哲学・宗教・心理の検索結果
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家族関係あらカルテ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は、"家族関係"や"現代人の心の危機"について、新聞に連載され好評を博したエッセイに書下しを加え、編集してまとめたものである。4人の子持ちである著者自身の家族や患者をめぐる家族のエピソードなどを引きつつ、ユーモラスに、そして鋭い人間観察を交えながら、よりよい家族の在り方を探っている。家族の危機とか崩壊が叫ばれて久しいが、本書の診断と処方箋を読めば、きっと読者家族の幸福に役立つことが多いにちがいない。心の健康についても、身近な事例を満載しているので、予防のための知識が得られる興味深い読物となっている。 -
宗教を理解すること
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 宗教とは何か。宗教現象を理解するためには「聖なるもの」や「神」といった非合理的、超越的存在を扱うことが必要となる。本書は、日本の精神的風土と宗教との関わり(1章・2章)、ライフヒストリーと宗教との関わり(3章・4章)、歴史資料から読み解く(5章・6章)、計量・調査による宗教の分析(7章・8章)と、具体的な宗教教団を事例として採り上げて、宗教社会学の視点と方法論を網羅したテキスト。 -
神々宿りし都市 世俗都市の宗教社会学
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 都市には、神ガミの様々なネットワークがある。家内安全・病気平癒・商売繁盛など、不可視の明日の安泰を願う現世利益の信仰、祈りと浄化を密かに託す水子供養、先祖を祀る聖地としての霊園墓地、伝統・伝承を今に受け継ぐ各地域のお祭りや家庭の年中行事、精神世界という新しい名称のもとに息づく占いや心霊研究の世界等‥、気鋭の研究者の11編の論考で、様々な生活と欲望が生起する都市を覆う信仰の諸相を考察する。 -
新しい交流分析の実際 TA・ゲシュタルト療法の試み
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書の症例の多くはグループ療法のように見えますが、実際にはグループのなかで個人療法を行なったものです。したがって、この本で紹介した方法のほとんどは一対一の心理療法、あるいは治療者の自己分析の方法としても用いることができるものです。本書には実際に個人が行なったゲーム分析の記録も含めています。また、第一章ではTA・ゲシュタルト療法の基礎理論の概要と臨床における手順を、個人療法の症例を交えて紹介しました。巻末に本書に出てくる主要な用語を解説しておきましたので、参照していただければ幸いです。今日、心理療法は患者さん、治療者、治療法の三者がぴったりと組合わされ、アプローチする方向へ向かっていると思います。本書が、より有効な心理療法を求めておられる学徒のかたたちに、なんらかの刺激になれば幸いです。 -
やさしいカウンセリング講義 もっと自分らしくなれる、純粋な癒しの関係を育むために
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 カウンセリングのなかで、いったい何が起こるのか-それを言葉で説明することは、きわめてむずかしい。本書は、カウンセリングを学ぶ人にも、カウンセリングを受けたいと願いながらどうしようか迷っている人にも、十分納得がゆき理解が深まる説明で、明快にカウンセリングの要諦を語った貴重な一冊である。 -
意識の闇、無意識の光 アリアドネの糸をたずねて
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「私とは何か」「生きるとは何か」という人間存在にとって永遠の問いを、ギリシャ哲学をはじめ宗教、文学、医学、生物学、物理学など、古今東西の多彩な文献からの引用を駆使しつつ深めていった意欲的な書き下ろし。医学博士であり、鍼灸師でもある著者は、巧みなバランス感覚でこの永遠の問いを自らに問いつづける。その該博な知識と深い思索は、他者を排除することなく包み込む温かさをもっている。序文および推薦は、河合隼雄氏。 -
児童養護施設と被虐待児 施設内心理療法家からの提言
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 児童養護施設に心理職が導入されるようになったが、それは被虐待児への対応のためであって、そこで暮らす他の子どもたち全般にまで及んでいない。本書は、長年、施設でカウンセラーとして子どもたちの心理療法を実践してきた著者が、被虐待児を中心に多くの典型事例をあげながら、様々な問題を抱える子どもたちの心の世界を類型に分けて理解し、職員や心理士がどのように関わってゆけばよいのか、具体的にアドバイスする待望の書。 -
カウンセラーは何をするのか その能動性と受動性
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本のカウンセリングの黎明期から、その成立と発展を支えてきたベテランカウンセラーが、みずからの臨床実践のなかから新たに見えてきた実践的臨床知を、若い臨床家たちに向けて書き下ろした力作。最近のカウンセラーに不足している能動性と見立ての力について、カウンセリングの効用と限界について、また「感情」「感覚」という二つの視点からのユニークな共感についての考察など、長年の臨床経験からしか語れない貴重な内容。 -
箱庭療法の心層 内的交流に迫る
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 箱庭療法が日本に導入されて40余年。その領域は心理臨床に留まらず、医療・教育・福祉にまで広がっている。しかし箱庭療法による治療と基礎的研究の間には依然ギャップがある。本書は箱庭制作者と面接者との関係性に焦点を当て、制作者側の内的体験を検討する。さらに箱庭(砂箱)そのものについても主観的体験や臨床事例を通して検討していき、箱庭制作者と面接者、そして箱庭の三者関係から、箱庭療法の治療的要因に迫る。 -
夢分析の世界 四つの症状をもつ女性の事例
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は、心臓神経症、不妊症、小鳥恐怖、離人症的感覚に悩む一人の女性の夢分析過程をまとめた事例研究である。セラピストである著者自身が3年間2000個に及ぶ夢を丹念に記録・分析し、夢分析の実際をみせる。クライエントの精細な夢描写、それを的確に理解するセラピストの絶えざる応答はときにスリリングであり、劇的な治癒は夢分析の本質を教示する。粘り強く、真摯な対応はクライエント中心療法の模範であり、心理臨床家にとって好個の教材となろう。著者の記念碑的著作『女坂-夢分析の世界』(1994年刊)を加筆修正、多くの声に応えて待望の復刊。 -
母性の喪失と再生 事例にみる「母」としての愛と葛藤
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 時代の変遷の中で、日本人の母性イメージは種々に混乱し、女性のアイデンティティもさまざまな形で拡散を見せている。本書は、セラピストとして、そうした現代的諸問題を抱えるクライエントと40年以上も会い続けてきたベテラン臨床家が、「母性とは何か」について叡智に満ちた臨床心理学的視座を示す。ことに第2部では七つの事例を取りあげて、現代的問題の孕む葛藤とその解決の道筋を、個性化の観点から鮮やかに示している。 -
心理療法と臨床心理行為
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 臨床心理士と呼ばれるこころの専門家が行なう臨床心理行為の概念設定の問題、心理療法における枠組みについて、クライエントの来談動機と心理療法の実際について、カウンセラーの守秘義務について、心理療法における終結について、また、実際にカウンセリングを受けたクライエントからみた事例報告についてなど、心理療法にとってきわめて基本的かつ重要な問題を、九つの章にまとめる。 -
教育分析の実際 家族関係を問い直す男性の事例
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 心理臨床の第一人者である著者が一人のクライエントに行った20回に及ぶ教育分析の全場面を克明に再現。詳細な逐語録である本書は、カウンセリングが辿る過程や意味、危険性や転移-逆転移の様相までを鮮明に浮き彫りにする。面接の中でクライエントの意識はどのように変容していくのか?コミュニケーションのとり方や沈黙の処理の方法など、臨床心理士やカウンセラーを目指す人すべてに役立つ貴重な記録資料。『教育カウンセリングの実際』(1992年刊)を一部加筆修正、冒険的試みの全過程が待望の復刊。 -
麻薬の心理学 痛みとモルヒネ耐性・依存性のコントロール
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 麻薬の鎮痛耐性と依存性への、学習心理学からの画期的アプローチ。本書は、くすりの効果の条件づけという新しいテーマに、正面から取り組んだ注目の書である。本書を読むと、くすりとこころの関係について抱くおぼろな惑いが氷解する。モルヒネの複雑な薬理的性質と、パヴロフ型連合学習の理論を駆使して、簡明で独創的な手法を用いて行われた実証的研究は示唆に富む。痛みからの解放のために、さらに有効な手段が増えることは患者にとっても福音である。 -
私たちは長崎にいた
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 原子野に残されたものは、灰とわずかに生き残った者たちと、その心に深く刻み込まれた「ひび」だった。命をながらえた者は生き残ったがゆえに、「私は隣人を見殺しにした」、「私は仕方なく盗みをした」といった、生涯消えることのない心の痛みを抱え、さらにはこの「私」を「彼」に置き換えた記憶も引きずることになる。 本書は、死の間際にある永井博士が編者となり、生存者の壮絶きわまりない体験で構成された「平和への叫び」である。 証言者の中には、博士の2人の子も含まれ、妹カヤノの感想は、お母さんも一緒に天に昇ったのだから「原子雲は、あんなにきらきらと美しかったのです」で結ばれる。 一方、兄誠一の話は、次の一節で締めくくられている。「刀をふり上げてぼくを切ろうとする人から、刀をもぎ取るもよいが、刀を持たせたまま、柔らかく胸に抱きこむ勇気と知恵を、ぼくはほしい」 -
ロザリオの鎖
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 焼けただれたロザリオの鎖だけを残して逝った妻を偲びながら、2人の幼な子をかかえ、再建と希望へむかう一家のありのままを描いた永井博士の永遠のロングセラー。 時には、娘カヤノを養女にもらいたい、あるいは博士本人の後妻の話も舞い込む。そのつど博士は考える。10年もすればこの子たちも成人となり、やがて家庭をもち、父となり母となる。その時、父の真意を理解してくれるだろう。「お母さん」の面影はたった一つだからこそ尊いのだ、と。 ある時カヤノ宛てで、送り主に心当たりのない小包が届く。恐らく読者からだろう。当人に開けさせると着せ替え人形で、帽子、靴、布団、枕まですべてお手製の立派な裁縫だった。 小踊りする娘を見ながら、「こんな楽しい遊びの世界が、与えればカヤノにあったのである。それを男親の知らぬ悲しさ」――。ほのぼのとした人間味が、涙を誘う。 -
平和塔
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「足は立たなくとも、まだ手は動く。たとい一行書いては呼吸をととのえ、一節終わるごとにペンを置き、腕をマッサージしながらでも、原稿を書くことはできるのだ」 長崎で自ら被爆しながらも、原子科学者として、詩人として、そして父として執筆活動に命をかけた平和の使徒「永井隆」。 母をすでに亡くし、やがて疑いもなく父も亡くなるであろうわが子2人を傍らにおきながら、畳2枚の〈如己堂〉で瓦礫の山と化した天主堂を眺め、その教会の鐘を聞きつつ書かれた信仰とは、人間とは、科学とは――。平和への祈り、ヘレン・ケラー女史との出会い、魚の培養など、人間愛やユーモア、先見性にあふれた種々のエッセイが収録されている。 本書を執筆した頃の永井博士は、すでに何冊かのベストセラーで「時の人」になっており、様々な人々との「語り」が本書の土台を構成している。 -
花咲く丘
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 医師そして文筆家永井隆博士の著作は、大きくいくつかにくくることができる。 浦上での原爆前の生活、ピカドンそのものの体験、その後の原子野生活、さらにわが子に遺す言葉の4つであり、ほかに原子病の科学的考察と、キリシタンの迫害・殉教のテーマ2つを加えた6つとなる。 このくくりでいうと、『花咲く丘』はその後の原子野生活を綴った名作『ロザリオの鎖』の続編に位置づけられるが、この作品にはほかと異なる「静かな明るさ」が底流していることを読者は肌で感じとるだろう。浦上の人々は、何事が起きても「おぼしめしですたい」と言うだけ。これは「仕方がない」とはちがい、与えたもうも、奪いたもうも、すべて神の愛と感謝するのだ。 どんな焦土も、時がたてば植物が芽を出し、花咲く丘へと変わっていく。希望と勇気で逆境に立ち向かう人々の力の源を、涙と笑いの随筆に託した一服の清涼剤。 -
ルソー
ルソーの『社会契約論』は、フランス革命に、ほとんど何の影響も及ぼしていないし、そもそも、ルソーは「革命」などということを考えもしなかった。『エミール』を書いたとき、ルソーは、自分にも有り得たかも知れない、いま一つの、楽しい人生を空想していた。教育を革新しようなどとは考えもしなかった。『新エロイーズ』は、ルソーが、片恋や社会的な不遇の苦悩から逃避しようとして、私生活と私的感情を書き込んで作った空想物語であって、ロマン派のさきがけになろうなどとは考えてもいなかった。・・・しかし、日本で、こんなことを書くと、ルソーを知っているつもりのあらゆる人々から、「ルソーについて、基本的なことも知らないバカ者め」、と怒鳴りつけられます。しかし、フランスでは、これが穏健中正、支持者のもっとも多いルソー論なのです。それもそのはず、上記の三点を始めとするルソーのさまざまの面を確実な実証によって証明している本書は、生涯を、ルソーを中心とするフランス十八世紀文化の研究に捧げた、パリ大学名誉教授、ダニエル・モルネの晩年の名著なのです。この書が初めて翻訳されたので、当の翻訳者を始めとする日本の読書人に、常識をくつがえされたショックは免れません。しかし、その暫時のショックから立ち直ったわれわれの前に、解き甲斐のある二つの問いが現れます。第一問、日本人のルソー観は、いつ、そして、何故、統一されて今に到っているのか。第二問、ルソーとはどんな人だったのか。人間・ルソーを知己とすることができたら、自分の生き方、人間観、社会観はどう変わるか。第二問を考えるための貴重なヒントとして、『告白』、『孤独な散歩者の夢想』など、晩年の自伝を虚心に読んで、まずは、人間・ルソーに親しむところから、もう一度、ルソーに接近するのがよい、と、著者のモルネは勧めてくれています。既成概念の再検討のためにも、是非、本書を、ご一読ください。(訳者は東大大学院修了、もと大学教員) -
本ものの幸福の、ありか : 新しい幸福論の提唱
著者のカズヌーヴは、一九一五年、イタリア生まれ、フランスとアメリカで社会学、人類学を学んだ人。人間にとって幸福とは何か、という問いを、これまでの西欧中心の哲学理論にとらわれずに、自由に、考えています。この本は、「天国とはどんなところか」という問いを、さまざまの時代と民族に即して考えるところから始まります。幸福論ならば、何をおいても、欲求の充足方法、という、われわれの常識の、意表をつく本です。しかし、現世の彼方へのあこがれは、実は、人類の起源とともに古いものであり、科学技術万能時代の、われわれ現代人こそが、そのあこがれをとおして、真の幸福がつかめることを、著者は、驚くべき説得力で示してくれます。アメリカ・インディアンのズニー族とナヴァホ族の生活と祭儀に、彼らのユニークな幸福論を探る部分は、とくに、感動的です。 -
生活の質を高める思考術
「これだ!」と思える素敵な生き方、考え方を、生活に組み込んで習慣とし、ついでに、いやなクセを解消することができたら、それこそが、生活の質(Quality of Life=クオーリティ・オブ・ライフ)の向上。それを、実行し持続するためのヒントを、ふんだんに提供してくれるのがこの本です。今の自分にピッタリと合うプランを、この本の中に見つけて、すぐに取り組んでみましょう。生活に、明るさと落ち着きが戻ってきます。原書が刊行された1929年と言えば、二つの世界大戦のはざま。しかも、経済恐慌のあらしの中とあって、欧米の人々は、群れの中に逃げ込んで自己を失っていました。先の見通しのつかない、不安に満ちた日々。そこへ出現した本書は、爆発的に広まり、アメリカでは、年間を通してベストセラーの一位を維持しました。二十世紀のアメリカを代表する哲学者・教育学者のジョン・デューイは、本書を「思考のための必需品」と認める小論を書き、さらに推薦文(「訳者のまえがき」に訳文を収録)を書いて本書を推奨しました。いまの人々に必要な、精神の自立と予見の力を教えるのはこの本だ、と確信したのです。本書が興味ぶかく語る、欧米各国の教育事情や国民性の比較は、七十年後の今も、なまなましい現実感を失っていません。世界が、またも、重苦しい雲に被われている今、われわれは、この本を通して過去を思い起こし、それに重ねて現在を考える必要があります。そこで、訳者は、ディムネの心をくみながら、現代日本人を、ディムネ風に考察する三章を書いて巻末に添えています。 -
銀河鉄道と星の王子 : 二つのファンタジーの、接点
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』と、サン・テグジュペリの『星の王子さま』は、どちらも、ほとんどすべての日本人が知っている、名高いファンタジー(幻想文学)です。ところが、その二つの作品の、だれも知らなかった新しい読み方と意味を、この本が発見しました。『銀河鉄道の夜』については、いくつかの資料のユニークな解読をとおして、主人公・カムパネルラのモデルが、作者の死んだ妹・トシであることを発見しました。併(あわ)せて、その、ファンタジーを、賢治が制作した理由と経緯(いきさつ)が明らかになりました。ジョバンニ、カムパネルラという名前の由来など、注目すべき発見も、数多く紹介されています。『星の王子さま』については、フランスで刊行された辞書類を使って、原書を吟味した結果、邦訳(半世紀にわたって愛読されてきた、内藤濯(ないとうあろう)先生の訳)だけでは、けっして、知ることのできない、作者の真の思想や、作品を一貫する信念などについて、少なくとも二十ケ所、新しい、重大な発見がありました。そこで、ファンタジー『星の王子さま』は、作者の幼時が、幻影となって出現して自らの半生を語り、未来の世界の平安を祈りながら書いた遺書、という推測が可能になっています。それらの発見をとおして、二つのファンタジーの姿が、すっかり新しくなったので、作者たちは、この本の中で初めて、それぞれの、心の全体を打ち明けて、語り合っています。本書では、さらに、「まえがき」と「あとがき」で、人の生命と文化と宗教とが、ファンタジーの中で、一つに融合することを、具体的な例を挙げて論じています。両作品の、詳しい説明付きの「あらすじ」も、楽しい読み物となっています。二人の天才が、自由奔放に論じ合い、相互の思考を確認し合っている、この本の議論に、ぜひ、参加して、心を爽快にし、生きるための活力を獲得してください。 -
考える人・ルソー
ルソーのすべての著書や書簡から、ルソーの正体を描き出す、興味ぶかい文を集めて、解説し、ルソーの本質を探り出した本です。著者のファゲは、道徳、政治、教育、の諸問題について、ルソーと対等に、自由に語り合った結果を、鋭い寸評として、随所にちりばめています。たとえば、「愛や友情は、幻想に過ぎない。しかし、その幻想に抱かれる心ほど、生気ある実在は、ない」、「人が三人いるとして、二人が合意すれば、三人目の意見は無視してもよい、という、多数決の論理に、ルソーも、だまされている」、「ルソーは、フェミニストとなるには、女を愛しすぎた」、「民主主義は、人を、画一化している」、などなど。ルソーは、一般の読者が送ってきた身の上相談の手紙に、親身に答えました。その返信のコピーの中の七通が、この本で、初めて、紹介されています。返信の宛先は、自殺志願の青年、再婚をためらう若い未亡人、などなど。ルソーは、彼らの、家族や友人になった気持ちで、語りかけています。(「道徳」の項) 国家の治安と国民の幸福増進のために、ルソーは、市民宗教を提案しました。その名残が、いまも、各国の国歌、元首の演説、日本の憲法などに、跡を留めていて、国旗などの国の象徴とともに、国民の心の結集に、一役を買っています。(「政治」の項) ルソー、いわく、「どんなに不可解と見える心も、角度を変えてみれば、かならず、そこから、有用な才能が引き出せる。そのことを無視して、ごく早い時期から画一的な知育を行うと、子供たちの魂の、偉大な面が光を失って、心の、生来の姿が隠れてしまう。その結果、少数の目標に、雑多な才能が殺到して、子供たちの固有の特色を消し合い、子供たちが独自に創造したものの、すべてが失われてしまう」。(「教育」の項) ファゲは、この本を、ルソー生誕200年記念行事の一環として書きました。それから、さらに100年、人類は、さまざまの難題に、ぶつかって、迷路に入りそうになっては、正道に立ち帰るべく、悪戦苦闘中。そんな大衆の一人である訳者も、(訳註)、(付記)、(小論)などのかたちで、ルソーとファゲに向かって、現代人類の苦衷(くちゅう)を訴えています。 -
論語物語
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ―『論語』は「天の書」であるとともに「地の書」である。孔子は一生こつこつと地上を歩きながら、天の言葉を語るようになった人である。天の言葉は語ったが、彼には神秘もなければ、奇蹟もなかった。いわば、地の声をもって天の言葉を語った人なのである。…こうした『論語』のなかの言葉を、読過の際の感激にまかせて、それぞれに小さな物語に仕立ててみたいというのが本書の意図である。と、『論語』とともに生きた著者・下村湖人は本書の序文で語る。本書はその意図が活き、『論語』の真髄を小説として、物語として、イメージゆたかに読み取ることができる。
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