歴史・時代 - 講談社文庫作品一覧

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  • 新装版 大坂侍
    4.0
    儲からないことするヤツはアホや! 明けても暮れても金、金の大坂では武士道も額面通りには通らない。義のために突き進もうと、鳥居又七は江戸の彰義隊に参加したが……。幕末大坂の武士と町人の気風を語る表題作の他、いずれも、上方の心意気を軽妙な筆致で描き、意外な結末が魅力の好短編5本を収録。
  • 新装版 おれは権現
    3.9
    戦国時代、それは苛酷残酷な時代であると同時に、気宇壮大な時代でもある。だからこそ、常識を常識とせず、天衣無縫、奇想天外に生涯を送る人物が輩出したのだ。超人的武勇の裏の意外な臆心、度はずれに呑気な神経の持ち主のじつは繊細な真情。戦国時代人の剛毅闊達にして人間味あふれる短編7編を収録。
  • 新装版 顔十郎罷り通る(上)
    -
    おそろしく長い顔とその中央に盛りあがった巨大な鼻、一度見たら忘れられない顔である。本名は誰も知らない。自称・顔十郎。酒と女をこよなく愛し、名誉や義理は大嫌い。金のためにはどんな危険な仕事も引き受ける、浮世の常識の埒外で生きる素浪人だ! ダーティーヒーローの剣が冴えまくる痛快大活劇。(講談社文庫)
  • 新装版 和宮様御留
    値引きあり
    4.1
    攘夷か開国かで二分された国論を調停するために、皇妹・和宮は徳川将軍家に降嫁せよと勅命を受ける。彼女の身代りとされた少女フキは何も知らされないまま江戸へ向かう輿に乗せられる――。大義によって人生を翻弄された女たちの矜持を描き、犠牲になった者への思いをこめた、有吉文学を代表する不朽の名作。
  • 新装版 風の武士(上)
    3.6
    伊賀忍者の末裔で貧乏御家人の次男坊・柘植(つげ)信吾は、小さな町道場・無一流指南練心館で代稽古を務めていた。ある日、道場に赴くと、用人格の老人が刺殺されていた。多くを語らない道場主と娘のちの。しかしこれが、巨万の財宝が秘蔵されているという熊野の隠し国・安羅井(やすらい)をめぐる壮絶な戦いの始まりだった。
  • 新装版 活路(上)
    3.0
    小普請組の晴気竜行(はるけたつゆき)は友のため、刺客を引き受ける。果たせば堀田兵庫を座敷牢から救い出せる。延寿国村(えんじゅくにむら)を手に単身、死地へ斬り込む竜行の標的は、田辺藩の城代家老と姫路城下に匿われた牧野主膳(しゅぜん)。だが幽閉先で兵庫は自害、実は槍で殺されたと竜行は知る。若き刺客の修羅を描く時代長編。迫力、比類なし!
  • 新装版 軍師二人
    3.7
    戦国の英雄たちの中で群を抜いて輝く二人の武将――天稟(てんぴん)の智将・真田幸村と、千軍万馬の勇将・後藤又兵衛。名将なるが故の葛藤と互いの深い洞察を語る〈軍師二人〉。徳川家康の女性観を描く〈嬖女(めかけ)守り〉。他、争乱の時代を生きた、戦にも、女にも強い、生き物の典型としての男たちを描く、興趣尽きない短編集。
  • 新装版 歳月(上)
    4.3
    肥前佐賀藩の小吏の家に生まれた江藤新平。子供の頃から一種の狂気を持った人物だった。慶応3年、大政奉還を知るや「乱世こそ自分の待ちのぞんでいたときである」と、藩の国政への参画と自分の栄達をかけて、藩の外交を担い、京へのぼった。そして、卓抜な論理と事務能力で頭角を現していった。が……。
  • 新装版 最後の伊賀者
    4.0
    驚異的技術と凄まじい職業意識を持つ怪人たち、伊賀忍者はいかにしてつくられどのように生きたか。城取り、後方撹乱、探索密偵等、戦国の武器として使いちらされた危険な傭兵、詐略と非情の上に成り立つ苛酷な働きが、歴史の動きに影響を与えた不思議な人間たちを、自在に描く短編等、魅力溢れる7編を収録。
  • 新装版 忍びの女(上)
    3.6
    豊臣家の猛将・福島正則の前に現れた徳川方の女忍者・小たまは、正則を籠絡し、巧みに城内に入り込んだ。探索をはじめた小たまは、武辺一方の正則を次第に愛しく想うようになる。豊臣秀吉亡き後、諸大名は自らの野望を抱き覇権をめぐる戦いは必至。ついには関ヶ原での天下を分ける決戦へと向かうのだった。
  • 新装版 柴錬捕物帖 岡っ引どぶ
    4.0
    難事件を小気味よくさばく痛快柴錬捕物帳。どぶは飲む、打つ、買うの3拍子そろったとんでもない岡っ引。でも、度胸と推理と行動力は江戸で一番。盲目の与力、町小路左門とともに、続発する事件を追う。
  • 新装版 小説太平洋戦争 (1)
    5.0
    和平のため奔走する首相・東条英機だが、ルーズベルト大統領は対日戦争の肚を固めていた。開戦か和平か混乱する中、山本五十六は連合艦隊司令長官就任の祝賀会の席で「天命を待つのみでは祖国の安泰は期しがたい」といってのけた。報道班員として従軍した著者による、太平洋戦争全史を描いた唯一の大河小説。【内容は山岡荘八歴史文庫版「小説太平洋戦争」と同一です】
  • 新装版 小説太平洋戦争 全6冊合本版
    5.0
    和平のため奔走する首相・東条英機だが、ルーズベルト大統領は対日戦争の肚を固めていた。開戦か和平か混乱する中、山本五十六は連合艦隊司令長官就任の祝賀会の席で「天命を待つのみでは祖国の安泰は期しがたい」といってのけた……。報道班員として従軍した著者による、太平洋戦争全史を描いた唯一の大河小説。 開戦から終戦までを描き切った、現代人必読の名著、全6巻。
  • 新装版 尻啖え孫市(上)
    4.3
    戦国最大の鉄砲集団・紀州雑賀衆を率いる雑賀孫市は、自らも鉄砲の名人にして、無類の女好き。そんな孫市が、なんと信長の妹君を見初めてしまった。仲を取り持つ骨を折った木下藤吉郎に請われ、織田勢の敦賀攻めに同道するのだが……。底抜けの楽天主義、傲岸さ、明るさを備えた奇男児を描く著者会心の長編。
  • 新装版 白い航跡(上)
    4.0
    薩摩藩の軍医として戊辰戦役に従軍した高木兼寛は、西洋医術を学んだ医師たちが傷病兵たちの肉を切り開き弾丸を取り出す姿を見聞し、自らの無力さを痛感すると同時に、まばゆい別世界にあこがれる。やがて海軍に入った兼寛は海外留学生としてイギリスに派遣され、抜群の成績で最新の医学を修め帰国した。(講談社文庫)
  • 新装版 真説宮本武蔵
    3.8
    史上最強の剣豪といわれる宮本武蔵。彼の才能の中で、最も卓越したのは「見切り」という計算力だった。試合の相手を選ぶとき、必ず己よりも弱いと見切ってからでなければ、立ち合わなかった……。通説の裏に潜む、武蔵の実像に迫る表題作ほか、さまざまな生き方をした、有名無名五人の剣客を描く短編集。
  • 新装版 捨て童子・松平忠輝(上)
    4.5
    捨て童子とは、この世ならぬ途方もないエネルギーを持ち、人を戦慄せしめる人物! 徳川家康の第六子でありながら、容貌怪異なため、生まれ落ちてすぐ家康に「捨てよ」と言われた"鬼っ子"松平忠輝の異形の生涯を描く、傑作伝奇ロマン小説。新鮮な発想や史観、壮大なスケールで完結をみた、著者最後の長編。
  • 新装版 捨て童子・松平忠輝 上中下合本版
    -
    捨て童子とは、この世ならぬ途方もないエネルギーを持ち、人を戦慄せしめる人物! 徳川家康の第六子でありながら、容貌怪異なため、生まれ落ちてすぐ家康に「捨てよ」と言われた“鬼っ子”松平忠輝の異形の生涯を描く、傑作伝奇ロマン小説。新鮮な発想や史観、壮大なスケールで完結をみた、著者最後の長編。一気に読める合本版。
  • 新装版 戦雲の夢
    4.0
    土佐22万石の領主・長曾我部盛親は、関ケ原の戦いで西軍にくみしたため一介の牢人の身に落ちた。謫居の地を京都に定められた盛親は、再起への野望を密かに育み、旧臣5千人とともに大坂夏ノ陣に立ち上がったが……。大きな器量を持ちながら、乱世の流れに乗れなかった悲運の武将を鮮やかに描く傑作!
  • 新装版 孫子(上)
    3.6
    戦史の研究に没頭している孫武は、戦争に勝つには勝つだけの理由があり、負けるには負けざるを得ない理由があることを知った。呉楚の確執が続く古代春秋時代の中国。楚への復讐に憑かれた伍子胥の計らいで呉の将軍となった孫武は、独自の機略で楚軍を打ち破り続ける。孫子の兵法で名高い孫武を描く歴史小説。(講談社文庫)
  • 新装版 高山右近
    3.5
    本能寺の変と明智討伐。禁教令を布く秀吉への高槻城開城。前田家に身を寄せた後、家康からの国外追放。戦国の世に<清廉にして智の人>として刻まれるキリシタン大名・高山右近。すべてを捨て、信仰を貫いたその生涯を渾身の筆致で描く。カトリック教会「福者」に列福した殉教者の揺るがざる魂とは。*「福者」 死後、徳と聖性を認められた信者に、カトリック教会より与えられる称号。
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(上)
    4.2
    「この銭、貰うた」。逃げた父の代わりに金を稼がねばならなくなった万吉は、身体を張った"どつかれ屋"として身を起こす。やがて生来の勘とど根性と愛嬌を元手に、堂島の米相場破りを成功させ、度胸一の極道屋・明石屋万吉として知らぬ者のない存在となった。そんな万吉に大坂町奉行から密かな依頼がくる。
  • 新装版 箱根の坂(上)
    3.7
    応仁ノ乱で荒れる京都、室町幕府の官吏、伊勢氏一門の末席に、伊勢新九郎、後の北条早雲がいた。家伝の鞍作りに明け暮れる、毒にも薬にもならぬ人間で生涯をことなく送るのが望み、と考えていた。だが、妹分の美しい娘、千萱(ちがや)の出現が、彼の今までの生き方を激変させる契機となり覇者への道を歩み出した。
  • 新装版 はやぶさ新八御用帳(一) 大奥の恋人
    4.0
    如法暗夜――お鯉の家からの帰路、新八郎は辻斬りの現場に遭遇する。殺されたのは本石町鶴丸屋の当主・清兵衛。下手人を追う最中、今度は成子坂で首無し死体が見つかった。二つの殺人を探索する新八郎は、それらの死が大奥へと結びつくことに気づくが……。男子禁制の園に秘められたものとはなにか。
  • 新装版 播磨灘物語(1)
    3.6
    黒田官兵衛。戦国時代末期の異才。牢人の子に生まれながらも、22歳にして播州・小寺藩の一番家老になる。だが、「この程度の小天地であくせくして自分は生涯をおわるのか」という倦怠があった。欲のうすい官兵衛だが、「広い世界へ出て、才略ひとつで天下いじりがしてみたい」という気持ちは強かった。
  • 新装版 播磨灘物語 全4冊合本版
    4.0
    黒田官兵衛。戦国時代末期の異才。牢人の子に生まれながらも、22歳にして播州・小寺藩の一番家老になる。だが、「この程度の小天地であくせくして自分は生涯をおわるのか」という倦怠があった。欲のうすい官兵衛だが、「広い世界へ出て、才略ひとつで天下いじりがしてみたい」という気持ちは強かった。秀吉を天下人にした希代の軍師の物語が合本に!
  • 新装版 北天の星(上)
    5.0
    鎖国令下、ロシア艦が蝦夷地に来襲。五郎治と左兵衛は、オホーツクへ連れ去られた。極寒の地で待ち受けていたのは、貧困と差別、そして言葉と文化の大きな壁であった。日本へ帰るため逃亡をくわだてるが、いまや故郷は遠い。容赦ない寒気と苦難の旅路が始まった 。大スケールの傑作歴史長編。
  • 新装版 北斗の人(上)
    4.3
    私の志は、剣を磨くだけではなく、一流を興すこと。北辰一刀流を興すには他流と優劣を競い打ち負かした上で、他流よりも優れているという世評を確立しなければならない――。江戸末期、最強の剣豪といわれた千葉周作が、若き日の野望を現実のものとするまでの修行、戦い、心理を克明に描く傑作時代長編。
  • 新装版 間宮林蔵
    4.2
    19世紀初頭、世界地図の中で樺太は唯一謎の地域だった。樺太は島なのか、大陸の一部なのか。樺太調査に挑んだ間宮林蔵は、苛酷な探検行の末、樺太が島であることを確認する。その後、シーボルト事件に絡んで思いがけない悪評にさらされ、さらには幕府隠密として各地を巡った、知られざる栄光と不運の生涯を克明に描く。(講談社文庫)
  • 新装版 柳生刺客状
    3.3
    関ヶ原の合戦で徳川家康は死んでいた! 以降は影武者だった世良田二郎三郎が家康を演じるも、秘事を知った柳生宗矩は、対立する二代将軍秀忠にいち早く伝えて信頼を得る。権力者に取り入り、暗殺という汚れ仕事を請け負う側近となった宗矩の顛末を描いた表題作ほか、最後の短編などを収録した、傑作短編集。
  • 新装版 柳生非情剣
    4.5
    剣に生きる一族として、将軍家指南役となった柳生。連也斎、友矩、宗冬、十兵衛、新次郎、五郎右衛門。尋常でない修行による技、将軍家と関わることによって起こる惨憺たる一族の相克、死を見据えてなお剣の道に生きざるを得ない激烈な生きざまを、乾いた筆で描き切る。作者が生前に世に問うた唯一の短編集。
  • 新装版 妖怪(上)
    3.8
    怨霊や生霊の世界が身近にあった室町時代末期。6代将軍の落胤という熊野の源四郎は「将軍になろう」と、飢饉と戦乱で荒廃しきった京へ上る。都では8代将軍足利義政の御台所、日野富子と、側室の今参りの局が権勢争いに明け暮れていた。その暗闘に巻き込まれた源四郎を、幻術師・唐天子の奇々怪々な幻戯が襲う。
  • 新装版 余燼(上)
    4.5
    田沼意次(おきつぐ)失脚後の空白に、交わされる暗闘。甲府勤番の影井誠一郎はかつての友を斬り、江戸に出た。誠一郎を護衛につけ、沢井小平太は持ち前の弁舌で幕政を変えんとする。火消の常吉は一世一代の大喧嘩で、江戸っ子の血を沸かせ男伊達(おとこだて)となる。閉塞する世に風穴を開ける者は誰か。北方剣豪時代小説の快作!
  • 新装版 落日の宴 勘定奉行川路聖謨(上)
    4.4
    江戸幕府に交易と北辺の国境画定を迫るロシア使節のプチャーチンに一歩も譲らず、国境画定にあたっても誠実な粘り強さで主張を貫いて欧米列強の植民地支配から日本を守り抜いた川路聖謨。軽輩の身ながら勘定奉行に登りつめて国の行く末を占う折衝を任された川路に、幕吏の高い見識と豊かな人間味が光る。
  • 新装版 若き獅子
    3.4
    高杉晋作は、幼い頃から文武に秀で、鬼才と呼ばれた。「脱藩」しては主家に戻り、たちまちにゆるされた。これは異例のことである。いかに彼の才能が頼まれていたかがわかる(「若き獅子」より)。ほかに浅野内匠頭、葛飾北斎、明治の逆賊・小栗忠順など、時代を動かした英雄たちの激烈な人生を描く短編集。
  • おれは日吉丸(上) 新太閤記(一)
    -
    今夜も京は燃えていた。この世から、戦火が熄むなどとは考えられない。火を消し止める者は誰もいない。夜盗が家々を荒して廻るのを、防ぎ止める手もなかった。激動の風吹きすさぶ戦国時代、ここに2人の少年がいた。一人は小猿、一人は日吉丸。――ある夜、寺を焼け出された日吉丸は、同年輩の少年・小猿と出会った。二人は手をたずさえて、戦国の世に浪々の船出をし……。ふたり合わせて、なんと後の木下藤吉郎秀吉? 楽天人生、だが底に潜む気骨。新機軸の太閤記。〈全五巻〉
  • 新地橋 深川澪通り木戸番小屋
    値引きあり
    3.8
    江戸・深川澪(みお)通りの木戸番小屋に住まう夫婦、笑兵衛とお捨。そこには、人々の悲しみ、愁いを癒してくれる灯がある。訪れる人の心の奥を、そっと照らしてくれる。労り、助け合う市井の人情。人の世の機微を穿(うが)った逸品揃い。思わず挫けそうな、いつの間にか冷めかけた心を優しく温めてくれる珠玉の時代小説集。(講談社文庫)
  • 新とはずがたり
    3.5
    野の花に似て儚げな美少女は、父親のような後深草院の寵姫となりながら弟宮や実兼の恋人になった。やがて出家し放浪した二条の、己の性の遍歴を赤裸々に吐露した禁断の書「とはずがたり」を、実兼を語りべに、一遍との出会いを出家の動機に再構築、新しい二条像に迫る。二条の真実と精神の再生を解く会心作。
  • 新トロイア物語
    値引きあり
    4.3
    絶世の美女ヘレネと王子パリスが駆け落ちした。ヘレネを略奪した者は、求婚した者全員から報復を受ける。ユニークな「テュンダレオスの掟」が、古代ギリシアに予期せぬ大戦争を巻きおこした。名高い「トロイアの木馬」は真実だったのか。壮大な叙事詩の世界に挑んだ歴史小説。吉川英治文学賞受賞作。
  • 秦の始皇帝
    3.0
    紀元前247年、わずか13歳で秦王に即位した政(始皇帝)は、韓・趙・燕・魏・楚・斉の6国を次々に滅ぼし、長い戦国時代に終止符を打った。時に紀元前221年、中国最初の統一国家・秦帝国の誕生である。だが10年後、項羽や劉邦の反乱によって、その基礎は早くも崩れる――中国古代史の謎に迫り、波乱に満ちた始皇帝の生涯を描く壮大な歴史ドラマ。広大な統一国家の興亡をえがく長編小説。
  • 神遊の城
    3.0
    応仁の乱末期、若き甲賀忍・三郎兵衛は細川京兆家当主暗殺のため京の今出川屋敷に潜入するが、返り討ちに遭い独りで生還する。10年後、足利第九代将軍義尚が、六角家征伐のため大軍を率いて湖南に陣を敷いた。三郎兵衛改め新蔵人は復仇のため、異父妹のお喬らと夜襲をかけるが、将軍に深手を負わせるにとどまる。手練れの武士に強烈な反撃を受けたためだ。新蔵人はお喬の目の前で爆死。お喬はその死を受け入れられず復讐を誓う!
  • 十手人
    4.5
    死んだはずの母親の消息を訊いた酒場で暴れ、入墨者になった源七は、奉公先で盗みの濡れ衣を着せられた娘・お菊を救うため奔走する。町方同心・佐々木弦一郎の下で、十手捌きを身につけていく源七に、渋柿長屋の人々の眼差しは温かい。お菊を陥れた悪党を源七は炙り出せるのか!? 江戸の人情を描く<第10回時代小説大賞受賞作>捕物帖。(講談社文庫)<第10回時代小説大賞受賞作>
  • 治部の礎
    4.0
    大義、嫉妬、敵愾心。押しつぶされそうな時もある。 この三成は、屈さない。 あの嫌われ者は、何のために闘い続けたのか――。 豊臣家への「義」か、はたまた自らの「野心」からなのか。 覇王信長の死後、天下人を目指す秀吉のもと、綺羅星の如く登場し活躍する武将たちを差し置いて、最も栄達した男、石田三成。彼の「眼」は戦国を優に超えていた――。 歴史の細部を丁寧に掬う作家、吉川永青が現代人に問う、政治家石田三成の志。渾身の書き下ろし長編小説。
  • 十五万両の代償 十一代将軍家斉の生涯
    3.8
    寛政の改革から爛熟の化政文化へ――御三卿の一橋家から思いがけず将軍となり、53人もの子をなし、孝心篤く実父治済(はるさだ)と自身に官位を望んだ家斉。政治の実権を握っていた松平定信を追い落とし、老中首座となった水野忠成(ただあきら)とともに舵を切ったインフレ政策の先見性と思わぬ陥穽(かんせい)。目から鱗が落ちる歴史小説。(講談社文庫)
  • 十三人の修羅
    -
    明治維新を間近かにした文久2年12月、攘夷の激情をおさえかねた長州の若手藩士13人が、横浜の英国公使館を焼打ちする。20歳の瓜生愼蔵もその中のひとりだった。彼は激変する歴史の流れに順応することを拒み、独自の道に入る。それは或る娘との出会いで宿命づけられた人生……。歴史小説の俊英による野心作。
  • 銃士伝
    -
    戦わざるをえなかった“銃と日本人”の物語! 日本史上初めて鉄砲が有効に使われた戦といわれる長篠の合戦、関ヶ原の戦いでの島津勢の決死の退却、坂本龍馬の命を護ったスミス・アンド・ウエッソン、新政府軍と戦った二本松少年隊の悲劇、南太平洋の孤島で繰り広げられた名もなき日本人狙撃兵の孤独な戦い……。“銃器と日本人”を描いた傑作短篇集! (講談社文庫)
  • 重蔵始末
    3.4
    火盗改(かとうあらため)・近藤重蔵、21歳。強者揃いの御先手鉄砲組でも際立つ偉丈夫。傍若無人の言動で毀誉褒貶(きよほうへん)半ばする。ロシアの謎の大男、美女のかたき討ち、茶屋の狂歌殺人事件……。寛政の世を揺るがす怪事件を型破りの手法で重蔵が解く。後に北方探検家として名を馳せた奇才を主人公に描く、著者初の本格時代小説。
  • 殉教者
    4.5
    1614年、2代将軍徳川秀忠がキリシタン禁教令を発布した。キリシタンへの迫害、拷問、殺戮が頻発し、岐部は殉教者の記録を集める。翌年、28歳の岐部はエスパニア人修道士と共に長崎から船出、40日の航海の後にマニラ港に着く。そこで入手した地図には、双六のように、マニラを振り出しに、マカオ、マラッカ、コーチン、ゴア、ポルトガルの要塞のあるホルムズ島、さらにペルシャ砂漠、シリア砂漠、遂にはエルサレムに到達する道筋がこまかく描かれていた。岐部は自らの信仰を強くすることと、イエスの苦難を追体験することを思い、胸を躍らせた。 ペトロ岐部は1587年に豊後の国東半島で生まれ、熱心なキリシタンの父母の元で育つ。13歳の時に一家は長崎に移り、岐部はセミナリオに入学を許される。ここでラテン語を習得し、聖地エルサレムと大都ローマを訪れることを強く決意する。 次に訪れたマカオでは差別に耐えながら志を貫き、何とか旅費を工面して、ミゲルと小西という二人の日本人とともに海路、インドのゴアに向かう。ゴアからローマに向かう船に乗る二人と別れた岐部は、水夫として働きながらホルムズ島に向い、そこからは駱駝の隊商で働き砂漠を通ってエルサレムを目指す。 1619年、岐部はついに聖地エルサレムの地を踏む。そこから徒歩で、イスタンブール、ベオグラード、ザグレブを経て、ヴェネツィアに。祖国を出て5年、岐部はついにローマにたどり着いた。海路で1万4500キロ、徒歩で3万8000キロ。乞食のような身なりの岐部に施しをしようとした神父が、流暢なラテン語で話す岐部に驚き、イエズス会の宿泊所に案内される。そこで岐部は、4日間にわたる試験を受け合格、イエズス会への入会を許された。 ローマとリスボンで2年間の修練を経て、帰国の許可を得た岐部は、キリシタン弾圧の荒れ狂う日本に向けて殉教の旅路についた。 信仰に生きた男の苛酷な生涯が荒廃した現代を照らす、著者渾身の書下ろし長篇小説。
  • 女王卑弥呼
    -
    血みどろの戦乱をくぐりぬけ、卑弥呼は邪馬台国の王となる。視覚にハンディを持ちながら気品と美しさを備えた女王に対して、周辺の国は並々ならぬ関心を寄せる。危い女王を全力で補佐する老将・伊支馬の奮闘と異相の愛。そして卑弥呼の決断のときが来た! 謎の王国と女王のありようを新しい視点で描き上げた、問題の秀作。九州・吉野ヶ里の海と山野に展開する古代人の争闘とロマンを大胆に描く!
  • 女性兵士
    3.7
    話題作『戦場のハローワーク』の著者が贈る、「戦いに魅せられた女」たちとの濃密で壮絶な日々の記録――16歳のニカラグア女性高射砲部隊リーダー、元ミス・クロアチア、セルビアの狙撃兵姉妹……彼女たちはなぜ兵士になったのか? 軍事好きが高じて戦場ジャーナリストとなり、紛争地域を渡り歩いてきた著者が、戦いに魅せられた女たちとの日々をつづる。濃密な戦場描写と冷静な観察眼が光るルポ。 <本書に登場する女性兵士たち> ●元ミス・クロアチアで愛国心にあふれるドブラフカ(クロアチア) ●女性高射砲部隊のリーダーで16歳のエスメラルダ軍曹(ニカラグア) ●ロシア包囲下で決死の戦いに身を投じた3人の美女(チェチェン) ●抜群のチームワークを誇る狙撃兵姉妹(セルビア) ほか
  • ジョン・マン 1 波濤編
    4.2
    土佐に生まれた作家が渾身の筆で描いた初の歴史大河小説。わずか14歳。寺子屋にも満足に通えなかった貧しい漁師が鎖国日本から身ひとつで漂流。初めて西洋文明(アメリカ)の中で暮らした日本人となり、初めて欧米の高等教育を受けた日本人となり、初めて世界の大洋を巡った日本人となり、ゴールドラッシュのカリフォルニアで金を掘り、唯一、自力で帰国を果たした日本人漂流民となった。帰国から2年後、あのペリー艦隊がやってくる。この男がいなければ、日本は植民地になっていたかもしれない。
  • じんかん
    4.5
    その男、悪人か。 主人を殺し、将軍を暗殺し、東大寺の大仏殿を焼き尽くすーー。 悪名高き戦国武将・松永久秀の真実の顔とは。 直木賞作家による、圧巻の歴史巨編。 〈第11回山田風太郎賞受賞作〉
  • 水滸伝(一)
    4.3
    江西の竜虎山は道教の大本山である。そこの伏魔之殿に昔から封じこめられていた妖魔を誤って逃がしたばかりに、三十六員の天コウ星がこの世に臨み、七十二座の地サツ星が下界におりて宋国の乾坤を揺るがす。――梁山泊に屯集して世間を騒がす百八人の好漢の事跡を描く中国四大奇書の一つ、大長編伝奇小説の完訳。
  • 酔象の流儀 朝倉盛衰記
    3.0
    越前の名門、朝倉家。五代当主・景孝のころ、軍奉行を務める朝倉宗滴は生涯初めての敗北を喫する。能登深くに攻め入るも味方の裏切りに遭い、総崩れとなった。その撤退戦の中で宗滴は15歳の若者と出会う。のちの山崎吉家だ。吉家は敗戦の惨劇を目の当たりにして心が壊れ、言葉を失っていた。責任を感じた宗滴は吉家を手元に置き、親子のように接する。その後、仏門修行を経て周りの民とも打ち解け、吉家はついに言葉を取り戻す。だが、吉家24歳のとき、思わぬ災難が降りかかる。実父・祖桂が謀反を企てて露見し、打ち首となったのだ。宗滴は所領半分と引き換えに吉家を救う。時が経ち、朝倉家当主は父・孝景の後を継いだ義景の代になる。軍事は宗滴に、政務は従兄の朝倉景鏡に委ねられた。宗滴は加賀に攻め入り、一揆勢を次々に討ち果たしていった。だがついに陣中に倒れ、後事を吉家に託した。また、育成していた吉家以外の四将にも加賀侵攻の継続を指示したうえで病没する。命の恩人であり父親代わりであった宗滴の遺命に従い、吉家は朝倉家を守ることを固く誓う。が、のちに将軍となる足利義秋の保護、織田信長の畿内進出、宗滴門下・五将内の対立、そして当主・義景の気紛れと、時代の波に翻弄された名門朝倉家の土台は根底から揺らぎ始めていた。そこで吉家が打った秘策とは!
  • 水壁 アテルイを継ぐ男
    4.2
    著者のライフワークとも言える東北の大河小説「最新刊」がついに完成! 朝廷の容赦ない仕打ちに苦しめられ続ける民を救うべく、伝説の英雄・アテルイの血をひく若者が立ち上がる。やがて彼のもとには、その志に共感する、力ある者たちが集まってくる。圧倒的な数の差を知略で制し、不利と思われる状況にも臆せず力を尽くして立ち向かってゆく、蝦夷たちの気高い姿に心がゆさぶられる歴史長編。
  • すかたん
    値引きあり
    4.2
    江戸詰め藩士だった夫が急死し、大坂の青物問屋に女中奉公に出た知里。戸惑いながらも、次第に天下の台所の旨いもんに目覚めていく。ただ問題は、人好きはするが、遊び人でトラブルメーカーの若旦那。呆れていた知里だったが、野菜への純粋な想いを知り、いつしか強く惹かれるように。おもろい恋の行く末は?
  • 筋違い半介
    4.0
    「筋のとおった話は虫が好かねえ」……旗本の三男に生まれ、先祖も父も「ばか者」と切り捨て家を出た、岡っ引・半介が活躍する表題作。凶作に苦しむ村人を尻目に、米をたらふく食らう村役。それに腹を立てた村の男は、驚きの復讐法を考えた「口増やし」ほか、全7編。大胆な設定に、丁寧な筆致。時代小説の新星のデビュー作。
  • 鈴姫異変
    3.0
    澄みきった秋空のお鷹野、将軍・家光にピタリと照準があてられた……。父の無念をはらさんとする、美しい鈴姫の危機一髪をみたび救う、眉目秀麗、着流しの浪人者。はたして、鈴姫の冒険の結末はいかに? という表題作のほかに、「初冬物語」「抜打ち侍」「金四郎日和」「鼠小僧次郎吉」を収録。とりわけ心躍る、傑作痛快時代小説集。
  • 隅田川浮世桜
    -
    文化の花咲く明治の世。興隆を極める歌舞伎界の御曹司・人気役者の羽村市之助が、大事な舞台に穴を空け、失踪した。市之助と馴染みの芸妓・志津香が苦衷の日を過ごす一方、志津香を育てた向島芸者・お良(りょう)の身辺には陰謀の影が迫っていた。梨園と花柳界を舞台に描く、芸と愛と人情の物語。(『花の堤』改題)
  • 隋唐演義(上)
    -
    隋を建国した楊堅(ようけん)、晩年には酒色に溺れ、なんと息子の楊広(ようこう)に謀殺されるという憂目にあう。ところが楊広もまた、即位し煬帝(ようだい)となるや、全国から1000人を超す美女を集め、遊びにふける始末だ。当然、その隙をついて、在野の英雄たちが動きだす。皇帝と盗賊、英雄と悪女たちが入り乱れ、隋末唐初への歴史ドラマが幕を開ける! 『封神演義』に匹敵する面白さ。中国史上もっとも華やかな、隋唐の乱世を描き切る、歴史スペクタクル。
  • 青雲遙かに 大内俊助の生涯
    3.0
    伊達家の大番士の子息・大内俊助は、江戸で儒教を究めて身を立てようと昌平坂学問所の門を敲く。全国から集った俊秀たちと研鑽を積むものの、黒船が来航して世情が騒がしくなるにつれ学問に身が入らなくなる。明治へと時代の歯車が大きく動いていく中で、数奇な人生を歩んだ名もなき若侍を描いた長編小説。
  • 星火瞬く
    3.5
    その男が、幕末を動かした――清河八郎 小栗忠順 勝海舟 高杉晋作 動乱の地で会わなければならなかった日本の「革命家」とは、誰なのか?時代小説の正統派が描く、まったく新しい幕末青春小説。作家・葉室麟がどうしても書きたかった時代、人物、物語がここにある。
  • 正妻 慶喜と美賀子(上)
    4.5
    幕府と朝廷の関係にも動乱の機運が高まる十五代家慶の治世。一条家の美しき姫美賀子は、英邁の噂轟く一橋慶喜に嫁いだ。「わしはどんなことがあっても将軍になどならぬ」信念を曲げない夫の奇矯な振る舞いに翻弄される美賀子は、ある哀しい決意を抱く。幕末の新たな一面を描ききる、傑作大河小説を文庫化!
  • 昔日より
    値引きあり
    -
    想い人を追って伊勢へ行きたい、という町娘の恋を手助けする、家康の元寵妾と配下の老忍を描いた「黄鷹」。裏切られた思いの息子に、一世一代の晴れ姿を見せる父親が眩しい「新天地」。たった一度、過ちを犯した武家の妻女の心の内が狂おしい「女犯」。江戸を舞台に、読後感が清冽なオブジェを象る傑作短編集。
  • 赤刃
    4.7
    江戸初期、徳川家光の治世。百を超える<辻斬り>の災禍に、江戸の町は震撼していた。殺戮集団の主犯は、戦国の英雄、元津藩士の赤迫雅峰とその一党。幕府が送る刺客は次々と返り討ちにあい、老中・松平伊豆守は切り札となる<掃討使>に旗本・小留間逸次郎を任命する。赤迫対逸次郎、血塗られた闘いは連鎖し、やがて市中は戦場と化す--。無惨にして無常。これぞ、新時代の剣戟活劇!
  • 赤壁の宴
    3.8
    中国の後漢末、群雄割拠の時代に、きら星のごとく現れた、眉目秀麗な呉の武将・孫策。彼に幼少から従い、補佐した周瑜。宿敵・曹操の大軍に立ち向かう、少数精鋭の呉軍。中原の覇をかけ、赤壁の戦いの火ぶたが、切って落とされようとしていた。孫策と周瑜の若き2人の獅子を、叙情深く見事に描ききった「三国志」絵巻! 女だから書けた豪華絢爛「三国志」!
  • 戦艦武蔵レイテに死す(上)
    3.0
    昭和19年10月11日、第一遊撃部隊は勇躍ボルネオ西岸ブルネイ泊地を出撃した。目的地はレイテ。そこで米軍主力を叩こうというのである。隊列には巨大戦艦の大和と武蔵の勇姿が見られた。だがそのころ、すでに日本軍は大方の戦闘機を失い、艦隊の護衛機は皆無というさびしさだった……。超弩級戦艦の死闘と最期を活写する海戦ドキュメント。戦記物の第一人者が描く傑作。
  • 戦国快盗 嵐丸 今川家を狙え
    NEW
    -
    女にゃ弱いが腕は立つ。 狙うは一攫千金! 嵐丸に破れぬ屋根はない。 一匹狼の盗賊・嵐丸は桶狭間での敗戦後も賑わいが続く駿府にいた。 武家屋敷に侵入し、隠し金山の地図を目にした嵐丸は濡れ手に泡のぼろ儲けをもくろむが、腐れ縁で美貌の女盗賊・麻耶が計画に絡んでくる。さらに怪しい牢人・沢木も登場し、各自の思惑が交錯。 騙し騙され、三つ巴のお宝争奪戦が始まった──。 『八丁堀のおゆう』『入舟長屋のおみわ』著者の新シリーズスタート! 文庫書下ろし痛快時代小説。
  • センゴク兄弟
    -
    「戦国」を新たな局面から描く! 人気コミック『センゴク』もうひとつのストーリー。 嫡男・新八郎久勝を追い出す形で、美濃仙石家の家督を継ぐことになった権兵衛秀久。それは、信長率いる織田家と、龍興が君臨する斎藤家の勢力争いを受け、田舎領主が生き残るためにとられた苦肉の策だった。情愛の絆で結ばれた兄弟が辿る運命とは!? 人気連載コミック『センゴク』から生まれた、痛快戦国小説!
  • 戦国幻野
    -
    東海の強国駿河は、守護今川氏親(うじちか)の手で着々と覇道を進んでいた。東に北条、北に武田、大国が激しく牽制しあう戦国の世、氏親とその妻妾の息子たちも、奇しき愛憎の闘いに巻きこまれてゆく。野望のままに、広大な富士の裾野を馳ける武者の修験者たちの凄絶な生と死。今川一族が興亡を描き切った傑作長編。(講談社文庫)
  • 戦国スナイパー 信長との遭遇篇
    4.0
    突然戦国時代に一人放り込まれた陸上自衛隊員・笠間慶一郎二等陸曹。彼がたまたま命を助けたのはあの織田信長! 狙撃手としての腕を買われた慶一郎は信長配下の武将・佐々成政の下で鉄砲隊の編制を任され、さらに信長を狙う刺客たちとも死闘を演じる……。慶一郎は銃一丁で戦国の世を生き抜けるのか――?(講談社文庫)
  • 戦国の風
    4.3
    織田信長と武田勢の決戦は、刻一刻と近づきつつあった。漢方問屋・倶梨伽羅屋弥九郎こと若き小西行長は、信長の密命を帯び、自由貿易都市・堺の命運を担って、黒潮猛ける大海原を一路マラッカへ向けて押し渡ってゆく、壮大な航海に出発。苛酷な宿業の綾に翻弄される戦国の貴婦人や、青雲の野望を一剣に託した武芸者を乗せて……。歴史の転換期を描く壮大な戦国ロマン。乱世の戦さを根底から変えた信長に、三千挺の銃をもたらした小西行長の航海記録!
  • 戦国武士道物語 死處
    4.0
    昭和16年に執筆され、戦後の混乱期の中、未発表のまま保管されていた短篇小説「死處」。77年ぶりに発見された本作を収録した小説集、遂に刊行! 表題作「死處」のほか、伊達家先方隊として山中を進む武士たちとそれを追う女の恋を描く名作「夏草戦記」、戦場で手柄を立てない良人とその本当の姿を知る妻を心の繋がりを哀切深く描いた「石ころ」など、動乱の世に生きた人々の生き様を通し、人の在り方を問う全篇名作時代小説集
  • 戦国物語 信長と家康
    3.8
    山本周五郎は、二人の天下人をいかに見つめていたのか? 多くの時代小説を書き残しながら、その作風から、決して戦国武将を正面から描くことをしなかった周五郎。本書に収録された八篇――「信長編」四篇と「家康編」の四篇――それぞれに仕えた家臣達の物語を通し、その背景立ちのぼる天下人の姿とは!?
  • 戦国連歌師
    4.3
    時は戦国、天下一の連歌師・宗牧と、その息子・無為と共に、弟子の友軌は東国を歴訪する旅に出ることになった。そこへ朝廷から、尾張の織田、三河の松平、相模の北条に宛てた書簡を託されてしまう。数人が集まって百韻の句を詠む連歌の興行を催しながら、数多の困難をかきわけ進む一行を描いた異色ロードノベル。※本書は2002年11月、小社より刊行された『連歌師幽艶行』を改題し、一部改訂したものです。(講談社文庫)
  • 戦国を斬る
    4.5
    多々良一学は、慶長・元和の戦国豪傑の気風を残す、武辺者だった。しかし、戦国の気風が色あせた寛永の今、この男は、周囲に、はなはだ迷惑な男であった。強姦同然で妻とされたおくにの苦労も、人一倍。そんな一学が、今度は主君のあとを追って、切腹! 「武士道友情」の悲哀と奇妙さを描き出す、絶品の表題作ほか、7編の秀作を収録。
  • 戦端 武商繚乱記(一)
    3.5
    大坂・東町奉行所の同心、山中小鹿(やまなか・ころく)は、上役の筆頭与力・和田山の娘をわけがあることを 承知で娶ったにもかかわらず、裏切られてしまう。妻の不貞を許せなかった小鹿は、 義父の和田山に妻を公然と突っ返すという方法に及ぶ。これが原因で、東町奉行所内では、 同僚たちからも距離を置かれて居心地がよくない日々を過ごしていた。 鬱憤をはらそうと大坂の遊郭に足を向けたものの、なぜか客引きをされない。 理由は、大商家が「総揚げ」すべての見世を貸し切っていたからだ。 その商家の名は、淀屋。西国三十藩以上の年貢米を大坂へ廻送、売る権利を持ち、莫大な富を得ていた。 淀屋に借金をする大名もあらわれ、参勤交代の折には淀屋に寄って挨拶をするほどの力関係に至る。 幕府も忸怩たる思いで、ついに時の老中首座・土屋相模守が手を打つことに。 一介の同心・小鹿は、商魂たくましい上方の豪商と武士の沽券をかけた争乱に巻き込まれていく。 吉川英治文庫賞受賞作家が送る新機軸の書下ろし時代小説、堂々開幕!
  • 潜入 味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳
    値引きあり
    4.2
    大人気シリーズ「味見方同心」が帰ってきた! 同心の兄・波之進の後を継いで味見方となった弟・月浦魚之進は南町奉行から密命を受ける。将軍暗殺計画の気配があり、毒見役の鬼役とは別に、城内に忍び寄る悪事を阻止してほしいというのだ。気弱な魚之進にそんな大役が務まるのか? 兄の後家・お静への思いが募るなか、魚之進は美味で怪しい江戸の食べ物を追う! 【南町奉行所・味見方とは?】 江戸市中の食べ物の動向を探る特別役職。水戸藩が南町奉行所に働きかけてつくらせた。同心の月浦魚之進のみが味見方を拝命する過酷な一人役。横行する悪質な抜け荷の現状把握がもともとの目的だったが、捜索の間に様々な食にまつわる事件が発生する。初代味見方の月浦波之進は何者かにより暗殺、それを弟の魚之進が引き継いだ。兄弟の努力と活躍によって悪事は暴かれ、魚之進は兄・波之進の仇を討った。 本巻『潜入!味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳』までの顛末は、「隠密 味見方同心」全9巻をお読みください。面白さと美味しさが倍増します!!
  • 潜入 味見方同心 全六冊合本版
    -
    大人気シリーズ「味見方同心」が帰ってきた! 同心の兄・波之進の後を継いで味見方となった弟・月浦魚之進は南町奉行から密命を受ける。将軍暗殺計画の気配があり、毒見役の鬼役とは別に、城内に忍び寄る悪事を阻止してほしいというのだ。気弱な魚之進にそんな大役が務まるのか? 兄の後家・お静への思いが募るなか、魚之進は美味で怪しい江戸の食べ物を追う! 【収録作品】 『潜入 味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳』 『潜入 味見方同心(二)陰膳だらけの宴』 『潜入 味見方同心(三) 五右衛門の鍋』 『潜入 味見方同心(四) 謎の伊賀忍者料理』 『潜入 味見方同心(五) 牛の活きづくり』 『潜入 味見方同心(六) 肉欲もりもり不精進料理』 【南町奉行所・味見方とは?】 江戸市中の食べ物の動向を探る特別役職。水戸藩が南町奉行所に働きかけてつくらせた。同心の月浦魚之進のみが味見方を拝命する過酷な一人役。横行する悪質な抜け荷の現状把握がもともとの目的だったが、捜索の間に様々な食にまつわる事件が発生する。初代味見方の月浦波之進は何者かにより暗殺、それを弟の魚之進が引き継いだ。兄弟の努力と活躍によって悪事は暴かれ、魚之進は兄・波之進の仇を討った。 「味見方同心 潜入篇」全6巻までの顛末は、「隠密 味見方同心」全9巻をお読みください。面白さと美味しさが倍増します!!
  • 千姫微笑
    -
    東西の楔(くさび)として、豊臣秀頼に入輿した徳川家康の孫娘・千姫。乳歯のはえかわりを気にする花嫁は、時にわずか6歳。人質同然の生い立ち、愛されぬ妻の哀しみ。身籠ることすら拒否された嫁の境涯に、またしても大坂落城の悲劇が――。男たちの戦国の論理に心で抗した千姫の波乱の生涯と、その周辺の女人像を鮮烈にして艶麗に描く、傑作長編時代小説。
  • 旋風陣信長 変革者の戦略
    -
    決断と行動の人・信長に学べ! 変革の時代をいかに生き抜くか? 大胆にして痛快・津本史観とは? 天下人・信長の行動学――城下を開放し楽市楽座で経済を、鉄砲・鉄甲戦艦により軍事を、叡山・一向宗徒を制圧して人心を掌握……。天下布武を成し遂げた尾張のうつけ者・織田信長も、父を継いだ直後は、周辺諸国の前に家中の敵を倒さなければならなかった。変革期を生き抜くために、何をなすべきか。決断と実行の人、信長に学ぶ、超現代人の行動学。
  • 旋風に告げよ(上)
    -
    海賊王と日本女性との間に生まれた鄭成功は、崩れゆく明王朝のために、若い情熱を燃やす――福建の海の実力者・鄭芝竜を父に、日本女性を母にして、長崎で生まれた鄭成功は、父ともども明朝復興のためにたたかう。折しも中国大陸は、弱体化した漢民族の王朝(明朝)が叛乱軍にかき乱され、その混乱の機に、北から満洲族の侵攻を許し清朝が誕生しようとしていた。鄭芝竜は投降するが、大目標へ若い情熱を燃やす鄭成功の気力は衰えない。強力な水軍を率いて、ついには清朝とオランダから台湾を解放する。水軍の若き将である鄭成功の前途は? 国姓爺こと英雄・鄭成功の劇的な生涯を描く歴史ロマン巨篇。<上下巻>
  • 銭の城
    3.0
    大内家の支配が崩れた永禄年間の博多は、戦乱・混乱の中にあった。壱岐から島抜けをして博多にきた右近は、浮浪児の集団に入ったが、やがて才覚を示して頭領になる。商才と知略と度胸を武器に、多くの配下を巧みに利用した右近は、豪商や大名に接近しつつ、成り上がってゆく。痛快な銭もうけをした風雲児を描く、異色の歴史長編。ほかに「さいころ武士道」を併録。
  • 零戦 その誕生と栄光の記録
    4.7
    日本人がもし一部の人の言うような模倣と小細工のみに長けた民族であったなら、あの「零戦」は生まれえなかった。独特の考え方、哲学のもとに設計された「日本人の血の通った飛行機」それが零戦であった。本書は零戦のチーフデザイナー(主任設計技師)が、アイデアから完成までの過程を克明に綴った技術開発成功の物語である。
  • 零戦 搭乗員たちが見つめた太平洋戦争
    5.0
    あの戦争を生き残った零戦搭乗員は、終戦時に約三七〇〇名を数えたが、現在ではわずか約二〇〇名となった。生存者の高齢化が進む中、NHK取材班は四年の歳月を費やしインタビューを重ね、後世に語り継ぐべき番組として結実させた。戦争とはいかなるものか、死線を越えた男たちの「最後の証言」がここにある。NHK『零戦~搭乗員たちが見つめた太平洋戦争』(2013年放映)を書籍化。
  • 蒼穹の昴(1)
    4.2
    汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう――中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児は、占い師の予言を信じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた二人を待ち受ける宿命の覇道。万人の魂をうつベストセラー大作!
  • 珍妃の井戸
    3.8
    列強諸国に蹂躙(じゅうりん)され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃は、何故、誰に殺されたのか? 犯人探しに乗り出した日英独露の高官が知った、あまりにも切ない真相とは――。『蒼穹の昴』に続く感動の中国宮廷ロマン。(講談社文庫)
  • 中原の虹(1)
    3.8
    「汝、満洲の王者たれ」予言を受けた親も家もなき青年、張作霖(チャンヅオリン)。天命を示す“龍玉”を手に入れ、馬賊の長として頭角を現してゆく。馬と拳銃の腕前を買われて張作霖の馬賊に加わった李春雷(リイチュンレイ)は、貧しさゆえに家族を捨てた過去を持つ。栄華を誇った清王朝に落日が迫り、新たなる英雄たちの壮大な物語が始まる。(講談社文庫)
  • マンチュリアン・リポート
    3.9
    昭和三年六月四日未明、張作霖を乗せた列車が爆破された。関東軍の暴挙に激怒した昭和天皇の密命を受けて、若き軍人が綴った「満洲報告書」で明かされる「真相」とは? 該博な知識と丹念な取材に裏打ちされた浅田史観で、闇に葬られた昭和史最大のミステリーを追う。絶好調『蒼穹の昴』シリーズ第4部。(講談社文庫)
  • 蒼穹の昴 全4冊合本版
    4.5
    汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう――中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児(チュンル)は、占い師の予言を信じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀(ウェンシゥ)に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた二人を宿命の覇道が待ち受ける。万人の魂をうつベストセラー、待ちに待った合本で登場!
  • 宗元寺隼人密命帖(一) 無流心月剣
    -
    伊豆下田の山里で剣の師に育てられた宗元寺隼人は、老中松平和泉守の甥。自らの剣と護衛役の甲賀の兄妹のわざで、迫り来る刺客たちに対抗している。江戸への道中、武家の娘を救ったことから、福知山藩朽木家の御家騒動に巻き込まれた。朽木家では藩主が二つの派のたすきがけで代替わりしてきた。娘の茜は国家老の娘。騒動の真相をつきとめようとする隼人だが!? 剣と人情と江戸情緒の本格痛快時代小説、新シリーズ開幕!
  • 総司の夢
    4.5
    俺はね、夢を見たことがないんです。新選組一番隊組長・沖田総司。江戸の一道場の塾頭だった若者は、時代の急流の中で京に上り、幕末随一の剣士となっていく。仲間と語らい、笑い、涙し、人を斬る。なぜ俺は人斬りなのか。自らに問いながら、沖田は最強の男――鬼の正体を探す。著者渾身の、沖田一代記。
  • 漱石の妻
    3.5
    悪妻として知られる夏目漱石の妻・鏡子。潔癖症の漱石と、おおらかだが大雑把な鏡子の夫婦生活は、船出から食い違い、英国留学を経て重度の神経症を得た漱石との暮らしは大波に揺れる。鏡子はなぜ悪妻と呼ばれたのか? 二人はどうして別れなかったのか? 余人には窺い知れない夫婦の絆を妻の視点で描く。(講談社文庫)
  • 草々不一
    値引きあり
    4.3
    泣ける。笑える。心がほっこり温まる。 身分としきたりに縛られた暮らしにも、喜怒哀楽、切なくも可笑しい人生の諸相があった。江戸の武家の心を綴る、傑作時代小説短編集。 朝井節、ますますの名調子。 1冊に長編8作分の人生が。 「紛者(まがいもの)」助太刀を頼まれた、牢人者の信次郎。頼まれたら断れないのが武士だが。 「青雲」立身する者とできぬ者。分かれ道を説く上司に悩まされ。 「蓬莱」大身の旗本家へ婿入りしたはいいが、妻から3つの約束をさせられて。 「一汁五菜」刀ではなく包丁で仕える江戸城の料理人が、裏稼ぎに精を出す。 「妻の一分」大石内蔵助の妻、りくにとっての忠臣蔵を、そばで見守った者がいた。 「落猿」藩の外交官である江戸留守居役が、公儀との駆け引きの最中に。 「春天」剣術指南所の娘と二刀流の修行人。剣で心を通わせた二人の行く末は。 「草々不一」漢字を読めない隠居侍が、亡き妻の手紙を読むため手習塾に通い始める。
  • 宋の太祖 趙匡胤
    3.3
    栄華を誇った大唐帝国が滅びて40年、天下はまだ再統一の兆しすらない。脆弱な王朝のひとつ、後漢の将軍・趙弘殷の嫡子、趙匡胤(ちょうきょういん)は無実の罪で繋がれた牢獄から脱出し、義兄弟のちぎりを結んだ鄭恩と共に、都の開封をあとにした。宋を建国した趙匡胤のダイナミックな生涯を瑞々しく描いた中国歴史長編小説。
  • 其の一日
    4.0
    吉川英治文学新人賞に輝いた傑作短編集。安政7年3月3日、井伊家の密偵・可寿江(かずえ)は水戸浪士の不穏な動きを察知し、主君でかつて恋人でもあった直弼に通報しようとするが。「桜田門外の変」「箕輪心中」などの事件を題材に、江戸市中で懸命に生きる人々の、運命を変えた1日を描いた時代小説短編集。全4編を収録。<第24回吉川英治文学新人賞受賞作>
  • その夜の雪
    値引きあり
    -
    祝言を間近にひかえながら暴漢に襲われ、命を絶った愛娘。「仏」の名を捨てて復讐に奔走する父として定町廻り同心・森口慶次郎が初登場する表題作や、妻に逃げられた男と子供を授からなかった女の交情を細やかに描いた「うさぎ」等、ままならぬ運命と向き合う江戸庶民の姿を鮮やかにすくいとった傑作短篇集。
  • そろそろ旅に
    4.1
    『東海道中膝栗毛』で一世を風靡(ふうび)するのはまだ先のこと。若き日の十返舎一九(じっぺんしゃいっく)、与七郎は平穏な暮らしに満たされず、憑(つ)かれたように旅を繰り返す。駿府から大坂、そして江戸へ。稀代のユーモア作家が心に抱いた暗闇とは何だったのか。意外な結末が深い感動を呼ぶ、直木賞作家渾身の長編小説。
  • 損料屋見鬼控え 1
    値引きあり
    3.7
    文政元年(1818年)、損料屋(江戸時代のレンタルショップ)巴屋の惣領息子・又十郎は17歳になってからも親から丁稚扱いをされていた。損料屋といえばいちばんの得意先は長屋。長屋から長屋への引っ越しなどではわざわざ家財道具は購入せずレンタルで済ますことが、上方ほどではないにせよ江戸でもそれなりにあった。最初の事件は巴屋の店の入っている長屋だった。大家にヘンな物音がする部屋があるので見てほしいと頼まれてついていくと、部屋の隅に見事な幽霊の姿。もともと霊感らしきものが強いとは自覚していたが、あまりに鮮明なそのお姿に又十郎は腰を抜かしてしまう。これが「事故物件」のなせる業なのか!
  • 増上寺刃傷
    -
    将軍家光の死に際し、殉死しなかった祖父と、遊里で横死した兄。この二つの屈辱感を払拭するため、永井尚長は傲慢にふるまっていたのだが……。自らの生を見誤った者たちを描く歴史短編集。

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