括弧の意味論

括弧の意味論

ビジネス・実用
2,024円 (税込)

10pt

4.0

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週刊誌の見出しや難解な現代思想文には、なぜ括弧が多用されるのか? さまざまな領域でみられる「括弧という現象」を分析し、括弧のパワーの秘密を明らかにする、ユニークな現代コミュニケーション論。

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    Posted by ブクログ

    週刊誌の見出しや現代思想系の本にしばしば登場する「」や〈〉などの括弧。あれはいったいどういう意味なのか? そんな疑問からスタートする、奥深い言語世界への考察。

    括弧の意味について言えば、僕らだって「彼は評判通りの「エリート」だね」などという表現に見られる皮肉なニュアンスを読み取ることはできる。もちろん本書の話がこの程度で終わるわけはない。この本では、人間の言語の特徴に再帰性(ある文を他の文に埋め込みうること)があるという視点から、それが現れる場としての括弧を考察することで、言語の本質を垣間みようとしている。(したがって、本書では「」などだけでなく、黒抜きやジェスチャーなど「括弧的な言語現象」全般を扱っている)。

    括弧を分類する第一章、文中に占める括弧の割合について調べた第二章、その歴史を辿る第三章...とそれぞれに興味深い話題が続くのだが、やはり中心は括弧の意味を分析した第四章と、そのような括弧的表現が発せられる行為の意味を分析した第五章。ここでは言語哲学の話が中心になるので僕には難しい箇所もあったのだが、括弧的表現の特徴を指示語が持つ「投写」という機能で捉える筆者のアイデアになるほどと頷かされ、括弧だけでなく指示語一般への興味をかき立てられる。また、括弧の意味が明示されていないにも拘らず、ほとんどの場合、それが話者と受け手の間で共有されているのはなぜか?という第五章の問題設定も、とても面白かった。

    終盤では括弧の意味論的な分類も掲げられているのだが、そこだけ読んで終わりにするのはもったいない。個人的にも参考文献にあたって、もうちょっと日本語論について勉強してから、また読み返したい一冊だった。

    0
    2012年01月08日

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