巷説寛永御前試合は虚構である。
事実は、秀忠の次子・駿河大納言忠長の御前で行われた十一番の真剣試合が、その下敷きとなっている。
その日、駿河城内には腥風悽愴と荒び、戦国生き残りを賭ける武芸者たちは、だが、無骨さゆえの生きざまが宿痾となって、だれもが破滅の淵へと疾走し、血海に斃れていった。
日暮れ、人去った城内は寂として声なく、人心の倦厭の気のみ残されていたという。
時代巨篇。大人気コミック「シグルイ」(漫画/山口貴由)の原作小説!
Posted by ブクログ 2016年01月04日
漫画『シグルイ』の原作というので読んでみた。
この本では全部で十一番の真剣試合が描かれているが、漫画の方は最初の一試合を描くのに七年十五巻を要して居る。
この調子で行けば完結に後五十年以上かかるためか、一試合目までで漫画は終わっている。
折角なので全試合描いてもらいたいものだと思いながら原作を読ん...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年03月07日
ぬふぅ!!
知る人ぞ知る、残酷時代劇画「シグルイ」の原作本。原作にあたる「無明逆流れ」では十数ページしかなかったのに漫画では十五巻という長編ぶり。
原作者も推挙しているのでシグルイの方も見ていただけると幸いである。
しかし、この作品でも残酷描写は簡潔ながらもえぐい部分が多々あり、焼肉を食...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
祝!復刊!!
三代将軍徳川家光の実弟忠長が執り行った真剣勝負による「御前試合」の顛末だが、これが実に面白い。対戦者間にわだかまる情念、執念、怨嗟、等等を過不足なく綴り、刹那の勝負に全ての因果を収斂させる構成なのだが、これが十一篇続いても、まったく飽きさせることが無い。
相対する剣士をそれぞれに、あ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年12月09日
『シグルイ』の原作本として有名だが
としてしか今は知られていない
剣法十一番勝負の個々因縁を語る描写はおしなべて質高く
同じような剣豪もの背景を並べながら飽きさせず
御前試合での決着も素晴らしい
ただ連作物語の結局帰結するところが読者好みでないのだろう
同様材料の『甲賀忍法帳』と比べ
どちらが好かれ...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年10月16日
寛永六年(1630年頃)に行われ、あまりに悲惨な内容のため後に開催事実が隠滅されたとしている、架空の「駿河城御前試合」十一戦+後日談一戦の全十二話の短編集。
多くは、「絶対無敵の技を身に着けた」ものの戦いで、現実とは離れているものの、その技を身に着けるに至る時代設定にあったエピソード(多くは女性がら...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年06月14日
歴史小説舐めてたわ。そこらのラノベよりよっぽどいかれてる。
しかし、毎回盛り上げるだけ盛り上げてラストバトルがあっさりなのが残念だった。
内容的には☆3でもいいんだけど、「美少年に散々に自分をぼこらせておいて快感が頂点に達した瞬間に相手を殺すのが最高に気持ちいい」というキャラが最高にクールだったの...続きを読む