲う熊。その熊をじっとねらう、村田銃をもった熊撃ちの名人。北海道千歳市では老婆や村娘が餌食となり、人々を震え上がらせていた。厳しい大自然を背景に、人間と熊が繰り広げる生きていくための闘い。大自然の中で生きる人々の緊迫感と、自らを厳しく律しながら深い山へと分け入って行く誇り高い猟師たちの個性あふれる姿、そして野性の猛獣と原生林の迫力を、乾いた筆致で生き生きと追う。実際におきた七つの事件と実在する八人の熊撃ちを題材に、孤独で忍耐強い彼らの生きざまを描く連作短編集。
  • 黒い花びら
    3.5
    水原弘が生涯のほとんどをついやしたのは、“破壊へ向けての生活無頼”と“歌うこと”の二つだった―。昭和歌謡界黄金時代を疾風の如く駆け抜けた、無頼の歌手・水原弘の壮絶な生涯。酒、豪遊、博打、借金に満ちた破天荒な歌手生活とは?関係者からの綿密な取材を重ねつつ、波瀾万丈の人生を描く感動のノンフィクション!

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  • グイン・サーガ外伝1 七人の魔道師
    4.7
    幾多の冒険をへたのち、いまは中原の大国ケイロニアの王となった豹頭の戦士グイン。だが、数奇なる運命の糸に導かれる彼には、平穏な日々の訪れることはなかった。邪悪なものの影は、まず恐るべき悪疫の姿をとってケイロニアの都サイロンを襲った。しかし、それはサイロンが迎える災厄のほんの一端でしかなかったのだ! 魅惑の外伝ここに登場!(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)

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  • グイン・サーガ外伝23 星降る草原
    3.6
    草原。見渡す限りどこまでもひろがる果てしないみどりのじゅうたん。その広大な自然とともに暮らす遊牧の民、グル族。族長の娘リー・オウはアルゴス王の側室となり王子を生んだ。複雑な想いを捨てきれない彼女の兄弟たちの間に起こった不和をきっかけに、草原に不穏な陰が広がってゆく。平穏な民の暮らしにふと差した凶兆を、幼いスカールの物語とともに、人々の愛憎・葛藤をからめて描き上げたミステリアス・ロマン。

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  • グイン・サーガ 七人の魔道師 1
    3.0
    「猫の年、青の月、サイロンを襲った黒死病の猛威は一気に全土を覆いつくした――」。豹頭王グインが治める大国ケイロニアの都サイロン。だが繁栄を謳歌していたはずの都の民たちは黒死病への恐怖に我を失い「患部に人の生き血をかければ病が癒える」という血なまぐさい民間療法に頼って親が子を殺すような地獄絵図が繰り広げられていた。災厄を払うべく魔導師や魔術師たちの集まる『まじない小路』に旧知の魔導師イェライシャを探しに行ったグインだが…。青の月の最後の日…六百年に一度という星々の配置により星の力が集まる日、強大な力を求める黒魔導師たちに狙われたサイロニアとグイン…。そしてその魔の手は、王女シルヴィアにも伸びていた――。栗本薫の大河ヒロイック・ファンタジー小説『グイン・サーガ』シリーズの外伝第1巻『七人の魔道師』をコミカライズした、剣と魔法の本格ヒロイック・ファンタジーコミック!
  • グランドクロス・ベイビー
    5.0
    1巻638円 (税込)
    「どうでもいい。何もかんもどうでもいい。世紀末、どうせ世界は滅びるんだ」。アイドルの追っかけ、その資金かせぎに何気なく売春を始めた女子高生サッチは、「ショバ荒らし」をきっかけにヤクザの阿久津と出会う。阿久津の半ば強制的なSEXに自棄的に応じていくサッチ、その体はしだいに快楽におぼれ、心は流されてゆく。そして、サッチのあまりにも小さく脆い世界は、偶像(アイドル)が消失したとき、崩れ去った。爛れた世紀末を暴走する衝撃のポルノグラフィ。
  • K
    値引きあり

    3.9
    1巻781円 (税込)
    1959年、〈ぼく〉は詩の同人誌で〈K〉と出会った。ふたりは結婚し、一児をなしたが、詩人としてのプライドが強すぎた〈K〉の言動は常軌を逸しはじめ、〈ぼく〉は困惑する。ふたりの生活は、すれ違い、やがて別居へと至る……。ただ、この奇妙な生活にも、「夫婦愛」は紛れもなく存在していた!
  • 結婚
    4.0
    古屋倫子、二十八歳。旅行会社勤務。独身、彼氏なし。最近気になって仕方ないのは、卵子は老化するという事実。その時限爆弾を解除する方法は、結婚以外にない──でも、結婚ってなに? 倫子は周囲の既婚者を見渡すも、結婚というものがますますわからなくなる。そんな中、同僚の花蓮の結婚が決まり……。悩めるアラサー女性を主人公に、時代と共に変化する結婚観を冴えた筆致で描いた傑作長編。
  • 月下美人
    値引きあり
    -
    生と死を見すえる冷徹な眼。傑作短編小説集。軍用機を爆破した元脱走兵を取材する「私」と、家族にも過去を語らず苦悩の歳月を過してきた男との関わりを、咲き散る月下美人に託して描く表題作等、8編を収録。(講談社文庫)
  • ゲルニカ1984年
    4.0
    「ぼくは、ゲルニカっていう本を読んだんだよ。その中に、ちょっと、おもしろい…というか、気にひっかかることがあったんだ」TVディレクターの安田修平は、ふとしたことから、日本がすでに戦争状態にあるのではないかという疑惑にとらわれた。しかし、妻も同僚も一笑に付して相手にしようとはしない。心を閉ざし、何かにおびえ、見えざる影に追われる修平。「戦争ははじまってるんだ…いまは戦時下なんだ。…皆、見ないふりをしてごまかしてる…そうなんだろう?」おそるべき感性で、見えざる恐怖を鮮やかに描き出した問題長篇!
  • 源氏供養(上下合本) 新版
    -
    「源氏物語」は紫式部の〝復讐心〟から始まった――? 輝く美貌を持つ男・光源氏と女たちの恋物語に織り込まれた作者のたくらみとは? 『窯変 源氏物語』の著者が日本最古の長篇小説をひもとき、天才女性作家・紫式部の思考に迫るスリリングなエッセイ。座談会「物語の論理・〈性〉の論理」(三田村雅子・河添房江・松井健児・橋本治)収録。
  • 源氏供養(上) 新版
    4.0
    「源氏物語」は紫式部の〝復讐心〟から始まった――? 輝く美貌を持つ男・光源氏と女たちの恋物語に織り込まれた作者のたくらみとは? 『窯変 源氏物語』の著者が日本最古の長篇小説をひもとき、天才女性作家・紫式部の思考に迫るスリリングなエッセイ。座談会「物語の論理・〈性〉の論理」前篇(三田村雅子・河添房江・松井健児・橋本治)収録。
  • コイシラズ YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS
    完結
    3.8
    全1巻932円 (税込)
    天才サックスプレイヤー・矢代俊一は、若きドラマー・勝又英二に出会う。激しすぎる英二の愛を、過去のトラウマから受け入れられないでいたが、次第に彼のドラムとセックスにひかれはじめ──。
  • 幸田文のマッチ箱
    4.0
    「幸田文」の旅をしてみよう―。母の死、父・露伴から受けた厳しい躾、弟の死、継母との関わり…。そこから浮かび上がる「渾身」の姿。作家・幸田文はどのように形成されていったのか。その「作品」と「場所」を綿密に探りつつ、<幸田文>世界の真髄にせまる極上の書き下ろし、待望の文庫化。

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  • 古事記
    4.0
    日本にまだ固有の文字がなかった八世紀初頭に成立した『古事記』は、漢字の音と訓を利用して、神話や古くからの言い伝えを書き表した日本最古の書物である。国の成り立ちを説いた歴史の書にとどまらず、古代の人々の想像力にみちた豊かな文学性を感じさせる。とりわけここに収めた「上の巻」には、イザナキ・イザナミの国生み、天の岩屋戸、スサノオの八俣の大蛇退治など、日本神話としてなじみ深い話の数々が、飾り気なく力強く描かれている。ここには、日本人の心と行動すべての原初の姿を見つけることができる。
  • 国家を考えてみよう
    4.0
    「国家」は「誰かえらい人のもの」ではなく、「国民のもの」で「みんなのもの」だということをこの際はっきりさせておかなくてはなりません。そうでないと、うっかりだまされるなんてことになります。とはいえ、実際のところ「国家」や「政治」を考えるのはなぜかとても難しい。大体、日本で「国家」や「政治」のことを考えているなんてことを言うと、だいぶ変わった人と見られるが、それはなぜなのでしょうか。それらの秘密を解くカギは、日本の国の成り立ちにあります。その道を辿りながら、橋本さんと一緒に、今こそ国家というものの本質について丁寧に考えてみましょう。
  • 「万葉集」を旅しよう 古典を歩く 1
    3.0
    万葉集の4500余首の歌には、同じ風土に生き続ける日本人の心が息づいている。そこには、脈打つ生命の響きがある。のびやかに麗しく、切なく悲しい、いつの世も変わらぬ生きざまがある。心に残る歌に誘われ、飛鳥へ、大和へ、筑紫へ、越中へ、東国へ、西国へ……。日本人の心に出会う旅に出てみよう。古典の旅シリーズ『万葉集』改題作品。万葉の舞台を巡り、時空を越えて、日本人の魂を訪ねる!
  • 古典を読んでみましょう
    3.9
    えっ、浦島太郎はじいさんじゃなくて、鶴になったの? 一寸法師はじつは性格が悪くてやりたい放題だった? 日本の古典は自由で、とても豊かだ。時代によっていろいろある古典が、これで初めてよくわかる。
  • 孤独な噴水
    -
    新人王をめざす若きプロ・ボクサーの孤独な戦い! 暗い家庭を逃れてボクシング・ジムに通う〈私〉は、連戦連勝、やがて新人王の有力候補にのし上がり、小さなジムの期待の星となった。だがある日、心の支えだった恋人が、何者かに暴行された。ボクシング界の内幕をえぐり、若者の愛と孤独を鮮烈に描く長編小説。
  • 小林秀雄の恵み(新潮文庫)
    4.4
    37歳の迷える私=橋本治には、小林秀雄の『本居宣長』は過剰と孤立を恐れるなと諭す、じいちゃんの励ましだった。いまもその感動は圧倒的だ、ただ……。小林秀雄賞を受賞した55歳の私は改めて難解な作品の通読へ向かう。そして、真摯な愛情と決意で、小林の文章にねばり強く伴走するうち、ある「恵み」を受け取ったのだった。小林秀雄から現代日本人の宿命を遠望する革新的論考。
  • これで古典がよくわかる
    4.3
    あまりにも多くの人たちが日本の古典とは遠いところにいると気づかされた著者は、『枕草子』『源氏物語』などの古典の現代語訳をはじめた。「古典とはこんなに面白い」「古典はけっして裏切らない」ことを知ってほしいのだ。どうすれば古典が「わかる」ようになるかを具体例を挙げ、独特な語り口で興味深く教授する最良の入門書。
  • これも男の生きる道
    4.0
    男にとって大切なのは、一人前になることです。それは、自分のするべきことはなんでもできること、自分のするべきことはなんでもすると覚悟して、なんでもすることです。もちろん、できないこと、わからないこと、知らないことを、素直に認めることでもあります。かんたんなようで、なかなか困難な、これが男の生きる道。男も女も、この本を読んで、一人前になってください。
  • 転ばぬ先の 転んだ後の「徒然草」の知恵
    4.0
    吉田兼好の「徒然草」には、どきりとする一節がそこかしこに出てくる。それらは驚くほどスティーブ・ジョブズの信条に重なっている。「一瞬の怠けは一生の怠けとなる」「ほとんどの話はむだな話である」etc…。70を迎えた嵐山光三郎が読み解く「乱世を生きぬく知恵」。
  • 紺青の鈴
    -
    1巻726円 (税込)
    伝統的な九谷焼の技法を継承し、古九谷の青を現代に甦らせようと努める紺谷家に彩子は生まれた。彼女は自分の力を試そうと、知事賞に応募して第一席に入り、九谷焼の新しい旗手と目される。しかしその選考委員は紺谷家を破門された東山教授であった。父に背いて東山教授に弟子入りした彩子の、陶工として、女性としての成長の物語。
  • 極上の流転 堀文子への旅
    5.0
    九十七歳を超えてなお新作を発表し続ける日本画家・堀文子。画壇におさまらない自在な画風、「群れない、慣れない、頼らない」をモットーとする生き方をたどり、繊細さと大胆さ、緻密さと雄大さという二律背反をはらむ躍動的魅力の根源に迫る、渾身の評伝。
  • 極楽迄ハ何哩(電子復刻版)
    3.0
    「僕、プレゼントに花束贈ります。花束が一番いいと思っているんです。必要品じゃないし、豪華だし、なくなっちゃくから」――畜生道から出発して、いざ六道輪廻の旅へ。桃尻娘に鞍馬天狗、沢田研二にヴォネガットと、各界ごった煮の老若男女の釜ゆで大会。偉才・橋本治が、どんな類い希な美しい論理(ことば)の花束を贈るのやら……オバサン化した男、死にぞこないのメジャーは読むべからず!?

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  • ごはん通
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本人は米の微妙な味がわかる世界有数の民族である。このことは先祖に感謝しなければならない。また、世界一うまい米を生産する民族である。炊きたてのごはんのおいしさは、日本人でなくてはわからず、また日本産の米でないと不可能である。
  • 再婚
    3.0
    1巻462円 (税込)
    男が人生の階段を上っていく。どの段でなにが起こるのか、だれにもわからない――。なんとなく再婚してもいいかと思っている男が、昔あこがれていた女に会いながら、違和感を感じてしまう。男の複雑な気持ちを描いた表題作。定年退職した男の家出と死を綴った「男の家出」、ネオン製作会社が崩壊していく中での男たちの姿を描いた「夜の饗宴」など8編を収録した珠玉の短編小説集。
  • サイゴン・ティをもう一杯
    -
    行きずりの恋から同棲し、奇妙な花屋をはじめたイサムとアンナは、演劇で挫折した者同士でもあった。彼らのあやふやで頼りなげな日常と、二人を取り巻く人間関係の濃淡。それはバラのブラック・ティや戦時下のサイゴンの酒場にあったサイゴン・ティの、妖しさや虚飾ぶりにも似ていた。やがてアンナは妊娠して……。時の流れに身をまかせる男女を通して、日常の側面に光をあてた都会小説。ベトナム戦争世代の心情をデリケートに描く野心的作品。
  • S&Gグレイテスト・ヒッツ+1 ──橋本治短篇小説コレクション
    -
    誰かを好きだと言ってしまいたくて、誰かを嫌いだと言ってしまいたくて、でも、それがとても恐いことを招きよせてしまうような気がして──。甘えと優しさが毀れると、その向こう側には闇と憎悪がぽっかり口をあけている。サイモンとガーファンクルの名曲にのせて、80年代の「青春」の重さを描く15の物語。
  • 幸いは降る星のごとく
    3.0
    ときは1990年代前半、“女芸人ブーム”前夜。東京の国立大学に通う真名子は、幼なじみの貴子とお笑いコンビ「モンスーンパレス」を結成した。自らの不美人を認識しない真名子と、世間ズレしたOL志望の貴子。笑いとは縁遠い生活を送ってきた彼女たちが、なぜその世界に入り、どう生き延びていったのか。時代によって作り出された“女芸人”の先駆者となる四人の女性の悲哀と幸福を描いた長編小説。
  • さすらい波太郎 再会遠州灘
    -
    下田、西伊豆、浜名湖から北海道へ! 釣り対決に美女が加わり、壮絶な冒険行! 魚に対する敬意と海への愛情ロマン! ――鯛釣り名人・波太郎は、アメリカから戻ると、下田から西伊豆、浜名湖へと、修行の旅を続ける。沖泊り源平とのカツオ釣り勝負は、写真家と地元漁師が加わって、大波乱。負けた方が陸(オカ)に上がる条件で、再び対決を迎えるが、事態は一変。美女・暁子と波太郎は、北海道へ飛ぶ。魚に対する敬意と海の愛し方を説く、真の男の冒険行!
  • さすらい波太郎 相模湾慕情
    -
    海を愛する男の、恋と釣り修行のひとり旅! 波乱に満ちた釣り師の海洋ピカレスク! ――美女・暁子と再会したのは、真鶴。放流された鯛モドキをコマセで釣る船の前で、本物の腕を披露した武者修行中の波太郎は、暁子の前で名人沖泊りの源平に挑戦する。勝負は「忍法墨流し」。敗れた波太郎は、再挑戦を約束して、アメリカ西海岸へ旅立つ。最近の誤った釣りブームを痛烈に批判して大好評の、海洋冒険小説。
  • さすらい波太郎 房州沖純情
    -
    海を愛するがゆえの痛烈な釣り客批判! 名人・波太郎の恋と冒険の武者修行の船出! ――「釣りの腕では誰にも負けぬ」と自信たっぷりの「四本竿の波太郎」の船へ現れた美女は、沖泊り源平の娘・暁子だった。源平からの挑戦を受けて立った波太郎は、故郷・千葉の港から、各地の名人を訪ねる修行の旅に出る。目指すのは、東京湾の対岸から小坪。暁子との再会は、思わぬ展開となった。痛烈な文明批評にあふれた海洋譚!
  • 里見八犬伝
    4.3
    『里見八犬伝』は、江戸時代の読本作家・曲亭馬琴が、28年の年月と失明の不運をのりこえて完成させた全106冊にも及ぶ大伝奇小説だ。悪と戦う正義の犬士たち、義のために犠牲となる女たちが織りなす波瀾万丈の物語は、エンターテイメント小説の原点として尽きない魅力を放つ。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
  • さらしなにっき
    3.5
    「小さかった頃にはまだ町ん中に原っぱがあって……」先輩の原口さんが、呑み屋で知り合った男と思い出話に意気投合しているのを、ぼくはぼんやりと聞いていた。中年男二人の他愛ない話と思っていたのだが、その日から原口さんはおかしくなっていった――少年時代の記憶に潜む恐怖を描いた表題作ほか、130年ぶりに地球に戻った宇宙飛行士の過酷な運命を物語る「ウラシマの帰還」など、美しくも哀しい8篇を収録したSF作品集。
  • 三匹の蟹・青い落葉
    -
    存在の孤独と愛の倦怠のただ中にある「現代の生」。……そのこわれてしまった姿を、乾いた抒情のうちに残酷に啓示して、芥川賞を受けた「三匹の蟹」。それに、三部作〈構図のない絵〉〈虹と浮橋〉〈蚤の市〉より成る、もの憂さ漂う青春への訣別の詩「青い落葉」を収めた、大庭文学の不朽の名作。
  • 三陸海岸大津波
    4.2
    その時、沖合から不気味な大轟音が鳴り響いた――「ヨダだ!」大海嘯ともヨダとも呼ばれる大津波は、明治29年、昭和8年、昭和35年の3度にわたって三陸沿岸を襲った。平成23年、東日本大震災で東北を襲った巨大津波は「未曾有」ではなかったのだ。津波の前兆、海面から50メートルの高さまで上り家々をなぎ倒す海水、家族を亡くした嘆き、地方自治体の必死の闘い…生き延びた人々の貴重なインタビューや子どもたちの作文が伝える、忘れてはいけない歴史の真実。
  • ざぶん 文士温泉放蕩録
    3.0
    日本の近代文学は湯ぶねの中から生まれた。東に締め切りから逃げてくる先生あれば、西に世を忍び不倫に走る作家あり。温泉は時に彼らを癒し、時に虜にする。夏目漱石、森鴎外から川端康成まで。知られざるエピソードを混じえながら、古き良き時代の温泉とそこに遊ぶ文士たちの交流を描く、異色温泉小説。
  • 七人のトーゴー
    3.0
    七十億円を稼いだリングの悪役、グレート・トーゴーをはじめ、第二次大戦直後、アメリカで人気を呼んだ日系悪役レスラーたちの消息を求めてハワイに行った主人公が、プロレスの世界に仮託してみずからの想いを重ねあわせる表題作をはじめ、プロレスという虚実の境目に実人生の機微を鮮やかに浮かび上がらせた「覆面剥ぎマッチ」、「セメントの世界」「クレージー・タイガー」「奈落の案内人」「ひとりぼっちのツアー」の異色短篇小説六作を収録する。
  • 失楽園の向こう側(小学館文庫)
    4.1
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 21世紀は「楽園」が失われた世界だ。そんな今をどう生きるか? 答えは「カイシャ」の外にある。IT長者の転落もニートの増加もすべて予見した希望再生の人生指南書。
  • 死顔
    4.0
    1巻451円 (税込)
    生と死を見つめつづけた作家が、兄の死を題材にその死生観を凝縮させた遺作。それは自身の死の直前まで推敲が重ねられていた──「死顔」。明治時代の条約改正問題とロシア船の遭難事件を描きながら、原稿のまま残された未定稿──「クレイスロック号遭難」。さらに珠玉の三編を合わせて収録した遺作短編集。著者の闘病と最後の刻を夫人・津村節子がつづった「遺作について」を併録。

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  • 死ぬための教養
    3.2
    死の恐怖から逃れるための最大の処方箋だった宗教が力を失った今、「死を受け入れる」ために必要なものは、「教養」だけである。宇宙論から闘病記まで、5度も死にかけた著者が46冊を厳選! 「死」をまじめに考えるための、究極の読書のすすめ。

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  • 島抜け
    4.0
    読んだ講釈が幕府の逆鱗に触れ、種子島に流された大坂の講釈師瑞龍。島での余生に絶望した瑞龍は、流人仲間と脱島を決行する。丸木舟で大海を漂流すること十五日、瑞龍ら四人が流れついた先は何と中国だった。破船した漂流民と身分を偽り、四人は長崎に送り返される。苦難の果て、島抜けは見事に成功したかに思えたが……。表題中篇をはじめ、「欠けた椀」「梅の刺青」の三篇を収録。

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  • 上海醉眼
    -
    「ワンダー・シティ上海」の魅力のすべて描く! ダンスホ-ル、ジャズバンド、サ-カス、浴場、料理屋、上海ガニ……ーー体験した記憶もない者に、ノスタルジアという世界を与える。上海は、日本人の躯の奥から、何か妖しい夢を誘い出さずにはおかない街のようだ。この街に溶け込むには、酔眼をこらし、躯のゆれに身をまかせるしか方法はない……。作家の眼と写真家の眼が絶妙に交差して織りなす、上海Shanghaiのイメージ。港町・上海に吹く妖しい風を見事に把えた傑作。
  • 上海ララバイ
    -
    「私は、一瞬ともいえるあいだに見せた母の強いけはいにたじろいだ。そして、自分と母とのあいだにピンと張られた糸が、巨大な指の爪先にビンとはじかれたような幻想におちいった――」母と私がはじめて会ったのは高校卒業の直前だった。新聞の上海特派員だった父は私の誕生前に腸チフスで死に、母は祖父・村松梢風の意志で、祖父の籍に入れられた私を残して他家へ嫁いだのだ……。不安定な思いを抱きながら母とともに、幼児期を過ごした千駄ヶ谷の家を探し、上海を訪ねる自伝的長篇。
  • 宗教なんかこわくない!
    3.9
    宗教とは、この現代に生き残っている過去である――だから、「宗教とはなんなのか?」ということを考えるのだとすると、その過去の集積=歴史を頭に入れなければならない。――オウム真理教事件を契機に、日本人が本当の「近代」を獲得するために著者が宗教について真っ正面から取り組んだ一冊。「信仰」「思想」「主義」「歴史」とは? 「ものを考えること」とは? 新潮学芸賞受賞作。
  • 小学館版 学習まんが人物館 ファーブル
    -
    虫のことばを聞いた詩人ファーブル! 昆虫の観察や実験を積み重ね、晩年、「昆虫記」全10巻を完成させた博物学者の偉大な業績。 貧しい農家に生まれたファーブルは、野原で寝るような少年労働者から、独学で学校へ入学、ついには助教授に。そして晩年の55才から代表作昆虫記を書き始め、84才の高齢で全10巻を完成させた。 <シリーズ説明>政治家、武将、科学者、まんが家など、知っておきたい日本と世界の人物をまんがと解説で紹介。貴重な資料をもとに、綿密な時代考証で裏うちし、それぞれの輝かしい生涯をシナリオライターとまんが家の共同作業で忠実に再現しています。 この作品の容量は、62.1MB(校正データ時の数値)です。 【ご注意】  ※本書電子版には、底本の資料編は掲載されていません。 ※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 ※この作品は一部カラーが含まれます。
  • 彰義隊
    3.5
    皇族でありながら、戊辰戦争で朝敵となった人物がいた──上野寛永寺山主・輪王寺宮能久親王は、鳥羽伏見での敗戦後、寛永寺で謹慎する徳川慶喜の恭順の意を朝廷に伝えるために奔走する。しかし、彰義隊に守護された宮は朝敵となり、さらには会津、米沢、仙台と諸国を落ちのびる。その数奇な人生を通して描かれる江戸時代の終焉。吉村文学が描いてきた幕末史の掉尾を飾る畢生の長篇。

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  • 少女架刑・透明標本 吉村昭自選初期短篇集(全)
    -
    1巻1,848円 (税込)
    『戦艦武蔵』以前の吉村文学の中核をなす自選短篇集。太宰治賞受賞作「星への旅」、 三島由紀夫が激賞した「死体」、芥川賞候補作「鉄橋」「透明標本」など、一九五二年から六六年までの十四編を収める。〈巻末エッセイ〉「遠い道程」。〈解説〉荒川洋治 ■目次 死体/青い骨/さよと僕たち/鉄橋/服喪の夏/少女架刑/星と葬礼/墓地の賑い/透明標本/電気機関車/背中の鉄道/煉瓦塀/キトク/星への旅/〈巻末エッセイ〉遠い道程
  • 少女架刑 吉村昭自選初期短篇集I
    4.2
    1巻924円 (税込)
    徹底した取材と綿密な調査に基づく重厚な歴史小説で知られる作家・吉村昭。その文学的出発点を示す自選短篇集(全二巻)。第Ⅰ巻には表題作のほか、三島由紀夫が激賞した「死体」、初の芥川賞候補作「鉄橋」など、一九五二年から六〇年までの七編を収める。巻末にエッセイ「遠い道程」を付す。 【収録作品】 死体/青い骨/さよと僕たち/鉄橋/服喪の夏/少女架刑/星と葬礼
  • 少女論
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 成女でもなく童女でもない、男でもなく女でもない──少女たちの蠱惑的な魅力としたたかな魔力を多彩に描き、少女の現在を読み解く刺激的な論考。都市に浮遊する記号、ナゾに満ちた彼女たちの身体に迫る。総勢13人による共同執筆。

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  • 小説の如く奇なり
    -
    事実が小説よりも面白い、というのは間違いだ。小説のように面白い、と考えるのが正当ではないか。作家の自負心から、小説という虫メガネで事実をとらえてみたいと志した著者が、札幌の屋台、元横綱の断髪式、温泉場の芸者さん、能古島の愉しい漁師、シンガポールのラッフルズ・ホテルなどをたずね歩いた、出色の読みもの12編。奇なる事実の背後にある小説的なおもしろさを、作家の自負をこめ作家の目で捉え、ユニークな題材に挑んだルポルタージュ!
  • 掌篇歳時記 春夏
    3.3
    麋角解(さわしかのつのおつる)、東風解凍(とうふうこおりをとく)、桃始笑(ももはじめてわらう)――あまりにも美しい、四季を彩る"季節の名前"。古来伝わる「二十四節気(にじゅうしせっき)七十二候(しちじゅうにこう)」に導かれ、手練れの十二人がつむぐ匂やかな小説集。
  • 嵐山光三郎の徒然草・三木卓の方丈記 シリーズ古典(2)
    -
    2~8巻1,100~1,155円 (税込)
    嵐山・三木、両氏の手による随筆の名品。鎌倉時代に書かれた随筆文学の名品2作。嵐山光三郎・三木卓の名手ふたりが、それぞれの持ち味をいかして料理した現代語訳。この一冊でその魅力を堪能。
  • 白い遠景
    5.0
    終戦を境にして戦時中から著しく変化した人間の不可解さを見きわめることを出発点とした吉村文学。現地に足を運び、戦争の生存者の声に耳を傾けた記録。また、大切な古本を庭に埋めて空襲から守った思い出や、文学とはなにかを学んだ「暗夜行路」の舞台を巡る旅など、作家の原点を浮彫りにした初期随筆集。
  • 素人庖丁記 カツ丼の道篇
    -
    料理の本質は暴力である。あくなき探求心と好奇心と殺気と、どうしようもない食への飢餓心が、人間を料理へとかりたてる。カツ丼の道にはじまり、温泉玉子の冒険、松茸のモモヒキ、千円札のテンプラなどを経て、耕治人夫人の料理に至る、絶妙のエッセイ16篇。ペンを庖丁に持ちかえ、全存在をかけて料理を作る!
  • 深海の使者
    3.8
    インド洋を横切り、アフリカ大陸を回りこんで大西洋を北上する3万キロの隠密行! 第二次大戦中、五回に渡って行われた遣独潜水艦作戦の全貌を描いた著者最後の戦史小説 太平洋戦争勃発後、連合国側に陸路・海路を封鎖され、日本と同盟国ドイツとの連絡は途絶した。この苦境を打破するため、海軍は潜水艦を単独でドイツに派遣する“遣独潜水艦作戦”を敢行した。 マラッカ海峡を抜けてインド洋を横断し、アフリカ大陸を南下、喜望峰を回りドイツ占領下フランスの大西洋岸の港まで、はるか3万キロを連合国側の厳重な対潜哨戒網をかいくぐって往復するという、過酷極まりない作戦。 伊30、伊8、伊34、伊29、伊52。五次に渡る作戦の中で、無事に日本に帰還したのは第二次の伊8一隻に過ぎなかった。 「文藝春秋」連載中から大きな反響を呼び文藝春秋読者賞を受賞。そして本作が著者最後の戦史小説となった。 解説・半藤一利
  • 神州日月変(上)
    1.0
    江戸で評判の美女が次々神隠しにあった。娘達はすべて十八歳で人気絵師清春の姿絵になったという共通点があった。事件を追う同心古河雷四郎を取巻く妖気の正体は。(講談社文庫)
  • 心中天浦島
    4.0
    テオは17歳、アリスは5歳、そして二人は出会った。しかし、スペースマンと地上人の時の流れは平等ではない。22歳のテオは18歳のアリスと結婚したのだが、二人を近づけた相対性理論のいたずらが、いつしか二人を引き離し、ついにテオを遺してアリスはこの世を去った。だが、それも恐ろしい悲劇の序曲に過ぎなかったのだ! 異様なシチュエーションの生んだ悲恋の物語を描いた表題作ほか、異星生物との心暖まる交流をつづる「遙かな草原に……」など、本格SF全7篇収録。
  • 新装版 海も暮れきる
    値引きあり
    4.2
    「咳をしてもひとり」「いれものがない 両手でうける」――自由律の作風で知られる漂泊の俳人・尾崎放哉は帝大を卒業し一流会社の要職にあったが、酒に溺れ職を辞し、美しい妻にも別れを告げ流浪の歳月を重ねた。最晩年、小豆島の土を踏んだ放哉が、ついに死を迎えるまでの激しく揺れる八ヵ月の日々を鮮烈に描く。(講談社文庫)
  • 新装版 消えた鼓動 ――心臓移植を追って
    4.0
    医療だったのか、殺人だったのか――深い疑惑につつまれる「和田心臓移植事件」の全貌。札幌を基点とし、南アフリカ、アメリカでの綿密な取材を背景に、犀利な作家の眼によって「事件」を克明に描きつつ、医師のモラルを告発し、人間性の所在を証言する迫真のドキュメント。
  • 新装版 白い航跡(上)
    値引きあり
    4.0
    薩摩藩の軍医として戊辰戦役に従軍した高木兼寛は、西洋医術を学んだ医師たちが傷病兵たちの肉を切り開き弾丸を取り出す姿を見聞し、自らの無力さを痛感すると同時に、まばゆい別世界にあこがれる。やがて海軍に入った兼寛は海外留学生としてイギリスに派遣され、抜群の成績で最新の医学を修め帰国した。(講談社文庫)
  • 新装版 日本医家伝
    -
    シーボルトと遊女・其扇(そのおうぎ)の間に生まれ、女でありながら医学の道を志した楠本いね、「解体新書」翻訳の偉業を成し遂げた前野良沢、ロシヤ抑留中に種痘法を習得した中川五郎治など、後に著者によって長編として描かれた人物を含む、わが国近代医学の先駆者である12人の医家たちの苦難の生涯を描きだす傑作短編集。
  • 新装版 北天の星(上)
    5.0
    鎖国令下、ロシア艦が蝦夷地に来襲。五郎治と左兵衛は、オホーツクへ連れ去られた。極寒の地で待ち受けていたのは、貧困と差別、そして言葉と文化の大きな壁であった。日本へ帰るため逃亡をくわだてるが、いまや故郷は遠い。容赦ない寒気と苦難の旅路が始まった 。大スケールの傑作歴史長編。
  • 真・天狼星 ゾディアック1
    5.0
    1~6巻550~764円 (税込)
    新宿で発見された少女3人の死体は、血を抜き取られ、バラバラに継ぎ合わされていた。同様の事件は日本各地でも起こっていた。少女たちの間で密かに流行する「ゾディアック・カード」との関連は? 魔人シリウス復活の予感に、伊集院大介は戦慄する。宿敵との最後の闘いが始まった。全6巻シリーズ第1弾。(講談社文庫)
  • 真・天狼星 ゾディアック 全6冊合本版
    -
    新宿で発見された少女三人の死体は、血を抜き取られ、バラバラに継ぎ合わされていた。その東京ヴァンパイヤ事件同様の猟奇事件が日本各地で勃発。少女たちの間で秘かに流行する「ゾディアック・カード」との関連は? 謎のバンド「ゾディアック」のライブで何が!? 魔人シリウス復活の予感に、伊集院大介は戦慄する。ミュージカル・スターになった竜崎晶が次なる標的に!? そして宿敵との最終決戦に挑む、名探偵伊集院大介!
  • 新・天狼星ヴァンパイア(上)
    4.7
    1~2巻660~691円 (税込)
    誘拐された少女3人の死体は、血が抜かれた上に、残酷な仕掛けがなされていた。ミュージカルのオーディジョンを受けた日、竜崎晶はN.Y.の吸血殺人鬼の事件を知らされる。ついにヴァンパイアが東京上陸か?迎え討つ名探偵・伊集院大介。最大の敵、殺人鬼・刀根一太郎と魔人・シリウスが復活したのか!?(講談社文庫)
  • 新廃線紀行
    4.0
    1巻880円 (税込)
    廃線旅行は、鉄道の歌枕を訪ねる旅である――。“現代の芭蕉”嵐山光三郎が、消えた鉄道の残影を求め、全国26路線を踏破する痛快紀行。重要文化財を擁する絶景廃線に、ご当地グルメと温泉を堪能する極楽廃線、追悼旅行で訪れた朽ちゆく思い出のローカル線……。苔生した線路を辿ってみれば、よみがえるのはムカシの匂い。読めばあなたも、きっと廃線の虜になる。
  • 自宅の妾宅
    -
    妻公認の妾を敷地内のアパートに囲った男には、既に3人の愛人が……。さらに新たにもう一人と、夢のような日々のはずが……。女の執念と男の妄想を描く表題作をはじめとして、現実より実感のある不思議な夢に取りこまれ、夢の世界を生き始める男。現実と夢の狭間に入りこんだ男たちの姿を描く異色短篇集!
  • 時代の動かし方 日本を読みなおす28の論点
    -
    政治・経済から歌舞伎、恋愛、アートや相対性理論まで、各分野で活躍中の著者28名が「これだけは言っておきたい!」ことをテーマに執筆。 次々新しい出来事が起こっても、時間は地続き。情報の波にのまれそうになったら、これら28個の視点を、前に進むとき、考えるときの指針にしてください。 【収録作品(一部)】 飯田泰之 日本経済にまず“実力通り”の力を発揮させよ 生島淳 東京オリンピックもWCラグビー日本大会もすぐにやってくる 大栗博司 まさか毎日アインシュタインのお世話になるとは 沖田×華 北陸新幹線開通でおとずれた幸せと誤算 開沼博 『福島第一原発廃炉図鑑』が埋める「空白」 國分功一郎 無人島をどう生き延びるか? コグマ部長 仕事始めにテンションの上がる読書案内 今野晴貴 本当に恐ろしい「奨学金」という時限爆弾 坂口孝則 万全のリスク管理は無理だと認める勇気を持とう 佐藤慶一 “分散型”が進むメディア業界ではWebライター/編集者の“身体性”が鍵を握る 辛酸なめ子 印象に残ったフェス10選 鈴木大介 貧困問題をオワコン化するな! 武田砂鉄 2016年に求められるのは、「五郎丸ピケティ」的な語感 中川右介 海老蔵をもっと歌舞伎座に――これにつきる 中田考 難民問題が“先進国”に突きつけたもの 中村淳彦 2015年、介護という社会保障は破綻した 速水健朗 聖子とマッチとハムスターとしての僕たち 久田将義 山口組分裂で抗争勃発?乗じて半グレがのし上がる? 北条かや 上司の方々、『タラレバ娘』にきちんと向き合って下さい。 ※本作品は「幻冬舎plus http://www.gentosha.jp/」で連載した“言っておきたい!!2016”の記事をまとめたものです。
  • 事物はじまりの物語
    3.8
    「解剖」「スキー」「石鹸」「洋食」「アイスクリーム」「傘」「国旗」「幼稚園」「マッチ」「電話」「蚊帳・蚊取り線香」「胃カメラ」「万年筆」の十三編のはじまりの物語。そのひとつひとつに歴史があり、人の営みがある。江戸から明治にかけて、人々は苦労して新しいものを取り入れ、初めてのものを作りだした。三十年以上歴史小説を書きつづけてきた著者が豊富な史料を駆使して書いた新鮮な驚きが溢れる物語。
  • 十二ヶ月 栗本薫バラエティ劇場
    -
    1巻715円 (税込)
    SF、ミステリー、時代小説、捕物帳など12のジャンルを書き分けた若き日の栗本薫の才気に満ちた短編集。 未曾有の超大作グイン・サーガで知られる栗本薫が、12ヶ月にわたって小説新潮誌に連載した、12のジャンルを書き分けた作品集。 疑惑が疑惑を呼び狂気へとひとりの男を駆り立てる心理ミステリー「犬の眼」。手練れの時代小説作家もかくやと思わせる佳品「おせん」。軽妙な文体をあやつりつつ、圧倒的な筆力でラストの哀切へと雪崩れこむ青春小説「公園通り探偵団」。そして巻末を飾るグイン・サーガ外伝など、若き栗本薫の才気が爆発する。 【目次】 まえがき 一月/犬の眼〈心理ミステリー〉 二月/おせん〈時代小説〉 三月/保証人〈社会ミステリー〉 四月/紅〈芸道小説〉 五月/夜が明けたら〈青春小説〉 六月/忘れないで〈SF小説〉 七月/公園通り探偵団〈風俗小説〉 八月/離魂病の女〈捕物帳〉 九月/嘘は罪〈都会派恋愛小説〉 十月/ガンクラブ・チェックを着た男〈本格推理〉 十一月/五来さんのこと〈私小説〉 十二月/時の封土〈ヒロイック・ファンタジイ〉 十三月/あとがき 【著者】 栗本薫 1953年東京生まれ、2009年に病没。1977年に群像新人文学賞評論部門を、1978年に江戸川乱歩賞を受賞して文壇デビュー。1981年には吉川英治文学新人賞を受賞。小説は栗本薫名義で、評論などその他の活動は中島梓名義で発表する。正伝130巻、外伝21巻のグイン・サーガ・シリーズ始め、SF、ミステリー、時代小説、耽美小説などさまざまなジャンルに渡る400点を越える著作が刊行された。
  • 殉国 陸軍二等兵比嘉真一
    4.6
    14歳の少年は、何を見たのか。 少年の体験を通して、すさまじい沖縄戦の実相をつぶさに描いた長篇小説。 「郷土を渡すな。全員死ぬのだ」 太平洋戦争末期、沖縄戦の直前、中学生にガリ版ずりの招集令状が出された。小柄な14歳の比嘉真一は、だぶだぶの軍服の袖口を折って、ズボンの裾にゲートルを巻き付け、陸軍二等兵として絶望的な祖国の防衛線に参加する。 実在の人物の体験を、ことこまかに聞きとり、特異な事実をそっくりそのまま写し取った外面的リアリズムが、読む者の胸を強く打つ。 1991年に刊行された文庫本の新装版。元本は、累計102000部のロングセラー。 解説・森史朗 ※この電子書籍は、1911年11月に文春文庫より刊行された文庫の新装版を底本としています。単行本は1982年6月に筑摩書房より「陸軍二等兵 比嘉真一」として刊行されました。
  • 淳之介流 ――やわらかい約束
    -
    性を通して人間の本質を追究し、文壇の第一線を歩み続けた作家・吉行淳之介。ダンディズムの奥底にあるしたたかな色気と知られざる魅力。病気、世間、文壇、スキャンダルの大津波の中を切り抜けた、怪しくも妖しい文士の姿とは? その作品と人物像の行間を炙り出す渾身の書き下ろし、待望の文庫化!

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  • 巡礼(新潮文庫)
    3.8
    1巻539円 (税込)
    男はなぜ、ゴミ屋敷の主になり果てたのか? いまはひとりゴミ屋敷に暮らし、周囲の住人達の非難の視線に晒される男・下山忠市。戦時中に少年時代を過ごし、昭和期日本をただまっとうに生きてきたはずの忠市は、どうして、家族も道も、見失ったのか――。誰もが顔を背けるような現在のありさまと、そこにいたるまでの遍歴を、鎮魂の光のなかに描きだす。橋本治、初の純文学長篇。
  • 浄瑠璃を読もう
    4.2
    江戸時代に隆盛した一大文学ジャンル浄瑠璃。その登場人物は驚くほど現代人に似ている。『仮名手本忠臣蔵』『義経千本桜』から『冥途の飛脚』『妹背山婦女庭訓』まで、最高の案内人とともに「江戸時代的思考」で主要作品を精読。「お軽=都会に憧れてOLになった田舎娘」など、膝を打つ読み解きが満載。浄瑠璃の面白さを再発見!

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  • 人工島戦記 ――あるいは、ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかのこども百科
    -
    1巻10,780円 (税込)
    構想30年!! 橋本治が挑んだ、空前絶後・前代未聞の全体小説、3000枚超の遺稿と共に遂に刊行! 千州最大の都会である比良野市では、志附子湾を埋め立てて「人工島」を作る計画が着々と進んでいた。それを知った国立千州大学二年生のテツオとキイチは、すでにある市民運動に共感することが出来なかったので、新しい反対運動を立ち上げる。彼らにとって唯一ピンと来るのは、「人工島? そんなのいらないじゃん」という、そのことだけだったのだ。大学ではテツオとキイチを中心に同好会が組織され、人工島建設への反対運動が動き始めるが、話はやがて彼らの父母、祖父母、兄弟、近所の人々の人生にまで脱線し、街全体の歴史とそこで生きる人々の姿が浮かび上がっていく。架空の地方都市を舞台に、この国の姿を描いた未完の大長編!! 創作の秘密を明かす500枚を超える「人名地名その他ウソ八百辞典」と、本作品の舞台である架空の街、比良野市及びその周辺について著者自身が描いた「人工島戦記地図」付。
  • 水滸伝
    -
    燃えあがる「不良」たちの熱き魂! 高い志をもちながら、社会からはみだし、梁山泊に集った「ならず者」たち。その数、108人。民をしいたげる悪徳官僚たちに、敢然と反旗をひるがえした豪傑たちの活躍をえがく、中国が生んだ熱血大河ドラマ。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
  • 青春つーのはなに?
    4.0
    センスは服を買うときだけ必要なものじゃない。立派にセイシュンするのにも、すぐれたセンスは欠かせない――というわけで、学校では教えてくれない学問論、愛情論、教養論、常識論を開講する。独断と毒舌パロディに満ちた饒舌エッセイ集。
  • 精読 学問のすゝめ
    4.0
    「天は人の上に人を造らず」の有名な書き出し。『学問のすゝめ』なのに、なぜこんな一文から始まるのか? 諭吉が挙げた学ぶべき5科目の説明が、あっという間に終わるのはなぜなのか? それより膨大に費やされている話は一体……? 明治初期に刊行され、20万部のベストセラー、日本が太平洋戦争で負けた後に再び読まれ、いまも売れ続ける名著の謎をズバリ解く。全十七編のうち、すべての肝は初編にありと見抜いた著者が、その一文一文を噛み砕き、時代背景から文章の飛躍の意味まで懇切丁寧に解きほぐしてしまった型破りな解説本。
  • 性のタブーのない日本
    3.6
    「目が合う」ということと「セックスをする」ということの間に大きな一線がなかった古代。「優雅な恋物語の世界」と思われがちな平安時代ですら、文学や絵巻物からは、強烈な「人間生理」とともに世界を認識していた日本人の姿が浮かび上がる。歌舞伎や浄瑠璃の洗練されたエロチック表現や、喜多川歌麿の錦絵に見られる独特な肉体観など、世界に類を見ない、性をめぐる日本の高度な文化はいかに生まれたのか? 西洋的なタブーとは異なる、国民の間で自然発生的に理解されていた「モラル」から紐解く、驚天動地の日本文化論。【目次】タブーはないが、モラルはある Introduction――現代の日本に性表現のタブーはあるのか?/第一章 それは「生理的なこと」だからしょうがない/第二章 「FUCK」という語のない文化/第三章 男の時代 ※カラー口絵は未収録となります。
  • セイレーン
    5.0
    2586年、高は《彼女》にはじめて出会った。それはスペースマンたちの伝説として語られた魔女セイレーン。そして1979年、《セーラ》は歌謡界に彗星のようにデビューを飾った。彼女はそれまでのありとあらゆる記録を書きかえつつ、まさに異常としかいえぬ人気を集めていったが……。しかし、同時に発生する狂気に駆られた人々の起こす事件は何をあんじするのか!? 表題作ほか、人類のあり方をSF的なシチュエーションにとらえ直して描いた「Run with the Wolf」を併録、江戸川乱歩賞受賞でミステリ界に衝撃的な登場をした著者のSF第1作品集。
  • 「世間」心得帖
    -
    「社会学部はあっても世間学部はなくて、世間そのものは厳然としてあるのだった。世間は学問のレベルをはるかに超越した虚空にあるものと思えた」。若き日に学んだ「世間」、万華鏡のように千変万化する文士的「世間」、夫婦の、老人の…変遷するこの不可思議なものを追いながら、巷に潜む「世間」を描く。博識と豊富な経験とユーモアが横溢し、熟達の筆が明らかにする「世間」の姿とは。
  • 背中の勲章
    4.0
    1巻506円 (税込)
    昭和17年4月18日――太平洋上の哨戒線で敵機動艦隊を発見した特設監視艇・長渡丸の乗員は、玉砕を覚悟で配置につき、死の瞬間を待った。けれども中村一等水兵以下五名は、米軍の捕虜となり、背中にPWの文字のついた服を着せられて、アメリカ本土を転々としながら抑留生活をおくった――。運命のいたずらに哭く海の勇士の悲しい境涯を通して描く、小説太平洋戦争裏面史。

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