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激しい社会変動に追いつけず、立ち往生している――そんな、日本の「おとな」の特徴は、社会が変わっているのに旧態依然たる「あるべき」姿に縛られたところにある。いかにそこから脱するか。高齢化時代を自分らしく生き抜くために、何を考えればいいのか。好評を博した『子どもが育つ条件』のおとな版。
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Posted by ブクログ
著者の「子供が育つ条件」を読み、ハッと気づかされることが多かったので、続編的なこちらも読みました。男の人は読んでいると、普段の自分を省みて、いかに妻のことを理解していないか、いかに自分本意であったかを痛感します。。 家族とは、家事とは、誰のためにあるかなど、普段当たり前になっていることを考えるきっか...続きを読むけになります。
とても興味深く読んだ。親になることと親をすることの違い。育児=育自などの著者の言葉が胸に残った。最も興味をひかれたのは幸福感の見解。かつて「男はしごと、女は家庭」という性別分業かなされていたが、社会の変化によりその意味は失った。現代において重要なのは仕事と家庭のワークライフバランスである。育児不安が...続きを読む無職主婦に多いという結果はそのバランスがうまく保たれていない一例である。女性は、個として認められることがその幸福感につながる。社会参加の重要性を改めて感じた。
おとなも発達する、というか能力に偏りがでてくるという主張。日本でのおとなの発達課題をアイデンティティやジェンダーというキーワードから紐解く。夫は幸せ妻は不満という典型的な家庭が熟年離婚となるには、コミュニケーションの方法やコミュニティの広げ方に問題があった。今後は「働く母」とか「イクメン」とか言って...続きを読むないで男女子供ともに自分のケア、そして他人のケアが出来るようになることが大事とのこと。p169「ああはなりたくない」は、動物のようにモデルをそのまま模倣せず、モデルから逆の「なりたい」自分を考える、人間ならではのこと。能動的に学ぶ姿勢と力です。という言葉が良かった。図や表があまりにきれいにまとまってたのでほんまかいな?と思うとこはあったが、数値を根拠に論が進むので感情論でなくよく分かった。
大人の心理の分析が的確です。ジェンダーの立場からの指摘も今考えてみると本当にそうだと思って反省もしました。もっともっと社会から変えていかないとね。
社会化による人の発達が現実社会を生きるために不都合が出て来ている。旧来の価値観に基づいた社会化に身を委ねるのではなく、自分でこれからのあるべき姿を模索し、それに向けて力を注ぐことが大事である。と解釈しました。そうすると今の学校教育でいいのかなと考えさせられた。もっと自分で考え自分で行動する人を育てる...続きを読むように持っていかないとなあ。
家族関係に問題を抱えている時に出会った。 日本と諸外国との比較や、日本の社会性からの家庭環境の考察がされていて印象的であった。
タイトルからはもう少し科学的な内容で、人間という生物の成り立ち方、育ち方、かと思ったが あにはからんや。日本社会の持つ歴史や文化を、古き悪しきものと考えて引っ張られすぎているかなあ、という印象を強く持った。いわゆる濡れ落ち葉的退職後のオッサンの話やら、家族を顧みない過労死の話やら。これは、「日本のジ...続きを読むェンダー論」とでもしたほうがいいのかなあ、と思った。おとなが育たない要因は、そういう昔ながらの夫婦の依存関係の歪みよりも、「マイルドヤンキー」のような内向的社会分断のほうが今後は問題になるんじゃないかなーと想像。
自分がアンドロジニー型であることがわかった。 「選択縁」というのは上野千鶴子の書籍で知った覚えがある。 自分が成長し発達するために両性具有的でなければならず、自ら選び取った「縁」の中で生きなければならないのでしょう。 発達心理学とあったので、発達障害の本かなぁ・・・と思ったのですが、もっぱら「自分の...続きを読む生き方」を問うているものでした。
おとなの発達障害というのが話題になっていて、ふと手にとってみた本。学力よりも実務能力が「賢さ」の指標。 大人の未発達の原因を、基本的に家族における性役割に求めている。すなわちジェンダー論からの指摘のため、家事分担や育児に関わらない夫は妻の重荷になる「大きいだけの子ども」「退職後のネットワークがない...続きを読むため孤独」という、いささか既婚男性に厳しい論評が繰り返されている。女性も女性で未婚であるために幼稚な人や、既婚でも精神的に大人じゃない人も多いにいるわけだが、それについてはほとんど論じられない。 発達心理学からというよりも、ジェンダー、フェミニズムから考えた本。 超長命社会化で、男も女も、仕事一筋ではない家庭を軸にした生き方を考えるべきという主張は納得できるが。未婚で仕事ひと筋の人だって必ずしも子どもっぽいとは限らないと思うけど。とくに結婚による幸福感に「夫は満足、妻は不満」という研究結果がそれを語っている。だからこそ妻の不満を和らげるために、男は努力しなさいよ、という啓蒙書なのだろうな。 経済的に自立するのみならず、幼弱衰病老者に寄り添いケアする心こそが、おとなの要件である、には大いに同意。
寿命が延びたことで、子育て以降の人生が長くなった。それを有意義に過ごすためのヒントが書かれた本。 ケアの提供者が女性に偏っている状態が現代社会の構造で続くと、ひずみがどんどん大きくなる。 男性もケアの提供を担うことで、ケアを与える側のことも学ぶことができて、それはさらなる成長になる。 これまで男性...続きを読むが担ってきた責任を女性が果たすこともしかり。 生物上の次元の変化→社会の変化→個人に求められる変化 という図式をイメージできた。
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