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Posted by ブクログ
田中芳樹の『銀河英雄伝説』シリーズにおいて、オーベルシュタインは戦略家であり、ヤン・ウェンリーはもっぱら戦術家である。今までこの違いというものをよく理解できていなかった。
戦術家は勝ち筋を見つける。敵の数、配置、状態、地形、味方の状況など、情報を集めて勝つ方法を考える。または勝てるかどうか判断する。読んでいて孫武はヤンに近いのだと思っていた。学者肌で出世欲は無く出来れば表に立ちたくない。
戦略家は勝ち方も負け方も考える。一度の戦いよりもあるひとつの目的を達する為に兵事も政事もトータルで考える。ここで勝つことでor負けることで、目的にどのように影響するのかを考える。目的のためには負けることもひとつ手であると考える。オーベルシュタインは「目的のためには手段を選ばない」という言葉の示す通りと言って良く、伍子胥も戦術家に近いと思っていた。
読み進め終盤に差し掛かってくるとどうも孫武はあえて戦略に対して控え目だったのだと気づく。戦略が使えないわけではない。実際に自分の意見が通るようにあえて自分以外に指揮を任せて、負けさせて、その埋め合わせによって信頼を強化する、ということをやっている。しかしそこに出世欲はない。成り上がりたいとか復讐がどうとかそういうところにないからこそ、必要にせまられなければ、戦略を練らなかったということなんだろう。
伍子胥の話は前々から知っていたし、結構面白くて好きな話の一つであったが、今回かなり詳しく読めて良かったと思っている。
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久々に原点回帰、と思い読んでみた。この本は確か高校時代に買ったきり、はしりを読んでそのままにしていた一冊だった。やっぱり面白い。時代はおろか発表年数すら自分の生まれるより前であるのに、今を生きる我々にとってなんと示唆に富んでいることか。自分らがふっと思いつくことなど古からの真理であったりする点で全く敵わない。今年はより積極的にオリジンを志していこうと思う。
Posted by ブクログ
孫子の兵法を記した,孫武とその5世孫臏の話。上巻は孫武。下巻が孫臏。
本書を読むまで,孫武とは百戦錬磨の将軍だったのだろうと勝手に想像していたが,全く違った。戦争の研究家で,文人肌の人間のような感じだったのだなと思った。しかし,研究家で机上の論理であり,実践では使えないだろうという呉王闔閭の問いに対し,『理は形(実)を離れたものではありません。形の中に理を見て整理したものであるので,理の中に形が有るべき道理です。理は即ち形であり,形は即ち理です。実地に応用して役に立たないはずはない』と言い切っています。戦についても,『戦わざる以前に既に勝っていなければならないと。戦って勝つのではなく,既に勝っているものを自ら確認し,敵に確認させるために戦は行うのだと。』策についても『情勢によって施すのが最も良いと。前もってここから手を付けて,こう向こうが出たらこうというように決めてかかっては,ことが予想通りに運ばない時にはかえって途方にくれることになる』と。
次に孫臏。この人は,宮城谷氏の小説で出てきたの幾分は前知識があった。友人であり,援けて来た龐涓に罠にはめられ復讐の鬼になるが,中国では結構こういう場面に出くわす。伍子胥などもそう。『世に必勝の算はない,すべて比較的なものだ。』『斉の威王にこういう話がある。威王の宰相の鄒忌が言った言葉に,妻が自分を立派と言うのは贔屓しているからで,妾が自分を優っていると言うのは恐れているからで,来客が自分を美しいと言うのは機嫌をとっているからです。このように人は真実を知りがたい状況にあると。』『巧遅は拙速に及ばず。合戦において,躊躇逡巡ほど悪いものはない。だから優れた将軍は瞬間に最も効果ある方法が見つけれるよう訓練しているもの,またはその天資が備わっているものである』と。
全2巻
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