歴史・時代小説作品一覧

  • 素浪人 宮本武蔵(三)〈修羅の篇〉
    4.0
    武蔵は江戸を離れた。憧れの小野次郎右衛門と対峙した瞬間が脳裡を去らない。450人も斬った人で、徳川家・剣術指南のひとりだ。小野は眼を閉じて武蔵の攻撃を避けた。貫禄が違う。甲州路に入った。またも女難剣難の嵐だ。下諏訪で黒曜石の利権を荒らす博徒一家を潰すための助っ人を引き受けた。斬る。斬りまくって小野を超えたい。だが修羅の旅はどこまで続くのか。
  • 素浪人 宮本武蔵(十)〈無常の篇〉
    -
    「負けないことが、生きること」を説きつづけた峰流武蔵。遂に、この最終巻で真価を発揮する。宮本武蔵、29歳。佐々木小次郎、27歳。互いに人を斬り、斬っては旅に出た。虚しくなれば女も抱いた。その同じ生き方が対抗意識を燃やしたのか、両雄は並び立たないのか。海上一里の孤島に死闘の時刻が迫る。「現代人の感覚に合う」と、好評の嵐を起こし、全十巻が完結!
  • 素浪人宮本武蔵(七)龍祥の篇
    -
    宮本武蔵は、柳生の庄に入った。剣豪の里だ。つい腕だめしをしたくなるが、撓え(竹刀)の打ち合いは遊びに等しい。武蔵は、奈良から伊賀上野へ旅立った。そのころ、佐々木小次郎は、越中・五箇山で山賊斬りをしていた。二人は、剣も強いが、女にも強い。伊賀上野で、武蔵は、鎖鎌の名手・宍戸梅軒と対決する。梅軒は敗北を知らない。危うし、武蔵! いかに戦うか?
  • 素浪人 宮本武蔵(二)〈青狼の篇〉
    5.0
    姫路城で凄絶な果たし合いが行なわれた。武蔵が次々と斬る。「強い。仕官せよ」と城主の池田輝政が誘った。が、武蔵は江戸へ出て、徳川家の指南役、柳生又右衛門と小野次郎右衛門との対決を考え、東海道を急いだ。輝政が怒って武蔵に上意討ちをかける。追っ手を斬った。斬りまくった。旅は、いつも死と背中合わせ。武蔵は江戸で二人の先人に遂に会った。その結果は?
  • 素浪人 宮本武蔵(八)〈腥血の篇〉
    -
    武蔵は川越城下に潜り込んだ。川に紙を浮かべて斬る。難しい。やがて、きれいに割れた。川越城は江戸城の出城だ。だが、城番と旗本二〇〇人が守るだけ。この城を落とすと浪人が武士に戻れるとか。関ヶ原の落武者が結集した。家康の巧妙な残党狩りだった。武蔵は剣友・夢想権之助と城の守りを懇願された。群がる敵を斬る。水切り術の体得で、武蔵は一層、凄みを増した。
  • 素浪人 宮本武蔵(四)〈剣鬼の篇〉
    4.0
    宮本武蔵は三人いた。各々一流の武芸者だった。その一人は年老いて名前を譲ってくれた人。もう一人が気にかかる。その武蔵が京の吉岡兵法所の総帥に挑戦状を突きつけた。引き分けた。だが、門人たちに叩き殺される。元・弁之助の武蔵は激怒した。京の一乗寺下り松にて遺恨試合となる。一人対二百人。武蔵は考えた。右手に刀、左手に鎧通しを持ち、先に叢で敵を待った。
  • 素浪人 宮本武蔵(六)〈餓虎の篇〉
    -
    宮本武蔵は、300人も斬った。斬り慣れた体が疼く。出雲・松江に足を向けた。暫く穏やかに生きたいが、武芸者の休息は死しかない。その頃、越前の剣豪・鐘巻自斎の高弟に、美男子で筋骨隆々の佐々木小次郎が出現した。三尺二寸の刀を背負い、京へ向かう。滅法強い。一方、武蔵は、またも師の仇討ちに勇む山伏らに狙われていた。二人の剣鬼の共通項は、素質か練磨か。
  • 諏訪はぐれ旅―大江戸無双七人衆―
    -
    土井利勝の讒言により父家康の怒りを買い、諏訪に流された松平忠輝。奸計を隠蔽するため、利勝は忠輝を亡きものにしようと、柳生十兵衛を刺客として諏訪に送る。一方、幕府転覆を企む海賊一味も、忠輝の附家老だった大久保長安の隠し金を狙い、諏訪へ。はたして難敵相手に、天海の命を受けた大道寺菊千代率いる大江戸七人衆は、忠輝の身を守ることができるのか?
  • 寸法武者
    -
    “長篠の役”の鳥居強右衛門ほか戦国武者の裏面を描く奇想天外異色歴史文学。八切止夫鮮烈のデビュー作。 --戦後の歴史小説界で異彩を放った伝説の奇才・八切止夫。古代から幕末までの2000年有余の日本史の謎に果敢に挑み、大胆な着想、膨大な資料の渉猟、比類なき想像力によって、既成の通説を次々と覆したその独自の歴史観は「八切史観」と呼ばれる。
  • 隋唐演義一 群雄雌伏ノ巻
    完結
    3.3
    六世紀末の中国、隋によって天下は統一され、平和と安定がもたらされるかに思われた。しかし、政治はさらに乱れ、激動の時代はつづく。数多の英雄、豪傑、智将、そして美女たちが織りなす歴史絵巻。『三国志演義』に勝るとも劣らぬ演義の傑作、第一巻。
  • 隋唐演義(上)
    3.0
    隋を建国した楊堅(ようけん)、晩年には酒色に溺れ、なんと息子の楊広(ようこう)に謀殺されるという憂目にあう。ところが楊広もまた、即位し煬帝(ようだい)となるや、全国から1000人を超す美女を集め、遊びにふける始末だ。当然、その隙をついて、在野の英雄たちが動きだす。皇帝と盗賊、英雄と悪女たちが入り乱れ、隋末唐初への歴史ドラマが幕を開ける! 『封神演義』に匹敵する面白さ。中国史上もっとも華やかな、隋唐の乱世を描き切る、歴史スペクタクル。
  • 随筆三国志
    3.0
    流行りの梁父吟(ロカビリー)が大好きな諸葛孔明は当時のアプレ・ゲール! 強靱なレトリックと博覧強記で縦横に古典を論じ、同じく乱世の修羅にある現代の貌を浮き彫りにする花田流三国志論。戦争中に書かれた比類なき抵抗の書『復興期の精神』から最後の著作『日本のルネッサンス人』まで首尾一貫、転形期の人間像を描き続けた花田清輝が、三国志に託して今の世界を、さらに歴史の未来を透視する知的興奮に満ちた1冊。
  • 随筆集 柚子は九年で
    3.4
    「自分の残り時間を考えた。十年、二十年あるだろうか。そう思った時から歴史時代小説を書き始めた。老いを前にした焦りかと思ったが、二度とあきらめたくなかった」――50歳で創作活動を始め、第146回直木賞を『蜩ノ記』で受賞した、いま最も中高年に支持されている作家・葉室麟、初めての随筆集。若き日々への回想や出会った人々や書物、直木賞受賞後のあれやこれや。江戸時代の博多を舞台にした短篇小説「夏芝居」も収録。
  • 随筆宮本武蔵 随筆私本太平記
    3.0
    著者の代表作となった『宮本武蔵』。その人気と反響のあまりの大きさに、小説と史実が混同されることをおそれる気持ちが、本書執筆の動機となった。伝記、史料、口碑、遺墨から浮かび上がる、"人間・宮本武蔵"に寄せる著者の情熱に胸が熱くなる。そして明かされる名作『宮本武蔵』創作の秘密――。吉川ファンはもちろんのこと、もっと武蔵を知りたい人、必読の一冊。
  • ずくなし半左事件簿
    3.5
    父の跡を継ぎ郡方同心見習いになった半左は早くも逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。信越国境の調査に行くことになっただのだ。「ずくなし」(臆病者)のひよっこ同心は、無事に任務を遂行できるのか!?
  • 冬の蝶 修法師百夜まじない帖
    3.5
    物の怪を調伏する盲目の美少女・百夜の物語。 ネットで大人気の平谷美樹・著「百夜百鬼夜行帖」が、「修法師百夜まじない帖」とタイトルを変えて出版された文庫版を電子化。美少女修法師が江戸の町で大活躍する姿に、一度読み出したら止められないこと必至。いつも強気だけど、時々かわいらしくて、でも物の怪調伏では、百夜の右に出る物はない、こんな魅力的な修法師・百夜が次々と強敵を倒していく様が痛快この上ない。  時は文政期の江戸、舞台は神田川にかかる昌平橋(現在のお茶の水駅近く)。津軽から江戸へやってきたばかりの盲目の少女・百夜は、津軽弁しかしゃべれず、全く言葉が通じない。そこで、江戸の町で命を絶たれた侍の霊を自分の身体に取り込み、侍言葉を操れるように。言葉を手に入れた百夜に、もう恐れるものは何もない。  年の瀬、さっそく物の怪退治の話が舞い込む。上野黒門町で薬種屋を営む倉田屋で、冬だというのに白い蝶が飛んでいるというのだ。その蝶、倉田屋に住む九十九神で、蝶の正体はなんと100年前の・・・  全部で8編の物語で構成される「修法師百夜まじない帖」シリーズ第一弾!
  • 青蛙堂鬼談 岡本綺堂怪談集1
    -
    青蛙堂(せいあどう)主人から案内が来て、行ってみると、「実はこのような晩にわざわざお越しを願いましたのはほかでもございません。近頃わたくしは怪談に興味を持ちまして、ひそかに研究しております。つきましては一夕(いっせき)怪談会を催しまして、皆さまの御高話を是非拝聴いたしたいと存じておりましたところ、あたかもきょうは春の雪、怪談には雨の夜の方がふさわしいかとも存じましたが、雪の宵もまた興あることと考えまして、急に思いついてお呼び立て申したような次第でございます」ということで、一席ずつ怪談話を披露することに…綺堂の怪異談12編。

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  • 青雲の鬼
    -
    遠州は浜松の浪人・早水東吾は、遊び人ふうの捨吉、深川の岡っ引の娘・お袖と、江戸に向かっていた。旅の途中で覆面の剣客たちに襲われた旗本の娘・千鳥を救い出し、その後同行し小田原まで行くが、彼女の父の松浦石見守は暗殺されていた。後妻の父親で組下与力の石垣綱右衛門が天草屋と結託し悪事に手を出していると聞き、その暗殺の謎を追い、4人は江戸に入ると……。映画化もされた傑作。
  • 青雲の大和 上
    4.0
    中大兄皇子を戴き、かつての学友・蘇我入鹿討伐を決意した中臣鎌足の深謀。大化改新を東アジアの視点からとらえ、新国家建設の大業に乗り出した者たちの苦闘。波瀾万丈の古代史エンタテインメント小説。
  • 青雲遙かに 大内俊助の生涯
    3.0
    伊達家の大番士の子息・大内俊助は、江戸で儒教を究めて身を立てようと昌平坂学問所の門を敲く。全国から集った俊秀たちと研鑽を積むものの、黒船が来航して世情が騒がしくなるにつれ学問に身が入らなくなる。明治へと時代の歯車が大きく動いていく中で、数奇な人生を歩んだ名もなき若侍を描いた長編小説。
  • 青雲を行く(上)
    5.0
    文久2年、薩摩藩士・中村半次郎――のちの桐野利秋は、西郷隆盛の人格に魅せられ上洛する。「邪魔立てする者は斬る!」烈々たるその決意で人斬り半次郎の異名を馳せた。慶応3年、幕府崩壊。しかし、徳川方の権力は健在で、市中に睨みをきかせている。半次郎は西郷らとともに、真の王政復古を求めるならば実力をもって彼らを追い払うべきだと説く。維新回天にかけた男の青雲の客気を描く長編。
  • 星火瞬く
    3.4
    その男が、幕末を動かした――清河八郎 小栗忠順 勝海舟 高杉晋作 動乱の地で会わなければならなかった日本の「革命家」とは、誰なのか?時代小説の正統派が描く、まったく新しい幕末青春小説。作家・葉室麟がどうしても書きたかった時代、人物、物語がここにある。
  • 清吉捕物帖
    -
    十手が光る、推理が冴える、粋でいなせな岡っ引! 昭和26年刊行の江戸捕物帳を復刊、時代小説の名手による珠玉の短編集! 豆腐屋佐兵衛の店に貧しい身なりの侍が現れ、「その油揚を百文くれ」と言ってその場で美味そうに食べるが…(「狐侍」より)。
  • 聖剣裁き 浅草三十八文見世裏帳簿
    -
    浅草駒形堂近くに見世を構える「銭屋」は小間物類をはじめとして、さまざまな品を三十八文均一であきなうよろずやだ。だが、「銭屋」は見世先の雑多な品以外に、客の目には見えない品を裏であきなっていた。平生はあきなわれない「見えずの品」……それは、殺しだった。盗賊に一家を皆殺しにされた薬種問屋の次男が敵討ちを誓い「銭屋」につなぎを求めてきた。北町奉行所隠密廻り同心の沼上大蔵は「銭屋」のあるじ銀次らとともに、薬種問屋の復讐に手を貸すことにするが、その依頼には思いもよらぬからくりが隠されていた……。元盗賊の銀次を使い「銭屋」の面々とともに、北町隠密同心が江戸に跋扈するさまざまな悪を裁く、痛快時代活劇。
  • 聖剣将軍事件帖 星の謎解き
    -
    紀州徳川家から八代将軍として江戸城に入った吉宗。逼迫する財政難を立て直すため改革に取り組んでいたが、思うように結果が出せずにいた。そんな暗鬱な心を解放するもの、それが星や月であった。吉宗は、天文暦学をこよなく愛し、星談義に花を咲かせることを何より好んだ。そんな折に町で出会ったのが、天文方で暦作御用手伝を務める猪飼豊次郎であった。二人は予期せず、捕物で下手人探しをする羽目になるのだが、星や月がいつ上り沈むか、寸分なく分かる豊次郎は、その時刻の明るさを即断。顔の見分けや犯罪の遂行が可能かどうかを見破り、悪人を追い詰めていく。そして、吉宗が決まって抜くは、破邪顕正の聖剣・数珠丸──。嘘偽りを厳格に許さぬ相棒が悪を斬る、異色の痛快劇!
  • 正妻 慶喜と美賀子(上)
    4.3
    幕府と朝廷の関係にも動乱の機運が高まる十五代家慶の治世。一条家の美しき姫美賀子は、英邁の噂轟く一橋慶喜に嫁いだ。「わしはどんなことがあっても将軍になどならぬ」信念を曲げない夫の奇矯な振る舞いに翻弄される美賀子は、ある哀しい決意を抱く。幕末の新たな一面を描ききる、傑作大河小説を文庫化!
  • 青山に在り
    -
    学問と剣術、いずれにも長けた川越藩国家老の息子、小河原左京。彼はある日、城下の村にある道場で自分と瓜二つな農民の少年、時蔵に出会う。一度は互いの出自を疑うが、次第に身分の差を超えた友情を育み、平穏な青春を過ごす2人。しかし世間は世直し一揆や農兵の導入に揺れ、激動の時代を迎えつつあった。そんな中ある武士が2人の眼前に現れ、彼らの出自を疑い、その姿を執拗に追うようになる。彼の狙いはいったい何なのか――。美しい川越を舞台に、幕末の人々の生き様を鮮やかに描き出した傑作時代長編。
  • 青春峠
    -
    幕末の世、戸田の渡し近くで、一人の若い浪人が、近くの名主の老人と出会う。時も時だけに、尊王攘夷に命を懸ける浪人たち、またそれを口実にタカリを働くような不逞の輩も多くいた。二人が意気投合し、一緒に歩いていると……。江戸の道場で修行に励む若き浪人の姿を描いた傑作。
  • 青春の風
    -
    下町娘のお鈴は、おとなしそうに見えて、実は鉄火娘なのであった。六郷の渡しで好みの若侍を見つけると、みずから江戸市中までの道連れをお願いして……。時代小説の第一人者によるユーモアもある傑作。
  • 青春の神話
    -
    江戸時代から現代へ、不思議な竜巻に運ばれてタイムスリップした十七歳の甲賀忍者・望月小平太。組織暴力団に牛耳られる町で、高校生となった彼は、野球部に入部。超常の忍法で悪を懲らしめ、廃部寸前の弱小チームを甲子園出場へ導く。時代を超えた正義の活躍を描く、伝奇的青春小説。
  • 青志郎秘拳帖 夢の仇路
    -
    寛政の改革の後、五島列島のはずれの島で、母の手ひとつで武士の子として育てられた青志郎は不思議な老人と出会い、獣拳道(じゅーくんどー)という秘拳の修行に明け暮れていた。そんな日々に突然訪れた母の死。遺言に従い、夢を探すために旅立った彼が命を救った謎の女とともに徒手空拳で立ち向かう先は…。純情青年時代小説。
  • 飛燕の小太刀  誠四郎包丁さばき
    -
    葛飾郡行徳の浜に一隻の小舟が流れ着いた。舟のなかに倒れていた若い侍は、背中に斬られた痕があり、昏睡状態だった。浜の連中に助けられ、ももんじ屋「入船屋」に運び込まれた男は意識を回復するものの、名前や経歴をいっさい覚えていなかった……。袂に入っていた手紙によって、名前は誠四郎とわかるものの、苗字は不詳。ただ、入船屋で料理を手伝い、自分にその筋の才能があるらしいことが唯一の手がかりだった。喪われた記憶を求めて江戸に向かった誠四郎だが、そんな彼を待っていたのは、何者とも知れぬ刺客の凶刃。敵と立ち合うことで、自分に剣の腕があることを知った誠四郎は、自らの身の上の背後にうごめく秘密を暴くべく動き出した。
  • 聖人 孔子の生涯
    -
     著者の言から-  モダニズムを追求する年代にあって,孔子の物語を書くことは,時宜に合っていないことかもしれない。なぜ孔子を書かねばならないのかと  問われるかも知れない? 答えは,孔子が私を感動させたことにある。司馬遷の『孔子世家』を読んだ時に,彼が数々の失敗を体験しても,  なお諦めようとはしないことを見て,彼は一体何を頑張り抜こうとしたのかは殆ど気にかけないで,心中一種説明しがたい感動があった。 私もいまや若くはないし,自分でもまだ孔子を尊敬しようとする年齢にも達していないとは思うけれども,少しばかり閲読しただけではあるが,  聖人となるには容易ではないことを深く知り,同時にまた,頑張り抜ければ人は皆聖人となることができることが分かった。 孔子が聖人になることができたのは,私から見れば,彼が終生一種の信念を貫き通したところにある。人類は歴史の長い夜に,信念がなけ  れば,必ずや消えてしまったはずであり,信念そのものは,松明か或いは燈火のように儚いけれども,それ自体の光は,茫々たる闇夜と比べ  ると,実際は微かで言うに足りないものである。しかし私が本当に信じていることは,我々人類はたまたま信念があったために,――陸上  生活をしてみたい或いは直立して歩いてみたいと思ったために――その生命はそこで初めて遺伝子が突然変異を起こし,人類となって, 少しずつ進化したのではないかということである。

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  • 星星の火~御算用日記~
    5.0
    藩の重職3人が不審な死を遂げ、藩主・太田信親も病に倒れた越後国春海藩。幕府御算用者の生田数之進が、友の早乙女一角とともに潜入した春海藩には、わずか二歳の若君を守って、御家のために尽くそうとする、けなげな少年武士たちがいた。そして、悪の黒幕、老中・松平信明との対決! 星星の火は、やがて大きくなり、燎原の火となるのか。大好評シリーズ第9弾!
  • 青天を衝け 一
    4.5
    1~4巻1,320~1,540円 (税込)
    大河ドラマ「青天を衝け」完全小説版、渋沢栄一の青春時代を描く第1巻いよいよ刊行! 「虐げられる身分のままでは終われない。俺は、武士になる!」 武蔵国血洗島村(現・埼玉県深谷市)、藍染めの原料となる藍玉作りと養蚕を営む富農の家に生まれた主人公・渋沢栄一は、頭の回転は早いが、大人や権力に物おじしない“やんちゃ坊主”に育つ。商才に長けた父の背中に学び、商売のおもしろさに目覚めていく栄一だったが、17歳の頃、人生を変える最初の事件が起こる――。 幕末から明治へ、時代に翻弄され挫折を繰り返しながらも、近代日本のあるべき姿を追い続けた渋沢栄一の、熱き青春の日々がここに始まる!
  • 青年安兵衛
    -
    青雲の志を抱いて、中山安兵衛は、生まれ故郷の越後・新発田から江戸へ向かうが、ひとり巡礼の旅をする美少女・お世津が女衒の権六に襲われたのを助けると、江戸まで一緒に旅ををすることになった。高田馬場の18人斬りで有名な決闘、血気盛んな安兵衛の無事を願うお世津のひたむきな恋心……。映画化もされた傑作。
  • 星夜航行(上)(新潮文庫)
    4.0
    1~2巻1,100~1,155円 (税込)
    天正三年、三河国下和田村の馬飼い・甚五郎は、類稀なる馬扱いで家康の嫡男・三郎信康の小姓に取り立てられる。祖父と父はかつて家康に反旗を翻し、甚五郎は逆臣の遺児として生きてきたのだった。だが武士の日々は短く、家康の命により三郎信康は自害。甚五郎は出奔し、堺、薩摩、そして博多へ。活況の商都で船商いを営むが、そこへ秀吉の野望が――。歴史小説の巨星が掘り起こす不屈の男とは。
  • 清佑、ただいま在庄
    4.0
    室町後期、荘園の新代官として赴任することになった僧の清佑。村のものどもを愛子(あいし)と思って撫育するよう老師から言われたが、村人たちは一筋縄ではいかない。食うや食わずの生活では、どんな手を使っても生きのびることが第一なのだ。寺で純粋培養され、理想に燃える代官と、代官でさえうまく利用しようとするしたたかな村人たち。清佑の一方通行とも見える彼らへの思いは実を結ぶのか。第14回中山義秀文学賞受賞作。
  • 青嵐の坂
    4.0
    扇野藩は破綻の危機に瀕していた。中老の檜弥八郎が藩政改革に当たるが、改革は失敗。挙げ句、弥八郎は賄賂の疑いで切腹してしまう。残された娘の那美は、偏屈で知られる親戚・矢吹主馬に預けられ……。
  • 青嵐の旅人 上
    4.0
    1~2巻2,090円 (税込)
    『永遠の仔』『悼む人』を超える、新たな"世界"の誕生。 激動の幕末の伊予松山藩。 戦を厭う娘ヒスイ、医の道で人を助ける救吉、若き武士辰之進。 霊泉の湧く故郷を守るため、若者たちが立ち上がる! 文久2(1862)年。舞台は、260年間続いた江戸幕府がいま、まさに消えようとする頃の伊予松山藩(愛媛県)。代々続くおへんろ宿「さぎのや」で育てられた娘ヒスイと弟の救吉は、危機一髪の場面を救われたことをきっかけに、年少の藩士、青海辰之進と知り合う。医術で人を救うべく精進する救吉に、ある日郷足軽隊の調練に医師見習いとして同行せよと命が下る。誰よりも戦を厭い、平和を願うヒスイは、やがて救吉が真の戦に送られることは必定とみて、男装して弟に同道することを決意する。
  • 青藍の峠 幕末疾走録
    -
    時は文久元年。田舎の村を出た若者・弥吉は、決意を胸に大坂へ向かう。蘭学者の緒方洪庵が開いた適塾に潜入し、折を見て「暗殺」することが彼の使命だった。しかし実際に洪庵の人柄に触れるうち、考えが変わっていく。一方、郷里の村では、尊王攘夷の急進派「天誅組」に加わるため、村人たちが動き出す。弥吉は挙兵を止めようと奔走するが――。「正義」とは何か。壮大な成長物語。
  • 青嵐の譜 上
    4.0
    鎌倉時代の半ば、玄界灘に浮かぶ壱岐島で、幼なじみの二郎と宗三郎は、浜に流れ着いた一人の少女を発見する。少女の名は麗花。母国の高麗を追われ、親を失っていた。三人は島で兄妹のように育つが、やがて蒙古の大軍が壱岐を襲い、過酷な運命に巻き込まれてゆく。何のために生き、誰のために戦うのか─。元寇という巨大な時代の嵐に立ち向かう若者たちを描いた、魂を揺さぶる歴史大長編。
  • 青嵐を斬る 居眠り同心影御用10
    4.0
    北町奉行所の凄腕同心・蔵間源之助は故あって「居眠り番」と蔑まれる閑職に左遷された。暇をもてあます源之助が春爛漫の墨堤で釣りをしていると、暴れ馬が人々を蹴散らし、馬上には瀕死の武士が騎乗。武士は一通の書状を懐から出し、信濃木曽十万石の名門大名家に届けてほしいと言って息絶えた。源之助は……。
  • 石燕夜行 骨きりの巻
    3.4
    江戸・日本橋で夜な夜な町の誰かが骨だけにされて見つかる。そんな奇怪な噂が立っていたある日、町絵師・鳥山石燕の元に塗楽という奇妙なご隠居がやってきた。事件を解決するため彼の力を借りたいというのだが、その正体は妖怪の棟梁で……。異能の青年絵師が妖怪たちと、江戸を騒がす怪異を断つ!新たな伝奇妖怪エンタテインメントのはじまり、はじまりぃ――。
  • 石燕妖怪戯画 妖怪絵師と夢追う侍
    3.0
    ◎妖(あかやし)はいずこか! 後に妖怪絵師と知られる鳥山石燕(とりやませきえん)の若き日を期待の新鋭が描く、謎と奇譚に満ちた新感覚時代小説、ここに登場!◎舞台は江戸時代、後に『画図百鬼夜行』『今昔画図続百鬼』『百器徒然袋』などの妖怪を描いた画集で有名となる浮世絵師・鳥山石燕。果たして、彼はなにゆえに“妖怪”にのめりこんでいったのか? 本作は、彼がまだ佐野豊房であった若き日に遭遇した奇怪な事件を描く。相棒となるのは侍であり書道家としても名を馳せる父を持つ石川硯。「三味線消失」「骸骨女」「鉦鼓(しょうこ)」――江戸に起こった奇っ怪な妖怪事件の真実に迫る! 新鋭が描く、新感覚の〈妖し時代劇ミステリー〉!◎〈あらすじ〉時は享保、年の瀬の頃。不忍池より南東になる(現・御徒町)組屋敷のひとつに、書をもってその名を馳せる石川家があった。その嫡男で17歳の石川硯は、父の命で町の子らに書道を教える傍ら、自身は父に倣わず書物を書く道に進みたいと考えていた。しかし、その胸の内を父に伝えるも、にべもなく却下され、怒りに任せて家を飛び出してしまう。宵闇が迫り、飯屋に入った硯は、そこで饒舌に怪談を話す男と居合わせた。なんでもこの近くの寺で三味線が勝手に歩いて消えたそうだ。それは妖怪の仕業に違いないと言う。くだらないと思う硯の横に、おもしろいと話に聞き入る大柄な侍、佐野豊房がいた。家に帰るに帰れない硯は、一緒に妖怪を探そうと佐野に誘われ、嫌々その寺の中へと忍び込むことになってしまうのだが……。性格も生き方も対照的な二人連れが怪事件の真相を暴く大江戸妖怪奇譚――いざ開幕!
  • 関ヶ原
    4.0
    天下の覇者・豊臣秀吉が死去したことにより起きた豊臣家の内紛。秀吉の恩に報いようと西軍をまとめる石田三成と、天下への野望を持つ東軍の徳川家康が激突。世に名高い関ヶ原の合戦を、秀吉の正室・寧々の視点を交えて描く。不仲だといわれてきた寧々と三成の関係に新解釈を加える意欲作。
  • 関ヶ原(上)
    4.1
    東西両軍の兵力じつに十数万、日本国内における古今最大の戦闘となったこの天下分け目の決戦の起因から終結までを克明に描きながら、己れとその一族の生き方を求めて苦闘した著名な戦国諸雄の人間像を浮彫りにする壮大な歴史絵巻。秀吉の死によって傾きはじめた豊臣政権を簒奪するために家康はいかなる謀略をめぐらし、豊家安泰を守ろうとする石田三成はいかに戦ったのか?
  • <関ヶ原合戦>合戦前夜! 豊臣政権崩壊と上杉攻め
    -
    豊臣政権の崩壊、家康による上杉攻め――天下分け目の関ヶ原合戦直前、決戦の勝敗を左右した二つの事件を検証! 政権崩壊の決定打、石田三成の失脚の原因とは? 上杉攻めのきっかけとなった直江状の真偽、戦局にも影響を及ぼした真田父子裏切りの理由とは?
  • <関ヶ原合戦>決戦場に残る三つの謎
    -
    徳川家康はなぜ息子・秀忠の軍勢を待たずに開戦に踏み切ったのか?桃配山の布陣の実態は?剛勇毛利秀元が選んだ、島津以外の、もう一つの「退き口」とは?遂に開戦した関ヶ原の戦い。定説に疑問を呈しながら、決戦場に残った三つの謎を読み解く。
  • <関ヶ原合戦>結束を欠いた連合 西軍武将列伝
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    天下分け目の関ヶ原合戦において、石田三成率いる西軍に参じた武将たちを紹介! 友情に殉じた大谷吉継、豊家護持を誓う宇喜多秀家、主家存続のため家康に内通した吉川広家、はからずも西軍に参じた島津義弘――関ヶ原に武将たちの思惑が交錯する!
  • <関ヶ原合戦>死中に活あり! 東西武神列伝
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    天下分け目の関ヶ原、東西両軍合わせて二〇万もの将兵が干戈を交えた血戦に、命を賭けて臨んだ歴戦の勇士たちを紹介! 可児才蔵、後藤又兵衛、島左近ら豪傑たちは戦場という死地に何を見出したのか? 戦うために生まれてきた男たちの生き様に刮目せよ!
  • <関ヶ原合戦>生に固執した五人の男
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    天下分け目の関ヶ原合戦において、本戦からは距離を置き、あくまで生に固執した増田長盛、長束正家、前田玄以、片桐且元、毛利輝元。豊臣政権下、それぞれ要職にあった五将は、なぜ傍観を決めたのか? 当時の状況から、五人それぞれの胸中を推察する!
  • <関ヶ原合戦>迫る決戦 戦略・戦術上の謎
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    家康が小山評定後すぐに西へ向かわなかったのは?関ヶ原の戦いの前哨戦、岐阜城はなぜ、わずか二日で陥落したのか?小早川秀秋の松尾山占拠と寝返りは?定説に疑問を呈しながら、間近に迫った関ヶ原の決戦を前に繰り広げられた諸将の戦術・戦略の謎を読み解く。
  • 関ヶ原群雄伝 1 大谷吉勝の決意
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    徳川家康の専横に憤る大谷吉勝は家康との対決を決意。石田三成や真田昌幸らの協力を仰ぎ、さらに真田幸村、宇喜多秀家ら秀吉の息子たちとともに、家康の野心から豊臣家を護るために結束する! 第14回歴史群像大賞優秀賞受賞作家デビュー作!!

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  • 関ヶ原疾風伝 一 若き大老の決意!
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    慶長5年。宇喜多秀家は、遠路到着したばかりの家康本陣を狙うべく夜襲を敢行する。合戦の主導権を奪った西軍は、慎重派の石田三成、向背が定かでない毛利勢らをまとめつつ、宇喜多秀家が、徳川の野望を砕き、豊臣政権を、秀頼を守るために奮戦する!

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  • 関ヶ原(上中下) 合本版
    4.4
    東西両軍の兵力じつに十数万、日本国内における古今最大の戦闘となったこの天下分け目の決戦の起因から終結までを克明に描きながら、己れとその一族の生き方を求めて苦闘した著名な戦国諸雄の人間像を浮彫りにする壮大な歴史絵巻。秀吉の死によって傾きはじめた豊臣政権を簒奪するために家康はいかなる謀略をめぐらし、豊家安泰を守ろうとする石田三成はいかに戦ったのか? ※当電子版は『関ヶ原』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 関ヶ原争乱録 廻天の掟1 三成の決意 吉継の疑惑
    3.0
    慶長五年。天下分け目の戦い。西軍は石田三成の策が全て成功し、快進撃を続けていた……。しかし、その三成らしからぬ迅速な行動に、盟友・大谷吉継は、背後に誰かいるのではないかと疑問を持つ。さらに、失地回復を目指す家康がついに西進を開始した……。

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  • 関ヶ原の鬼武者 鑓の才蔵
    4.0
    若くして宝蔵院流鑓術の奥義を極めた可児才蔵は、鑓一本で身を立てるべく明智光秀、柴田勝家、織田信孝、前田利家、佐々成政などの武将に仕え、幾多の戦場で手柄を立てた。そして最後には、福島正則の定番衆となり、戦国時代最大の戦、関ヶ原の合戦に臨む……。戦国の世を生き抜いた鬼武者の苛烈な人生を描く、著者渾身の力作。
  • 関ケ原よりも熱く 天下分け目の小牧・長久手
    4.5
    本能寺の変で急死した信長が残したものは、「天下統一」という概念だった。それに気がついた時、秀吉と家康はどんな行動に出るのか。ともに40代、武将として脂の乗り切った二人が、腹心の部下──家康には石川数正、秀吉には黒田官兵衛──に支えられ、知略を尽くし、命を賭けて睨み合う。真の天下人となるために。秀吉、家康それぞれの視点で描かれる、天下分け目の熱き戦い。
  • 関ヶ原流転戦記 大谷吉継の七刻
    3.0
    慶長五年、関ヶ原――日和見を決め込み動かない小早川秀秋。その秀秋の裏切りに東軍の勝利を賭ける徳川家康。そして、裏切りを防ごうと画策する大谷吉継。天下分け目の戦いの勝敗を左右する松尾山の攻防を描く異色戦国シミュレーション!

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  • 関ケ原連判状 上巻
    4.0
    秀吉亡き後の乱世、三成・家康のどちらにつくか、大名たちの思惑は錯綜していた。そんな中、古今伝授の当代唯一の伝承者であった細川幽斎は、前田家、朝廷をも巻き込んだ第三の道を模索する。関ヶ原合戦に新しい視点を持ちこんだ傑作の新装版。
  • 関ヶ原連判状 上巻
    3.8
    豊臣秀吉亡き後、再び風雲急を告げる乱世。徳川家康に従うか、それとも石田三成につくか。東西両軍どちらに味方するかで、それぞれの思惑が錯綜するなか、第三の道を模索する英傑がいた。その名は、細川幽斎。足利幕府最後の将軍の異母兄にして、当代唯一の「古今伝授」の伝承者である彼は、加賀前田家、そして朝廷をも巻き込んだ一大諜報戦を仕掛けた。関ヶ原合戦の知られざる真相をあばく大作。
  • 関ヶ原六文銭記1 昌幸の野望
    -
    朝鮮出兵のため肥前・名護屋へ向かった天下人・豊臣秀吉。その隙をついて表裏比興の真田昌幸が大坂城を乗っ取った!信長の息子・長次を担ぎ出し、西の秀吉、東の家康を向こうにまわし、昌幸の神算鬼謀が炸裂する!昌幸の真の狙いは果たして何か!?

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  • せき越えぬ(新潮文庫)
    3.9
    東海道箱根の関所には、曰くありげな旅人が訪れる。離縁され故郷に帰る女。江戸から夜逃げをした夫婦……。実直な番士武藤一之介は、親友の騎山市之助から関所に関する法外な依頼をされる。一之介は逡巡するも決断する。友の人生の岐路に際し何もしないのは裏切りも同然。たとえこの身に害が及んでも必ず友を助けなければならない――。関所をめぐる人間ドラマを描いた圧巻の人情時代小説。(解説・末國善巳)
  • 関越えの夜 東海道浮世がたり
    3.7
    東海道の要所、箱根山。両親と兄弟を流行り風邪で亡くしたおさきは、引き取られた叔母にこき使われ、急峻を登る旅人の荷を運び日銭を稼いでいる。ある日、人探しのため西へ赴くという若侍に、おさきは界隈の案内を頼まれる。旅人は先を急ぐものだが、侍はここ数日この坂にとどまっていた。関越えをためらう理由は……(表題作)。東海道を行き交う人々の喜怒哀楽を静謐な筆致で描く連作集。
  • 石舟斎・宗矩・十兵衛 柳生三代記
    3.0
    「徳川将軍家の剣術」として、天下に広く知られた柳生新陰流。しかし、そこに至る道筋は決して平坦なものではなかった! 大和の一土豪の家に生まれ、剣聖・上泉伊勢守秀綱の門弟となり、柳生新陰流を打ち立てた石舟斎(宗厳)。彼の人生は、筒井順昭・順慶父子や松永久秀に属して戦塵にまみれる、波乱に満ちたものであった。そして、その柳生新陰流をもって徳川家康に仕え、将軍家兵法師範となる息子の宗矩。豊臣政権によって領地を没収された柳生家の再興を成し遂げた彼は、治世に生かす剣の道を模索していく。さらに宗矩の嫡男に生まれ、祖父・石舟斎のごとく傑出した才能に恵まれた十兵衛三厳。父に反発しながら純粋一途に剣の道を追求していく彼は、新たな境地へと足を踏み入れる……。戦国争乱から江戸時代の泰平へと世の流れが移り変わる時期、それぞれに「剣」を極めるべく歩み続けた柳生家の三代、石舟斎・宗矩・十兵衛の人生を描いた力作長編小説。
  • 関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛
    4.0
    相州と上州、それぞれの関所破りの意外な始末。 上州玉村で道案内が殺され、道案内を殺した定次郎は子分を連れてそのまま姿を消した。 同じころ、保土ヶ谷の道案内角太郎を殺した河童の六こと六蔵を追って、 八州廻りの桑山十兵衛は河童の六の出身、相州の松田まで足を延ばす道すがら、 鐘撞き講で金を集める破れ坊主を懲らしめる。 だが、肝心の保土ヶ谷の一件は、わからずじまいとなり江戸へと戻ってきた。 すると、日光例幣使街道の上州玉村宿のそばにある竹田村で、 朝早くに川向こうの穂波村から、鉄砲の玉が飛んできたという訴えが。 玉村では、侠客の定次郎一味が、玉村の道案内を殺し、大戸の関所を破ったとの知らせが。 玉村の道案内の後任を決める必要もあり、十兵衛はそのまま上州へと向かう。 十兵衛は、鉄砲をきっかけに、定次郎一味の足跡を見つけられると考えるのだが……。 破れかぶれになり、関所破りで、せめて名を上げようとする侠客たち。 そして、姿を消した河童の六はいずこへ流れたのか。 人の欲を見つめて関八州を経巡る十兵衛が、侠客の最後にみせる粋なはからい。 そして、二つの殺しは、意外な展開に……。 十兵衛は、首尾よく彼らを捕えることができるのか。 ご存じ、人気時代小説・八州廻り桑山十兵衛シリーズ待望の第9巻。
  • 昔日より
    -
    想い人を追って伊勢へ行きたい、という町娘の恋を手助けする、家康の元寵妾と配下の老忍を描いた「黄鷹」。裏切られた思いの息子に、一世一代の晴れ姿を見せる父親が眩しい「新天地」。たった一度、過ちを犯した武家の妻女の心の内が狂おしい「女犯」。江戸を舞台に、読後感が清冽なオブジェを象る傑作短編集。
  • 赤刃
    値引きあり
    4.7
    江戸初期、徳川家光の治世。百を超える<辻斬り>の災禍に、江戸の町は震撼していた。殺戮集団の主犯は、戦国の英雄、元津藩士の赤迫雅峰とその一党。幕府が送る刺客は次々と返り討ちにあい、老中・松平伊豆守は切り札となる<掃討使>に旗本・小留間逸次郎を任命する。赤迫対逸次郎、血塗られた闘いは連鎖し、やがて市中は戦場と化す--。無惨にして無常。これぞ、新時代の剣戟活劇!
  • 関の孫六~御刀番 左京之介(八)~
    3.0
    汐崎藩藩主・堀田家憲に御三家尾張藩主の姫との縁談が持ち込まれた。汐崎藩の御刀番頭・左京之介は、その「土産」に名刀「関の孫六」が献上されると聞いて不審を抱くが、ある旗本の所と、水戸藩にも関の孫六があることが判明する。いずれが本物なのか。そして水戸藩闇同心、尾張藩土居下組が「幻の名刀」を狙って襲い来る――。壮大なスケールに引き込まれるシリーズ第八弾。
  • 赤壁の宴
    3.8
    中国の後漢末、群雄割拠の時代に、きら星のごとく現れた、眉目秀麗な呉の武将・孫策。彼に幼少から従い、補佐した周瑜。宿敵・曹操の大軍に立ち向かう、少数精鋭の呉軍。中原の覇をかけ、赤壁の戦いの火ぶたが、切って落とされようとしていた。孫策と周瑜の若き2人の獅子を、叙情深く見事に描ききった「三国志」絵巻! 女だから書けた豪華絢爛「三国志」!
  • 惜別の海(上)
    5.0
    天正十三年(一五八五)秀吉が関白に就き、天下統合の速度を増していく中、地侍で石工衆差配の大森六左衛門は、聚楽第(じゅらくてい)御構(おかまえ)の普請に駆り出されていた。娘の於根と通じ合う十蔵、十蔵を妬み出世の野心を抱く以蔵らを従える六左衛門だが、権勢を肥大化させる秀吉の黒い影が迫る……。秀吉の「朝鮮出兵」に巻き込まれる人々を描く渾身の長編小説。
  • 惜別の蝶 無茶の勘兵衛日月録8
    4.0
    延宝三年、越前大野藩士の使番・永井鋭之進が本庄(本所)で斬殺された。調べによれば神田で売比丘尼と遊び、その帰途であったという。しかしなぜ藩邸から遠い本庄に足を運んだのか? やがて浮かび上がる斬殺犯と思われる黒ずくめの武士とは何者なのか? 一体、何が狙いなのか? 藩御耳役・落合勘兵衛の新たなる闘いが始まった……
  • 世木一族
    -
    戦国時代と幕末という、歴史の変革期の裏舞台で活躍した忍者・世木一族を描いた歴史小説。世木一族 は徳川家康の覇権が確立する動乱の歴史の裏で家康を支え、また幕末においては長州の奇兵隊に属し、 高杉晋作に仕えて戦乱を駆け抜けた。歴史に埋もれていた世木一族に光をあてた力作。

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  • 世閒樣かくありき
    -
    「一体、私が何の悪さをしたといふんです。」世間様というものは非難や侮蔑や罵倒のお口は達者だけれども、それさえ根拠不確かで、すべては自己都合の良し悪し次第。懸命に地べたを這って生きる者を見下す資格なんぞ、無いはずだ……。  盲目の息子・周一と生きる多惠さんに対する世間の風当たり。崩壊するモダン都市・東京。太平洋戦争前・戦中・戦後、激動の時代と運命に翻弄される女の一生を、正字旧かなの文章で濃密に描く。全3話で構成された連作短篇集。 ●若合春侑(わかい・すう) 宮城県塩竈市生まれ。東北学院大学経済学部経済学科を卒業。1998年、「腦病院へまゐります。」で第86回文學界新人賞を受賞する。同年、同作が第119回芥川龍之介賞の候補作に選ばれる。同年、「カタカナ三十九字の遺書」が第120回芥川龍之介賞の候補作に選ばれる。1999年、「掌の小石」が第121回芥川龍之介賞の候補作に選ばれる。同年、『腦病院へまゐります。』が第21回野間文芸新人賞の候補作に選ばれる。2002年、『海馬の助走』で第24回野間文芸新人賞を受賞する。2005年、國學院大學文学部神道学科を卒業。
  • 西郷どん! 前編
    4.4
    薩摩の貧しい武家の子に生まれた西郷隆盛は、なぜ維新の英雄として慕われるようになったのか。幼い頃から親しんだ盟友・大久保正助との絆、名君・島津斉彬との出会い。激動の青春期を生き生きと描く!
  • 西郷どん!【合本版】
    -
    薩摩の貧しい武家の子に生まれた西郷隆盛は、なぜ維新の英雄としてこれほど慕われるようになったのか。明治維新から150年、激動のただ中に身を置き続けた人生をベストセラー作家が新たな視点で描く、圧巻の歴史小説!
  • 世尊寺殿の猫
    4.3
    鎌倉時代末期、十六歳の足利高国(のちの直義)は名人・世尊寺殿の書を入手するよう母に命じられる。目当ての猫と引き換えに娘の遺筆を渡すと約束する世尊寺殿。高国は彼が鎌倉に来た真相を探るべく京に旅立つ。書をめぐる謎と静かな権力闘争の中、若き日の足利直義が野望に覚醒する!
  • 刺客
    -
    坂本龍馬を斬殺した事実を、死の間際まで秘した孤独の剣客の心底を描く表題作「刺客(せっかく)」。姫に怪我をさせた六郎左衛門は、周りの非難も聞こえない風に鳥の世話をしているが……「小鳥の餌」。家老の忰を斬って逐電した医師が、逃走の果てに四国の一山村に辿り着いた時、時疫の流行を見て、敢然と腰を据えて施療にとりかかる。上意討の六士が到着した時、医師は……。作者の心衷を色濃く投影した名作「自日没(にちぼつより)」等、人性の本体に迫る会心の時代小説十一篇。
  • 雪華燃ゆ~上絵師 律の似面絵帖~
    3.7
    上絵師として、初めて着物を手がけることになった律。粋人として名を馳せる雪永が親しい女に贈るものだ。張り切って下描きを仕上げる律だが、なかなか良い返事がもらえない。そんな中、ある女から金を騙し取ったという男の似面絵を引き受けるのだが――。涼太との恋、仕事への矜恃。心を揺らしながらもひたむきに生きる女職人の姿を描く、人気シリーズ第三弾。
  • 殺生伝〈一〉漆黒の鼓動
    3.8
    時は戦国。甲斐の武田が大軍を引き連れて志賀城を攻めた。狙いは、九尾の狐の怨念が宿った殺生石。志賀城の姫・咲弥は、殺生石を守るために城を抜け出すが、山賊に襲われて、谷底に転落してしまう。そんな彼女を助けたのが、山奥に住む一吾という少年だった。妖魔の追手が迫る中、ついに闘いの火蓋が切られる――王道エンタメ、開幕!!
  • 切腹論考
    -
    「ハラキリ」として有名な切腹ははたして崇高な自殺行為であったのか-。表題作「切腹論考」を中心に、「士道論考」「捕物論考」など従来の歴史・時代小説の常識を打ち破る論考集。 --戦後の歴史小説界で異彩を放った伝説の奇才・八切止夫。古代から幕末までの2000年有余の日本史の謎に果敢に挑み、大胆な着想、膨大な資料の渉猟、比類なき想像力によって、既成の通説を次々と覆したその独自の歴史観は「八切史観」と呼ばれる。
  • 雪辱 真説・井伊直弼
    -
    井伊直弼は本当に暴虐な政治家だったのか。史料を丹念にたどることで薩長史観を正し、井伊直弼の人生を浮き彫りにする。また、今まで知られていなかった史料から、彦根藩士・小西貞義が仇敵・徳川斉昭を討つまでを活写した幕末小説。
  • 雪夢往来
    4.2
    江戸の人々に雪国の風物や綺談を教えたい。越後塩沢の縮仲買商・鈴木牧之が綴った雪話はほどなく山東京伝の目に留まり、出板に動き始めるも、板元や仲介者の事情に翻弄され続け――のちのベストセラー『北越雪譜』誕生までの長すぎる道のりを、京伝、弟・京山、馬琴の視点からも描き、書くことの本質を問う本格時代長篇。
  • 背の山 日本の防衛─叔父と甥の絆
    -
    「昭和20年、マッカーサー率いる米軍は、大挙フィリピン西岸リンガエン湾への上陸を開始。それを迎え撃つ日本軍。戦車第二師団きっての砲撃名手の克也と主計大尉として奮闘する進。迫りくる米軍との死闘が始まる」(「背の山 日本の防衛─叔父と甥の絆」)。日本を愛し、家族を守り、信念を貫く! 表題作ほか、「竜門橋 大工の棟梁と米軍艦上戦闘機の戦い」収録。
  • 世話焼き家老星合笑兵衛 竜虎の剣(小学館文庫)
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    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 八代将軍徳川吉宗の治世。瀬戸内海に面した倉立藩は、藩政を幕府に返上しようという計画を密かに進めていた。そこには財政苦から領民を救うという狙いと、職能集団が武士となって幕府に仕えてきたという藩独特の事情とがあった。その奇抜な計画の中心となったのが星合笑兵衛だった。そんななか、「源氏様」といわれる謎の軍学者が出現。藩の守旧派と手を組み、クーデターを画策する。彼は、藩を拠点に将軍家を巻き込んで幕府中枢への熾烈な権力争いを目論んでいた。家老・星合一族がその野望に怒りの剣を振るう。書き下ろしシリーズ第1作。
  • 尖閣列島
    -
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第5弾。 本書『尖閣列島』が発行されたのは今から28年前の1984年である。28年たった今なお解決されない尖閣列島問題。著者は沖縄国際大学名誉教授の緑間栄氏。国際法を専門とする著者が『尖閣列島』が日本の領土であることを論理的に証明してくれる1冊が電子書籍として復刻。 「東シナ海に豆粒のように浮かぶ尖閣列島は、沖縄と台湾、中国大陸 とほとんど同じ距離にあり、(八重山群島の北約175キロメートル、台湾の北東190キロメートル)最大の島が魚釣島・南小島・北小島・黄尾嶼・赤尾島嶼・の五つの無人島からなっている。南島の人びとは、これらの島をイグンクバシマと呼び長年にわたって生活の場としてきた。古くは琉球と中国との冊封進貢の海上の道すじにあたり、その頃灯台のなかったため、島を目印に灯台の役目としていた。しかしこの海域に豊富な石油資源及び天然ガスが埋蔵されている可能性があることが公表されて以来、台湾、中国、日本との間に領有権問題がおこり、大陸棚境界問題もからんで、未だに決着をみていない。本書は、国際法の見地から尖閣列島に取りくんできた著者が、問題の所在を我が国の立場から歴史的に具体的に明らかにしたものである。(1984年当時の作品紹介文引用)」
  • 戦火のオートクチュール
    4.3
    江戸川乱歩賞作家の渾身作! 圧倒的リアルで描く、極上の歴史ミステリー! 祖母の形見は血塗られたシャネルスーツ ココ・シャネル、エヴァ・ブラウン、アドルフ・ヒトラー、そしてひとりの日本人女性―― 占領下のパリに秘された謀略とは? 祖母が遺したのは、血に染まったシャネルスーツだった。 遺品の謎を解くため、フリーライターの結城真理は疎遠だった母とフランスに赴く。祖母は第二次世界大戦中、外務省一等書記官の娘としてナチ占領下のパリにいた。その足跡を辿ると、驚愕の事実が。歴史上のある人物を巡る謀略が浮かび上がったのだ。 約80年の時を経て、祖母が胸に秘めていた秘密が明らかに! 【『マドモアゼル』(島村匠名義)改題作品】
  • 戦艦大和ノ最期
    4.2
    昭和20年3月29日、世界最大の不沈戦艦と誇った「大和」は、必敗の作戦へと呉軍港を出港した。吉田満は前年東大法科を繰り上げ卒業、海軍少尉、副電測士として「大和」に乗り組んでいた。「徳之島ノ北西洋上、「大和」轟沈シテ巨体四裂ス 今ナオ埋没スル三千の骸(ムクロ) 彼ラ終焉ノ胸中果シテ如何」戦後半世紀、いよいよ光芒を放つ名作の「決定稿」。
  • 戦旗 大坂の陣 最後の二日間
    3.7
    真田幸村は死中に活を求めて家康本陣めがけて攻め込んだ! 猛将・後藤又兵衛、大坂方最後の砦・毛利勝永らと、対する徳川方の独眼竜・伊達政宗、戦の寵児・水野勝成、家康の外孫・松平忠明──戦国最後の大合戦を活写する群像時代活劇。
  • 戦後沖縄の社会史―軍作業・戦果・大密貿易の時代―
    -
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第10弾。 「珊瑚礁の小さな島に『鉄の暴風』が吹き荒れた。島人の四人に一人は『艦砲』に食われてしまった。生き残った島人は、兵器、砲弾類を?アメリカのウサンデー(御下がり)″としなやかに捉え、生活の糧にしていった。戦争の痕跡が生々しく残っているとき、それらをバーター品として台湾・香港・マカオ、日本に密貿易ルートを次々に開拓していき、戦後社会の礎を築いた。それは『大密貿易の時代』と称してもよい。冒険とロマン、悲哀に満ちた幻のような一時代が沖縄にあった。本書はそれを簡潔に描いている。-1995年作品紹介文よりー」 戦後五〇年という半世紀が経過した今日、沖縄戦から生きのびた沖縄県民がどのようにして戦後生活を築きはじめたのだろうかというのが、本書のテーマである。そのテーマを、「軍作業」、「戦果」、「密貿易」という「戦後用語」をキーワードにして第1部『軍作業・戦果の時代』と第2部『大密貿易の時代』で構成されている。それぞれに記録されている民衆の生活史から、いまをどう読み解くかというヒントが得られる。 本書が描いた時代は、人間が飢餓状況のなかで自ら生きようとするとき、人間が人為的に形成した国境線は何の意味もないということを示していった。人々は国境を越えてそれぞれが必要とするものを求め合い、交換していった。そして、利害を越えた信頼関係がうまれ、共に生きる生活パターンも形成されようとしていた。いま、「ボーダーレスの時代」といわれているが、まさに戦争終結から1952年の頃まで、ウチナーンチュ(沖縄人)はボーダーレスの時代を築くことによって、生き延びることができたのである。それは、「琉球王国の時代」に「大交易時代」を築いた琉球の先人たちの気概、行動エネルギー、生きるパワーを継承していたといえよう。 著者は沖縄国際大学名誉教授の石原昌家氏。新たに電子版あとがきを追記した電子復刻版。
  • 戦後沖縄の通貨 上
    -
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第4弾。 著者は琉球銀行取締役調査部長、総合企画部長、常任監査役を歴任後99年から8年間、沖縄県副知事を務めた牧野浩隆氏。 本書は著者が琉球銀行時代に通貨問題に関する著書が欠如していることをかんがみて『戦後沖縄経済史』をもとにまとめられた貴重な資料であり記録である。 沖縄本島は沖縄戦後米国統治下にあり、通貨の流通はなく取引は物々交換であった。その後米国B円を公式通貨とするも二転三転し6回もの通貨交換が行われてきた。本書は通貨政策についての事実関係を解明し一連の通貨政策が沖縄の経済展開にいかなる影響を及ぼすことになったのかを明らかにしてくれる。 「米国統治下において実に六回もの通貨交換がなされているが、本書はその変遷を描いた壮大なドラマである。通貨制度の影に潜む論理は、戦後経済復興の初期条件となり脆弱な経済構造を形成する枠組みとなったが、その真相は必ずしも解明されていない。著者は厖大な米国の沖縄統治極秘文書を渉猟し、変遷きわまりない通貨政策がいかなる国際情勢下でどのような統治効果をねらって決定されたかを見事に解明している。著者の深い洞察力は上質の推理小説のように読む者に知的衝撃をあたえずにはおかない。(1987年初版発行時の作品紹介文より)」
  • 戦国維新 1 島津東征伝
    -
    天正一四年、天下はいまだおさまらず、秀吉、そして家康が覇を競わんとしていた。小牧・長久手の役で痛み分けに終わった両者は西国の諸将を麾下におさめんと調略の手を四国、九州に伸ばす。だが大友氏の内訌を機に、島津がその牙を天下平定に向けはじめる!

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  • 戦国・江戸 ポンコツ列伝
    3.0
    吉原で快楽を知ってしまったが最後…(荻江露八「旗本たいこ」)。私は天下無双の超イケメン! お殿様に寵愛を受けていたけれど!?(森川若狭「私は腹を切りたくない」)。気の進む戦なんてない。断じてない。あぁ、とても恐い(徳川家康「わしは腹を切るぞ」)。一生に一度、なけなしの金で女郎を買いたいだと。だったらワシが(中島棕隠「色道仙人」)…… など女に溺れ、切腹から逃げ、嘘をついてでも見栄を張る歴史上の偉人の“ポンコツ”な一面にスポットを当てる、抱腹絶倒の歴史時代短編集! 日本史初心者大歓迎!!
  • 戦国快盗 嵐丸 今川家を狙え
    -
    女にゃ弱いが腕は立つ。 狙うは一攫千金! 嵐丸に破れぬ屋根はない。 一匹狼の盗賊・嵐丸は桶狭間での敗戦後も賑わいが続く駿府にいた。 武家屋敷に侵入し、隠し金山の地図を目にした嵐丸は濡れ手に泡のぼろ儲けをもくろむが、腐れ縁で美貌の女盗賊・麻耶が計画に絡んでくる。さらに怪しい牢人・沢木も登場し、各自の思惑が交錯。 騙し騙され、三つ巴のお宝争奪戦が始まった──。 『八丁堀のおゆう』『入舟長屋のおみわ』著者の新シリーズスタート! 文庫書下ろし痛快時代小説。
  • 戦国合戦奇譚 霧の戦場 Battle Field of Mist
    3.0
    突如、戦場を覆い神隠しを起こすとされる謎の『紫の霧』。その霧につつまれた武田信玄、上杉謙信、島津義久そして、伊達政宗。彼らを待っていたのは、時空を超えた強者たちだった。武田vs島津、上杉vs伊達! 新たな戦国シミュレーションここに開幕!!

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  • <戦国関東三国志>群雄割拠の舞台 関東三国志名城・合戦総覧
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    武田信玄、上杉謙信、北条氏康が関東の覇権を争った戦国関東三国志時代。その舞台となった主な城郭と合戦を紹介! 城の成立ちや城主たちのエピソード、合戦の背景を網羅。群雄割拠した関東三国志をよりディープに楽しむための一冊!
  • <戦国関東三国志>抗争は次世代へ 関東三国志 三英雄の後継者
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    抗争は次世代へ――三英雄の後を継いだ武田勝頼、上杉景勝、北条氏政らは先代からの地盤を固め、さらなる栄達を目指す。しかし、織田信長、豊臣秀吉らの台頭が、関東に新たな戦いを巻き起こすのだった。時代の変化に後継者たちはどう立ち向かったのか?
  • <戦国関東三国志>三英雄の実像とは? 関東三国志武将たちの謎
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    武田信玄、上杉謙信、北条氏康――三人の英雄が覇を競った様は関東三国志と呼ばれ、今なお多くの歴史ファンの関心を集めている。その魅力のひとつが、三者それぞれに残る謎である。信玄影武者説など、英雄たちの謎を検証し彼らの実像に迫る!
  • <戦国関東三国志>東国を彩った群雄 関東三国志武将列伝
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    武田信玄、上杉謙信、北条氏康が激しい抗争を繰り広げた関東三国志時代。三英雄はさることながら、彼らの家臣や宿敵たちにも注目すべき人物は多い。一騎当千の猛将、三国を股にかける才人、三英雄に対抗する関東大名など、個性豊かな群雄たちを紹介する。

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