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Posted by ブクログ
江戸時代の読本作家、曲亭馬琴が28年もかけて書き上げた、長編ファンタジー。一度は読んでみたいと思いながら、古文ということそれ以上に膨大な長さを思うと現代語訳でも手を出せないでいた。
そこで見つけた、この少年少女古典文学館シリーズ。元々は1993年に出された本の再編集。栗本薫編訳、監修は司馬遼太郎、田辺聖子、井上ひさしと皆既に他界された大家ばかり。
読みやすい現代語訳でありながら、古文調の言葉にはいちいち傍注を付けてくれている。「鎧」「むしろ」など昔の物が出てきたときにも、本文上部の口絵欄に絵付きで解説がある。所々に見開きカラーの挿絵ページ。贅沢な作りである。
物語は勧善懲悪で分かりやすい。南総里見家の息女伏姫の胎内から八方に飛び散った八個の玉に記された八つの文字、「仁義礼智忠信孝悌」それぞれの玉をもって生まれ出た八人の勇士が、巡り合い、共に戦うヒーロー物。
ページ数の関係で、この本では六人目までの勇士が登場するところで区切りを付けられ、後はあらすじの紹介であったが、この本に巡り合わなければ、長い里見八犬伝の触りも知らずに生涯を終えていただろう。
ただの現代語訳ではなく、小説家栗本薫さんによって描かれたワクワクする物語であった。元は百巻以上あったもの(猫丸さんによると一巻10頁くらいだったそうだが)。今のようにテレビドラマもないし、出版物で溢れ返っている世の中でもない、江戸時代の人たちは、次巻が出るのを心待ちにして読んでいたのだろうな、自分で読むことも出来ず、読んで貰っていた人も多かったかもしれない。馬琴さんは途中で失明し、元は読み書きの出来なかった奥さんに代筆して貰って仕上げたらしい。そんなドラマのような制作模様や当時の読者にも思いを馳せて読んだ。
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