国内小説作品一覧

  • 生を祝う
    3.9
    1巻1,699円 (税込)
    「あなたは、この世界に生まれてきたいですか? この世界に生まれてきてくれますか?」子どもを産むためには、その子からの同意が必要となる世界を舞台にした衝撃作。『彼岸花が咲く島』で芥川賞を受賞した著者による、芥川賞受賞第1作。
  • 教授の恋 彼はいかにして運命の人を探し出したか?
    -
    1巻1,699円 (税込)
    大学の研究室に泊まっていた経営学の湖南大郎教授は、午前2時、高熱にうなされて、あるビジョンと「迎えにきて」という女性の声を聞く。病がいえた彼は、なにかに突き動かされるように「運命の女性」との出逢いを求めて旅に出るが、山の頂上で命を落としてしまう。体を離れた魂は光たちから、ツインソウルを探すことと重要な使命を与えられてこの世に甦る……。本書は、トラベル・ミステリー、歴史小説の要素とともにスピリチュアルな概念がふんだんに盛り込まれており、テンポの良い奇想天外な場面転換、予測不能なストーリーで、ワクワクドキドキさせてくれる。2年前、著者は脳出血をおこし、その際の臨死体験を『ツインソウル』として発表したが、本書はそこで書けなかった真理を小説の形で述べている。「生きがいの創造」シリーズ160万部のベストセラー作家が、構想から完成まで2年、初めて世に問う「スピリチュアル・アドべンチャー・ノベル」。
  • 噂を売る男 藤岡屋由蔵
    3.7
    1巻1,699円 (税込)
    江戸の町に、世の理不尽と戦う「情報屋」がいた! その名は、藤岡屋由蔵――。神田旅籠町の一角で、素麺箱に古本を並べ、商売をするこの男が、古本販売を隠れ蓑に売っていたのは、裏が取れた噂や風聞の類。それを買いに来るのは、喉から手が出るほど“情報”がほしい各藩の留守居役や奉行所の役人だった。由蔵が己の仕事として心に刻み込んでいたのは、真実を見極め、記すこと。筆一本で戦う由蔵のもとに、ある日、幕府天文方の役人が逃げ込んで来る。その役人は、日の本を震撼させたシーボルト事件に絡んでいた。しかしその騒動のとばっちりで、由蔵の手下が命を落としてしまう。手下の理不尽な死を許すことができない由蔵は、真実を暴くため、動き始めるのだが……。天下を揺るがす陰謀に、“情報”で挑んだ男を活き活きと描く傑作歴史小説。
  • クレイジー・フォー・ラビット
    3.9
    1巻1,699円 (税込)
    愛衣は隠しごとの「匂い」を感じる。そのため人間関係が築きにくい。小中高大、そして30歳を過ぎてからの五つの年代を切りとり、その時々の友情の変化と当時の事件を絡めながら、著者の育った年代に即した女性の成長を描く連作短編。
  • 植物忌
    3.3
    1巻1,699円 (税込)
    「植物」を題材とした短編10編に書き下ろし1編を加えた植物小説集。アイビーを頭皮に植えて着飾るうちに植物化する人間、植物たちの蜂起やテロにさらされる人間社会。ヒトが植物の世界に取り込まれていく虚構に、現代社会への痛烈な批判を込めた意欲作。
  • 春を待つ
    3.8
    1巻1,699円 (税込)
    愛する家族を喪った者たちの絶望が希望に変わる日。愛する息子を喪い、未来をなくした夫婦は悲しみの果てに離別。平和だった家族は崩壊した。それから数年を経た命日の前日、夫は過去を忘れるために、息子の骨壺を抱え、心が凍てつき暗い家に引き籠る妻を訪ねる。だがその途上、夫は実の両親を亡くした少年と出会い、妻の家に一緒に泊まることに。その日から心に仄かな灯が生まれた。3人の孤独な魂が寄り添う時間のなかで、それぞれの絶望が希望に変わり、夫婦は再生の路に立ち、少年は未来に向かって歩みはじめる。「人は少しずつよくなるしかない、少しずつ幸せになるしかないんだ……」第1回京都文学賞受賞作家であり、NHK『雲霧仁左衛門』など、映画やドラマで絶大な影響力を誇るベテラン脚本家が、人間の業、そしてどん底から這い上がる人の強さと家族の絆を感動的に描く。
  • 書店員と二つの罪
    3.5
    1巻1,699円 (税込)
    ベストセラー「書店ガール」シリーズの著者が描く、慟哭のミステリー。書店員の椎野正和は、ある朝届いた積荷の中に、少年犯罪者の告白本があるのを知って驚く。それは、女子中学生が惨殺され、通っている中学に放置された事件で、正和の同級生の友人が起こしたものだった。しかも正和は、犯人の共犯と疑われてしまい、無実が証明された後も、いわれなき中傷を受けたことがあったのだ。書店業界が「売るべきか売らないべきか」と騒然とする中、その本を読んだ正和は、ある違和感を覚えるのだが……。出版・書店業界の裏事情を巧みに盛り込んだ、著者渾身の長編小説。
  • 転職の魔王様
    4.0
    1巻1,699円 (税込)
    この会社で、この仕事で、この生き方のままで――いいんだろうか。若手注目作家が未来の見えない大人たちに捧ぐ、渾身のお仕事小説! 大学卒業後に入社した大手広告代理店でパワハラに遭い、三年たたずに退職してしまった未谷千晴。働く自信と希望をすっかり無くしてしまった千晴だが、どうにか「普通の大人」に戻りたいと、叔母が経営する人材紹介会社を活用しながら転職活動をすることに。彼女はその会社で、「転職の魔王様」という異名を持つ凄腕キャリアアドバイザー・来栖嵐と出会う。「仕事内容なんて何でもいいから、とにかく履歴書の空白期間を埋めたい。それが未谷さんのご希望ですか」面談初日から不躾な態度で接してくる来栖に、千晴は戸惑うが……。人気漫画家、おかざき真里氏、推薦!
  • 老婦人マリアンヌ鈴木の部屋
    3.0
    1巻1,699円 (税込)
    著者はパートナー、父、母の介護と看取り、自らの大腸がんとうつ病の25年を過ごした。今だから書ける陽気で深みのある老活小説。うば桜日和をすごす老婦人、シニア婚活に取り組む実業家、離婚し宝石に夢中のヘルパー……落語で鍛えた軽快な文章でたのしむ傑作。
  • 小説 秋月鶴山 上杉鷹山がもっとも尊敬した兄
    -
    1巻1,699円 (税込)
    「下意上達」の組織作り、世界初の児童手当、理想の藩校の創設……。何よりも「人」を大事にしたすごい名君がいた! ベストセラー『上杉鷹山』の著者が描く、鷹山の兄にして高鍋藩初代藩主・秋月鶴山(種茂)の生涯とは。宝暦10年(1760)、種茂は藩主になってすぐに、藩政改革に取り組む。改革に必要なものは人材であると、藩校明倫堂を創設し、武士以外にも門戸を開いた。この藩校からは、のちに大審院長を務めた三好退蔵や、ボーイスカウトを日本へ伝えた秋月左都夫、「児童福祉の父」と言われた石井十次などの人材を輩出した。上杉鷹山ものちに導入した児童手当を、日本で初めて支給するなど、児童福祉にも目を配り、財政再建を進めていった鶴山。鷹山をして、「私の知識と才覚は到底兄に及ぶものではない」と言わしめた名君の改革人生を、鷹山との絆も盛り込みつつ描く歴史小説。
  • 伊達女
    3.4
    1巻1,699円 (税込)
    心に鬼を棲まわせた“独眼竜”伊達政宗の周囲には、かくも、たくましく、そしてたおやかな女性たちがいた――。我が子に毒を盛ったとされる母・義姫、影ながら政宗を支え続けた妻・愛姫、片倉小十郎の姉で政宗を育てた喜多、松平忠輝に嫁いだ娘・五郎八姫、そして真田信繁(幸村)の娘・阿梅……伊達の女性を主人公にした連作短編集。母・義姫――毒を盛ったのは母だと疑っておいでなのでしょう/妻・愛姫――濡れ衣を着せられたまま、殿が平気でおられるとは思いませなんだ/保姆・片倉喜多――本当のことを言ってはならぬ。言えば、政宗の心は折れる/娘・五郎八姫――私は優しくなどありませぬ。父・政宗を気に掛ける母を見て育ちましたゆえ/真田家・阿梅――黙っていたこと、ご容赦くださいませ。ですが、お知りにならぬほうがよかったのです 伊達政宗の言動等から生まれたとされる「伊達男」。伊達といえば、男ぶりばかりが注目されるが、実は女性こそが素晴らしかった! 各短編で描かれる五人の女性の生きざまを通して、伊達政宗の真の姿も浮かび上がってくる。『会津執権の栄誉』で直木賞にノミネートされた著者、新境地の最新刊。
  • ライバル
    3.3
    1巻1,699円 (税込)
    2人一緒だから、強くなれる! 小学校から一緒にプレイしていた葉奈と宇希恵。ゴルフへの姿勢がストイックな宇希恵は、全国大会で3位に入るほどの実力者。一方、葉奈は、楽しくプレイするものの、成績は鳴かず飛ばず――。練習帰り、「私のライバルは葉奈よ!」と言い出した宇希恵に、葉奈は戸惑いを隠せない。迎えた大会で、予選トップ通過もねらえた宇希恵が、まさかの予選落ちをしてしまう。ゴルファーにとって、最大の危機に陥ったことが判明した宇希恵に対し、葉奈は……。天才vs.天然。対照的な二人の女子の奮闘を描く純度100%の青春ゴルフ小説。
  • 三兄弟の僕らは
    3.6
    1巻1,699円 (税込)
    両親の死と引き換えに、僕らは“家族”を手に入れた――。ベストセラー「東京バンドワゴン」シリーズの著者が贈る、感動の家族小説! 平凡で幸せな家庭に育ちながらも、突然の交通事故で、両親を一度に失ってしまった、稲野朗・昭・幸の三兄弟。そんな彼らを助けるべく、それまでほとんど面識のなかった母方の祖母が家にやってきた。その暮らしの中で兄弟たちは、祖母と母の不仲の理由や父の出生の秘密など、これまで気づかなかった家族の裏側を少しずつ知っていくのだが……。生前の父と母がそれぞれ隠していた、“秘密”とは。「普通の家族」とは何なのか。中・高・大学生の三兄弟の成長と、家族の絆を描いた、感涙必至のハートフルストーリー。
  • 梅と水仙
    4.0
    1巻1,699円 (税込)
    冬枯れの中、真っ先に咲く花とならん――新5,000円札の肖像で話題! 津田塾大学の創設者・津田梅子と、その父・津田仙の波瀾の生涯を描いた感動作。佐倉藩士として生まれた津田仙は、幕府通詞として福沢諭吉らとともにアメリカへ派遣されるなど将来を目されていたが、幕府瓦解後は西洋野菜の栽培などを手掛けながら、日本の農業の改革を志していた。自身の夢を託すべく、男子の誕生を待ち望むも、生まれたのは女の子で、仙は子供の名前も付けないほど落胆する。やがて、仙は開拓使長官・黒田清隆に呼び出され、出仕することに。そこで女子留学生を渡米させる計画を聞いた仙は、聡明さの片鱗を見せていた、わずか6歳の娘・梅子を推薦する。日本初の女子留学生として、最年少で渡米し、17歳で帰国した津田梅子だったが、すでに日本語を忘れており、日米の文化の違いや周囲との軋轢、そして父との葛藤に悩むことになる。山川捨松や伊藤博文らと交流を結びながら、苦闘の末、女子教育の先駆けとなった津田梅子と、その父の人生を描いた感動の歴史小説。
  • タイガー理髪店心中
    3.4
    1巻1,699円 (税込)
    老いた妻の発作的な豹変に戸惑う夫の緊張感をユーモアと共に描き、選考委員諸氏に絶賛された第4回林芙美子文学賞受賞作「タイガー理髪店心中」。幼少時に亡くした母親の記憶を繰り返し反芻する老女の感慨を描く表題作。独特な土着性で伸びやかな資質を感じさせる大型新人のデビュー作。
  • 風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)
    4.4
    1~2巻1,699円 (税込)
    美術(アート)という名のタイムカプセルが、いま、開かれる――。日本が誇る名画『風神雷神図屏風』を軸に、海を越え、時代を超えて紡がれる奇跡の物語! 20××年秋、京都国立博物館研究員の望月彩のもとに、マカオ博物館の学芸員、レイモンド・ウォンと名乗る男が現れた。彼に導かれ、マカオを訪れた彩が目にしたものは、「風神雷神」が描かれた西洋絵画と、天正遣欧少年使節の一員・原マルティノの署名が残る古文書、そしてその中に記された「俵…屋…宗…達」の四文字だった――。織田信長への謁見、狩野永徳との出会い、宣教師ヴァリニャーノとの旅路……天才少年絵師・俵屋宗達が、イタリア・ルネサンスを体験する!? アートに満ちた壮大な冒険物語!
  • 帝国ホテル建築物語
    4.3
    1巻1,699円 (税込)
    「かたちあるものは必ず滅す。しかし、かたちを成すために命をかけた人々の志は、本書によって神々しく蘇る」阿川佐和子氏推薦! 帝国ホテルライト館建築をめぐる熱き男たちの物語 世界的建築家、フランク・ロイド・ライトの飽くなきこだわり、経営陣の追及……それでも彼らは諦めなかった! そして関東大震災が――1923年(大正12年)に完成した帝国ホテル2代目本館、通称「ライト館」。「東洋の宝石」と称えられたこの建物を手掛けたのは、20世紀を代表する米国人建築家、フランク・ロイド・ライトだった。明治末期、世界へと開かれた日本において相応しい迎賓館が必要だと気づいた大倉喜八郎と渋沢栄一が、ニューヨークで古美術商として働いていた林愛作を帝国ホテル支配人として招聘したことから、このプロジェクトは始まった。しかし、ライト館完成までの道のりは、想像を絶する困難なものだった――。ライト館の建築に懸けた男たちの熱い闘いを描いた、著者渾身の長編小説。
  • 病巣 巨大電機産業が消滅する日
    3.8
    1巻1,699円 (税込)
    日本を代表する総合電機メーカー芝河電機は社内で粉飾決算が横行していた。買収した米国子会社の原発企業ECCの巨額損失も発覚。証券取引等監視委員会も動きだし、ついには債務超過に陥り、存亡の危機に──。現実よりもリアルで予言的な長篇企業小説!
  • 東京カウガール
    3.5
    1巻1,699円 (税込)
    きみは知らない/きみを知りたい 僕は動けなかった。恐怖心からではなく、男たちを叩きのめすその女性に見惚(みと)れてしまったんだ――。その夜、カメラマン志望の大学生・木下英志は夜景を撮っていた。人気(ひとけ)のない公園で鈍い音を聞きつけカメラを向けると、そこには一人の女性がいた。彼女は屈強な男たちを叩きのめすと、車椅子の老人を伴い車へと消えた……。後日、改めて画像を見た英志は気づく。「似ている。横顔が、あの子に」 〈カウガール〉と名付けた彼女の画像を頼りに、その正体に近づいていく英志だったが、やがて彼女自身にも心を寄せていく。そして辿り着いた真相と、彼女の家族が背負った哀しい過去とは? 累計150万部突破の「東京バンドワゴン」シリーズの著者が描く、もう一つの「東京」の物語。

    試し読み

    フォロー
  • 坂の途中の家
    4.1
    1巻1,699円 (税込)
    最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない。虐待事件の補充裁判員になった里沙子は、子どもを殺した母親をめぐる証言にふれるうち、いつしか彼女の境遇に自らを重ねていく。社会を震撼させた虐待事件と〈家族〉であることの光と闇に迫る心理サスペンス。
  • 吾輩はウツである “作家・夏目漱石”誕生異聞
    4.3
    1巻1,699円 (税込)
    「おまえさん、ナニサマのつもりだ」(by猫)――『吾輩は猫である』が生まれた舞台裏には、こんなドラマがあった!?明治36年(1903)4月、小泉八雲が辞めさせられたことで学生たちの不満うずまく帝大に、夏目金之助(のちの漱石)が講師として赴任する。不穏な空気の中、学生たちの冷たい視線に晒される金之助は、毎日、不満と苛立ちを抱えながら教壇に立っていた。さらに、失恋で人生をはかなむ学生・藤村操が目の前に現れ、金之助の気持ちはますます不安定になっていく。そんなとき、一匹の小さな黒猫が夏目家に迷い込んだ。心を病み始めた金之助は、その黒猫と会話をし始める。しかし、その黒猫と会話ができるのは金之助だけだった。一方、病ゆえに突如として怒りを暴発させるようになった金之助に対し、妻・鏡子は一念発起。金之助の病を治すべく、ある行動を起こしたのだが……。夏目漱石を長年にわたって研究し続けてきた著者が、歴史的事実をモチーフに、不世出の文豪が誕生するまでをドラマチックに描く、異色の長編小説。

    試し読み

    フォロー
  • 濡れた太陽 高校演劇の話 上
    3.8
    1~2巻1,699~1,799円 (税込)
    高校に入学したての相原太陽は、オリエンテーションで独自の「桃太郎」を演出、上演し、絶賛されたことによって脚本を書きたいと思い始める。そのため演劇部に入るのだが、すでに3年生のチームが独占している。そこで太陽は演劇部の「のっとり」を企てて……。演劇部を軸に、絡み合う恋愛、自意識との葛藤、モテない男子のリアルな会話。誰もが自分の高校時代を思い出さずにはいられない、がんじがらめの青春小説!

    試し読み

    フォロー
  • 影恋
    3.0
    達樹が想いをよせた涼子には、死んでもなお妻に心を残す夫の幽霊が憑いていた。何とか霊と切り離し、涼子を平穏な日常生活に戻らせたいと願う達樹の想いを知りながら、涼子は夫の霊に見守られながら送る静かな生活にも心を断つことができない。達樹が霊の攻撃を受け、涼子が世間と隔絶した生活を選んだとき、この奇妙な三角関係は思わぬ展開に晒されることになった。名手が描く異形の恋、平成版雨月物語。

    試し読み

    フォロー
  • 銀色の絆
    3.8
    1巻1,699円 (税込)
    栄光を勝ち取るか、無残に打ちのめされるか、これはもう遊びではないのだ――。夫の浮気が原因で離婚、娘の小織とともに実家のある名古屋へと転居し、無気力な日々を送っていた藤里梨津子だったが、フィギュアスケートの名コーチに小織の才能を見出され、娘を支えることに生きがいを感じ始める。「藤里小織の最大の伸びしろは、あなたにあると思ってます」とのコーチの言葉に、娘のためにすべてを懸ける決意をする梨津子。スケートクラブ内の異様な慣習にとまどい、スケート費用の捻出に奔走し、さらには練習方針をめぐってコーチとの間で軋轢が生じるのも厭わず、娘のことだけを考えてクラブの移籍を強引に進める――そんな母の姿に葛藤を覚える小織ではあったが、試合での成績も次第に上がっていき、やがて……。母娘の挑戦は、実を結ぶのか?母と娘の絆をテーマにした、著者渾身の長編小説。『犯人に告ぐ』『クローズド・ノート』をしのぐ興奮と感動!

    試し読み

    フォロー
  • 順風満帆〈クラウド・ナイン〉
    -
    1巻1,700円 (税込)
    まともなだけじゃ、生きていけない 『万事快調〈オール・グリーンズ〉』で第28回松本清張賞を受賞しデビュー、2026年1月に同作の実写映画が公開される新鋭・波木銅、待望の新作! 『万事快調』の書き下ろしスピンオフ短篇「順風満帆〈クラウド・ナイン〉」を筆頭に、 まともなだけじゃ生きていけない現代を、必死にサバイブするあなたに贈る“劇薬”小説集! ◆収録作 ・順風満帆〈クラウド・ナイン〉(『万事快調』スピンオフ) 夜な夜なクラブで開催されるMCバトルイベントで出くわしてしまった、教育実習生の私と、クラスの素行不良児。ステージ上での短い対話篇が始まる ・ラッキーパンチ・ドランカー ラッキーでプロボクサーになった僕と、理想の恋人・りゅーちゃん。才能を見いだせないボクシングを続けるべきか、それとも…… ・結局のところ、わたしたちはみな 「ぼく、漫画描いてるんですよね」馴染めないバイト先の同僚が描いているのは、“すべて嘘”の猫との暮らしだった ・フェイクファー 「裁縫は暴力の逆なんだ。だから好き」大学時代に所属していた〈着ぐるみサークル〉の仲間が自殺したらしい。でも、なぜ? ・楽園ベイベー いじめられっこの僕を助けてくれた〈美容師兼探偵〉を名乗る謎の女・らいか。妹の行方を追う彼女に手助けを求められ…… 一筋縄ではいかない現実は、裏をかいてそのまま振り切っちゃえ。
  • 高宮麻綾の引継書
    3.7
    1~2巻1,700円 (税込)
    会社への不満を抱えるすべての人へ捧ぐ! \こんな会社辞めてやる! そう思ったことがある人、全員集合!/ 精魂込めて作り上げた新規事業が、親会社に潰された。理由はリスク回避。 「なんであんたたちの意味わかんない論理で、あたしのアイデアが潰されなきゃなんないのよ!」 怒りを爆発させた三年目の社員・高宮麻綾は、社内外を駆けずり回り、“リスク”の調査に乗り出す。 私は私の仕事をモノにしてみせる―― だってそういうたまらない瞬間のために生きているんだもの。 忖度、義理、出世……それって昭和の話? いえいえ、いつの時代も会社はややこしくって面白い! 今日の味方は明日の敵――めくるめく令和のサラリーマン小説が爆誕。 \松本清張賞選考会で話題沸騰/ 完成度が高いエンターテインメント作品。構成の密度、キャラクター設定ともによく練られていて、著者はエンタメの世界で即戦力の持ち主だと感じた。――辻村深月(作家・松本清張賞選考委員) 勢いに引っ張り込まれた。非常に良くできた作品で、私などは見事に感情をコントロールされたクチである。私はこの作品を一推しした。――森絵都(作家・松本清張賞選考委員) \各界から絶賛の声/ 仕事が好きな人、仕事の理不尽を知る人にとって間違いなく、心にぶっ刺さる物語。――瀧井朝世(ライター) 仕事ってむかつくけど面白いよな!!!そんな感情を思い出させてくれた痛快・最高・天才の仕事小説です!全員読んでくれ!――三宅香帆(文芸評論家) 引き継がれるのは事業への想い。読むと仕事のやる気が湧いてくる。エナジードリンクみたいなお仕事小説です。――新川帆立(作家) ただ面白いから仕事を続けてきた。それでも良かったんだと胸を張れました。――安島隆(ディレクター) 会社が憎い。だから今日も働く。会社員の屈折した魂の輝きの全て。――メン獄(『コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル』)
  • 天才望遠鏡
    4.0
    1巻1,700円 (税込)
    「将来の夢」を思い出せない全ての大人達へ 「才能を持った人間なんて、実はたくさんいる。でも、天才は違う。天才は、才能を見つけた連中が、一方的にそう名づけるんだ」 デビュー10年。爆発的に売れることはないけれど、きちんと締め切りを守り、編集者に無理難題を押し付けずに着実に仕事をこなす作家・星原イチタカ。一方、同期デビューの釘宮志津馬は偏屈で横暴であることを自覚しながらも、大人気作家であることから周囲に丁重に扱われることに対し憤りを感じている。イチタカの才能を軽んじる向きもある中、釘宮だけが彼の「天才」性を”観測”していた。 藤井聡太七冠の記録を塗り替え、史上最年少でプロ入りした中学生棋士、タピオカミルクティーの味もマカロンの味も知らない、かつての「氷上の妖精」、気がつかぬままに抜群の歌声を持ち、オーディションを駆け上がる天才中学生……。 描かれるのは5人の天才たち。彼らと、彼らを観測し続けた人々の姿が紡がれる連作短編集。 【目次】 星の盤側 妖精の引き際 エスペランサの子供たち カケルの蹄音 星原の観測者
  • ヨシモトオノ
    3.8
    吉本ばなな×「遠野物語」が人生に光を灯す ヨシモトオノとは、吉本ばなな×「遠野物語」! 日常にふと口をあける世界の裂け目。 生と死の境界がゆらぐとき――心に小さな光を灯す物語たち。  天井の木目に小さな顔があった。何度見ても顔だった。知らないおじさんの顔。  木目って人の顔に見えるよなあ、小さいときも風邪を引くと木目がいろんなものに見えたな、と思ったら、そのおじさんがにやりと笑った。こちらの考えを見透かすように。(「思い出の妙」より) 民俗学者・柳田國男が地方の不思議な伝承を集めた不朽の名作「遠野物語」。 これは「不思議と言えば不思議で、そうでもないと思えばそれっきり忘れてしまう」小さなエピソードを集めた「吉本ばなな版遠野物語」!
  • 亡霊の烏 八咫烏シリーズ11
    4.1
    1巻1,700円 (税込)
    博陸侯の治世を揺るがす「亡霊」の影 累計240万部突破! 大人気和風ファンタジー「八咫烏」シリーズ第11作。 博陸侯雪斎が独裁を敷く〈山内〉で、 〈登殿の儀〉を経て皇后を選んだ金烏代・凪彦。 しかし二人の間に子が生まれる気配はない。 一方、谷間出身者たちの叛乱を生き延びた少年・トビは 北家の朝宅で博陸侯の母と出会い――。 博陸侯の治世を揺るがす「亡霊」の影。 終幕に向けて、時間が進み始める。
  • 坂の中のまち
    3.6
    1巻1,700円 (税込)
    「隣に座るって、運命よ」 文豪ひしめく坂だらけの町の不思議な恋の話。 上京して大学に通う〈わたし〉の隣に座った〈エイフクさん〉は、 ちょっと好みの見た目をしていた。 江戸川乱歩『D坂の殺人事件』の別解(!?)、 遠藤周作『沈黙』の切支丹屋敷に埋まる骨が語ること、 安部公房『鞄』を再現する男との邂逅、 夏目漱石『こころ』みたいな三角関係……。 風変わりな人たちと、書物がいろどる〈ガールミーツ幽霊譚〉。
  • 婚活マエストロ
    4.0
    1巻1,700円 (税込)
    本屋大賞受賞『成瀬は天下を取りにいく』を超える、爆走型ヒロインが誕生! 40歳の三文ライター・猪名川健人は、婚活事業を営む「ドリーム・ハピネス・プランニング」の紹介記事を書く仕事を引き受ける。安っぽいホームページ、雑居ビルの中の小さな事務所……どう考えても怪しい。 手作り感あふれる地味なパーティーに現れたのは、やけに姿勢のいいスーツ姿の女性・鏡原奈緒子。場違いなほどの美女だが、彼女は「私は本気で結婚を考えている人以外は来てほしくありません」と宣言する。そして生真面目にマイクを握った――そう、彼女は婚活業界では名を知らぬ者はいない〈婚活マエストロ〉だった。 その見事な進行で、参加者は完全にマエストロ・鏡原の掌の上。彼女は何者なのか、なぜこんな会社で働いているのか、〈マエストロ〉ってなに……謎は深まるばかりだが、猪名川は同社のイベントを手伝うことに。65歳以上のシニア向け婚活パーティーから、琵琶湖に向かう婚活バスツアー(クルーズ船「ミシガン」に乗車)まで。これまで結婚に興味のなかった猪名川も、次第に「真面目に婚活するのも悪くないかもしれない」と思い始める。 ものは試しと他社が運営する婚活パーティーを訪れてみると、そこには参加者として席に座る鏡原の姿があった――。
  • あなたを待ついくつもの部屋
    3.8
    1巻1,700円 (税込)
    いつかの記憶の扉が開く。 東京、大阪、上高地。3つの帝国ホテルを舞台に織りなす42の物語。 クロークに預けたままの、亡父の荷物。夫の秘密がそこに――。 開いた鍵の先に、妻が見たものは(「秘密を解く鍵」) 半年に一度しか会えない小学校6年生の娘。 ブフェに行くが、娘はなかなかマスクを外さない(「父と娘の小旅行」) 窓から射しこむ朝の光、錆びた流し台にしたたる水滴の音―― ホテルで眠る夜、どこかで出会った部屋たちの夢を見る(表題作) 1行でこころ揺さぶられる、珠玉の小説集。
  • 望月の烏 八咫烏シリーズ10
    4.3
    1巻1,700円 (税込)
    若き金烏の新たな后選びに波乱の予感――。 累計200万部突破&2024年4月よりアニメ放送スタート! 大人気異世界ファンタジー「八咫烏シリーズ」待望の最新作。 絶対権力者・博陸侯の後ろ盾のもとで、 新たに異世界〈山内〉を統べる金烏代となった凪彦。 その后選びのため、南北東西の大貴族の家から選ばれた、 四人の姫君たちが、宮中での〈登殿の儀〉へと臨む。 しかし下級官吏として働く、絶世の美姫の存在が周囲を――。
  • K+ICO
    3.8
    1巻1,700円 (税込)
    孤独な男女が出会う時、何かが起きる ウーバーイーツの配達員をしているK。TikTokerをしている女子大生のICO(イコ)。巨大な「システム」の中に生きる二人の人生が交錯する時、何かが動きはじめる。実力派作家がデビュー10周年に放つ、渾身作。 ラランド ニシダさん、金原ひとみさん、窪美澄さん絶賛! 「まだ見ぬ誰かとの数奇な巡り合わせはインターネットに操られる。ITは我々を孤独にさせてくれない」(ラランド ニシダさん) 「上田岳弘は、こんなにも抽象の世界から、具体の力を行使する」(金原ひとみさん) 「うんざりするような世界でも、私は誰かと繋がっていたい。そんな欲望を肯定してくれたこの小説は、限りなくせつなく、そしてやさしい」(窪美澄さん)
  • ぼくは青くて透明で
    3.7
    1巻1,700円 (税込)
    高校一年の夏、ぼくは彼に恋をした。 「ぼく」(羽田海)は、血の繋がらない継母の美佐子さんと二人暮らしをしている。 ぼくが高校一年の夏に、美佐子さんの仕事の都合で引っ越しをすることになった。 前の町で美佐子さんが勤めていた印刷会社が倒産したのだ。 幼いころは父さんと母さんがいたけれど ぼくが六歳のときに母さんは家を出ていき、 その後、美佐子さんと結婚した父さんもどこかに行ってしまった。 勉強も好きじゃないし、運動も得意じゃない。 いつか美佐子さんとも離れなくちゃいけない。 そんなとき、「ぼく」は、転校先の高校で忍と出会った……。出会ってしまった。
  • 宙わたる教室
    4.3
    1巻1,700円 (税込)
    定時制高校の教室に「火星」を作り出す――胸が熱くなる青春科学小説 東京・新宿にある都立高校の定時制。 そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。 負のスパイラルから抜け出せない二十一歳の岳人。 子ども時代に学校に通えなかったアンジェラ。 起立性調節障害で不登校になり、定時制に進学した佳純。 中学を出てすぐ東京で集団就職した七十代の長嶺。 「もう一度学校に通いたい」という思いのもとに集った生徒たちは、 理科教師の藤竹を顧問として科学部を結成し、 学会で発表することを目標に、 「火星のクレーター」を再現する実験を始める――。 『月まで三キロ』『八月の銀の雪』著者がおくる、 今年一番熱い青春科学小説!
  • ロスト・イン・ザ・ターフ
    3.7
    1巻1,700円 (税込)
    著者の新境地! 競馬愛にあふれるラブ・コメディー 競馬はロマンだ! 競馬を愛してやまない著者が贈る夢の物語。 亡き兄が遺した競馬バーを営む倉本葵。ある日、大井競馬場で芦毛の9歳の牡馬・ウララペツを見かけるなり一目惚れする。ウララペツは名馬として名高いメジロマックイーンの最後の産駒だった。 だがほどなく、戦績の振るわないウララペツは引退することに。このままでは、ウララペツは食肉にされる……。葵はウララペツを買い取って馬主となり、種牡馬にしようと決意する。ところが次から次へと難題が――。 葵、メジロマックイーンの血筋を残したいと熱望する常連客やウララペツの元馬主など、馬をこよなく愛する男女が奮闘しつつ、恋のさや当てにも興ずるラブコメディー。
  • うるさいこの音の全部
    3.8
    1巻1,700円 (税込)
    小説と現実の境目が溶けはじめる、サスペンスフルな傑作 嘘だけど嘘じゃない、作家デビューの舞台裏! 「おいしいごはんが食べられますように」で芥川賞を受賞した高瀬隼子さんが挑む新たなテーマはなんと「作家デビュー」。 ゲームセンターで働く長井朝陽の日常は、「早見有日」のペンネームで書いた小説が文学賞を受賞し出版されてから軋みはじめる。兼業作家であることが職場にバレて周囲の朝陽への接し方が微妙に変化し、それとともに執筆中の小説と現実の境界があいまいになっていき……職場や友人関係における繊細な心の動きを描く筆致がさえわたるサスペンスフルな表題作に、早見有日が芥川賞を受賞してからの顛末を描く「明日、ここは静か」を併録。
  • 青春をクビになって
    4.1
    1巻1,700円 (税込)
    夢の諦め方は、誰も教えてくれない 「雇止め」という冷たい現実を前に、研究を愛するポスドクが下した決断とは――。 青春小説家が描く、青春の終(しま)い方。 社会に横たわる痛切な苦みを描く、著者の新境地。 瀬川朝彦、35歳。無給のポスト・ドクターである。学生時代に魅了された 古事記の研究に青春を賭してきたが、教授職など夢のまた夢。 契約期間の限られた講師として大学間を渡り歩く不安定な毎日だ。 古事記への愛は変わらないが、今や講師の座すら危うく、 研究を続けるべきかの煩悶が続いている。 そんな折、ゼミ時代の先輩が大学の貴重な資料を持ったまま 行方不明になってしまうという事件が。 45歳の高齢ポスドク”となっていた先輩は、講師の職も失い、 なかばホームレス状態だったという。先輩は資料を「盗んだ」のか? 自らの意志で「失踪」したのか? そして、朝彦の下した将来への決断は?
  • もっと悪い妻
    3.5
    1巻1,700円 (税込)
    妻の貌を、男たちは知らない。 男たちの身勝手さを、一行で打ち砕く桐野文学の極北! 夫公認のもと、元恋人と自由な時間を過ごす妻を描いた 表題作「もっと悪い妻」など、計六作の短編を収録。 「麻耶は大事だと思っている人が他にいるの?」 「いるよ。男でも親友になれるよ」 「それはそうだろうけれど。困ったな」 (「もっと悪い妻」より) ネット上で〈悪妻〉と批判されることに悩む バンドのヴォーカルの妻を描いた「悪い妻」。 妻と離婚した後、若い女性にしつこく迫る 壮年の男性の哀歓を伝える「武蔵野線」など、 男と女のカタチを切り取った現代の「悪妻論」。 西加奈子さん(作家)推薦 不幸な「悪い妻」は許されるが、 満たされた「もっと悪い妻」は断罪される。 「妻」という呪いと、 「妻」を理想化する社会へのしたたかなカウンター。
  • おもいでがまっている
    3.9
    1巻1,700円 (税込)
    「待つ」ことでしか、進まなかった人生がある。 今は古びた平成初期の新興マンション。 その一室に、ひとりの年老いた男が、孫とともに住んでいた。 男が訥々と語る、心温まる、この部屋の思い出。 孫はここで、ずっと母を待っている。 この部屋に残された母の愛に囲まれて。 しかし、男が語る思い出はすべて“嘘”だった。 かつてこの男は、とある幼い兄妹から、この部屋を奪った。 男には、そうしなければならない、痛切な理由があったーー。 風吹く部屋で、ずっと誰かを待ち続けた、ある家族と男の物語。 水野良樹(いきものがかり)が筆名で描く、渾身の書き下ろし小説。 ■著者からのメッセージ すぐに話せて、すぐに理解できる。 待つことが少なくなったそんな世界において、人に会えず、先が読めず、いつ終わるかわからない、待つことを強いられた3年間でもありました。今という瞬間を侵食する過去との向き合い方。そして場所に沈殿し、宿り続ける記憶。 人生という自分たちの時間を、前に進めようともがく人々の物語です。 なお、本小説のプロットから受けたインスピレーションを元に創り上げられた楽曲『ただ いま (with 橋本愛)』が、各種音楽配信サイト・ストリーミングサービスにて配信中。 本楽曲は女優の橋本愛が初めて作詞を手掛け歌唱を担当。 作曲は著者の清志まれ、編曲は鈴木正人が手掛けた。
  • 90’s ナインティーズ
    4.0
    1巻1,700円 (税込)
    ―夢を叶えるために生きてきたんだ― あらゆるメジャー・レコード会社のディレクターやスカウトマンが集まった1990年代後半の下北沢のライブハウス。すべてのミュージシャンの目前に巨大なルーレットが置かれていた。 NONA REEVES 西寺郷太、初の自伝的小説!  僕は相変わらず大学や下北沢から家に帰ると寝る間も惜しんでダビングを繰り返していた。デモテープを配った相手にアンケートを渡し、そこに書かれた住所に美しくデザインされたダイレクト・メールを送る。お金に関して言えばまだすべて持ち出しだ。しかし、そんな日々を繰り返している中で「ファン」と呼べるような何人かが僕の周りに生まれ始めている。ようやく上京してから、いや音楽の道を目指してから永遠に続くかと思われた長い「スランプ」のトンネルを抜け出そうとしている実感が湧いてきた。 「やったるでー!」  ひとり暮らしの東中野ヒルズで布団にくるまりながら、僕は大声で叫ぶ。 (本文より)
  • 台北野球倶楽部の殺人
    3.0
    1巻1,700円 (税込)
    時刻表を駆使したアリバイ崩しと台湾現代史に刻まれた悲劇をめぐる人間ドラマが松本清張を彷彿とさせる傑作ミステリー。 第6回金車・島田荘司推理小説賞受賞作。 昭和十三年、日本統治下の台湾・台北市。台北駅からほど近い喫茶店「グランドスラム」では野球愛好家の集まり「球見会」の定例会が開かれていた。 日本でプロ野球が発足してまだ三年目。当時もっとも注目されていたのは東京六大学野球で、この夜も話題の中心は早慶戦ともう一つ、台湾の高雄商業学校のエース兼四番バッター大下弘だった。球見会には六大学のOBが参加していて、彼らは大下を自分たちの出身大学にスカウトすべく鍔迫り合いを演じていた。 そんな折、球見会の会員二人が別々の列車内で不審な死を遂げた。この会の唯一の本島人(台湾人)会員・陳水金は台北の北鉄新店線萬華駅で、慶應OBの藤島慶三郎は高雄駅で台北から乗車した寝台列車の中で発見された。 台北南署の刑事・李山海とその相棒の北澤英隆は高雄署とも協力し事件の謎を追う。果たして二人の死には、「明日の球界を背負う逸材」大下弘のスカウト合戦が関係しているのか、それとも……?
  • 隠し女小春
    3.2
    1巻1,700円 (税込)
    大手出版社で校閲者として働く矢野聡には、秘密があった。横浜・黄金町のギャラリーで出会ったハンガリー製のラブドールを小春と名づけ、一緒に暮らしているのだ。毎晩、ベッドで小春のからだを弄びながら話しかけ、返事を聞き、愛撫されつつ眠りにつく日々。女性バーテンダー・鵜飼千賀子の部屋で快楽に耽るだけでは得られぬ安らぎを、小春はもたらしてくれたのだ。 そんな聡の人生に、1人の良い女が登場する。千賀子の店で出会った映像翻訳者の茜屋恭子は、知的な魅力の持ち主だった。 「これまで会ったことのないタイプだな。時々胸の鼓動が速くなった」と小春に話してしまったことから、聡の周辺でさまざまな事件が起こり始めて―― 戦慄の長篇サスペンス!
  • 雌伏三十年
    3.3
    芸人、ミュージシャン、俳優、コラムニストと八面六臂の活躍をするマキタスポーツが、今度は自伝的小説で作家デビュー! 1988年、山梨から野望を抱いて上京した臼井圭次郎は、紆余曲折の末に仲間とバンドを結成する。しかしなかなか売れず、結局バンドは空中分解。おまけに女性関係や家族との間にもトラブル頻出――八方ふさがりの圭次郎に未来はあるのか!? 1980年代から2000年代にかけての懐かしのヒット曲もふんだんに盛り込まれ、ビートたけしはじめとする実在の人物も出てくる、サブカル青春漂流記。
  • 幸せのままで、死んでくれ
    3.5
    1巻1,700円 (税込)
    ●小説「幸せのままで、死んでくれ」 Author 清志まれ 水野良樹(いきものがかり)が、新たな筆名で覚悟の作家デビュー! 小説と音楽の同時リリースで贈る、かつてない物語体験。 ●主題歌「幸せのままで、死んでくれ」 Song Writing & Vocal 清志まれ Produce & Piano, Electric Piano, Organ 世武裕子 Drums 伊吹文裕 Bass 福井健太(People In The Box) Guitar 永野亮(APOGEE) Recorded & Mixed by 浦本雅史(Soi Co.,Ltd) Vocal Recorded by 熊谷邑太 Coordinated by 杉本陽里子・村上由貴 (ondo) Arrange 世武裕子・伊吹文裕・福井健太(People In The Box)・永野亮(APOGEE) Produced by HIROBA
  • 人生の決算書
    3.0
    1巻1,700円 (税込)
    シンガポールのマンションを舞台にした連作小説『タンブス荘の人々』、原稿用紙数枚の中に小説の妙味を盛り込んだ『掌で掬う人生』、ベストセラー『老いの才覚』に通じる名エッセイの数々と、バラエティーに富んだ内容です。
  • ミカエルの鼓動
    3.9
    1巻1,700円 (税込)
    この者は、神か、悪魔か――。 気鋭の著者が、医療の在り方、命の意味を問う感動巨編。 大学病院で、手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條。そこへ、ドイツ帰りの天才医師・真木が現れ、西條の目の前で「ミカエル」を用いない手術を、とてつもない速さで完遂する。 あるとき、難病の少年の治療方針をめぐって、二人は対立。 「ミカエル」を用いた最先端医療か、従来の術式による開胸手術か。 そんな中、西條を慕っていた若手医師が、自らの命を絶った。 大学病院の闇を暴こうとする記者は、「ミカエルは人を救う天使じゃない。偽物だ」と西條に迫る。 天才心臓外科医の正義と葛藤を描く。
  • 死者にこそふさわしいその場所
    3.4
    1巻1,700円 (税込)
    怖いものほど見たくなる、駄目なものほど癖になる。 日常の輪郭がゆがんでとろける、奇「快」な物語たち! 折口山町に暮らすのは、どうしようもない人達ばかり。 ・セックスの回数を記録する愛人 ・徘徊癖のある妻を介護する老人 ・アパートのドアが開きっぱなしの裸男 ・朝どうしても起きられなくなってしまった女 ・困った人の面倒を見たがる聖職者 町はずれの植物園に、彼らは、吸い寄せられるようにやってくる。 芥川賞作家が織りなす、平凡なようで非凡な六篇の物語。 ●担当編集者より 住みたいかと聞かれたら答えに窮する、しかし覗き見したいかと言われたら確実に「YES」なのが、折口山町だと思います。 登場人物たちの特徴を挙げてみるだけで、もうこの町の不思議な空気が漂ってきた気がします。 ちなみに、なんとも魅力的なタイトルは、ポール・ヴァレリーの『テスト氏』の一節から。
  • 邪教の子
    3.8
    1巻1,700円 (税込)
    この家はまともな場所ではない。ここは邪教の巣だ。だから私たちは彼女を救い出す。『ぼぎわんが、来る』の気鋭がニュータウンを舞台に描く、戦慄のサスペンススリラー。
  • 猫がこなくなった
    4.0
    1巻1,700円 (税込)
    猫好きの友人の高平君がうちに来て、涙ながらにいなくなった猫の話をはじめた、聞けば聞くほど私が外で世話していたキャシーそっくりだった。 ついに1ヵ月経ったところで高平君は、迷い猫のポスターを貼りだした。それを作ったのは二週間目だったが、「貼ったら事実を固定化するみたいじゃん。」と思っていたのだ。レディはきっと帰ってくる、キャシーもそうだ。 果たして高平君のレディはみつかるか?(表題作) 特別に忘れがたい猫、突然伐られてしまった大きなヒマラヤ杉、賢いカラス、鎌倉の家から見えた川端先生のお屋敷、夏の明るい日差しの中で本を読むこと、隣家の物置きに住み着いた赤ん坊連れの女のひと、子猫が友人の手のなかで命を落とした夜明けまでの夜・・・ 「命において死は生きるのと平行して在りつづける」ことを証しだてる9つの短篇小説。
  • 夢七日 夜を昼の國
    4.0
    ベストセラー『想像ラジオ』から7年。言葉の力を知り抜く著者が世に問う、渾身の小説集! 【夢七日】交通事故に遭い、意識不明となった木村宙太。震災後、原発で働いていた君だが最愛の妻の呼びかけにも応じられない深い眠りの中にいる。二〇一九年十一月、私は君に、日々ささやきかける。――君よ、目覚めよ。         * 【夜を昼の國】一七一〇年、身分違いの悲恋で心中し、恋人・久松と共に「書かれた世界」に放り込まれてしまったお染。歌舞伎や浄瑠璃に脚色され、名誉を傷つけられてきた彼女は今また生き返り、ネットでの中傷に立ち向かおうとする。
  • 死者との対話
    3.0
    石原慎太郎、最新短編集。 自らの老いと死を直視する作家の透徹した眼――。 作家として、政治家として活躍してきた著者も齢87を迎えた。忍び寄る死の影をも直視しつつ綴った珠玉の七編を収録。 「それで一番何に痺れて興味があるのかね」 「それは端的に俺が死ぬことだろうな」 (本書収録『――ある奇妙な小説――老惨』より) インパール作戦で多数の戦友を失った男が戦後にとった行動とは? (『暴力計画』) 死に直面する作家が自在なリズムで自己と対話する (『――ある奇妙な小説――老惨』) 末期患者と看護人の間に芽生えた奇妙な友情 (『死者との対話』) ある少女を襲った残酷な運命 (『いつ死なせますか』) 切れ味の鋭い掌編の連打 (『噂の八話』) 「これは私の一生を通じて唯一の私小説だ」 (『死線を超えて』) ヨットレースを引退した男の胸に去来するものは (『ハーバー桟橋での会話』)
  • GETUP!GETLIVE!
    -
    1巻1,700円 (税込)
    話題の「声優×二次元芸人」プロジェクト! 発売即完売の1stLIVEを完全ノベル化。舞台では演じられなかった幻のエンディングも収録。 お笑いにかける青春 俺の相方が世界で一番面白い! 『俺ガイル』の渡航が描く、お笑いにかけた3組のコンビの涙と笑いと葛藤の青春物語! 東京は神田神保町のお笑い養成所SSS(スーパースタースクール)で、青春をお笑いにかける3組のコンビ。 日々学びオーディションを受け、バイトとネタ作りに追われている。コンビ間の衝突やライバルへの嫉妬など、きらびやかな世界の裏側に翻弄されながら、日本一、世界一のお笑い芸人を目指す青春ストーリーだ。 登場するのは―― 共感系幼馴染コンビ「スターダスト」上原淳也(cv:花江夏樹)・東沢楓(cv:西山宏太朗) ちぐはぐ凸凹コンビ「菊一文字」町田瀬那(cv:豊永利行)・大野虎之助(cv;石川界人) イマドキ関東芸人「6‐シックス‐」狛江一馬(cv:熊谷健太郎)・喜多見蓮(cv:阿座上洋平) LIVEは実際に3組がネタを演じ、会場の観客の投票でその後の展開が決まるマルチエンディング方式だった。本書もその形を踏襲しており、LIVEでは演じられなかったエンディングも収録されている。 イラストレーションは、由良が担当。書き下ろし表紙イラストと、挿絵3点を寄せている。 ※購入特典のキャストの手書きコメント付特製ポストカードは電子版には付いておりません。紙版のみの収録となりますので、ご注意ください。
  • 最後の一色 上
    4.3
    1~2巻1,705~1,881円 (税込)
    本屋大賞受賞作家が描く、戦国巨編! 「二〇一九年七月、取材を本格化。『村上海賊の娘』以降、遊んでいたわけではありません。この小説を書いていました。 この丹後一色氏最後の男の物語を。」 和田竜 「信長か。珍しゅうもない。ざらにいる男よ--。」 織田信長による天下布武の軍団が日本全土を侵略していくなか、その怪物は戦場にあらわれた。名を丹後の守護大名、一色義員(いっしき・よしかず)の嫡男・五郎(ごろう)と言った。 十七歳の青年は、父が倒された圧倒的不利な状況下で、凄惨な戦闘を繰り広げ、その場にいた全ての人間を恐怖に陥れる。
  • 美しい夜
    4.3
    1巻1,705円 (税込)
    高校生の晴野(はるや)は部屋を出られない。胸がどきどきして苦しくなるからだ。 そのせいで学校にも行けず、ひとけのない夜にだけ外に出る生活。 奔放な母親は再婚した義父と暮らしており、連絡は途絶えがちになっている。 母親の記憶は、見知らぬ男からの暴力と二重写しだった。 ある夜、コンビニからの帰り、晴野は同級生の美夜子(みやこ)と出会う。 「悪い人間になりたい」という彼女は、そのわりに、飲酒も喫煙も、 万引きも暴力も「犯罪だから駄目だよ」と言う。 そして晴野は美夜子と、まるで子供の遊びのような、無邪気な夜の時 間を重ねていく。しかし夏のある日、彼は彼女の「秘密」に気づき……。 「魔法のiらんど大賞2022」小説大賞<文芸総合部門>特別賞 優しく美しい言葉で紡がれる、胸を打つ青春純愛小説。
  • あぶない刑事 1990
    3.0
    1巻1,705円 (税込)
    「帰ってきたあぶない刑事」2024年5月24日公開 新作書き下ろし 定年を間近に控えた近藤課長に迫る危機! タカ&ユージ、そしておなじみの港署メンバーが、90年代の横浜を駆け抜ける。 【著者】:柏原寛司 1949年、東京都生まれ。脚本家、映画監督。一般社団法人シナリオ作家協会会長、日本シナリオ作家協会副理事長を歴任。日本大学芸術学部在学中に『クレクレタコラ』の脚本でデビュー、97年には映画『猫の息子』で監督デビューを果たす。「あぶない刑事」「探偵物語」「西部警察」「太陽にほえろ」など多数の脚本を担当。また、アニメ「ルパン三世」「キャッツアイ」「名探偵コナン」なども手掛けている。
  • 可哀想な蠅
    3.7
    1巻1,705円 (税込)
    近所で目撃した光景をツイートしたのをきっかけに絡んできた、粘着質なアカウント。芽衣子は、彼をスマホの中で「飼う」ことに決めるが――。SNSで、会社で、家の中で。どこからか湧いてくる、哀れな人たち。蓋をしてしまいたい感情。日常の裏で誰もが「見て見ぬふり」をしているものを突き付ける、ブラックな短篇集。
  • 新装版 BT’63 上下合本版
    5.0
    1巻1,705円 (税込)
    父が遺した謎の鍵を手にすると、大間木琢磨の視界に広がるのは、40年前の風景だった。若き日の父・史郎が体験した運送会社での新事業開発、秘められた恋……。だが、凶暴な深い闇が史郎に迫っていた。心を病み妻に去られた琢磨は自らの再生をかけ、現代に残る父の足跡を調べる――。父と息子の感動長編。 「物語」のすべてが Back To 現代から過去へ 父から息子へ 記憶の鍵 喪失と再生 崩壊する家庭 新装版 上下合本版
  • P+D BOOKS 小説陸軍 上・下巻 合本版
    -
    1巻1,705円 (税込)
    待望の合本版!! 幕末、小倉で質屋を営んでいた高木商店の跡取り息子・友之丞は、「異人に、おくにをけがされて、たまるか」という思いで奇兵隊に入隊。隊の「勤王、殉忠報国、攘夷、四民皆兵」という思想に感動し、以来、それが高木家の家風となっていく。その長男・友彦は陸軍士官学校を経て日露戦争に従軍するものの、病気がちで戦闘には参加できなかったので、息子・伸太郎の陸軍入営には万感の思いを抱いていた――。 『麦と兵隊』など「兵隊3部作」で知られる著者が、自らの軍隊生活と従軍作家としての経験をもとに綴った、ある一家の3代、約70年にわたる壮大な物語の上下合本版。
  • あなたはここにいなくとも
    4.1
    1巻1,705円 (税込)
    恋人に紹介できない家族、会社でのいじめによる対人恐怖、人間関係をリセットしたくなる衝動、わきまえていたはずだった不倫、ずっと側にいると思っていた幼馴染との別れ――いまは人生の迷子になってしまったけれど、あなたの道しるべは、ほら、ここに。もつれた心を解きほぐす、ぬくもりに満ちた全五篇。
  • 湯あがりみたいに、ホッとして
    3.5
    1巻1,705円 (税込)
    設計事務所から転職し、「番頭兼イラストレーター」として活躍した銭湯を退職、画家として独立した著者。100℃のサウナと0℃の水風呂を往復するように波瀾万丈な人生ではあるけれど、銭湯やサウナ、それを愛する人々に助けられたり、笑わされたりして、少しずつ自分らしくいられる場所を作っていく。銭湯の番頭業務の裏側や『銭湯図解』制作秘話、フィンランドサウナ旅など、濃厚エピソード満載! 読むとホッとして、ちょっとだけ前に進む気持ちになれる――。『銭湯図解』で話題沸騰の著者による、笑いあり涙ありのエッセイ集。
  • 神曲
    3.2
    1巻1,705円 (税込)
    小鳥店を営む檀野家の平穏な日常は、突然終わりを告げた。息子が通り魔事件で刺殺され、犯人は自殺。地獄に突き落とされた父、母、姉の三人が、悲しみと怒りを抱えながらも足搔き、辿り着いた先にあるものとは。次々に明かされる家族の秘密、ラスト20ページの戦慄、そして驚嘆の終曲。震えるほどの感動が待つ、著者渾身の飛躍作。
  • 迷子の龍は夜明けを待ちわびる
    4.0
    1巻1,705円 (税込)
    余命わずかな老人のために、天空語で書かれた日記を読んでやってほしい。天空族のセイジはその依頼を受けることに。しかし、訪れた山の屋敷には、ある家族を襲った哀しい事件の真相と、天空族の秘密が眠っていた。過去を打ち明けないまま消えていこうとする龍と、さまよう少年の亡霊を救うために、セイジはある決意をする。
  • 今夜
    3.6
    1巻1,705円 (税込)
    プロボクサー、タクシードライバー、交番の警察官、高校教師。その夜、四人の男女は、人生の境界線上に立った。あの日のあなたと同じように。選択の瞬間、夜に潜む魔物が、そっと背中を押す。選んだのは、善? それとも悪? 人間の強さと弱さを繊細な視線でとらえ、忘れられない物語に昇華させた著者会心の書き下ろし長編。
  • ホサナ
    -
    1巻1,705円 (税込)
    愛犬家が集うバーベキューパーティーが、すべての始まりだった。私と私の犬は、いつしか不条理な世界に巻き込まれていく。 「君はどんな世界を作りたいんだ」 「俺はどんな世界も作りたくない。どんな世界も作らないことが俺の目標だよ。ほおっておくと世界が作られてしまうからな」 「なにを言っているのかまったくわからない」 「いけばわかるよ。真の栄光、真のバーベキューについても」(本書より) 迷える民にもたらされた現代の超約聖書。 町田康の新たな代表作。 人間の根源を問う傑作大長編小説。 私たちを救ってください。
  • ひよこ太陽
    3.8
    1巻1,705円 (税込)
    今日も死ななかった。あの帽子を見たために、今日も死なずにすんだ――。一緒に住んでいた女に出ていかれ、切り詰めた生活でひたすら小説を書く40代の男。書けない日々が続き、いつしか死への誘惑に取り憑かれた男に、ある日人探しの依頼が届くが……。虚実のあわいで佇む作家の日常を描く連作小説集。芥川賞作家の新境地作。
  • 哲司、あんたのような人間を世の中ではクズと呼ぶんやで
    3.0
    1巻1,705円 (税込)
    オトンは逃げて、オカンは死んだ、兄妹は行方知れず。廃墟のラブホテルから綴られる不幸なダメ男のろくでもない人生は、人々の愛で満ちていた――涙と笑いと感動の物語。
  • 地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門
    4.2
    1巻1,705円 (税込)
    札幌・盛岡・女川・山形・福井・甲府・熱海・勝川・城崎・小倉・長崎・熊本・鹿児島全国各地で「未経験者」400名超が実践してきた事業立ち上げ・拡大のノウハウが、ストーリーで一気にわかる! 住民の嫉妬・仲間割れ・補助金の甘い誘惑など誰もが陥る罠の避け方までこれ一冊!
  • ブルーハワイ
    3.4
    1巻1,705円 (税込)
    みんながみんな、それぞれのことに夢中だ。――「あたりまえ」なんて知らない、孤独だけが「世界」を撃ち抜く!芥川賞作家が贈る、最高の短篇集!
  • みなさんの爆弾
    3.1
    シングルマザーで官能小説家、初恋に暴走する中学生など、不器用な愛が弾ける女性たち。生きづらさも涙も明日の力こぶに変わる! はちきれそうな人生の輝きを詰め込んだ短篇集。 「初恋」         …12歳の体の中を暴れまわる“恋する本能”。女性同士だって関係ない。 「譲治のために」     …聡明で可愛い息子が、いつしか私の人生を狂わせていく。 「メアリーとセッツ」   …長いひきこもり生活が、正体不明の少年に打破されて―― 「官能小説家の一日」   …乳飲み子をあやし、今日も私はエロの本能を呼び覚ます。 「世界裏」        …若書きのホラー小説が、恐ろしき日常の裏面をくつがえし…… 「戦うなと彼らは言った」 …ファンタジー小説家は、いじめられた男子生徒の前でなにができるのか。
  • カーネーション
    3.7
    司書として図書館で働く諒子は、一度だけ無自覚に娘に手を出してしまい離婚、その後悔を引きずったまま孤独な毎日を過ごしていた。図書館へ頻繁に通ってくる中学生の女の子に自分の娘を重ね合わせていたが、少女は突然失踪してしまう。一方、専業主婦の美咲は、3歳の娘の育児に苦労し、夫ともうまく行かず疲弊していた。ある日、娘が何者かに連れ去られてしまい……。接点のないふたりの女性が交錯するとき、胸に秘めていたそれぞれの本音があふれ出していく――。
  • セブンズ!
    3.5
    ラグビーの町、岩手県釜崎市。7人制女子ラグビーチームの監督を務める奥寺浩子は、来年に地元で行われる国体での優勝を目指し、チーム強化に奔走していた。浩子の尽力で、子育て中の主婦、俊足高校生、重量級の双子の姉妹ら、個性豊かなメンバーが集まるも、寄せ集めチームには、何かが足りなかった。浩子は、かつてラグビーをしていた妹の泉に大きな可能性を感じていたが、泉はある理由でラグビーから目を背けていた……。
  • 鬼の家
    3.3
    京都の千本通りの側にある豪邸は、資産家の夫が愛妻のために建てたものだ。ある夜、行き倒れの男がやってきて、すべては狂いだす――。闇に蠢く影は、異形の者か人が生み出したものか。人間の本質を抉りだす恐怖譚。
  • 九鬼周造 理知と情熱のはざまに立つ〈ことば〉の哲学
    4.0
    独自の思索を展開した哲学者・九鬼周造(1888-1941年)。その波乱に満ちた生涯をたどりながら、「〈ことば〉の哲学」をキーワードにして、全主要著作を読み解く。『「いき」の構造』(1930年)、『偶然性の問題』(1935年)、『文芸論』(1941年)といった多彩な著作を貫くものとは? 日本哲学研究の第一人者である著者が、若き日から耽溺してきた不世出の哲学者に抱く深い想いを今ついに解き放つ。
  • フェイスウォッシュ・ネクロマンシー
    NEW
    -
    1巻1,716円 (税込)
    息子の不登校に悩むパート主婦の「私」。洗顔料を使ったら、祖母が降霊してしまった。掃除道具と洗顔料と生家の思い出を携え、越冬する。第41回太宰治賞受賞。
  • spring another season
    4.0
    1巻1,716円 (税込)
    HALの祭典、ふたたび。 シリーズ累計11万部 2025年本屋大賞にノミネートされた恩田陸の新たな代表作、 傑作バレエ小説『spring』への熱いアンコールに応えた待望のスピンオフ! けれど今、こうして僕らは一緒に踊っている。戦っている。 互いを理解するために、対話するために。 二人の神に近づくために。 本編『spring』では描ききれなかった秘められし舞台裏に加えて、深津、ヴァネッサ、ハッサン、フランツ、そして萬春自身はもちろん、永遠の師匠ジャン・ジャメやエリック・リシャールの教師コンビ、ロシア留学を果たした滝澤美潮など様々なキャラクターたちの気になる過去と未来を描く全12章の小説集。中編「石の花」ほかたっぷりの書き下ろし&『spring』刊行時に期間限定で公開された幻の一篇「反省と改善」をはじめ、これまでに明かされた『spring』のストーリーを余すことなく完全収録。 【電子書籍版には紙書籍版に収録されている「パラパラ漫画」は付きません】
  • ダレカレ
    -
    1巻1,716円 (税込)
    「かえりたい。かえりたい! かえりたい!!」 ドロドロの食べ物、かけさせてもらえない電話、へんな薬。 少女は見知らぬ男の拘束から逃がれ、明け方の街を駆ける。 「おとうさんは、どこへいったの?」 恐怖、不安、孤独。どこへ行けばいいのかもわからない。 まだ暗い街で見つけたひと筋の灯り。 暖かな光に導かれた先はベーカリーだった。青いエプロンをつけた男の人がやさしく迎えいれてくれた。 「ようやくたどり着けた」 店中に広がる焼きたてパンの香りは少女の不安を溶かし、安堵でこころを満たした。 しかし……。 インディゲームクリエイター・yonaが手がけるNintendo switch(TM)・Steamで配信中のゲーム『ダレカレ』を、『英国妖異譚』『欧州妖異譚』『古都妖異譚』などのシリーズで人気を博する篠原美季が小説化。 ゲームに描かれた「誓い」を軸に小説オリジナルのエピソードを加えた、生きること信じることを問いかける感動の物語。
  • 頭がわるくて悪くて悪い
    3.8
    1巻1,716円 (税込)
    「宇宙人を殺すのはなんの犯罪にもあたらねえんだよ」 人間社会に溶け込み、悪事を働いている宇宙人を駆除すれば一晩で15万円。簡単なお仕事だといわれ、人生に行き詰った三浦馬連と山井孝直は宇宙人の隠れ家をタタきに向かう。合法ドラッグ、裏切りの裏切り……人はみんな思い込みで生まれて、勘違いで死んでいく。 日本語ドーピングの新鋭が描く、この世界の不条理=馬鹿馬鹿しさ。
  • かごいっぱいに詰め込んで
    3.8
    1巻1,716円 (税込)
    「いいなあ、幸せそうで」 スーパーを訪れる5編の「生活」。 寿退社をして主婦となり、子どもが手を離れた美奈子。社会に出て働こうと思い立つが、転職活動は思うようにいかない。 (「おしゃべりなレジ係」) 小学生の頃からのある癖によって痩せた、大学生の流花。しかし「ぶた」と呼ばれて受け流してしまった当時の自分を未だに許せない。 (「小さな左手」) 元彼女に二股をかけられて以来、マッチングアプリで遊ぶようになった亮。ある日会社の後輩から、SNSで自分がヤリモクの要注意人物として晒されていると知らされる。 (「気をつけてください!」) 友達の結婚ラッシュに焦り、婚活アプリで出会った貴文と結婚した咲希。出産した友達に「次は咲希の番だね」と言われ、咲希も妊活を始める。 (「なわとびの入り方」) IT化についていけず、早期退職した哲郎。ハローワークで再就職先を見つけられず、妻にも愛想をつかされ、公園のベンチで昼食をとる日々が続く。 (「不機嫌おじさん」) 「もう無理かもしれない」そんな気持ちを真下みことは掬い上げ、寄り添い、抱きしめてくれる。
  • 夜明けの花園
    4.0
    1巻1,716円 (税込)
    「ゆりかご」か「養成所」か、はたまた「墓場」か。 累計100万部突破! 「理瀬」シリーズ初短編集 ゴシック・ミステリの金字塔。 湿原に浮かぶ檻、と密やかに呼ばれていた全寮制の学園。 ここでは特殊な事情を抱える生徒が、しばしば行方を晦ます。                ヨハンの隠れた素顔、校長の悲しき回想、幼き日の理瀬、黎二と麗子の秘密、 月夜に馳せる聖、そして水野理瀬の現在。                             理瀬と理瀬を取り巻く人物たちによる、幻想的な世界へ誘う六編。 ・水晶の夜、 翡翠の朝 ・麦の海に浮かぶ檻 ・睡蓮 ・丘をゆく船 ・月触 ・絵のない絵本
  • 「死ね、クソババア!」と言った息子が55歳になって帰ってきました
    3.5
    1巻1,716円 (税込)
    息子「俺、離婚することにしたから。今日からここに住むわ」 母「ええっ!? 離婚!?」 後期高齢母と初老の息子。突然始まった二人暮らし、そして二人旅。笑いと涙のハイエイジ・エンターテインメント! 75歳、両親が遺した鎌倉の家に一人暮らしの晴恵。 一人息子の達彦は、大学進学をめぐる意見の食い違いから「死ね、クソババア!」と捨て台詞を残して家を出て以来、ほとんど音信不通。 終活を意識し始めた晴恵の元に、55歳になった達彦が突然、非の打ちどころのない嫁を捨てて帰ってきた! 離婚原因は? これからどうするつもり? 聞きたいことは山ほどあるのに言い出せないまま始まった母子生活。 おっかなびっくり息子の胸の内を探り、嫁を訊ねて探偵よろしく事情を聞くが埒はあかずーー そんな中、ひょんなことから息子と二人で九州旅行に行く羽目に。後期高齢者の母と初老の息子、果たしてその行く末は。 母と息子のドタバタ、高齢者あるある、そして最後はほろりと泣ける すべての親子に贈る物語
  • オール・ノット
    3.9
    1巻1,716円 (税込)
    今度の柚木麻子は何か違う。 著者の描く3歩先の未来にあるのは、ちょっとの希望とささやかな絆。 ~~~~ 友達もいない、恋人もいない、将来の希望なんてもっとない。 貧困にあえぐ苦学生の真央が出会ったのは、かつて栄華を誇った山戸家の生き残り・四葉。 「ちゃんとした人にはたった一回の失敗も許されないなんて、そんなのおかしい」 彼女に託された一つの宝石箱が、真央の人生を変えていく。 「大丈夫だよ。オール・ノットの真珠にすれば。あんたみたいながさつな子も。これは絶対に切れない、そういうつなぎ方をしているんだよ」 「え、オール・ノットって、全部ダメだって意味じゃなかったっけ?」 「全部ダメって意味もあるけど、全部ダメってわけでもない、っていう意味もあるんだよ。そうだよ。全部ダメってわけじゃないんだよ。なにごとも」
  • シナプス
    4.0
    1巻1,716円 (税込)
    覚醒するんだ、わたしーー。 常識、嫉妬、欲望、理想etc. 今の自分を束縛するものと訣別したとき、世界が変わる! 『アイドル、やめました。』『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』の著者が描く、 悩みながらも一歩前へ進もうとする人々全てに捧げる応援小説。 【収録作】(全四話) 「シナプス」幼い頃から心の支えだった作家・宮原の担当編集者になった塔子は、彼との不倫関係が会社にバレて退職を選択する。新天地の週刊誌編集部で待っていた過酷な現実とは? 「風俗嬢A」花屋でバイトをしながら人気女優を目指す31歳の紗英は、同業の彼氏とも崩壊の危機。そんな崖っぷちな彼女に与えられた役は、名もなき風俗嬢だった。 「MILK」営業成績優秀ながら、部下の俊太郎と報われない恋を続ける楓。心に傷を負った彼女が目にしたのは、レズビアン風俗のサイトでーー 。 「海の見えるコールセンター」有名映画プロデューサーとの不倫をスクープされたアイドル・早瀬マリカは、引退後、新潟で平凡な暮らしを送っていたはずだった。しかし、そこにも週刊誌の魔の手は伸びて......。
  • 【合本版】最後の医者シリーズ
    4.7
    1巻1,716円 (税込)
    ★映画化企画進行中!★ シリーズ累計45万部突破! 自分の余命を知った時、あなたならどうしますか? 死を肯定する医者×生に賭ける医者 対立する二人の医者と患者の最後の日々―― 衝撃と感動の医療ドラマ! ※本電子書籍は「最後の医者は桜を見上げて君を想う」「最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上)」「最後の医者は雨上がりの空に君を願う(下)」全3巻を1冊にまとめた合本版です。 【あらすじ】 あなたの余命は半年です――ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。死神と呼ばれる彼は、「死」を受け入れ、残りの日々を大切に生きる道もあると説く。だが、副院長・福原は奇跡を信じ最後まで「生」を諦めない。対立する二人が限られた時間の中で挑む戦いの結末とは? 究極の選択を前に、患者たちは何を決断できるのか? それぞれの生き様を通して描かれる、眩いほどの人生の光。息を呑む衝撃と感動の医療ドラマ誕生! 【文庫書き下ろし】 <「最後の医者は雨上がりの空に君を願う(下)」 全国の書店員様からのおすすめコメント> 読み終わった瞬間、心が震えた気がした。言葉に出来ないような想いを物語として伝えてくるこの物語はきっと読んだひとりひとりにとって特別な作品になる。 (TSUTAYA 三軒茶屋店 栗俣様) 一息に読んだ。一行だって読み飛ばせなかった。人の脆さが、弱さこそが、心を温めてくれるのだ。そう強く思えた。 (紀伊國屋書店 梅田本店 田中様) 諦めてもいい。この台詞から見えてくるあなたの未来は、きっと今よりも輝く。 (オリオン書房 ルミネ立川店 田邊様) 全ての人は救うために生まれてくる――生きるのを諦めていた彼を変えた人との出会い。二人の過去の想いが交錯する。人は皆、誰かの希望を持って生きている。これは希望の物語。 (紀伊國屋書店 新宿本店 宮本様) 泣いた。あぁ、そうだったのかと。死を目前にして明かされた真実は愛に満ち溢れていて、私まで救われた気がした。手術室のくだりはハンカチなしでは読めない程、泣いた。 (未来屋書店 伊丹店 中尾様) 病気になっても、あがいてあがいて闘うか、諦めるか選ぶことはできる。この作品を読んで、たとえ死が待っていようとも、周りの人の為にあがきたいと思いました。 (大垣書店 高槻店 工藤様) 様々な境遇の患者達に感情移入してしまい、上下巻一瞬で読み終えてしまいました。桐子、福原の過去との対峙を経て、最後の最後に交差する思い出。驚きました! (MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店 高見様) 涙なくしては読めませんでした! ! 電車の中で読んでいて涙が止められなくなり大変でした…。死を目前にして死を受けいれられるのか、最後まで生きようと闘うのか。自分が、どう選択するのか今はわかりません。けれど、私も1人の親としてカズくんのお母さんのように最後まで強く優しくありたいと思いました。 (BOOK EXPRESS エキュート上野店 高村様)
  • 靴の話/眼 小島信夫家族小説集
    3.0
    芥川賞受賞作「アメリカン・スクール」から戦後文学の金字塔といわれる「抱擁家族」までの十年間の短篇作品を精選。この間、アメリカ留学、家の新築、妻の手術、妻の死、再婚と、著者自身へもめまぐるしい「事件」が生じ、〈関係〉をめぐるドラマが主題となる。見知らぬ男からの一方的な関係、監禁という関係、友人の中にいる異質な友との関係、友人と妻の姦通……。「抱擁家族」へとなだれ込む、貴重な短篇集。
  • 万延元年のフットボール
    4.3
    友人の死に導かれ夜明けの穴にうずくまる僕。地獄を所有し、安保闘争で傷ついた鷹四。障害児を出産した菜採子。苦渋に満ちた登場人物たちが、四国の谷間の村をさして軽快に出発した。万延元年の村の一揆をなぞるように、神話の森に暴動が起る。幕末から現代につなぐ民衆の心をみごとに形象化し、戦後世代の切実な体験と希求を結実させた画期的長篇。谷崎賞受賞。
  • 親の家が空き家になりました
    3.6
    1巻1,730円 (税込)
    決して他人事ではない「空き家問題」。 「家」をめぐる家族の物語! 50代の主婦・瞳は兵庫県のマンションで夫の一郎と 二人で暮らしていたが、母の京子が入院したことをきっかけに、 同居を始める。 母が急死したことで空き家になった実家、相続などの 家族の問題に直面することに。 母の遺言状で兄姉との間に亀裂が入る中、 瞳は実家の整理や売却の準備を進めていくが―ー。
  • 君の知らない方程式 BISビブリオバトル部
    3.9
    1巻1,731円 (税込)
    秋学期が始まり、“校内コスプレ大会”ワンダー・ウィークで盛り上がる美心国際学園(BIS)。ビブリオバトル部も、地区大会出場者を決めるバトルに向けて、日々の活動に力を入れていた。一方、思いがけず二人の異性から告白をされてしまい、つらい選択を迫られる空。空をめぐって対立することになった武人と銀は、周囲に秘密の“決闘”で決着をつけようとしていた。しかし空は……。大人気、ビブリオバトル青春小説シリーズ!
  • 戯れの魔王
    4.0
    1巻1,732円 (税込)
    甲斐駒ケ岳の山岳地帯に作業場をかまえ、鉄のゲージツ家として活動を続けてきたオレ。後期高齢者となった今は、畑に野菜を作って猿や鹿との攻防を繰り広げ、奈良のお寺から蓮の根をわけてもらい、美しい花を咲かせるのに熱中する日々だ。 そんな作業場へ、サングラスを掛けたスキンヘッドの男たちがやってきた。 「ああ、そうか。マロの一味だな」 「はい、弟子の舞踏者です」 目をやると、テンガロンハットに黒い革のコートをまとった「中央線の魔王」が、桜の木に寄りかかっていた。オレの作品のガラスの柱を舞台に使わせてほしいと言うのだ。 「クマ、一緒に踊るか」 「オレが? マロと?」 子どもの頃から歌も踊りも苦手なオレだが、マロに「ダイジョーブ、俺が演出するんだ。素直な躰ひとつ、お持ちいただけるだけでよろしいので」とまで言われて怯むのは「私に生きる才能は残っておりません」と白旗を掲げるようなものだ。・・・ こうして白塗りのメイクで、麿赤児率いる大駱駝艦の初舞台を踏む「戯れの魔王」。 母の死を看取り、蓮の花が開いて散るまでの4日間を見届けて送り火を焚く「蓮葬り」。 日本アルプス屈指の名峰・甲斐駒ケ岳の初登山に、靴ずれしながら挑みきる「アマテラスの踵」。 鉢植えの蓮を野生の多年草に戻そうと、池を掘って腰をやられた。頑丈な肉体にも老いはしのびよる。そんな作業場に仔猫が迷い込む「ささらほーさら」。 話題作『骨風』のKUMAさん、生きる実感に満ちあふれた最新小説集。
  • 新・二都物語
    5.0
    1巻1,732円 (税込)
    一九〇三年に生を受けるも生い立ちがまったく異なる二人の男が、関東大震災をきっかけに思いもよらぬ運命へと導かれる。 ジェフリー・アーチャー『ケインとアベル』を思わせる傑作大ロマン小説! ひとりは、東北の寒村の生まれの柾木謙吉。 もうひとりは、大阪の銀行家の息子で、何不自由なく育った水町祥太郎。 講義録の出版で大成功をした笠尾喜十郎の家で書生をしていた謙吉は、関東大震災当日、喜十郎の娘・華枝を、華枝の腹違いの兄・喜之が手篭めにしようとしている現場に遭遇し、勢いあまって殺してしまう。 浅草へ外出していた喜十郎一家は全員亡くなり、震災の混乱に乗じて謙吉は喜之を演じるようになった。 謙吉は、喜之が行く予定だったロンドン留学で学力や人脈を培い、帰国後、内務官僚になる。 一方、祥太郎は、ひょんなことから、映画監督や地方紙の社長と知り合い、映画制作に関わることに。 関東大震災から終戦直後までを背景に二人の男の波乱万丈の人生が、東京・大阪の“二都”から上海や満州国の首都・新京(いまの長春)までもを舞台に展開します。 笑いあり涙もあり活劇あり、そして踊りや歌も入った、まさに大衆小説の王道的傑作です。
  • お勝手太平記
    4.2
    優雅なる脱線、冴えわたる悪口 金井ファン待望、痛快痛烈な最新小説 趣味は手紙を書くこと。 「手紙の吸血鬼」と化したアキコさんが お勝手の話題を書きに書きまくった手紙、その数50通。 料理、裁縫、映画、イヤな男等々・・・・・・。 名手の文章が存分に味わえる、贅沢な書簡小説。 ちらし寿司製作騒動、不二家のフランスキャラメル、“萌え”について、 新聞の幼稚な投書について、パジャマの好み、歌謡曲の歌詞について・・・・・・ ついつい、お喋りの長くなるアキコさん。 もちろん、著者ならではの小説的企みや、映画や小説の話題(レヴュー)も満載です。
  • 吾妻鏡 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    4.0
    鎌倉幕府初代将軍源頼朝から第6代将軍宗尊親王まで。頼朝の天下取りの後、激しい権力争いの中で、次々と将軍の首が挿げ替えられてゆく。血で血を洗う内部抗争の始終を著す長大な歴史書をダイジェストに!
  • 今昔物語集
    4.0
    芥川龍之介『鼻』『羅生門』の原話のみならず、エロに下卑た笑い、有名人の噂にスキャンダルの宝庫! 平安時代末期の民衆や勃興する武士階級、人間味あふれる貴族、僧侶らの姿をリアルに描く、「美しい生ま々々しさ」(芥川)に満ちた日本最大の仏教説話集。「仏教」説話だから抹香臭いお行儀の良い話が集められているかといえば、大違い。この世のありとあらゆる「業」にまつわる面白い物語が目白押し。
  • 双頭の鷲(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,738円 (税込)
    時は、中世。イングランドとの百年戦争で、劣勢に陥るフランスに登場したベルトラン・デュ・ゲクラン。このブルターニュ産の貧乏貴族、口を開けば乱暴粗野なことばかり。だが幼き日より、喧嘩が滅法強いベルトラン、見事な用兵で敵を撃破する。神は、武骨なその男に軍事の大才を与えたもうた! 鉄人チャンドスは戦慄し、好敵手グライーは闘志を燃やす――。歴史小説の新たなる傑作。 ※当電子版は新潮文庫版『双頭の鷲』上下巻をまとめた合本版です。
  • ビジネス小説 もしも彼女が関ヶ原を戦ったら
    4.1
    1巻1,742円 (税込)
    10万部突破のベストセラー第2弾 最強の徳川家康にビジネススキルで挑む 経営不振に陥った名門歴史ゲーム企業の命運を握る極秘プロジェクト、それは触覚や嗅覚までもが再現されたメタバース空間で行う関ヶ原の戦いだった。歴史もゲームも詳しくない主人公みやびは、その開発中の超絶リアルなゲームのテストプレイを任命され、史実ではあっさり敗れた西軍を勝たせるというミッションを担うことに。AIが搭載された武将をZOPA・DESC・OODAなどの最新ビジネススキルで動かし、弾丸や矢が飛び交う戦場で兵を指揮しながらシナリオを進めてゲームのクオリティ向上に貢献する。 しかし現実世界ではゲームの開発が遅れ、リストラや社内での権力争い、合併話など次々と困難に見舞われてしまい、メタバース空間の関ヶ原では圧倒的に不利な状況に……。 果たして、みやびは西軍を勝利させ、業績不振の会社を救えるのか。そして日本はメタバースで世界を牽引する存在となり“失われた30年”を取り戻せるのか。
  • 本格小説(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,749円 (税込)
    ニューヨークで、運転手から実力で大金持ちとなった伝説の男・東太郎の過去を、祐介は偶然知ることとなる。伯父の継子として大陸から引き上げてきた太郎の、隣家の恵まれた娘・よう子への思慕。その幼い恋が、その後何十年にもわたって、没落していくある一族を呪縛していくとは。まだ優雅な階級社会が残っていた昭和の軽井沢を舞台に、陰翳豊かに展開する、大ロマンの行方は。 ※当電子版は新潮文庫版『本格小説』上下巻をまとめた合本版です。
  • 海戦三部作(コンスタンティノープルの陥落、ロードス島攻防記、レパントの海戦)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,749円 (税込)
    東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。(『コンスタンティノープルの陥落』の内容紹介文より) ※当電子版は新潮文庫版『コンスタンティノープルの陥落』『ロードス島攻防記』『レパントの海戦』をまとめた合本版です。
  • 山之口貘 小説全集
    NEW
    -
    1巻1,760円 (税込)
    近代・現代を代表する沖縄生まれの詩人。生涯、借金に追われる貧乏生活を送りながらも、その精神は詩人であり続けた。 山之口貘は、近代・現代を代表する沖縄出身の詩人である。 1922年、絵の勉強を志して19歳で上京し、日本美術学校に入学するが、わずか1カ月で中退。父の事業が失敗し、約束されていた仕送りが一度も届かなかったため、放浪生活に入る。友人の下宿を転々としながら本郷絵画研究所に通った。 翌年の9月1日、関東大震災に遭遇。罹災者恩典により一度帰郷するが、22歳で詩稿を抱えて再び上京。しかし定職には就けず、再び放浪の日々が始まる。結婚までの16年間、書籍問屋の荷造り人、暖房屋、鍼灸屋、ダルマ船の運搬助手、汲取屋、鍼灸医学研究所勤務、ニキビ・ソバカス薬の通信販売など職を転々としながら、夜は公園や駅のベンチ、友人の下宿、勤め先のビルの空室などを仮住まいとして詩作を続けた。 結婚後も貧乏神に取り憑かれたような借金生活が続いたが、「生涯詩人」としての姿勢は一貫していた。そして、その生き方に呼応するように、暮らしもまた「生涯貧乏」であった。 本全集に収められた21篇の小説は、すべてが過去の生活実態を赤裸々に描いた私小説である。貘が生きた時代、そして詩が生まれた背景が、独自の飄々とした筆致で描かれている。 【目次】 自伝 ぼくの半生記 小説 ダルマ船日記 詩人便所を洗う 天国ビルの齋藤さん 詩人国民登録所にあらわる 詩人の結婚 無銭宿 お福さんの杞憂 野宿 穴木先生と詩人 親日家 貘という犬 月謝 第四「貧乏物語」 質屋の娘 関白娘 光子の縁談 第三日曜日 アルパカ・ルパシカ 詩人の一家 汲取屋になった詩人 首実験に来た客 年譜 山之口貘の生涯 【著者】 山之口 貘 1903年、沖縄県那覇市に生まれる。1922年に上京後、職を転々としながら詩作を続ける。 1936年、草野心平が金子光晴を通して原稿を依頼したのが縁で詩誌『歴程』の同人となる。生前に『思弁の苑』(1938)、『山之口貘詩集』(1940)、『定本山之口貘詩集』(1958)の3冊の詩集を上梓。死後1年経って『鮪に鰯』(1964)が出版されたが、4冊を合わせても198篇しか残していない。 1963年、59歳で胃癌で逝去。死の直前に沖縄タイムス賞受賞。1978年、琉球新報社によって山之口貘賞が設立。
  • 最後の皇帝と謎解きを
    NEW
    -
    1巻1,760円 (税込)
    2026年第24回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞作 紫禁城で起こる密室殺人事件に溥儀と日本人絵師が挑む! 身分も国も超えた人々の友情×歴史ミステリー 選考委員絶賛! 「この時代のこの場所をピンポイントで選んだ着眼点はすばらしく、たいへんユニークな歴史ミステリーに仕上がっている」大森望(翻訳家・書評家) 「過酷な運命を強いられた少年廃帝と異郷で孤立しがちな若き日本人画家の絆が育まれていくありさまが素晴らしい」香山二三郎(コラムニスト) 「当時の紫禁城を知らない読者とほぼ同じ目線の主人公のため、物語世界に入りやすい」瀧井朝世(ライター) (あらすじ) 1920年、中国。北京在住で日本人絵師の一条剛は、紫禁城に住む廃帝・溥儀に水墨画の師として雇われた。しかし溥儀には、城に眠る水墨画を贋作にすり替えて真作を秘密裏に売却し、清朝復興のための資金を調達する目的があったのだった――。 使用人の宦官のひとりが密室で不審死を遂げた事件を皮切りに、龍の絵に何者かの手で描き加えられていた目、ある時を境に感情をなくした宦官など、一条はさまざまな謎を少年廃帝とともに解き明かすことになる。立場を超え、ふたりの間には徐々に友情が芽生えていくが……。 【著者について】 犬丸幸平(いぬまる・こうへい) 1994年、大阪府箕面市出身。神奈川県川崎市在住。京都産業大学英米語学科卒業。在学中からバックパッカーに夢中になり、中東、南米、アフリカなどを中心に約40ヵ国を訪問。現在はパキスタンで絨毯の買い付けなどをしている。趣味は筋トレ。推理小説を読むきっかけになった漫画『名探偵コナン』の連載開始年に生まれ、誕生日は5月7日(コナン)。

最近チェックした作品からのおすすめ