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野の花に似て儚げな美少女は、父親のような後深草院の寵姫となりながら弟宮や実兼の恋人になった。やがて出家し放浪した二条の、己の性の遍歴を赤裸々に吐露した禁断の書「とはずがたり」を、実兼を語りべに、一遍との出会いを出家の動機に再構築、新しい二条像に迫る。二条の真実と精神の再生を解く会心作。
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Posted by ブクログ
二条ではなく、西園寺実兼視点で描かれているので、外交、政治に関するところもあって面白かった。 ただ二条を主人公として描くよりも、世界が広い気がします。 元のとはずがたりは読んでいないので、そのうち読んでみようかな…と思いました。
海外に来てから、日本語の本が入手しにくくなったので、めっきり本を読まなくなった。こうなるとたまに本を手にれても読む速度も落ちるし、読むきっかけが作れない。この本も昔ならさくっと読めたのだが、今はけっこう大変だった。 しかしそんな私の事情はともかく、本としては読みやすいしいい本だった。ぐっとくる本だ...続きを読む。西園寺実兼の言動が現代人すぎる気がするが、それはこれぐらいでいいのだと思う。 若い頃の話(もとのとはずがたりでいう愛欲編)は、「こんなことしているから武家に放逐されるんだ」「働けよ」と思うが、後半、年を取ってきてからの話のほうがいいな。後深草院の臨終の「お上、二条です」のところや、彼の野辺送りに二条が着いてこられないシーンは、涙が滲んだ。泣いたというのとは違うか。西園寺実兼の述懐と合わせて、ため息をつく感じ。 さすがは杉本苑子でうまいこと書くなと思っていたら、野辺送りのシーンは原本にあると聞いて驚いた。原文を読む自身は・・・ない。でも現代語訳を公開している人がいた。すごいな。いつか読んでみたいものだ。
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