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「ぼくは、ゲルニカっていう本を読んだんだよ。その中に、ちょっと、おもしろい…というか、気にひっかかることがあったんだ」TVディレクターの安田修平は、ふとしたことから、日本がすでに戦争状態にあるのではないかという疑惑にとらわれた。しかし、妻も同僚も一笑に付して相手にしようとはしない。心を閉ざし、何かにおびえ、見えざる影に追われる修平。「戦争ははじまってるんだ…いまは戦時下なんだ。…皆、見ないふりをしてごまかしてる…そうなんだろう?」おそるべき感性で、見えざる恐怖を鮮やかに描き出した問題長篇!
...続きを読むPosted by ブクログ 2012年06月25日
オーウェルの1984を読み、これを読んだのが高校生の時。ピカソのゲルニカを見たくてスペインに留学し、改めていろいろ考えた本。何が狂気で何が正常なのか。ベクトルは違うが伊藤計劃の作品と通じる気もする。
結局自分は正常や普通という言葉に違和感を感じるんだろう、それを表現している本に会うのが好きなのだろう...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年04月01日
ヨーゼフ・ゲッベルスの思想的末裔たる
現代マスメディアに奉仕する主人公は
くだらないイメージの切り貼りに終始するTV屋の仕事に
内心疑問を抱き、誇りを失ってしまったのか
なんの脈絡も持たず最終戦争の開幕に怯えはじめ
恐怖を共有することでのみ人々の心はひとつになると信じる
寂しさ
それゆえにどこかで待...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年01月22日
ゲルニカ,エグゾゼ,1984年(オーウェル)という要素が、どう重なっているかよくわからなかった。
1960年代に「1984年」という作品を読んで、将来が不安になったことがあるので、栗本薫の書いていることには思い当たることもある。
ゲルニカには行った事がないことと、現物をゆっくりみたことがないので...続きを読む
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