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Posted by ブクログ
葉室麟の始めての随筆集。
その中の「柚子の花が咲くとき」の中で、
「社会人になって原稿を書く仕事をする傍ら、たまに文學界や群像などの文芸誌が主催する新人賞に応募したこともあった・・・(略)・・・しかし五十歳になった時、『このままでいいのだろうか』とふと思い直した。若い頃に抱いた夢や思いを何ひとつ成し遂げることなく、いたずらに歳月は過ぎ去っていく。自分の残り時間を考えた。十年二十年あるだろうか。そう思った時から歴史時代小説を書き始めた。老いを前にした焦りかとも思ったが二度とあきらめたくはなかった。書き続けるうちに、懸命に過ごせば、移ろい過ぎる時は豊かさを増す事ができるとわかるようになった。時間は長くはなりはしないが豊穣にはなっていくのだ」
少し長い引用だが、この中に作者の全てが詰め込まれているような気がした。
それに引き換えわが身を振り返ってみれば・・・恥ずかしい限りです。
Posted by ブクログ
葉室麟の随想集。
日経新聞のリレーコラムは読んでいる時も思ったが、小説の清廉なイメージより、少し柔らかい文体でエッセイを書くんやなぁと、この本を読んでも改めて思った。
葉室さん自身も行っているので失礼を承知で書くが、彼の魅力は遅咲きの花であるところ。小説家一筋何十年って人の作品もいいものだが、葉室作品は小説家になる前の経験なり思索なりが積み重なって磨かれたものなんだと、この随想集を読んで分かった気がする。
年齢だけは半世紀を経ようとしている俺、折り返しを過ぎてしまって、残りの人生はこれまでより短いものになるはずだが、その場で出来ることを着実やっていく、そういう生き方を指南されたような気がした。
そうそう、藤沢周平、北重人作品もフォローしておこう。
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